説明

流量計測方法及びそれを使った流量計測装置

【課題】計測環境に影響されない流量の計測を可能にする。
【解決手段】流量計(20)を通してワークに供給する気体を調圧弁(12)でテスト圧に設定し、流量計によりワークから流出する計測環境での流量を計測し、ワークに供給する気体の温度と計測環境の気圧を測定し、測定した温度と気圧により流量換算部(30R)において標準状態の流量への変換係数Rを計算し、流量等価部(30E)において換算流量に対し換算係数の平方根で割り算して計測環境が標準状態での流量計測と等価な流量を求め、表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計測環境の影響が少ない流量計測方法及びそれを使った流量計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流量計測装置は例えば容器から漏れる気体の流量計測、任意の気体の供給量調整のための流量計測又は流量管理などに使用される。これら流量計測において気体供給対象を以下ではワークと呼ぶ。この流量計測のためには、流量計を通して例えばテスト圧の気体をワークに供給し、ワークからの気体の流出量を計測する。この発明に係る流量計測装置に接続されるワークからの気体流出は近似的にベルヌイの定理に従うものとする。従って、流量に対する気体の粘性の影響は比較的少なく無視する。更に、以下の説明において流量計測の対象の気体は空気であるが、他の任意の気体にも適用できる。
【0003】
このような気体の流量計測に使用される流量計測装置の従来例を図1に示す。図1の流量計測装置230は、空圧源11に接続されたテスト導管14と、テスト導管14に直列に挿入された調圧弁12と、調圧弁12の下流側においてテスト導管14に直列に挿入された流量計20と、流量計20の下流側においてテスト導管14に挿入された温度計32と、流量計20の下流側においてテスト導管14に直列に挿入された開閉弁16と、開閉弁16の下流においてテスト導管14に連結されたテスト圧計13と、演算装置30と、演算結果の流量を表示する表示部31と、計測環境の大気圧を測定する気圧計33とから構成され、テスト導管14の下流端にワーク40が接続される。空圧源11を流量計測装置230に含めてもよい。空圧源11は正圧を発生するものでも、負圧を発生するものでもよい。流量計20としては差圧式流量計、層流式流量計、熱線式流量計など、どのような形式の流量計でもよい。
【0004】
温度計32は流量計20とワーク40の間の任意の位置においてテスト導管14に挿入され、ワーク40に供給される気体の温度を測定する。演算装置30は係数記憶部30Mと、流量換算部30Rとから構成されている。流量換算部30Rは流量計20からの計測環境での計測流量Qtと、温度計32からの温度tと、気圧計33からの気圧Bと、係数記憶部30Mに保持されている係数が与えられ、流量計20により計測された流量(以下、計測環境での流量と呼ぶ)Qtを標準状態(例えば20℃、気圧1013hPa)での流量Q20’に換算して表示部31に与え、表示する。
【0005】
ワーク40からの気体の流出はベルヌイの定理に従うので、大気圧に対する差圧である予め決めたテスト圧ΔP1の気体がワーク40に与えられた時のワークの穴から流出する気体の流量Qtは次式
【0006】
【数1】

で表される。Kはワークの穴の大きさや形状などにより決まる形状係数であり、固定値である。Qtは計測環境(温度計32による温度がt℃、気圧計33による気圧がBhPa)での流量計20により計測される実体積流量(mL/min)である。ρtは計測環境での空気密度である。
【0007】
図1において、ワーク40をテスト導管14に取り付けてから開閉弁16を開通させ、空圧源11からの気体を流量計20を通してワーク40に供給する。調圧弁12を調整し、テスト圧計13に表示されるワーク40に供給される気体の圧力が所望のテスト圧となるよう設定する。テスト圧は計測環境での大気圧に対する差圧ΔP1である。この時、ワーク40から流出する気体の実体積流量が流量計20により計測される。
【0008】
このようにして式(1) により表されるワークからの流出気体の流量Qtは温度t、気圧Bの時の実体積流量であり、温度及び/又は気圧が変化すれば式(1) により空気密度ρtが変化するため、ワーク40が同じ(即ち、ワークの漏れ穴が同じ)でも流量Qtが変化してしまう。即ち、流量計測装置が使用される場所、あるいは同一場所における時間が変われば環境条件(計測環境での気圧B及び温度t)が変化するので、同じ流量計20を使って測定される流量Qtが異なる値を示す不都合がある。
【0009】
また式(1) により表される流量Qtを計測することにより、例えば検査対象のワークにおいて、ワークからの気体流出量が基準値より小さいか否か、あるいは要求された基準値より大か否かによりワークが良品か不良品かを判定すれば、その判定結果は環境に影響されてしまう問題がある。例えばワークの漏れの大きさによりワークの品質を判定する場合、本来であれば、漏れの原因であるワークの穴の大きさ(例えば穴の径あるいは面積)だけに依存する流量として計測できれば、計測環境に依存しない品質判定結果を得ることができるが、現実には穴の大きさが同じでも、計測環境の影響を受けてしまう。
【0010】
あるいは、ワーク40の代わりに標準状態で規定のテスト圧に対し規定の流量を生じさせる流量抵抗設定ノズル(例えば特許文献1参照)を接続し、流量計測装置230を校正する場合、本来、流量抵抗設定ノズルの穴径にのみ依存する流量として校正できることが望まれるが、計測環境により流量が変化する。
そこで、従来はワークの漏れ量検査においてはワークからの漏れ量に対応する体積流量Qtを流量計20により計測し、演算装置30の流量換算部30Rにおいてその体積流量Qtを予め決めた標準状態、例えば20℃、1気圧(1013hPa)の流量Q20’に換算して表示している。具体的には、例えば計測環境での実体積流量Qtを質量流量ρttで考えると、標準状態に換算された質量流量ρ2020’と等しいので、次式
【0011】
【数2】

のように換算して表示部31に表示している。以下、Rを換算係数と呼ぶことにする。この換算係数Rの値は計測環境の気体温度tと気圧Bが決まれば一義的に決まる。Q20'は標準状態での換算体積流量であり、ρ20は標準状態の空気の密度である。標準状態としては例えば温度0℃、気圧1013hPaを使用することもあるが、以下の説明では温度20℃、気圧1013hPaの場合で説明する。このような標準状態の流量への換算は例えば特許文献2において示されているボイル・シャルルの法則を使った流量の換算と同じである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3778359号公報
【特許文献2】特開2007−309778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、式(2) で得られる換算流量Q20’は単に標準状態に換算した流量であり、実際に標準状態で測定した値と一致するとは限らない。しかも、後述するように換算結果も依然、測定環境に影響する。この発明の課題は同じワークに対し同じテスト圧ΔP1を与えれば、計測環境の影響が小さく、ほぼ同じ流量が得られる流量計測方法及びそれを使った流量計測装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明による第1の流量計測方法は、
(a) 流量計を通してワークに供給する気体のテスト圧が所定の値となるように調整する過程と、
(b) 流量計による計測環境での実体積流量と、ワークに供給する気体の温度と、計測環境の気圧を測定する過程と、
(c) 上記温度と上記気圧により決まる所定の標準状態への換算係数を上記計測環境での実体積流量に乗算して標準状態での流量に換算する過程と、
(d) 上記換算流量を、上記換算係数の平方根で割り算し、割り算結果を計測環境が標準状態での流量計測と等価な流量として得て、上記換算流量と上記等価な流量のいずれか一方又は両方を表示する過程と、
を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明による第2の流量計測方法は、
(a) 流量計を通してワークに供給する気体のテスト圧が所定の値となるように調整する過程と、
(b) 流量計による計測環境での実体積流量と、ワークに供給する気体の温度と、計測環境の気圧を測定する過程と、
(c) 上記実体積流量に対し、上記温度と上記気圧により決まる所定の標準状態への換算係数の平方根を乗算し、乗算結果を計測環境が標準状態での流量計測と等価な流量として表示する過程と、
を含むことを特徴とする。
【0016】
この発明による第1の流量計測装置は、
計測環境の気圧を測定する気圧計と、
空圧源からテスト導管を通してワークに供給する気体をテスト圧に設定する調圧弁と、
上記ワークに供給する気体の温度を測定する温度計と、
上記調圧弁の下流においてテスト導管に直列に挿入された流量計と、
上記流量計により計測された計測環境での実体積流量に対し、上記気体の温度と、上記計測環境の気圧とで決まる所定の標準状態への換算係数を乗算して換算流量を求める流量換算部と、
上記換算流量を、上記換算係数の平方根で割り算し、割り算結果を計測環境が標準状態での流量計測と等価な流量として得る流量等価部と、
上記等価な流量を表示する表示部と、
を含むことを特徴とする。
【0017】
この発明による第2の流量計測装置は、
計測環境の気圧を測定する気圧計と、
空圧源からテスト導管を通してワークに供給する気体をテスト圧に設定する調圧弁と、
上記ワークに供給する気体の温度を測定する温度計と、
調圧弁の下流においてテスト導管に直列に挿入された流量計と、
上記流量計により計測された計測環境での実体積流量に対し、上記気体の温度と、上記計測環境の気圧とで決まる所定の標準状態への換算係数の平方根を乗算し、乗算結果を計測環境が標準状態での流量計測と等価な流量として得る流量等価部と、
上記等価な流量を表示する表示部と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、計測装置が使用される計測環境(気圧、温度)にほぼ影響されないで計測環境が標準状態における流量計測と等価な流量を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来の流量検査装置のブロック図。
【図2】この発明による流量計測装置の第1実施例を示す構成図。
【図3】第1実施例による流量計測方法の処理過程を示すフロー図。
【図4】この発明による流量計測装置の第2実施例を示す構成図。
【図5】第2実施例による流量計測方法の処理過程を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[この発明による流量計測原理への導入]
図1の流量計20によりワーク40に供給するテスト圧の気体の温度がt℃、計測環境の大気圧がB(hPa)の時、テスト圧ΔP1を与えて生じる漏れ流量(即ち、計測環境での流量)Qtは式(1) で与えられる。同じワーク40に対し標準状態(20℃、1013 hPa)で同じテスト圧ΔP1を与えて生じる漏れ流量(即ち、標準状態での流量)Q20は次式
【0021】
【数3】

で与えられる。ρ20は標準状態での空気密度である。式(3) のKを式(1)に代入すると次式
【0022】
【数4】

が得られる。式(4) のQtを式(2) に代入すると、次式
【0023】
【数5】

が得られる。式(5) におけるQ20は標準状態においてテスト圧(ΔP1)を与えた時に計測される流量であり、この値は式(3) において標準状態での気体密度ρ20が一定値であるので、テスト圧ΔP1のみに依存する。従って、式(5) を変形して得られる次式
【0024】
【数6】

から計測環境が標準状態における流量が計算できる。
【0025】
密度ρは一般にW(質量)/V(体積)で表されるので、質量Wの気体の標準状態(温度20℃、T20=293K、気圧P20=1013hPa)の体積V20及び密度ρ20と、計測環境(温度t℃、Tt=273+t(K)、気圧Pt=1013hPa)の体積Vtと密度ρtの関係は次式
【0026】
【数7】

で表される。式(7) にボイルシャルルの法則を適用すれば、次式
【0027】
【数8】

が得られる。式(8) に標準状態の気圧P20=1013hPa、温度20℃、T20=273+20(K)、計測環境の気圧Pt=BhPa、温度t℃、Tt=273+t(K)を代入すれば、次式
【0028】
【数9】

が得られる。式(9) を式(6) に代入すると、
【0029】
【数10】

が得られる。ここでEを等価係数と呼ぶことにする。この等価係数Eは式(2)における換算係数Rの平方根の逆数に等しい。式(10)は従来装置において温度t(℃)、気圧B(hPa)の条件下でテスト圧ΔP1を与えた時に生じる実体積流量Qtの標準状態への換算流量Q20’が式(2) により求まれば、等価係数Eを乗算することにより、同じワークに対する計測環境が標準状態での流量計測と等価な流量Q20が求まることを示している。即ち、式(10)は式(3)から導出したので、式(10)により求められた流量Q20は標準状態で式(3)により直接求められる流量と等価である。従って、計測環境での実体積流量Qtに対する計測環境が標準状態での等価流量(以下、単に等価流量と呼ぶ)である式(10) による流量Q20は原理的に計測環境に依存しないことを意味している。ただし、計測環境が変化することによるワーク自身の温度、圧力による変形に起因する漏れ穴の大きさの変化は無視できる程度に小さいものとする。
【0030】
一方、式(5) で示した従来の換算流量Q20’においては、標準状態での流量Q20及び気体密度ρ20はそれぞれ一定であるが、計測環境での気体密度ρtは温度及び気圧に依存するので、換算流量Q20’は計測環境に依存することがわかる。
【0031】
式(10) から明らかなように、この発明の流量計測方法は、従来市販されている流量計測装置において計測した換算流量Q20’に式(11)の等価係数E、即ち式(2) の換算係数Rの平方根の逆数を乗算すれば(即ちR1/2で割り算すれば)等価流量Q20が得られる。従って、図2中に破線で示すように選択部34を設け、装置の使用者の選択指定に従って、流量換算部30Rによる従来の換算流量Q20'の計測値と、流量等価部30Eによる等価流量Q20の計測値のいずれか一方、又は両方の値を選択して出力し表示部31に表示させる構成としてもよい。
【0032】
なお、式(4)を変形して
【0033】
【数11】

と表せば、計測環境での実体積流量Qtに標準状態への換算係数Rの平方根を乗算することにより等価流量Q20を直接計算できることがわかる。
【0034】
以上の説明では標準状態として温度は20℃、気圧は1013hPaの場合で説明したが、予め決めた任意の温度tSと気圧BSを標準状態の温度と気圧とすれば、標準状態の等価流量を表す式(10)は次式に置き換えられる。
【0035】
【数12】

TS’は標準状態に換算した流量を表す。同様に、式(12)は次式で置き換えられる。
【0036】
【数13】

以下、本発明による流量計測装置と流量計測方法の実施形態について図を参照して説明する。
【0037】
[第1実施例]
図2は図1と同様に流量計を使用した流量計測装置の第1実施例を示し、図3はその計測方法の処理過程を示す。図1における流量計測装置230との差異は図1における演算装置30に流量等価部30Eが追加された演算装置30’を使用していることである。その他の構成は図1と全く同じである。従って、従来の演算装置30に流量等価部30Eの処理が新しく追加されており、その他は図1と同じである。
【0038】
気圧計33及び温度計32により計測環境の気圧B(hPa)とワーク40に供給する気体の温度t(℃)が測定され、演算装置30’の係数記憶部30Mに記憶される。また、係数記憶部30Mには形状係数Kなども記憶される。
【0039】
開閉弁16を閉じた状態でワーク40がテスト導管14の下流端に取り付けられる。
ステップS1:開閉弁16を開いて空圧源11から流量計20を通してワーク40に気体を供給し、調圧弁12を調整してテスト圧計13が示す気体圧力(大気圧との差圧ΔP1)が所定のテスト圧となるように設定する。
ステップS2:温度計32からの気体温度t及び気圧計33から計測環境の気圧Bを係数記憶部30Mに読み込む。
ステップS3:流量計20が計測した計測環境での実体積流量Qtを演算装置30’に取り込む。
ステップS4:流量換算部30Rにおいて計測環境での実体積流量Qtに対し、式(2)により気圧Bと温度tを使って計算した標準状態への換算係数を乗算して換算流量Q20’を得る。
ステップS5:流量等価部30Eにおいて式(10) により換算流量Q20’を換算係数の平方根で割り算して標準状態での流量と等価な流量Q20を得、換算流量及び/又は等価流量を表示部31に表示する。
【0040】
[第2実施例]
図4はこの発明による流量計測装置の第2実施例を示し、図5はその計測方法の処理過程を示す。図1における流量計測装置230との差異は図1における演算装置30の流量換算部30Rの替わりに流量等価部30E’が設けられた演算装置30”を使用していることである。その他の構成は図1と全く同じである。従って、演算装置30”における流量等価部30E’の処理が新しく、その他は図1と同じである。
【0041】
気圧計33及び温度計32により計測環境の気圧B(hPa)とワーク40に供給する気体の温度t(℃)が測定され、演算装置30”の係数記憶部30Mに記憶される。また、係数記憶部30Mには形状係数Kなども記憶される。
【0042】
開閉弁16を閉じた状態でワーク40がテスト導管14の下流端に取り付けられる。
ステップS1:開閉弁16を開いて空圧源11から流量計20を通してワーク40に気体を供給し、調圧弁12を調整してテスト圧計13が示す気体圧力ΔP1が所定のテスト圧となるように設定する。
ステップS2:温度計32からの気体温度t及び気圧計33から計測環境の気圧Bを係数記憶部30Mに読み込む。
ステップS3:流量計20により計測した計測環境での実体積流量Qtを演算装置30”に取り込む。
ステップS4:流量等価部30E’において計測環境での実体積流量Qtに対し、式(2) により気圧Bと温度tを使って計算した標準状態への換算係数の平方根を乗算して式(12)の等価流量Q20を得て、表示部31に表示する。
【0043】
なお、前述の各実施例において流量として空気の流量を計測する場合を説明したが、テスト圧を当てる気体として窒素、酸素、炭酸ガス、その他任意の気体を使用してもよいことは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、流量の計測、流量計の校正に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 流量計を通してワークに供給する気体のテスト圧が所定の値となるように調整する過程と、
(b) 流量計による計測環境での実体積流量と、ワークに供給する気体の温度と、計測環境の気圧を測定する過程と、
(c) 上記温度と上記気圧により決まる所定の標準状態への換算係数を上記計測環境での実体積流量に乗算して標準状態での流量に換算する過程と、
(d) 上記換算流量を、上記換算係数の平方根で割り算し、割り算結果を計測環境が標準状態での流量計測と等価な流量として得て、上記換算流量と上記等価な流量のいずれか一方又は両方を表示する過程と、
を含むことを特徴とする流量計測方法。
【請求項2】
(a) 流量計を通してワークに供給する気体のテスト圧が所定の値となるように調整する過程と、
(b) 流量計による計測環境での実体積流量と、ワークに供給する気体の温度と、計測環境の気圧を測定する過程と、
(c) 上記実体積流量に対し、上記温度と上記気圧により決まる所定の標準状態への換算係数の平方根を乗算し、乗算結果を計測環境が標準状態での流量計測と等価な流量として表示する過程と、
を含むことを特徴とする流量計測方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の流量計測方法において、上記換算係数は
【数14】

であり、tS及びBSは上記標準状態の温度と気圧を表し、Bは計測環境での気圧を表し、tは上記気体の温度を表す。
【請求項4】
計測環境の気圧を測定する気圧計と、
空圧源からテスト導管を通してワークに供給する気体をテスト圧に設定する調圧弁と、
上記ワークに供給する気体の温度を測定する温度計と、
上記調圧弁の下流においてテスト導管に直列に挿入された流量計と、
上記流量計により計測された計測環境での実体積流量に対し、上記気体の温度と、上記計測環境の気圧とで決まる所定の標準状態への換算係数を乗算して換算流量を求める流量換算部と、
上記換算流量を、上記換算係数の平方根で割り算し、割り算結果を計測環境が標準状態での流量計測と等価な流量として得る流量等価部と、
上記等価な流量を表示する表示部と、
を含むことを特徴とする流量計測装置。
【請求項5】
請求項4記載の流量計測装置において、更に上記換算流量と上記等価な流量の一方又は両方を選択して上記表示部に表示させる選択部が設けられていることを特徴とする流量計測装置。
【請求項6】
計測環境の気圧を測定する気圧計と、
空圧源からテスト導管を通してワークに供給する気体をテスト圧に設定する調圧弁と、
上記ワークに供給する気体の温度を測定する温度計と、
調圧弁の下流においてテスト導管に直列に挿入された流量計と、
上記流量計により計測された計測環境での実体積流量に対し、上記気体の温度と、上記計測環境の気圧とで決まる所定の標準状態への換算係数の平方根を乗算し、乗算結果を計測環境が標準状態での流量計測と等価な流量として得る流量等価部と、
上記等価な流量を表示する表示部と、
を含むことを特徴とする流量計測装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか記載の流量計測装置において、上記換算係数は
【数15】

であり、tS及びBSは上記標準状態の温度と気圧を表し、Bは計測環境での気圧を表し、tは上記気体の温度を表す。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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