説明

浄化装置及びこれを用いたボイラ

【課題】ボイラをはじめとする燃焼機器の燃焼ガスに含まれるCOを、NOxの発生を抑制しつつ低減、除去するための浄化装置及びこの浄化装置を用いたボイラを提供すること。
【解決手段】燃焼により発生した燃焼ガスG2に含まれるCOを削減するための浄化装置30であって、前記燃焼ガスG2が移動可能な通気路17Aと、前記通気路17Aに配置され、前記燃焼ガスG2が通過可能とされるCO酸化触媒39と、前記通気路17Aにおける前記CO酸化触媒39の上流側に配置され前記燃焼ガスG2を冷却する冷却手段35とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃焼機器から発生される燃焼ガス中のNOxを抑制しつつCOを削減することが可能な浄化装置及びこれを用いたボイラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボイラ等の燃焼機器から発生する燃焼ガスを排出又は次工程に移送する場合、燃焼ガスに含まれるCO、NOxを所定の数値(例えば、規制値等)以下とすることが必要な場合がある。
CO、NOxを所定の数値まで削減するにあたっては、燃焼ガスを触媒に通過させて、燃焼ガスに含有されるCO、NOxを酸化、還元してこれらを除去することが行われている。
【0003】
このように、燃焼ガスに含まれるNOx、COを、触媒を用いて削減するための技術として、燃料に対する空気比を1.0近傍の狭い範囲に制御して燃焼させて、その燃焼ガスを触媒に通過させることにより、NOx、COを除去する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、燃焼ガスに含まれるNOx、COを、NOxの還元を促進するNOx還元触媒やCOの酸化を促進するCO酸化触媒を用いて削減する技術として、燃料に対する空気比(化学量論的値)を1.0よりも小さくしてNOx還元触媒を通過する際のCO含有量を高くすることにより、NOx還元触媒を通過する燃焼ガス中のNOx量を過剰COにより目標値以下まで還元させ、その後、燃焼ガスに酸素を付加してCO酸化触媒にてCOを除去する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】国際公開第2007/043216号パンフレット
【特許文献2】特表2001−520110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、燃焼ガスを触媒に通過させるという簡単な構造でNOx及びCOが除去可能である一方で、燃料に対する空気比の複雑な制御が必要であり、燃料に対する空気比が1.0より小さい側にばらついた場合、COの充分な除去が困難であるという問題がある。
【0006】
一方、特許文献2に記載された技術では、触媒を通過する排気ガスが高温であるためにPt等の高価な貴金属を多量に用いた触媒の寿命が短く、CO含有量の制御が複雑であり、燃料に対する空気比が1.0以上にばらついた場合には、NOxが充分に削減されずに残留する。
また、特許文献2に記載された技術では、燃料に対する空気比が1.0より小さいために不完全燃焼によるHCが残留し、燃料が無駄になるという省エネルギーの観点からも問題がある。
【0007】
さらに、特許文献2に記載の技術では、NOx還元触媒での還元反応で生成されたN中間体が、NOx還元触媒後の高温雰囲気下やCO酸化触媒上で酸化されて再びNOxとなる場合や、燃焼雰囲気下において生成されたN中間体が燃焼ガスの通過経路の高温雰囲気下やCO酸化触媒上で酸化されてNOxを増大する可能性があるという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ボイラをはじめとする燃焼機器から発生する燃焼ガス中のNOxの生成を抑制しつつ、COを低減、除去するための浄化装置及びこの浄化装置を用いたボイラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1記載の発明は、燃焼により発生した燃焼ガスに含まれるCOを削減するための浄化装置であって、前記燃焼ガスが移動可能な通気路と、前記通気路に配置され、前記燃焼ガスが通過可能とされるCO酸化触媒と、前記通気路における前記CO酸化触媒の上流側に配置され前記燃焼ガスを冷却する冷却手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る浄化装置によれば、CO酸化触媒の上流側に冷却手段が配置されていて燃焼ガスを冷却して温度を低下させるので、燃焼時に生成されたN中間体が通気路の雰囲気下やCO酸化触媒上において酸化されるのが抑制される。その結果、NOxの増加を抑制しつつCOを削減することができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の浄化装置であって、前記通気路における前記冷却手段の上流側に配置され、前記燃焼ガスが通過可能とされるNOx還元触媒を備えていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る浄化装置によれば、冷却手段の上流側にNOx還元触媒が配置されているので、燃焼ガスに含有されるNOxが還元、削減される。
また、NOx還元触媒後の燃焼ガスが冷却されて温度が低下しているので、NOx還元触媒後の通気路におけるN中間体の生成が抑制されるとともに、CO酸化触媒におけるN中間体の酸化によるNOxの生成が抑制される。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の浄化装置であって、前記冷却手段は、前記燃焼ガスの温度を調整可能に構成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る浄化装置によれば、冷却手段が、燃焼ガスの温度を調整可能に構成されているので、燃焼ガスがCO酸化触媒を通過する際の温度を、例えば、NOxの生成が抑制されCOが選択的に酸化される範囲の温度(以下、CO選択酸化反応温度という)とすることができる。
その結果、NOxの生成を抑制しつつ、COを効率的に酸化、除去することができる。
この明細書において、CO選択酸化反応温度とは、図1において符号Eで示す範囲の温度であり、この温度範囲に対応するCO、NOxの濃度は、例えば、CO、NOxの規制値や目標値に基づいて定められる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の浄化装置であって、前記CO酸化触媒の上流側に、前記燃焼ガスに酸素を含有する気体を導入する酸化補助手段を備えることを特徴とする。
【0016】
この発明に係る浄化装置によれば、CO酸化触媒の上流側に酸化補助手段を備えていて、燃焼ガスに酸素を含有する気体(純酸素を含む)を導入することが可能であるので、CO酸化触媒におけるCOの酸化を効率的に行うことが可能となる。
【0017】
請求項5記載の発明は、ボイラであって、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の浄化装置を備えたことを特徴とする。
【0018】
この発明に係るボイラによれば、燃焼ガスに含まれるN中間体が酸化されることによりNOxが生成されるのを抑制しつつ、COを効率的に削減することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係る浄化装置及びボイラによれば、NOxの生成を抑制しつつCOを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図1から図5を参照し、この発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、燃焼ガスの温度と、その温度におけるCO酸化触媒の後段(下流側)でのCO及びNOxの濃度との関係を示す図である。
図1において、符号Eは、CO選択酸化反応温度であり、NOxの生成を抑制しつつCOを所定の濃度以下とするための温度範囲を示している。
CO選択酸化反応温度Eの上限温度THは、図1においてNOx濃度を表すNOx濃度特性曲線JとNOx濃度の目標値Vにより定まり、CO選択酸化反応温度Eの下限温度TLは、CO濃度を示すCO濃度特性曲線KとCO濃度の目標値Wにより定まる。
【0021】
図2、図3は、第1の実施形態に係る小型貫流式のボイラ10を説明する図であり、図2は縦断面図を、図3は、図2のIII−III線に沿う横断面図を示している。
ボイラ10は、筐体11と、缶体12と、バーナ16と、燃焼ガス排出管17と、送風手段18とを備えており、燃焼ガス排出管17により構成される排出路(通気路)17Aには浄化装置30が配置されている。
【0022】
缶体12は、水管群13と、水管群13の下方に位置する下部管寄せ14Aと、水管群13の上方に位置する上部管寄せ14Bとを備え、水管群13は、複数の内側水管13A及び複数の外側水管13Bから構成され、水管群13には燃焼ガス通路12Gが形成され、内側水管13Aの間を燃焼ガスG2がバーナ16から燃焼ガス排出管17に向かって移動するようになっている。
【0023】
水管群13を構成するそれぞれの内側水管13A及び外側水管13Bは、図2に示すように、下部管寄せ14Aと上部管寄せ14Bとの間に垂直方向に配置されるとともに下部管寄せ14A及び上部管寄せ14Bと通水可能に接続されている。
また、下部管寄せ14Aの上部及び上部管寄せ14Bの下部には、キャスタブル(耐火物)11Aが配置されている。
【0024】
また、水管群13は、図3に示すように、筐体11と燃焼ガス通路12Gとの間を仕切る水管壁部13Cを有し、水管壁部13Cの内方に内側水管13Aが配列されている。
水管壁部13Cは、バーナ16から燃焼ガス排出管17に向かって配列される外側水管13Bと、隣接する外側水管13B同士、外側水管13Bとバーナ16側の筐体内壁、外側水管13Bと燃焼ガス排出管17側の筐体内壁を、それぞれ連結する連結部材15とから構成され、燃焼ガス通路12Gを挟んで左右1対の配置されている。
【0025】
第1の実施形態におけるバーナ16は、水管群13側の面にノズル部16Aを有する箱型に形成されていて、ノズル部16Aには複数のノズル孔が平面状に配列され、送風手段により供給された予混合ガスG1がノズル部16Aに供給されるようになっている。
また、バーナ16は、例えば、圧力センサにより検出された蒸気集合部(図示せず)の圧力に基づいて、燃焼状態(例えば、高燃焼、低燃焼)を制御可能とされている。
図2、図3においてノズル部16Aから水管群13側に示した破線部は、ノズル部16Aで形成される火炎を概念的に表したものである。
【0026】
ノズル部16Aに供給された予混合ガスG1は、ノズル孔から噴射、燃焼されることにより高温の燃焼ガスG2となり、燃焼ガスG2は、燃焼ガス通路12Gを通過して水管群13の水を加熱し、その後排出路17Aを通って浄化装置30に導入されるようになっている。
【0027】
燃焼ガス排出管17は、燃焼ガスG2をボイラ10の外部に排出する排出路17Aを構成するとともに燃焼ガス通路12Gの末端に接続され、排出路17Aは、浄化装置30に燃焼ガスG2を導くようになっている。
【0028】
送風手段18は、送風機18Aと給気通路18Bと、ダンパ18Cとを備え、送風機18Aにより燃焼用空気A1を給気通路18Bに移送し、燃焼用空気A1と燃料供給部19から供給された燃料ガスG0とが給気通路18B内で混合されて予混合ガスG1となりバーナ16に供給されるようになっている。
送風機18Aは、送風ファンを回転して燃焼用空気A1を供給するものであり、この実施形態における送風機18Aは、バーナ16の燃焼状態に対応して送風ファンの回転数をインバータにより制御して燃焼用空気A1の送風量を調整するようになっている。
また、ダンパ18Cは、図示しないモータにより開度が制御可能とされており、送風機18Aとともに、又は単独で燃焼用空気A1の送風量を調整することができるようになっている。
【0029】
燃料供給部19は、燃料供給管19Aと、流量調整弁19Bとを備えており、流量調整弁19Bを制御することによりバーナ16の燃焼状態に対応する量の燃料ガスG0を燃料供給管19Aに供給するようになっている。
【0030】
浄化装置30は、図4に示すように、NOxの還元を促進するNOx還元触媒31と、エア供給ノズル34と、エコノマイザ(冷却手段)35と、COの酸化を促進するCO酸化触媒39とを備えるとともに、これらが燃焼ガスG2の上流側から下流側に向かってこの順序で配置されており、排出路17Aに導入された燃焼ガスG2中のNOx及びCOが削減可能とされている。
NOx還元触媒31、CO酸化触媒39の構造は、特に限定されるものではないが、この実施の形態におけるNOx還元触媒31、CO酸化触媒39は、通気孔により通気性を有する基材に触媒活性物質を担持させた構成とされている。
【0031】
NOx還元触媒31は、燃焼ガスG2に含まれるNOxを還元してN2とすることによりNOxを除去するものであり、燃焼ガスG2が通過する通気孔が複数形成された通気性を有する基材32により構成されている。
【0032】
基材32は、図5に示すように、平板からなる第1の基材32Aと波板からなる第2の基材32Bとを重ね合わせて巻回し、第1の基材32Aと第2の基材32Bとが交互に重なるロール状に形成されたものを側板32Cにより囲んで固定した構造とされている。
なお、基材32は、浄化装置30に流入する燃焼ガスG2のすべてが通過するように構成されている。
第1の基材32A及び第2の基材32Bは、それぞれ排ガスとの接触面積を広くするために表面処理が施されて表面に多数の微小凹凸が形成されたステンレス板からなり、この微小凹凸に、例えば、白金からなる触媒活性材料が担持されている。
【0033】
なお、触媒活性材料については、白金以外の貴金属(Ag、Au、Rh、Ru、Pt、Pd)または金属酸化物(NiOx、CuOx、CoOx、MnOx)を用いることができる。
また、上記基材32に代えて、例えば、ステンレスをはじめとする金属やセラミックにより通気可能な基材を形成し、その表面に触媒活性材料を担持させることによりNOx還元触媒31を構成してもよく、燃焼ガスG2の通気性を通気孔ではなく、スポンジ状の多孔性構造により確保してもよい。
【0034】
CO酸化触媒39は、燃焼ガスに含まれるCOを酸化してCOとすることによりCOを除去するものであり、図5に示したNOx還元触媒31と同様の基材32から構成され、基材32の表面に、触媒活性材料として白金が担持されている。
基材39は、浄化装置30から排出する燃焼ガスG2のすべてが通過するように構成されている。
なお、触媒活性材料については、白金以外の貴金属(Ag、Au、Rh、Ru、Pt、Pd)または金属酸化物(NiOx、CuOx、CoOx、MnOx)を用いることができる。
【0035】
エア供給ノズル(酸化補助手段)34は、NOx還元触媒31の下流側に配置されていて、燃焼ガスG2に含有される酸素濃度を高めてCO酸化触媒39におけるCOの酸化を促進するためのものであり、例えば、送風機18Aから供給された空気(酸素を含有する気体、以下、酸化補助用空気という)A2をノズル孔から噴射して燃焼ガスG2と混合可能に構成されている。
また、エア供給ノズル34から噴射された空気は、燃焼ガスG2と混合されることにより燃焼ガスG2が冷却されるようになっている。
【0036】
エコノマイザ35は、水管群13を通過してきた燃焼ガスG2の廃熱を利用して缶体12に供給する水を加熱することにより省エネルギーを図るものであり、排出路17A内に配置される熱交換部36に水を通水して、燃焼ガスG2の熱を熱交換部36で熱交換して熱交換部36内の水を加熱し、加熱された水が缶体12の下部管寄せ14Aに供給されるようになっている。
【0037】
熱交換部36は、例えば、通水自在とされた伝熱管37と、伝熱管37に接続され、燃焼ガスG2が通過可能な間隔をあけて伝熱管37と略直交する方向に拡がる複数の放熱板からなるフィン部材38とを有しており、伝熱管37の流入口37Aから給水され加熱された水が流出口37Bから排出され、排出された水は下部管寄せ14Aに導かれる構成とされている。
【0038】
浄化装置30において、排出路17A内のエコノマイザ35の下流には温度センサ35Tが配置されており、温度センサ35Tが検出する燃焼ガスG2の温度に基づいてエコノマイザ35への給水量が制御されることにより、燃焼ガスG2の温度をCO選択酸化反応温度Eに調整することができるようになっている。
【0039】
なお、エコノマイザ35への給水量制御を、バーナ16の燃焼状態(高燃焼、低燃焼、停止)に対応するものとしてもよく、その場合に、例えば、バーナ16の高燃焼時及び高燃焼から低燃焼に移行して所定時間が経過するまでの間を大流量とし、バーナ16の低燃焼時及び低燃焼から高燃焼に移行してから所定時間が経過するまでの間を小流量とすることによりバーナ16の燃焼状態と燃焼ガスG2温度との間に生じるタイムラグを調整してもよい。
【0040】
次に、ボイラ10及び浄化装置30の作用について説明する。
1)まず、エコノマイザ35への給水をする。エコノマイザ35に給水された水は、缶体12に導かれる。
2)次に、送風機18Aを起動して、バーナ16への燃焼用空気A1及びエア供給ノズル34への酸化補助用空気A2を供給する。
3)燃料供給部19の流量調整弁19Bを開いて、燃料供給管19Aから燃料ガスG0を供給する。
燃料供給管19Aから供給された燃料ガスG0は、給気通路18B内で燃焼用空気A1と混合されて予混合ガスG1となりバーナ16に供給される。
4)バーナ16に供給された予混合ガスG1は、ノズル部16Aのノズル孔から噴出され、燃焼される。
予混合ガスG1がバーナ16で燃焼されることにより高温の燃焼ガスG2となる。
燃焼ガスG2には、HO、COのほか、CO、NOxが含有されており、また、N中間体も含有されていると思われる。
バーナ16による予混合ガスG1の燃焼は、蒸気使用設備で使用される蒸気使用量に対応して、設定された複数の段階に燃焼が制御可能されており、バーナ16の燃焼状態に対応して送風機18Aの燃焼用空気A1、燃料供給部19の流量弁の開度が調整される。
5)バーナ16の燃焼で発生した燃焼ガスG2は、燃焼ガス通路12Gを通過しながら水管群13内の水を加熱して蒸気とし、水管群13を通過した後に排出路17Aに向かって移動する。
6)排出路17Aに到達した燃焼ガスG2は、排出路17Aを通って浄化装置30に導入される。
7)浄化装置30に導入された燃焼ガスG2は、NOx還元触媒31を通過することにより燃焼ガスG2に含有されたNOxが還元されてNOxの濃度が低下する。
また、NOx還元触媒31上でNOxが還元される際にはN中間体が生成されると思われる。
8)NOx還元触媒31を通過した燃焼ガスG2は、次いでCO酸化触媒39に向かって移動し、その移動経路において、エア供給ノズル34から供給された酸化補助用空気A2が付加されて燃焼ガスG2中の酸素量が増加されるとともに燃焼ガスG2の温度が低下する。
9)次に、燃焼ガスG2はエコノマイザ35の熱交換部36を通過し、燃焼ガスG2が熱交換部36を構成する伝熱管37及びフィン部材38と接触して燃焼ガスG2の有する熱により伝熱管37内の水が加熱されるとともに燃焼ガスG2の温度が低下する。
なお、エコノマイザ35への給水量は、温度センサ35Tの検出温度に基づいて調整されるようになっており、エコノマイザ35を通過してCO酸化触媒39に到達するときの燃焼ガスG2の温度はCO選択酸化反応温度Eに調整されている。
10)次いで、燃焼ガスG2がCO酸化触媒39を通過し、燃焼ガスG2に含まれたCOが酸化されて燃焼ガスG2に含有されるCOの濃度が低下する。
【0041】
第1の実施形態に係る浄化装置30によれば、燃焼ガスG2がNOx還元触媒31を通過する際に燃焼ガス中のNOxが還元されてNOxが除去される。
また、燃焼ガスG2がエコノマイザ35によって冷却されて温度が低下することにより、燃焼時に生成して燃焼ガスG2中に含まれるN中間体や、NOx還元触媒31で還元されて生成したN中間体が、排出路17A内やCO酸化触媒39において酸化されるのが抑制されるので、CO酸化触媒39において燃焼ガスG2中のNOxの生成を抑制しつつCOを酸化、除去することができる。
【0042】
第1の実施の形態においては、CO酸化触媒39を通過する際の燃焼ガスG2の温度がCO選択酸化反応温度Eに調整されているので、燃焼ガス中のNOx及びCOを充分に削減することができる。
また、エア供給ノズル34から燃焼ガスG2に酸化補助用空気A2を噴射して燃焼ガスG2に含有される酸素量を増加させるので、CO酸化触媒39におけるCOの酸化、除去を効率的に行うことができる。
【0043】
第1の実施形態に係るボイラ10によれば、燃焼ガスG2中のNOxの生成を抑制しつつCOが充分に除去されるので、燃焼ガスG2に含有されるNOx、CO双方の濃度を低く抑えることができる。
【0044】
また、浄化装置30によれば、エコノマイザ35により燃焼ガスG2が冷却されてCO酸化触媒39を通過する燃焼ガスG2の温度が低く抑えられるので、CO酸化触媒39の劣化が抑制され、その結果、CO酸化触媒39の寿命延長とコスト削減が可能となる。
【0045】
また、エア供給ノズル34から酸化補助用空気A2が噴射され、燃焼ガスG2に含有される酸素量が増加して一酸化炭素COが充分に酸化されるため、スス等の炭素がCO酸化触媒39に付着することが抑制されCO酸化触媒39の寿命延長とコスト削減が可能となる。
【0046】
次に、図6、図7を参照し、この発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る浄化装置40及び熱処理炉(燃焼機器)100を示す図であり、熱処理炉100は、例えば、金属製品を熱処理する際に熱処理品トレイに収納した金属製品を所定温度まで加熱するとともに所定時間、所定温度で保持するバッチ式の熱処理炉である。
【0047】
熱処理炉100は、筐体101と、送風手段103と、燃料供給部104と、バーナ106と、支持架台108と、排出管109とを備え、支持架台108には熱処理品トレイ111が載置可能とされ、排出管109により形成される排出路(通気路)109Aには浄化装置40が設けられている。
【0048】
筐体101は、熱処理品トレイ111を搬入出するための開口部(図示せず)と、バーナ106と、支持架台108とを備え、開口部を介して搬入され支持架台108に載置された熱処理品トレイ111内の金属製品をバーナ106で燃焼させた燃焼ガスG2により加熱するようになっている。この実施の形態において、筐体内壁は、必要に応じてキャスタブル101Aが配置されている。
また、熱処理品トレイ111は3段重ねとされている。
【0049】
送風手段103は、送風機103Aと給気通路103Bとを備え、送風機103Aから送られた燃焼用空気A1が給気通路103Bに導入され、燃料ガス供給部104から供給された燃料ガスG1と給気通路103B内で混合されて予混合ガスG1となってバーナ106に供給されるようになっている。
送風機103Aは、送風ファンを回転して燃焼用空気A1を供給するものであり、この実施形態における送風機103Aは、燃料供給部104のバルブ開度に基づいて送風ファンの回転数をインバータにより制御して燃焼用空気A1の送風量を調整するようになっている。
【0050】
燃料供給部104は、筐体101内に配置された温度センサ(図示せず)により検出される筐体101内の雰囲気温度によって流量調整弁(図示せず)のバルブ開度が制御され、バルブ開度に応じた燃料ガスG0を給気通路103Bに供給するようになっている。
【0051】
バーナ106は、開口部からみて、熱処理品トレイ111を挟んで左右に各1基ずつ配置されており、それぞれのバーナ106の熱処理品トレイ111側の面がノズル部106Aとされ、ノズル部106Aのノズル孔から予混合ガスG1が噴射、燃焼されることにより高温の燃焼ガスG2となり、熱処理品トレイ111内の金属製品を加熱するようになっている。
燃焼ガスG2は、その後、排出路109Aを通って浄化装置40に導入され排出されるようになっている。
図6においてノズル部106Aから熱処理トレイ111側に示した破線部は、ノズル部106Aで形成される火炎を概念的に表したものである。
【0052】
なお、バーナ106は、送風機103Aから送られた燃焼用空気A1と燃料供給部104から供給された燃料ガスG0とが予め混合される予混合式バーナであることが好ましく、複数のノズル孔がノズル部106Aに平面状に配置された、いわゆる平面バーナであることがより好適である。
かかる構成を採用することにより、小さな多数の火炎の燃焼ガスG2によって熱処理品トレイ111内の金属製品が加熱され、その結果、金属製品と火炎との直接接触が抑制されるとともに筐体101内の均一な加熱が可能となる。
【0053】
支持架台108は、筐体101の中央の床部に配置され、熱処理品トレイ111が載置可能とされている。
【0054】
燃焼ガス排出管109は、筐体101の上部に接続されて燃焼ガスG2を筐体101の外部に排出する排出路109Aを構成し、浄化装置40に燃焼ガスG2を導くようになっている。
【0055】
図7は、第2の実施形態に係る浄化装置40を説明する図である。
第2の実施形態に係る浄化装置40が第1の実施形態に係る浄化装置30と異なるのは、エコノマイザ35に代えて、冷却塔との間で冷却水を循環して燃焼ガスG2と熱交換可能な水熱交換器(冷却手段)45が配置されている点であり、浄化装置30と同様の部分については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0056】
水熱交換器45は、排出路109A内に配置される熱交換部46に熱処理炉100の外部に配置された冷却塔から冷却水を通水し、熱交換部46における燃焼ガスG2との熱交換により温度上昇した冷却水が冷却塔に還流するようになっている。
熱交換部46は、通水自在とされた伝熱管47と、伝熱管47に接続され、燃焼ガスG2が通過可能な間隔をあけて伝熱管47と略直交する方向に拡がる複数の放熱板からなるフィン部材48とを有しており、伝熱管47の流入口47Aから給水された水が冷却塔へ還流されるように流出口47Bが還流配管に接続される構成とされている。
【0057】
浄化装置40において、排出路17A内の水熱交換器45の下流には温度センサ45Tが配置されており、温度センサ45Tが検出する燃焼ガスG2の温度に基づいて水熱交換器45への給水量が制御されることにより、燃焼ガスG2の温度をCO選択酸化反応温度Eに調整することができるようになっている。
【0058】
なお、水熱交換器45への給水量制御を、バーナ106の燃焼状態(例えば、燃料供給部104のバルブ開度)に基づいて制御してもよく、その場合に、バーナ106の燃焼状態と燃焼ガスG2温度との間に生じるタイムラグを調整可能な構成としてもよい。
【0059】
次に、熱処理炉100及び浄化装置40の作用について説明する。
1)冷却塔を稼動させて、水熱交換器45に給水する。
2)次に、送風機103Aを起動して、バーナ106への燃焼用空気A1及びエア供給ノズル34への酸化補助用空気A2を供給する。
3)燃料供給部104の流量調整弁を開いて、給気通路103Bに燃料ガスG0を供給する。
燃料供給部104から供給された燃料ガスG0は、給気通路103B内で燃焼用空気A1と混合されて予混合ガスG1となりバーナ106に供給される。
4)バーナ106に供給された予混合ガスG1は、ノズル部106Aのノズル孔から噴出、燃焼される。
予混合ガスG1が燃焼されると、HO、CO、CO、NOx、N中間体を含有する燃焼ガスG2が生成される。
5)バーナ106における予混合ガスG1の燃焼ガスG2は、熱処理品トレイ111内の金属製品を加熱し、排出路109Aを通って浄化装置40に導入される。
バーナ106は、筐体101に配置された温度センサ(図示せず)により検出される筐体101内の雰囲気温度に基づいて燃料供給部104の流量調整弁の開度、及び送風機井103Aの送風量が制御され、燃焼状態が調整される。
その結果、筐体101内の雰囲気温度が所定の温度に調整される。
6)浄化装置40に導入された燃焼ガスG2は、NOx還元触媒31を通過することにより燃焼ガスG2に含有されたNOxが還元されてNOxの濃度が低下する。
また、NOx還元触媒31上でNOxが還元される際にはN中間体が生成されると思われる。
7)NOx還元触媒31を通過した燃焼ガスG2は、次いでCO酸化触媒39に向かって移動し、その移動経路において、エア供給ノズル34から供給された酸化補助用空気A2が付加されて燃焼ガスG2中の酸素量が増加されるとともに燃焼ガスG2の温度が低下する。
8)次に、燃焼ガスG2は水熱交換器45の熱交換部46を通過し、燃焼ガスG2が熱交換部46を構成する伝熱管47及びフィン部材48と接触して燃焼ガスG2の有する熱により伝熱管47内の水が加熱されるとともに燃焼ガスG2の温度が低下する。
なお、水熱交換器45への給水量は、温度センサ45Tの検出温度に基づいて調整されるようになっており、水熱交換器45を通過してCO酸化触媒39に到達するときの燃焼ガスG2の温度はCO選択酸化反応温度Eに調整されている。
10)次いで、燃焼ガスG2がCO酸化触媒39を通過し、燃焼ガスG2に含まれたCOが酸化されて燃焼ガスG2に含有されるCOの濃度が低下する。
【0060】
第2の実施形態に係る浄化装置40によれば、燃焼ガスG2がNOx還元触媒31を通過する際に燃焼ガス中のNOxが還元、除去される。
また、燃焼ガスG2が水熱交換器45によって冷却されて温度が低下することにより、燃焼時に生成して燃焼ガスG2中に含まれるN中間体や、NOx還元触媒31で還元されて生成したN中間体が、排出路109A内やCO酸化触媒39において酸化されるのが抑制されるので、CO酸化触媒39において燃焼ガスG2中のNOxの生成を抑制しつつCOを酸化、除去することができる。
【0061】
第2の実施の形態においては、CO酸化触媒39を通過する際の燃焼ガスG2の温度がCO選択酸化反応温度Eに調整されているので、燃焼ガス中のNOx及びCOを充分に削減することができる。
また、エア供給ノズル34から燃焼ガスG2に酸化補助用空気A2を噴射して燃焼ガスG2に含有される酸素量を増加させるので、CO酸化触媒39におけるCOの酸化、除去を効率的に行うことができる。
【0062】
第2の実施形態に係る熱処理炉100によれば、燃焼ガスG2中のNOxの生成を抑制しつつCOが充分に除去されるので、燃焼ガスG2に含有されるNOx、CO双方の濃度を低く抑えることができる。
【0063】
また、浄化装置40によれば、水熱交換器45で加熱された冷却水が冷却塔にて冷却されるので、温水を再利用しないためにエコノマイザ等を使用できない熱処理装置等の燃焼機器においても燃焼ガスG2を効率的に冷却することができる。
【0064】
次に、第3の実施形態に係る浄化装置50について説明する。
図8は、第3の実施形態に係る浄化装置50を説明する図であり、浄化装置50が第1の実施形態に係る浄化装置30と異なるのは、エコノマイザ35に代えて、冷却用空気により熱交換する空冷式熱交換器(冷却手段)55が配置されている点であり、浄化装置30と同様の部分については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0065】
空冷式熱交換器55は、排出路17A、109A内に配置される熱交換部56に冷却用空気を通して燃焼ガスG2と熱交換して燃焼ガスG2を冷却するようになっている。
熱交換部56は、図8(A)に示すように、冷却用空気が流れる伝熱管57と、伝熱管57に接続され、燃焼ガスG2が通過可能な間隔をあけて伝熱管57と略直交する方向に拡がる複数の放熱板からなるフィン部材58とを有しており、伝熱管57の流入口57Aから冷却用空気が供給され、熱交換されて加熱された冷却用空気が流出口57Bから排出される構成とされており、加熱された冷却用空気は、例えば、流出口57Bの先端に消音マフラを設けて大気放出させてもよい。
【0066】
浄化装置50において、排出路17A、109A内の空冷式熱交換器55の下流には温度センサ55Tが配置されており、温度センサ55Tが検出する燃焼ガスG2の温度に基づいて空冷式熱交換器55への冷却用空気の供給量が、例えば、流量制御弁(図示せず)により制御されることにより燃焼ガスG2の温度をCO選択酸化反応温度Eに調整することができるようになっている。
【0067】
なお、空冷式熱交換器55への冷却用空気量の制御を、バーナ16、106の燃焼状態に基づいて制御してもよく、その場合に、バーナ16、106の燃焼状態と燃焼ガスG2温度との間に生じるタイムラグを調整可能な構成としてもよい。
【0068】
浄化装置50によれば、冷却水を用いないので冷却水漏れが発生する虞れがなく、浄化装置50を簡単な構成とすることが可能になり、容易にメンテナンスをすることが可能となり、その結果コスト削減が可能となる。
なお、図8(B)に示すように、空冷式熱交換器55に代えて、伝熱管57に冷却空気の一部を噴射するノズル57Cが形成された熱交換部56Aを有する空冷式熱交換器55Aを用いて、エア供給ノズル34に代えてノズル57Cから酸化補助用空気A2を噴射する構成としてもよい。
【0069】
次に、第4の実施形態に係る浄化装置60について説明する。
図9は、第4の実施形態に係る浄化装置60を説明する図であり、浄化装置60が浄化装置30と異なるのは、冷却手段として、エコノマイザ35に代えて、大量の冷却用空気A3を噴射して冷却用空気A3と燃焼ガスG2を混合して燃焼ガスG2を冷却するエアノズル(冷却手段)64が、NOx還元触媒31とCO酸化触媒39の間に設けられている点であり、他は浄化装置30と同様であるため同一の符号を付しその説明を省略する。
なお、冷却用空気A3は、酸化補助用空気A2を兼ねることが可能である。
【0070】
浄化装置60における、排出路17A、109A内のエアノズル64の下流には温度センサ65Tが配置されており、温度センサ65Tが検出する燃焼ガスG2の温度に基づいてエアノズル64への冷却用空気A3の供給量が、例えば、流量制御弁(図示せず)により制御されることにより燃焼ガスG2の温度をCO選択酸化反応温度Eに調整することができるようになっている。
【0071】
なお、エアノズル64から供給する酸化補助用空気A2の量を、バーナ16、106の燃焼状態と対応する構成としてもよく、その場合に、バーナ16、106の燃焼状態と燃焼ガスG2温度との間に生じるタイムラグを調整する構成としてもよい。
【0072】
浄化装置60において、エアノズル64は、エアノズル64A、64B、64Cを備え、NOx還元触媒31とCO酸化触媒39の間に上流側から下流側に向かって3段に配置されている。
かかる構成により、冷却用空気A3と燃焼ガスG2とが充分に混合、攪拌され、燃焼ガスG2を均一にCO選択酸化反応温度Eに冷却することができる。
【0073】
浄化装置60によれば、簡単な構造のエアノズル64を用いて燃焼ガスG2を冷却するとともに燃焼ガスG2に酸化補助用空気A2を供給し、CO酸化触媒39における燃焼ガスG2中のNOxの生成を抑制しつつCOを効率的に酸化、除去することができる。
【0074】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
上記実施の形態においては、浄化装置30をボイラ10に適用する場合と、浄化装置40を熱処理炉100に適用する場合について説明したが、浄化装置30、40、50、60をボイラ10、熱処理炉100のいずれに適用するかについては任意に選択することが可能である。
【0075】
また、浄化装置30、40、50、60は、NOx還元触媒31と、エコノマイザ35をはじめとする冷却手段と、酸化補助用空気A2を噴射するノズル34、57Cと、CO酸化触媒39とを備える構成について説明したが、浄化装置をCO酸化触媒39と冷却手段とから構成してもよい。
また、NOx還元触媒31と、冷却手段と、CO酸化触媒39とから浄化装置を構成することも可能である。
【0076】
また、上記実施の形態においては、冷却手段が、NOx還元触媒31とCO酸化触媒39の間に配置される場合について説明したが、例えば、低温域でNOxを還元可能な特性のNOx還元触媒を用いることが可能な場合には、冷却手段をNOx還元触媒31の上流側に配置してもよい。
また、上記実施の形態においては、冷却手段によって、CO酸化触媒39を通過する燃焼ガスG2をCO選択酸化反応温度Eに冷却する場合について説明したが、CO酸化触媒39を通過する燃焼ガスG2の温度をCO選択酸化反応温度Eの範囲外としてもよい。
【0077】
また、浄化装置30、40、50、60を上記以外の燃焼機器に対して適用してもよい。
例えば、上記第1の実施の形態においては、ボイラ10が、燃焼ガスG2が燃焼ガス通路12Gをバーナ16側から排出路17Aに向かって略直線的に流れる小型貫流型の蒸気ボイラの場合について説明したが、ボイラ10については、蒸気ボイラのみならず温水ボイラに対しても適用可能であり、また、小型貫流型ボイラの他、水管が環状に配列された多管式のボイラ、炉筒煙管ボイラ、バーナにより加熱管を直接加熱する給湯器等、種々の構造のボイラに適用することが可能である。
【0078】
また、上記実施の形態においては、バッチ式の熱処理炉100の場合について説明したが、浄化装置30、40、50、60を、バッチ式の熱処理炉100に代えて連続式熱処理炉、吸熱式冷凍機の再生器、廃棄物を燃焼・処理する廃棄物処理装置、焼却炉等、種々の燃焼機器に対して適用することも可能である。
また、燃焼機器において燃焼に用いるバーナは、複数のノズル孔が平面状に配置された予混合式バーナに限定されるものではない。
【0079】
また、上記実施の形態においては、排出路17A、109AのCO酸化触媒39の上流側に配置したエア供給ノズル34、64から酸化補助用空気A2を導入する場合について説明したが、酸化補助用空気A2に代えて、例えば、純酸素や、酸素と他の気体を混合させた酸素含有気体を用いてもよい。
この場合、酸素濃度が空気(酸素濃度 約21%)より低く調整された気体であっても、燃焼ガスG2と混合された場合に燃焼ガスG2の酸素含有量を増加させるものであればよい。
【0080】
また、上記実施の形態においては、燃料ガスG0と燃焼用空気A1とが混合された予混合ガスG1をバーナ16、106に供給する場合について説明したが、バーナ16、106に供給する燃料は予混合ガスG1に限定されることなく、例えば、他の気体燃料、石油をはじめとする液体燃料、微粉炭としてもよく、また、焼却炉における固体可燃物が燃料とされてもよい。
また、上記実施の形態においては、通気路が燃焼ガスG2を外部に排出する排出路17A、109Aとされる場合について説明したが、燃焼機器から次工程の装置等に燃焼ガスG2を移送する移送路を通気路としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係るCO選択酸化反応温度を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るボイラ及び浄化装置を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るボイラのIII−III線に沿う縦断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る浄化装置を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る浄化装置の触媒を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る熱処理炉を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る浄化装置を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る浄化装置を示す縦断面図であり、(A)は、酸化補助用空気をエアノズルから噴射する構成の例を、(B)は、酸化補助用空気を熱交換部から噴射する構成の例を示している。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る浄化装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0082】
G2 燃焼ガス
10 ボイラ
17A、109A 排出路(通気路)
30、40、50、60 浄化装置
31 NOx還元触媒
34 エア供給ノズル(酸化補助手段)
35 エコノマイザ(冷却手段)
39 CO酸化触媒
45 水熱交換器(冷却手段)
55 空冷式熱交換器(冷却手段)
55A 空冷式熱交換器(冷却手段、酸化補助手段)
57C ノズル(酸化補助手段)
64 エアノズル(冷却手段、酸化補助手段)
100 熱処理炉(燃焼機器)




【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼により発生した燃焼ガスに含まれるCOを削減するための浄化装置であって、
前記燃焼ガスが移動可能な通気路と、
前記通気路に配置され、前記燃焼ガスが通過可能とされるCO酸化触媒と、
前記通気路における前記CO酸化触媒の上流側に配置され前記燃焼ガスを冷却する冷却手段とを備えていることを特徴とする浄化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浄化装置であって、
前記通気路における前記冷却手段の上流側に配置され、前記燃焼ガスが通過可能とされるNOx還元触媒を備えていることを特徴とする浄化装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の浄化装置であって、
前記冷却手段は、
前記燃焼ガスの温度を調整可能に構成されていることを特徴とする浄化装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の浄化装置であって、
前記CO酸化触媒の上流側に、前記燃焼ガスに酸素を含有する気体を導入する酸化補助手段を備えることを特徴とする浄化装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の浄化装置を備えたことを特徴とするボイラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−56365(P2009−56365A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−224500(P2007−224500)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】