説明

浄水処理活性炭情報管理センタ及び該センタを備えた活性炭管理システム

【課題】活性炭資源の有効利用を図る。
【解決手段】浄水場活性炭施設群10には、大粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着施設を有する浄水場11a、11b、中粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着施設を有する浄水場12a、12b、小粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着施設を有する浄水場13a、13b及び粉末活性炭吸着施設を有する浄水場14a、14bが含まれている。活性炭再生工場群20には活性炭再生工場21X、21Y、21Zが含まれており、これら施設及び工場は、通信端末を用いて情報管理通信ネットワーク40を介して活性炭管理センタ30の活性炭管理サーバ31と通信する。これにより、活性炭及び新炭の需要情報並びに再生炭情報を通信することができるので、所定の地域内で活性炭資源を有効利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラムによって動作する活性炭情報管理センタ、及び該センタを備えた活性炭管理システムに関する。より詳細には、本発明は、所定地域内の活性炭処理施設を備えた複数の浄水施設で、粒状活性炭ならびに粉末活性炭を有効利用するために情報を、該浄水施設および活性炭の再生工場との間で通信管理する活性炭情報管理センタ、及び該センタを備えた活性炭管理システムに関する。
【従来の技術】
【0002】
わが国は河川水、湖沼水および地下水など清浄で豊富な水道水源に恵まれており、従来、浄水場では、一般に、図16に示すような処理フローにより浄水処理が行われている。この処理フローは、除濁と消毒を基本目的としたもので、水処理剤としては硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤や塩素、次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤のみが使用されてきた。
より詳細に説明すると、浄水場では、図16に示すように、河川等から取水した原水に着水井で塩素剤を添加し、擬集沈澱池で凝集剤を添加し、さらに、砂ろ過池でろ過した後に塩素剤を適宜添加して浄水として取り出している。
【0003】
しかしながら、ライフラインとしての水道水源確保等を目的としたダム湖の増加、および水源の富栄養化の進行に伴い、カビ臭物質である2−メチルイソボルネオール、ジェオスミンなどを産出するPhormidium tenue、Anabaena spiroides var. crassa、Oscillatoria tenuis、Microcystis aeruginosaなど藻類の異常繁殖、およびこれに伴う異臭味発生問題が生じ、通常処理では対応が難しくなってきている。この異臭味対策として、通常処理のフローに加え、オゾン処理、生物処理および活性炭処理などが行われるようになった。
活性炭は1,000m2/gもの広大な比表面積を持つ微細孔を有しており、カビ臭物質などの有機物質を除去することができる。活性炭は形状の違いにより粉末活性炭と粒状活性炭に分類される。また、粉末活性炭と粒状活性炭の使用様態上の大きな違いとしては、粉末活性炭は1回限りの使い捨てであるのに対し、粒状活性炭は定期的に750〜950℃程度で炭化−水蒸気賦活などの再生処理を行うことにより、基本的に繰返し再使用可能であることを挙げることができる。
【0004】
従来、粉末活性炭は、上述のように1回限りの使い捨て処理であるため、全て新炭の粉末活性炭が使用されている。粒状活性炭の再生は定期的に実施されているが、個々の浄水施設ごとに個別の業務として実施されており、再生処理時の燃焼等により生じる欠損分の補充炭には全て新炭の粒状活性炭が使用されている。
異臭味障害対策として活性炭を使用するフローには、次の2つがある。すなわち、
・異臭味障害の発生頻度が小さい場合、障害発生時期に図16に示した着水井などに粉末活性炭を注入する対処的な処理を行う。
・異臭味障害の発生頻度が大きい場合、粒状活性炭を敷設した活性炭吸着池を設置して恒久的な処理を行う。この処理においては、図16に示した砂ろ過池の後段に、活性炭吸着池を配置し、その後に塩素剤を投入して浄水として配水している。
【0005】
さらに、1970年代になると、水中のフミン酸などの有機物質と塩素剤の反応により生成される、発癌性物質であるトリハロメタン(クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4物質の総称。以下、THMと称する)を始めとした消毒副生成物の問題が顕在化し、安全でおいしい水を供給するという観点から、塩素剤添加位置の見直し、生物活性炭(Biological Activate Carbon。以下、BACと称する)処理など、塩素消毒副生成物の抑制も目的とした高度浄水処理が本格検討されるようになった。
高度浄水処理は、凝集処理+オゾン処理+BAC処理+後塩素の組合せを基本としたものである。まず、凝集処理による除濁と有機物質の粗除去、ついでオゾン処理により残留有機物質の酸化分解および低分子化・易生物分解化(biodegradable)、BAC処理による残留有機物質の吸着除去および生物分解が行われ、最終的に有機物質をできるだけ減少させた後で塩素剤による消毒が行われる。
【0006】
高度浄水処理の代表的な処理フローとしては、活性炭の使用方法により以下の3種があり、それぞれ粒径の異なる活性炭が使用される。
・図17の(A)に示すように、砂ろ過池の前段に下向流活性炭吸着池を配置し、該池に、粒径0.85mm〜2.0mm、有効径1.1〜1.3mm、均等係数1.2〜1.4の大粒径の粒状活性炭を使用する。
・図17の(B)に示すように、砂ろ過池の後段に下向流活性炭吸着池を配置し、該池に、粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の中粒径の粒状活性炭を使用する。
・図17の(C)に示すように、砂ろ過池の前段に上向流流動床活性炭吸着池を配置し、該池に、粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の小粒径の粒状活性炭を使用する。
【0007】
図17の(A)〜(C)に示した処理フロー以外に、例えば、凝集沈澱地の前段に生物酸化処理池を組み合わせる方式、中粒径下向流活性炭吸着池の後段に凝集ろ過池を組み合わせる方式などもある。生物活性炭においても、生物分解性の無い有機物が次第に蓄積されるため、定期的な水蒸気賦活再生を行わないと、活性炭の有機物除去能力を維持させることができない。
【0008】
ところで、活性炭の能力を新炭なみに回復させるためには、3年程度毎の再生が好ましいと言われる。しかしながら、財政上の理由などから、6〜8年経過後に行われることが多い。しかし、6〜8年後の再生では吸着性能の回復、硬さの低化および粒径の小粒化などの問題から再生収率が低下するため、再生せずに廃棄されることが多くなっている。
再生利用せずに廃棄される場合、資源有効利用の観点から、セメント原料、土壌改良資材、製鉄業のコークス代替材などの方策も検討されているが、未だ実施には至っていない。また、これらの利用は、有価物リサイクルではなく、産業廃棄物処理の一環と位置付けられ可能性が高い。
【0009】
なお、使用済み活性炭の有効利用の試みとしては、以下の特許文献(特開2002-346548号公報)に、使用済み粒状活性炭を粉砕して粉末活性炭として凝集沈澱設備の前段部に注入して再利用する方法および使用済み粒状活性炭を急速ろ過設備のろ過砂の代替材に再利用する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、粒状活性炭としての再使用を可能にできる技術ではない。また、6〜8年経過した使用済み炭は、新炭時には1,000mg/g−活性炭以上あるヨウ素吸着性能が100〜200mg/g−活性炭に劣化しているため、そのまま粉砕しても吸着材としては殆ど機能しないせず、強いて利用しようとしても、いたずらに注入率が増すだけで、かえってこれに伴う凝集剤の注入率の増加および凝集汚泥の増加、ひいては汚泥処分費の増大を招く結果となり、実用に供せる粉末活性炭の技術とは言えない。
【特許文献1】特開2002-346548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記したように、浄水施設では活性炭が広く使われているが、粒状活性炭の再生再利用は、浄水施設毎に切り離された個別の業務として行われており、他の浄水施設と連携した総合的な有効利用が図られるには至っていない。また、個別の浄水施設毎の履歴が一種のデータベースとして記録されていても、該履歴が有効に利用されておらず、他の浄水施設と連携した総合的な情報の利用および管理は為されていない。
【0011】
本発明は、上記した従来例の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定地域内の活性炭処理施設を備えた複数の浄水施設のネットワーク化による活性炭の再利用システムとその管理システムの構築による、活性炭資源の有効利用システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するために、本発明においては、所定地域内の活性炭処理施設を備えた複数の浄水施設で粒状活性炭ならびに粉末活性炭を有効利用するための情報を管理する活性炭情報管理センタであって、
各浄水施設の活性炭処理施設の施設情報、運転情報、水質情報および活性炭在庫情報を記憶する浄水施設情報記憶手段と、
使用済み粒状活性炭を再利用可能な再生粒状活性炭もしくは再生粉末活性炭に再生する、一つ以上の再生工場の工場情報および再生活性炭在庫情報を記憶する再生工場情報記憶手段と、
各浄水施設からの浄水施設情報に基づいて、個々の粒状活性炭処理施設で使用する粒状活性炭を、どの時点でどれだけの量を更新するかを判定する粒状活性炭更新判定処理手段と、
該粒状活性炭更新判定処理手段がある浄水施設の粒状活性炭処理施設のある粒状活性炭吸着池を更新すべきであると判定した時に起動され、施設情報記憶手段の当該浄水施設に関する施設情報、運転情報、水質情報及び活性炭在庫情報と再生工場情報記憶手段の工場情報および再生活性炭在庫情報とを参照して、更新する粒状活性炭の更新時期と更新量、および再生業務を行う再生工場を決定し、更新する使用済み粒状活性炭を原料として再生賦活することにより再生粒状活性炭ならびに再生粉末活性炭を製造させる再生業務処理手段と、
該再生工場からの再生業務処理の完了通知により起動され、該再生業務により製造された当該粒状活性炭吸着池の再生粒状活性炭仕様基準を満足する再生粒状活性炭の製造量情報と再生工場情報記憶手段の再生活性炭在庫情報と浄水施設情報記憶手段の活性炭在庫情報を参照して、当該粒状活性炭吸着池に再充填する再生粒状活性炭量及び新炭粒状活性炭量とそれぞれを供給する再生工場、浄水施設ならびに新炭粒状活性炭製造メーカを決定する粒状活性炭更新業務処理手段と、
各浄水施設からの活性炭処理施設の施設情報および運転情報に基づいて個々の活性炭処理施設で使用する粉末活性炭を何時、どれだけの量を購入するかを判定する粉末活性炭調達判定処理手段と、
該判定手段が、ある浄水施設に粉末活性炭を購入すべきであると判定した時に起動され、施設情報記憶手段の当該浄水施設に関する施設情報及び粉末活性炭在庫情報と再生工場情報記憶手段の再生粉末活性炭在庫情報とを参照して、当該浄水施設に供給する再生粉末活性炭調達量と調達時期、ならびに新炭粉末活性炭の調達量と調達時期を決定し、再生工場ならびに未使用粉末活性炭製造メーカから調達する粉末活性炭調達業務処理手段と
からなることを特徴とする活性炭情報管理センタを提供する。
【0013】
本発明はまた、上記した本発明に係る活性炭情報管理センタと、該活性炭情報管理センタと通信ネットワークを介して接続された複数の浄水施設及び再生工場とからなる活性炭管理システムを提供し、該システムにおいては、
前記複数の浄水施設が備える活性炭処理施設が、
粉末活性炭吸着設備、
粒径0.85mm〜2.0mm、有効径1.1〜1.3mm、均等係数1.2〜1.4の大粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着設備、
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の中粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着設備、および
粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の小粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着設備
のうち1つ以上の設備を有しており、
前記の再生工場で製造する再生活性炭が、
粒径0.85mm〜2.0mm、有効径1.1〜1.3mm、均等係数1.2〜1.4の大粒径再生粒状活性炭、
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の中粒径再生粒状活性炭、粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の小粒径再生粒状活性炭、および
再生粉末活性炭
のうち1つ以上である
ことを特徴としている。
【0014】
上記した活性炭管理システムにおいて、活性炭情報管理センタの再生業務処理手段は、
粒径0.85mm〜2.0mm、有効径1.1〜1.3mm、均等係数1.2〜1.4の大粒径粒状活性炭を再生賦活した再生粒状活性炭のうち、
再生大粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生大粒径粒状活性炭とし、
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の再生中粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生中粒径粒状活性炭とし、
粒径 0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の再生小粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生小粒径粒状活性炭とし、
前記の何れの仕様基準にも該当しないものについては粉砕して再生粉末活性炭とし、
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の中粒径粒状活性炭を再生賦活した再生粒状活性炭のうち、
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の再生中粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生中粒径粒状活性炭とし、
粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の再生小粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生小粒径粒状活性炭とし、
該仕様基準に該当しないものについては粉砕して再生粉末活性炭とし、
粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の小粒径粒状活性炭を再生賦活した再生粒状活性炭のうち、
粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の再生小粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生小粒径粒状活性炭とし、
該仕様基準に該当しないものについては粉砕して再生粉末活性炭とする
よう再生工場に指示する手段を備えていることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本願発明における粒状活性炭の有効利用の流れと廃棄物である廃炭量との関係を示したものである。活性炭は有効利用の流れに従い、新炭、再生炭、再生粉末活性炭の順に再利用され、最終的に汚泥として廃棄される。廃炭量としては全てが新炭の段階で廃棄される場合が最も多く、再生炭、ついで再生粉末炭として有効利用度が高まるに従い廃炭量も減少する。
なお、粒状活性炭を炭化−水蒸気賦活方式で再生した場合、吸着性能は所定のレベルに回復できても、硬さの低下や粒径の小粒化などによって規格から外れることにより廃棄せざるを得ない再生炭が生じる。このことが再生処理における収率を低下させ、ひいては再生コストを上昇させる一因ともなっていた。しかしながら、このような特定の浄水施設では規格を外れる再生炭であっても、他の浄水施設での粒状活性炭や粉末活性炭としての再使用を視野に入れれば廃棄せずに再生炭としての利用が可能であり、活性炭資源のリサイクル利用率を高めることができる。
したがって、粒状炭新炭→再生粒状炭→再生粉末炭→汚泥の順で移行して行く活性炭のライフサイクルの中で、如何に川上側での利用効率を高めるかが重要な課題と言える。
【0016】
図2は、本願発明による複数の浄水施設のネットワーク化による活性炭の再利用システムの概念図の一例である。図2における浄水場の設備は、以下の通りである。
A浄水場:
粒径0.85mm〜2.0mm、有効径1.1〜1.3mm、均等係数1.2〜1.4の大粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着設備を有する。
B浄水場:
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の中粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着設備を有する。
C浄水場:
粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の小粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着設備を有する。
D浄水場:
粉末活性炭吸着設備を有する。
【0017】
当初、A浄水場の粒状活性炭吸着設備では、粒径粒径0.85mm〜2.0mm、有効径1.1〜1.3mm、均等係数1.2〜1.4の大粒径の粒状活性炭新炭が使用され、B浄水場の粒状活性炭吸着設備では粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の中粒径の粒状活性炭新炭が使用され、C浄水場の粒状活性炭吸着設備では粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の小粒径の粒状活性炭が使用されているものとする。
【0018】
A浄水場の粒状活性炭吸着設備の活性炭を再生した際、上記大粒径粒状活性炭の再生炭仕様を満たすものについてはA浄水場の粒状活性炭吸着設備で再使用し、上記中粒径粒状活性炭の再生炭仕様を満たすものについては、B浄水場の粒状活性炭吸着設備で再使用し、上記小粒径粒状活性炭の再生炭仕様を満たすものについては、C浄水場の粒状活性炭吸着設備で再使用し、何れの仕様も満たさないものは、微粉化してD浄水場の粉末活性炭吸着設備で再使用する。
【0019】
同様に、B浄水場の粒状活性炭吸着設備の活性炭を再生した際、上記中粒径粒状活性炭の再生炭仕様を満たすものについては、B浄水場の粒状活性炭吸着設備で再使用し、上記小粒径粒状活性炭の再生炭仕様を満たすものについては、C浄水場の粒状活性炭吸着設備で再使用し、何れの仕様も満たさないものは、微粉化してD浄水場の粉末活性炭吸着設備で再使用する。
また、C浄水場の粒状活性炭吸着設備の活性炭を再生した際、上記小粒径粒状活性炭の再生炭仕様を満たすものについては、C浄水場の粒状活性炭吸着設備で再使用し、仕様を満たさないものは、微粉化してD浄水場の粉末活性炭吸着設備で再使用する。
【0020】
各粒状活性炭吸着設備の再生時に発生する不足分の補充については、それぞれの仕様に合致した新炭をもって行う。このシステムで使用された活性炭は、最終的には粉末活性炭吸着設備を有する浄水場の上水汚泥として排出され、セメント原料、路盤材などへリサイクル利用される。このように複数の活性炭吸着設備を連携させたネットワークを形成することによって、活性炭を無駄なく再利用することができる。
なお、本発明は、図2に示したA浄水場、B浄水場、C浄水場、D浄水場に限定されるものではなく、これら浄水場の任意のものが複数であっても良く、また1つ以上が欠落していても良い。
【0021】
図3は、本願発明による活性炭再利用システムにおける管理システムの概念図の一例である。図3において、10は浄水場活性炭施設群、20は活性炭再生工場群、30は活性炭管理センター、40は情報管理通信ネットワーク、50は活性炭メーカを示す。情報管理通信ネットワーク40は、これに限定されるものでは無いが、専用回線、アナログ電話回線、ISDN回線、PHS電話回線、携帯電話回線、インターネット、無線LAN、光ファイバ回線などの、任意の通信手段によるものであり、また、これらの複数の通信手段の組合せによるものであっても良い。
【0022】
浄水場活性炭施設群10には、所定地域内に所在する大粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着施設を有する1又は複数の浄水場11(図3においては、2つの浄水場11a、11b)、中粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着施設を有する1又は複数の浄水場12(図3においては、2つの浄水場12a、12b)、小粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着施設を有する1又は複数の浄水場13(図3においては、2つの浄水場13a、13b)および粉末活性炭吸着施設を有する1又は複数の浄水場14(図3においては、2つの浄水場14a、14b)が含まれている。これらの施設は通信端末を備え、該通信端末により、情報管理通信ネットワーク40を介して活性炭管理センタ30の活性炭管理サーバ31と通信することができる。また、活性炭再生工場群20には1又は複数の活性炭再生工場21(図3においては、3つの活性炭再生工場21X、21Y、21Z)が含まれており、浄水場活性炭施設群同様、これらの工場は通信端末を備え、該通信端末により、情報管理通信ネットワーク40を介して活性炭管理センタ30の活性炭管理サーバ31と通信することができる。
【0023】
図4は、活性炭管理センタ30の活性炭管理サーバ31の具体的な構成を示したものである。活性炭管理サーバ31は、浄水場施設情報データベース(DB)311、浄水場水質DB312、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設DB314および活性炭リサイクル計画支援情報DB315を備えており、これらのデータベースにはそれぞれ以下のような情報が格納される。
【0024】
浄水場施設情報DB311には、役所および浄水場の所在地、同連絡先、施設構成、施設仕様、施設運転履歴(各処理工程毎の処理条件履歴、薬品使用履歴、排泥履歴、逆洗履歴、処理水量、排水量、排泥量など)、異臭味障害発生履歴などの、対象浄水場群に係る施設情報が記憶される。
浄水場水質情報DB312には、原水・各処理工程水質履歴(水温、pH値、味、臭気、濁度、色度、TOC、トリハロメタン生成能、UV260(波長260nmの紫外部吸収)、アンモニア性窒素、鉄、マンガン、ジェオスミン、2−メチルイソボルネオール、藻類優占種、藻類数など水道水に係る水質項目)、洗浄排水水質履歴、排出汚泥濃度などの対象浄水場群に係る水質情報が記憶される。
浄水場活性炭情報DB313には、粒状活性炭の仕様、活性炭吸着池の通水履歴、活性炭吸着池の更新履歴、吸着池の更新計画、再生粒状炭の仕様、粉末活性炭の仕様、粉末活性炭使用履歴、粉末活性炭在庫量、再生粉末活性炭の仕様、再生粉末活性炭在庫量などの対象浄水場群に係る活性炭情報が記憶される。
再生工場施設情報DB314には、再生工場の所在地、連絡先、施設構成、施設仕様、再生炭製造能力、製造計画、稼動状況、劣化炭入庫量、再生炭出庫量、再生炭在庫量などの対象再生工場群に係る施設情報が記憶される。
活性炭リサイクル計画支援情報DB315には、粒状活性炭更新計画、粉末活性炭購入計画、粉末活性炭在庫計画、粒状活性炭再生計画、再生炭在庫計画、再生炭運用計画、更新判定設定値情報などの対象浄水場群に係る活性炭リサイクル計画支援情報が記憶される。
【0025】
以下の表1は、データベースに記憶されているデータの例である。
【表1】

【0026】
活性炭管理サーバ31は、さらに10個のプログラム・モジュール(PM)、すなわち、粉末炭調達業務処理PM310、大粒径粒状炭更新処理PM320、中粒径粒状炭更新処理PM330、小粒径粒状炭更新処理PM340、粉末炭更新判定処理PM350、大粒径粒状炭更新判定処理PM360、中粒径粒状炭更新判定処理PM361、小粒径粒状炭更新判定処理PM362、粒状炭再生業務処理PM370、活性炭リサイクル計画支援処理PM380を含んでいる。
【0027】
次に、図5を参照して、本発明の管理システムにおける各PMの関連について説明する。活性炭リサイクル計画支援PM380は管理者により起動され、各種DB(随時更新)を参照して活性炭更新・調達管理計画(随時更新)DB315を作成する。各種活性炭の調達・更新判定PM(粉末活性炭調達判定処理PM350および各種粒状活性炭更新判定処理PM360、361、362)は管理者により起動され、各種DBを参照して各処理の判定を行う。粉末活性炭調達判定処理PM350で調達業務が必要と判定された時には粉末炭調達業務PM310が起動され調達業務が実行される。各種粒状活性炭更新判定処理PM360、361、362で更新処理業務が必要と判定された時には各種粒状活性炭処理業務PM320、330、340が起動され更新処理業務が実行され、これに伴い再生業務処理PM370が起動され再生業務が実行される。
【0028】
以下、図6〜図15を用いて、これらPM310〜380が実行する処理フロー例の詳細を説明する。
粉末炭調達業務処理PM310
粉末炭調達業務処理PM310は、粉末炭調達判定処理PM350によって、粉末活性炭吸着施設を有する何れかの浄水場14で粉末炭の調達が必要であると判断された時に起動され、最適な粉末炭調達業務を行うためプログラムである。
このプログラムは粉末炭調達判定処理PM350からの起動指令、およびPM350の処理の結果得られた粉末炭調達を行うべき浄水場14を特定する情報を起動信号T10として起動する。次いで、ステップS101で浄水場施設情報DB311、浄水場水質情報DB312、浄水場活性炭情報DB313から対象浄水場の諸情報を、ステップS102で再生工場施設情報DB314から再生粉末炭在庫量情報を参照し、ステップS103で粉末再生炭調達量と対象再生工場21を、ステップS104で粉末新炭調達量と対象活性炭メーカ50を決定してステップS105で再生工場10に粉末再生炭の出荷を、ステップS105で活性炭メーカ50に粉末新炭の出荷を指示し、ステップS107で浄水場14に入庫情報を連絡する。処理結果をステップS108で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313に、ステップS109で再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ109でプログラムを終了する。
【0029】
大粒径粒状炭更新処理PM320
大粒径粒状炭更新処理PM320は、大粒径粒状炭更新判定処理PM360によって、大粒径粒状活性炭吸着施設を有する何れかの浄水場11で粒状炭の更新が必要であると判断された時に起動され、最適な粒状炭更新業務を行うためプログラムである。
このプログラムは大粒径粒状炭更新判定処理PM360からの起動指令およびPM360の処理の結果得られた粒状炭更新を行うべき浄水場11を特定する情報を起動信号T20として起動する。次いで、ステップS201で浄水場施設情報DB311、浄水場水質情報DB312、浄水場活性炭情報DB313から対象浄水場の諸情報を、ステップS202で再生工場施設情報DB314から再生粉末炭在庫量情報を参照し、ステップS203で対象活性炭吸着池、活性炭更新量および対象再生工場21を決定する。次いで、ステップS204で粒状炭再生業務処理PM370を起動し、再生業務終了通知を受信後、ステップS205で再生工場施設情報DB314から再生粉末炭在庫量情報を参照し、ステップ206で再生炭の納入量、新炭の調達量および対象活性炭メーカ50を決定してステップS207で再生炭、新炭の出荷および吸着池への敷き込みを指示する。次いで、処理結果をステップS208で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ209でプログラムを終了する。
【0030】
中粒径粒状炭更新処理PM330
中粒径粒状炭更新処理PM330は、中粒径粒状炭更新判定処理PM361によって、中粒径粒状活性炭吸着施設を有する何れかの浄水場12で粒状炭の更新が必要であると判断された時に起動され、最適な粒状炭更新業務を行うためプログラムである。
このプログラムは中粒径粒状炭更新判定処理PM361からの起動指令およびPM361の処理の結果得られた粒状炭更新を行うべき浄水場12を特定する情報を起動信号T30として起動する。次いで、ステップS301で浄水場施設情報DB311、浄水場水質情報DB312、浄水場活性炭情報DB313から対象浄水場の諸情報を、ステップS302で再生工場施設情報DB314から再生粉末炭在庫量情報を参照し、ステップS303で対象活性炭吸着池、活性炭更新量および対象再生工場21を決定する。次いで、ステップS304で粒状炭再生業務処理PM370を起動し、再生業務終了通知を受信後、ステップS305で再生工場施設情報DB314から再生粉末炭在庫量情報を参照し、ステップ306で再生炭の納入量、新炭の調達量および対象活性炭メーカ50を決定してステップS307で再生炭、新炭の出荷および吸着池への敷き込みを指示する。次いで、処理結果をステップS308で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ309でプログラムを終了する。
【0031】
小粒径粒状炭更新処理PM340
小粒径粒状炭更新処理PM340は、小粒径粒状炭更新判定処理PM362によって、小粒径粒状活性炭吸着施設を有する何れかの浄水場13で粒状炭の更新が必要であると判断された時に起動され、最適な粒状炭更新業務を行うためプログラムである。
このプログラムは小粒径粒状炭更新判定処理PM362からの起動指令およびPM362の処理の結果得られた粒状炭更新を行うべき浄水場13を特定する情報を起動信号T40として起動する。次いで、ステップS401で浄水場施設情報DB311、浄水場水質情報DB312、浄水場活性炭情報DB313から対象浄水場の諸情報を、ステップS402で再生工場施設情報DB314から再生粉末炭在庫量情報を参照し、ステップS403で対象活性炭吸着池、活性炭更新量および対象再生工場21を決定する。次いで、ステップS404で粒状炭再生業務処理PM370を起動し、再生業務終了通知を受信後、ステップS405で再生工場施設情報DB314から再生粉末炭在庫量情報を参照し、ステップ406で再生炭の納入量、新炭の調達量および対象活性炭メーカ50を決定してステップS407で再生炭、新炭の出荷および吸着池への敷き込みを指示する。次いで、処理結果をステップS408で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313に、再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ409でプログラムを終了する。
【0032】
粉末炭調達判定処理PM350
粉末炭調達判定処理PM350は、管理者によって適時起動され、粉末活性炭吸着施設を有する何れかの浄水場14で粉末炭の調達が必要であるか否かの判定を行うためプログラムである。
このプログラムは管理者からの起動指令を起動信号T50として起動する。次いで、ステップS501で浄水場施設情報DB311、浄水場水質情報DB312、浄水場活性炭情報DB313から対象浄水場の諸情報を、ステップS502で再生工場施設情報DB314から再生粉末炭在庫量情報を、ステップS503で活性炭リサイクル計画支援情報D315から粉末再生炭調達情報を参照する。次いで、ステップS504で粉末活性炭吸着施設を有する浄水場群14の浄水場毎に、参照情報よりカビ臭発生に係る予想係数を算出して予め定めた設定値との比較を行い、さらに粉末炭在庫量と予め定めた設定値との比較を行う。ステップ504でカビ臭発生予想係数値が設定値を上回り、かつ粉末新炭在庫量が設定値を下回るとの判定がYESと判定された場合には、ステップS505で当該浄水場を特定する情報信号および粉末炭調達業務処理PM310の起動信号をPM310に送信する。また、ステップ504でNOと判定された場合にはステップS506で定期調達時期に到達しているか否かの判定を行い、YESと判定された場合には、ステップS507で当該浄水場を特定する情報信号および粉末炭調達業務処理PM310の起動信号をPM310に通知し、ステップ506でNOと判定された場合には処理結果をステップS508で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ509でプログラムを終了する。ステップ505あるいはステップ507で粉末炭調達業務処理PM310を起動した場合には、PM310より処理終了の情報信号を受信後、処理結果をステップS508で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ509でプログラムを終了する。
【0033】
大粒径粒状炭更新判定処理PM360
大粒径粒状炭更新判定処理PM360は、管理者によって適時起動され、大粒径粒状炭吸着施設を有する何れかの浄水場11で粒状炭の更新が必要であるか否かの判定を行うためプログラムである。
このプログラムは管理者からの起動指令を起動信号T60として起動する。次いで、ステップS601で浄水場施設情報DB311、浄水場水質情報DB312、浄水場活性炭情報DB313から対象浄水場の諸情報を、ステップS602で再生工場施設情報DB314を、ステップS603で活性炭リサイクル計画支援情報D315を参照する。次いで、ステップS604で大粒径粒状炭吸着施設を有する浄水場群11の浄水場毎に、参照情報よりある水質項目の活性炭吸着池流入濃度Cと流出濃度Cとの比、C/C値を計算し、予め定めた設定値との比較を行う。ステップ604でC/C値が設定値を上回るとの判定がYESと判定された場合には、ステップS605で当該浄水場を特定する情報信号および大粒径粒状炭更新処理PM320の起動信号をPM320に通知する。また、ステップ604でNOと判定された場合にはステップS606で定期更新時期に到達しているか否かの判定を行い、YESと判定された場合には、ステップS607で当該浄水場を特定する情報信号および大粒径粒状炭更新処理PM320の起動信号をPM320に送信し、ステップ606でNOと判定された場合には処理結果をステップS608で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313に、ステップS109で再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ609でプログラムを終了する。ステップ605あるいはステップ607で大粒径粒状炭更新処理PM320を起動した場合には、PM320より処理終了の情報信号を受信後、処理結果をステップS608で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ609でプログラムを終了する。
【0034】
中粒径粒状炭更新判定処理PM361
中粒径粒状炭更新判定処理PM361は、管理者によって適時起動され、中粒径粒状炭吸着施設を有する何れかの浄水場12で粒状炭の更新が必要であるか否かの判定を行うためプログラムである。
このプログラムは管理者からの起動指令を起動信号T61として起動する。次いで、ステップS611で浄水場施設情報DB311、浄水場水質情報DB312、浄水場活性炭情報DB313から対象浄水場の諸情報を、ステップS612で再生工場施設情報DB314を、ステップS613で活性炭リサイクル計画支援情報D315を参照する。次いで、ステップS614で中粒径粒状炭吸着施設を有する浄水場群12の浄水場毎に、参照情報よりある水質項目の活性炭吸着池流入濃度Cと流出濃度Cとの比、C/C値を計算し、予め定めた設定値との比較を行う。ステップ614でC/C値が設定値を上回るとの判定がYESと判定された場合には、ステップS615で当該浄水場を特定する情報信号および中粒径粒状炭更新処理PM330の起動信号をPM330に通知する。また、ステップ614でNOと判定された場合にはステップS616で定期更新時期に到達しているか否かの判定を行い、YESと判定された場合には、ステップS617で当該浄水場を特定する情報信号および中粒径粒状炭更新処理PM330の起動信号をPM330に送信し、ステップ616でNOと判定された場合には処理結果をステップS618で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ619でプログラムを終了する。ステップ615あるいはステップ617で中粒径粒状炭更新処理PM330を起動した場合には、PM330より処理終了の情報信号を受信後、処理結果をステップS618で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ619でプログラムを終了する。
【0035】
小粒径粒状炭更新判定処理PM362
小粒径粒状炭更新判定処理PM362は、管理者によって適時起動され、小粒径粒状炭吸着施設を有する何れかの浄水場13で粒状炭の更新が必要であるか否かの判定を行うためプログラムである。
このプログラムは管理者からの起動指令を起動信号T62として起動する。次いで、ステップS621で浄水場施設情報DB311、浄水場水質情報DB312、浄水場活性炭情報DB313から対象浄水場の諸情報を、ステップS622で再生工場施設情報DB314を、ステップS623で活性炭リサイクル計画支援情報D315を参照する。次いで、ステップS624で小粒径粒状炭吸着施設を有する浄水場群13の浄水場毎に、参照情報よりある水質項目の活性炭吸着池流入濃度Cと流出濃度Cとの比、C/C値を計算し、予め定めた設定値との比較を行う。ステップ624でC/C値が設定値を上回るとの判定がYESと判定された場合には、ステップS625で当該浄水場を特定する情報信号および小粒径粒状炭更新処理PM340の起動信号をPM340に通知する。また、ステップ624でNOと判定された場合にはステップS626で定期更新時期に到達しているか否かの判定を行い、YESと判定された場合には、ステップS627で当該浄水場を特定する情報信号および中粒径粒状炭更新処理PM340の起動信号をPM340に送信し、ステップ626でNOと判定された場合には処理結果をステップS628で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ629でプログラムを終了する。ステップ625あるいはステップ627で小粒径粒状炭更新処理PM340を起動した場合には、PM340より処理終了の情報信号を受信後、処理結果をステップS628で浄水場施設情報DB311、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設情報DB314に蓄積し、ステップ629でプログラムを終了する。
【0036】
粒状炭再生業務処理PM370
粒状炭再生業務処理PM370は、大粒径粒状炭更新処理PM320または中粒径粒状炭更新処理PM330または小粒径粒状炭更新処理PM340の何れかのPMからの指令によって起動され、最適な粒状炭再生業務を行うためプログラムである。
このプログラムは大粒径粒状炭更新処理PM320または中粒径粒状炭更新処理PM330または小粒径粒状炭更新処理PM340の何れかのPMからの起動指令を起動信号T70として起動する。次いで、ステップS701で再生工場施設情報DB314を参照し、ステップS702で対象再生工場21を選定し再生業務を指示する。次いで、ステップS703で再生製品を再生粒状炭(大粒径、中粒径、小粒径)再生粉末炭に分別を行い、ステップ704で再生工場施設情報DB314に再生炭製品在庫量ほかの処理データを蓄積し、ステップS705で起動指令のあった大粒径粒状炭更新処理PM320または中粒径粒状炭更新処理PM330または小粒径粒状炭更新処理PM340の何れかに活性炭再生業務終了を通知し、次いで、ステップ706でプログラムを終了する。
【0037】
活性炭リサイクル計画支援処理PM380
活性炭リサイクル計画支援処理PM380は、浄水場水質DB312、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設DB314および活性炭リサイクル計画支援情報DB315に格納された情報に基づいて活性炭の管理動向を抽出して、活性炭管理センター30が、管理する全ての施設11、12、13および14の最適活性炭運用計画(更新、調達)を策定するための支援を行うプログラムである。
このプログラムは管理者からの起動指令を起動信号T80として適時起動される。次いで、ステップS801で浄水場施設情報DB311、浄水場水質情報DB312、浄水場活性炭情報DB313、再生工場施設DB314および活性炭リサイクル計画支援情報DB315から各種蓄積データを参照する。次いで、ステップS802で蓄積データの傾向を時刻、日、月。季節、年単位に抽出し、ステップ803で蓄積データの傾向から活性炭更新計画、在庫計画、調達計画などを作成または更新し、処理データを活性炭リサイクル計画支援情報DB315に蓄積して、次いで。ステップS805でプログラムを終了する。
【0038】
上記の説明は、本発明の実施様態の一例を示したものであり、これに限定されるものではない。粒状活性炭再生物の粒状活性炭および粉末活性炭以外のリサイクル用途としては、アンモニア性窒素、溶解性マンガン、生物分解性有機物質およびジェオスミンや2−メチルイソボルネオールなどのカビ臭物質を生物学的代謝により除去するための生物担体、凝集汚泥の濃縮促進剤などとしての利用があり、活性炭リサイクル計画の中にこれらの用途を取り入れることも、本発明の範囲に含まれる。
【0039】
次に、中粒径粒状活性炭2.000m3を使用するA浄水場の新設に当たり、地域内に有する大粒径粒状活性炭(600m3×8池)を使用しているB浄水場の更新工事で発生する再生炭を適用する場合を例として、本発明の実施様態を説明する。
以下の表2は、B浄水場の大粒径活性炭を再生した場合の再生収率を示す。再生収率は使用の経年数により異なり、また、従来の大粒径炭のみに再生する場合と本願発明の大粒径炭、中粒径炭および粉末炭に最適分配して再生する場合とでも異なる。
【表2】

【0040】
表2中、5年経年炭を従来法の大粒径炭のみに再生する場合の再生収率は0.8であるのに対し、本願法の大粒径炭、中粒径炭および粉末炭に最適分配した場合の再生収率は大粒径炭0.6、中粒径炭0.3、粉末炭0.05であり総計の再生収率は0.95であった。同様に6年経年炭では従来法の再生収率0.7に対し本願法では総計0.9、7年経年炭では従来法の再生収率0.5に対し本願法では総計0.8、8年経年炭では従来法の再生収率0.3に対し本願法では総計0.8であった。
また、再生炭使用時に一定量の新炭を混合して使用する必要がある場合があり、その混合比率を以下の表3に示す。
【表3】

【0041】
実施例1
管理者は、図5に関連して説明した要領で活性炭リサイクル計画支援PM380および大粒径粒状活性炭更新PM360を起動し、PMフローに従い、PM360により大粒径活性炭の更新判定処理を実施し、消毒副生成物であるTHM生成能を判定要素として判定を行った。凝集沈澱地上澄水のTHM生成能Co mg/L、各活性炭吸着池処理水のTHM生成能C mg/L、その比であるC/C0値および前回更新からの経過年数n年をDBより参照し、以下の更新判定値との対照によりB浄水場の活性炭吸着池8池の更新優先順位を算出させた。
【表4】

【0042】
この更新判定により、以下の表5に示す結果が得られた。
【表5】

【0043】
このような判定により、活性炭吸着池1、2、3、4、7号池の更新が決定され、PMフローに従い、大粒径粒状活性炭更新処理PM320、再生業務処理PM370が起動され各処理が実行された。その結果、表2に記載の大粒径炭、中粒径炭および粉末炭を製造する場合の再生収率(8年経年炭(大粒径再生炭:中粒径再生炭:粉末再生炭=0.2:0.3:0.3)、5年経年炭(大粒径再生炭:中粒径再生炭:粉末再生炭=0.6:0.3:0.05))のとおり、以下の再生炭が製造された。
【0044】
8年経年炭(1号池、2号池)1,200m3(再生炭充填密度:450kg/m3
大粒径再生炭:1,200m3×0.2×450kg/m3=108,000kg(240 m3
中粒径再生炭:1,200 m3×0.3×450kg/m3=162,000kg(360 m3
再生粉末炭 :1,200 m3×0.3×450kg/m3=162,000kg
5年経年炭(3号池、4号池、7号池)1,800m3
大粒径再生炭:1,800m3×0.6×450kg/m3=486,000kg(1.080 m3
中粒径再生炭:1,800 m3×0.3×450kg/m3=243,000kg(540 m3
再生粉末炭 :1,800 m3×0.05×450kg/m3=40,500kg
【0045】
次いでPMフローに従い、再生炭ストック量情報より、A浄水場およびB浄水場に納入する再生炭量および新炭量が決定し、以下の表6に示される再生炭及び新炭が納入される(新炭、再生炭とも充填密度は450kg/m3)。
ここで、再生炭使用時には、表2に示したように、5年経年炭の再生炭に対しては25%、8年経年炭の再生炭には75%の新炭の混合を要する。したがって、A浄水場へ納入する中粒径再生炭の場合、全量を使用すると納入量が2,000m3を超過してしまうため、8年経年炭の中粒径再生炭については320m3が使用され、余剰分40m3は再生工場へストックされた。
【表6】

【0046】
比較例1
従来実施されている個々の浄水場毎に独立して運営されている比較例として、B浄水場1号池、2号池の大粒径8年経年炭については再生収率が低い(0.3(表1))ため再生を行わずに新炭に全量交換、3号池、4号池、7号池の5年経年炭(再生収率0.8(表1))のみを大粒径炭に再生し、新設のA浄水場には中粒径新炭2,000 m3を使用する場合の活性炭納入量を、表7に示す。
なお、5年経年炭(3号池、4号池、7号池)1,800m3の再生に関して、大粒径再生炭の場合には、5年経年炭の再生炭は表2に示したように新炭を25%混合する必要がある。したがって、再生炭は1,800 m3の75%である1,350 m3しか使用できず、再生処理を行うのは 1,350 m3÷0.8=1,687.5 m3 となり、残りの112.5 m3は廃棄物となる。
廃棄物:1,685.5 m3×0.15+112.5=365.325 m3
【表7】

【0047】
比較例1だと1,565.325m3の廃棄物が発生し、新炭3,650m3が新たに使用されるが、実施例1の本願の方法だと廃棄物は発生せず、新たに使用される新炭は2,820m3で済み、新炭使用の削減率は22.7%となった。再生炭は新炭の半額程度で取引されているため、実施例1は比較例1よりおよそ10%のコスト削減となった。また、8年経年炭中粒径再生炭40m3および再生粉末炭202,500kgが再生工場にストックされ、以降の更新工事などで利用できる。
【0048】
実施例2
管理者は、図5に関連して説明した要領で活性炭リサイクル計画支援PM380および大粒径粒状活性炭更新PM360を起動し、PMフローに従い、PM360により大粒径活性炭の更新判定処理を実施し、活性炭の吸着性能であるヨウ素吸着性能を判定要素として判定を行った。各活性炭吸着池の前回更新時のヨウ素吸着性能Co mg/g-AC、経年時のヨウ素吸着性能C mg/g-AC、その比であるC/C0値および前回更新からの経過年数n年をDBより参照し、以下の更新判定値との対照によりB浄水場の活性炭吸着池8池の更新優先順位を算出させた。
【表8】

【0049】
この更新判定により、以下の表9に示す結果が得られた。
【表9】

【0050】
これにより、活性炭吸着池1、2、3、4号池の更新が決定され、PMフローに従い、大粒径粒状活性炭更新処理PM320、再生業務処理PM370が起動され各処理が実行され、表2に示した大粒径炭、中粒径炭および粉末炭を製造する場合の再生収率(8年経年炭(大粒径再生炭:中粒径再生炭:粉末再生炭=0.2:0.3:0.3)、5年経年炭(大粒径再生炭:中粒径再生炭:粉末再生炭=0.6:0.3:0.05))のとおり、以下の再生炭が製造された。
8年経年炭(1号池、2号池)1,200m3(再生炭充填密度:450kg/m3
大粒径再生炭:1,200m3×0.2×450kg/m3=108,000kg(240 m3
中粒径再生炭:1,200 m3×0.3×450kg/m3=162,000kg(360 m3
再生粉末炭 :1,200 m3×0.3×450kg/m3=162,000kg
5年経年炭(3号池、4号池)1,200m3
大粒径再生炭:1,200m3×0.6×450kg/m3=324,000kg(720 m3
中粒径再生炭:1,200 m3×0.3×450kg/m3=162,000kg(360 m3
再生粉末炭 :1,200 m3×0.05×450kg/m3=27,000kg
【0051】
次いでPMフローに従い、再生炭ストック量情報より、A浄水場およびB浄水場に納入する再生炭量および新炭量が決定し、納入される(新炭、再生炭とも充填密度は450kg/m3)。
【表10】

【0052】
比較例2
従来実施されている個々の浄水場毎に独立して運営されている比較例として、B浄水場1号池、2号池の大粒径8年経年炭については再生収率が低い(0.3(表1))ため再生を行わずに新炭に全量交換、3号池、4号池の5年経年炭(再生収率0.8(表1))のみを大粒径炭に再生し、新設のA浄水場には中粒径新炭2,000 m3を使用する場合の活性炭納入量を表11に示す。
なお、5年経年炭(3号池、4号池)1,200m3の再生の場合、大粒径再生炭については、5年経年炭の再生炭は表2に示したように新炭を25%混合する必要がある。そのため、再生炭は1,200 m3の75%である900 m3しか使用できず、再生処理を行うのは 900 m3÷0.8=1,125 m3 となり、残りの75 m3は廃棄物となる。
廃棄物:1,125 m3×0.15+75=243.75 m3
【表11】

【0053】
比較例2では、1,443.755m3の廃棄物が発生し、新炭3,500m3が新たに使用されるが、実施例2の本願の方法だと廃棄物は発生せず、新たに使用される新炭は2,720m3で済み、新炭使用の削減率は22.3%となった。再生炭は新炭の半額程度で取引されているため、実施例2は比較例2よりおよそ10%のコスト削減となった。また、再生粉末炭189.000kgが再生工場にストックされ、利用される。
【0054】
上記実施例は、2つの浄水場間での大粒径再生炭および中粒径再生炭利用の例であるが、3つ以上の浄水場に係るものであっても、小粒径再生炭や再生粉末炭に係るものも本発明の範囲に含まれるものである。また、更新判定設定値に関しても上記のTHM生成能、ヨウ素吸着性能や更新後経過年数に限定されるものではなく、水質項目であればTHM生成量、ハロ酢酸、抱水ハラールなどの消毒副生成物指標、2−メチルイソボルネオール、ジェオスミン、臭気度、臭気強度などの臭気指標、TOC、E260、過マンガン酸消費量、農薬類などの有機物指標、活性炭品質項目であればメチレンブルー吸着性能、フミン吸着性能、2−メチルイソボルネオール価、揮発分、充填密度など指標であっても、また、これらを複合させて判定することも本発明の範囲に含まれるものである。
【0055】
本発明は、以上のように構成されているものであり、限りある資源である活性炭のリサイクル利用および管理を最適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る粒状活性炭の有効利用の流れと廃棄物である廃炭量との関係を示したリサイクルの概念図である。
【図2】本発明に係る活性炭リサイクルの基本概念図である。
【図3】本発明に係る活性炭リサイクル管理ネットワークの概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る活性炭管理センタの概略構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示した活性炭管理センタに具備される各PM処理の関連を示すフローチャートである。
【図6】図4に示した活性炭管理センタに含まれる、粉末炭調達業務処理PMによる処理を示すフローチャートである。
【図7】図4に示した活性炭管理センタに含まれる、大粒径粒状炭更新処理PMによる処理を示すフローチャートである。
【図8】図4に示した活性炭管理センタに含まれる、中粒径粒状炭更新処理PMによる処理を示すフローチャートである。
【図9】図4に示した活性炭管理センタに含まれる、小粒径粒状炭更新処理PMによる処理を示すフローチャートである。
【図10】図4に示した活性炭管理センタに含まれる、粉末炭調達判定処理PMによる処理を示すフローチャートである。
【図11】図4に示した活性炭管理センタに含まれる、大粒径粒状炭更新判定処理PMによる処理を示すフローチャートである。
【図12】図4に示した活性炭管理センタに含まれる、中粒径粒状炭更新判定処理PMによる処理示すフローチャートである。
【図13】図4に示した活性炭管理センタに含まれる、小粒径粒状炭更新判定処理PMによる処理を示すフローチャートである。
【図14】図4に示した活性炭管理センタに含まれる、粒状炭再生業務処理PMによる処理を示すフローチャートである。
【図15】図4に示した活性炭管理センタに含まれる、活性炭リサイクル計画支援処理PMによる処理を示すフローチャートである。
【図16】一般的な浄水場での処理フローを示す図である。
【図17】活性炭吸着池を備えた浄水場での処理フローを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定地域内の活性炭処理施設を備えた複数の浄水施設で粒状活性炭ならびに粉末活性炭を有効利用するための情報を管理する活性炭情報管理センタであって、
各浄水施設の活性炭処理施設の施設情報、運転情報、水質情報および活性炭在庫情報を記憶する浄水施設情報記憶手段と、
使用済み粒状活性炭を再利用可能な再生粒状活性炭もしくは再生粉末活性炭に再生する、一つ以上の再生工場の工場情報および再生活性炭在庫情報を記憶する再生工場情報記憶手段と、
各浄水施設からの浄水施設情報に基づいて、個々の粒状活性炭処理施設で使用する粒状活性炭を、どの時点でどれだけの量を更新するかを判定する粒状活性炭更新判定処理手段と、
該粒状活性炭更新判定処理手段がある浄水施設の粒状活性炭処理施設のある粒状活性炭吸着池を更新すべきであると判定した時に起動され、施設情報記憶手段の当該浄水施設に関する施設情報、運転情報、水質情報及び活性炭在庫情報と再生工場情報記憶手段の工場情報および再生活性炭在庫情報とを参照して、更新する粒状活性炭の更新時期と更新量、および再生業務を行う再生工場を決定し、更新する使用済み粒状活性炭を原料として再生賦活することにより再生粒状活性炭ならびに再生粉末活性炭を製造させる再生業務処理手段と、
該再生工場からの再生業務処理の完了通知により起動され、該再生業務により製造された当該粒状活性炭吸着池の再生粒状活性炭仕様基準を満足する再生粒状活性炭の製造量情報と再生工場情報記憶手段の再生活性炭在庫情報と浄水施設情報記憶手段の活性炭在庫情報を参照して、当該粒状活性炭吸着池に再充填する再生粒状活性炭量及び新炭粒状活性炭量とそれぞれを供給する再生工場、浄水施設ならびに新炭粒状活性炭製造メーカを決定する粒状活性炭更新業務処理手段と、
各浄水施設からの活性炭処理施設の施設情報および運転情報に基づいて個々の活性炭処理施設で使用する粉末活性炭を何時、どれだけの量を購入するかを判定する粉末活性炭調達判定処理手段と、
該判定手段が、ある浄水施設に粉末活性炭を購入すべきであると判定した時に起動され、施設情報記憶手段の当該浄水施設に関する施設情報及び粉末活性炭在庫情報と再生工場情報記憶手段の再生粉末活性炭在庫情報とを参照して、当該浄水施設に供給する再生粉末活性炭調達量と調達時期、ならびに新炭粉末活性炭の調達量と調達時期を決定し、再生工場ならびに未使用粉末活性炭製造メーカから調達する粉末活性炭調達業務処理手段と
からなることを特徴とする活性炭情報管理センタ。
【請求項2】
請求項1記載の活性炭情報管理センタと、該活性炭情報管理センタと通信ネットワークを介して接続された複数の浄水施設及び再生工場とからなる活性炭管理システムであって、
前記複数の浄水施設が備える活性炭処理施設が、
粉末活性炭吸着設備、
粒径0.85mm〜2.0mm、有効径1.1〜1.3mm、均等係数1.2〜1.4の大粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着設備、
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の中粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着設備、および
粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の小粒径の粒状活性炭を使用する粒状活性炭吸着設備
のうち1つ以上の設備を有しており、
前記の再生工場で製造する再生活性炭が、
粒径0.85mm〜2.0mm、有効径1.1〜1.3mm、均等係数1.2〜1.4の大粒径再生粒状活性炭、
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の中粒径再生粒状活性炭、粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の小粒径再生粒状活性炭、および
再生粉末活性炭
のうち1つ以上である
ことを特徴とする活性炭管理システム。
【請求項3】
請求項2記載の活性炭管理システムにおいて、活性炭情報管理センタの再生業務処理手段は、
粒径0.85mm〜2.0mm、有効径1.1〜1.3mm、均等係数1.2〜1.4の大粒径粒状活性炭を再生賦活した再生粒状活性炭のうち、
再生大粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生大粒径粒状活性炭とし、
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の再生中粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生中粒径粒状活性炭とし、
粒径 0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の再生小粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生小粒径粒状活性炭とし、
前記の何れの仕様基準にも該当しないものについては粉砕して再生粉末活性炭とし、
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の中粒径粒状活性炭を再生賦活した再生粒状活性炭のうち、
粒径0.5mm〜2.0mm、平均径0.9〜1.1mm、均等係数1.5〜1.9の再生中粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生中粒径粒状活性炭とし、
粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の再生小粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生小粒径粒状活性炭とし、
該仕様基準に該当しないものについては粉砕して再生粉末活性炭とし、
粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の小粒径粒状活性炭を再生賦活した再生粒状活性炭のうち、
粒径0.2mm〜1.7mm、有効径0.35〜0.45mm、均等係数1.4以上の再生小粒径粒状活性炭仕様基準を満足するものは再生小粒径粒状活性炭とし、
該仕様基準に該当しないものについては粉砕して再生粉末活性炭とする
よう再生工場に指示する手段を備えていることを特徴とする活性炭管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−172158(P2007−172158A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366757(P2005−366757)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(591030651)荏原エンジニアリングサービス株式会社 (94)
【Fターム(参考)】