説明

浄水器

【課題】非飲用水と飲用水とを使用者に供給することが可能な浄水器であって、使用者が非飲用水を飲用水と誤認して使用することが防止された浄水器を提供する。
【解決手段】浄水器100は、流路110と流量センサ121と流路切換部20と流路位置センサ32とオゾン発生器40とスイッチ132と操作パネル31と制御部131とを備えている。制御部131が、流量センサ121の検知に基づいて主通水路101に水が流通していることを判断し、流路位置センサ32の検知に基づいて主通水路101からオゾン水側流路102に水の流れを流路切換部20が切り換えていることを判断し、且つ、操作パネル31の操作に基づいてスイッチ132がONに切り換えられていることを判断する場合には、オゾン発生器40はオゾンを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には浄水器に関し、特定的には非飲用水と飲用水とを供給することが可能な浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気分解整水器等の浄水器に関し、実開平5−22093号公報(以下、特許文献1という)に記載された電気分解整水器が知られている。特許文献1に記載された電気分解整水器は、複数の流路と、流路を切り換えるための流路切換装置とを備えている。流路切換装置は流路に取り付けられている。
【0003】
特許文献1に記載された電気分解整水器では、流路切換装置の切換動作に連動して、電気分解整水器の電気的作動が切り換えられる。これにより、特許文献1に記載された電気分解整水器の操作性が向上されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−22093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された電気分解整水器では、流路切換装置は、回転ハンドルが使用者に操作されることによって切り換えられる。この回転ハンドルは、筒状ケーシングの外部に配置されている。
【0006】
特許文献1に記載された電気分解整水器では、例えば、使用者が希望する類の水を使用する場合に、他の類の水が供給される位置に回転ハンドルが誤って操作されているときには、使用者が希望する類の水とは異なる類の水が電気分解整水器から供給される。すなわち、特許文献1に記載された電気分解整水器では、電気分解整水器から供給される水と、使用者の希望する類の水とが異なっている場合に、電気分解整水器から供給された水を使用者がそのまま使用する可能性がある。
【0007】
例えば、飲用水としては好ましくない類の水と飲用水とを使用者が間違え、飲用水として好ましくない類の水を使用者がそのまま飲用するような事態は避けなければならない。飲用水として好ましくない類の水の例は、特にオゾンを含んだ水である。オゾンを含んだ水は、除菌または脱臭作用を有し、食品もしくは食器の洗浄または手洗い等に利用される。オゾンを含んだ水のうち、水中のオゾン濃度が高いものは、除菌または脱臭の効果がより高い。日本国内においては水中のオゾン濃度は特に規定されていないが、大気中のオゾンガス濃度としての許容濃度が0.1ppmと規定されている。そのため、オゾン水が使用される際に大気中に拡散されるオゾンガス濃度が0.1ppmを超えないように、オゾン水の濃度が調整される必要がある。しかし、オゾンが水に十分に溶けている場合は、大気中に拡散されるオゾンが少なくなるため、大気中のオゾンガス濃度が0.1ppm以下であっても水中のオゾン濃度は高くなり、飲用としては適さなくなる。
【0008】
そこで、この発明の目的は、非飲用水と飲用水とを使用者に供給することが可能な浄水器であって、使用者が非飲用水を飲用水と誤認して使用することが防止された浄水器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に従った浄水器は、流路と流量センサと流路切換部と流路位置センサと混合器と操作部とスイッチと制御部とを備えている。流路は、主通水路と非飲用水側流路と飲用水側流路とを少なくとも有している。主通水路には原水が流通する。非飲用水側流路と飲用水側流路とは、主通水路から互いに分岐されている。非飲用水側流路には、非飲用水が流通する。飲用水側流路には、飲用水が流通する。流量センサは、流路に配置され、流路での水の流通を検知する。流路切換部は、主通水路から少なくとも非飲用水側流路と飲用水側流路とのいずれか一方に水が流通するように、流路での水の流れを切り換える。流路位置センサは、主通水路を流通する水の流れを非飲用水側流路と飲用水側流路とのいずれに流路切換部が切り換えているかを検知する。混合器は、非飲用水側流路に接続されている。また、混合器は、非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質を混合させる。操作部は、非飲用水側流路を流れる水に混合器が非飲用物質を混合させることが可能なON状態と不可能なOFF状態との切り換えが操作される。スイッチは、操作部に接続され、操作部の操作に基づいてON状態とOFF状態とが切り換えられる。制御部は、流量センサと流路位置センサとスイッチと混合器とに接続されている。
【0010】
この発明に従った浄水器では、制御部が、流量センサの検知に基づいて流路に水が流通していることを判断する場合、流量位置センサの検知に基づいて主通水路から非飲用水側流路に水の流れを流路切換部が切り換えていることを判断する場合、且つ、操作部の操作に基づいてスイッチがON状態に切り換えられていることを判断する場合には、混合器は非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質を混合させる。
【0011】
この発明によれば、混合器が非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質を混合させる場合には、流路に水が流通していることと、主通水路から非飲用水側流路に水の流れを流路切換部が切り換えていることと、且つ、スイッチがON状態に切り換えられていることとの少なくとも三つの条件が課せられている。すなわち、これら少なくとも三つの条件が満たされることにより、混合器が非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質を混合させることが可能になる。このように、三つの条件が満たされることにより、非飲用水側流路を流通する水に非飲用物質が混合される。これにより、この発明に従った浄水器は、非飲用物質を含む水を供給することができる。
【0012】
一方、制御部が、流路に水が流通していないことを判断する場合、主通水路から非飲用水側流路を除いた流路に水の流れを流路切換部が切り換えていることを判断する場合、または、スイッチがOFF状態に切り換えられていることを判断する場合には、混合器は非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質を混合させない。
【0013】
このように、この発明に従った浄水器では、流路に水が流通していない場合に使用者が操作部を操作すること、または、使用者が意図した流路に水の流れが切り換えられていない場合に使用者が操作部を操作すること、といった使用者が操作部を誤って操作することが防止されている。そのため、この発明に従った浄水器では、当該浄水器から供給される水と、使用者の希望する類の水とが異なっている場合に、当該浄水器から供給される水を使用者がそのまま使用することが予防されている。すなわち、この発明に従った浄水器では、使用者が非飲用水としての非飲用物質が含まれた水を飲用水と誤認して使用することが防止されている。
【0014】
この発明に従った浄水器では、制御部が、流路での水の流通が停止されていることを判断する場合、主通水路から非飲用水側流路を除いた流路に水の流れを流路切換部が切り換えていることを判断する場合、または、スイッチがOFF状態に切り換えられていることを判断する場合には、混合器は非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質を混合させることを停止することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、一旦満足された三つの条件のうちの一つが満たされなくなった場合には、混合器は非飲用物質の混合を停止することができる。そのため、この発明に従った浄水器では、当該浄水器から供給される水と、使用者の希望する類の水とが異なっている場合に、当該浄水器から供給される水を使用者がそのまま使用することが予防されている。
【0016】
この発明に従った浄水器は、飲用水側流路に配置されたフィルタと、非飲用水側流路と飲用水側流路との間に配置された接続路とを備えていることが好ましい。また、この発明に従った浄水器は、非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質が混合された水が接続路を介してフィルタを通過することにより、フィルタを洗浄することが好ましい。
【0017】
このように、非飲用水側流路を流れる水にフィルタの洗浄に対して有用な物質を混合させることにより、フィルタを効果的に洗浄することができる。また、上述のように、この発明に従った浄水器では、当該浄水器から供給される水と、使用者の希望する類の水とが異なっている場合に、当該浄水器から供給される水を使用者がそのまま使用することが予防されている。言い換えると、フィルタを洗浄する際に利用される水は、使用者が使用することを意図していない類の水である。このように、この発明に従った浄水器では、フィルタを洗浄した際に当該浄水器から排出される排水を使用者が使用することが防止されている。
【0018】
この発明に従った浄水器では、非飲用物質はオゾンであり、且つ、混合器はオゾンを発生させるオゾン発生器であることが好ましい。
【0019】
このように、非飲用水側流路を流れる水にオゾンが混合されることにより、使用者は、オゾンが含まれた水を効果的に適宜利用することができる。また、オゾンが混合された水によってフィルタを効果的に洗浄することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、この発明によれば、非飲用水と飲用水とを使用者に供給することが可能な浄水器であって、使用者が非飲用水を飲用水と誤認して使用することが防止された浄水器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る浄水器の全体を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る浄水器の操作パネルを模式的に示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る浄水器の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係る浄水器の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る浄水器の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る浄水器の全体を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る浄水器の全体を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る浄水器の操作パネルを模式的に示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る浄水器の制御部の制御処理を順に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、非飲用水としてオゾンを含んだ水(以下ではオゾン水という)を供給することが可能な浄水器について説明している。ただし、非飲用水の例はオゾン水に限定されず、且つ、非飲用物質の例はオゾンに限定されない。非飲用水に含まれる非飲用物質は、浄水器が供給する水に積極的に混入されることにより、非飲用水であるにもかかわらず、その物質が混入された水を使用者が使用する際には有用な物質である。非飲用物質の態様は、特に限定されず、気体、液体、または固体である。例えば、洗剤を混合する混合器としての洗剤混合器を浄水器が備え、浄水器は、洗剤混合器にて洗剤が混合された水を供給していてもよい。
【0023】
さらに、非飲用水の他の例として、非飲用水は銀イオン水であってもよい。銀イオン水は殺菌または抗菌作用を有している。浄水器の使用者は、銀イオン水で台所用品を洗う場合は、殺菌または抗菌効果が得られる。しかし、米国のEPAの基準では、飲用水の銀イオン濃度に関して、0.1mg/L以下という基準が定められている。殺菌または抗菌効果については、銀イオン濃度が0.1mg/L以下であっても効果を得ることができる。銀イオン水の濃度が高いほど、高い殺菌または抗菌の効果を得ることができる。そのため、有機物等の不純物が多いものを洗う場合には、高い濃度の銀イオン水が必要である。台所用品を洗う場合等に利用される浄水器では、例えば0.5mg/L程度の銀イオン水が非飲用水として利用されていてもよい。さらに、台所用品を洗浄する場合等に利用される浄水器では、食塩水を電気分解して得られるpH2〜3の酸性水(例えば、濃度が40−60ppmである次亜塩素酸水)が利用されていてもよい。
【0024】
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態の浄水器100は、流路110と、プレフィルタ111と、活性炭112と、流量センサ121と、制御部131とを備えている。制御部131は、マイクロコンピュータの一部である。
【0025】
流路110は、水を流通させるものである。流路110は、主通水路101と飲用水側流路103とオゾン水側流路102とを有している。主通水路101は、原水を流通させるためのものである。主通水路101には、水道水、井戸水、または河川水等の原水が浄水器100の外部から供給される。
【0026】
非飲用水側流路としてのオゾン水側流路102と、飲用水側流路103とは、主通水路101から互いに分岐されている。流路110のうちの活性炭112と中空糸フィルタ114との間には、流路切換弁92が配置されている。流路切換弁92は、例えば電磁式の三方向弁で構成されている。流路切換弁92には、流路切換レバー21が接続されている。流路切換レバー21は浄水器100の使用者に操作され、流路切換レバー21の操作に基づいて流路切換弁92が作動する。流路切換弁92が作動することにより、主通水路101から飲用水側流路103とオゾン水側流路102とのいずれか一方に水が流れるように、流路110での水の流れが切り換えられる。
【0027】
浄水器100では、少なくとも流路切換レバー21と流路切換弁92とによって流路切換部20が構成されている。なお、流路切換部20には、流路切換レバー21の代わりに、流路切換弁92の開閉等を切り換えるためのプッシュ式等のスイッチが用いられていてもよい。
【0028】
プレフィルタ111と活性炭112と流量センサ121とは、主通水路101に配置されている。プレフィルタ111は、比較的、目の粗い不織布によって構成されている。原水に含まれる比較的大きな不純物は、原水がプレフィルタ111を通過するときに取り除かれ、これによって原水が濾過される。活性炭112は、水中の有機物を吸着して水から除去する。活性炭112を通過した水が中空糸フィルタ114を通過することにより、水に含まれる細かい不純物が中空糸フィルタ114に付着する。なお、中空糸フィルタ114は、比較的、目の細かい不織布によって構成されたマイクロフィルタであってもよい。
【0029】
流路110を流れる水の流れ方向に関して、流量センサ121の上流側には逆止弁91が配置されている。原水は、流路110において、プレフィルタ111、活性炭112、中空糸フィルタ114を順に通過することによって浄化される。浄化された浄水は、飲用水として浄水器100の外部に供給される。
【0030】
流量センサ121は、プレフィルタ111を通過する水の瞬時流量を計測している。また、流量センサ121は、計測した水の瞬時流量に基づく信号を制御部131に送信する。なお、流量センサ121は、流路110のうちのオゾン水側流路102に配置されていてもよい。つまり、流量センサ121は、オゾン水側流路102に流れている水の瞬時流量を計測し、計測した水の瞬時流量に基づく信号を制御部131に送信するものであってもよい。
【0031】
浄水器100は、流路位置センサ32を備えている。流路位置センサ32は、主通水路101を流通する水の流れをオゾン水側流路102と飲用水側流路103とのいずれに流路切換部20が切り換えているかを検知する。浄水器100では、例えば流路切換レバー21のレバーの状態または位置を検知することにより、オゾン水側流路102と飲用水側流路103とのいずれに主通水路101を流通する水の流れが切り換えられているかを検知する。なお、流路位置センサ32は、流路切換弁92に接続され、流路切換弁92の状態または位置を検知するものであってもよい。
【0032】
浄水器100は、混合器としてのオゾン発生器40を備えている。オゾン発生器40は、オゾンを発生させる。オゾン発生器40は、オゾン水側流路102に接続されている。オゾン発生器40とオゾン水側流路102との間には、逆止弁93が配置されている。逆止弁93は、オゾン発生器40からオゾン水側流路102へ導入されるオゾンの流れを許容している。ただし、混合器は、非飲用水側流路に接続され、且つ、非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質を混合させるものであればよい。
【0033】
浄水器100は、操作パネル31を備えている。操作パネル31は、使用者が操作するボタンを有している。図2に示すように、操作パネル31には、オゾン発生操作部41と、フィルタ洗浄操作部51とが設けられている。
【0034】
また、図2に示すように、オゾン発生操作部41とフィルタ洗浄操作部51とには、それぞれスイッチ132とスイッチ133とが接続されている。スイッチ132とスイッチ133とは、オゾン発生器40がオゾンを発生させることが可能なON状態と発生不可能なOFF状態とに、浄水器100の状態を切り換える。オゾン発生操作部41は、スイッチ132のONとOFFとを操作するものである。フィルタ洗浄操作部51は、スイッチ133のONとOFFとを操作するものである。
【0035】
オゾン発生操作部41とフィルタ洗浄操作部51とは、例えばプッシュ式のボタンである。ただし、オゾン発生操作部41とフィルタ洗浄操作部51とは、プッシュ式のものに限定されず、スライド式のものであってもよい。
【0036】
後述するように、操作パネル31のうちのオゾン発生操作部41が使用者に操作されることに基づき、浄水器100はオゾンを含んだ水を供給する。また、フィルタ洗浄操作部51が使用者に操作されることに基づいて、中空糸フィルタ114の洗浄が開始される。
【0037】
図1に示すように、制御部131は、流量センサ121と流路位置センサ32とスイッチ132とスイッチ133と操作パネル31に接続されている。制御部131は、流量センサ121が検知する水の流れに基づき、流路110に水が流れているか否かを判断する。また、制御部131は、流路位置センサ32が検知する流路切換部20の作動に基づき、主通水路101からオゾン水側流路102に水の流れを流路切換部20が切り換えているか否かを判断する。さらに、制御部131は、オゾン発生操作部41の操作に基づいてスイッチ132もしくはスイッチ133がONに切り換えられているか否かを判断する。
【0038】
また、図示は省略するが、制御部131は、電磁弁95,96,97,98の開閉を制御している。なお、図1に示すように、流路切換弁92は、使用者による操作パネル31の操作に基づき、制御部131によって電子式に制御されるものであってもよい。この場合は、操作パネル31には、例えば、オゾン水側流路102と飲用水側流路103とのいずれか一方に主通水路101を流通する水の流れを流路切換弁92に切り換えさせるボタン等が配置されていてもよい。ただし、このボタン等は、操作パネル31に配置されることに限定されない。
【0039】
飲用水側流路103において流路切換弁92と中空糸フィルタ114との間には、逆止弁94が配置されている。逆止弁94は、飲用水側流路103において流路切換弁92から中空糸フィルタ114に向かう水の流れを許容している。
【0040】
浄水器100は、排水路105を備えている。排水路105は、後述するように、中空糸フィルタ114を通過した水を排出するためのものである。排水路105には、電磁弁96が配置されている。電磁弁96は、排水路105を通して、中空糸フィルタ114を洗浄した水を浄水器100の外部に排出する排水と排水停止とを切り換えるためのものである。
【0041】
飲用水側流路103において中空糸フィルタ114の下流には、電磁弁98が配置されている。電磁弁98は、中空糸フィルタ114を通過した浄水の浄水器100の外部への供給と供給停止とを切り換えるためのものである。
【0042】
浄水器100は、オゾン水側流路102と飲用水側流路103との間に配置された接続路104を備えている。接続路104は、接続位置142において、オゾン水側流路102に接続されている。また、接続路104は、接続位置141において、飲用水側流路103に接続されている。これにより、オゾン水側流路102と飲用水側流路103とは、接続路104を介して互い接続されている。接続位置141は、オゾン水側流路102のうちのオゾン発生器40が配置されている位置よりも下流側の位置である。接続位置142は、飲用水側流路103のうちの逆止弁94と中空糸フィルタ114との間の位置である。
【0043】
接続路104には、電磁弁95が配置されている。電磁弁95は、飲用水側流路103からオゾン水側流路102への、または、オゾン水側流路102から飲用水側流路103への、水の供給と供給停止とを切り換えるためのものである。
【0044】
オゾン水側流路102には、電磁弁97が配置されている。電磁弁97は、オゾンを含んだ水の浄水器100の外部への供給と供給停止とを切り換えるためのものである。電磁弁97は、オゾン水側流路102のうちの接続位置142よりも下流側に配置されている。
【0045】
以上のように構成された浄水器100の流路110での水の流れについて説明する。浄水器100の外部に浄水が供給されるときには、電磁弁95と電磁弁96とが閉じられ、電磁弁97と電磁弁98とが開かれている。
【0046】
浄水器100が浄水を供給するときには、流路切換弁92は、主通水路101から飲用水側流路103に水が流通するように流路110での水の流れを切り換えている。主通水路101に配置された流量センサ121とプレフィルタ111と活性炭112とを通過した原水は、流路切換弁92を介して飲用水側流路103に流入する。飲用水側流路103に流入した水は中空糸フィルタ114を通過することによって浄化され、電磁弁98を介して浄水器100の外部に浄水が供給される。
【0047】
オゾンを含んだ水が供給されるときには、流路切換弁92は、主通水路101からオゾン水側流路102に水が流通するように流路110での水の流れを切り換えている。流量センサ121とプレフィルタ111と活性炭112とを通過した原水は、流路切換弁92を介してオゾン水側流路102に流入する。オゾン水側流路102に流入した水には、オゾン発生器40がオゾンを発生させている場合にオゾンが混入される。これにより、オゾン水側流路102を流れる水にオゾンが混合される。オゾン水は、電磁弁97を介して浄水器100の外部に供給される。
【0048】
なお、電磁弁97と電磁弁98とは、浄水器100が通電されていない状態では開かれている。
【0049】
以下では、浄水器100がオゾン水を供給するときの制御について説明する。図3に示すように、ステップS11では、浄水器100は待機状態になっている。浄水器100の待機状態では、電磁弁95と電磁弁96とが閉じられており、電磁弁97と電磁弁98とが開かれている(図1参照)。浄水器100の待機状態とは、浄水器100がオゾン水を供給することと、浄水器100が中空糸フィルタ114を洗浄することとを待機した状態のことである。浄水器100の待機状態では、オゾン発生器40がオゾンを発生させることが不可能なOFF状態である。
【0050】
続いて、ステップS12において、浄水器100の外部から原水が供給される。浄水器100に原水が供給されるときは、流量センサ121が配置された主通水路101を原水が流通する。ステップS13では、流量センサ121が流路110を流通する水の流れを検知するか否かが判断される。浄水器100では、流量センサ121が主通水路101に配置されているため、ステップS13において、流量センサ121が主通水路101を流通する水の流れを検知するか否かが判断される。
【0051】
ステップS13において、流量センサ121が流路110を流通する水の流れを検知する場合には、ステップS14に進む。ステップS13において、流量センサ121が流路110を流通する水の流れを検知しない場合には、ステップS11に戻り、待機状態が継続される。
【0052】
ステップS14では、流路切換部20の作動によって主通水路101からオゾン水側流路102に水が流通するように水の流れが切り換えられているか否かが判断される。流路切換部20の作動は、流路位置センサ32が検知している。ステップS14において、主通水路101からオゾン水側流路102に水の流れを流路切換部20が切り換えていることが判断される場合には、ステップS15に進む。ステップS14において、主通水路101からオゾン水側流路102に水の流れが切り換えられておらず、主通水路101から飲用水側流路103に水の流れが切り換えられていることが判断される場合には、ステップS11に戻り、待機状態が継続される。
【0053】
ステップS15では、消灯していたオゾン水ランプ42とフィルタ洗浄ランプ52とが点滅を開始する。図2に示すように、オゾン水ランプ42とフィルタ洗浄ランプ52とは、操作パネル31に配置されている。
【0054】
ただし、操作パネル31には、オゾン水ランプ42とフィルタ洗浄ランプ52とが配置されていなくてもよい。この場合には、ステップS15において、オゾン発生操作部41とフィルタ洗浄操作部51とが点滅を開始することにしてもよい。また、ステップS15において、オゾン発生操作部41およびオゾン水ランプ42と、フィルタ洗浄操作部51およびフィルタ洗浄ランプ52とが点滅することにしてもよい。例えばオゾン水ランプ42とフィルタ洗浄ランプ52とが点滅を開始することにより、オゾン水を供給することが可能であること、または、中空糸フィルタ114の洗浄を開始することが可能であることが使用者に報知される。
【0055】
続いて、ステップS16では、オゾン発生操作部41が使用者に操作されることによってスイッチ132がONに切り換えられているか否かが判断される。ステップS16において、オゾン発生操作部41が使用者に操作されることによってスイッチ132がONに切り換えられていることが判断される場合には、ステップS17(図4参照)に進む。ステップS16において、スイッチ132がONに切り換えられていないことが判断される場合には、ステップS24に進む。
【0056】
ステップS17では、オゾン発生器40の動作が開始され、これにより、オゾン発生器40がオゾンを発生させる。発生したオゾンは、逆止弁93を介してオゾン水側流路102を流れる水に混合される。
【0057】
ステップS18では、オゾン水ランプ42が点滅から点灯に切り換えられる。ただし、操作パネル31にオゾン水ランプ42が配置されていない場合は、オゾン発生操作部41が点滅から点灯に切り換えられることでもよい。さらに、オゾン発生操作部41およびオゾン水ランプ42が点滅から点灯に切り換えられることでもよい。
【0058】
ステップS19では、フィルタ洗浄ランプ52が点滅から消灯に切り換えられる。なお、ステップS17とステップS18とステップS19とは、それぞれ並行したステップであってもよい。
【0059】
続いて、ステップS20では、浄水器100においてオゾン水供給の制御が実行される。オゾン水供給の制御では、例えば、オゾン発生器40がオゾンを発生させ、オゾン水ランプ42を点灯させ、フィルタ洗浄ランプ52が消灯され、電磁弁95,96が閉塞され、且つ、電磁弁97,98が開放されるようにオゾン発生器40と操作パネル31等を制御部131が制御する。また、図示しないポンプを浄水器100が備えている場合は、制御部131は、オゾン水側流路102に水が流れるようにポンプを制御していてもよい。
【0060】
続いて、ステップS21では、オゾン発生操作部41が操作されることによってスイッチ132がOFFに切り換えられているか否かが判断される。ステップS21において、スイッチ132がOFFに切り換えられていることが判断される場合には、ステップS22に進む。ステップS21において、スイッチ132がOFFに切り換えられていないことが判断される場合には、ステップS20に戻る。
【0061】
ステップS22では、オゾン発生器40の動作が停止され、これにより、オゾン発生器40はオゾンを発生させることを停止する。また、ステップS23では、消灯していたフィルタ洗浄ランプ52が点滅を開始し、且つ、点灯していたオゾン水ランプ42が点滅を開始する。オゾン水ランプ42とフィルタ洗浄ランプ52とが点滅を再び開始することにより、オゾン水を再び供給することが可能であること、または、中空糸フィルタ114の洗浄を開始することが可能であることが使用者に報知される。ステップS23に続いて、ステップS16が再び実行される(図3参照)。なお、ステップS23に続いて、ステップS13が実行されることにしてもよい。
【0062】
続いて、以下では、中空糸フィルタ114が洗浄されるときの制御について説明する。図3に示すように、ステップS24では、フィルタ洗浄操作部51が使用者に操作されることによってスイッチ133がONに切り換えられているか否かが判断される。浄水器100では、中空糸フィルタ114が洗浄されるときにはオゾン水が利用されている。
【0063】
ステップS24において、フィルタ洗浄操作部51が操作されることによってスイッチ133がONに切り換えられていることが判断される場合には、ステップS25(図5参照)に進む。ステップS24において、スイッチ133がONに切り換えられていないことが判断される場合には、ステップS16に戻る。
【0064】
ステップS25では、電磁弁95と電磁弁96とが開かれる。ステップS26では、電磁弁97と電磁弁98とが閉じられる。ステップS27では、オゾン発生器40の動作が開始される。
【0065】
ステップS28では、フィルタ洗浄ランプ52が点滅から点灯に切り換えられる。ただし、操作パネル31にフィルタ洗浄ランプ52が配置されていない場合は、フィルタ洗浄操作部51が点滅から点灯に切り換えられることでもよい。さらに、フィルタ洗浄操作部51およびフィルタ洗浄ランプ52が点滅から点灯に切り換えられることでもよい。
【0066】
ステップS29では、オゾン水ランプ42が点滅から消灯に切り換えられる。なお、ステップS25〜ステップS29は、それぞれ並行したステップであってもよい。
【0067】
続いて、ステップS30では、浄水器100において中空糸フィルタ114を洗浄する制御が実行される。この制御では、例えば、オゾン発生器40がオゾンを発生させ、オゾン水ランプ42を消灯させ、フィルタ洗浄ランプ52が点灯され、電磁弁95,96が開放され、且つ、電磁弁97,98が閉塞されるように、オゾン発生器40と操作パネル31等を制御部131が制御する。また、図示しないポンプを浄水器100が備えている場合は、制御部131は、オゾン水側流路102から中空糸フィルタ114に向かって水が流れるようにポンプを制御していてもよい。
【0068】
続いて、ステップS31では、フィルタ洗浄操作部51が操作されることによってスイッチ132がOFFに切り換えられているか否かが判断される。ステップS31において、スイッチ132がOFFに切り換えられていることが判断される場合には、ステップS32に進む。ステップS31において、スイッチ132がOFFに切り換えられていないことが判断される場合には、ステップS30に戻る。
【0069】
ステップS32では、オゾン発生器40の動作が停止され、これにより、オゾン発生器40はオゾンを発生させることを停止する。また、ステップS33では、電磁弁95と電磁弁96とが閉じられる。ステップS34では、電磁弁97と電磁弁98とが開かれる。
【0070】
ステップS35では、消灯していたオゾン水ランプ42が点滅を開始し、且つ、点灯していたフィルタ洗浄ランプ52が点滅を開始する。オゾン水ランプ42とフィルタ洗浄ランプ52とが点滅を再び開始することにより、オゾン水を供給することが可能であること、または、中空糸フィルタ114の洗浄を再び開始することが可能であることが使用者に報知される。ステップS35に続いて、ステップS16が再び実行される(図3参照)。なお、ステップS35に続いて、ステップS13が実行されることにしてもよい。
【0071】
なお、スイッチ132の切り換えの状態をオゾン水ランプ42が表示するときは、スイッチ132の切り換えの状態に応じてオゾン水ランプ42がそれぞれ異なる色で点灯または点滅することにしてもよい。また、スイッチ133の切り換えの状態をフィルタ洗浄ランプ52が表示するときは、スイッチ133の切り換えの状態に応じてフィルタ洗浄ランプ52がそれぞれ異なる色で点灯または点滅することにしてもよい。
【0072】
以上のように、制御部131が、流路110に水が流通していることを判断し、主通水路101からオゾン水側流路102に水の流れを流路切換部20が切り換えていることを判断し、且つ、オゾン発生操作部41の操作に基づいてスイッチ132がONに切り換えられていることを判断する場合には、オゾン発生器40はオゾンを発生させる。
【0073】
また、制御部131が、流路110での水の流通が停止されていることを判断し、主通水路101から飲用水側流路103に水の流れを流路切換部20が切り換えていることを判断し、または、スイッチ132がOFFに切り換えられていることを判断する場合には、オゾン発生器40はオゾンの発生を停止する。
【0074】
以下では、浄水器100において中空糸フィルタ114が洗浄されるときの流路110での水の流れについて説明する。
【0075】
浄水器100が中空糸フィルタ114を洗浄するときには、流路切換弁92は、主通水路101からオゾン水側流路102に水が流通するように水の流れを切り換えている。流量センサ121とプレフィルタ111と活性炭112とを通過した原水は、流路切換弁92を介してオゾン水側流路102に流入する。オゾン水側流路102に流入した水には、オゾン発生器40が発生させたオゾンが混入される。浄水器100が中空糸フィルタ114を洗浄するときには、電磁弁95が開かれている。そのため、オゾン水は、接続路104を介して中空糸フィルタ114に供給される。
【0076】
浄水器100が中空糸フィルタ114を洗浄するときには、電磁弁96が開かれている。これにより、中空糸フィルタ114を通過したオゾン水は、排水路105を通して浄水器100の外部に排出される。
【0077】
なお、浄水器100が中空糸フィルタ114を洗浄するときには、流路切換弁92は、オゾン水側流路102から接続路104を介して中空糸フィルタ114に向かう水の流れに加えて、流路切換弁92から中空糸フィルタ114に向かって水が流れるように作動していてもよい。
【0078】
以上のように、浄水器100は、流路110と流量センサ121と流路切換部20と流路位置センサ32とオゾン発生器40とスイッチ132とスイッチ133とオゾン発生操作部41とフィルタ洗浄操作部51と制御部131とを備えている。流路110は、主通水路101とオゾン水側流路102と飲用水側流路103とを有している。主通水路101には原水が流通する。オゾン水側流路102と飲用水側流路103とは、主通水路101から互いに分岐されている。オゾン水側流路102には、オゾンを含んだ水が流通する。飲用水側流路103には、飲用水が流通する。流量センサ121は、主通水路101に配置され、主通水路101での水の流通を検知する。流路切換部20は、主通水路101からオゾン水側流路102と飲用水側流路103とのいずれか一方に水が流通するように、流路110での水の流れを切り換える。流路位置センサ32は、主通水路101を流通する水の流れをオゾン水側流路102と飲用水側流路103とのいずれに流路切換部20が切り換えているかを検知する。オゾンを発生させるオゾン発生器40は、オゾン水側流路102に接続されている。オゾン発生操作部41とフィルタ洗浄操作部51とは、オゾン水側流路102を流れる水にオゾン発生器40がオゾンを混合させることが可能なON状態と不可能なOFF状態との切り換えが操作される。スイッチ132は、オゾン発生操作部41に接続され、オゾン発生操作部41の操作に基づいてON状態とOFF状態とが切り換えられる。一方、スイッチ133は、フィルタ洗浄操作部51に接続され、フィルタ洗浄操作部51の操作に基づいてON状態とOFF状態とが切り換えられる。制御部131は、流量センサ121と流路位置センサ32とスイッチ132とスイッチ133とオゾン発生器40とに接続されている。
【0079】
浄水器100では、制御部131が、流量センサ121の検知に基づいて主通水路101に水が流通していることを判断する場合、流路位置センサ32の検知に基づいて主通水路101からオゾン水側流路102に水の流れを流路切換部20が切り換えていることを判断する場合、且つ、オゾン発生操作部41の操作に基づいてスイッチ132がONに切り換えられていることを判断する場合には、オゾン発生器40はオゾンを発生させる。
【0080】
浄水器100によれば、オゾン発生器40がオゾンを発生させる場合には、主通水路101に水が流通していることと、主通水路101からオゾン水側流路102に水の流れを流路切換部20が切り換えていることと、且つ、スイッチ132もしくはスイッチ133がONに切り換えられていることとの少なくとも三つの条件が課せられている。すなわち、これら少なくとも三つの条件が満たされることにより、オゾン発生器40がオゾンを発生させることが可能になる。三つの条件が満たされることによってオゾン発生器40がオゾンを発生させる場合は、オゾン水側流路102を流通する水にオゾンが混合される。これにより、浄水器100は、オゾン水を供給することができる。
【0081】
一方、制御部131が、主通水路101に水が流通していないことを判断する場合、主通水路101から飲用水側流路103に水の流れを流路切換部20が切り換えていることを判断する場合、または、スイッチ132およびスイッチ133がOFFに切り換えられていることを判断する場合には、オゾン発生器40はオゾンを発生させない。
【0082】
このように、浄水器100では、流路110に水が流通していない場合に使用者がオゾン発生操作部41を操作すること、または、使用者が意図した流路110に水の流れが切り換えられていない場合に使用者がオゾン発生操作部41を操作すること、といった使用者がオゾン発生操作部41を誤って操作することが防止されている。そのため、浄水器100では、浄水器100から供給される水と、使用者の希望する類の水とが異なっている場合に、浄水器100から供給される水を使用者がそのまま使用することが予防されている。すなわち、浄水器100では、使用者が非飲用水としてのオゾン水を飲用水と誤認して使用することが防止されている。
【0083】
また、浄水器100では、制御部131が、主通水路101での水の流通が停止されていることを判断する場合、主通水路101から飲用水側流路103に水の流れを流路切換部20が切り換えていることを判断する場合、または、スイッチ132およびスイッチ133がOFFに切り換えられていることを判断する場合には、オゾン発生器40はオゾンの発生を停止する。
【0084】
この構成によれば、一旦満足された三つの条件のうちの一つが満たされなくなった場合には、オゾン発生器40はオゾンの発生を停止することができる。そのため、浄水器100では、浄水器100から供給される水と、使用者の希望する類の水とが異なっている場合に、浄水器100から供給される水を使用者がそのまま使用することが予防されている。
【0085】
浄水器100は、飲用水側流路103に配置された中空糸フィルタ114と、接続路104とを備えている。接続路104は、オゾン水側流路102と飲用水側流路103との間に配置されている。また、浄水器100は、接続路104を介してオゾン水が中空糸フィルタ114を通過することにより、中空糸フィルタ114を洗浄する。
【0086】
このように、オゾン水側流路102を流れる水に中空糸フィルタ114の洗浄に対して有用な物質を混合させることにより、中空糸フィルタ114を効果的に洗浄することができる。また、上述のように、浄水器100では、浄水器100から供給される水と、使用者の希望する類の水とが異なっている場合に、浄水器100から供給される水を使用者がそのまま使用することが予防されている。言い換えると、中空糸フィルタ114を洗浄する際に利用される水は、使用者が使用することを意図していない類の水である。このように、浄水器100では、中空糸フィルタ114を洗浄した際に浄水器114から排出される排水を使用者が使用することが防止されている。
【0087】
浄水器100では、非飲用物質はオゾンであり、且つ、混合器はオゾンを発生させるオゾン発生器40である。
【0088】
このように、非飲用水側流路としてのオゾン水側流路102を流れる水にオゾンが混合されることにより、使用者は、オゾンが含まれた水を効果的に適宜利用することができる。また、オゾンが混合された水によって中空糸フィルタ114を効果的に洗浄することができる。
【0089】
以上のように、本実施形態によれば、非飲用水としてのオゾン水と飲用水とを使用者に供給することが可能な浄水器100であって、使用者がオゾン水を飲用水と誤認して使用することが防止された浄水器100を提供することができる。
【0090】
(第2実施形態)
図6に示すように、第2実施形態の浄水器200は、第1実施形態の浄水器100と異なり、オゾン水を外部に供給するときの流路と浄水を外部に供給するときの流路とが一つに纏められている。
【0091】
浄水路106は、接続位置143にてオゾン水側流路102と飲用水側流路103とに接続されている。接続位置143は、オゾン水側流路102のうちの電磁弁98よりも下流側の位置、且つ、飲用水側流路103のうちの電磁弁97よりも下流側の位置である。
【0092】
浄水器200の外部に浄水が供給されるときには、電磁弁95と電磁弁96と電磁弁97とが閉じられ、電磁弁98が開かれている。飲用水としての浄水は、電磁弁98および浄水路106を介して浄水器200の外部に供給される。
【0093】
浄水器200の外部にオゾン水が供給されるときには、電磁弁95と電磁弁96と電磁弁98とが閉じられ、電磁弁97が開かれている。オゾン水は、電磁弁97および浄水路106を介して浄水器200の外部に供給される。
【0094】
なお、電磁弁95と電磁弁96と電磁弁97と電磁弁98とは、浄水器200が通電されていない状態では閉じられている。
【0095】
なお、第2実施形態の浄水器200のその他の構成は、第1実施形態の浄水器100と同様である。また、浄水器200がオゾン水を供給するときの制御は、第1実施形態の浄水器100の制御と同様である。さらに、浄水器200において中空糸フィルタ114が洗浄されるときの水の流れは、第1実施形態の浄水器100での水の流れと同様である。
【0096】
(第3実施形態)
図7に示すように、第3実施形態の浄水器300は、例えば、浄水モードと、オゾン水モードと、原水モードとを有している。浄水モードは、浄水器300が外部に浄水を供給するモードである。オゾン水モードは、浄水器300がオゾン水を供給するモードである。原水モードは、浄水器300が原水を浄化せずにそのまま原水を外部に供給するモードである。浄水器300では、例えば使用者による流路切換部30または操作パネル61(図8参照)の操作に基づき、浄水モードとオゾン水モードと原水モードとが選択される。また、浄水器300は、使用者による操作パネル61の操作に基づき、例えば、浄水器300から供給される浄水の温度を選択するモードを有していてもよい。
【0097】
浄水器300は、流路切換部30と、原水が流通する原水側流路107とを備えている。原水側流路107は、原水が流通する流路110のうち、流路切換部30よりも下流側の部分をいう。原水側流路107は、主通水路101に接続されている。なお、図7での図示は省略するが、浄水器300は、流路110に配置されたプレフィルタと活性炭とを備えている。
【0098】
流路切換部30は、主通水路101を流通する水を、オゾン水側流路102と飲用水側流路103と原水側流路107とのいずれか一方を流れるように切り換える。流路切換部30は、使用者によって操作される。流路切換部30は、流路切換レバー38と流路切換弁39とを有している。流路切換部30が操作されることにより、主通水路101から飲用水側流路103とオゾン水側流路102と原水側流路107とのいずれかに水が流通するように水の流れが切り換えられる。流路切換レバー38は浄水器300の使用者に操作され、流路切換レバー38の操作に基づいて流路切換弁39の開閉等が作動する。流路切換弁39の作動により、主通水路101から飲用水側流路103とオゾン水側流路102と原水側流路107とのいずれかを流通するように水の流れが切り換えられる。
【0099】
浄水器300は、流路位置センサ33を備えている。流路位置センサ33は、流路切換部30がオゾン水側流路102と飲用水側流路103と原水側流路107とのいずれに流路110を流通する水の流れを切り換えているかを検知する。
【0100】
浄水器300は、操作パネル61を備えている。操作パネル61は、使用者が操作するスイッチまたはボタンを有している。図8に示すように、操作パネル61には、オゾン発生操作部81が設けられている。オゾン発生操作部81には、スイッチ132が接続されている。
【0101】
図7に示すように、オゾン発生器40は、オゾン水側流路102に接続されている。オゾン発生器40とオゾン水側流路102との間には、逆止弁43が配置されている。逆止弁43は、オゾン発生器40からオゾン水側流路102へ導入されるオゾンの流れを許容している。
【0102】
オゾン発生操作部81は、例えばプッシュ式のボタンである。ボタンとしてのオゾン発生操作部81が押された場合には、スイッチ132がONされ、オゾン発生器40がON状態となる。ただし、オゾン発生操作部81は、プッシュ式のものに限定されず、スライド式のものであってもよい。
【0103】
制御部131は、浄水器300がオゾン水を浄水器300の外部に供給するとき等に、操作パネル61とオゾン発生器40等を制御している。図8に示すように、制御部131は、流量センサ121と流路位置センサ33とスイッチ132とオゾン発生器40と操作パネル61とに接続されている。なお、浄水器300において、流量センサ121は、流路110のうちのオゾン水側流路102に配置されていてもよい。つまり、流量センサ121は、オゾン水側流路102に流れている水の瞬時流量を計測し、計測した水の瞬時流量に基づく信号を制御部131に送信するものであってもよい。
【0104】
以下では、浄水器300がオゾン水を外部に供給するときの制御について説明する。図9は、浄水器300がオゾン水を外部に供給するときの制御部131でのフローチャートである。図9に示すように、ステップS41では、浄水器300は待機状態になっている。浄水器300の待機状態とは、浄水器300がオゾン水を供給することを待機した状態のことである。浄水器300の待機状態では、オゾン発生器40がオゾンを発生させることが不可能なOFF状態である。
【0105】
続いて、ステップS42では、流量センサ121が流路110を流通する水の流れを検知するか否かが判断される。
【0106】
ステップS42において、流量センサ121が流路110を流通する水の流れを検知する場合には、ステップS43に進む。ステップS42において、流量センサ121が流路110を流通する水の流れを検知しない場合には、ステップS41に戻り、待機状態が継続される。
【0107】
ステップS43では、流路切換部30の作動によって主通水路101からオゾン水側流路102と飲用水側流路103と原水側流路107とのいずれに水が流通するように水の流れが切り換えられているかが判断される。流路切換部30の作動は、流路位置センサ33が検知している。ステップS43において、主通水路101からオゾン水側流路102に水が流通するように水の流れが切り換えられていることが判断される場合には、ステップS44に進む。ステップS43において、主通水路101からオゾン水側流路102に水が流通するように水の流れが切り換えられておらず、主通水路101から飲用水側流路103に水が流通するように水の流れが切り換えられていることが判断される場合には、ステップS48に進む。また、ステップS43において、主通水路101からオゾン水側流路102もしくは飲用水側流路103のいずれにも水が流通するように水の流れが切り換えられていないと判断される場合、または、主通水路101から原水側流路107に水が流通するように水の流れが切り換えられていることが判断される場合には、ステップS49に進む。
【0108】
ステップS44では、消灯または点灯していたオゾン水ランプ82が点滅を開始する。図8に示すように、オゾン水ランプ82は、操作パネル61に配置されている。また、操作パネル61には、浄水ランプ72が配置されている。
【0109】
ただし、操作パネル61には、オゾン水ランプ82が配置されていなくてもよい。この場合には、ステップS44において、オゾン発生操作部81が点滅することにしてもよい。オゾン水ランプ82またはオゾン発生操作部81が点滅を開始することにより、オゾン水を供給することが可能であることが使用者に報知される。なお、ステップS44では、浄水ランプ72は消灯している。
【0110】
続いて、ステップS45では、オゾン発生操作部81が使用者に操作されることによってスイッチ132がONに切り換えられているか否かが判断される。ステップS45において、オゾン発生操作部81が使用者に操作されることによってスイッチ132がONに切り換えられていることが判断される場合には、ステップS46に進む。ステップS45において、スイッチ132がONに切り換えられていないことが判断される場合には、ステップS42に戻る。なお、ステップS45において、スイッチ132がONに切り換えられていないことが判断される場合には、ステップS45が繰り返されることにしてもよい。
【0111】
ステップS46では、オゾン発生器40の動作が開始され、これにより、オゾン発生器40がオゾンを発生させる。発生したオゾンは、逆止弁93を介してオゾン水側流路102を流れる水に混合される(図7参照)。
【0112】
続いて、ステップS47では、浄水器300においてオゾン水供給の制御が実行される。オゾン水供給の制御では、例えば、オゾン発生器40がオゾンを発生させ、且つ、オゾン水ランプ82を点灯させるように、オゾン発生器40と操作パネル61を制御部131が制御する。また、図示しないポンプを浄水器300が備えている場合は、制御部131は、オゾン水側流路102に水が流れるようにポンプを制御していてもよい。オゾン水供給の制御は、例えば、オゾン発生操作部81が使用者に操作されることによってスイッチ132がOFFに切り換えられたこと、主通水路101から飲用水側流路103もしくは原水側流路107に水が流通するように水の流れが切り換えられたこと、または、流量センサ121が流路110を流通する水の流れを検知しないことを制御部131が判断する場合に、終了される。
【0113】
ステップS48では、消灯していた浄水ランプ72が点灯する。浄水ランプ72が点灯することにより、浄水器300が外部に浄水を供給していることが使用者に報知される。なお、ステップS48では、オゾン水ランプ82は消灯している。
【0114】
ステップS49では、オゾン水ランプ82と浄水ランプ72とが消灯する。これにより、浄水器300が外部に原水を供給していることが使用者に報知される。
【0115】
ステップS48に続いて、浄水ランプ72は、例えば、主通水路101からオゾン水側流路102もしくは原水側流路107に水が流通するように水の流れが切り換えられたこと、または、流量センサ121が流路110を流通する水の流れを検知しないことを制御部131が判断する場合に、点灯から消灯に切り換えられる。
【0116】
なお、スイッチ132の切り換えの状態をオゾン水ランプ82が表示するときは、スイッチ132の切り換えの状態に応じてそれぞれ異なる色でオゾン水ランプ82が点灯または点滅することにしてもよい。また、浄水器300が浄水を供給していることを浄水ランプ72が表示する場合は、浄水器300が浄水を供給しているときと浄水を供給していないときとで、それぞれ異なる色で浄水ランプ72が点灯または点滅することにしてもよい。
【0117】
第3実施形態の浄水器300のその他の構成は、第1実施形態の浄水器100と同様である。
【0118】
以上のように、制御部131が、流路110に水が流通していることを判断する場合、主通水路101からオゾン水側流路102に水が流通するように水の流れを流路切換部30が切り換えていることを判断する場合、且つ、オゾン発生操作部81の操作に基づいてスイッチ132がONに切り換えられていることを判断する場合には、オゾン発生器40はオゾンを発生させる。
【0119】
また、制御部131が、流路110での水の流通が停止されていることを判断する場合、主通水路101からオゾン水側流路102を除いた流路110に水が流通するように水の流れを流路切換部30が切り換えていることを判断する場合、または、スイッチ132がOFFに切り換えられていることを判断する場合には、オゾン発生器40はオゾンの発生を停止する。
【0120】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0121】
20:流路切換部、32:流路位置センサ、40:オゾン発生器、41:オゾン発生操作部、100:浄水器、101:主通水路、102:オゾン水側流路、103:飲用水側流路、110:流路、121:流量センサ、131:制御部、132:スイッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水が流通する主通水路と、前記主通水路から互いに分岐された非飲用水が流通する非飲用水側流路と飲用水が流通する飲用水側流路と、を少なくとも有する流路と、
前記流路に配置され、前記流路での水の流通を検知する流量センサと、
前記主通水路から少なくとも前記非飲用水側流路と前記飲用水側流路とのいずれか一方に水が流通するように、前記流路での水の流れを切り換える流路切換部と、
前記主通水路を流通する水の流れを前記非飲用水側流路と前記飲用水側流路とのいずれに前記流路切換部が切り換えているかを検知する流路位置センサと、
前記非飲用水側流路に接続され、前記非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質を混合させる混合器と、
前記非飲用水側流路を流れる水に前記混合器が前記非飲用物質を混合させることが可能なON状態と不可能なOFF状態との切り換えが操作される操作部と、
前記操作部に接続され、前記操作部の操作に基づいて前記ON状態と前記OFF状態とを切り換えるスイッチと、
前記流量センサと前記流路位置センサと前記スイッチと前記混合器とに接続された制御部と、を備え、
前記制御部が、前記流量センサの検知に基づいて前記流路に水が流通していることを判断する場合、前記流量位置センサの検知に基づいて前記主通水路から前記非飲用水側流路に水の流れを前記流路切換部が切り換えていることを判断する場合、且つ、前記操作部の操作に基づいて前記スイッチが前記ON状態に切り換えられていることを判断する場合には、前記混合器が前記非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質を混合させる、
浄水器。
【請求項2】
前記制御部が、前記流路での水の流通が停止されていることを判断する場合、前記主通水路から前記非飲用水側流路を除いた前記流路に水の流れを前記流路切換部が切り換えていることを判断する場合、または、前記スイッチが前記OFF状態に切り換えられていることを判断する場合には、前記混合器は前記非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質を混合させることを停止する、
請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記飲用水側流路に配置されたフィルタと、
前記非飲用水側流路と前記飲用水側流路との間に配置された接続路と、を備え、
前記非飲用水側流路を流れる水に非飲用物質が混合された水が前記接続路を介して前記フィルタを通過することにより、前記フィルタを洗浄する、
請求項1または請求項2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記非飲用物質はオゾンであり、
前記混合器はオゾンを発生させるオゾン発生器である、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の浄水器。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−71260(P2012−71260A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218462(P2010−218462)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【特許番号】特許第4897078号(P4897078)
【特許公報発行日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】