説明

浴室部材洗浄装置

【課題】 浴槽に接続された循環配管を経由して洗浄水を洗浄配管に供給する場合であっても、エアー混入のない洗浄水を洗浄配管に供給し得るようにして、確実に所定量の洗剤を洗浄水に対し混入させ得る浴室部材洗浄装置を提供する。
【解決手段】 循環配管の戻り配管に介装した三方切換弁で洗浄配管を分岐させる。洗浄スイッチONにより、まず洗浄前処理を行う。給湯路の流量調整弁を大流量Q1にして注湯電磁弁を開く(S1,S2)。時間t1だけ循環配管に対し大流量Q1の注湯を継続し、戻り側・往き側・風呂熱交換器の内部通路内にあるエアー混入のおそれのある残留水を浴槽に追い出し、注湯された湯水で充満された状態にする。次に、三方切換弁及び開閉切換弁を切換えて浴槽洗浄処理を開始し(S3,S4)、所定時間経過後に洗剤を混入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内の壁・床材や浴槽等の浴室部材を洗浄するための浴室部材洗浄装置に関し、特にエアー混入に起因する不都合発生を解消して洗浄水に対する洗剤の混入を確実に行い得るようにする技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽に洗浄ノズルを設置し、この洗浄ノズルに対し洗浄配管を通して給湯器から洗浄用の洗浄水を供給することにより浴槽内を洗浄するものが知られている。洗浄水としては、湯又は水をそのまま用いる他、その湯又は水に対し洗剤を混ぜたものを用いる場合もあり、このような場合には洗剤タンクを設置し洗剤タンクからの洗剤を洗浄水に混入させることが行われている。一方、2缶2水式の給湯器付き風呂釜と浴槽との間に接続された循環配管から洗浄配管を分岐させ、給湯器からの給湯を循環配管を経由させて洗浄配管に供給し、この供給された湯を洗浄水として用いるようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
なお、洗剤を洗浄水に混入する際に、後述の如く、洗浄水に含まれるエアー(気泡)が洗剤混入部において洗剤供給管側に入り込むことに起因して生じる不都合発生を解消することを意図した技術に関し、本願出願時点において開示し得る先行技術文献は見出し得なかった。このため、参考として、浴槽に接続される循環配管に介装される循環ポンプにおけるエアー排出に係る技術が記載された先行技術文献を次に示す。すなわち、循環ポンプのポンプ室内に存するエアーを排出させるための技術として、バイパス回路により循環ポンプ内を繰り返し通過する循環流を生成し、エアー混じりの循環流からエアーセパレータによりエアー分離を繰り返すようにすることが、特許文献2において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−1040号公報
【特許文献2】特開平5−126087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、洗浄水に対し洗剤を混入するには、図5に例示するようにベンチュリ管等を用いて混入させることが考えられる。すなわち、浴槽100に設置された洗浄ノズル101に対し洗浄水を供給する洗浄配管102を接続する一方、この洗浄配管102の途中位置に洗剤を混入するためのベンチュリ管等により構成した洗剤混入部103を介装させる。そして、この洗剤混入部103に洗剤を供給するために洗剤タンク104から洗剤供給管105を延ばして接続する。その際、洗剤供給と供給停止とに切換えるために洗剤供給管105に対し電磁開閉弁106を介装し、この電磁開閉弁106の開閉切換により所定量の洗剤を洗剤混入部103に対し流下可能にする。上記洗剤混入部103では、その細径通路部に洗浄水が通過する際の負圧吸引力により、洗剤供給管105側から洗剤が洗浄水中に吸い込まれることになる。これにより、洗剤が混入された状態の洗浄水が洗浄ノズル101に供給されるようにするのである。
【0006】
しかしながら、洗浄配管102に対する洗浄水を、浴槽100に接続された循環配管を経由して供給する場合、その循環配管内には浴槽湯水の循環により気泡状態のエアーが残留しているおそれがある。このため、このようなエアーが残留している循環配管を経由させると、洗浄配管102に供給される洗浄水にもエアーが混入してしまうおそれが生じることになる。エアーが混入している洗浄水が上記の洗剤混入部103を通過すると、その通過の際に混入エアーが洗剤供給管105の供給口から内部に入り込んで電磁開閉弁106までの間の洗剤供給管105の内部通路に溜まるおそれが生じる。この部位にエアーが溜まってしまうと、電磁開閉弁106が開切換されて洗剤が流下可能になったとしても、洗浄水の通過に伴う負圧吸引力により上記の溜まったエアーが先に吸い込まれ、エアーが消失した後に洗剤が吸い込まれることになるおそれの有ることが考えられる。そうなると、洗剤が所定の混入量まで混入されないことになったり、あるいは、エアーが多量に溜まっていれば洗剤が全く混入されないままの状態で洗浄水が洗浄ノズル101に供給されることになったりしてしまうことになる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、浴槽に接続された循環配管を経由して洗浄水を洗浄配管に供給する場合であっても、エアー混入のない洗浄水を洗浄配管に供給し得るようにし、これにより、確実に所定量の洗剤を洗浄水に対し混入させ得る浴室部材洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、浴槽が戻り側及び往き側の双方からなる循環配管を介して給湯器付き風呂釜と接続され、上記循環配管に対し給湯側から注湯されることにより上記浴槽に対し湯張り可能とされる一方、上記給湯器付き風呂釜の給湯側からの湯水の供給を受け洗剤タンクからの洗剤を混入した上で洗浄ノズルから噴射させることにより上記浴槽を含む浴室部材の洗浄を行う浴室部材洗浄装置を対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、基端が上記循環配管から分岐され先端が上記洗浄ノズルまで延ばされた洗浄配管と、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から上記循環配管に供給された湯水が上記洗浄配管に流入するよう、上記循環配管の流路を浴槽との間で循環可能な循環連通状態から洗浄連通状態に切換える流路切換手段と、洗浄指令を受けて上記流路切換手段を循環連通状態から洗浄連通状態に切換えて上記給湯側からの湯水を洗浄水として洗浄配管に供給させることにより浴槽洗浄処理を実行する洗浄制御手段とを備えることとする。そして、上記洗浄制御手段としては、上記浴槽洗浄処理の前に、上記循環配管を循環連通状態のままにして上記給湯器付き風呂釜の給湯側から供給された湯水を上記循環配管に流して浴槽に排出させることにより上記洗浄配管内を上記給湯側からの供給湯水で充満させた状態にする洗浄前処理を実行する構成とした(請求項1)。
【0009】
この発明の場合、洗浄指令が出力されるまでの間に浴槽内の浴槽湯水が循環配管に循環されて浴槽湯水と共に混入エアーが循環配管内に入り込んで残留していたとしても、洗浄前処理の実行によって、給湯側から供給された湯水が循環配管に流されるため、残留している循環水と共に混入エアーも浴槽に追い出されて、循環配管内は給湯側から供給され湯水で充満された状態にされる。その上で、流路切換手段の流路切換が行われて浴槽洗浄処理が開始されるため、洗浄配管に対する供給湯水が循環配管を経由するものであっても、その洗浄配管に対し確実にエアー混入のない湯水を供給し得ることになる。これにより、エアーが入り込むことに起因して洗剤混入自体や洗剤混入量に変調が生じるおそれを確実に回避することが可能となり、確実に所定量の洗剤を洗浄水に対し混入させ得ることになる。
【0010】
上記発明における洗浄制御手段として、上記洗浄前処理による上記循環配管への湯水の供給を設定時間が経過するまで、又は、設定通水量の湯水を流し終わるまで継続させるように構成することができる(請求項2)。このようにすることにより、循環配管内に残留していたエアー混入のおそれのある残留水の全てを浴槽側に排出させること、及び、その代わりに給湯側から供給した湯水で循環配管内を確実に充満させることが、より一層確実に行い得ることになる。
【0011】
又、本発明の浴室部材洗浄装置において、洗剤を混入するために洗剤が供給される洗剤混入部を備えることとし、この洗剤混入部を上記洗浄配管の途中位置に介装させることができる(請求項3)。このようにすることにより、洗浄前処理により給湯側から供給された湯水が充満されて確実にエアー混入のない状態にされている循環配管を経由した上で洗浄配管に供給された湯水に対し、上記洗剤混入部で洗剤が混入されることになる。これにより、エアー侵入に起因して洗剤混入自体や洗剤混入量に変調が生じるおそれを回避したり、所定量の洗剤を洗浄水に対し混入させたりすることを、より一層確実に行い得るようになる。
【0012】
この場合、洗浄制御手段による浴槽洗浄処理として、上記洗剤混入部に対する洗剤供給を、上記洗剤混入部に洗浄水が供給された後であって洗浄水の通過に伴い負圧吸引力が発生している状態で実行する構成にすることができる(請求項4)。つまり、洗剤混入部への洗剤の供給を洗浄配管に対する給湯側からの湯水の供給が開始された後に実行するようにするのである。これにより、洗浄水の通過に伴い負圧吸引力が洗剤混入部に作用するため、洗剤混入部にエアーが万一付着等していたとしても、そのエアーが上記負圧吸引力によりまず除去した上で、洗剤の混入を行わせることが可能になる。
【0013】
さらに、この場合に、洗浄制御手段として、上記給湯側から洗浄配管への湯水の供給を上記流路切換手段による洗浄連通状態への流路切換後から設定時間が経過するまで、又は、設定通水量の湯水を流し終わるまで継続させた後に、上記洗剤混入部に対する洗剤供給を開始する構成とすることができる(請求項5)。このようにすることにより、洗剤混入部を含む洗浄配管内にエアーが万一侵入していたとしても、そのエアーをより一層確実に追い出して除去し得るようになる。
【0014】
以上の本発明における流路切換手段として、上記循環配管の戻り側又は往き側のいずれか一方に対し上記洗浄配管の基端の分岐接続位置に介装された三方切換弁と、他方に介装された開閉切換弁とから構成することができる(請求項6)。このようにすることにより、流路切換手段をコンパクトに構成し得る一方、浴槽洗浄処理において三方切換弁を洗浄配管側に連通するように切換えると共に開閉切換弁を閉切換えすることにより確実に洗浄連通状態に流路切換えすることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したように、本発明の浴室部材洗浄装置によれば、洗浄指令が出力されるまでの間に浴槽内の浴槽湯水が循環配管に循環されて浴槽湯水と共に混入エアーが循環配管内に入り込んで残留していたとしても、洗浄前処理の実行によって給湯側から供給された湯水が循環配管に流されるため、残留している循環水と共に混入エアーも浴槽に追い出すことができ、循環配管内を給湯側から供給され湯水で充満された状態にすることができる。その上で、流路切換手段の流路切換を行って浴槽洗浄処理を開始させるようにしているため、洗浄配管に対する供給湯水が循環配管を経由するものであっても、その洗浄配管に対し確実にエアー混入のない湯水を供給することができる。これにより、エアーが入り込むことに起因して洗剤混入自体や洗剤混入量に変調が生じるおそれを確実に回避することができ、確実に所定量の洗剤を洗浄水に対し混入させることができるようになる。
【0016】
特に、請求項2によれば、循環配管内に残留していたエアー混入のおそれのある残留水の全てを浴槽側に排出させること、及び、その代わりに給湯側から供給した湯水で循環配管内を確実に充満させることを、より一層確実に行うことができるようになる。
【0017】
請求項3によれば、洗浄前処理により確実にエアー混入のない状態にされている循環配管を経由した上で洗浄配管に供給された湯水に対し、洗剤混入部で洗剤を混入させることができ、これにより、エアー侵入に起因して洗剤混入自体や洗剤混入量に変調が生じるおそれを回避したり、所定量の洗剤を洗浄水に対し混入させたりすることを、より一層確実に行うことができるようになる。この場合において、請求項4によれば、洗浄水の通過に伴い負圧吸引力が洗剤混入部に作用するため、洗剤混入部にエアーが付着等していたとしても、そのエアーを負圧吸引力によりまず除去することができ、その上で、洗剤の混入を行わせることができるようになる。さらに、請求項5によれば、洗剤混入部を含む洗浄配管内にエアーが万一侵入していたとしても、そのエアーをより一層確実に追い出して除去し得るようになる。これにより、洗剤混入部に洗剤を供給する側の機器構成としてエアー侵入を阻止する点を考慮した高度な機器構成を採用する必要性を排除して、コストの増大化を抑制し得ることになる。
【0018】
請求項6によれば、流路切換手段を三方切換弁と開閉切換弁との組み合わせにより構成することにより、流路切換手段をコンパクトに構成することができる一方、浴槽洗浄処理において三方切換弁を洗浄配管側に連通するように切換えると共に開閉切換弁を閉切換えすることにより確実に洗浄連通状態に流路切換えすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の浴室部材洗浄装置を適用した風呂システムの実施形態を示す模式図である。
【図2】実施形態における浴槽洗浄制御に係る各制御対象の作動制御を説明するためのタイムチャートである。
【図3】循環配管を対象にした混入エアー排出処理の状況を示す図1対応図である。
【図4】洗剤混入の洗浄水により浴槽等を洗浄する浴槽洗浄処理の状況を示す図1対応図である。
【図5】本願発明の課題を説明するために、洗浄水に洗剤を混入するための構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1に本発明の実施形態に係る浴室部材洗浄装置を適用した風呂システムを示す。同図において、符号1は浴室を区画形成する浴室壁又は浴室を含む建物の壁であり、壁1の内側に浴槽2及び浴槽等洗浄ユニット3が配設される一方、壁1の外側に給湯器付き風呂釜(以下、単に「風呂釜」という)4が配設されている。
【0022】
給湯器付き風呂釜(以下、単に「風呂釜」という)4は、給湯機能、湯張り機能及び追い焚き機能を備えた複合熱源機であり、本実施形態の風呂釜4は1缶2水式に構成されたものである。すなわち、上記風呂釜4は、風呂熱交換器41と給湯熱交換器42とが1つの缶体内に配設されて共通の熱源である燃焼バーナ43により熱交換加熱されるように構成されている。以下、風呂釜4について先に概略説明した上で、浴槽2の側の構成について詳細に説明する。
【0023】
上記風呂釜4は、水道水等の給水を給水路44に受けて給湯熱交換器42において燃焼バーナ43の燃焼熱との熱交換加熱により所定温度まで加熱した湯を給湯路45に出湯させ、この湯を図示省略の給湯配管を通して台所や洗面所等の各所の給湯栓(図示省略)まで給湯するようになっている。又、上記風呂釜4は追い焚き機能を実現するための戻り路46及び往き路47からなる追い焚き循環路48を備え、浴槽2との間に配管された戻り配管61及び往き配管62からなる循環配管6に接続されて、浴槽2内に湯張りされた浴槽湯水を所定温度まで追い焚き加熱し得るようになっている。なお、図例における戻り配管61と戻り路46とで特許請求の範囲における「戻り配管」が構成され、往き配管62と往き路47とで「往き配管」が構成されることになる。
【0024】
すなわち、循環ポンプ49の作動により浴槽2から戻り配管61及び戻り路46を通して風呂釜4に戻された浴槽湯水は風呂熱交換器41において燃焼バーナ43の燃焼熱により熱交換加熱されて追い焚きされ、追い焚き後の浴槽湯水が往き路47及び往き配管62を通して浴槽2に供給されるというように循環され、所定の沸き上がり温度まで追い焚きされるようになっている。循環ポンプ49は戻り路46及び往き路47のいずれか一方(図例では戻り路46)に介装されており、戻り路46には流れを検知して後述の風呂釜コントローラ7に出力する水流スイッチ50や戻り路46により戻される浴槽2内の浴槽湯水の温度を検出する戻り温度センサ51が介装され、又、往き路47には風呂熱交換器42を通過した後の浴槽湯水の温度を検出する往き温度センサ52が介装されている。
【0025】
又、上記風呂釜4は、給湯路45の途中から分岐して追い焚き循環路48の一方(図例では戻り路46)に連通接続される湯水供給路としての注湯路53を備えており、この注湯路53を通して給湯路45の湯が戻り路46側に落とし込み注湯されることにより追い焚き循環路48及び循環配管6を通して浴槽2内に湯張りし得るようになっている。上記の注湯路53には、給湯路45の側である上流側から順に流量センサ54,注湯電磁弁55,逆流防止用の逆止弁56・56,上流側での負圧発生時に逆流発生を防止する縁切り弁57,及び,浴槽2内の水位を検出する圧力式の水位センサ58がそれぞれ介装されている。そして、注湯路53の下流端が上記循環ポンプ49を介して戻り路46に接続されている。この循環ポンプ49は作動(ON)されると浴槽2の側の吸い込み口から吸い込んで風呂熱交換器41側の吐出口に吐出することになるものの、非作動状態(OFF状態)では吸い込み口の側と吐出口の側とが互いに連通した状態になる。そして、循環ポンプ49にはその内部通路に連通する接続口がハウジングに一体に形成され、この接続口を利用して上記の注湯路53の下流端が接続されている。従って、注湯路53の戻り路46に対する接続点は循環ポンプ49の介装位置となる。なお、注湯又は注水の流量調整は専用の流量調整弁を介装させてもよいし、図例の如く給湯路45に介装された流量調整弁45aにより行うようにしてもよい。
【0026】
以上の給湯、追い焚き及び湯張りの各運転は台所リモコン71等により入力設定される設定出湯温度や湯張り温度等の設定情報に基づいて風呂釜コントローラ7による作動制御によって実現されるようになっている。例えば、給湯制御は、給湯栓が開かれたり注湯電磁弁55が開かれたりして所定の作動流量以上の入水が検知されると、燃焼バーナ43を燃焼作動させて給水路44からの入水を加熱し、所定温度の湯を給湯路45に出湯させるようになっている。又、湯張り制御が開始されると、上記注湯路53の注湯電磁弁55を開作動させる一方、燃焼バーナ43を燃焼作動させて給水路44からの入水を加熱し、所定温度の湯を給湯路45,注湯路53,追い焚き循環路48及び循環配管6を通して浴槽2まで注湯することにより湯張りされるようになっている。その際、風呂自動処理の場合には、この湯張りの後に、さらに所定の沸き上がり温度まで昇温させて維持させる追い焚き制御が循環ポンプ49及び燃焼バーナ43をそれぞれ作動させることにより行われるようになっている。
【0027】
浴室に設置された浴槽2には、その側壁の最下端近傍位置に循環アダプタ21が設置され、底壁には自動開閉駆動制御式の排水栓22及び後述の洗浄ノズル31が設置され、上面側のフランジ壁には開閉駆動機構23及び後述の洗剤タンク34が設置されている。上記の循環アダプタ21には循環配管6の戻り配管61及び往き配管62がそれぞれ接続され、循環アダプタ21を介して浴槽2内の浴槽湯水が戻り配管61に吸引される一方、往き配管62から浴槽2内に吐出されるようになっている。又、排水栓22は開閉駆動機構23から開閉駆動力の伝達を受けて開閉作動されるようになっており、この開閉駆動機構23にはその作動状態(排水栓22が開状態か閉状態か)の如何を検出する排水栓状態検出センサ(図示省略)が設置され、これからの出力信号に基づき開閉駆動機構23が作動制御されるようになっている。排水栓22が開かれると、浴槽2内の湯水が浴室底部に排出され、続いて浴室の排水口24から排水されることになる。
【0028】
浴槽等洗浄ユニット3は、浴槽2の内壁面や浴室を構成する壁面・床面等の浴室部材(以下、「浴槽等」という)を対象にして洗浄処理するために設置されるものである。浴槽等洗浄ユニット3は、上記の浴槽2の底壁に設置された洗浄ノズル31と、この洗浄ノズル31に洗浄水を供給する洗浄配管32と、洗浄配管32の途中に洗剤を混入させる洗剤混入部33と、この洗剤混入部33に供給するための洗剤を貯留する上記の洗剤タンク34と、上記の洗浄配管32に対し洗浄水が供給されるよう循環配管6による流路の切換を行う流路切換手段としての三方切換弁35及び開閉切換弁36とを備えて構成されている。
【0029】
上記洗浄ノズル31は浴槽2の底壁を貫通して設置され先端開口(上面開口)から浴槽2の内側壁や浴槽2外に向けて所定範囲の広がりをもって洗浄水を噴出するようになっている。なお、洗浄ノズル31として、図例では1つのみを図示しているが、浴槽2のサイズや洗浄対象の浴室部材等に応じて2以上のものを所定配置にて設置することができ、その場合には洗浄配管32から他の洗浄ノズルに向けて第2・第3の洗浄配管を分岐させればよい。上記洗浄配管32の上流端(基端)は上記循環配管6の戻り配管61に介装された上記三方切換弁35に接続されて上記戻り配管61から分岐され、下流端(先端)は上記の洗浄ノズル31に連通接続されている。つまり、三方切換弁35は風呂釜4内の追い焚き循環路48ではなくて浴室側(浴室内)に配管されている循環配管6の戻り配管61の途中に介装され、この浴室内の戻り配管61から洗浄配管32が分岐されている。そして、この洗浄配管32に対しては、上記注湯電磁弁55を開くと共に三方切換弁35及び開閉切換弁36をそれぞれ切換制御して流路切換することで、風呂釜4の給湯路45から注湯路53,戻り路46及び戻り配管61を通して所定温度の湯又は水が洗浄水として供給されるようになっている。
【0030】
すなわち、三方切換弁35と開閉切換弁36とは、次のようにして追い焚き循環時等の循環連通状態と、浴槽等の洗浄時の洗浄連通状態とに相互に切換えられるようになっている。上記三方切換弁35を、戻り配管61と洗浄配管32とが互いに遮断されかつ三方切換弁35を挟んで風呂釜4側と循環アダプタ21側(浴槽2側)との戻り配管61が互いに連通されるように切換制御する一方、上記開閉切換弁36を開状態に維持して開閉切換弁36を挟んで往き配管62の両側が連通されるように切換制御することで、循環連通状態となる。これに対し、上記三方切換弁35を、戻り配管61と洗浄配管32とが互いに連通されかつ三方切換弁35を挟んで風呂釜4側と循環アダプタ21側(浴槽2側)との戻り配管61が互いに遮断されるように切換制御する一方、上記開閉切換弁36を閉状態に切換えて開閉切換弁36を通過する流れが遮断されるように切換制御することで、洗浄連通状態となる。つまり、この洗浄連通状態では、注湯路53から戻り路46に供給された湯水の全量が浴槽2の側にのみ流れて三方切換弁35を通して洗浄配管32に流入し、かつ、風呂熱交換器41の側には上記開閉切換弁36によりブロックされて流れない状態になる。以上より、浴槽洗浄処理が実行される場合には、上記開閉切換弁36を開状態から閉状態に切換作動させ、これと同期して上記三方切換弁35を戻り配管61が洗浄配管32の側に連通するように切換作動させるように流路を洗浄連通状態に切換制御することにより、注湯路53を通して給湯路45側から供給される湯水の全てを洗浄配管32に流入させて洗浄ノズル31に供給し得るようになっている。
【0031】
さらに、洗剤混入部33はベンチュリ管により構成され、この洗剤混入部33には洗剤供給管37の下流端が連通接続されており、この洗剤供給管37の上流端は上記洗剤タンク34に連通接続される一方、洗剤供給管37の途中には洗剤開閉弁38が介装されている。この洗剤開閉弁38を開作動(例えば所定時間ずつ間欠的に開作動)させることにより洗剤タンク37から供給される所定量の洗剤が、洗剤混入部33において、洗浄水の通過に伴い発生する負圧吸引作用により洗浄水中に吸い込まれて混合されるようになっている。そして、洗剤開閉弁38を開弁状態にさせている開弁時間の長短によって1回の洗浄に対する洗剤供給量の調整が可能となっている。なお、上記洗剤タンク37には洗剤の液位を検知するフロートスイッチが設置されており、所定の液位まで低下したことを検知して後述の洗浄コントローラ8に出力するようになっている。
【0032】
上記の浴槽洗浄ユニット3の各作動要素35,36,38や、浴槽2の洗浄に係る作動要素22,23は、洗浄制御手段としての洗浄コントローラ8によって作動制御されるようになっている。この洗浄コントローラ8には洗浄運転用の洗浄リモコン81が接続される一方、洗浄コントローラ8は風呂釜コントローラ7と双方向通信可能に接続されている。そして、ユーザが洗浄リモコン81を用いて洗浄の実行を入力操作することにより、洗浄コントローラ8は風呂釜コントローラ7と連係して浴槽等を対象にした浴槽洗浄制御を実行するようになっている。なお、風呂釜コントローラ7には、台所リモコン71に加えて浴室リモコン72が接続されており、この浴室リモコン72により湯張りや追焚運転の入力操作をし得るようになっている。
【0033】
次に、上記洗浄コントローラ8により実行される浴槽洗浄制御について詳細に説明する。洗浄コントローラ8は、洗浄前処理部と浴槽洗浄処理部とを備え、浴槽洗浄制御として洗浄前処理と浴槽洗浄処理とを含む各処理を実行するようになっている。洗浄前処理は、リモコン81の洗浄スイッチがユーザによりONされると、浴槽洗浄処理の実行に先だって、循環配管6(風呂熱交換器41も含む)の内部通路に残留しているエアー混入状態の循環水や内部通路の壁面等に付着しているかもしれないエアーを浴槽2に排出させるために実行されるものである。この洗浄前処理が終了した後に、洗浄配管32に洗浄水を供給して浴槽洗浄処理が実行されることになる。
【0034】
以下、図2を参照しつつ、洗浄前処理及び浴槽洗浄処理について説明する。まず、前提として運転スイッチがユーザによりONされた後、洗浄リモコン81の洗浄スイッチがユーザによりONされて洗浄指令に係る信号が出力されると、洗浄前処理として注湯路53から追い焚き循環路48,風呂熱交換器41及び循環配管6に対し所定流量の注湯を行うことにより、洗浄前処理を行う。詳細に説明すると、この段階では流路切換手段である三方切換弁35や開閉切換弁36は通常の循環連通状態、つまり洗浄配管32の側が遮断されて戻り配管61、戻り路46、風呂熱交換器41、往き路47及び往き配管62が連続して連通された通常の運転状態にされており、洗浄前処理もこの循環連通状態のままで注湯電磁弁55を開いて戻り路46に対し注湯する。なお、洗浄前処理も浴槽洗浄処理も、循環ポンプ49は非作動の状態のまま行われる。上記の注湯の際、上記の洗浄リモコン81の洗浄スイッチのONにより、まず流量調整弁45aを一旦全閉まで切換え(図2のS1参照)、全閉にした上で注湯電磁弁55を開切換する(同図のS2参照)。注湯電磁弁55の開切換に同期して流量調整弁45aを通過流量が所定の設定大流量Q1(例えば20L/min程度)になるまで開き、積算通水量が設定通水量Q2(例えば8L〜10L)以上になるまで継続する。
【0035】
この洗浄前処理による流路の状況は図3に示すようになる。図3では湯水が流れる経路を太線で示している(図4においても同じ)。すなわち、注湯路53を通して戻り路46(戻り路46の循環ポンプ49介装位置)に注湯された湯は、二手に分かれ、一方は戻り路46を戻り配管61の側に流れて循環アダプタ21から浴槽2に排出され、他方は水流スイッチ50等を経て風呂熱交換器41に流入し、次いで往き路47及往き配管62内を流れて循環アダプタ21から浴槽2に排出されることになる。つまり、上記循環ポンプ49介装位置に注湯された湯が両搬送状態で追い焚き循環路48、風呂熱交換器41及び循環配管6の全てを通過した後に浴槽2に排出されることになる。これにより、洗浄スイッチがONされるまでの間に追い焚き循環運転が行われて浴槽2の側から気泡等の状態でエアーが循環配管6、追い焚き循環路48や風呂熱交換器41(以下「循環配管6等」ということもある)の側に入り込み、それらの内壁等に付着していたとしても、上記の注湯路53から両搬送状態で注湯することにより、循環配管6等内のエアーを浴室2に追い出して、循環配管6等の内部を上記の注湯路53から注湯された湯水で充満された状態に置換することができる。
【0036】
その際に、上記の如く流量調整弁45aを一旦全閉状態まで絞った上で一気に設定大流量Q1まで開くことで注湯流の流勢を増大させ、このような大流勢の注湯を浴槽2までの循環配管6等に通過させることによりその内壁等に付着したエアー排出やエアーが混入した循環水の排出の促進を図ることができる。この洗浄前処理は、循環配管6等に残留する浴槽湯水の循環水を排出することによりその循環水と共に混入エアーを除去するだけでも効果がある一方、上記の如く注湯流の流勢を増大させて付着エアーを排出することにより、より一層の効果を期待し得る。従って、上記の設定大流量Q1はそのような観点で設定すればよい。なお、浴槽2に排出された湯水は排水栓22から排水される。又、以上の洗浄前処理においては、注湯路53から戻り路46に対し注湯するのではなくて、注水するようにしてもよい。この点は次の浴槽洗浄処理においても同様である。
【0037】
洗浄前処理を所定の設定時間t1(例えば1分程度)だけ継続した後、浴槽洗浄処理に移行する。この移行は次のように制御することにより行う。すなわち、流量調整弁45aの開度を洗浄水供給用の設定流量Q2(例えば6L/min程度)に変更した上で、流路切換えを開始する。この流路切換えは、まず三方切換弁35を循環連通状態から洗浄連通状態に切換えた上で(図2のS3参照)、開閉切換弁36の閉切換を開始させる(同図のS4参照)。これは双方の弁35,36を同時に切換えた場合に同時閉状態が発生して循環配管6等の内部が一時的にせよ密閉状態に陥ってしまうおそれを確実に回避して、スムースに流路切換を行うようにするためである。流路切換後、所定の設定時間経過した後に洗剤電磁弁38を開切換して洗剤の洗剤混入部33への供給を開始する(図2のS5参照)。なお、以後の洗剤供給は、所定時間経過毎に洗剤電磁弁38を一定時間だけ開切換することにより、所定量の洗剤を洗剤混入部33に供給するようにする。
【0038】
この浴槽洗浄処理による流路の状況は図4に示すようになる。すなわち、洗浄連通状態への流路切換により、閉状態の開閉切換弁36から風呂熱交換器41までの往き配管62及び往き路47、並びに、風呂熱交換器41から三方切換弁35までの戻り路46及び戻り配管61の内部通路は、上記の洗浄前処理により注湯された湯で充満された状態になり、これらの区間の内部通路に存していたかもしれないエアーを全て排出して上記の充満状態に締め切った状態にすることができる。このような状態で浴槽洗浄処理が開始されると、注湯路53を通して戻り路46に注湯された湯は、その全量が戻り路46を戻り配管61側に流れて戻り配管61及び三方切換弁35を通して洗浄配管32に洗浄水として供給されることになり、洗浄水と共にエアー混入が生じるおそれを確実に回避することができる。そして、この洗浄水の供給を設定時間継続させることにより、洗剤混入部33を含む洗浄配管32内に存在しているかも知れないエアーを洗浄ノズルから浴槽2に追い出すことができる。これは洗浄配管32を対象にした念のためのエアー排出であり、洗浄配管32の配管容量や長さを考慮して確実にエアー排出し得るだけの時間値を設定時間として設定すればよい。あるいは設定時間の代わりに、それに対応する設定通水量を設定するようにしてもよい。その上で、洗剤開閉弁38を開状態にすることで(図2のS5参照)、洗剤供給管37を通して洗剤タンク34からの洗剤が確実にエアーの侵入のない状態で洗剤混入部33に供給され、この洗剤が洗剤混入部33において洗浄水通過に伴い生じる負圧吸引作用により洗浄水中に混入・混合され、これにより、洗剤が混入された状態の洗浄水が洗浄ノズル31から浴槽2内に噴出されて洗浄が行われることになる。
【0039】
このように洗浄前処理を実行することによって、浴槽洗浄処理で洗浄水が経由することになる循環配管6等の内部を注湯路53から注湯した湯で充満された状態に置換することができる。この状態で浴槽洗浄処理に移行するようにすることで、洗浄配管32への洗浄水供給の際に洗浄配管32内へのエアーの侵入を確実に防止することができ、エアーの侵入が防止されることで洗剤混入部33における洗剤供給管37の側へのエアーの入り込みを回避することができる。加えて、洗剤混入部33での洗剤混入が開始されるまでの間に、洗浄配管32内に残留しているかもしれないエアーの排出をも行うことができる。以上の結果、洗剤混入部33において洗剤供給管37の側にエアーが入り込むことに起因して洗剤混入自体や洗剤混入量に変調が生じるおそれを確実に回避することができ、これにより、洗剤混入部33において洗浄水に対し、洗剤電磁弁38の開閉切換制御に基づく洗剤供給量の洗剤を確実に混入させることができるようになる。又、たとえ洗剤混入部33において洗剤供給管37の側にエアーが入り込むような事態が生じたとしても、洗剤混入部33での洗剤混入が開始されるまでの間に上記の如く洗浄配管32を対象にした念のためのエアー排出を行うことで、洗浄配管32内に残留しているかもしれないエアーの排出を行うことができるため、洗剤開閉弁38として低廉な直動型の電磁弁を利用して構成することが可能となり、このようにすることにより大幅なコストの低減化を図ることができるようになる。すなわち、洗剤開閉弁38によってエアーの侵入を確実に遮断し得るようにするために、例えばボールバルブをサーボモータで開閉するような強力なタイプの開閉弁を利用して洗剤開閉弁38を構成するという選択肢を採り得るものの、上記の如き制御によって確実にエアー排出が可能となるため、例えば弁自体は確実に閉止状態に切換えることが可能で洗剤の供給を確実に停止し得るという直動型の電磁弁を利用して洗剤開閉弁38を構成することができ、これにより、コストの増大化を回避して大幅なコスト低減化を得ることができるようになる。
【0040】
ここで、上記の浴槽洗浄処理において、洗浄配管32に湯が供給される際、開閉切換弁36が閉状態にされているため、注湯路53から戻り路46に流入した湯は、風呂熱交換器41や往き路47の側には流動せずに、三方切換弁35を介して洗浄配管32の側にのみ流動することになる。従って、本実施形態の如く1缶2水式の給湯器付き風呂釜4を用いているため、給湯熱交換器42を加熱するために燃焼バーナ43を燃焼作動することにより風呂熱交換器41も同時に加熱されることにはなるものの、注湯路53から戻り路46に供給された湯は風呂熱交換器41の側には流れずに三方切換弁35の側にのみ流すことができることになる。これにより、1缶2水式の給湯器付き風呂釜4を用いたとしても、洗浄配管32に流入させる湯として確実に上記の設定温度の湯(上記設定温度よりも高温側にはならない温度の湯)を供給することができるようになる。
【0041】
そして、洗浄水の供給を一旦停止し(図2のS6参照)、洗剤が浴槽2の壁面等に浸透するのを所定時間待った上で、すすぎ洗浄を行うようになっている。すすぎ洗浄は、洗剤開閉弁38を閉状態に維持し、洗剤を含まない清浄な洗浄水を洗浄ノズル31から噴射させることにより実行されることになる。このすすぎ洗浄モードによるすすぎ洗浄を所定時間又は所定流量分だけ実行した後、注湯電磁弁55を閉切換えするなどして給湯を停止し、排水に要する設定時間の経過を待って上記の排水栓22を閉変換させて終了する。なお、洗浄水として、洗剤を混入させる場合は湯を、すすぎ洗浄は水をそれぞれ用いるようにしてもよい。これにより、浴槽2内や浴室内の温度を低下させることができる。
【0042】
なお、洗浄前処理を実行する前に、排水栓22が閉状態であれば、開閉駆動機構23を開作動させることにより排水栓22を開変換し、その上で、設定時間(例えば10分間)だけ待機することにより浴槽2内に残水が有ったとしてもその残水が排水されて空になるまで待つようにしてもよい。なお、この設定時間の値は例えば洗浄リモコン81に対するユーザの入力設定操作により変更設定すればよい。
【0043】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記洗浄ノズル31の設置位置は浴槽2の底壁に限らず、例えば側壁等であってもよく、又、給湯器付き風呂釜として、1缶2水式に限らず、2缶2水式のものを用いた場合にも本発明を適用することができる。さらに、上記実施形態において、三方切換弁35を戻り配管61に介装させて洗浄配管32を戻り配管61から分岐させる一方、往き配管62に開閉切換弁36を介装させているが、これに限らず、三方切換弁の介装や洗浄配管の分岐を往き配管62から行い、開閉切換弁を戻り配管61に介装させるようにしてもよい。この場合には、注湯路53の下流端を往き路47の側に接続させればよいが、給湯器付き風呂釜として2缶2水式のものを用いる場合には注湯路53の接続対象は戻り路46又は往き路47のいずれでも本発明を適用することができる。
【0044】
上記実施形態において、流路切換手段としての三方切換弁35に代えて、洗浄配管32の基端側に介装した開閉切換弁と、洗浄配管32の分岐位置よりも循環アダプタ21寄り位置の戻り配管61に介装した開閉切換弁との組み合わせを、流路切換手段として採用するようにしてもよい。又、上記実施形態における三方切換弁の代わりに2つの開閉切換弁を適用することもできる。例えば、流路切換手段としての三方切換弁35に代えて、洗浄配管32の基端側に介装した開閉切換弁と、洗浄配管32の分岐位置よりも循環アダプタ21寄り位置の戻り配管61に介装した開閉切換弁との組み合わせを、流路切換手段として採用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
2 浴槽
4 給湯器付き風呂釜
6 循環配管
8 洗浄コントローラ(洗浄制御手段)
31 洗浄ノズル
32 洗浄配管
33 洗剤混入部
35 三方切換弁(流路切換手段)
36 開閉切換弁(流路切換手段)
46 戻り路(戻り側の循環配管)
47 往き路(往き側の循環配管)
61 戻り配管(戻り側の循環配管)
62 往き配管(往き側の循環配管)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽が戻り側及び往き側の双方からなる循環配管を介して給湯器付き風呂釜と接続され、上記循環配管に対し給湯側から注湯されることにより上記浴槽に対し湯張り可能とされる一方、上記給湯器付き風呂釜の給湯側からの湯水の供給を受け洗剤タンクからの洗剤を混入した上で洗浄ノズルから噴射させることにより上記浴槽を含む浴室部材の洗浄を行う浴室部材洗浄装置であって、
基端が上記循環配管から分岐され先端が上記洗浄ノズルまで延ばされた洗浄配管と、
上記給湯器付き風呂釜の給湯側から上記循環配管に供給された湯水が上記洗浄配管に流入するよう、上記循環配管の流路を浴槽との間で循環可能な循環連通状態から洗浄連通状態に切換える流路切換手段と、
洗浄指令を受けて上記流路切換手段を循環連通状態から洗浄連通状態に切換えて上記給湯側からの湯水を洗浄水として洗浄配管に供給させることにより浴槽洗浄処理を実行する洗浄制御手段とを備え、
上記洗浄制御手段は、上記浴槽洗浄処理の前に、上記循環配管を循環連通状態のままにして上記給湯器付き風呂釜の給湯側から供給された湯水を上記循環配管に流して浴槽に排出させることにより上記洗浄配管内を上記給湯側からの供給湯水で充満させた状態にする洗浄前処理を実行するように構成されている、
ことを特徴とする浴室部材洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室部材洗浄装置であって、
上記洗浄制御手段は、上記洗浄前処理による上記循環配管への湯水の供給を設定時間が経過するまで、又は、設定通水量の湯水を流し終わるまで継続させるように構成されている、浴室部材洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の浴室部材洗浄装置であって、
洗剤を混入するために洗剤が供給される洗剤混入部を備え、この洗剤混入部は上記洗浄配管の途中位置に介装されている、浴室部材洗浄装置。
【請求項4】
請求項3に記載の浴室部材洗浄装置であって、
上記洗浄制御手段は、浴槽洗浄処理として、上記洗剤混入部に対する洗剤供給を、上記洗剤混入部に洗浄水が供給された後であって洗浄水の通過に伴い負圧吸引力が発生している状態で実行するように構成されている、浴室部材洗浄装置。
【請求項5】
請求項4に記載の浴室部材洗浄装置であって、
上記洗浄制御手段は、上記給湯側から洗浄配管への湯水の供給を上記流路切換手段による洗浄連通状態への流路切換後から設定時間が経過するまで、又は、設定通水量の湯水を流し終わるまで継続させた後に、上記洗剤混入部に対する洗剤供給を開始するように構成されている、浴室部材洗浄装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の浴室部材洗浄装置であって、
上記流路切換手段は、上記循環配管の戻り側又は往き側のいずれか一方に対し上記洗浄配管の基端の分岐接続位置に介装された三方切換弁と、他方に介装された開閉切換弁とから構成されている、浴室部材洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−152313(P2011−152313A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16383(P2010−16383)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】