説明

浴槽給湯機能付き給湯機

【課題】浴槽用給湯管路内を清浄に保ち易い浴槽給湯機能付き給湯機を得ることを目的とする。
【解決手段】熱源器10で沸き上げられた湯を貯湯タンク20に貯留し、該貯湯タンク20内の湯を浴槽150に供給する浴槽給湯機能付き給湯機120であって、前記貯湯タンク20内の湯を前記浴槽150に給湯する浴槽用給湯管路BLと、前記貯湯タンク20の上部から湯を取水して前記貯湯タンク20の下部から該貯湯タンク20に戻す熱源用循環管路50と、前記浴槽150内の浴水150aを取水して前記浴槽150に戻す追焚き用循環管路60と、前記熱源用循環管路50を流れる湯を熱源として用いて前記追焚き用循環管路60を流れる浴水を加熱する追焚き用熱交換器65と、前記浴槽用給湯管路BLに設けられて、該浴槽用給湯管路BLを流れる湯水中に微小泡を生じさせる微小泡発生装置70と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源器で沸き上げられた湯を貯湯タンクに貯留し、該貯湯タンク内の湯を浴槽に供給する浴槽給湯機能付き給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
熱源器で沸き上げられた湯を貯湯タンクに一旦貯留し、該貯湯タンクに接続された給湯管路の端部に設けた給湯栓をユーザが開けたときに貯湯タンク内の湯がそのまま、または水でうめられて出湯するように構成された給湯機では、浴槽貯湯タンク内の湯を熱源として用いた追焚き用熱交換器により浴槽内の浴水を追焚きする追焚き機能が付加されたものも開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
給湯機に上記の追焚き機能を付加する場合には、例えば、貯湯タンクの上部から湯を取水して該貯湯タンクの下部に戻す熱源用循環管路、浴槽から取水した浴水を浴槽に戻す追焚き用循環管路、および上記の追焚き用熱交換器が給湯機に付加される。追焚き用熱交換器は、熱源用循環路を流下する湯を熱源として用いて、該湯と追焚き用循環管路を流れる浴水との間で熱交換を行い、追焚き用循環管路内の浴水を加温する。
【0004】
このような追焚き機能付き給湯機では、人体から浴水中に洗い流された皮脂や角質等の汚れが追焚き用循環管路を循環して該循環管路の配管内面や追焚き用熱交換器内に不可避的に付着する。そして、上記の汚れがある程度以上堆積すると、追焚き運転時に当該汚れが浴槽に再循環して浴槽や浴水を汚したり、追焚き用熱交換器の熱交換効率を低下させたりする。このため、追焚き用循環管路の配管内や追焚き用熱交換器内に付着し、堆積した汚れを強制的に取り去る配管洗浄が推奨される。
【0005】
上記の追焚き用熱交換器に代えて保温ヒータを用いる給湯機に適用されるものではあるが、特許文献1に記載された給湯機の洗浄装置では、浴水を循環させて該浴水を保温ヒータで加熱する循環用配管が設けられ、浴水の排水時に当該循環用配管に水を流して循環用配管内の汚れを洗い流している。
【0006】
ただし、このような洗浄装置による洗浄だけでは上記循環用配管内の汚れを十分に除去することが困難である。同様のことが、前述の追焚き用循環管路内や追焚き用熱交換器内の汚れの除去についてもいえる。多くのユーザは、市販の発泡性洗浄剤を購入し、この洗浄剤を用いた配管洗浄を自主的に行っている。
【0007】
【特許文献1】特許第3821926号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示されるものは、追焚き用循環管路の部分だけしか洗浄が行えず、貯湯タンクから追焚き用循環管路に至る浴槽給湯配管については、洗浄することができない。また、発泡性洗浄剤を用いた配管洗浄はユーザの自主性に任せられているため、忘れられてしまうことも多いなどの課題があった。
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、浴槽給湯用管路内を清浄に保ち易い浴槽給湯機能付き給湯機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成する本発明の浴槽給湯機能付き給湯機は、熱源器で沸き上げられた湯を貯湯タンクに貯留し、該貯湯タンク内の湯を浴槽に供給する浴槽給湯機能付き給湯機であって、
前記貯湯タンク内の湯を前記浴槽に給湯する浴槽用給湯管路と、
前記貯湯タンクの上部から湯を取水して前記貯湯タンクの下部から該貯湯タンクに戻す熱源用循環管路と、
前記浴槽内の浴水を取水して前記浴槽に戻す追焚き用循環管路と、
前記熱源用循環管路を流れる湯を熱源として用いて前記追焚き用循環管路を流る浴水を加熱する追焚き用熱交換器と、
前記浴槽用給湯管路に設けられて、該浴槽用給湯管路を流れる湯水中に微小泡を生じさせる微小泡発生装置と、
を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の浴槽給湯機能付き給湯機では、浴槽用給湯管路に設けられた微小泡発生装置を動作させることにより、微小泡が生じた湯で浴槽用給湯管路内を強制的に洗浄することができる。上記の微小泡発生装置の動作を自動的に制御することは容易であるので、浴槽用給湯管路内の洗浄をし忘れてしまうのを容易に防止することができる。
また、微小泡発生装置の配設位置や数は適宜選定可能であるので、浴槽用給湯管路が長い場合でも上記の微小泡により洗浄されるよう構成することも容易である。したがって、本発明の給湯機によれば、浴槽用給湯管路内を清浄に保ち易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の浴槽給湯機能付き給湯機の各々の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の浴槽給湯機能付き給湯機の一例を示す概略図である。
同図に示す浴槽給湯機能付き給湯機120は、市水等の低温水を熱源器で湯に沸き上げて所望箇所に給湯する機能と、浴槽150に適温の温水を供給する機能と、浴槽150で用いられた浴水150aを追焚きする機能とを有するものであり、当該浴槽給湯機能付き給湯機120は、ヒートポンプユニット10と給湯ユニット100とを備えている。以下、浴槽給湯機能付き給湯機120の各構成要素について説明する。
【0014】
上記のヒートポンプユニット10は、冷媒を圧縮する圧縮機1と、沸上げ用熱交換器3と、膨張弁5と、蒸発器7と、これらを環状に接続する循環配管9とによって構成された冷凍サイクルシステムを有し、熱源器として機能する。
上記の冷凍サイクルシステムでは、冷媒が圧縮機1で圧縮されて高温、高圧となった後に沸上げ用熱交換器3で放熱し、膨張弁5で減圧され、蒸発器7で吸熱してガス状態となって圧縮機1に吸入される。
【0015】
一方、給湯ユニット100は、貯湯タンク20、給水管路30、沸上げ用循環管路40、熱源用循環管路50、追焚き用循環管路60、追焚き用熱交換器65、微小泡発生装置70、給湯管路80、制御部90を有している。
【0016】
上記の貯湯タンク20は、給水管路30から供給される水を貯留すると共にヒートポンプユニット10で沸き上げられた湯を貯留するものであり、常に満水状態に保たれる。浴槽給湯機能付き給湯機120の使用時には、貯湯タンク20内に温度成層が形成される。
【0017】
給水管路30は、市水等の低温水を貯湯タンク20、第1,第2混合弁75a,75b、給湯栓160に供給する管路であり、第1〜4給水管部30a〜30dと水圧を所定値以下にする減圧弁25とを含んでいる。第1給水管部30aは水道等の水源(図示せず)と減圧弁25とを繋ぎ、第2給水管部30bは減圧弁25と貯湯タンク20の下部とを繋ぎ、第3給水管部30cは減圧弁25と第1,第2混合弁75a,75bとを繋ぐ。また、第4給水管部30dは第1給水管部30aから分岐して該第1給水管部30aと給湯栓160とを繋いでいる。
【0018】
沸上げ用循環管路40は、貯湯タンク20の下部から水を取水して貯湯タンク20の上部から該貯湯タンク20に戻す管路であり、往き管40a,戻り管40b、および沸上げ用送水ポンプ35を含んでいる。往き管40aは貯湯タンク20の下部と沸上げ用熱交換器3とを繋ぎ、戻り管40bは沸上げ用熱交換器3と貯湯タンク20の上部とを繋ぐ。沸上げ用送水ポンプ35は、往き管40aの途中に設けられている。
【0019】
熱源用循環管路50は、貯湯タンク20の上部から湯を取水して貯湯タンク20の下部から該貯湯タンク20に戻す管路であり、往き管50a,戻り管50b、および熱源用送水ポンプ45を含んでいる。往き管50aは貯湯タンク20の上部と追焚き用熱交換器65の上部とを繋ぎ、戻り管50bは追焚き用熱交換器65の下部と貯湯タンク20の下部とを繋いでいる。熱源用送水ポンプ45は、戻り管50bの途中に設けられている。
【0020】
追焚き用循環管路60は、浴槽150の側部から浴水150aを取水して浴槽150の側部から該浴槽150に戻す管路であり、往き管60a,戻り管60b、および追焚き用送水ポンプ55を含んでいる。往き管60aは、浴槽150の側部と追焚き用熱交換器65の下部にある浴槽側入口(図示せず)とを繋ぎ、戻り管60bは、追焚き用熱交換器65の上部にある浴槽側出口(図示せず)と浴槽150の側部とを繋ぐ。追焚き用送水ポンプ55は往き管60aの途中に設けられている。
【0021】
追焚き用熱交換器65は、複数の伝熱プレートが該追焚き用熱交換器65での高さ方向に積層されたプレート式熱交換器であり、熱源用循環管路50を流れる湯と追焚き用循環管路60を流れる浴水150aとの間で熱交換を行って浴水150aを加温する。
【0022】
微小泡発生装置70は、後述する第2給湯管部80bを流れる温水中に微小泡を生じさせるものであり、第2給湯管部80bに設けられている。
【0023】
給湯管路80は、貯湯タンク20に貯留された湯を浴槽150と給湯栓160に供給するものであり、第1〜3給湯管部80a〜80c、第1湯水混合弁75a、および第2湯水混合弁75bを含んでいる。
【0024】
第1給湯管部80aにおける貯湯タンク20側の端部は熱源用循環管路50の往き管50aと共用される共用管路CLになっており、当該第1給湯管部80aでの下流側端部は2つの流路に分岐して一方が第1湯水混合弁75aに、他方が第2湯水混合弁75bにそれぞれ接続されている。また、第2給湯管路部80bは、第1湯水混合弁75aと追焚き用循環管路60での戻り管60bとを繋いでおり、追焚き用循環管路60は給湯管路80の一部となっている。第1給湯管路部80a、第1湯水混合弁75a、第2給湯管路部80b、および追焚き用循環管路60により、貯湯タンク20内の湯を浴槽150に給湯する浴槽用給湯管路BLが構成されている。したがって、浴槽用給湯管路BLは追焚き用循環管路60を含んでいる。
【0025】
給湯管路80における第3給湯管部80cの上流端は第2湯水混合弁75bに接続され、当該第3給湯管部80cでの下流側端部は給湯栓160に接続されている。
なお、給水管路30での第1給水管部30aの下流側端部は2つの管路に分岐して一方が上述の第1湯水混合弁75aに、他方が上述の第2湯水混合弁75bにそれぞれ接続されている。
【0026】
制御部90は、リモコン操作部95からユーザにより入力された沸上げ開始時刻、沸上げ温度、湯張り湯量、給湯温度等の情報に基づいてヒートポンプユニット10、沸上げ用送水ポンプ35、熱源用送水ポンプ45、追焚き用送水ポンプ55、微小泡発生装置70、第1湯水混合弁75a、および第2湯水混合弁75bの動作を制御する。第1湯水混合弁75aおよび第2湯水混合弁75bの各々は、電動式の混合弁である。リモコン操作部95は、制御部90に有線接続または無線接続されて、制御部90に対する入力装置として用いられる。
【0027】
以上説明した構成を有する浴槽給湯機能付き給湯機120では、ユーザが設定した沸上げ開始時刻になると制御部90による制御の下にヒートポンプユニット10および沸上げ用送水ポンプ35が動作して、沸上げ運転が行われる。このとき、貯湯タンク20の下部から取水された水が沸上げ用循環管路40を流れ、沸上げ用熱交換器3を通過する過程で湯に沸き上げられて貯湯タンク20の上部から貯湯タンク20に戻される。沸上げ用循環管路40での往き管40aの下流側端部には図示を省略した温度センサが設けられており、制御部90は、この温度センサの検知温度を監視して該検知温度が所定温度になると沸上げ運転を終了させる。
【0028】
ユーザがリモコン操作部95から湯張りを指示すると、制御部90により第1湯水混合弁75aの動作が制御され、貯湯タンク20内の湯が所定の湯温に調整されて浴槽150に所定量給湯される。また、ユーザが給湯栓160を開にすると、制御部90により第2湯水混合弁75bの動作が制御され、貯湯タンク20内の湯が所定の湯温に調整されて当該給湯栓160から給湯される。
【0029】
そして、ユーザがリモコン操作部95から浴水150aの追焚きを指示すると、制御部90による制御の下に熱源用送水ポンプ45および追焚き用送水ポンプ55が動作して、追焚き運転が行われる。
【0030】
このとき、貯湯タンク20の上部から取水された湯が熱源用循環管路50を流れて貯湯タンク20の下部から該貯湯タンク20に戻される一方で、浴槽150から取水された浴水150aが追焚き用循環管路60を流れて浴槽150に戻される。熱源用循環管路50を流れる湯と追焚き器用循環管路60を流れる浴水150aとの間で追焚き用熱交換器65により熱交換が行われて、浴水150aが追焚きされる。追焚き用循環管路60での戻り管60bには図示を省略した温度センサが設けられており、制御部90は、この温度センサの検知温度を監視して該検知温度が所定温度になると追焚き運転を終了させる。
【0031】
この浴槽給湯機能付き給湯機120では、熱源用循環管路50での往き管50aが追焚き用熱交換器65の上部に接続され、追焚き用循環管路60での往き管60aが追焚き用熱交換器65の下部に接続されているので、追焚き用熱交換器65の上部が高温状態となって追焚き時の熱交換量が高まる。追焚き用熱交換器65の下部は低温状態となるので、熱源用循環管路50での戻り管50bを流下して貯湯タンク20の下部に戻される熱交換後の温水の温度をより低温にすることができる。
【0032】
また、この浴槽給湯機能付き給湯機120では、上述した湯張り運転が行われている間、制御部90による制御の下に微小泡発生装置70が動作して、第2給湯管部80b中に流れる温水中に微小泡を生じさせる。当該微小泡が生じた温水は、第2給湯管部80b内を流れた後、往き管60a、追焚き用熱交換器65、および戻り管60bを流れて浴槽150に至る。結果として、第2給湯管部80bと、追焚き用循環管路60での往き管60a、追焚き用熱交換器65、および追焚き用循環管路60での戻り管60bが上記微小泡が生じた温水により洗浄され、これらの内部に付着し、堆積していた汚れが除去される。
【0033】
このように、実施の形態1に示した浴槽給湯機能付き給湯機120は、上記微小泡発生装置70によって、第2給湯管部80bから追焚き用循環管路60および追焚き用熱交換65を洗浄する点に特徴を有しているので、以下、この点について図2を参照しつつ詳述する。
【0034】
図2は、図1に示した浴槽給湯機能付き給湯機で用いられている微小泡発生装置70の一例を示す概略図である。
同図に示す微小泡発生装置70は、第2給湯管部80bを流れる温水中に微小泡を生じさせるエジェクタ部70aと、エジェクタ部70a内に空気を供給するガス導入管70bと、ガス導入管70bでのエジェクタ部70a側に設けられて温水の逆流を防止する逆止弁70cと、ガス導入管70bでのガス導入口側に設けられた電磁弁70dと、電磁弁70dよりもガス導入管70bのガス導入口側にフィルタ部70eを有している。フィルタ部70eは電磁弁70dにごみや埃が吸い込まれてしまうのを抑えるために設けられている。
【0035】
上記のエジェクタ部70aおよび電磁弁70dは、制御部90(図1参照)により動作制御される。上述した湯張り運転時には、制御部90による制御の下に電磁弁70dが開になると共にエジェクタ部70aが作動し、エジェクタ部70aにより上記浴水150a中に多数の微小泡が形成される。湯張り運転が終了すると、制御部90による制御の下に電磁弁70dが閉になると共にエジェクタ部70aによる微小泡の供給が停止する。
【0036】
微小泡発生装置70によって多数の微小泡が生じた温水を第2給湯管部80bに流したときにおける当該第2給湯管部80b、追焚き用循環管路60、および追焚き用熱交換65での内表面を詳細に観察したところ、第2給湯管部80bの内表面に付着し、堆積していた汚れが微小泡に吸着して除去されることが明らかとなった。そして、これら微小泡の作用により、第2給湯管部80bでの微小泡発生装置70よりも下流の流路内では、皮脂や角質等の汚れがほとんど付着していない状態が実現できた。
【0037】
このように、実施の形態1に示した浴槽給湯機能付き給湯機120では、湯張り運転時に、微小泡発生装置70により多数の微小泡が生じた温水で第2給湯管部80b内や追焚き用熱交換器65内を強制的に洗浄することができ、微小泡発生装置70の動作は制御部90により自動制御することができるので、第2給湯管部80b内や追焚き用循環管路60内、追焚き用熱交換器65内の洗浄をし忘れてしまうのを容易に防止することができる。また、第2給湯管部80b内の配管が長い場合でも十分に洗浄されるように微小泡発生装置70の配設位置を選定することも容易である。したがって、この浴槽給湯機能付き給湯機120では、浴槽用給湯管路BL内を清浄に保ち易い。
【0038】
このように構成された浴槽給湯機能付き給湯機120では、浴槽150への給湯時に制御部90(図1参照)による制御の下に微小泡発生装置70が動作し、浴槽用給湯管路BLを流れる湯中に上記の微小泡発生装置70により多数の微小泡を生じさせる。
【0039】
微小泡発生装置70により多数の微小泡が生じた湯は、第2給湯管路部80bから追焚き用循環管路60に流れて、追焚き用循環管路60での往き管60aおよび戻り管60bの各々から浴槽150に流入する。この過程で、追焚き用循環管路60内および追焚き用熱交換器65内の汚れが上記多数の微小泡により除去される。
【0040】
もちろん、浴槽150への湯張り時のみならず、浴槽150への足し湯時に微小泡発生装置70を動作させてもよい。
【0041】
実施の形態2.
図3は本発明の浴槽給湯機能付き給湯機における実施の形態2を示す要部構成図である。この実施の形態2においては、給湯管路80の第1給湯管部80aに微小泡発生装置70を設け、浴槽150への給湯時のみならず、給湯栓160からの給湯時に第3給湯管路80c内の洗浄もできるように構成している。この場合も、浴槽用給湯管路BLは、実施の形態1で説明したように、追焚き用循環管路60を含んで構成されている。
【0042】
実施の形態3.
図4は本発明の浴槽給湯機能付き給湯機における実施の形態3を示す要部構成図である。この実施の形態3においては、浴槽用給湯管路BLに汚れセンサ59を設け、該汚れセンサ59の検出値が条件値を超えたときに、微小泡発生装置70を動作させて、浴槽用給湯管路BLや追焚き用循環管路60内、および追焚き用熱交換器65内を洗浄するように構成している。
【0043】
以上、本発明の浴槽給湯機能付き給湯機120について、実施の形態を挙げて説明したが、前述のように、本発明は上述の形態に限定されるものではない。例えば、実施の形態1で説明した浴槽給湯機能付き給湯機120は、熱源器としてヒートポンプユニット10を備えたものであるが、本発明の浴槽給湯機能付き給湯機120は、貯湯タンク20内に配置されたヒータを熱源器とするものであってもよい。熱源器としてヒートポンプユニット10を用いる場合、このヒートポンプユニット10で用いる冷媒は自然冷媒である二酸化炭素が好ましく、該二酸化炭素を高圧側では臨界圧を超える状態にして冷凍サイクルを実施することが好ましい。
【0044】
微小泡発生装置70としては、上記エジェクタ式のほかに、旋回液流式、スタティックミキサー式、ベンチュリ式、加圧溶解式、微細孔式、蒸気凝縮式などを用いてもよく、液体中に多数の微小泡を生じさせることができるものであればよく、その構造は適宜選定可能である。
また、図2に示す微小泡発生装置70の逆止弁70cは省略することも可能である。逆止弁70cがないエジェクタ式を用いる場合には、当該微小泡発生装置70が設けられている配管(追焚き用循環管路または浴槽用給湯管路)を浴水または湯が流れているときに電磁弁70d(図2参照)を開けて微小泡発生装置70を動作させ、電磁弁70dを閉じて微小泡発生装置70の動作を終了させてから浴水または湯の流れを停止させる。このように、微小泡発生装置70の動作時期を選定すると、ガス導入管70b(図2参照)内が常に負圧になるので、逆止弁70cが不要になる。もちろん、誤操作を考慮した場合は、微小泡発生装置70に逆止弁70cを具備させることが望ましい。
【0045】
微小泡発生装置70は、制御部90により動作制御してもよいし、ユーザが手動で動作制御してもよい。ただし、浴槽用給湯管路BL内の洗浄を忘れずに行うという観点からは、手動により微小泡発生装置70の動作を制御するよりも制御部90により自動制御した方が好ましい。
【0046】
微小泡発生装置70の設置数および設置箇所は、微小泡を含んだ浴水または湯による洗浄効果を考慮して、適宜選定可能である。複数個の微小泡発生装置70を直列または並列に配置して設置すると、微小泡の量が増えるため、洗浄効果を高めるうえで有効である。本発明の浴槽給湯機能付き給湯機については、上述した以外にも種々の変形、修飾、組合せ等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1を示す概略図である。
【図2】図1に示した実施の形態1で用いられている微小泡発生装置の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態2を示す要部概略図である。
【図4】本発明の実施の形態3を示す要部概略図である。
【符号の説明】
【0048】
10 ヒートポンプユニット(熱源器)
20 貯湯タンク
40 沸上げ用循環管路
50 熱源用循環管路
55 追焚き用送水ポンプ
60 追焚き用循環管路
60a 往き管
60b 戻り管
65 追焚き用熱交換器
70 微小泡発生装置
70a エジェクタ部
70b ガス導入管
70c 逆止弁
70d 電磁弁
70e フィルタ
90 制御部
95 リモコン操作部
100 給湯ユニット
120 浴槽給湯機能付き給湯機
CL 共用管路
BL 浴槽用給湯管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源器で沸き上げられた湯を貯湯タンクに貯留し、該貯湯タンク内の湯を浴槽に供給する浴槽給湯機能付き給湯機であって、
前記貯湯タンク内の湯を前記浴槽に給湯する浴槽用給湯管路と、
前記貯湯タンクの上部から湯を取水して前記貯湯タンクの下部から該貯湯タンクに戻す熱源用循環管路と、
前記浴槽内の浴水を取水して前記浴槽に戻す追焚き用循環管路と、
前記熱源用循環管路を流れる湯を熱源として用いて前記追焚き用循環管路を流れる浴水を加熱する追焚き用熱交換器と、
前記浴槽用給湯管路に設けられて、該浴槽用給湯管路を流れる湯水中に微小泡を生じさせる微小泡発生装置と、
を有することを特徴とする浴槽給湯機能付き給湯機。
【請求項2】
前記浴槽用給湯管路は、前記追焚き用循環管路を含み、
前記微小泡発生装置は、前記浴槽用給湯管路での前記追焚き用循環管路よりも上流側に
設けられている、
ことを特徴とする請求項1の浴槽給湯機能付き給湯機。
【請求項3】
前記微小泡発生装置は、エジェクタ部、ガス導入管、フィルタ部、電磁弁、および逆止弁を有し、前記フィルタ部、前記電磁弁、および前記逆止弁が前記ガス導入管でのガス導入口側からこの順番で配置されていることを特徴とする請求項2に記載の浴槽給湯機能付き給湯機。
【請求項4】
前記電磁弁は、浴槽への給湯時の任意の時間に開閉可能であることを特徴とする請求項3に記載の浴槽給湯機能付き給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−236413(P2009−236413A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83831(P2008−83831)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】