浴槽装置
【課題】入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができる浴槽装置を提供する。
【解決手段】浴槽装置11においては、浴槽2と、浴槽2の背側面2aに取り付けられた進出部3と、進出部3を駆動する駆動手段4とが設けられている。進出部3には、標準状態とこの標準状態よりも浴槽2の内部に向けて進出した進出状態との間で往復運動可能な突出部材が設けられている。そして、突出部材は、標準状態と進出状態との間を移動するときに自転する。
【解決手段】浴槽装置11においては、浴槽2と、浴槽2の背側面2aに取り付けられた進出部3と、進出部3を駆動する駆動手段4とが設けられている。進出部3には、標準状態とこの標準状態よりも浴槽2の内部に向けて進出した進出状態との間で往復運動可能な突出部材が設けられている。そして、突出部材は、標準状態と進出状態との間を移動するときに自転する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽装置に関し、特に、入浴者にマッサージを施す浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康志向が高まり、入浴中に手軽にマッサージを受けたいという要望が高まっている。そこで、浴槽内で入浴者にマッサージを施す浴用マッサージ装置が提案されている。例えば、特許文献1には、浴槽内に設置する浴用マッサージ装置であって、入浴者の背中に接触する面が凸アール面であり、この凸アール面から押し玉をエアーポンプにより突出させる装置が開示されている。特許文献1には、入浴者が浴槽内に座り、背中を凸アール面に接触させた状態で、エアーポンプを作動させて押し玉を突出させることにより、入浴者にマッサージを施すことができると記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、マッサージ機能付きの浴槽であって、浴槽の側面のうちマッサージ機が組み込まれた面が凹状となっている浴槽が開示されている。この浴槽においては、浴槽の背もたれ側の側面に上下方向に延びる開口部が形成されており、この開口部はゴムシートによって水密的に覆われており、揉み玉がこのゴムシートの内側を開口部に沿って上下に移動する。このため、入浴者が背もたれ側の側面に背中を接触させた状態で揉み玉を移動させると、ゴムシートを介してマッサージを受けることができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された技術においては、入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができず、入浴者に不満が残るという問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2000−342653号公報(図1)
【特許文献2】登録実用新案259403号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができる浴槽装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、浴槽と、前記浴槽の内壁面に設けられ、標準状態と前記標準状態よりも前記浴槽の内部に向けて進出した進出状態との間で移動可能な突出部材と、前記突出部材を前記標準状態と前記進出状態との間で移動させる移動手段と、を備え、前記突出部材は、前記標準状態と前記進出状態との間を移動するときに自転することを特徴とする浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができる浴槽装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、
図2は、本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示し、
図3は、本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が進出状態から標準状態に移動している状態を示す。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係る浴槽装置11においては、浴槽2が設けられている。浴槽2の形状は、上方から見て略長方形であり、長手方向の両端部が背側及び足側となっている。そして、浴槽2の背側の内壁面(以下、「背側面」という)2aは、全体的には垂直方向に対して上方に開くように傾斜しつつ、連続した凹面をなしている。背側面2aの形状は、例えば、入浴者Mが背中を背側面2aにフィットさせたときに、背中が緩く丸まるような凹状曲面である。
【0011】
また、浴槽2の底面2bにおける背側面2a側の領域には凹部2cが形成されており、その底面は凹面となっている。凹部2cの形状は、入浴者の臀部の形状に合わせた凹状曲面である。そして、例えば、背側面2aと凹部2cとは、連続した曲面を形成している。更に、底面2bにおける凹部2cが形成された領域以外の領域は、略水平な平坦面2dとなっている。このため、浴槽2の底面2bのうち、凹部2cが形成されている領域は、それより足側の領域、すなわち、平坦面2dが形成されている領域よりも下方に位置しており、凹部2cと平坦面2dとの境界部分2eは鈍角をなす曲面となっている。一方、浴槽2の足側の内側面は、底面2bから略垂直に起立した足側面2fとなっている。
【0012】
図2及び図3に示すように、背側面2aには、上下方向に沿って複数段の進出部3が設けられている。進出部3は、例えば、背側面2aの上下方向に伸びる中心線の両側に、2列に配列されている。各進出部3においては、背側面2aに1つの開口部3aが形成されており、各開口部3a内には1本の突出部材3bが嵌合されている。突出部材3bは、例えば、一方の先端部が丸められた円柱形状の部材であり、丸められた側の先端部が浴槽2の内部に向いている。
【0013】
各突出部材3bは、背側面2aに対して交差する方向、例えば、背側面2aに対して垂直な方向に移動可能とされている。すなわち、突出部材3bは、突出部材3bが開口部3a内に収納され、丸められた先端部が背側面2aと略同一平面をなす位置にある状態(以下、「標準状態」という)と、突出部材3bが標準状態よりも浴槽2の内部に向けて進出し、丸められた先端部が背側面2aから突出した位置にある状態(以下、「進出状態」という)との間で移動可能である。そして、突出部材3bは、標準状態と進出状態との間を移動するときに、突出部材3bの中心軸を回転軸として自転する。なお、標準状態は、上述の突出部材3bの先端部が背側面2aと略同一平面をなす状態には限定されず、例えば、突出部材3bの先端部が背側面2aから浴槽2の内部に向けて少し突出した状態であってもよい。
【0014】
例えば、図2に示すように、突出部材3bが前進するとき、すなわち、標準状態から進出状態に移行する過程においては、背側面2aに垂直な方向から見て、向かって右側の列に属する突出部材3bは反時計回りに回転し、向かって左側の列に属する突出部材3bは時計回りに回転する。一方、図3に示すように、突出部材3bが後退するとき、すなわち、進出状態から標準状態に移行する過程においては、背側面2aに垂直な方向から見て、向かって右側の列に属する突出部材3bは時計回りに回転し、向かって左側の列に属する突出部材3bは反時計回りに回転する。このように、背側面2aの中心線の両側に配置された突出部材3bは、左右対称に回転する。
【0015】
また、図1に示すように、進出部3は、浴槽2の外部に設けられた駆動手段4に連結されている。駆動手段4は、進出部3を駆動するものである。進出部3における突出部材3b以外の部分及び駆動手段4により、突出部材3bを移動させる移動手段が構成されている。
【0016】
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る浴槽装置の動作について説明する。
先ず、図1に示すように、浴槽2内に湯Wを溜め、全ての進出部3を標準状態とする。そして、入浴者Mが浴槽2内に入り、臀部を底面2bの凹部2c内に収め、背中を背側面2aに接触させ、足を底面2bの平坦面2d上に乗せて、入浴姿勢をとる。これにより、入浴者Mの背中は、背側面2aの凹面にフィットしてやや凸状に曲がる。また、進出部3は、入浴者Mの背中及び腰部の筋肉(背筋)Rに沿った位置に位置する。なお、このとき、入浴者Mは足裏を足側面2fに当接させてもよい。
【0017】
この状態で、駆動手段4が各進出部3を駆動し、突出部材3bを標準状態と進出状態との間で往復運動させる。これにより、進出状態となった突出部材3bの先端部は背側面2aから突出して入浴者Mの背中又は腰部を押圧し、標準状態となった突出部材3bの先端部は背側面2aと略同一平面となり、入浴者Mの背中及び腰部を押圧しなくなる。このとき、駆動手段4が各進出部3を独立に駆動することにより、種々のモードで入浴者にマッサージを施すことができる。例えば、全ての進出部3を同じ位相で同時に進出させてもよく、上段の進出部3から下段の進出部3に向かって少しずつ位相を遅らせながら、順次進出させてもよい。
【0018】
そして、図2及び図3に示すように、突出部材3bが前進及び後退するときに、突出部材3bがその中心軸を回転軸として自転する。これにより、入浴者Mの背筋Rに「ひねり」の力を加えることができる。このとき、例えば上述の如く、2列に配列された突出部材3bは、一方の列に属する突出部材3bの自転方向と、他方の列に属する突出部材3bの自転方向とが、相互に逆方向となるように自転する。すなわち、左右対称に自転する。
【0019】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、突出部材3bが回転しながら移動することにより、入浴者Mの背筋Rに「ひねり」の力を加えることができる。これにより、突出部材による押圧効果に加えて、突出部材の回転効果を得ることができるため、突出部材を単に往復運動させる場合と比較して、筋肉を揉みほぐす効果を高め、マッサージ効果を向上させることができる。この結果、入浴者の背中及び腰部のコリの解消並びに疲労回復について、高い効果が得られる。また、入浴者に、人によるマッサージに近い感覚を感じさせることができるため、高い満足感を与えることができる。
【0020】
また、本実施形態においては、進出部3が上下方向に沿って複数段に形成されているため、入浴者の背中及び腰部を全体的にマッサージすることができる。また、進出部3が背側面2aの中心線の両側に2列に配列されているため、入浴者が身体をずらすことなく、入浴者の左右の背筋、特に左右の脊柱起立筋を同時にマッサージすることができる。また、進出部3が中心線の両側に配置されているため、入浴者は左右のバランスを保ちやすい。更に、突出部材3bは左右対称に回転するため、突出部材3bの回転によって入浴者の身体が左右にずれることがない。
【0021】
更に、本実施形態においては、浴槽2の背側面2aが凹面をなしているため、入浴者Mが背中を背側面2aに凭れさせると、背筋Rが緩く丸まる姿勢となる。すなわち、入浴者が背中を緩く丸める自然な入浴姿勢をとったときに、背側面2aの形状が入浴者の背中の形状に合致する。これにより、入浴者をリラックスさせることができ、入浴による温熱効果と併せて、十分なマッサージ効果を実現することができる。
【0022】
更にまた、本実施形態においては、浴槽2の底面2bに凹部2cが形成されているため、この凹部2cが入浴者Mの臀部を保持することができる。これにより、入浴者に浮力が作用しても、入浴者の背中が進出部3によって押圧されたときに、入浴者の身体が足側に移動してしまうことを防止できる。この結果、入浴者の姿勢がより安定し、より強い押圧感を伴うマッサージが可能となる。また、臀部の位置が安定するため、入浴者は、臀部を基点として腰部及び背中を背側面2aに押し付けることができると共に、上半身の角度を任意に変化させることができる。これにより、進出部3による押圧力を任意に調節することができる。
【0023】
更にまた、本実施形態においては、凹部2cが形成されている領域は平坦面2dが形成されている領域よりも下方に位置しているため、凹部2cと平坦面2dとの境界部分2eは鈍角をなしており、滑らかな曲面となっている。このため、境界部分2eが入浴者Mの足の付け根を圧迫して、入浴者に不快感を与えることがない。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示す。
【0025】
図4に示すように、本実施形態に係る浴槽装置12においては、前述の第1の実施形態と比較して、進出部3の配置が異なっている。すなわち、本実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様に、背側面2aにおいて、進出部3は多段且つ2列に配列されており、各段には一対の進出部3が配置されているが、各段における進出部3間の距離、すなわち、突出部材3b間の距離は、段によって異なっている。例えば、水平方向における突出部材3b間の距離が相対的に大きい段と、突出部材3b間の距離が相対的に小さい段とが交互に配置されている。これにより、上下方向に配列された突出部材3bの2本の列は、左右対称に蛇行している。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0026】
次に、本実施形態に係る浴槽装置の動作及び効果について説明する。
図5は、図4に入浴者の背筋を重ねて示し、本実施形態に係る浴槽装置の動作を例示する正面図である。
図5に示すように、全ての突出部材3bが回転しながら前進すると、入浴者Mの背筋R、特に脊柱起立筋において、領域Aは圧縮され、領域Bは引っ張られる。一方、全ての突出部材3bが図5に示す方向とは逆方向に回転しながら後退すると、領域Aは引っ張られ、領域Bは圧縮される。このように、本実施形態によれば、背筋Rに圧縮及び引っ張りの力を交互に加えることができるため、マッサージ効果がより一層向上する。
【0027】
上述の如く、本実施形態においては、背筋を圧縮する領域及び引っ張る領域を確実に形成するために、上下方向において隣り合う2以上の突出部材が同時に進出状態となる瞬間があることが好ましく、全ての進出部3が同時に進出状態となる瞬間があることがより好ましい。これは、例えば、全ての進出部3を同一の周期及び同一の位相で駆動することによって実現することができる。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0028】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6は、本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示し、
図7は、本実施形態に係る浴槽装置の突出部材を例示する正面図及び側面図である。
【0029】
図6及び図7に示すように、本実施形態に係る浴槽装置13においては、前述の第1の実施形態と比較して、突出部材の形状が異なっている。すなわち、本実施形態の突出部材3bにおいては、先端に突状部3cが形成されている。突状部3cは、突出部材3bの中心軸から外れた位置に配置されている。また、例えば、各突出部材3bにおいて中心軸から見た突状部3cの位置は、上下方向及び水平方向において隣り合う突出部材3b間で、相互に逆になっている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0030】
本実施形態によれば、突出部材3bの先端に突状部3cを形成することにより、この先端部の摩擦力を高め、突出部材3bが回転したときに、この回転を入浴者に効率よく伝えることができる。これにより、突状部3cが入浴者の背筋に引っ掛かり、背筋を局所的に変位させるため、マッサージ効果が向上する。また、突出部材3bの中心軸から見た突状部3cの位置を、上下左右に隣り合う突出部材3b間で逆にすることにより、前述の第2の実施形態と同様に、入浴者の背筋が圧縮される領域と引っ張られる領域とを形成することができる。これにより、マッサージ効果がより一層向上する。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0031】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態に係る浴槽装置の突出部材を例示する正面図及び側面図である。
図8に示すように、本実施形態においては、突出部材3bの先端に4個の突状部3cが形成されている。このような突状部材3bは、円柱形の部材の先端に突状部3cを取り付けることにより形成してもよく、円柱形の部材の先端部を研削して突状部3cを残すことにより形成してもよい。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0032】
なお、突出部材の先端部と入浴者の皮膚との間の摩擦力を高めるためには、前述の第3及び第4の実施形態のように、突出部材の先端部の形状を工夫するだけでなく、突出部材の材質を工夫してもよい。例えば、突出部材の表面を細かい凹凸を有する粗面としたり、突出部材をエラストマー又は発泡材などの軟質の材料によって形成しても、第3及び第4の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0033】
次に、前述の本発明の実施形態を具現化するための具体例について説明する。
図9は、本具体例に係る浴槽装置を例示するブロック図であり、
図10は、本具体例に係る浴槽装置の浴槽を例示する斜視断面図であり、
図11は、本具体例に係る浴槽装置の進出部を例示する断面図である。
図9に示すように、本具体例に係る浴槽装置16においては、浴槽20、進出部30及び駆動手段40が設けられている。
【0034】
図10に示すように、浴槽20の形状は略直方体形状であり、その内壁面のうち、長手方向に交差する両端面の一方の面が背側面21であり、他方の面が足側面22である。背側面21は、入浴者(図示せず)が入浴姿勢をとったときに背中が当接する面であり、全体的に斜め上方を向くように傾斜しつつ、凹状の曲面をなしている。背側面21の凹状曲面は、入浴者が背中をフィットさせたときに入浴者の背中が緩く丸まるような曲面となっており、垂直断面における曲率半径は例えば約800mmである。また、足側面22は、垂直方向に対して上方に開くように、すなわち、上部が下部よりも背側面21から遠ざかるように傾斜している。
【0035】
浴槽20の底面23においては、背側面21に接する領域に凹部24が形成されており、底面23における凹部24よりも足側の領域は平坦面25となっている。凹部24の底面は、凹状の曲面をなしており、平坦面25よりも低い位置にある。凹部24の凹状曲面は入浴者の臀部を保持するような曲面となっており、垂直断面における曲率半径は例えば約600mmである。背側面21と凹部24の底面とは、例えば屈曲部のない連続した曲面を形成している。また、凹部24と平坦面25との境界部分26は、鈍角の屈曲部をなす滑らかな曲面となっている。
【0036】
そして、背側面21の上下方向に延びる中心線に沿って、複数段の進出部30が設けられている。進出部30は、中心線の両側に1列ずつ、合計2列設けられており、中心線に関して対称に配置されている。また、進出部30は、各列において例えば等間隔に配列されており、中心線から例えば30mm程度離隔している。
【0037】
図11に示すように、各進出部30においては、シリンダ状の保持筒体31が設けられている。保持筒体31は背側面21の外面に対して水密的に連結されている。背側面21における保持筒体31が取り付けられた部分は開口しており、これにより、保持筒体31の内部は浴槽20の内部に連通している。また、背側面21の開口部において、背側面21の縁部は浴槽20の外側に向けて折り曲げられており、筒状部21aが形成されている。
【0038】
また、保持筒体31の内部には、エアバッグ32が設けられている。エアバッグ32は、略円筒形の蛇腹形状をなしており、内部にエアが導入されると蛇腹の配列方向に沿って伸び、内部のエアが排出されると蛇腹の配列方向に沿って縮む。すなわち、エアバッグ32は、エアの流入出に伴って一方向に伸縮する。エアバッグ32は、蛇腹の配列方向、すなわち伸縮方向が背側面21に対して例えば垂直になるように配置されており、背側面21から遠い側の端部が保持筒体31の内面に水密的に連結されている。
【0039】
更に、保持筒体31の内部におけるエアバッグ32よりも浴槽20側の部分には、受板33が移動可能に設けられており、エアバッグ32に当接している。更に、受板33よりも浴槽20側の部分には、突出部材34が設けられている。突出部材34は筒状部21aの内部を挿通しており、筒状部21aに対して移動可能とされている。更にまた、保持筒体31の内部における背側面21と受板33との間には、バネ35が設けられており、受板33を背側面21から離隔する方向に付勢している。
【0040】
受板33の中央部には空洞が形成されており、係合部33aとなっている。また、突出部材34は、例えば、硬質の樹脂材料からなる円柱形状の部材である。突出部材34における受板33側の端部には、突出部材34の中心軸に沿って軸部34aが設けられており、軸部34aの先端部には係合部材34bが取り付けられており、係合部材34bは受板33の係合部33aに係合されている。これにより、突出部材34は、受板33に対して突出部材34の中心軸を回転軸として回転自在に係合されている。一方、係合部材34における受板33に係合されていない側の端部は丸められており、半球部34cとなっている。半球部34cは突出部材34の先端部を構成する。そして、半球部34cにおける係合部材34の中心軸から外れた位置には、例えば1個の突状部34dが形成されている。
【0041】
また、背側面21の筒状部21aの内面には、1対のコロ36が回転自在に取り付けられている。一方、突出部材34の側面には、2条の螺旋状の溝34eが形成されている。そして、コロ36は、溝34e内に嵌合し、溝34eの側面に転接している。
【0042】
一方、図9に示すように、駆動手段40においては、ポンプ41と、ポンプ41と各進出部30のエアバッグ32(図6参照)とを連通するエアチューブ42と、エアチューブ42の途中にそれぞれ設けられた切替弁43とが設けられている。切替弁43は例えば三方電磁弁であり、進出部30への加圧と、進出部30からのエア排出とを切り替えることができる。また、ポンプ41及び切替弁43には、これらを制御する制御部44が接続されている。なお、図9においては、図示を簡略化するために、制御部44は最上段の切替弁43のみに接続されているように描かれているが、実際には、制御部44は全ての切替弁43を独立して制御することが可能である。
【0043】
次に、本具体例の動作について説明する。
ポンプ41が作動していないときは、バネ35が受板33を浴槽20から遠ざかる方向に付勢し、受板33がエアバッグ32を押圧することにより、エアバッグ32は縮んだ状態にある。これにより、突出部材34は保持筒体31内に収納されており、進出部30は標準状態にある。そして、入浴者が浴槽20内に入り、入浴姿勢をとる。このとき、入浴者の臀部は凹部24内に進入し、保持される。また、背中は背側面21に接触し、緩く曲がった状態になる。更に、足裏は足側面22に当接する。
【0044】
この状態で、制御部44がポンプ41を作動させることにより、ポンプ41がエアチューブ42に対してエアを供給する。そして、制御部44が切替弁43を操作して、ポンプ41と各進出部30とを連通させることにより、進出部30のエアバッグ32内にエアが流入し、その圧力によってエアバッグ32がバネ35の付勢力に打ち勝って膨張し、受板33を介して突出部材34を浴槽20の内部に向けて押し出す。これにより、突出部材34は、浴槽20の内部に向けて移動する。
【0045】
このとき、突出部材34は、受板33に自転可能に連結されており、突出部材34の螺旋状の溝34eには、コロ36が嵌合している。このため、突出部材34が浴槽20の内部に向けて移動すると、コロ36が溝34e内を相対的に移動し、突出部材34が自転する。すなわち、突出部材34は移動しながら自転する。この結果、突出部材34の半球部34cは、入浴者の背中又は腰部をひねりながら押圧する。そして、突出部材34は背側面21から突出し、進出状態となる。
【0046】
次に、制御部44が切替弁43を切替えて、この進出部30のエアバッグ32を外部に連通させると、エアバッグ32はバネ35の付勢力によって縮み、エアバッグ32内のエアが外部に排出されると共に、突出部材34は保持筒体31内に向けて後退する。このとき、前述と同様に、コロ36と溝34eとの相互作用によって突出部材34が自転する。これにより、入浴者の背中及び腰部に「ひねり」の力を加える。そして、突出部材34は保持筒体31内に収納され、進出部30は標準状態に戻る。この動作を繰り返すことにより、進出部30は標準状態と進出状態とを繰り返し、突出部材34は自転しつつ直線往復運動する。
【0047】
そして、制御部44が各進出部30を独立に駆動することにより、種々のモードで入浴者にマッサージを施すことができる。例えば、制御部44は、各進出部30の状態を周期的に変化させ、その周期を全ての進出部30で同一とし、その位相を進出部30間で相互に異ならせてもよい。一例では、制御部44は、同一の段に配置された一対の進出部30を同位相で駆動しつつ、最上段の進出部30から下方の進出部30に向かって少しずつ位相を遅らせながら駆動する。これにより、入浴者は、背筋を肩から腰にかけて揉み下ろされるようなマッサージ感を得ることができる。
【0048】
次に、本具体例の効果について説明する。
本具体例によれば、浴槽の内部に電気部品を配置することなく、前述の第3の実施形態に係る浴槽装置を構成することができる。これにより、漏電及び感電に対する対策並びに湯による電気部品の腐食に対する対策などが不要になり、低コストで信頼性が高い浴槽装置を実現することができる。本具体例における上記以外の効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0049】
なお、本具体例においては、前述の第1の実施形態のように、突出部材の半球部に突状部を形成しなくてもよい。又は、前述の第4の実施形態のように、突出部材の半球部に複数の突状部を形成してもよい。又は、突状部材において半球部を着脱自在とすると共に、複数の種類の半球部を用意しておき、入浴者の好みに合わせて半球部を交換してもよい。また、進出部ごとに突出部材の形状を異ならせてもよい。
【0050】
また、本具体例においては、前述の第2の実施形態のように、進出部間の間隔を段ごとに異ならせてもよい。更に、コロ36の替わりに、単なる突起を設けてもよい。この場合は、この突起を溝34eに摺動可能に嵌合させることにより、本具体例と同様な動作を実現することができる。更にまた、エアバッグ32内には、空気以外の流体、すなわち、気体又は液体を供給してもよい。更にまた、本具体例において、浴槽20のリム上であって背側面21の略延長面上にヘッドレストを設けてもよい。このようなヘッドレストは、例えば防水性のクッション材により形成し、浴槽20に対して一定の範囲内で移動可能としてもよく、浴槽20に対して着脱可能としてもよい。
【0051】
以上、本発明の実施形態及びその具体例を参照しつつ、本発明の特徴を説明した。しかし、本発明は、これらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。すなわち、前述の各実施形態及び具体例を適宜組み合わせたもの、並びに、各実施形態及び具体例のいずれかに係る浴槽装置に対して、当業者が構成要素の追加、省略又は設計変更を加えたものも、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。例えば、前述の各実施形態及び具体例においては、浴槽の背側面が凹状の曲面をなしており、底面には臀部に対応するような凹部が形成されている例を示したが、本発明はこれに限定されず、浴槽の形状は任意である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図である。
【図2】本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示す。
【図3】本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が進出状態から標準状態に移動している状態を示す。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示す。
【図5】図4に入浴者の背筋を重ねて示し、本実施形態に係る浴槽装置の動作を例示する正面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示す。
【図7】本実施形態に係る浴槽装置の突出部材を例示する正面図及び側面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る浴槽装置の突出部材を例示する正面図及び側面図である。
【図9】本発明の具体例に係る浴槽装置を例示するブロック図である。
【図10】本具体例に係る浴槽装置の浴槽を例示する斜視断面図である。
【図11】本具体例に係る浴槽装置の進出部を例示する断面図である。
【符号の説明】
【0053】
2 浴槽、2a 背側面、2b 底面、2c 凹部、2d 平坦面、2e 境界部分、2f 足側面、3 進出部、3a 開口部、3b 突出部材、3c 突状部、4 駆動手段、11、12、13、16 浴槽装置、20 浴槽、21 背側面、21a 筒状部、22 足側面、23 底面、24 凹部、25 平坦面、26 境界部分、27 排水溝、28 排水口、30 進出部、31 保持筒体、32 エアバッグ、33 受板、33a 係合部、34 突出部材、34a 軸部、34b 係合部材、34c 半球部、34d 突状部、34e 溝、35 バネ、36 コロ、40 駆動手段、41 ポンプ、42 エアチューブ、43 切替弁、44 制御部、A、B 領域、M 入浴者、R 背筋、W 湯
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽装置に関し、特に、入浴者にマッサージを施す浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康志向が高まり、入浴中に手軽にマッサージを受けたいという要望が高まっている。そこで、浴槽内で入浴者にマッサージを施す浴用マッサージ装置が提案されている。例えば、特許文献1には、浴槽内に設置する浴用マッサージ装置であって、入浴者の背中に接触する面が凸アール面であり、この凸アール面から押し玉をエアーポンプにより突出させる装置が開示されている。特許文献1には、入浴者が浴槽内に座り、背中を凸アール面に接触させた状態で、エアーポンプを作動させて押し玉を突出させることにより、入浴者にマッサージを施すことができると記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、マッサージ機能付きの浴槽であって、浴槽の側面のうちマッサージ機が組み込まれた面が凹状となっている浴槽が開示されている。この浴槽においては、浴槽の背もたれ側の側面に上下方向に延びる開口部が形成されており、この開口部はゴムシートによって水密的に覆われており、揉み玉がこのゴムシートの内側を開口部に沿って上下に移動する。このため、入浴者が背もたれ側の側面に背中を接触させた状態で揉み玉を移動させると、ゴムシートを介してマッサージを受けることができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された技術においては、入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができず、入浴者に不満が残るという問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2000−342653号公報(図1)
【特許文献2】登録実用新案259403号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができる浴槽装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、浴槽と、前記浴槽の内壁面に設けられ、標準状態と前記標準状態よりも前記浴槽の内部に向けて進出した進出状態との間で移動可能な突出部材と、前記突出部材を前記標準状態と前記進出状態との間で移動させる移動手段と、を備え、前記突出部材は、前記標準状態と前記進出状態との間を移動するときに自転することを特徴とする浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができる浴槽装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、
図2は、本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示し、
図3は、本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が進出状態から標準状態に移動している状態を示す。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係る浴槽装置11においては、浴槽2が設けられている。浴槽2の形状は、上方から見て略長方形であり、長手方向の両端部が背側及び足側となっている。そして、浴槽2の背側の内壁面(以下、「背側面」という)2aは、全体的には垂直方向に対して上方に開くように傾斜しつつ、連続した凹面をなしている。背側面2aの形状は、例えば、入浴者Mが背中を背側面2aにフィットさせたときに、背中が緩く丸まるような凹状曲面である。
【0011】
また、浴槽2の底面2bにおける背側面2a側の領域には凹部2cが形成されており、その底面は凹面となっている。凹部2cの形状は、入浴者の臀部の形状に合わせた凹状曲面である。そして、例えば、背側面2aと凹部2cとは、連続した曲面を形成している。更に、底面2bにおける凹部2cが形成された領域以外の領域は、略水平な平坦面2dとなっている。このため、浴槽2の底面2bのうち、凹部2cが形成されている領域は、それより足側の領域、すなわち、平坦面2dが形成されている領域よりも下方に位置しており、凹部2cと平坦面2dとの境界部分2eは鈍角をなす曲面となっている。一方、浴槽2の足側の内側面は、底面2bから略垂直に起立した足側面2fとなっている。
【0012】
図2及び図3に示すように、背側面2aには、上下方向に沿って複数段の進出部3が設けられている。進出部3は、例えば、背側面2aの上下方向に伸びる中心線の両側に、2列に配列されている。各進出部3においては、背側面2aに1つの開口部3aが形成されており、各開口部3a内には1本の突出部材3bが嵌合されている。突出部材3bは、例えば、一方の先端部が丸められた円柱形状の部材であり、丸められた側の先端部が浴槽2の内部に向いている。
【0013】
各突出部材3bは、背側面2aに対して交差する方向、例えば、背側面2aに対して垂直な方向に移動可能とされている。すなわち、突出部材3bは、突出部材3bが開口部3a内に収納され、丸められた先端部が背側面2aと略同一平面をなす位置にある状態(以下、「標準状態」という)と、突出部材3bが標準状態よりも浴槽2の内部に向けて進出し、丸められた先端部が背側面2aから突出した位置にある状態(以下、「進出状態」という)との間で移動可能である。そして、突出部材3bは、標準状態と進出状態との間を移動するときに、突出部材3bの中心軸を回転軸として自転する。なお、標準状態は、上述の突出部材3bの先端部が背側面2aと略同一平面をなす状態には限定されず、例えば、突出部材3bの先端部が背側面2aから浴槽2の内部に向けて少し突出した状態であってもよい。
【0014】
例えば、図2に示すように、突出部材3bが前進するとき、すなわち、標準状態から進出状態に移行する過程においては、背側面2aに垂直な方向から見て、向かって右側の列に属する突出部材3bは反時計回りに回転し、向かって左側の列に属する突出部材3bは時計回りに回転する。一方、図3に示すように、突出部材3bが後退するとき、すなわち、進出状態から標準状態に移行する過程においては、背側面2aに垂直な方向から見て、向かって右側の列に属する突出部材3bは時計回りに回転し、向かって左側の列に属する突出部材3bは反時計回りに回転する。このように、背側面2aの中心線の両側に配置された突出部材3bは、左右対称に回転する。
【0015】
また、図1に示すように、進出部3は、浴槽2の外部に設けられた駆動手段4に連結されている。駆動手段4は、進出部3を駆動するものである。進出部3における突出部材3b以外の部分及び駆動手段4により、突出部材3bを移動させる移動手段が構成されている。
【0016】
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る浴槽装置の動作について説明する。
先ず、図1に示すように、浴槽2内に湯Wを溜め、全ての進出部3を標準状態とする。そして、入浴者Mが浴槽2内に入り、臀部を底面2bの凹部2c内に収め、背中を背側面2aに接触させ、足を底面2bの平坦面2d上に乗せて、入浴姿勢をとる。これにより、入浴者Mの背中は、背側面2aの凹面にフィットしてやや凸状に曲がる。また、進出部3は、入浴者Mの背中及び腰部の筋肉(背筋)Rに沿った位置に位置する。なお、このとき、入浴者Mは足裏を足側面2fに当接させてもよい。
【0017】
この状態で、駆動手段4が各進出部3を駆動し、突出部材3bを標準状態と進出状態との間で往復運動させる。これにより、進出状態となった突出部材3bの先端部は背側面2aから突出して入浴者Mの背中又は腰部を押圧し、標準状態となった突出部材3bの先端部は背側面2aと略同一平面となり、入浴者Mの背中及び腰部を押圧しなくなる。このとき、駆動手段4が各進出部3を独立に駆動することにより、種々のモードで入浴者にマッサージを施すことができる。例えば、全ての進出部3を同じ位相で同時に進出させてもよく、上段の進出部3から下段の進出部3に向かって少しずつ位相を遅らせながら、順次進出させてもよい。
【0018】
そして、図2及び図3に示すように、突出部材3bが前進及び後退するときに、突出部材3bがその中心軸を回転軸として自転する。これにより、入浴者Mの背筋Rに「ひねり」の力を加えることができる。このとき、例えば上述の如く、2列に配列された突出部材3bは、一方の列に属する突出部材3bの自転方向と、他方の列に属する突出部材3bの自転方向とが、相互に逆方向となるように自転する。すなわち、左右対称に自転する。
【0019】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、突出部材3bが回転しながら移動することにより、入浴者Mの背筋Rに「ひねり」の力を加えることができる。これにより、突出部材による押圧効果に加えて、突出部材の回転効果を得ることができるため、突出部材を単に往復運動させる場合と比較して、筋肉を揉みほぐす効果を高め、マッサージ効果を向上させることができる。この結果、入浴者の背中及び腰部のコリの解消並びに疲労回復について、高い効果が得られる。また、入浴者に、人によるマッサージに近い感覚を感じさせることができるため、高い満足感を与えることができる。
【0020】
また、本実施形態においては、進出部3が上下方向に沿って複数段に形成されているため、入浴者の背中及び腰部を全体的にマッサージすることができる。また、進出部3が背側面2aの中心線の両側に2列に配列されているため、入浴者が身体をずらすことなく、入浴者の左右の背筋、特に左右の脊柱起立筋を同時にマッサージすることができる。また、進出部3が中心線の両側に配置されているため、入浴者は左右のバランスを保ちやすい。更に、突出部材3bは左右対称に回転するため、突出部材3bの回転によって入浴者の身体が左右にずれることがない。
【0021】
更に、本実施形態においては、浴槽2の背側面2aが凹面をなしているため、入浴者Mが背中を背側面2aに凭れさせると、背筋Rが緩く丸まる姿勢となる。すなわち、入浴者が背中を緩く丸める自然な入浴姿勢をとったときに、背側面2aの形状が入浴者の背中の形状に合致する。これにより、入浴者をリラックスさせることができ、入浴による温熱効果と併せて、十分なマッサージ効果を実現することができる。
【0022】
更にまた、本実施形態においては、浴槽2の底面2bに凹部2cが形成されているため、この凹部2cが入浴者Mの臀部を保持することができる。これにより、入浴者に浮力が作用しても、入浴者の背中が進出部3によって押圧されたときに、入浴者の身体が足側に移動してしまうことを防止できる。この結果、入浴者の姿勢がより安定し、より強い押圧感を伴うマッサージが可能となる。また、臀部の位置が安定するため、入浴者は、臀部を基点として腰部及び背中を背側面2aに押し付けることができると共に、上半身の角度を任意に変化させることができる。これにより、進出部3による押圧力を任意に調節することができる。
【0023】
更にまた、本実施形態においては、凹部2cが形成されている領域は平坦面2dが形成されている領域よりも下方に位置しているため、凹部2cと平坦面2dとの境界部分2eは鈍角をなしており、滑らかな曲面となっている。このため、境界部分2eが入浴者Mの足の付け根を圧迫して、入浴者に不快感を与えることがない。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示す。
【0025】
図4に示すように、本実施形態に係る浴槽装置12においては、前述の第1の実施形態と比較して、進出部3の配置が異なっている。すなわち、本実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様に、背側面2aにおいて、進出部3は多段且つ2列に配列されており、各段には一対の進出部3が配置されているが、各段における進出部3間の距離、すなわち、突出部材3b間の距離は、段によって異なっている。例えば、水平方向における突出部材3b間の距離が相対的に大きい段と、突出部材3b間の距離が相対的に小さい段とが交互に配置されている。これにより、上下方向に配列された突出部材3bの2本の列は、左右対称に蛇行している。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0026】
次に、本実施形態に係る浴槽装置の動作及び効果について説明する。
図5は、図4に入浴者の背筋を重ねて示し、本実施形態に係る浴槽装置の動作を例示する正面図である。
図5に示すように、全ての突出部材3bが回転しながら前進すると、入浴者Mの背筋R、特に脊柱起立筋において、領域Aは圧縮され、領域Bは引っ張られる。一方、全ての突出部材3bが図5に示す方向とは逆方向に回転しながら後退すると、領域Aは引っ張られ、領域Bは圧縮される。このように、本実施形態によれば、背筋Rに圧縮及び引っ張りの力を交互に加えることができるため、マッサージ効果がより一層向上する。
【0027】
上述の如く、本実施形態においては、背筋を圧縮する領域及び引っ張る領域を確実に形成するために、上下方向において隣り合う2以上の突出部材が同時に進出状態となる瞬間があることが好ましく、全ての進出部3が同時に進出状態となる瞬間があることがより好ましい。これは、例えば、全ての進出部3を同一の周期及び同一の位相で駆動することによって実現することができる。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0028】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6は、本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示し、
図7は、本実施形態に係る浴槽装置の突出部材を例示する正面図及び側面図である。
【0029】
図6及び図7に示すように、本実施形態に係る浴槽装置13においては、前述の第1の実施形態と比較して、突出部材の形状が異なっている。すなわち、本実施形態の突出部材3bにおいては、先端に突状部3cが形成されている。突状部3cは、突出部材3bの中心軸から外れた位置に配置されている。また、例えば、各突出部材3bにおいて中心軸から見た突状部3cの位置は、上下方向及び水平方向において隣り合う突出部材3b間で、相互に逆になっている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0030】
本実施形態によれば、突出部材3bの先端に突状部3cを形成することにより、この先端部の摩擦力を高め、突出部材3bが回転したときに、この回転を入浴者に効率よく伝えることができる。これにより、突状部3cが入浴者の背筋に引っ掛かり、背筋を局所的に変位させるため、マッサージ効果が向上する。また、突出部材3bの中心軸から見た突状部3cの位置を、上下左右に隣り合う突出部材3b間で逆にすることにより、前述の第2の実施形態と同様に、入浴者の背筋が圧縮される領域と引っ張られる領域とを形成することができる。これにより、マッサージ効果がより一層向上する。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0031】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態に係る浴槽装置の突出部材を例示する正面図及び側面図である。
図8に示すように、本実施形態においては、突出部材3bの先端に4個の突状部3cが形成されている。このような突状部材3bは、円柱形の部材の先端に突状部3cを取り付けることにより形成してもよく、円柱形の部材の先端部を研削して突状部3cを残すことにより形成してもよい。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0032】
なお、突出部材の先端部と入浴者の皮膚との間の摩擦力を高めるためには、前述の第3及び第4の実施形態のように、突出部材の先端部の形状を工夫するだけでなく、突出部材の材質を工夫してもよい。例えば、突出部材の表面を細かい凹凸を有する粗面としたり、突出部材をエラストマー又は発泡材などの軟質の材料によって形成しても、第3及び第4の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0033】
次に、前述の本発明の実施形態を具現化するための具体例について説明する。
図9は、本具体例に係る浴槽装置を例示するブロック図であり、
図10は、本具体例に係る浴槽装置の浴槽を例示する斜視断面図であり、
図11は、本具体例に係る浴槽装置の進出部を例示する断面図である。
図9に示すように、本具体例に係る浴槽装置16においては、浴槽20、進出部30及び駆動手段40が設けられている。
【0034】
図10に示すように、浴槽20の形状は略直方体形状であり、その内壁面のうち、長手方向に交差する両端面の一方の面が背側面21であり、他方の面が足側面22である。背側面21は、入浴者(図示せず)が入浴姿勢をとったときに背中が当接する面であり、全体的に斜め上方を向くように傾斜しつつ、凹状の曲面をなしている。背側面21の凹状曲面は、入浴者が背中をフィットさせたときに入浴者の背中が緩く丸まるような曲面となっており、垂直断面における曲率半径は例えば約800mmである。また、足側面22は、垂直方向に対して上方に開くように、すなわち、上部が下部よりも背側面21から遠ざかるように傾斜している。
【0035】
浴槽20の底面23においては、背側面21に接する領域に凹部24が形成されており、底面23における凹部24よりも足側の領域は平坦面25となっている。凹部24の底面は、凹状の曲面をなしており、平坦面25よりも低い位置にある。凹部24の凹状曲面は入浴者の臀部を保持するような曲面となっており、垂直断面における曲率半径は例えば約600mmである。背側面21と凹部24の底面とは、例えば屈曲部のない連続した曲面を形成している。また、凹部24と平坦面25との境界部分26は、鈍角の屈曲部をなす滑らかな曲面となっている。
【0036】
そして、背側面21の上下方向に延びる中心線に沿って、複数段の進出部30が設けられている。進出部30は、中心線の両側に1列ずつ、合計2列設けられており、中心線に関して対称に配置されている。また、進出部30は、各列において例えば等間隔に配列されており、中心線から例えば30mm程度離隔している。
【0037】
図11に示すように、各進出部30においては、シリンダ状の保持筒体31が設けられている。保持筒体31は背側面21の外面に対して水密的に連結されている。背側面21における保持筒体31が取り付けられた部分は開口しており、これにより、保持筒体31の内部は浴槽20の内部に連通している。また、背側面21の開口部において、背側面21の縁部は浴槽20の外側に向けて折り曲げられており、筒状部21aが形成されている。
【0038】
また、保持筒体31の内部には、エアバッグ32が設けられている。エアバッグ32は、略円筒形の蛇腹形状をなしており、内部にエアが導入されると蛇腹の配列方向に沿って伸び、内部のエアが排出されると蛇腹の配列方向に沿って縮む。すなわち、エアバッグ32は、エアの流入出に伴って一方向に伸縮する。エアバッグ32は、蛇腹の配列方向、すなわち伸縮方向が背側面21に対して例えば垂直になるように配置されており、背側面21から遠い側の端部が保持筒体31の内面に水密的に連結されている。
【0039】
更に、保持筒体31の内部におけるエアバッグ32よりも浴槽20側の部分には、受板33が移動可能に設けられており、エアバッグ32に当接している。更に、受板33よりも浴槽20側の部分には、突出部材34が設けられている。突出部材34は筒状部21aの内部を挿通しており、筒状部21aに対して移動可能とされている。更にまた、保持筒体31の内部における背側面21と受板33との間には、バネ35が設けられており、受板33を背側面21から離隔する方向に付勢している。
【0040】
受板33の中央部には空洞が形成されており、係合部33aとなっている。また、突出部材34は、例えば、硬質の樹脂材料からなる円柱形状の部材である。突出部材34における受板33側の端部には、突出部材34の中心軸に沿って軸部34aが設けられており、軸部34aの先端部には係合部材34bが取り付けられており、係合部材34bは受板33の係合部33aに係合されている。これにより、突出部材34は、受板33に対して突出部材34の中心軸を回転軸として回転自在に係合されている。一方、係合部材34における受板33に係合されていない側の端部は丸められており、半球部34cとなっている。半球部34cは突出部材34の先端部を構成する。そして、半球部34cにおける係合部材34の中心軸から外れた位置には、例えば1個の突状部34dが形成されている。
【0041】
また、背側面21の筒状部21aの内面には、1対のコロ36が回転自在に取り付けられている。一方、突出部材34の側面には、2条の螺旋状の溝34eが形成されている。そして、コロ36は、溝34e内に嵌合し、溝34eの側面に転接している。
【0042】
一方、図9に示すように、駆動手段40においては、ポンプ41と、ポンプ41と各進出部30のエアバッグ32(図6参照)とを連通するエアチューブ42と、エアチューブ42の途中にそれぞれ設けられた切替弁43とが設けられている。切替弁43は例えば三方電磁弁であり、進出部30への加圧と、進出部30からのエア排出とを切り替えることができる。また、ポンプ41及び切替弁43には、これらを制御する制御部44が接続されている。なお、図9においては、図示を簡略化するために、制御部44は最上段の切替弁43のみに接続されているように描かれているが、実際には、制御部44は全ての切替弁43を独立して制御することが可能である。
【0043】
次に、本具体例の動作について説明する。
ポンプ41が作動していないときは、バネ35が受板33を浴槽20から遠ざかる方向に付勢し、受板33がエアバッグ32を押圧することにより、エアバッグ32は縮んだ状態にある。これにより、突出部材34は保持筒体31内に収納されており、進出部30は標準状態にある。そして、入浴者が浴槽20内に入り、入浴姿勢をとる。このとき、入浴者の臀部は凹部24内に進入し、保持される。また、背中は背側面21に接触し、緩く曲がった状態になる。更に、足裏は足側面22に当接する。
【0044】
この状態で、制御部44がポンプ41を作動させることにより、ポンプ41がエアチューブ42に対してエアを供給する。そして、制御部44が切替弁43を操作して、ポンプ41と各進出部30とを連通させることにより、進出部30のエアバッグ32内にエアが流入し、その圧力によってエアバッグ32がバネ35の付勢力に打ち勝って膨張し、受板33を介して突出部材34を浴槽20の内部に向けて押し出す。これにより、突出部材34は、浴槽20の内部に向けて移動する。
【0045】
このとき、突出部材34は、受板33に自転可能に連結されており、突出部材34の螺旋状の溝34eには、コロ36が嵌合している。このため、突出部材34が浴槽20の内部に向けて移動すると、コロ36が溝34e内を相対的に移動し、突出部材34が自転する。すなわち、突出部材34は移動しながら自転する。この結果、突出部材34の半球部34cは、入浴者の背中又は腰部をひねりながら押圧する。そして、突出部材34は背側面21から突出し、進出状態となる。
【0046】
次に、制御部44が切替弁43を切替えて、この進出部30のエアバッグ32を外部に連通させると、エアバッグ32はバネ35の付勢力によって縮み、エアバッグ32内のエアが外部に排出されると共に、突出部材34は保持筒体31内に向けて後退する。このとき、前述と同様に、コロ36と溝34eとの相互作用によって突出部材34が自転する。これにより、入浴者の背中及び腰部に「ひねり」の力を加える。そして、突出部材34は保持筒体31内に収納され、進出部30は標準状態に戻る。この動作を繰り返すことにより、進出部30は標準状態と進出状態とを繰り返し、突出部材34は自転しつつ直線往復運動する。
【0047】
そして、制御部44が各進出部30を独立に駆動することにより、種々のモードで入浴者にマッサージを施すことができる。例えば、制御部44は、各進出部30の状態を周期的に変化させ、その周期を全ての進出部30で同一とし、その位相を進出部30間で相互に異ならせてもよい。一例では、制御部44は、同一の段に配置された一対の進出部30を同位相で駆動しつつ、最上段の進出部30から下方の進出部30に向かって少しずつ位相を遅らせながら駆動する。これにより、入浴者は、背筋を肩から腰にかけて揉み下ろされるようなマッサージ感を得ることができる。
【0048】
次に、本具体例の効果について説明する。
本具体例によれば、浴槽の内部に電気部品を配置することなく、前述の第3の実施形態に係る浴槽装置を構成することができる。これにより、漏電及び感電に対する対策並びに湯による電気部品の腐食に対する対策などが不要になり、低コストで信頼性が高い浴槽装置を実現することができる。本具体例における上記以外の効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0049】
なお、本具体例においては、前述の第1の実施形態のように、突出部材の半球部に突状部を形成しなくてもよい。又は、前述の第4の実施形態のように、突出部材の半球部に複数の突状部を形成してもよい。又は、突状部材において半球部を着脱自在とすると共に、複数の種類の半球部を用意しておき、入浴者の好みに合わせて半球部を交換してもよい。また、進出部ごとに突出部材の形状を異ならせてもよい。
【0050】
また、本具体例においては、前述の第2の実施形態のように、進出部間の間隔を段ごとに異ならせてもよい。更に、コロ36の替わりに、単なる突起を設けてもよい。この場合は、この突起を溝34eに摺動可能に嵌合させることにより、本具体例と同様な動作を実現することができる。更にまた、エアバッグ32内には、空気以外の流体、すなわち、気体又は液体を供給してもよい。更にまた、本具体例において、浴槽20のリム上であって背側面21の略延長面上にヘッドレストを設けてもよい。このようなヘッドレストは、例えば防水性のクッション材により形成し、浴槽20に対して一定の範囲内で移動可能としてもよく、浴槽20に対して着脱可能としてもよい。
【0051】
以上、本発明の実施形態及びその具体例を参照しつつ、本発明の特徴を説明した。しかし、本発明は、これらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。すなわち、前述の各実施形態及び具体例を適宜組み合わせたもの、並びに、各実施形態及び具体例のいずれかに係る浴槽装置に対して、当業者が構成要素の追加、省略又は設計変更を加えたものも、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。例えば、前述の各実施形態及び具体例においては、浴槽の背側面が凹状の曲面をなしており、底面には臀部に対応するような凹部が形成されている例を示したが、本発明はこれに限定されず、浴槽の形状は任意である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図である。
【図2】本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示す。
【図3】本実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が進出状態から標準状態に移動している状態を示す。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示す。
【図5】図4に入浴者の背筋を重ねて示し、本実施形態に係る浴槽装置の動作を例示する正面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る浴槽装置の背側面を例示する正面図であり、突出部材が標準状態から進出状態に移動している状態を示す。
【図7】本実施形態に係る浴槽装置の突出部材を例示する正面図及び側面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る浴槽装置の突出部材を例示する正面図及び側面図である。
【図9】本発明の具体例に係る浴槽装置を例示するブロック図である。
【図10】本具体例に係る浴槽装置の浴槽を例示する斜視断面図である。
【図11】本具体例に係る浴槽装置の進出部を例示する断面図である。
【符号の説明】
【0053】
2 浴槽、2a 背側面、2b 底面、2c 凹部、2d 平坦面、2e 境界部分、2f 足側面、3 進出部、3a 開口部、3b 突出部材、3c 突状部、4 駆動手段、11、12、13、16 浴槽装置、20 浴槽、21 背側面、21a 筒状部、22 足側面、23 底面、24 凹部、25 平坦面、26 境界部分、27 排水溝、28 排水口、30 進出部、31 保持筒体、32 エアバッグ、33 受板、33a 係合部、34 突出部材、34a 軸部、34b 係合部材、34c 半球部、34d 突状部、34e 溝、35 バネ、36 コロ、40 駆動手段、41 ポンプ、42 エアチューブ、43 切替弁、44 制御部、A、B 領域、M 入浴者、R 背筋、W 湯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽と、
前記浴槽の内壁面に設けられ、標準状態と前記標準状態よりも前記浴槽の内部に向けて進出した進出状態との間で移動可能な突出部材と、
前記突出部材を前記標準状態と前記進出状態との間で移動させる移動手段と、
を備え、
前記突出部材は、前記標準状態と前記進出状態との間を移動するときに自転することを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
前記突出部材は複数設けられており、上下方向に沿って2列に配列されていることを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
【請求項3】
一方の列に属する前記突出部材の前記自転の方向と、他方の列に属する前記突出部材の前記自転の方向とは、相互に逆方向であることを特徴とする請求項2記載の浴槽装置。
【請求項4】
前記複数の突出部材は上下方向に沿って多段に配列されており、各段には一対の前記突出部材が属しており、前記一対の突出部材間の距離が相対的に大きい段と、前記一対の突出部材間の距離が相対的に小さい段とが交互に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の浴槽装置。
【請求項5】
上下方向において隣り合う2以上の前記突出部材が同時に前記進出状態となる瞬間があることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記突出部材の先端に突状部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項1】
浴槽と、
前記浴槽の内壁面に設けられ、標準状態と前記標準状態よりも前記浴槽の内部に向けて進出した進出状態との間で移動可能な突出部材と、
前記突出部材を前記標準状態と前記進出状態との間で移動させる移動手段と、
を備え、
前記突出部材は、前記標準状態と前記進出状態との間を移動するときに自転することを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
前記突出部材は複数設けられており、上下方向に沿って2列に配列されていることを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
【請求項3】
一方の列に属する前記突出部材の前記自転の方向と、他方の列に属する前記突出部材の前記自転の方向とは、相互に逆方向であることを特徴とする請求項2記載の浴槽装置。
【請求項4】
前記複数の突出部材は上下方向に沿って多段に配列されており、各段には一対の前記突出部材が属しており、前記一対の突出部材間の距離が相対的に大きい段と、前記一対の突出部材間の距離が相対的に小さい段とが交互に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の浴槽装置。
【請求項5】
上下方向において隣り合う2以上の前記突出部材が同時に前記進出状態となる瞬間があることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記突出部材の先端に突状部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−188291(P2008−188291A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−27020(P2007−27020)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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