説明

海中電力ケーブルにおける疲労耐性金属防水バリア

【課題】水がケーブル内部に浸入するのを防止しながら、改良された疲労強さの特性を備えた海中電力ケーブルを提供する。
【解決手段】金属防水バリア5で囲まれた絶縁体2,3,4で囲まれた電気導体1を含む海中電力ケーブル10であって、該金属防水バリア5を囲む半導電性接着剤層6と、海水と電気的に接触することが可能で、該半導電性接着剤層6を囲む半導電性ポリエチレンジャケット7と、をさらに含み、該金属防水バリア5、該半導電性接着剤層6及び該半導電性ポリマージャケット7の重ね合わせが三層シースを形成する海中電力ケーブル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い疲労耐性のシースを提供する海中電力ケーブル、該海中ケーブルを含む沖合設備及び該シースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な海中電力ケーブルは、金属スクリーンに囲まれた、絶縁された電気導体を含み、該金属スクリーンは、該海中電力ケーブルの製造、据付及び使用時に、水の浸入及び機械的な磨耗または力に耐えることができる。一般的に、絶縁された電気導体の絶縁体は、内側の半導電性シールド、絶縁体本体及び外側の半導電性シールドなどの、複数の層を含む絶縁システムである。
【0003】
海中ケーブルは動的な海中ケーブルであっても静的な海中ケーブルであってもよい。
【0004】
動的な海中ケーブルは、主に水面下で吊り下げられる。たとえば、動的な海中ケーブルは、石油及び/またはガスを海中の井戸から取り出す、浮いているプラットフォームに接続することができる。このケーブルタイプは、たとえば、プラットフォームと海底など、2箇所の固定点の間で、海中に自由に延ばすことができ、したがって、潮流及び風による運動を含む海の運動とともに運動する。
【0005】
静的な海中ケーブルに関しては、主に海底に敷設される。このケーブルは、2箇所の固定点の間で海底に伸ばされるので、動的な海中ケーブルと比較して実質的に運動しない。
【0006】
一般的に海中ケーブルは、中電圧または高電圧の電力を伝送するのに使用される。ここで、中電圧とは、約1kVから約40kVまでを指し、高電圧とは、約40kVから約300kVまたはそれ以上を指す。海中電力ケーブルは、交流(AC)または直流(DC)電力に使用することができる。
【0007】
例として、特許文献1は、金属スクリーンとして、絶縁された電気導体を囲む金属管の保護シースを含む海中電力ケーブルを記載している。
【0008】
しかし、上記金属管の保護シースの疲労強さは、該海中電力ケーブルの製造、据付及び使用時に、機械的な磨耗または力から十分に該海中電力ケーブルを保護するように最適化されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】EP-A1-1 933 333
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、先行技術の上記の課題を解決することを求め、水がケーブル内部に浸入するのを防止しながら、改良された疲労強さの特性を備えた海中電力ケーブルを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このために、本発明の目的は、金属防水バリアに囲まれた絶縁体に囲まれた電気導体を含む海中電力ケーブルであって、上記金属防水バリアを囲む半導電性接着剤層、海水に電気的に接触することができ、上記半導電性接着剤層を囲む半導電性ポリマージャケット、をさらに含み、上記金属防水バリア、上記半導電性接着剤層及び上記半導電性ポリマージャケットの重ね合わせが三層シースを形成する海中電力ケーブルを用意することである。
【0012】
本発明に関して、「半導電性」という用語は、「導電性」を意味すると理解される。
【0013】
「金属防水バリア」という表現は、電気導体の絶縁物への、水分または水の浸入を防止する保護層と理解される。
【0014】
「三層シース」という表現によって、中間層として、接着剤層が、一方の側からの金属層及び他方の側からのジャケットと、直接(物理的に)接触することが理解される。
【0015】
本発明の一つの利点は、三層シースが疲労強さの改良を顕著にもたらすという事実に起因する。
【0016】
さらに、半導電性接着剤層は、金属防水バリア及び半導電性ポリマージャケットの両方に十分に親和性がある。したがって、接着剤層の、金属防水バリア及び半導電性ポリマージャケットの両方への強い結合により、三層シースは、層分離に対する高い耐性を有する。
【0017】
さらに、半導電性接着剤層は、金属防水バリアと半導電性ポリマージャケットとの間に特別な電気的性質を与え、その電気的性質は、ジャケットを傷つける可能性のある、金属防水バリアに沿った電圧が存在するのを防止する。換言すれば、その電気的性質は、海中電力ケーブルが海につけられた場合に、金属防水バリアと半導電性ポリマージャケットとの間に生じる、好ましからざる絶縁破壊を防止する。
【0018】
半導電性接着剤層
本出願において「ポリマー」という用語は、「ホモポリマー」または「コポリマー」を意味する。
【0019】
半導電性接着剤層は、金属防水バリアと半導電性ポリマージャケットとの間良好な電気的接触を与える。半導電性接着剤層は、好ましくは押し出し成形しやすく、半導電性ポリマージャケットのポリマー材料と同様の化学的性質であり、アクリル酸またはアクリル酸エステルのような、反応性のカルボキシル基を備えたモノマーによって変化させた(たとえば、接木された)有機ポリマーと、上記層を半導電性にするのに十分に充填する、たとえば、成分の重量の4乃至30%の充填する、半導電性の充填物と、を含む複合材料から作成することができる。
【0020】
上記複合物は、経年変化現象に対する保護剤、金属不活性化剤、付着促進剤、粘着付与剤、潤滑剤などのプロセス助剤、カップリング剤、火炎防止充填物、またはこれらの混合物の一つから選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含むことができる。
【0021】
上記有機ポリマーは、一般的に、たとえば、ポリオレフィンのような熱可塑性またはエラストマーのポリマー材料であり、さらに、とりわけエチレンベースのポリマーであってよい。
【0022】
半導電性の充填物は、銀、アルミニウムまたはカーボンの充填物、さらに、とりわけ、カーボンブラックの充填物であってよい。
【0023】
保護剤(または保護剤の組み合わせ)は、当該技術分野で周知の酸化防止剤を含んでよい。例として、立体障害性フェノール、特に、Ciba Specialty Chemicals によって商品化されたIrganox MD 1024のように金属不活性化剤として機能する立体障害性フェノール、Ciba Specialty Chemicals によって商品化されたIrgafos 168 のようなホスホン酸またはホスホン酸塩ベースの酸化防止剤、重合2, 2, 4-トリメチル-1, 2-ジヒドロキノリン (TMQ)のようなアミンベースの酸化防止剤をあげる。
【0024】
好ましい半導電性接着剤層は、半導電性のホットメルト接着剤層である。本発明で使用することのできる周知の半導電性のホットメルト接着剤材料は、たとえば、フランスのNexansによって商品化された参照番号N 2910 BG であってもよい。
【0025】
半導電性ではない他のホットメルト接着剤材料は、半導電性であるものに加えるかまたは半導電性の充填物と混合してもよい。上記の半導電性ではないホットメルト接着剤材料は、DSM によって商品化されたYparex (マレイン酸無水物で修飾したポリエチレン) 、 Dupont によって商品化された Fusabond (無水物で修飾したポリエチレン) 、Arkemaによって商品化されたOrevac (エチレン・酢酸ビニルベースのターポリマー)または Lotader (エチレン・アクリル酸塩ベースのターポリマー) の商標のうちの一つであってもよい。
【0026】
さらに、半導電性接着剤層は、架橋結合していないのが有利である。
【0027】
半導電性ポリマージャケット
半導電性ポリマージャケットは、一般的に、好ましくは押し出し成形しやすく、半導電性の充填物を混入することによって半導電性とされた、電気絶縁用途で使用される任意のポリマーである。
【0028】
上記のポリマーは、一般的に、ポリオレフィン、とりわけエチレンベースのポリマーのような、熱可塑性またはエラストマーのポリマーである。
【0029】
半導電性の充填物は、銀、アルミニウムまたはカーボンの充填物、特にカーボンブラックファイバーであってもよい。
【0030】
半導電性ポリマージャケットのポリマー材料がポリオレフィン・ベースである場合に、半導電性接着剤層の有機ポリマーもまたポリオレフィンであってよい。
【0031】
とりわけ、半導電性ポリマージャケットのポリマー材料がポリエチレン・ベースである場合に、半導電性接着剤層の有機ポリマーもまたポリエチレンであってよい。
【0032】
好ましい半導電性ポリマージャケットは、成分重量で4乃至30%のカーボンブラックを配合した、直鎖型の低密度、中密度または高密度のポリエチレンから得られる。
【0033】
本発明の特定の実施形態によれば、半導電性ポリマージャケットは、ケーブルの最も外側の層であってよい。
【0034】
さらに、半導電性ポリマージャケットは、架橋結合していないのが有利である。
【0035】
金属防水バリア
本発明による金属防水バリアは、本発明による電気的特性の要請及び疲労耐性を満足するのに必要な厚さを有し得る。
【0036】
金属防水バリアは、好ましくは、銅、鋼鉄、またはアルミニウム、たとえば、より好ましくは容易に溶接することのできる金属からなる導電性金属材料から形成される。
【0037】
金属防水バリアの最も好ましいデザインは、管であり、金属防水バリアは、金属管、特に銅から作成された管であるのが好ましい。
【0038】
金属防水バリアは、電気導体の絶縁物の周りに巻くことのできる金属のストリップから得ることができる。金属ストリップは、さらに長手方向に溶接されて溶接金属管を形成する。
【0039】
金属防水バリア(すなわち金属管)は、半導電性接着剤層及び金属防水バリア(すなわち、金属管)の間の、100%隙間のない境界面を実現するように波形になっていないのが好ましい。
【0040】
海中電力ケーブル
海中電力ケーブルは、一般的に特殊な絶縁体、換言すれば、一または複数の電気導体を囲み、金属防水バリアで覆われた絶縁システムを含む。
【0041】
上記の絶縁体は、三層絶縁を形成するように、第1の半導電性層、上記第1の半導電性層を囲む電気絶縁層、及び上記電気絶縁層を囲む第2の半導電性層を含む。
【0042】
この絶縁システムは、導体の周りに直接押し出し成形された単一の電気絶縁層を使用するケーブルと比較して、より高い電圧レベルで、より正確には、第1の半導電性層及び電気絶縁層の間の境界面における電界の強さのより高いレベルで動作させることができるので、意義がある。
【0043】
他の目的は、本発明による海中電力ケーブルの三層シースの製造プロセスである。上記プロセスは、
ii 金属防水バリア、とりわけ金属防水バリアの外面を加熱するステップ、
iii 金属防水バリアの周りに半導電性接着剤層を付するステップ、及び
iv 三層シースを形成するように半導電性接着剤層の周りに半導電性ポリマージャケットを付するステップ、を含む。
【0044】
加熱するステップiiによって、金属防水バリアと半導電性接着剤層との間の接着を強化することができる。
【0045】
好ましい実施形態において、付するステップiii及び/またはivは、押し出し成形によって行われる。このプロセスは当業者に周知である。
【0046】
金属防水バリアが溶接金属管である場合には、本発明による製造プロセスは、
i 加熱するステップii の前に、金属防水バリアとしての溶接金属管を得るために、金属ストリップを長手方向に溶接し、溶接金属管の直径を減少させるステップ、をさらに含む。
【0047】
この特別な実施形態において、溶接金属管(より一般的には金属防水バリア)を加熱するステップii により、ステップi に含まれる減少させるステップ(引き抜きステップ)による残りの潤滑剤を除去することができる点が有利である。実際、直径を減少させるステップは、金属管の引抜を容易にするように、たとえばメタノールのような潤滑剤を使用する。
【0048】
長手方向の溶接はレーザ溶接またはタングステン・イナート・ガス(TIG)溶接で行うことができる。
【0049】
一般的に、海中ケーブルの製造中に、電気導体の絶縁体の周りに金属ストリップを巻きつけることができる。そして、直径を減少させるステップの後に、金属防水バリアは、電気導体の絶縁体と物理的に接触する。
【0050】
他の目的は、2箇所の固定点の間で海中に伸びる、本発明による海中ケーブルを含む沖合設備である。
【0051】
この状況において、「沖合設備」は浮いているプラットフォーム、海底に固定されているプラットフォーム、浮いている船を含むと理解すべきである。プラットフォームは、かなわずというわけではないが主にそれによって海中の井戸から石油またはガスを取り出すプラットフォームを指す。
【0052】
本発明は、以下の詳細な説明、及び説明のためだけであり、本発明を限定するものではない添付の図面からより十分に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による海中ケーブルの実施形態の断面図を表す。
【図2】図1による海中ケーブルの三層シースの製造プロセスの概要図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
簡単のために、発明を理解するのに必須の要素のみが図示されており、スケールは守られていない。
【0055】
図1は、海中ケーブル10の断面図を示す。海中ケーブル10は、中心から外側に、
撚り線導体1、
該導体の周りに配置された第1の半導電性シールド2、
第1の半導電性シールド2の周りに配置された、巻かれ、含浸された電気絶縁層3、
電気絶縁層3の周りに配置された第2の半導電性シールド4、を含み、半導電性シールド2、電気絶縁層3、及び第2の半導電性シールド4は、三層で構成された絶縁形成システムを形成し、海中ケーブル10は、さらに、
第2の半導電性シールド4の周りに配置された金属管5と、
半導体製接着剤層6と、
半導体製接着剤層6の周りに配置された半導電性ポリマージャケット7と、を含む、本発明による三層シースを含む。
【0056】
上記半導電性ポリマージャケットは、海中ケーブル10の最も外側の層であり、その結果、海中ケーブルが海に沈められたときに海水と電気的に接触しうる。
【0057】
図2は、図1に記載された三層シースの製造プロセスラインを示す。水平の矢印は、プロセスラインの方向を示す。
【0058】
165mmの幅と0.8mmの厚さを備えた銅ストリップのような金属ストリップ11が、ストリップを矯正し、適切な張力を与える一組の矯正ロール(図示せず)を通過する。
【0059】
金属ストリップ11は、つぎに、センタリング装置12を使用してセンタリングされ、正確なエッジ及び幅を達成するように、エッジ切断13される。
【0060】
金属ストリップ11は、つぎに、一組の成形ロールから成る成形ツール14を使用して、長手方向に隙間の開いた管を形成するようにそれ自身曲げられる。
【0061】
このステップの間に、同じ製造ラインにおいて、図1に記載された三絶縁層によって絶縁された電気導体を上記の長手方向に隙間の開いた管によって囲むことができる。
【0062】
長手方向に隙間の開いた管は、レーザ溶接装置15、さらに、特にタングステン・イナート・ガス(TIG)溶接装置を使用して溶接することによって閉じられる。溶接は、アルゴンまたはヘリウムまたはそれらの混合物からなるシールドガスを使用して、溶接継ぎ目の酸化を防止するように管の内側及び外側の両方から行なわれるのが好ましい。
【0063】
得られた金属管は、長手方向に溶接された金属管5である。
【0064】
それ自体公知の分離クランプキャタピラ17などが、一組の減径ダイ18によって金属管の直径を減少させることができるように、溶接金属管を減径ダイ18の中に押してもよい。管の外径は、減径ダイ18によって約10%減少される。
【0065】
分離クランプキャタピラ17が金属管を損傷するのを防止するように、管が正確に配置されるのが好ましく、このため、分離クランプキャタピラ17の前に、一組の位置合わせロール16が配置される。
【0066】
共押し出し成形機20に入る前に、溶接金属管表面は、半導電性接着剤層との接着を強化し、溶接金属管の外面の、引き抜き動作(減径ステップ)による残りの潤滑剤及びダストまたは他の同様の汚染を除去するように、熱風ブロワー19によって加熱される。溶接金属管は、上記の熱風ブロワーによって約100℃に加熱される。したがって、金属管の、半導電性接着剤層との非常に良好な接着が達成される。
【0067】
溶接金属管は、つぎに、共押し出し成形機20を通過し、押し出し成形される半導電性接着剤の薄い膜及び押し出し成形される半導電性ポリエチレンジャケットによって覆われる。
【0068】
共押し出し成形ステップは、第1の押し出し成形ステップに半導電性層の成形押し出しを含み、第2の押し出し成形ステップに半導電性ポリエチレンジャケットの成形押し出しを含む、二つの連続したステップで置き換えることができる。
【0069】
試験
以下に述べる種々の試験は、個々の長さが3.5mであり、図2による上述の製造方法にしたがって製造された海中ケーブルのサンプルを使用して実施された。
【0070】
各々のサンプルの三層シースは、
厚さが0.8mmであり直径が47mmである銅管であって、規格EN 13599:2002 においてCW020A とされる電気用途用の銅ストリップであり、Aurubis and Wieland など様々なサプライヤーによって商品化されている銅ストリップから得られる銅管と、
厚さ0.3mmの半導電性ホットメルト接着剤層であり、N 2910 BG の、重量で15%の Yparex 0H085との混合物である接着剤層と、
厚さ5mmであり、DHDA-7708 Black から得られる、半導電性ポリエチレン材料のジャケットと、から構成される。
【0071】
IEC 60840 annex G に基づく測定技術にしたがって、銅管と半導電性ポリエチレンジャケットとの間の体積抵抗率が定められる。得られた体積抵抗率は、20℃において1Ωmよりも低い。
【0072】
IEC 60840 annex G によれば、半導電性ポリエチレンジャケットの溶接銅管への接着は、剥離試験によって測定される。この基準によって得られた剥離強さは、5N/mmよりも高い。後に説明する実施形態で得られた値は14N/mmである。
【0073】
したがって、半導電性ポリエチレンジャケットは、長手方向に溶接された銅管に強く結合される。
【0074】
回転曲げ試験によれば、三層シース(すなわち、ラミネート)は、鉛シースのケーブルと比較して疲労特性、すなわち、ラミネート内の固定されたひずみにおける故障までのサイクル数が強化されている。さらに試験によると、半導電性接着剤層が存在せず、半導電性ポリエチレンジャケットと溶接銅管との間の接着が良好でないと、局所的な応力集中が生じるので、故障までのサイクル数は減少することが示された。したがって、半導電性接着剤層により、溶接銅管と半導電性ポリエチレンジャケットとの間の強い接着が、三層シースの疲労寿命を大幅に向上させる。
【0075】
したがって、海中電力ケーブルの三層シースは、優れた疲労特性と十分な電気負荷搬送容量を提供する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属防水バリア(5)で囲まれた絶縁体(2,3,4)で囲まれた電気導体(1)を含む海中電力ケーブル(10)であって、
該金属防水バリア(5)を囲む半導電性接着剤層(6)と、
海水と電気的に接触することが可能で、該半導電性接着剤層(6)を囲む半導電性ポリエチレンジャケット(7)と、をさらに含み、
該金属防水バリア(5)、該半導電性接着剤層(6)及び該半導電性ポリマージャケット(7)の重ね合わせが三層シースを形成する海中電力ケーブル。
【請求項2】
前記半導電性ポリマージャケット(7)が前記海中電力ケーブル(10)の最も外側の層である請求項1に記載の海中電力ケーブル。
【請求項3】
前記半導電性接着剤層(6)が、ホットメルト接着剤層である請求項1または2に記載の海中電力ケーブル。
【請求項4】
前記半導電性接着剤層(6)が、押し出し成形された層であり、かつ/または前記半導電性ポリマージャケット(7)が押し出し成形されたジャケットである請求項1から3のいずれかに記載の海中電力ケーブル。
【請求項5】
前記金属防水バリア(5)が銅防水バリアである請求項1から4のいずれかに記載の海中電力ケーブル。
【請求項6】
前記金属防水バリア(5)が金属管である請求項1から5のいずれかに記載の海中電力ケーブル。
【請求項7】
前記金属防水バリア(5)が溶接金属管である請求項1から6のいずれかに記載の海中電力ケーブル。
【請求項8】
前記絶縁体が第1の半導電性層(2)と、該第1の半導電性層(2)を囲む電気絶縁層(3)と、該電気絶縁層(3)を囲む第2の半導電性層(4)と、を含む請求項1から7のいずれかに記載の海中電力ケーブル。
【請求項9】
請求項1から8に記載の海中電力ケーブル(10)の三層シースの製造方法であって、
ii 金属防水バリア(5)を加熱するステップと、
iii 金属防水バリア(5)の周りに半導電性接着剤層(6)を付するステップと、
iv 三層シースを形成するように半導電性接着剤層(5)の周りに半導電性ポリマージャケット(6)を付するステップ、を含む製造方法。
【請求項10】
付するステップiii及び/またはivが、押し出し成形によって行われる請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
i 加熱するステップii の前に、金属ストリップを長手方向に溶接し、溶接金属管の直径を減少させるステップ、をさらに含む請求項9または10に記載の製造方法。
【請求項12】
2箇所の固定点の間で海中に伸びる、請求項1から8のいずれかに記載の海中ケーブル(10)を含む沖合設備。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−54566(P2011−54566A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−183366(P2010−183366)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(501044725)ネクサン (81)
【Fターム(参考)】