説明

浸炭処理装置

【課題】ワークの浸炭処理時の熱損失を抑制することができ、従来よりもエネルギーの消費量を低減させることができる浸炭処理装置を提供する。
【解決手段】浸炭処理装置1の処理室10の殻壁11および誘導加熱コイル20とワークWとを区画して処理室内を対流する浸炭雰囲気ガスがワークW側から処理室10の殻壁11側および誘導加熱コイルW側へ流動するのを規制する筒状の方向規制部材31を設けた。これにより、浸炭雰囲気ガスと、殻壁11および誘導加熱コイル20との間の熱交換を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼製のワークに浸炭処理を施す浸炭処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や産業機械などに用いられる鋼製部品の表面硬化処理方法の一つとして、例えば低炭素鋼製のワークを処理室の内部にセットし、このワークの表面層を高周波誘導加熱により所定温度まで加熱した後、処理室内に浸炭ガスを供給して、浸炭処理を行なう高周波浸炭方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記高周波浸炭方法では、例えば、図4に示されるように、ワークWを内部にセットする処理室110と、処理室110の内部に設置され、ワークWを加熱する水冷式の誘導加熱コイル120と、処理室110内に浸炭ガスを供給するガス流路150と、処理室110内の排ガスを排出する排ガス流路160とを備えた浸炭処理装置101が用いられている。
【0004】
前記浸炭処理装置101を用いた高周波浸炭方法では、まず、処理室110の内部にセットされたワークWの表面層を誘導加熱コイル120によって所定温度まで誘導加熱する。その後、例えば炭化水素ガスボンベ151から供給された炭化水素ガスに、希釈ガスボンベ152から供給された希釈ガスを混合した浸炭ガスを、ガス流路150を介して処理室110内に送給して、処理室110内で浸炭雰囲気ガスを生成し、当該浸炭雰囲気ガスを、高温になっているワークWの表面に接触させる。このとき、ワークW表面における浸炭雰囲気ガス中の炭化水素の浸炭反応により生じた炭素がワークWの表面から内部に拡散浸透する。これにより、ワークWの表面における炭素含有量が向上するので、ワークWの表面層が硬化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−360057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の浸炭処理装置101では、ワークWの浸炭処理時において、加熱されたワークWの輻射熱により当該ワークWの近傍の浸炭雰囲気ガスが温められることによって、処理室110の内部で浸炭雰囲気ガスの対流(矢印C)や拡散(矢印D)が生じるので、当該浸炭雰囲気ガスと処理室110の殻壁111および誘導加熱コイル120との間で熱交換が促進される。このため、前記浸炭処理装置101は、ワークWの浸炭処理時の熱損失が大きく、浸炭処理に要するエネルギーの消費量が多くなって、浸炭処理コストが高くつくという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ワークの浸炭処理時の熱損失を抑制することができ、浸炭処理コストを安くすることができる浸炭処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の浸炭処理装置は、鋼製のワークに浸炭処理を施す浸炭処理装置であって、前記ワークを内部にセットする処理室と、前記処理室の内部に設置され、前記ワークを包囲して加熱する誘導加熱コイルと、前記処理室内に浸炭ガスを供給するガス供給路と、前記処理室内の浸炭雰囲気ガスを排気する排ガス流路と、前記ワークと処理室の殻壁および誘導加熱コイルとを区画して処理室内を対流する浸炭雰囲気ガスがワーク側から処理室の殻壁側および誘導加熱コイル側へ流動するのを規制する筒状の方向規制部材とを備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明の浸炭処理装置では、前記方向規制部材によって、前記処理室内を対流する浸炭雰囲気ガスがワーク側から処理室の殻壁側および誘導加熱コイル側へ流動するのを規制して、浸炭雰囲気ガスと前記処理室の殻壁および誘導加熱コイルとの間の熱交換を抑制することができるので、ワークの浸炭処理時における熱損失を抑制することができる。
【0010】
本発明の浸炭処理装置は、前記方向規制部材の内部を通過した浸炭雰囲気ガスを導入して、当該浸炭雰囲気ガスを、前記処理室の殻壁と方向規制部材との間の空間へ所定流量還流させる還流規制部材を備えているのが好ましい。この浸炭処理装置によれば、前記方向規制部材の内部から導入した浸炭雰囲気ガスを、前記還流規制部材によって、前記処理室の殻壁と方向規制部材との間の空間へ所定流量還流させることができる。前記還流規制部材による前記空間への炭雰囲気ガスの還流量を、ワークの材質や表面積などの特性に応じた適正な値に設定しておくことにより、処理室内の浸炭雰囲気ガスの温度および/または組成を、ワークの特性に合わせた適切な値にすることができる。したがって、この浸炭処理装置によれば、ワークの浸炭処理を均一かつ効率よく行なうことができる。また、前記空間へ還流させた浸炭雰囲気ガス中の未反応ガスを再利用することもできるので、浸炭処理コストを安くすることができる。
【0011】
本発明の浸炭処理装置は、前記方向規制部材の内部における浸炭雰囲気ガスの滞留時間を調節する滞留時間調節部材を備えているのが好ましい。この浸炭処理装置によれば、前記滞留時間調節部材によって、ワークの材質や表面積などの特性に応じて、前記方向規制部材の内部における浸炭雰囲気ガスの滞留時間を適切に設定しておくことにより、ワークの浸炭処理をさらに均一かつ効率よく行うことができる。
【0012】
前記滞留時間調節部材は、前記方向規制部材の内部から前記還流規制部材の内部へ導入される浸炭雰囲気ガスの流量を可変調整可能なダンパであってもよい。この場合には、前記ダンパを操作することによって、前記方向規制部材の内部における浸炭雰囲気ガスの滞留時間を容易に調整することができる。
【0013】
前記方向規制部材の表面または前記誘導加熱コイルの表面は、ワークからの輻射熱をワーク側空間へ反射する反射層として構成されているのが好ましい。
この場合、ワークからの輻射熱を前記反射層によってワーク側空間へ反射することができるので、当該輻射熱と前記誘導加熱コイルおよび処理室の殻壁との熱交換を抑制することができる。このため、ワークの浸炭処理時における熱損失を一層効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の浸炭処理装置によれば、ワークの浸炭処理時の熱損失を抑制して、浸炭処理に要するエネルギーの消費量を低減させることができるので、浸炭処理コストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る浸炭処理装置の要部を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る浸炭処理装置の要部を示す断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態に係る浸炭処理装置の要部を示す断面図である。
【図4】従来の浸炭処理装置の要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の浸炭処理装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る浸炭処理装置の要部を示す断面図である。同図において、浸炭処理装置1は、低炭素鋼、低炭素合金鋼などの鋼製のワークWを内部にセットする処理室10と、ワークWを誘導加熱する誘導加熱コイル20と、浸炭雰囲気ガスの流動方向を規制する円筒状の方向規制部材31と、この方向規制部材31の内部を通過した浸炭雰囲気ガスを導入して、当該浸炭雰囲気ガスを、処理室10の殻壁11と方向規制部材31との間の空間へ所定量還流させる還流規制部材35と、処理室10内に浸炭ガスを供給するガス供給路50と、処理室10内の浸炭雰囲気ガスを排出する排ガス流路60等を備えている。
【0017】
処理室10は、底部が開口した殻壁11と、この殻壁11の底部を開放可能に閉塞する円板状の底板14とによって構成されている。前記殻壁11は、円筒状の周壁12の上端部を、円板状の天井壁13によって閉塞しているものである。これら周壁12および天井壁13は、それぞれ石英、耐熱鋼などの耐熱性材料によって形成されている。
前記底板14は図示しない昇降機構によって昇降可能であり、その上昇端位置で前記殻壁11の底部を閉塞することができる。
【0018】
前記誘導加熱コイル20は、処理室10の内部に配置されている。この誘導加熱コイル20はワークWの外周を包囲可能な螺旋状のものであり、その内周内方にワークWがセットされる。この誘導加熱コイル20は、高周波電流が供給されることにより、ワークWを所望の温度に誘導加熱することができる。
前記ワークWは図示しない昇降可能な支持部材に支持されている。この支持部材は、前記底板14と一体に昇降することにより、ワークWを誘導加熱コイル20の内周内方へ供給したり、この供給したワークWを処理室10の下方へ搬出したりすることができる。
【0019】
前記方向規制部材31は、ワークWの外周を包囲する第1の円筒部32と、この第1の円筒部32の上端部に連設され、上方に向かって漸次縮径したテーパ筒部33と、このテーパ筒部33の上端部に連設された第2の円筒部34とからなる。これら方向規制部材31の材料は、誘導加熱されない材料から選択され、好ましくは、石英またはセラミックスである。
前記方向規制部材31は、ワークWと誘導加熱コイル20との間の空間に配置されて、ワークWと処理室10の殻壁11および誘導加熱コイル20とを区画している。これにより、加熱されたワークWの輻射熱によって温められた浸炭雰囲気ガスが、ワークW側から誘導加熱コイル20側および殻壁11側へ流動するのを規制している(図1の矢印A参照)。したがって、前記浸炭雰囲気ガスと前記殻壁11および誘導加熱コイル20との間の熱交換を抑制して、浸炭処理時における熱損失を低減することができる。
【0020】
前記還流規制部材35は、処理室10の天井壁13側空間の一部を区画している箱形のものであり、その天板部は天井壁13で兼用している。また、前記還流規制部材35の底部には開口が設けられており、この開口には、前記第2の円筒部34が嵌め込まれている。これにより、前記方向規制部材31の内部で上昇する浸炭雰囲気ガスを、還流規制部材35の内部に導入可能になっている。さらに、前記側壁部35aには、その全周にわたって複数の排出孔35bが設けられている。また、前記還流規制部材35の内部は、前記排ガス流路60に連通されており、当該内部に導入された浸炭雰囲気ガスの一部または全部を、前記排ガス流路60を通して排出することができるようになっている。
【0021】
各排出孔35bの開口面積の総和は、ワークWの材質や表面積等の特性に応じた適切な値に設定されている。この開口面積の総和は、浸炭雰囲気ガスの還流率が0〜100%となる範囲で、ワークWの特性に応じてワークW毎に設定される。ここに、前記「還流率」とは、還流規制部材35に導入された浸炭雰囲気ガスのうちから、排ガス流路60を通して排出される浸炭雰囲気ガスを除いたガスの量Xに対する、処理室10の殻壁11と方向規制部材31との間の空間へ還流させる浸炭雰囲気ガスの量Yの割合(X/Y)をいう。「還流率0%」は、ワークWの浸炭処理で用いられた後の浸炭雰囲気ガスを、排ガス流路60を通して100%排出することを意味し、「還流率100%」は、ワークWの浸炭処理で用いられた後の浸炭雰囲気ガスのうち排ガス流路60を通って排出されるガスをゼロとし、100%還流させることを意味する。
【0022】
このように、前記還流規制部材35によれば、各排出孔35bの開口面積の総和が、ワークWの材質や表面積等の特性に応じた適切な値に設定されているので、前記処理室10の殻壁11と方向規制部材31との間の空間へ還流される浸炭雰囲気ガスの量を、適正化することができる。このため、処理室10内の浸炭雰囲気ガスの温度および/または組成を、ワークWの特性に合わせた適切な値に設定することができる。したがって、ワークWの浸炭処理を均一かつ効率よく行なうことができる。
なお、前記還流率が0%を超えるように排出孔35bの開度を調節した場合、還流規制部材35の内部に導入された浸炭雰囲気ガスを、前記排出孔35bを通して前記処理室10の殻壁11と方向規制部材31との間の空間へ排出し、還流させて再びワークの近傍に供給することができる(図1の矢印B参照)。この場合には、前記浸炭雰囲気ガス中の未反応ガスを再利用することができるので、浸炭処理コストを安くすることができる。
【0023】
前記処理室10には、当該処理室10内に炭化水素ガスとしてのメタンガスと希釈ガスとしての窒素ガスからなる浸炭ガスを供給するガス流路50が接続されている。このガス流路50には、メタンガスを供給するための炭化水素ガスボンベ51と、窒素ガスを供給するための希釈ガスボンベ52とが、それぞれ接続されている。
さらに、前記浸炭処理装置1には、処理室10内の浸炭雰囲気ガスの温度および組成を検出するセンサ70が設けられている。このセンサ70の先端の検知部は、例えば、図1に示される位置に配置されるが、図2および3に示されるように、ワークWと方向規制部材31との間の空間に配置されていてもよい。
このセンサ70により、ワークWの浸炭処理に用いられる浸炭雰囲気ガスの温度および組成をモニターすることができるので、浸炭雰囲気ガスの温度および組成を、ワークWの材質、表面積などの特性に合わせた適切な値に調節することができる。また、前記センサ70は、浸炭雰囲気ガスの温度および組成のいずれか一方を検出するものであってもよい。
【0024】
以上の構成の浸炭処理装置1によれば、方向規制部材31の内部の浸炭雰囲気ガスが、処理室10の殻壁11側および誘導加熱コイル20側へ流動するのを、前記方向規制部材31によって規制しているので、浸炭雰囲気ガスと前記処理室10の殻壁11及び誘導加熱コイル20との熱交換を効果的に抑制することができる。
したがって、本発明の浸炭処理装置1によれば、ワークWの浸炭処理時の熱損失を抑制して、浸炭処理に要するエネルギーの消費量を低減させることができる。具体的には、本発明の浸炭処理装置1は、前記方向規制部材31を設置していない従来の浸炭処理装置と比べて、浸炭処理時の熱損失を約17〜23%程度低減できることが確認されている。よって、本発明の浸炭処理装置1は、浸炭処理コストを安くすることができる。
【0025】
前記方向規制部材31は、図2に示されるように、少なくとも誘導加熱コイル20側表面が、ワークWからの輻射熱を反射する反射層31aとして構成されていてもよい。この反射層31aとしては、例えば、方向規制部材31の母材の表面に対して、金めっき等を施すことにより形成することができる。
また、前記誘導加熱コイル20は、図3に示されるように、当該誘導加熱コイル20の表面が、ワークWからの輻射熱を反射する反射層22として構成されていてもよい。この反射層22についても、誘導加熱コイル20の母材の表面に対して、金めっき等を施すことにより形成することができる。
【0026】
この場合、前記方向規制部材31の反射層31aまたは、誘導加熱コイル20の反射層22によって、ワークWからの輻射熱をワークW側空間へ反射することができるので、当該輻射熱と、前記誘導加熱コイル20および処理室10の殻壁11との熱交換をさらに抑制することができる。このため、ワークWの浸炭処理時における熱損失を一層効果的に抑制することができる。具体的には、前記方向規制部材31に反射層31aを形成した場合には、反射層31aを形成していない場合に比べて、浸炭処理時の熱損失を約8〜12%程度低減できることが確認されている。
【0027】
なお、前記浸炭処理装置1においては、図2および図3に示されるように、方向規制部材31の第2の円筒部34の内部に、方向規制部材31の内部の浸炭雰囲気ガスの滞留時間を調節するためのダンパ38(滞留時間調節部材)を設けてもよい。このダンパ38は、その回動軸38aを処理室10の外部から回動操作することにより、第2の円筒部34の内部の開口率を変化させることができ、これにより、方向規制部材31の内部における浸炭雰囲気ガスの滞留時間をワークWの特性に応じて適切にする調節することができる。したがって、ワークWの浸炭処理をより均一かつ効率よく行なうことができる。
また、前記ダンパ38によって、浸炭雰囲気ガスの還流量および排気量の総量を調節することにより、滞留時間を適切に調節することができる。
なお、前記ダンパ38の回動軸38aは、手動によって回動操作する場合の他、ステッピングモータ等の駆動手段によって遠隔操作する場合もある。
【0028】
この実施形態においては、滞留時間調節部材としてダンパ38を用いて、方向規制部材31の内部における浸炭雰囲気ガスの滞留時間を可変調整可能としているが、前記ダンパ38に代えて、第2の円筒部34の口径を適宜選択することにより、当該第2の円筒部34で滞留時間調節部材を兼用するようにしてもよい。
【0029】
また、前記浸炭処理装置1においては、ワークの材質、表面積などの特性に応じた適正な浸炭雰囲気ガスの温度および組成の値を予め求めておき、この値を維持できるように、センサ70からの信号を入力として前記排出孔35bをフィードバック制御して、浸炭雰囲気ガスの処理室10への還流量を自動的に調整するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 浸炭処理装置
10 処理室
11 殻壁
20 誘導加熱コイル
22 反射層
31 方向規制部材
31a 反射層
35 還流規制部材
35b 排出口
38 ダンパ(滞留時間調節部材)
50 ガス流路
70 センサ
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製のワークに浸炭処理を施す浸炭処理装置であって、
前記ワークを内部にセットする処理室と、
前記処理室の内部に設置され、前記ワークを包囲して加熱する誘導加熱コイルと、
前記処理室内に浸炭ガスを供給するガス供給路と、
前記処理室内の浸炭雰囲気ガスを排気する排ガス流路と、
前記ワークと処理室の殻壁および誘導加熱コイルとを区画して処理室内を対流する浸炭雰囲気ガスがワーク側から処理室の殻壁側および誘導加熱コイル側へ流動するのを規制する筒状の方向規制部材と、
を備えていることを特徴とする浸炭処理装置。
【請求項2】
前記方向規制部材の内部を通過した浸炭雰囲気ガスを導入して、当該浸炭雰囲気ガスを、前記処理室の殻壁と方向規制部材との間の空間へ所定流量還流させる還流規制部材を備える請求項1記載の浸炭処理装置。
【請求項3】
前記方向規制部材の内部における浸炭雰囲気ガスの滞留時間を調節する滞留時間調節部材を備える請求項1または2記載の浸炭処理装置。
【請求項4】
前記滞留時間調節部材が、前記方向規制部材の内部から前記還流規制部材の内部へ導入される浸炭雰囲気ガスの流量を可変調整可能なダンパである請求項3記載の浸炭処理装置。
【請求項5】
前記方向規制部材の表面または前記誘導加熱コイルの表面が、ワークからの輻射熱をワーク側空間へ反射する反射層として構成されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の浸炭処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−214056(P2011−214056A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82737(P2010−82737)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000167200)光洋サーモシステム株式会社 (180)
【Fターム(参考)】