説明

液体タンク

【課題】液体の貯溜量を正確に検知する。
【解決手段】廃インクタンクが、筐体2に収容された第1フォーム3及び複数の液体センサ4を有している。液体センサ4においては、両端が開口した円筒形状を有するガイド体41の内部に第2フォーム42が配置されている。第2フォーム42の底面が第1フォーム3と接触している。第2フォーム42の上面に配置された電極43と、電極43と対面するように筐体2に固定された接点44とが押圧スイッチを構成している。第1フォーム3に係る廃インクを吸収したときの膨張率が、第2フォーム42に係る膨張率より小さくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を貯溜する液体タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッドのメンテナンスなどを行う際に廃棄されたインクを貯溜する廃インクタンクを有するインクジェットプリンタが知られている。廃インクタンクの内部に、高吸収性樹脂素材で形成されたフォームが配置されている。廃インクタンクに廃棄された廃インクは、フォームに吸収されることによって、廃インクタンク内に保持される。このような廃インクタンクにおいて、フォームの上部に押圧スイッチを配置し、廃インクを吸収するに連れて膨張したフォームが押圧スイッチを押圧することによって、廃インクタンク内の廃インクの貯溜量が上限に達したことを検知する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−127464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の廃インクタンクにおいては、廃インクと最初に接触する部分からフォームが膨張するため、膨張するに伴ってフォームの形状が歪みやすい。このとき、フォームが廃インクを吸収する余地があるにも関わらず、歪んだフォームの一部がスイッチを押圧することがあるため、廃インクタンクにおける廃インクの貯溜量を正確に検知することが難しい。
【0005】
本発明の目的は、液体の貯溜量を正確に検知することができる液体タンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体タンクは、液体が流入する流入口を有する筐体と、前記筐体の内部空間に配置されていると共に、前記流入口から流入した液体を吸収してその体積が膨張する第1吸収体及び第2吸収体と、前記内部空間の所定位置に配置され、膨張した前記第2吸収体により押圧されることにより前記内部空間の液体量を検知する押圧スイッチと、前記第2吸収体の外周面の内、鉛直方向に直交する方向を向いた外周面と対面するガイド壁とを備えている。前記押圧スイッチの鉛直方向に関する下方に、前記第2吸収体及び前記第1吸収体が順に配置されており、前記第1吸収体に係る液体を吸収したときの膨張率が、前記第2吸収体に係る前記膨張率より小さい。
【0007】
本発明によると、流入口から流入した液体が第1吸収体に吸収され、その後、第1吸収体に吸収された液体が第2吸収体に吸収される。第2吸収体が、液体を吸収するに伴ってガイド壁に沿って膨張し、膨張した第2吸収体が押圧スイッチを押圧する。これにより、内部空間に貯溜される液体の貯溜量を検知することができる。このとき、第1吸収体の膨張率が小さいため、第1吸収体が液体を吸収したときに歪みが発生するのが抑制され、液体タンクの液体の貯溜量を正確に検知することができる。
【0008】
本発明においては、前記第2吸収体の鉛直方向に関する下面と前記第1吸収体とが離隔していることが好ましい。これによると、第1吸収体から液体が染みだした後に、染み出した液体を第2吸収体が吸収するため、液体タンク内の液体が、第2吸収体の高さに到達していることを正確に検知することができる。
【0009】
また、本発明においては、前記ガイド壁が、前記第2吸収体の前記鉛直方向に直交する方向を向いた外周面全域と対面していることが好ましい。これによると、液体を吸収した第2吸収体を確実に鉛直方向に沿って膨張させることで、押圧スイッチをより正確に押圧させることができる。
【0010】
このとき、前記ガイド壁によって画定される空間の形状が、前記第2吸収体と相似であることがより好ましい。これによると、液体を吸収することで膨張した第2吸収体がガイド壁に当接したときに、ガイド壁との接触圧力が均一化されるため、第2吸収体を効率よく鉛直方向に膨張させることができる。
【0011】
また、本発明においては、前記第1吸収体の鉛直方向に関する下面の少なくとも一部が、前記筐体の内壁面から離隔していることが好ましい。これによると、液体タンクの液漏れを防止しつつ貯溜量を増やすことができる。
【0012】
さらに、本発明においては、前記流入口が、前記内部空間の鉛直方向に関する上面に配置されていることが好ましい。これによると、流入口からの液体タンクの液漏れを防止することができる。
【0013】
加えて、本発明においては、前記流入口から流入した液体を、前記内部空間の鉛直方向に関する底面近傍まで誘導する誘導壁をさらに備えていることが好ましい。これによると、流入した液体を、第1吸収体の鉛直方向に関する下方近傍に誘導することができるため、貯溜量をさらに正確に検知することができる。
【0014】
また、本発明においては、複数の前記スイッチが、鉛直方向に関して配列されていることが好ましい。これによると、液体タンクの貯溜量を段階的に検知することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、流入口から流入した液体が第1吸収体に吸収され、その後、第1吸収体に吸収された液体が第2吸収体に吸収される。第2吸収体が、液体を吸収するに伴ってガイド壁に沿って膨張し、膨張した第2吸収体が押圧スイッチを押圧する。これにより、内部空間に貯溜される液体の貯溜量を検知することができる。このとき、第1吸収体の膨張率が小さいため、第1吸収体が液体を吸収したときに歪みが発生するのが抑制され、液体タンクの液体の貯溜量を正確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態の廃インクタンクを有するインクジェットプリンタの概略側面図である。
【図2】図1に示す廃インクタンクの断面図である。
【図3】(a)図2に示す液体センサの拡大図である。(b)図3(a)に示すIIIB-IIIB線の断面図である。
【図4】図3に示す接点の拡大平面図である。
【図5】図3に示す液体センサがインクを検知した様子を示す液体センサの断面図である。
【図6】変形例に係る液体センサの断面図である。
【図7】第2実施形態に係る液体センサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
<第1実施形態>
インクジェットプリンタ101は、図1に示すように、図1右方から左方に向かって用紙を搬送する搬送ユニット20と、搬送ユニット20によって搬送された用紙に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのインク滴をそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド10とを有している。
【0019】
搬送ユニット20は、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8とを有している。搬送ベルト8の外周面に載置された用紙は、図1左方へと搬送される。4つのインクジェットヘッド10の搬送方向に関する下流側には、排紙トレイ14が配置されている。搬送方向に搬送された用紙は、4つのインクジェットヘッド10の下方を順に通過した後に、排紙トレイ14に排出される。すなわち、インクジェットプリンタ101は、搬送方向に直交する主走査方向にインク滴が吐出される複数の吐出口が配列されたライン式のカラーインクジェットプリンタである。
【0020】
また、インクジェットプリンタ101は、インクジェットヘッド10内に滞留している気泡や増粘したインクを吐出口から排出させるパージ動作を行うことができる。インクジェットプリンタ101は、パージ動作において吐出口から排出されたインクを受ける廃インクトレイ50と、廃インクトレイ50に排出されたインクを貯溜する廃インクタンク1とを有している。廃インクトレイ50は、通常時においては、4つのインクジェットヘッド10と対向しない退避位置に配置されている。パージ動作が開始されると、廃インクトレイ50が、退避位置から4つのインクジェットヘッド10と対向するメンテナンス位置に移動される。その後、各インクジェットヘッド10の吐出口から廃インクトレイ50に向かってインクが排出される。廃インクトレイ50に排出されたインクは、廃インク管51を介して廃インクタンク1内に流れ込む。
【0021】
廃インクタンク1について詳細に説明する。図2に示すように、廃インクタンク1は、直方体形状を有する筐体2と、筐体2に収容された、第1フォーム3及び複数の液体センサ4とを有している。筐体2の鉛直方向に関する上面(以下、上下関係については、鉛直方向を基準とする)に流入口21が形成されている。流入口21には、廃インク管51が接続されている。パージ動作において廃インク管51から流れてきた廃インクは、流入口21を介して廃インクタンク1(筐体2)の内部空間に流入する。また、筐体2の内部空間には、上面の流入口21近傍から底面近傍まで延在する誘導壁22が配置されている。
【0022】
第1フォーム3は、筐体2の内部空間のほぼ全域に亘って充填されている多孔質体であり、インクを吸収すると共に、吸収したインクを保持する。第1フォーム3は、インク吸収に伴う体積の増加が極めて小さい吸収体で形成されている。第1フォーム3の下面には、矩形状の切り欠き31が形成されている。これにより、第1フォーム3の下面の一部が、筐体2の内部空間の底面から離隔している。図2の矢印に示すように、流入口21から筐体2の内部空間に流入した廃インクは、第1フォーム3に吸収されつつ誘導壁22に誘導されるように、下方に向かって流れ落ちる。下方に向かって流れ落ちた廃インクは、筐体2の底面において水平方向に広がる。このとき、内部空間の底面近傍において第1フォーム3が保持しきれなくなった廃インクが、第1フォーム3から染みだし、切り欠き31によって画定された空間内に溜まっていく。流入口21から流入する廃インクの量が増加するに伴って、当該空間から溢れた廃インクが、再び第1フォーム3に吸収されつつ、第1フォーム3内を上昇していく。
【0023】
液体センサ4は、筐体2の内部空間に貯溜されている廃インクの量を検知するためのものであり、筐体2の上面、及び、図2中右方の側面にそれぞれ配置されている。側面においては、鉛直方向に沿って3つの液体センサ4が配列されている。なお、図2において、上面に1つ、側面に3つ配置された計4つの液体センサ4が現れているが、本実施形態においては、廃インクタンク1の鉛直方向に直交する延在方向に沿って、これら4つの液体センサ4のセットが複数配列されている。
【0024】
図3(a)及び図3(b)に示すように、液体センサ4は、ガイド体41と、第2フォーム42と、電極43と、接点44とを有している。
【0025】
ガイド体41は、鉛直方向に関する両端が開口した円筒形状を有しており、第1フォーム3内に形成された円筒状又は矩形状の切り欠き内に配置されている。第2フォーム42は、筒形状を有しており、ガイド体41の内部に収容されるように配置されている。第2フォーム42の底面は、第1フォーム3に接触している。また、第2フォーム42の鉛直方向に直交する方向に向いた外周面全域が、ガイド体41の内壁面と対面している。さらに、第2フォーム42の外形と、ガイド体41によって画定される内部空間の形状とが相似になっている。第2フォーム42は、廃インクを吸収する多孔質体である。第2フォーム42が廃インクを吸収して体積が最大となったとき、第2フォーム42の外形が、ガイド体41によって画定される内部空間の形状と一致するようになっている。なお、図3においては、第2フォーム42が廃インクを吸収する前の状態が示されている。そして、第1フォーム3に係る廃インクを吸収したときの膨張率が、第2フォーム42に係る膨張率より小さくなっている。
【0026】
電極43は、円盤形状を有しており、第2フォーム42の上面中央に固定されている。接点44は、電極43と対面するように筐体2の内壁面に固定されている。したがって、接点44、電極43、第2フォーム42及び第1フォーム3が、鉛直方向に関する下方に向かって順に配置されている。図4に示すように、接点44は、切り欠き42aによって、2つに分断されている。後述するように、電極43が押圧されて接点44と接触することで、接点44の分断された2つの部分が電気的に接続される。
【0027】
図5に示すように、第1フォーム3に吸収された廃インクが、上方に移動して第2フォーム42の底面に到達すると、第2フォーム42が底面から廃インクを吸収しつつ膨張する。このとき、第2フォーム42は、ガイド体41の内壁面にガイドされつつ上方に向かって膨張する。これにより、第2フォーム42が、電極43を接点44に向かって押圧する。第2フォーム42が所定量の廃インクを吸収したとき、電極43と接点44とが接触する。このとき、接点44の分断された2つの部分が、電極43を介して電気的に接続される。これにより、接点44がONとなる。このように、電極43と接点44とが押圧スイッチの一部となっている。図示しない制御装置は、接点44がONとなった液体センサ4を検知することにより、廃インクタンク1内の廃インク量が、当該液体センサ4の高さまで貯溜されていることを正確に検出することができる。
【0028】
以上のように、本実施形態の廃インクタンク1によると、流入口21から流入した廃インクが第1フォーム3に吸収され、その後、第1フォーム3に吸収された廃インクが、液体センサ4において第2フォーム42に吸収される。第2フォーム42が、廃インクを吸収するに伴ってガイド体41の内壁面に沿って膨張し、接点44をONさせる。このとき、第1フォーム3の膨張率が小さいため、第1フォーム3が廃インクを吸収したときに歪みが発生するのが抑制され、廃インクタンク1の廃インクの貯溜量を正確に検知することができる。
【0029】
また、ガイド体41の内壁面が、第2フォーム42の外周面全域と対面しているため、廃インクを吸収した第2フォーム42を正確に鉛直方向に沿って膨張させることができる。これにより、電極43と接点44とを確実に接触させることができる。
【0030】
さらに、ガイド体41によって画定される空間の形状が、第2フォーム42と相似であるため、廃インクを吸収することで膨張した第2フォーム42がガイド体41の内壁面に当接したときに、内壁面との接触圧力が均一化されるため、第2フォーム42を効率よく鉛直方向に膨張させることができる。
【0031】
また、第1フォーム3の鉛直方向に関する下面の一部が、筐体2の内部空間の底面から離隔しているため、第1フォーム3と筐体2の内部空間の底面とで形成された空間に、廃インクを溜めることができる。これにより、廃インクタンク1の廃インク漏れを防止しつつ貯溜量を増やすことができる。
【0032】
さらに、流入口21が、筐体2の上面に配置されているため、流入口から廃インクが漏れるのを抑制することができる。
【0033】
加えて、誘導壁22が、流入口21近傍から筐体2の内部空間の底面近傍まで延在しているため、流入口21から流入した廃インクを、第1フォーム3の底面近傍まで誘導することができるため、貯溜量をさらに正確に検知することができる。
【0034】
また、鉛直方向に沿って3つの液体センサ4が配列されているため、貯溜量を段階的に検知することができる。
【0035】
<変形例>
本実施形態においては、第2フォーム42の底面が第1フォーム3と接触している構成であるが、図6に示すように、第2フォーム142の底面と第1フォーム3とが離隔するように、第2フォーム142の外周面から突出した突起部がガイド壁41に支持されていてもよい。この突起部は、第2フォーム142と同一の材料で形成されていてもよいし、第2フォーム142と異なる材料で形成されていてもよい。これによると、第1フォーム3から廃インクが染みだした後に、染み出した廃インクを第2フォーム142が吸収するため、廃インクタンク1内の廃インクが、第2フォーム142の高さに到達してことを正確に検知することができる。
【0036】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同様の部材及び機能部については、第1実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。図7に示すように、第2実施形態に係る廃インクタンクの液体センサ204は、ガイド体241と、第2フォーム42と、電極43と、接点44とを有している。ガイド体241は、上端が開口した有底筒形状を有している。また、ガイド体241の外周面に係る下端に開口241aが形成されている。第2フォーム42は、ガイド体241内の底面に配置されている。したがって、第2フォーム42の底面は、第1フォーム3と接触していない。また、第2フォーム42の鉛直方向に直交する方向に向いた外周面のうち、開口241aと対面する領域を除く領域が、ガイド体41の内壁面と対面している。
【0037】
第1フォーム3に吸収された廃インクが、上方に移動してガイド体241の開口241aまで到達すると、第1フォーム3から染みだした廃インクが、開口241aを介してガイド体241内に侵入する。侵入した廃インクは、ガイド体241の底面に水平方向に広がる。このとき、第2フォーム42が、底面から廃インクを吸収しつつ膨張する。これに伴って、第2フォーム42は、ガイド体241の内壁面にガイドされつつ膨張し、電極43を上方に向かって押し上げる。第2フォーム42が所定量の廃インクを吸収したとき、電極43と接点44とが接触する。なお、貯留量を正確に検知するという観点からは、ガイド体241の開口241aは流入口21と反対側を向いていることが好ましい。これにより、第1フォーム3内を部分的に通過した廃インクが流入口21から侵入することを防止することができる。
【0038】
本実施形態の廃インクタンクによると、第2フォーム42が、廃インクを吸収するに伴ってガイド体41の内壁面に沿って膨張し、接点44がONされる。このとき、第1フォーム3の膨張率が小さいため、第1フォーム3が廃インクを吸収したときに歪みが発生するのが抑制され、廃インクタンクの廃インクの貯溜量を正確に検知することができる。
【0039】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。上述の第1実施形態では、ガイド体41は、両端が開口した円筒形状を有しており、ガイド体41の内壁面が第2フォーム42の外周面全域と対面する構成であるが、第2フォーム42の膨張を上方に向かってガイドすることができれば、ガイド体が他の形状を有していてもよい。例えば、ガイド体が、鉛直方向に延在する板部材であってもよいし、このような板部材が、第2フォーム42を包囲するように複数配置されたものであってもよい。また、ガイド体が、円形以外の平面形状を有する筒であってもよい。
【0040】
さらに、上述の第1実施形態においては、ガイド体41によって画定される空間の形状と第2フォーム42とが相似となっている構成であるが、ガイド体41によって画定される空間の形状と第2フォーム42とが相似になっていなくてもよい。
【0041】
また、上述の第1実施形態においては、流入口21が、筐体2の上面に配置されている構成であるが、筐体2の側面や底面に形成されていてもよい。
【0042】
加えて、上述の第1実施形態においては、誘導壁22が、流入口21近傍から筐体2の内部空間の底面近傍まで延在している構成であるが、誘導壁が、流入口21近傍から筐体2の内部空間の中央付近まで延在している構成であってもよいし、筐体2の内部空間に誘導壁が配置されていない構成であってもよい。
【0043】
また、上述の第1実施形態においては、筐体2の側面において、鉛直方向に沿って3つの液体センサ4が配列されている構成であるが、配列される液体センサ4の数は1つ又は2つであってもよいし、4つ以上であってもよいし、筐体2の側面に液体センサ4が配置されていない構成であってもよい。
【0044】
さらに、上述の第1実施形態においては、筐体2の上面及び1側面に液体センサ4が配置されている構成であるが、液体センサ4は筐体2の任意の面に配置されていてよい。例えばは、液体センサ4が、筐体2の上面のみに配置されていてもよいし、1側面のみに配置されていてもよいし、複数の側面に配置されていてもよい。
【0045】
加えて、上述の第1実施形態においては、電極43及び接点44が押圧スイッチとなっている構成であるが、電極43及び接点44の替りに他の方式の押圧スイッチ(例えば、静電式スイッチなど)が配置されていてもよい。
【0046】
また、上述の実施形態においては、筐体2内に電極43が設けられている構成であるが、液体による電極の腐食等を考慮し、接点44の内部にスイッチを設けておき、接点44に膨張した第2フォーム42が当接し、接点44の表面を加圧することで接点44が変形して、内部スイッチがON(通電)するような構成としてもよい。他にも、第2フォーム42と対向する筐体2の壁面を変形しやすい材質にしておき、膨張した第2フォーム42がこの変形しやすい筐体2の壁面を押すことにより外部に壁面を突き出させ、その突き出した部分が外部に設けられたスイッチを押すことにより、筐体2内の液体量を検知する押圧スイッチを構成していてもよい。
【0047】
本発明は、廃インク以外の液体を貯溜する液体タンクにも適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 廃インクタンク
2 筐体
3 第1フォーム
4、204 液体センサ
10 インクジェットヘッド
21 流入口
22 誘導壁
41、241 ガイド体
42 第2フォーム
43 電極
44 接点
50 廃インクトレイ
51 廃インク管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流入する流入口を有する筐体と、
前記筐体の内部空間に配置されていると共に、前記流入口から流入した液体を吸収してその体積が膨張する第1吸収体及び第2吸収体と、
前記内部空間の所定位置に配置され、膨張した前記第2吸収体により押圧されることにより前記内部空間の液体量を検知する押圧スイッチと、
前記第2吸収体の外周面の内、鉛直方向に直交する方向を向いた外周面と対面するガイド壁とを備えており、
前記押圧スイッチの鉛直方向に関する下方に、前記第2吸収体及び前記第1吸収体が順に配置されており、
前記第1吸収体に係る液体を吸収したときの膨張率が、前記第2吸収体に係る前記膨張率より小さいことを特徴とする液体タンク。
【請求項2】
前記第2吸収体の鉛直方向に関する下面と前記第1吸収体とが離隔していることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク。
【請求項3】
前記ガイド壁が、前記第2吸収体の前記鉛直方向に直交する方向を向いた外周面全域と対面していることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体タンク。
【請求項4】
前記ガイド壁によって画定される空間の形状が、前記第2吸収体と相似であることを特徴とする請求項3に記載の液体タンク。
【請求項5】
前記第1吸収体の鉛直方向に関する下面の少なくとも一部が、前記筐体の内壁面から離隔していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体タンク。
【請求項6】
前記流入口が、前記内部空間の鉛直方向に関する上面に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体タンク。
【請求項7】
前記流入口から流入した液体を、前記内部空間の鉛直方向に関する底面近傍まで誘導する誘導壁をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体タンク。
【請求項8】
複数の前記スイッチが、鉛直方向に関して配列されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−76276(P2012−76276A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221336(P2010−221336)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】