説明

液体中の溶存酸素除去装置および溶存酸素除去方法

【課題】液体中の溶存酸素を効果的に除去する液体中の溶存酸素除去装置および溶存酸素除去方法を提供する。
【解決手段】本発明の液体中の溶存酸素除去装置1は、原水と窒素ガスとを気液接触させて原水中の溶存酸素を除去する気液接触部41を有する脱酸素塔43と、原水を脱酸素塔43の気液接触部41より上方に供給する原水供給管45と、窒素ガスを脱酸素塔43の気液接触部41より下方に供給する窒素ガス供給管47や貯溜槽49内の水面上空間49aと、脱酸素塔43の気液接触部41により窒素ガスと気液接触した原水を貯溜する貯溜槽49と、貯溜槽49に貯溜された原水のうち一部を処理水として外部に導出する導出管51と、貯溜槽49に貯溜された原水のうち一部を脱酸素塔43の気液接触部41より上方に導入して還流させる還流管53とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば空調システム,ボイラ給水、飲料水製造用、食品製造用、半導体超純水製造用あるいは各種試験研究用等に用いる液体中の溶存酸素除去装置および溶存酸素除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の各所に配置した空調器(例えばファンコイル)に蓄熱槽内の冷水または温水を供給して空気調和を行なう水熱源空調システムはビル空調等で一般化しているが、循環させる液体中の溶存酸素により配管やコイル等が腐食するという問題がある。
【0003】
そこで、高効率で気液接触可能な気液接触部を多段に組み合わせ、原水と不活性ガスを向流接触させることにより、不活性ガスのガス分圧差分を有効に利用して不活性ガスの消費量を低減する溶存酸素低減装置が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照。)。この特許文献1に示す装置は、実質的に垂直方向に複数個の気液接触部とその気液接触部間に気液分離部を配置してなる放散塔の上部に原水を供給し、放散塔の下部より不活性ガスを導入し、気液接触部内で流下する原水と上昇する不活性ガスを向流接触させることを繰り返し、原水中の溶存酸素を不活性ガス側に放散して物質移動させるようになっている。
【特許文献1】特開2004−141840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示すような装置では、溶存酸素の除去性能を確保するために複雑な構造の気液接触部(リアクタ)を多段に配置しているため、内部構造が複雑で、装置サイズに下限があって小型化ができない。また、構造が複雑で高価なリアクタを多段配置しているため、設備コストが嵩む。このため、原水の量が少ない用途に対しては、設備の無駄が多すぎて実質的に適用が困難であった。一方、小型化しようとしてリアクタの段数を少なくすると、十分な溶存酸素の除去性能を得ることはできないという問題があった。
【0005】
また、いわゆるスタティックミキサ、バブリング等の方法により、水と窒素を接触させるものは、接触効率が悪いため、窒素使用量が多く、装置の大型化、DO値(溶存酸素値)の削減限界値が高い等の制約がある。また、膜式脱酸素装置等の窒素式以外の方式の場合、DO値の制限、水質、水温等の制限がある。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたもので、液体中の溶存酸素を効果的に除去する液体中の溶存酸素除去装置および溶存酸素除去方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の液体中の溶存酸素除去装置は、処理対象の液体と不活性ガスとを気液接触させて上記液体中の溶存酸素を除去する気液接触部を有する脱酸素塔と、上記液体を脱酸素塔の気液接触部より上方に供給する液体供給路と、上記不活性ガスを脱酸素塔の気液接触部より下方に供給する不活性ガス供給路と、上記脱酸素塔の気液接触部により不活性ガスと気液接触した液体を貯溜する貯溜槽と、上記貯溜槽に貯溜された液体のうち一部を処理液として外部に導出する導出路と、上記貯溜槽に貯溜された液体のうち一部を上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入して還流させる還流路とを備えたことを要旨とする。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明の液体中の溶存酸素除去方法は、処理対象の液体と不活性ガスとを気液接触させて上記液体中の溶存酸素を除去する気液接触部を有する脱酸素塔の気液接触部より上方に上記液体を供給し、上記脱酸素塔の気液接触部より下方に上記不活性ガスを供給し、上記脱酸素塔の気液接触部により不活性ガスと気液接触した液体を所定の貯溜槽に貯溜し、上記貯溜槽に貯溜された液体のうち一部を処理液として外部に導出し、上記貯溜槽に貯溜された液体のうち一部を上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入して還流させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
すなわち、本発明によれば、上記貯溜槽に貯溜された液体のうち一部を上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入して還流させる。
【0010】
したがって、上記液体を上記貯溜槽と上記気液接触部間で循環させ、気液接触させる頻度を向上させることができるため、当該液体中の溶存酸素の濃度を効率よく低下させ、溶存酸素の濃度が極めて低い液体を処理液として得ることができる。また、例えばリアクタの段数を少なくする等、構造を簡素化しても、十分な溶存酸素除去性能を確保することができるため、本装置を小型化することができ、本装置の設備コストやランニングコストを抑えることができる。また、本装置は小型化できるため、供給される原液の流量が少ない用途に対しても適用が可能になる。
【0011】
本発明において、上記還流路により上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入する液体の流量と、上記導出路により外部に導出する液体の流量または上記液体供給路により供給される液体の流量との比率を制御する流量制御手段を備えた場合には、上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入して還流させる循環液の流量を、上記外部に導出する処理液の流量または上記供給される原液の流量より多くすることができる。これにより、上記貯溜槽と上記気液接触部間において上記処理液として外部に導出する液体の流量よりも多い流量の液体を循環液として循環させることができるため、溶存酸素の濃度が極めて低い処理液を容易に得ることができる。また、上記還流路による循環液が上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入されるため、上記脱酸素塔の気液接触部より上方において、原液を循環液で十分に希釈して供給することができ、上記貯溜槽に貯留される液体の溶存酸素の濃度が高まることを防止し、溶存酸素の濃度が極めて低い処理液を得ることができる。
【0012】
本発明において、上記液体供給路と連通する第1エジェクターを備え、上記第1エジェクターは、上記液体供給路により上記脱酸素塔の気液接触部より上方に供給される液体と上記不活性ガスとを気液接触させる場合には、上記気液接触部で原液から溶存酸素を除去する前に、上記第1エジェクターで上記原液の溶存酸素の濃度を効果的に低下させることができる。したがって、上記脱酸素塔の気液接触部より上方において上記液体供給路により供給される原液と上記還流路により導入される循環液が混ざることにより、溶存酸素の濃度が上がりすぎてしまうということを防止することができる。また、エジェクターを用いるため上記原液の流量が少ないときでも当該原液の溶存酸素の濃度を効果的に低下させることができる。
【0013】
本発明において、上記還流路と連通する第2エジェクターを備え、上記第2エジェクターは、上記還流路により上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入される液体と上記不活性ガスとを気液接触させる場合には、上記第2エジェクターで上記還流路により導入される循環液中の溶存酸素の濃度をさらに低下させることができる。また、エジェクターを用いるため、上記還流路により導入される循環液の流量が少ないときでも当該循環液の溶存酸素の濃度を効果的に低下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の溶存酸素除去装置の一実施の形態を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本実施例では、溶存酸素除去装置1は、ビル等の建物内の各所に配置した空調機3に冷水または温水等の循環水を供給して空気調節を行なう水熱源空調システムに用いられる。以下では、空調機3に冷水を供給する場合を例にして説明する。
【0017】
上記水熱源空調システムは、冷媒ガスを循環させるガス管11、冷媒ガスを圧縮する圧縮機13、後述の冷却塔23で冷却された冷却水によりガス管11内の冷媒ガスを冷却する熱交換器15、冷媒ガスを膨張する膨張機17等からなるガス循環系と、熱交換器15内で冷媒ガスを冷却するための冷却水を循環させる冷却水配管21、冷却水を大気と接触させて冷却する冷却塔(クーリングタワー)23、冷却水配管21を開閉する配管開閉弁25、冷却水配管21内の冷却水を循環させるための冷却塔側循環ポンプ27等からなる冷却水循環系と、空調を行なう空調機3、膨張機17で膨張し冷却された冷媒ガスにより後述の空調機側冷温水配管33内の水を冷却する熱交換器32と、熱交換器32により冷却された冷水を空調機3に供給する空調機側冷温水配管33、当該空調機側冷温水配管33を開閉する空調機側開閉弁35、空調機側冷温水配管33内の冷水を循環させるための空調機側循環ポンプ37等からなる冷水循環系で構成されている。
【0018】
上記冷却水循環系は冷却塔23で大気と接触する開放系であり、冷水循環系は大気と接触しない密閉系である。熱交換器15,32は、冷温水発生機やボイラ等に用いられて、冷暖房に対応するようになっている。
【0019】
本発明の溶存酸素除去装置1は、この例では、2つ準備され、開放系である冷却水循環系の冷却水配管21と、密閉系である冷水循環系の空調機側冷温水配管33のそれぞれに接続されている。これらの溶存酸素除去装置1により冷却水循環系の冷却水中の溶存酸素や、冷水循環系の冷水中の溶存酸素を除去して、溶存酸素に原因する各配管の腐食等を防止するようになっている。
【0020】
冷却水循環系の冷却水配管21に接続された溶存酸素除去装置1は、冷却水配管21のうち冷却塔23の下流側に接続され、冷却塔23を通過した後の冷却水(原液)を冷却水配管21から取り込み、当該取り込んだ冷却水(原水)中の溶存酸素を除去して冷却水配管21のうち熱交換器15の上流側に戻すようになっている。
【0021】
空調機側冷温水配管33に接続された溶存酸素除去装置1は、空調機側冷温水配管33からの冷水(原液)漏れや、水(冷水)抜き等の際に減少した水を補うための補給水を外部から取り込み、当該取り込んだ補給水(原水)中の溶存酸素を除去して空調機側冷温水配管33に供給するようになっている。このようにすることにより、溶存酸素が除去された補給水を空調機側冷温水配管33に供給することができる。なお、空調機側冷温水配管33から冷水(原液)を取り込み、当該取り込んだ冷水(原水)中の溶存酸素を除去して空調機側冷温水配管33に戻すようにしてもよい。このようにすることにより、空調機側冷温水配管33内を流通する原水の全量に対して溶存酸素除去処理を施すことができる。これにより、空調機側冷温水配管33を流通する冷水中に酸素が溶け込んでしまった場合に対応することができる。
【0022】
上記2つの溶存酸素除去装置1は、同じものであるため、冷却水配管21に接続された方を例にして説明する。
【0023】
つぎに、図2を参照して、溶存酸素除去装置1について説明する。
【0024】
上記溶存酸素除去装置1は、処理対象の液体である原水と不活性ガスである窒素ガス(N)とを気液接触させて上記原水中の溶存酸素を除去する気液接触部41を有する脱酸素塔43と、上記原水を脱酸素塔43の気液接触部41より上方に供給する液体供給路である原水供給管45と、窒素ガスを供給する窒素ガス供給装置46と、窒素ガス供給装置46から供給される窒素ガスを脱酸素塔43の気液接触部41より下方に供給する不活性ガス供給路(後述の窒素ガス供給管47や貯溜槽49内の水面上空間49a)と、上記脱酸素塔43の気液接触部41により窒素ガスと気液接触した原水を貯溜する貯溜槽49と、上記貯溜槽49に貯溜された原水のうち一部を処理水(処理液)として外部(具体的には、冷却水配管21)に導出する導出路である導出管51と、導出管51から分岐した分岐管51aと、上記貯溜槽49に貯溜された原水である貯溜水のうち一部を上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方に導入して還流させる還流路である還流管53等とを備えている。
【0025】
上記原水供給管45は、一端が冷却水配管21(図1)に接続され、他端が上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方に接続されることにより、冷却水配管21から供給される原水を脱酸素塔43内の気液接触部41より上方に導入するようになっている。
【0026】
上記窒素ガス供給管47は、一端が窒素ガス供給装置46に接続され、他端が貯溜槽49に接続されることにより、窒素ガス供給装置46から供給される窒素ガスを貯溜槽49内に導入するようになっている。
【0027】
上記導出管51は、一端が貯溜槽49に接続され、他端が冷却水配管21に接続されることにより、貯溜槽49に貯留された原水を処理水として外部(具体的には、冷却水配管21)に導出するようになっている。
【0028】
上記還流管53は、一端が導出管51に接続され、他端が上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方に接続されることにより、上記貯溜槽49に貯溜された原水を脱酸素塔43内の気液接触部41より上方に導入するようになっている。すなわち、上記還流管53は、導出管51から分岐し、処理水の一部を脱酸素塔43内の気液接触部41より上方に導入するようになっている。
【0029】
上記導出管51のうち上記還流管53が分岐する部分の上流側には、貯溜槽49内の原水を送水する送水ポンプ54が設けられている。このように、送水ポンプ54の下流側で導出管51から還流管53を分岐することにより、導出管51と還流管53のそれぞれに送水ポンプを設ける必要がなく、送水ポンプや制御装置等の設備コストを節減することができる。
【0030】
上記脱酸素塔43の頂部には窒素ガスを排気する排気管55が接続されている。
【0031】
上記貯溜槽49は、上記脱酸素塔43の下部に接続され、上記脱酸素塔43内を流下する原水を貯留する。窒素ガス供給管47から導入された窒素ガスは、貯溜槽49内の水面上空間49aに充填されて上昇し脱酸素塔43の気液接触部41に供給される。すなわち、窒素ガス供給管47や貯溜槽49内の水面上空間49aは、窒素ガス供給装置46から供給される窒素ガスを脱酸素塔43の気液接触部41より下方に供給する不活性ガス供給路としての役割を果たす。
【0032】
上記貯溜槽49の底部には、貯溜槽49内の原水を外部に排水する排水管67が接続されている。排水管67には、当該排水管67を開閉し外部への原水の排水を開閉制御する排水管開閉弁69が設けられている。
【0033】
上記原水供給管45には、貯溜槽49内に貯留された原水の水位に応じて当該原水供給管45を開閉し脱酸素塔43内への原水の導入を開閉制御するボールタップと連動した供給管開閉弁71が設けられている。例えば、上記貯溜槽49内に貯留された原水の液面が下がれば、ボールタップにより供給管開閉弁71が開状態になり、原水が原水供給管45から脱酸素塔43内へ導入され、液面が上がれば、ボールタップにより供給管開閉弁71が閉状態になり、原水供給管45から脱酸素塔43内への原水の導入が停止するようになっている。このため、原水は、導出された処理水の量と略同じ量が原水供給管45から供給されるようになっている。
【0034】
上記窒素ガス供給管47には、当該窒素ガス供給管47を開閉し窒素ガス供給装置46から貯溜槽49内への窒素ガスの導入を開閉制御するガス管開閉弁73と、窒素ガス供給管47の窒素ガスの流量を計測する窒素ガス流量計75とが設けられている。
【0035】
上記導出管51には、当該導出管51を開閉し冷却水配管21への処理水の導出を開閉制御する導出管開閉弁76と、導出管51の処理水の流量を計測する処理水流量計77と、逆方向(貯溜槽49方向)への流れを制限する逆止弁78とが設けられている。上記逆止弁78は、導出管51の導出口近傍に設けられている。
【0036】
上記還流管53には、当該還流管53を開閉し上記脱酸素塔43内への原水(ここでは、循環水)の導入を開閉制御する還流管開閉弁79と、還流管53の循環水の流量を計測する循環水流量計81とが設けられている。
【0037】
上記導出管51から分岐した分岐管51aには、当該分岐管51aを開閉し導出管51への水の導入を開閉制御する分岐管開閉弁83と、分岐管51aの原水中の溶存酸素濃度値(DO値)を計測するDOセンサ85とが設けられている。上記導出管51から分岐した分岐管51aは、導出管51のうち処理水流量計77の下流側に接続されている。
【0038】
本実施例では、上記還流管53により上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方に導入する循環水の流量と、上記導出管51により外部に導出する処理水の流量または上記原水供給管45により供給される原水の流量との比率が上記還流管開閉弁79,導出管開閉弁76,分岐管開閉弁83等の流量制御手段により制御される。
【0039】
具体的には、上記還流管開閉弁79,導出管開閉弁76,分岐管開閉弁83の開閉度合いが予め設定されていることで、上記還流管53により上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方に導入する循環水(循環液)の流量と上記導出管51により外部に導出する処理水の流量の比率と、上記循環水の流量と上記原水供給管45により供給される原水の流量の比率が制御されている。
【0040】
このようにすることにより、上記循環水の流量を、上記処理水または上記供給される液体の流量より多くすることができる。これにより、上記貯溜槽49と上記気液接触部41間において上記外部に導出する処理水の流量よりも多い流量の液体を循環水として循環させることができるため、溶存酸素の濃度が極めて低い処理水を容易に得ることができる。また、上記還流管53による循環水が上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方に導入されるため、上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方において、原水を循環水で十分に希釈して供給することができ、上記貯溜槽49に貯留される原水(貯留水)の溶存酸素の濃度が高まることを防止し、溶存酸素の濃度が極めて低い処理水を得ることができる。
【0041】
また、上記のように、導出される処理水量の所定倍の原水を循環させ、リアクタでの脱酸素処理を繰り返すことにより、複数のリアクタを備えた装置と同様の処理を安価に効率よく行なうことができる。なお、本実施例では、上記還流管開閉弁79,導出管開閉弁76,分岐管開閉弁83の開閉度合いは、予め設定されているが、DOセンサ85の計測結果に基づいて制御されてもよい。すなわち、DOセンサ85も流量制御手段として機能し、上記還流管開閉弁79,導出管開閉弁76,分岐管開閉弁83は、DOセンサ85の計測結果に基づいて、それぞれ開閉度合いを制御するようにしてもよい。例えば、DOセンサ85の計測結果としてDO値が高い場合には、上記還流管開閉弁79の開閉度合いを大きくする、または/および導出管開閉弁76や分岐管開閉弁83の開閉度合いを小さくするようにしてもよい。一方、DOセンサ85の計測結果としてDO値が低い場合には、上記還流管開閉弁79の開閉度合いを小さくする、または/および導出管開閉弁76や分岐管開閉弁83の開閉度合いを大きくするようにしてもよい。また、DO値が高いか低いかの判別は、DO値が所定の閾値より高いか低いかにより行なってもよい。この場合、DOセンサ85の計測結果としてDO値が所定の閾値より高い場合には、上記還流管開閉弁79の開閉度合いを大きくする、または/および導出管開閉弁76や分岐管開閉弁83の開閉度合いを小さくするようにしてもよい。一方、DOセンサ85の計測結果としてDO値が所定の閾値より低い場合には、上記還流管開閉弁79の開閉度合いを小さくする、または/および導出管開閉弁76や分岐管開閉弁83の開閉度合いを大きくするようにしてもよい。上記還流管開閉弁79,導出管開閉弁76,分岐管開閉弁83の開閉度合いの制御は、上記還流管開閉弁79,導出管開閉弁76,分岐管開閉弁83自体がDOセンサ85の計測結果に基づいて行なってもよいし、開閉度合いの制御機能を持たせたDOセンサ85が行なってもよい。このようにすることにより、DO値が高い場合には、上記貯溜槽49と上記気液接触部41間で循環させる循環水量を多くし、気液接触させる頻度を向上させ循環中の溶存酸素の濃度をさらに低下させることができる。一方、DO値が低い場合には、上記貯溜槽49と上記気液接触部41間で循環させる循環水量を少なくし、気液接触させる頻度を少なくして溶存酸素の濃度をある程度低下させることができる。これにより、処理水の水質を自動的に安定させることができる。
【0042】
ここで、図3を参照して、上記窒素ガス供給装置46について説明する。
【0043】
上記窒素ガス供給装置46は、PSA(Pressure Swing Adsorption)方式を用いて、所定量の原料空気から所定の窒素収率で窒素ガスを抽出し、窒素ガス供給管47を介して貯溜槽49内に所定量の窒素ガスを供給するようになっている。上記窒素ガス供給装置46は、連続的に窒素ガスを供給するために所定容量(PSA容量)の第1吸着塔101と第2吸着塔103の2つの吸着塔を有し、これらの吸着塔を切り替えて運転するようになっている。
【0044】
上記窒素ガス供給装置46の第1吸着塔101内と第2吸着塔103内には、主として酸素を吸着する吸着剤が封入されている。上記吸着剤は、吸着塔内の圧力を高くすると酸素を吸着し、圧力を下げると吸着した酸素を放出するようになっている。
【0045】
図3(A)は、上記第1吸着塔101から所定量の窒素ガスを供給し、第2吸着塔103から所定量の酸素ガスを排出している窒素ガス供給装置46を示し、図3(B)は、上記第2吸着塔103から所定量の窒素ガスを供給し、第1吸着塔101から所定量の酸素ガスを排出している窒素ガス供給装置46を示している。
【0046】
図3(A)に示す窒素ガス供給装置46は、高圧の第1吸着塔101に所定量の原料空気を導入し、第1吸着塔101で原料空気から酸素を吸着することで窒素ガスを抽出し、その窒素ガスを供給口から窒素ガス供給管47を介して貯溜槽49内に供給している。この間、上記抽出された窒素ガスのうちの所定量を低圧の第2吸着塔103に導入し、第2吸着塔103から所定量の酸素を含む酸素ガスを排出口から排出している(逆流パージ)。なお、図示のように、窒素ガス供給装置46には、原料空気,窒素ガス,酸素ガスが流通する流通路、これらの流通路を制御する複数の開閉弁はそれぞれ必要に応じて流通方向を切り替えるよう流通路を開閉するようになっている。
【0047】
図3(B)に示すように、第1吸着塔101の吸着材が酸素で飽和する前に、窒素ガス供給装置46は、第2吸着塔103内を高圧に切り替えるとともに、第1吸着塔101内を低圧に切り替える。そして、高圧の第2吸着塔103に所定量の原料空気を導入し、第2吸着塔103により原料空気から酸素を吸着することで窒素ガスを抽出し、その窒素ガスを供給口から窒素ガス供給管47を介して貯溜槽49内に供給している。この間、上記抽出された窒素ガスのうちの所定量を低圧の第1吸着塔101に導入し、第1吸着塔101から所定量の酸素を含む酸素ガスを排出口から排出している。
【0048】
このように、窒素ガス供給装置46は、連続的に所定量の窒素ガスを窒素ガス供給管47を介して貯溜槽49内に供給するようになっている。
【0049】
なお、上記実施例では、上記窒素ガス供給装置として、PSA方式の窒素ガス供給装置46を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば膜分離式の窒素ガス供給装置を採用してもよい。
【0050】
上記膜分離式の窒素ガス供給装置は、気体の膜透過速度の違いを利用して、原料空気中の窒素ガスを分離・発生するようになっている。ガスが膜を透過する速度が気体分子の膜に対する溶解性と拡散性等により決まるため、透過速度の早い酸素等が膜外部に排出され、透過速度の遅い窒素が供給されるようになっている。
【0051】
上記膜分離式の窒素ガス供給装置を採用することにより、窒素ガスを安定して供給、操作が簡単、振動部がなく騒音振動が少ないとともに、装置構成が簡易、設置スペースが小さい、メンテナンスフリー、高圧ガス保安法に規制を受けない等の効果を奏する。
【0052】
また、窒素ガス供給装置46として窒素ガスを収容する窒素ガスボンベを採用してもよい。
【0053】
つぎに、図4を参照して、上記気液接触部41について説明する。
【0054】
図示のように、本実施例の気液接触部41は、多数の孔111を設けた複数枚の右捻り羽根113を有するミキシングエレメント115(図4(A))と多数の孔111を設けた複数枚の左捻り羽根117を有するミキシングエレメント119(図4(B))を交互に上下に配置した静止型混合器(リアクタ)を用いている。ミキシングエレメント115,119は、孔111を多数穿孔した右捻り羽根113または左捻り羽根117を複数枚(例えば、6枚)組み合わせて6個の原水通路に仕切ったものである。原水と窒素ガスは、複数個のミキシングエレメント115,119を通過する間に、右捻り羽根113および左捻り羽根117による右および左方向の回転および分割、合流、反転、剪断応用作用を連続的に繰り返しながら、各羽根113,117を穿孔した孔111を通過して微細気泡となって原水中を上昇する窒素ガスと接触、攪拌、混合し、原水中の溶存酸素は窒素ガス中に移行する。また、原水は、多数の孔111、右捻り羽根113、左捻り羽根117により微細水滴となることで、窒素ガスとの接触面積が飛躍的に増大する。また、水滴が小さくなることで水の中の酸素の移動距離が短くなる。これにより、短時間でかつ少量の窒素ガスで脱酸素が可能となる。
【0055】
また、上記リアクタは、処理水量ではなく、循環水量にあわせて選定することができるため、従来の既存のサイズのものを使用することができる。
【0056】
なお、上記気液接触部41は、静止型混合器として、ミキシングエレメント115,119を2個配置したものに限定されるものではなく、1個、3個、4個等の任意個数配置された構造であってもよい。
【0057】
図5に示すように、上記脱酸素塔43上部には、原水供給管45と連通する第1エジェクター121と、第1エジェクター121を介して供給された原水を受けるオーバーフロー槽123と、上記気液接触部41の上面から所定のバッファ空間124を隔てて浮床状に設けられた気液分離板125とが設けられている。
【0058】
上記第1エジェクター121は、原水供給管45の原水供給口と連通し、上記原水供給管45により上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方に供給される原水と上記窒素ガスとを気液接触させるようになっている。
【0059】
より詳しく説明すると、上記第1エジェクター121は、内部に細い原水流路が形成され、当該原水流路により原水供給管45からの原水の流速を増大させて内部空間を減圧させ、周囲に充満している窒素ガスを吸引するようになっている。これにより、原水供給管45からの原水と窒素ガスとを気液接触させ脱酸素処理するようになっている。
【0060】
このようにすることにより、上記気液接触部41で上記原水から溶存酸素を除去する前に、上記第1エジェクター121で上記原水の溶存酸素の濃度を効果的に低下させることができる。したがって、上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方において上記原水供給管45により供給される原水と上記還流管53により導入される原水が混ざることにより、溶存酸素の濃度が上がりすぎてしまうということを防止することができる。また、エジェクターを用いるため上記原水の流量が少ないときでも当該原水の溶存酸素の濃度を効果的に低下させることができる。
【0061】
上記オーバーフロー槽123は、上記気液分離板125上に配置され、上記第1エジェクター121から噴射された原水を受けるようになっている。このように、オーバーフロー槽123を設け、上記第1エジェクター121から噴射された原水を受けて一時貯留することで、一時貯留された原水から、上記第1エジェクター121により原水中に混入し原水中の溶存酸素と結びついた微細気泡の窒素ガスを抜くことができる。このようにして、オーバーフロー槽123では、原水中から微細気泡の窒素ガス(酸素を含む)を分離することができる。
【0062】
上記気液分離板125には、オーバーフロー槽123の上部開口縁から溢れた原水を下方の気液接触部41に原水を流下させる貫通孔125aが形成されている。また、気液分離板125には、その下方から上昇する窒素ガスの流路である窒素ガス流路パイプ125bが設けられている。窒素ガス流路パイプ125bは、オーバーフロー槽123の上部開口縁から溢れた原水が通らないようオーバーフロー槽123の上部開口縁より高い位置まで延びている。
【0063】
上記原水供給管45から供給された原水は、第1エジェクター121で脱酸素処理され、気液分離板125で一端気液分離された後、貯留槽49と気液接触部41間で循環する循環水と合流する。より詳しく説明すると、気液分離板125は、脱酸素塔43の内径と同径の円盤状に形成されている。貫通孔125aは、窒素ガス流路パイプ125bの周辺に原水量に応じて上記気液分離板125上に所定の深さ、例えば50mmの深さに水が一時貯留されるよう孔径が調整されるとともに、所定数(図示では2個)設け、上記気液分離板125上に水を一時貯留するための一時貯留部126が形成されている。すなわち、一時貯留部126は、気液分離板125、貫通孔125a、脱酸素塔43の内側面等から構成されている。そして、原水中に混入し原水中の溶存酸素と結びついた微細気泡の窒素ガスをさらに分離した後、当該窒素ガスが抜けた原水を順次、貫通孔125aを介して下部のバッファ空間124に流下させる構造となっている。これにより、バッファ空間124内の気液接触部41に、微細気泡の窒素ガス(酸素を含む)が分離し溶存酸素濃度をある程度低下させた原水を供給することができる。
【0064】
図6は、本装置に原水と窒素ガスを同時に流し始めてから5分経過後の実験データを示す。
【0065】
図では、処理水流量計77の計測結果である処理水の流量(m/h)を示す「処理水量」、循環水流量計81の計測結果である循環水の流量(m/h)を示す「循環水量」、窒素ガス流量計75の計測結果である窒素ガスの流量(m/h)を示す「窒素流量」、原水の温度(℃)を示す「水温」、原水のDO値(mg/l)を示す「処理前」、処理水のDO値(mg/l)を示す「処理後」、処理水量に対する窒素の量を示す「気液比」、エジェクターの有無を示す「エジェクター有無」、気液分離板125の有無を示す「気液分離有無」を示す。
【0066】
図では、大きく区分して、「処理水量」が0.3(m/h)の場合のデータと、0.5(m/h)の場合のデータを示している。
【0067】
実験データから循環水の流量を多くすると、溶存酸素の除去率が高くなることがわかった。また、第1エジェクター121や気液分離板125を設けた方が溶存酸素の除去率が高く、処理水/循環水の比率(循環比)を0.1(1:10)程度にすることで処理水のDO値を0.5程度に低下させることができることがわかった。
【0068】
このように、上記貯溜槽49に貯溜された原水のうち一部を上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方に導入して還流させることで、上記原水を上記貯溜槽49と上記気液接触部41間で循環させることができ、気液接触させる頻度を向上させることができるため、当該原水中の溶存酸素の濃度を効率よく低下させ、溶存酸素の濃度が極めて低い原水を処理水として得ることができる。また、例えばリアクタの段数を少なくする等、構造を簡素化しても、十分な溶存酸素除去性能を確保することができるため、本装置を小型化することができ、本装置の設備コストやランニングコストを抑えることができる。また、本装置は小型化できるため、供給される原水の流量が少ない用途に対しても適用が可能になる。
【0069】
このようにして、水熱源空調システムにおいて、開放系である冷却水循環系の冷却水中の溶存酸素や、密閉系である冷水循環系の冷水中の溶存酸素を効果的に除去することができ、各配管の腐食等が防止される。
【0070】
なお、上記脱酸素塔43内に還流管53の導入口と連通し、上述の第1エジェクター121と同様な構成の第2エジェクターを設け、上記還流管53により上記脱酸素塔43の気液接触部41より上方に導入される還流水と上記窒素ガスとを気液接触させるようにしてもよい。このようにすることにより、上記第2エジェクターで前述の還流路により導入される液体中の溶存酸素の濃度をさらに低下させることができる。また、エジェクターを用いるため、上記還流路により導入される液体の流量が少ないときでも当該液体の溶存酸素の濃度を効果的に低下させることができる。
【0071】
また、前述のエジェクターに代えてシャワーノズル等を採用してもよい。原水の供給量が循環水の循環量に比べて少ない場合であっても、原水処理部では気液比を0.5〜1程度と高くとることができる。また、圧力損失の高い規則充填物であっても使用することができる。さらに、インジェクタ、ラシヒリング等の簡易的な気液接触システムでも溶存酸素を除去することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、例えばボイラ給水、飲料水製造用、食品製造用、半導体超純水製造用あるいは各種試験研究用等に用いる液体中の溶存酸素を除去する用途に用いることができ、大規模なシステムに用いる場合だけでなく、小規模なシステムに用いる場合であっても好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の溶存酸素除去装置の一実施例を示す図である。
【図2】溶存酸素除去装置の構成を示す図である。
【図3】窒素ガス供給装置を示す図である。
【図4】ミキシングエレメントを示す図である。
【図5】脱酸素塔の上部を示す図である。
【図6】実験データを示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 溶存酸素除去装置
3 空調機
11 ガス管
13 圧縮機
15 熱交換器
17 膨張機
21 冷却水配管
23 冷却塔
25 配管開閉弁
27 冷却塔側循環ポンプ
33 空調機側冷温水配管
35 空調機側開閉弁
37 空調機側循環ポンプ
41 気液接触部
43 脱酸素塔
45 原水供給管
46 窒素ガス供給装置
47 窒素ガス供給管
49 貯溜槽
49a 水面上空間
51 導出管
51a 分岐管
53 還流管
54 送水ポンプ
55 排気管
67 排水管
69 排水管開閉弁
71 供給管開閉弁
73 ガス管開閉弁
75 窒素ガス流量計
76 導出管開閉弁
77 処理水流量計
78 逆止弁
79 還流管開閉弁
81 循環水流量計
83 分岐管開閉弁
85 DOセンサ
101 第1吸着塔
103 第2吸着塔
111 孔
113 右捻り羽根
115 ミキシングエレメント
117 左捻り羽根
119 ミキシングエレメント
121 第1エジェクター
123 オーバーフロー槽
124 バッファ空間
125 気液分離板
125a 貫通孔
125b 窒素ガス流路パイプ
126 一時貯留部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の液体と不活性ガスとを気液接触させて上記液体中の溶存酸素を除去する気液接触部を有する脱酸素塔と、
上記液体を脱酸素塔の気液接触部より上方に供給する液体供給路と、
上記不活性ガスを脱酸素塔の気液接触部より下方に供給する不活性ガス供給路と、
上記脱酸素塔の気液接触部により不活性ガスと気液接触した液体を貯溜する貯溜槽と、
上記貯溜槽に貯溜された液体のうち一部を処理液として外部に導出する導出路と、
上記貯溜槽に貯溜された液体のうち一部を上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入して還流させる還流路とを備えたことを特徴とする液体中の溶存酸素除去装置。
【請求項2】
上記還流路により上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入する液体の流量と、上記導出路により外部に導出する液体の流量または上記液体供給路により供給される液体の流量との比率を制御する流量制御手段を備えた請求項1記載の液体中の溶存酸素除去装置。
【請求項3】
上記液体供給路と連通する第1エジェクターを備え、
上記第1エジェクターは、上記液体供給路により上記脱酸素塔の気液接触部より上方に供給される液体と上記不活性ガスとを気液接触させる請求項1または2記載の液体中の溶存酸素除去装置。
【請求項4】
上記還流路と連通する第2エジェクターを備え、
上記第2エジェクターは、上記還流路により上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入される液体と上記不活性ガスとを気液接触させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体中の溶存酸素除去装置。
【請求項5】
処理対象の液体と不活性ガスとを気液接触させて上記液体中の溶存酸素を除去する気液接触部を有する脱酸素塔の気液接触部より上方に上記液体を供給し、
上記脱酸素塔の気液接触部より下方に上記不活性ガスを供給し、
上記脱酸素塔の気液接触部により不活性ガスと気液接触した液体を所定の貯溜槽に貯溜し、
上記貯溜槽に貯溜された液体のうち一部を処理液として外部に導出し、
上記貯溜槽に貯溜された液体のうち一部を上記脱酸素塔の気液接触部より上方に導入して還流させることを特徴とする液体中の溶存酸素除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−136756(P2006−136756A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325920(P2004−325920)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(502450631)エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社 (6)
【Fターム(参考)】