説明

液体供給装置

使用者が望む液体の供給のための供給装置が開示される。前記装置は開口部を有するカバーと、該カバーと連結された供給アセンブリと、を含む。前記供給アセンブリは液体を貯蔵する貯蔵容器と、貯蔵容器から液体を汲み上げ、カバー内に備えられたノズルを通して供給する液体移送機構と、を含む。ノズルは供給位置では開口部と一直線上に配置され、保管位置では開口部の延長線上から外れて配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポータブル液体供給装置に関するものである。特に、非使用時には隠れているがオーラルケア製品等の液体をスプレーしたいときに露出できる、隠しノズルを備えている供給装置に関する。この液体供給装置にはオプションとしてキーホルダをつけることもできる。
【背景技術】
【0002】
ポータブル液体供給装置は、消費者に切望されている製品である。本装置は、口臭消臭剤のようなオーラルケア製品や、催涙剤(例えばメース、ペッパースプレー等)、日焼け用ローションのような個人用製品、氷結防止剤などを含む、以上に限定されないスプレー用液体を供給するのに用いることができる。このような装置はポケットや財布等に入れて持ち運ぶことができる。
【0003】
ポータブル液体供給装置がポケットや財布の中にある時などに、いきなり、あるいは図らずも液体が出てしまっては、装置は不都合であろう。この問題に対する1つの対策として、装置のノズルにロック機構を備え付ける方法がある。ロック機構は、ロックされた場合は、ポンプアセンブリ(ノズルから液体を放出するために使用される)への予期しない接触を防ぐ。ところが、そのような装置が液体の望まれない流出を防ぐ一方で、消費者はこのロック機構は操作が難しいと思ったり、液体供給装置を使わない間にロック機構を作動させるのを忘れてしまったりするであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに対して、強く望まれることは、オーラルケア製品、口臭防止剤のようなオーラルケア製品、防犯スプレー剤(催涙剤、ペッパースプレー等)、日焼け防止ローションのような個人的な製品や氷結防止剤等のような液体を選択的にスプレーできるアセンブリを備えた液体供給装置を供給することであって、予期しない液体の噴出を防ぐための取り付け容易な機構の供給である。そのような装置は、顧客のためのさらなる利便性を備え、口腔消臭剤のような液体製品についても、簡単に利用でき、欠点や予期しない液体漏れのない便利な方法での使用を可能にする。
【0005】
使用者が液体が供給される時期を完全にコントロールするために、予期しない液体漏れから保護されている液体供給アセンブリを備えた液体供給装置を提供することは、さらに有利である。
【0006】
鍵やその他の携帯物を保持するためのアセンブリを備えた液体供給装置を提供することもまた強く望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一般的に、すばやく簡単に液体の供給を行うことができ(すなわち供給モード)、それにもかかわらず不使用時の予期しない液体漏れを防止する(すなわち、非供給または保存モード)、携帯用の液体供給装置を対象としている。供給モード及び非供給モードの切り替え操作は、ロック機構の操作が難しくないので使用者が容易に行うことができる。本装置は、スプレーしたり、持ち歩いたり、噴霧したりすることで、多くの種類の物質の供給に使用されると思われる。物質には、オーラルケア製品、口腔消臭剤のようなオーラルケア製品、防犯スプレー剤(催涙剤、ペッパースプレー等)、日焼け防止ローション、局所の軟膏または液剤のような個人的な製品(スキンケア製品、ローション、局所鎮痛剤、肌荒れ防止剤、かゆみ止め製剤等)や氷結防止剤等が含まれる。本装置は、また、パウダー、気管支吸入剤等のその他の物質の供給にも使用されると思われる。このような装置は、ポケットや財布等に入れて持ち運ぶことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下の図面は、本発明の例示的な実施形態の説明のためのものであり、本出願のクレームで形成された部分により包含され、明確化される本発明を限定するものではない。
【0009】
図面、特に図1、2に示すように、携帯用液体供給装置2は、上部ハウジング6と下部ハウジング8を有するハウジング4を含んでいる。以下に図3で説明するようにハウジング4には液体供給アセンブリ20が含まれる。
【0010】
液体供給防止装置10は、図5A,5Bに示すトラック14内を移動可能な液漏れ防止シールド12(または、パネル、メンバー、プラグ、透明シート)を含んでいる。前記液体供給防止装置10はその一端に、上記液体供給アセンブリ20の対応するノズル開口部と一直線上に配置される開口部16を有する。
【0011】
図5Bに示すように、液漏れ防止シールド12は、一対のランナー13(例えば突起部、メンバー、伸筋)を有しており、ランナー13は、図5Aに示すトラック14の対応する引き伸ばされた一対のチャンネル15内で、図1(開口部16を露出している)に示す位置から図2(開口部16を覆っている)に示す位置まで移動可能である。図1に示す位置で液体供給アセンブリは使用者によって活性化され、液体は開口部16を通って噴射され使用される。液漏れ防止シールド12が図2に示す位置にあるとき、液漏れ防止シールド12の底面が開口部16を覆って、図4に示すように液体の噴出を防ぐため、液体は噴射されない。
【0012】
図4については、液漏れ防止シールド12は、図2に示す位置と同じ位置にある。液漏れ防止シールド12の底面40は一部が盛り上がって、開口部16と一直線上に配列し得る突出部42を形成する。突出部42は開口部16(図4には示されていない)を覆って、液体漏れを防止する。液漏れ防止シールド12が開口部16の中心線上から移動したとき、突出部42は開口部16との接触部から移動し、使用者がポンプ機構を活性化させたときに液体を供給可能とする。
【0013】
図3に示すように、液体供給アセンブリ20は、液体貯蔵容器22、ノズル25、ノズル25から液体貯蔵容器22の中まで(図のように)延長されている導管26を含む。ノズル25は、液体がポンプ機構24からスプレーされるための開口部28を有する。
【0014】
アクチュエータ30からポンプ機構24への圧力を利用して、液体は液体貯蔵容器22からノズル25へ移動する。アクチュエータ30は、使用者がハウジング上部6を押し下げることで、ノズル25と接触状態に置かれる。アクチュエータは、圧力を開放して、バネ部品31や他の適当な装置がアクチュエータ30を元の位置に戻るのを促すことでノズル25との接触状態から外れる。ポンプ機構24に加えられた圧力により、液体は導管26を通って、開口部28から出て、ハウジング4の開口部16へと上昇する。図3に示すようなタイプの容器から液体を汲み出すための液体供給アセンブリが知られている。
【0015】
好ましい実施形態によれば、液体供給アセンブリ20の前部には、液漏れ防止シールド12が備えられており、開口部16を覆う(そしてノズル25の開口部28を遮蔽する)位置に移動可能である。液漏れ防止シールドの動きは対応するチャンネル15の内部を摺動するランナー13により容易化される。一端液漏れ防止シールド12が開口部16を覆えば、液体の予期しない噴出は防止される。
【0016】
再び図1、2の特に図1によれば、ハウジング上部6には、開口部16がポンプ機構24の開口部28の位置に合わせて備えられている。液漏れ防止シールド12は図1に示される第一の位置から図2に示される第二の位置まで移動可能である。第一の位置では、開口部1が露出しており、液体は、ポンプ機構24の開口部28を通って噴射され、ハウジング上部6の開口部6を通って外に出ることができる。第二の位置では液体が開口部16を通って噴射されないように開口部16は液漏れ防止シールド12により遮蔽される。液体供給アセンブリの使用者は、液漏れ防止シールド12を図2に示される位置に合わせることで、液体の噴射を防ぐことができる。液体を噴射したいときは、使用者はグリップ面44に圧力をかけて液漏れ防止シールドを図1に示される位置に移動させることで、液体貯蔵容器22から開口部28及び開口部16を通る液体の噴射のための障害物のない通過経路を提供すればよい。図4に示される好適な実施形態においては、液漏れ防止シールド12には、液漏れ防止シールド12と使用者の指の間の接触をより良くするために、隆起46の付いたグリップ面44が備わっている。
【0017】
液体貯蔵容器22は液体を貯蔵する。容器22は、液体供給装置内部にずっと入れておく形式とすることもできるし、必要であれば、ハウジング下部8から充填あるいは交換のために取り外し可能とすることもできる。
【0018】
さらに別の実施形態においては、液体供給装置は、使用者が液体供給装置をベルト、ベルト留め、ズボンのポケット、キーチェーン、キーリング、クリップその他やこれらの相当品に取り付けることを可能にするクリップ、フックまたはここで参照として取り込まれている米国特許No.6,527,434に開示されているような類似のものを備えていても良い。図2に示されるように、ハウジング下部8には、ベルトや他のキーチェーンその他に固定できるフック19が備わっている。これにより、使用者はポケットや財布よりも利用し易い方法で液体供給装置を持ち運ぶことができる。
【0019】
液体供給装置は、可逆的に固定できる1つあるいは複数の鍵やその他の携帯用物品のためのキーホルダを備えてもよい。図2に特に示されるように、キーホルダ50は、ハウジング上部6にあるが、容易にハウジング下部8と結合させることができる。液体供給アセンブリがハウジング上部6と結合されれば、その代わりにキーホルダをハウジング下部8と結合させることができることが理解できるであろう。
【0020】
キーホルダ50は、ハウジング上部6の開口部52を通して液体供給装置2に取り外し可能に取り付けられる。キーホルダ50は、金属またはプラスチックの輪であってもよいし、ソフトプラスチック、布、ゴムのような材料その他のフレキシブルだが丈夫な材料から作られたものでもよい。
【0021】
キーホルダ50は、典型的には図2に示すようにキーホルダ50を鍵56の開口部54に通すことで、鍵やその他の携帯用物品を保持することができる。鍵56のキーホルダ50への取り付けは、そのためにキーホルダ50の2点を可逆的に分割できるスリット58を通すことで行うことができる。スリット58によって、キーホルダの分割部が可逆的に形成されているので、使用者は、本液体供給装置をベルトやベルト留めその他にもキーホルダで取り付けることもできる。
【0022】
本発明の別の実施形態によれば、ノズルが適正な位置に来るまでノズルからの液体漏れを防ぐハウジング内の液漏れ防止シールドまたは液漏れ防止構造によって、予期しない液体漏れが防止される。図6A、6Bに示すように、液体供給装置102はハウジング上部104と、ハウジング下部106を有している。ハウジング上部104には領域108が備えられている。アクチュエータアセンブリ130(図7参照)の液漏れ防止シールド部110が移動して領域108を外れると、開口部112が露出され、該開口部112を通って、装置内に貯蔵されていた液体が以下に説明するように供給される。
【0023】
液体供給アセンブリは、ハウジング下部106に備えられ、図1〜5に示す実施形態との関係で説明したものと同じような構造の組み立て部品を含んでいる。図7に示すように、液体供給アセンブリ114は、液体貯蔵容器116と、ノズル125と該ノズル125から液体貯蔵容器122に伸びる導管126を含むポンプ機構124と、から構成される。ノズル125は、液体貯蔵容器122から導管126を通って液体供給装置から液体が噴射されるようにする開口部128を有する。
【0024】
液体貯蔵容器122からの液体は、アクチュエータアセンブリ130を介したポンプ機構124の圧力を利用して、ノズル125内に導かれる。アクチュエータアセンブリ130は、使用者が作動させる面138を下に押すことで、ノズル125と接触状態に置かれ、下向きの圧力を解くことで、アクチュエータアセンブリ130と接触状態から外れて、バネ部品131がアクチュエータアセンブリ130を図8A〜8Cとの関係で説明する元の非供給モード位置へと促すことを可能にする。
【0025】
アクチュエータアセンブリ130は、ポンプ機構124を活性化させて液体を液体貯蔵容器122から汲み出すだけでなく、予期しない液体漏れに対する液漏れ防止シールドを装備している。
【0026】
図7に示すように、アクチュエータアセンブリ130は、ポンプ作動アセンブリ132と液漏れ防止シールドアセンブリ134からなる。ポンプ作動アセンブリ132は、図6Aに示すように、使用者が操作できる使用者作動面138を含む上端136を有する。面138から離れた下端140は、符号141で識別されるポンプ機構の接触部品を通して可逆的にポンプ機構124と接触する。
【0027】
液漏れ防止シールドアセンブリ134は、ノズル125の開口部128や、領域108(図6A、6B参照)の開口部112と一直線上に配置される開口部144を有する前面142を有しており、開口部144、開口部128及び開口部112が一直線上に並んだとき液体供給装置は液体供給モードとなり、液体がそこから供給される。
【0028】
液漏れ防止シールドアセンブリ134は、ポンプ作動アセンブリ132と作動可能に結合されており、使用者が作動面138を下向きに押すと、呼応して作動する。したがって、液体供給アセンブリは、アクチュエータアセンブリ130、特に、ポンプ機構124を活性化させるために下向きに動く面138からの圧力を利用して作動する。同時に、液漏れ防止シールドアセンブリ134は、開口部128と、領域108の開口部112が液体の供給のためのクリアパスを供給するまで作動する。
【0029】
使用者が面138にかけていた圧力を開放すると、ポンプ作動アセンブリ132と液漏れ防止シールドアセンブリ134は、ともに自動的に液体供給モードから外される。これは、図1〜5の実施形態との関係で説明したように、また、図8A及び8Cに示すように、バネ部品144の働きによる。図8Aでは、アクチュエータアセンブリ130は、面138が使用者によって押し下げられていない非供給モードになっている。バネ部品144は、ポンプ機構124とポンプ作動アセンブリ132との間に、自然長であるいは圧縮されない状態で位置している。使用者が面138に圧力を加えると、バネ部品144は図8B、及び8Cに示すように圧縮され、そして、その後、図8Cに示すように同様に加圧された液体を液体貯蔵容器122からノズル125を通って流すために、ポンプ作動アセンブリ132がポンプ機構124に接触する。使用者が面138から圧力を解放すると、バネ部品144の上向きの応力により、ポンプ作動アセンブリ132は上昇して、ポンプ機構124から離れる。
【0030】
図1〜5Bの実施形態に関しては、図6A、6Bの液体供給装置は、特に図6Aに示すようなキーホルダを装備することができる。キーホルダ50は、アクチュエータアセンブリ130の面138へのアクセスを提供する開口部150、あるいは、符号152によって識別されるハウジング上部の独立した開口部で保持することができる。
【0031】
図9〜16に、供給装置300の一つの例示的な実施形態を示す。供給装置300は、スプレーや噴出といった使い方ができ、また、液体や粉末等の物質の供給に使用することができる。装置300によって供給することができる液体には、口腔ケア製品、口臭防止剤、防犯スプレー剤(催涙剤、ペッパースプレー等)、氷結防止剤や、日焼け防止ローション、局所の軟膏、スキンケア製品、ジェル、ローション、局所鎮痛剤、肌荒れ防止剤、かゆみ止め製剤等といった個人的な製品が含まれる。気管支吸入剤のような粉末もまた供給することができる。議論や例示の目的で、スプレー用液体が装置300から供給される物質の例として使われるであろう。しかしながら、それらの例示品に限定されるものではない。使用できる物質の制限として説明されるべきではない。装置300はポケットや財布に入れて持ち運ぶことができ、また、キーチェーンやキーチェーンの飾りとしても用いることができる。
【0032】
図9及び9Aに示すように、装置300はカバー310(ハウジングまたは覆いであってもよい)と、スプレー溶液体の供給アセンブリ330とから成る。カバー310は、使用者が装置300内に貯蔵された液体をスプレーするために、供給アセンブリ330を例えばボタンを押すことで活性化させる領域を形成する。カバー310は、また、液体の予期しない噴射に対する防護壁を提供する。カバー310は、使用者が指をカバー310の範囲または内部に入れない限り、また、供給アセンブリ330を活性化させない限り物質が供給されないような、ボタンの上の防護カバーまたは防具を形成する。そのような構造は、財布やポケット等の中で保管されている際に、バンピング装置300が引き起こすかもしれない予期しない、あるいは望まない液体の噴出を防ぐのに有利である。
【0033】
図9Aを参照すると、装置300はカバー310と、供給アセンブリ330から成る。供給アセンブリ330は、カラー340(リング、保持器等であってもよい)、ボタン350(作動器、引き金等であってもよい)、ポンプ380(スプレーアセンブリ、供給装置等であってもよい)、容器390(貯蔵器、ボトル等であってもよい)から成る。
【0034】
図10ないし10Cに示すように、カバー310は、前面壁312、後面壁314、上部316を含む。カバー310は供給アセンブリ330部分をカバー310に合わせて差し込むための開放された底部を有する。特に好適な実施形態によれば、カバー310は、注入成型されたポリプロピレンのようなプラスチックで一体的に構成される。
【0035】
開口部318は、前面壁312に備えられている。特に好適な実施形態によれば、カバー310は引き伸ばされた楕円形状である。特に好適な実施形態によれば、開口部は幅約3.1mm(1/8インチ)、長さ約9.4mm(3/8インチ)である。代替的な実施形態として、開口部は、長方形、円形、三角形、ひし形等の形状であってもよい。
【0036】
上部316はアーチ状に曲げられたカバー310の部材または部分である。部分316はカバー310を貫く開口部320を形成する。特に好適な実施形態によれば、開口部320は実質的に円形である。代替的な実施形態として、開口部は長方形、円形、三角形、ひし形等の形状であってもよい。
【0037】
図10に示すように、典型的な実施例によれば、開口部320は前面壁312付近でサイズが小さく、後面壁314付近でサイズが大きい。特に好適な実施形態によれば、開口部320は前面壁312付近で直径約23.8mm(15/16インチ)であり、後面壁314付近で引き伸ばされたあるいは楕円形の形状であり、短径約23.8mm(15/16インチ)であり、長径約27.0mm(1−1/16インチ)である。開口部320の縦横異なるサイズのおかげで、使用者は手の中の装置300の方向が以下に説明するような正しい使用方向を向いているかどうかがわかる。
【0038】
図10B及び10Cに示すように、2つの突出部322が、前面壁312と後面壁314のそれぞれに沿って備えられている。また、2つの突出部324が一つは前面壁312に、もう一つは後面壁314に備えられている。突出部322及び324により、カバー310とアセンブリ330との間に結合(スナップフィットのような)が提供される。
【0039】
ここで、図11ないし11Cを参照すると、ボタン350は前面壁352、後面壁354及び上部356で構成される。ボタン350は、ポンプ380部を受け入れるために、開放された底部を有する。開放部358は前面壁352に備えられる。上部356は図11Bに示すテーパの付いた斜面360を含む。典型的な実施形態によれば、面360は後面壁354付近で幅広であり、前面壁352付近で幅狭であるテーパを有する。特に好適な実施形態によれば、面360は後面壁354付近で幅約20.6mm(13/16インチ)、前面壁352付近で幅約15.6mm(5/8インチ)であるテーパを有する。典型的な実施形態によれば、面360は前面壁352付近で高く、後面壁354付近で低く傾斜している。特に好適な実施形態によれば、面360は前面壁352から後面壁354まで約1.6〜3.2mm(1/16〜1/8インチ)傾斜して低くなっている。特に好適な実施形態によれば、ボタン350はポリプロピレンのようなプラスチックを注入成型して一体的に構成されている。典型的な実施形態によれば、ボタン350はカバー310にスライドして入る大きさに作製される。
【0040】
図11B及び11Cに示すように、ボタン350はポンプ380部を受け入れるための円筒状の壁362で形成された開口部を備える。壁362は、2つの向かいあったバネアーム366を形成するスリットまたは爪364を備える。アーム366は該アーム366の端部に突出部368を備える。アーム366はポンプ380のヘッド382と連動あるいは共働する。装置300のアセンブリの中で、アーム366はヘッド382を受け入れるために開口部を広げる動きをする。一端ヘッド382がボタン350の開口部に受け入れられると、アーム366は元の位置に戻り、ポンプ380はヘッド382の底端部に沿った部分でヘッド382と連動する、アーム366及び突出部368のバネ力によって部分的に保持される。以下に説明するように、ポンプ380のノズル384は、開口部358と、そこを通って液体が供給されるように、一直線上に配置される。ボタン350はさらに、ポンプ380との接触点であり、ポンプ380を作動させる点である突出部370を備える。特に好適な実施形態によれば、一つまたは複数のバネ401(図13Aに示す)がボタン350とポンプ380の間に備えられる。
【0041】
ここで、図12ないし図12Bを参照すると、カラー340は、前面壁341、後面壁342及び底部壁343を含む。壁343は2つの向かい合ったアーム345を形成するスリットまたはリリーフ344を備える。アーム345はポンプ380の口金386と連動あるいは共働する。装置300のアセンブリの中で、アーム345は口金386を受け入れるために開口部を広げる動きをする。一端口金386が開口部に受け入れられると、アーム345は元の位置に戻り、ポンプ380は、口金386の底端部に沿った部分で口金386と連動するアーム345によって保持される。カラー340はさらに、カラー340の周囲の本来の部分の全周に備えられた突起346を含む。突起346は、カバー310に備えられた突出部322と連動あるいは共働して、ポンプ380が作動する際のカラー340の動きに抵抗し、あるいは制限を加える。
【0042】
特に好適な実施形態によれば、カラー340はポリプロピレンのようなプラスチックを注入成型して一体的に構成されている。典型的な実施形態によれば、カラー340はカバー310にスライドして入る大きさに作製される。特に好適な実施形態によれば、カラーは、カバー310(ポリプロピレン製)と貯蔵容器390(ポリプロピレンテレフタラテス(PTE)製)との間のより安全で丈夫な接合部分のために備えられる。代替的な実施形態として、カラーは省略されても良いし、カバー単独で、貯蔵容器と共働あるいは取り付けられてもよい。
【0043】
前に戻って図9Aを参照すると、ポンプ380と貯蔵容器390が望まれる液体をスプレーするために備えられている。 特に好適な実施形態によれば、ポンプ380は、髪をカールするための芳香剤ポンプまたは、コネチカット州スタフォードのEmsar Inc.から市販されているポンプナンバー27SL低形状ポンプのような噴霧器である。あるいは、ポンプはピストンタイプのポンプ機構を含んでもよい。ポンプは、貯蔵容器390の中に伸びる浸漬管を通して液体を汲み上げる、ヘッド382を押し込むことで活性化される。液体はノズル384を通って供給される。ポンプ380は貯蔵容器390のネック部に口金386を圧着その他の方法で取り付けることで貯蔵容器390と連結される。
突起部324は貯蔵容器390の上端部の周囲に備えられたリングと連動あるいは共働してもよい。代替的な実施形態として、ポンプは省略されてもよく、あるいは、物質の供給を可能にする、その物質の加圧された小型容器のような別の液体移送機構に置き換えられてもよい。例えば、貯蔵容器は、噴霧器の小型容器や、バルブ操作により貯蔵容器から物質が開放または供給されるような他の加圧された貯蔵容器であってもよい。
【0044】
図13ないし図13Bに装置300の操作方法を示す。図13は、装置300が使用者によって操作されていない最初の保存位置にある状態を示す。この位置では、ボタン350の開口部358はノズル384と一直線上の位置にはない(すなわち、開口部358はノズル384の上部にある)。バネ401はボタン350とヘッド382の間を広げようとする力を与える。さらにまた、開口部358は開口部318に対して一直線上にない。
【0045】
図13Aは、装置300が途中まで操作され、2番目の位置にある状態を示す。使用者は開口部320に指を入れて、ボタン350を押し下げる。バネ401は収縮し、開口部358はノズル384と一直線上に合わさるように移動する。さらに、開口部358開口部318の上部と一直線上に配置される。この段階で、液体がノズル384からボタン350を経てカバー310を出る経路が形成される。しかしながら、ポンプがそれほど活性化されていないと液体は全く供給されない。図13Bに装置300が全部操作されている(あるいは供給している)、3番目の位置にある状態を示す。使用者はボタン350を底まで、あるいは最下限ストローク位置まで押し下げている。この動作はポンプ380を活性化させる。液体は貯蔵容器390から引き出されてノズル384を通って噴射される。液体の噴流は開口部358、開口部318を通り抜け、使用者が望む目標物(例えば使用者の口)に向けて進む。使用者の指による圧力が解放されると、ポンプ380はポンプ内に備えられた(図示しない)バネ及びバネ401によって図13に示す位置に戻る。特に好適な実施形態によれば、使用者は、図13に示す最初の位置から図13Aに示す2番目の位置まで、ボタン350を約2.5〜5.0mm(0.1〜0.2インチ)押し下げ、図13Aに示す2番目の位置から図13Bに示す3番目の位置まで、ボタン350を約2.5〜5.0mm(0.1〜0.2インチ)押し下げる。
【0046】
代替的な実施形態として、ノズルとボタンの開口部はお互いに相手に固定され(すなわち常に一直線上に配置され)ていてもよく、そうすると、使用者の操作によりカバーの開口部が上記2つの開口部と一直線上に配置されることになる。別の代替的な実施形態として、ボタンは省略されてもよく、正確に言えば、ノズルが単独でカバーに備えられた開口部と一直線上に配置されるべく動作してもよい。
【0047】
上記で説明した形態はいくつかの有利な特徴を備えている。第一に、ボタン350とヘッド380との間に備えられたバネ401により、使用者はポンプ380をそれに対応して活性化させることなく、ボタン350を途中まで操作あるいは押し込むことが出来る。これは、特に、予期しない液体の供給の防止を助けるのに有利である。例えば、ボタン350とポンプ380との間の「遊び」を備えることにより、装置300は液体の供給の前のある量のガス抜きを行うことができる。これが、カバー部316とともに、ボタン350の保護あるいは防護を助けることで、使用者によって意図されない予期しない液体の供給に対し、装置300は抵抗力を増加する。
【0048】
さらに、装置300の形態により、使用者は装置300を向ける適正な位置付けまたは方向を決定しやすくなる。例えば、開口部320の広い後面部に沿ったボタン350のテーパの付いた傾斜した形態により、使用者は装置300を操作する際、より快適な、人間工学的フィット感を得る。使用者は、指を開口部320に間違った方向から入れたとき、ボタン形態による、よりとがった端部と不快な手触りの感触を得る。
【0049】
さらに、装置300はノズル384の汚れや残留物に対する防護又は覆いを備えており、取り外し式のキャップや他の防護用の構造は不要である。ノズル384(図13参照)は開口部358及び/又は開口部318の延長線上から外れているため、汚れや残留物から常に覆われ、あるいは防護されている。ノズル384は、使用者が噴射の操作をする間の短時間以外は、常に覆われている。開放されるとノズルはもう一度覆われる。装置300の形態は、ポケットやサイフの中の汚れや残留物に対する防護を備えており、使用者が容易に使用でき、操作できるにもかかわらず、移動式又は取り外し式の部品の追加は不要である。
【0050】
さらに、装置300は液体や粉末その他の物質を供給するための小さくて便利で使いやすいパッケージを備えているため有利である。特に好適な実施形態によれば、装置300は長さ約50〜125mm(2〜5インチ)、幅約25〜75mm(1〜3インチ)、厚さ約13〜38mm(0.5〜1.5インチ)である。装置300は容易に使用者の手にフィットし、操作も容易で、しかも小さな携帯用のパッケージを備える。
【0051】
好適な、あるいは他の例示的な実施形態として示した本装置の要素の構成やアレンジは例示的なものである、という点に注意することも重要である。本発明のほんの数個の実施形態がこの開示によって詳細に説明されたにもかかわらず、この開示を精査した当業者は、上記で列挙された主題に対しての新規な内容や有利性から本質的相違のない、多くの変形が可能(例えば、大きさ、寸法、構造、種々の部品の形状と比率、条件の価値観、組み立ての調整、材料の使用、色彩、配置等々の変化)であることを容易に察するであろう。例えば、一体的に示されたエレメントは多くの部品から構成され得るし、多くの部品によって示されたエレメントは一体的に構成され得るし、インターフェースまたは接続部の動作は、一旦保持されたり他の動作に変えることができる。したがって、全てのこのような変更は本発明の範囲内に含まれるとみなされる。他の代替、変更、交換および省略は、好適な実施形態やその他例示的な実施形態の設計、操作条件及び調整において、本発明の精神から一歩も離れずになし得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本液体供給装置の一実施形態の正面図であり、その内部で液体供給アセンブリがスプレー用液体を吐出するための使用位置にあるケーシングを有している。
【図2】オプションのキーホルダ付の図1に示す実施形態の正面図であり、液体供給アセンブリがスプレー用液体の吐出を妨げる、保管(例えば非操作の)位置にある。
【図3】図1及び2に示す液体供給装置の実施形態の分解組立図である。
【図4】スプレー用液体の吐出を妨げる位置にあるシールドの側面図である。
【図5A】操作時にシールドと噛み合う溝の平面図である。
【図5B】図5Aに示す溝と噛み合う突起を示すシールドの底面図である。
【図6A】オプションのキーホルダ付き液体供給装置の例示的実施形態の正面図である。
【図6B】図6Aに示す実施形態の正面図であり、液体供給アセンブリの操作位置が液漏れ防止装置がスプレー用液体を供給できる位置にある。
【図7】図6A及び6Bに示す実施形態の分解組立図である。
【図8A】図6Aないし7の装置の断面図であり、液体の供給のためのアクチュエータアセンブリの操作を示す。
【図8B】図6Aないし7の装置の断面図であり、液体の供給のためのアクチュエータアセンブリの操作を示す。
【図8C】図6Aないし7の装置の断面図であり、液体の供給のためのアクチュエータアセンブリの操作を示す。
【図9】例示的実施形態による供給装置の斜視図である。
【図9A】図9に示す供給装置の分解斜視図である。
【図10】例示的実施形態による供給装置のカバーの立面図である。
【図10A】図10に示すカバーの平面図である。
【図10B】図10に示す直線B−Bに沿って切断したカバーの断面図である。
【図10C】図10Aに示す直線A−Aに沿って切断したカバーの断面図である。
【図11】例示的実施形態による供給装置のボタンの正面斜視図である。
【図11A】図11に示すボタンの平面図である。
【図11B】図11Aに示す直線A−Aに沿って切断したボタンの断面図である。
【図11C】図11Aに示す直線B−Bに沿って切断したボタンの断面図である。
【図12】例示的実施形態による供給装置のカラーの正面斜視図である。
【図12A】図12に示すカラーの平面図である。
【図12B】図12Aに示す直線A−Aに沿って切断したカラーの断面図である。
【図13】図9に示す装置の中心線に沿って切断した供給装置の断面図であり、最初の保管位置を示す。
【図13A】図9に示す装置の中心線に沿って切断した供給装置の断面図であり、第2の供給前位置を示す。
【図13B】図9に示す装置の中心線に沿って切断した供給装置の断面図であり、第3の供給位置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の望む液体を供給する供給装置であって、
開口部を有するカバーと、
該カバーに連結され、前記液体の貯蔵用容器と、該容器から前記液体を汲み出し前記カバー内に備えられたノズルを通して供給する液体移送機構と、からなる供給アセンブリと、を含み、
前記カバー内において前記ノズルは、供給位置においては前記開口部と一直線上に配置され、保存位置においては、前記開口部の延長線上から外れて配置される、
供給装置。
【請求項2】
前記カバーはさらに一つの開口部を備える、請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記液体移送機構にはボタンが連結されている、請求項1に記載の供給装置。
【請求項4】
前記ボタンは、一つの開口部を備える、請求項3に記載の供給装置。
【請求項5】
前記ボタンは、第一の位置から第二の位置へ移動可能である、請求項4に記載の供給装置。
【請求項6】
前記第一の位置では、前記ボタンの開口部は前記ノズルの延長線上から外れており、前記第二の位置では、前記ボタンの開口部は前記ノズルと一直線上に配置される、請求項5に記載の供給装置。
【請求項7】
前記ボタンは、前記第二の位置から第三の位置に移動可能である、請求項6に記載の供給装置。
【請求項8】
前記ボタンが、前記第一の位置から第二の位置に移動しても、前記液体移送機構は作動せず、前記ボタンが、前記第二の位置から第三の位置に移動したときに前記液体移送機構が作動し、液体が供給される、請求項7に記載の供給装置。
【請求項9】
前記液体移送機構は、少なくとも一つのポンプと、少なくとも一つの弁付与圧容器を含む、請求項1に記載の供給装置。
【請求項10】
物質を供給する携帯用供給装置であって、
前記物質を貯蔵する容器と、
該容器に連結され、第一の位置から第二の位置まで移動可能で、前記物質を供給口を通して供給する物質移送機構と、
前記容器と連結され、前記供給口を包み込むハウジングと、
を含み、
前記第一の位置では前記ハウジングは前記供給口を覆い隠しており、前記第二の位置では前記ハウジングは前記供給口を覆い隠していない、
携帯用供給装置。
【請求項11】
前記ハウジングと前記供給口の間にさらなるボタンを含み、該ボタンはさらに、
使用者が前記物質移送機構を活性化した際に物質が通過する開口部を有する、請求項10に記載の携帯用供給装置。
【請求項12】
前記物質移送機構は、少なくとも一つのポンプと、少なくとも一つの弁付与圧容器を含む、請求項10に記載の携帯用供給装置。
【請求項13】
液体供給用の携帯用スプレー式供給装置であって、
前記液体の貯蔵容器と、
該容器に連結され、ノズルを通して前記液体をスプレーするためのポンプと、
前記ノズルの周囲に備えられ、第一の開口部を有するハウジングと、
該ハウジングの内部に備えられ、第二の開口部を有し、第一の位置から第二、第三の位置へと移動可能なボタンと、
を含み、
前記ボタンが第一の位置にある際は、前記ノズルと前記第二の開口部とは一直線上に配置されておらず、
前記ボタンが第二の位置にある際は、前記ノズルと前記第一および第二の開口部とは互いに一直線上に配置されており、
前記ボタンが前記第二の位置から前記第三の位置まで移動する際に、前記第一の開口部と前記第二の開口部を通って液体が供給される
携帯用スプレー式供給装置。
【請求項14】
前記ボタンと前記ノズルとの間に、さらに一つのバネを含み、該バネは前記ボタンを第一の位置の方向に付勢する、請求項13に記載の供給装置。
【請求項15】
前記ボタンは、該ボタンが第一の位置にある際は前記ノズルの遮蔽物となる、請求項13に記載の供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図13A】
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【図13B】
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【公表番号】特表2008−509861(P2008−509861A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526615(P2007−526615)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002836
【国際公開番号】WO2006/018734
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】