説明

液体分離装置及び液体分離方法

【課題】未濾過水を濾過手段の洗浄に有効活用し得、濾過手段の濾過機能の低下を妨げることができる液体分離装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明による液体分離装置100は、液体Lを放出する放出手段102と、液体Lを濾過する濾過手段104とを備える。濾過手段104の少なくとも一部は、空気中に露呈している露呈部分106である。濾過手段104は、濾過手段104の露呈部分106において液体Lを濾過水L1と未濾過水L2とに分離する。濾過手段104の露呈部分106は、未濾過水L2によって洗浄される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を放出する放出手段と液体を濾過する濾過手段とを備えた液体分離装置及び液体分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、液中に設置されたフィルタ装置が開示されている。フィルタ装置の全てが、濾過対象となる液体中に設けられており、フィルタ装置は、液体中で濾過機能を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−341166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在も、フィルタ装置の濾過機能を高めるべく研究・開発が推進されているが、特許文献1に開示のフィルタ装置とは異なる環境下に設置されたフィルタ装置の濾過機能についても、並行して研究・開発されている。
【0005】
本発明は、特許文献1で開示されたフィルタ装置と同様に、液体を濾過水と未濾過水とに分離するものであるが、未濾過水を濾過手段の洗浄に有効活用し得、濾過手段の濾過機能の低下を妨げることができる液体分離装置及び液体分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る液体分離装置の特徴構成は、液体を放出する放出手段と、液体を濾過する濾過手段とを備えた液体分離装置であって、濾過手段の少なくとも一部は、空気中に露呈している露呈部分であり、濾過手段の露呈部分において、液体を濾過水と未濾過水とに分離し、濾過手段の露呈部分は、未濾過水によって洗浄されるところにある。
上述のように、背景技術によれば、液体中で液体を濾過していた。その結果、未濾過水は濾過前の液体に混じっていた。一方、本発明に係る液体分離装置によれば、濾過手段の露呈部分において液体を濾過水と未濾過水とに分離し、濾過手段の露呈部分は未濾過水によって洗浄される。従って、未濾過水が濾過前の液体に混じる前に未濾過水を濾過手段の洗浄に有効活用し得、その結果、濾過手段の濾過機能の低下を妨げることができる。
【0007】
本発明の液体分離装置の好適な態様によれば、濾過手段の露呈部分は、平面フィルタを含み、放出手段は、液体を平面フィルタに対して垂直に放出する。従って、平面フィルタに対して最も効率よく液体の放出圧力がかかる。その結果、液体を効率よく濾過しつつ、未濾過水によって濾過手段を洗浄することができる。
【0008】
本発明の液体分離装置の好適な態様によれば、内部領域を有する管を更に備え、管の内部領域には、放出手段と濾過手段とが設けられ、濾過手段は、管の内部領域を濾過水が流れる第1領域と未濾過水が流れる第2領域とに分割し、放出手段は、第2領域から濾過手段の露呈部分に液体を放出する。この構成は、排水管の内部構造に適応できる。従って、排水管内部においても、未濾過水が濾過前の液体に混じる前に未濾過水を濾過手段の洗浄に有効活用し得、その結果、濾過手段の濾過機能の低下を妨げることができる。
【0009】
本発明の液体分離装置の好適な態様によれば、濾過手段は、管から脱着可能である。従って、未濾過水による洗浄でも濾過手段の濾過機能の低下を妨げることができなくなれば、濾過手段を管から外し、別の濾過手段に取り換えることができる。特に、濾過手段を消耗品として位置づけ得、濾過機能が低下した濾過手段を新品の濾過手段にクイックチェンジし得る。
【0010】
本発明の液体分離装置の好適な態様によれば、濾過手段の少なくとも一部は、液中に沈んでいる液中部分であり、濾過手段の露呈部分によって液体の一部を濾過水と未濾過水とに分離し、濾過手段の液中部分によって液体の他の一部と未濾過水とを濾過する。従って、濾過手段の露呈部分でも、濾過手段の液中部分でも、液体を濾過し得る。その結果、未濾過水が濾過前の液体に混じる前に未濾過水を濾過手段の洗浄に有効活用し得、濾過手段の濾過機能の低下を妨げることができるとともに、濾過効率を更に向上することができる。
【0011】
本発明の液体分離装置の好適な態様によれば、放出手段は、濾過手段の露呈部分に液体を放出し、液体が濾過手段の露呈部分に接触することによって、濾過手段が振動する。濾過手段の振動によって、濾過手段に付着した微粒子を濾過手段から剥がし、濾過手段の洗浄効果を高めることができる。
【0012】
本発明の液体分離装置の好適な態様によれば、濾過手段の露呈部分は、ヒダ付きフィルタを含み、放出手段は、液体をヒダ付きフィルタに対して放出する。ヒダ部分の構造は、平面部分の構造と比較して、強度が固い。従って、強度アップのため平面部分に設けられていたバックアップメタルがヒダ付きフィルタには不要となる。その結果、濾過率がアップする。
【0013】
本発明の液体分離装置の好適な態様によれば、放出手段は、ヒダ付きフィルタのヒダに対して液体を放出し、液体がヒダ付きフィルタのヒダに接触することによって、ヒダ付きフィルタが振動する。このように、液体がヒダ付きフィルタのヒダに接触することによってヒダが液体によって弾かれ、ヒダ付きフィルタが振動する。従って、平面フィルタに液体が接触することによって生じる振動よりも大きな振動が生じる。その結果、濾過手段に付着した微粒子を効率よく濾過手段から剥がすことができ、濾過手段の洗浄効果を更に高めることができる。
【0014】
本発明に係る液体分離方法によれば、上記説明した本発明の液体分離装置と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、本発明の液体分離方法は、空気中に露呈している露呈部分を有する濾過手段を用いた液体分離方法であって、液体を放出する放出ステップと、液体を濾過する濾過ステップとを包含し、濾過ステップは、濾過手段の露呈部分において、液体を濾過水と未濾過水とに分離することによって実行され、濾過手段の露呈部分を未濾過水によって洗浄する洗浄ステップを更に包含する。従って、未濾過水が濾過前の液体に混じる前に未濾過水を濾過手段の洗浄に有効活用し得、その結果、濾過手段の濾過機能の低下を妨げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態1に係る液体分離装置100の模式図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る液体分離装置200の模式図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る液体分離装置300の模式図である。
【図4】ヒダ付きフィルタの模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜図4を参照して、本発明の液体分離装置及び液体分離方法に関する実施形態を説明する。本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図せず、当該構成と均等な構成も含む。
【0017】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る液体分離装置100の模式図である。液体分離装置100は、液体Lを放出する放出手段102と、液体Lを濾過する濾過手段104とを備える。濾過手段104の少なくとも一部は、空気中に露呈している露呈部分106である。濾過手段104は、濾過手段104の露呈部分106において液体Lを濾過水L1と未濾過水L2とに分離する。液体分離装置100は、濾過水タンク108と未濾過水タンク110とポンプ112とを更に含む。
【0018】
液体Lは、例えば、工作機械の切削液である。切削液は、スラッジと切削油(又は水)とを含む。液体Lを濾過水L1と未濾過水L2とに分離した場合、未濾過水L2に含まれるスラッジの割合は、液体Lに含まれるスラッジの割合よりも大きくなる。濾過水L1に含まれるスラッジの割合は、液体Lに含まれるスラッジの割合よりも小さくなる。
【0019】
放出手段102は、液体タンク102aと放出パイプ102bとを含む。放出パイプ102bは、複数のパイプを含む。
【0020】
液体タンク102aには液体Lや未濾過水L2が蓄えられ、液体タンク102aに蓄えられた液体Lや未濾過水L2が、複数のパイプの各々から濾過手段104の露呈部分106に放出される。
【0021】
濾過手段104は、例えば平面フィルタである。濾過手段104の露呈部分106は、平面フィルタの一部である。液体Lは放出手段102から平面フィルタに対して垂直に放出される。濾過手段104の素材として、例えば、株式会社東レによって製造されたポリエステル製不織布(例えば、アクスター(登録商標)G2260−1S)をもちい得る。
【0022】
濾過手段104によって分離された濾過水L1は、濾過水タンク108に蓄えられる。濾過手段104によって分離された未濾過水L2は、未濾過水タンク110に蓄えられる。未濾過水タンク110に蓄えられた未濾過水L2は、ポンプ112によって未濾過水タンク110から吸い上げられ、液体タンク102aに吐出される。ポンプ112は、例えば100リットル/分で未濾過水L2を吸い上げ、放出パイプ102bは、例えば100リットル/分で液体Lや未濾過水L2を放出する。
【0023】
放出パイプ102bから放出された液体Lは、濾過手段104の露呈部分106で濾過水L1と未濾過水L2とに分離され、放出パイプ102bから放出された未濾過水L2は、濾過手段104の露呈部分106で更に濾過水と未濾過水とに分離される。未濾過水は、濾過手段104の露呈部分106を伝い、露呈部分106に付着している微粉末を露呈部分106から洗い流す。このように、濾過手段104の露呈部分106は、未濾過水L2によって洗浄される。
【0024】
本発明に係る液体分離装置100によれば、濾過手段104の露呈部分106において液体Lを濾過水L1と未濾過水L2とに分離し、濾過手段104の露呈部分106は未濾過水L2によって洗浄される。従って、未濾過水L2が濾過前の液体Lに混じる前に未濾過水L2を濾過手段104の洗浄に有効活用し得、その結果、濾過手段104の濾過機能の低下を妨げることができる。
【0025】
さらに、本発明の液体分離装置100の好適な態様によれば、濾過手段104の露呈部分106は平面フィルタを含み、放出手段102は、液体Lを平面フィルタに対して垂直に放出する。従って、平面フィルタに対して最も効率よく液体の放出圧力がかかる。その結果、液体Lを効率よく濾過しつつ、未濾過水L2によって濾過手段104を洗浄することができる。
【0026】
なお、放出手段102が液体を放出し得る限りは、放出手段102が平面フィルタに対して液体Lを放出する角度は垂直に限定されない。液体Lを放出する角度は平面フィルタに対して鋭角でも鈍角でもあり得る。また、放出パイプ102bが液体を放出し得る限りは、放出パイプ102bが複数のパイプを含む場合に限定されない。放出パイプ102bは一つのパイプを含み得る。更に、複数のパイプの各々が液体を放出する場所は、濾過手段104の露呈部分106のうちの特定部分でも、露呈部分106のうちの異なった部分でもあり得る。
【0027】
[実施形態2]
図2は、本発明の実施形態2に係る液体分離装置200の模式図である。液体分離装置200は、放出手段102と、濾過手段104とを備える。放出手段102は、液体タンク102aと放出パイプ102bとを含む。濾過手段104の少なくとも一部は、空気中に露呈している露呈部分106である。濾過手段104の露呈部分106において、液体Lを濾過水L1と未濾過水L2とに分離し、濾過手段104の露呈部分106は、未濾過水L2によって洗浄される。
【0028】
放出手段102、液体タンク102a、放出パイプ102b及び濾過手段104の各構成要素は、実施形態1で説明した液体分離装置100に含まれた対応する各構成要素と同様の機能を有するので、これらの説明を省略する。
【0029】
液体分離装置200は、内部領域204を有する管202を更に備える。管202の内部領域204には、放出手段102と濾過手段104とが設けられている。濾過手段104は、管202の内部領域204を濾過水L1が流れる第1領域206と未濾過水L2が流れる第2領域208とに分割する。放出手段102は、第2領域208から濾過手段104の露呈部分106に液体Lを放出する。
【0030】
管202は、第1固定具210と第2固定具212とを含む。濾過手段104を第1固定具210と第2固定具212とで挟むことで、濾過手段104を管202に固定する。第1固定具210と第2固定具212とによる濾過手段104に対する挟力を緩めることで、濾過手段104を管202から取り除くことができる。
【0031】
本発明の液体分離装置200の構成は、排水管の内部構造に適応できる。従って、排水管内部においても、未濾過水が濾過前の液体に混じる前に未濾過水を濾過手段の洗浄に有効活用し得、その結果、濾過手段の濾過機能の低下を妨げることができる。
【0032】
本発明の液体分離装置200の好適な態様によれば、濾過手段104は、管202から脱着可能である。従って、未濾過水L2による洗浄でも濾過手段104の濾過機能の低下を妨げることができなくなれば、濾過手段104を管202から外し、別の濾過手段に取り換えることができる。特に、濾過手段104を消耗品として位置づけ得、濾過機能が低下した濾過手段を新品の濾過手段にクイックチェンジし得る。
【0033】
なお、濾過手段104を管202から脱着し得る限りは、第1固定具210と第2固定具212とを用いることに限らない。例えば、管202の一部に空間を設け、この空間に濾過手段104を直接挟むことで濾過手段104を管202に固定し得る。
【0034】
[実施形態3]
図3は、本発明の実施形態3に係る液体分離装置300の模式図である。(a)は液体分離装置300の側面を示し、(b)は、図3(a)のa−a’線に沿った断面を示す。液体分離装置300は、放出手段102と、濾過手段302と、モータ308と、タンク310と、パイプ312とを備える。放出手段102は、液体タンク102aと放出パイプ102bとを含む。
【0035】
放出手段102、液体タンク102a、放出パイプ102b、ポンプ112の各構成要素は、実施形態1で説明した液体分離装置100に含まれた対応する各構成要素と同様の機能を有するので、これらの説明を省略する。
【0036】
濾過手段302は、例えばドラム型フィルタを有する。ドラムの直径は約350mmである。フィルタの素材は、液体分離装置100の平面フィルタの素材と同じである。濾過手段302の少なくとも一部は、空気中に露呈している露呈部分304である。濾過手段302の少なくとも一部は、液中に沈んでいる液中部分306である。露呈部分304と液中部分306との面積比は、例えば1:2である。
【0037】
モータ308は、濾過手段302を回転させる。回転速度は、例えば周速1000mm/分以下である。ここで、周速とは、回転している物体の最大半径位置における速さを示す。ドラムの回転数をn、ドラムの最大半径をRとすると、周速=2πR×nで示される。回転速度が所望の速度より速いと、放出手段102から放出された液体を濾過手段302の表面で弾き飛ばすことになり、濾過機能の低減をまねく。なお、本発明の実施形態において、モータ308の回転速度は任意であり、回転しない場合(回転速度がゼロの場合)もあり得る。
【0038】
タンク310は、液体Lや未濾過水L2を蓄える。パイプ312は、ドラム型フィルタの径の中心に位置し、濾過水L1をタンク310の外部に導く。
【0039】
濾過手段302の露呈部分304において、液体Lを濾過水L1と未濾過水L2とに分離し、濾過手段302の液中部分306によって液体Lと未濾過水L2とを濾過する。濾過手段302の露呈部分304は、未濾過水L2によって洗浄される。さらに、濾過手段302の液中部分306は、タンク310に蓄えられた液体Lや未濾過水L2によって洗浄される。
【0040】
露呈部分304と液中部分306との面積比は、1:2に限定されない。濾過手段302が露呈部分304と液中部分306とを有する場合は、その面積比は限定されない。パイプ312が液体中に沈む程度に液中部分306が広い場合には、濾過手段302の液中部分306への液圧が大きくなるため、濾過手段302の液中部分306における液体Lと未濾過水L2との濾過効率が向上する。
【0041】
本発明の液体分離装置300の好適な態様によれば、濾過手段302の少なくとも一部は、液中に沈んでいる液中部分306であり、濾過手段302の露呈部分304によって液体の一部を濾過水L1と未濾過水L2とに分離し、濾過手段302の液中部分306によって液体の他の一部と未濾過水とを濾過する。従って、濾過手段302の露呈部分304でも、濾過手段302の液中部分306でも、液体を濾過し得る。その結果、未濾過水が濾過前の液体に混じる前に未濾過水を濾過手段302の洗浄に有効活用し得、濾過手段302の濾過機能の低下を妨げることができるとともに、濾過効率を更に向上することができる。
【0042】
以上、図1から図3を参照して実施形態1〜実施形態3を説明した。液体分離装置100、液体分離装置200及び液体分離装置300において、放出手段102は、濾過手段104の露呈部分106又は濾過手段302の露呈部分304に液体を放出するが、液体が濾過手段の露呈部分に接触することによって、濾過手段104又は濾過手段302が振動し得る。例えば、単位時間当たりの放出量を変化させることによって、濾過手段104又は濾過手段302が振動し得る。また、ポンプの脈動によっても、単位時間当たりの放出量が変化し、濾過手段104又は濾過手段302が振動し得る。
【0043】
本発明の液体分離装置100、液体分離装置200及び液体分離装置300の好適な態様によれば、放出手段102は、濾過手段104、302の露呈部分106、304に液体を放出し、液体が濾過手段104、302の露呈部分106、304に接触することによって、濾過手段104、302が振動する。濾過手段104、302の振動によって、濾過手段104、302に付着した微粒子を濾過手段104、302から剥がし、濾過手段104、302の洗浄効果を高めることができる。
【0044】
[実施形態4]
図4は、ヒダ付きフィルタの模式図を示す。(a)は、平面フィルタの表面にヒダがついたヒダ付き平面フィルタ104’の模式図を示す。(b)は、ドラム型フィルタの表面にヒダがついたヒダ付きドラム型フィルタ302’の模式図を示す。
【0045】
本発明の液体分離装置100及び液体分離装置200において、濾過手段104は、例えばヒダ付き平面フィルタ104’である。濾過手段104の露呈部分106は、ヒダ付き平面フィルタ104’の一部である。放出手段102は、液体をヒダ付き平面フィルタ104’に対して放出する。本発明の液体分離装置300において、濾過手段302は、例えばヒダ付きドラム型フィルタ302’である。濾過手段302の露呈部分304は、ヒダ付きドラム型フィルタ302’の一部である。放出手段102は、液体をヒダ付きドラム型フィルタ302’に対して放出する。
【0046】
本発明の液体分離装置100及び液体分離装置200の好適な態様によれば、濾過手段の露呈部分は、ヒダ付きフィルタを含み、放出手段は、液体をヒダ付きフィルタに対して放出する。ヒダ部分の構造は、平面部分の構造と比較して、強度が固い。従って、強度アップのため平面部分に設けられていたバックアップメタル(例えば、ステンレス製のパンチングメタル)がヒダ付きフィルタには不要となる。その結果、濾過率がアップする。また、隣接するヒダの間(ヒダとヒダとの空間)に対して放出手段102から液体が放出された場合は、ヒダの奥に当たる液体の水圧が大きくなる。ヒダの奥に向かって空間が先細りしているためである。その結果、濾過率がアップする。
【0047】
本発明の液体分離装置100及び液体分離装置200において、放出手段102は、ヒダ付き平面フィルタ104’のヒダに対して液体を放出し、液体がヒダ付き平面フィルタ104’のヒダに接触することによって、ヒダ付き平面フィルタ104’が振動する。本発明の液体分離装置300において、放出手段102は、ヒダ付きドラム型フィルタ302’のヒダに対して液体を放出し、液体がヒダ付きドラム型フィルタ302’のヒダに接触することによって、ヒダ付きドラム型フィルタ302’が振動する。
【0048】
本発明の液体分離装置の好適な態様によれば、放出手段は、ヒダ付きフィルタのヒダに対して液体を放出し、液体がヒダ付きフィルタのヒダに接触することによって、ヒダ付きフィルタが振動する。このように、液体がヒダ付きフィルタのヒダに接触することによってヒダが液体によって弾かれ、ヒダ付きフィルタが振動する。従って、平面フィルタに液体が接触することによって生じる振動よりも大きな振動が生じる。その結果、濾過手段に付着した微粒子を効率よく濾過手段から剥がすことができ、濾過手段の洗浄効果を更に高めることができる。
【符号の説明】
【0049】
L 液体
L1 濾過水
L2 未濾過水
100 液体分離装置
102 放出手段
104 濾過手段
106 露呈部分
200 液体分離装置
204 内部領域
202 管
206 第1領域
208 第2領域
300 液体分離装置
104’ ヒダ付きフィルタ
302’ ヒダ付きフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を放出する放出手段と、
前記液体を濾過する濾過手段と
を備えた液体分離装置であって、
前記濾過手段の少なくとも一部は、空気中に露呈している露呈部分であり、
前記濾過手段の前記露呈部分において、前記液体を濾過水と未濾過水とに分離し、
前記濾過手段の前記露呈部分は、前記未濾過水によって洗浄される、液体分離装置。
【請求項2】
前記濾過手段の前記露呈部分は、平面フィルタを含み、
前記放出手段は、前記液体を前記平面フィルタに対して垂直に放出する、請求項1に記載の液体分離装置。
【請求項3】
内部領域を有する管を更に備え
前記管の前記内部領域には、前記放出手段と前記濾過手段とが設けられ、
前記濾過手段は、前記管の前記内部領域を前記濾過水が流れる第1領域と前記未濾過水が流れる第2領域とに分割し、
前記放出手段は、前記第2領域から前記濾過手段の前記露呈部分に前記液体を放出する、請求項1または請求項2に記載の液体分離装置。
【請求項4】
前記濾過手段は、前記管から脱着可能である、請求項1から請求項3のうちの一項に記載の液体分離装置。
【請求項5】
前記濾過手段の少なくとも一部は、前記液体中Lに沈んでいる液中部分であり、
前記濾過手段の前記露呈部分によって前記液体の一部を濾過水と未濾過水とに分離し、
前記濾過手段の前記液中部分によって前記液体の他の一部と前記未濾過水とを濾過する、請求項1から請求項4のうちの一項に記載の液体分離装置。
【請求項6】
前記放出手段は、前記濾過手段の前記露呈部分に前記液体を放出し、
前記液体が前記濾過手段の前記露呈部分に接触することによって、前記濾過手段が振動する、請求項1から請求項5のうちの一項に記載の液体分離装置。
【請求項7】
前記濾過手段の前記露呈部分は、ヒダ付きフィルタを含み、
前記放出手段は、前記液体を前記ヒダ付きフィルタに対して放出する、請求項1から請求項6のうちの一項に記載の液体分離装置。
【請求項8】
前記放出手段は、前記ヒダ付きフィルタの前記ヒダに対して前記液体を放出し、
前記液体が前記ヒダ付きフィルタの前記ヒダに接触することによって、前記ヒダ付きフィルタが振動する、請求項7に記載の液体分離装置。
【請求項9】
空気中に露呈している露呈部分を有する濾過手段を用いた液体分離方法であって、
液体を放出する放出ステップと、
前記液体を濾過する濾過ステップと
を包含し、
前記濾過ステップは、前記濾過手段の前記露呈部分において、前記液体を濾過水と未濾過水とに分離することによって実行され、
前記濾過手段の前記露呈部分を前記未濾過水によって洗浄する洗浄ステップを更に包含する、液体分離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−30154(P2012−30154A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170142(P2010−170142)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000241555)豊菱産業株式会社 (15)
【出願人】(396014212)
【Fターム(参考)】