説明

液体化粧料

【課題】 本発明は経時での析出が問題となっている固形防腐剤を使用しなくても防腐殺菌効果が得られ、さらに凍結防止、塗膜の柔軟性、使用時には適度の揮発により塗膜を形成でき、筆先のドライアップを防止することができる液体化粧料を得るにある。
【解決手段】 水が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂が0.1〜15重量%と、色素が0.01〜20重量%とで液体化粧料を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアイライナーやアイブロウ等に使用される液体化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より液体化粧料には筆先のドライアップや凍結防止のため、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが使用されている。
また、防腐殺菌剤のために、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン等のパラベン類、デヒドロ酢酸塩、安息香酸塩等の固形防腐剤が使用されている。
【0003】
しかしながら、従来より使用されている多価アルコールでは、筆先のドライアップ防止効果は改善されていない。最適なドライアップ防止効果を得るために多価アルコールの配合量を増やすと、使用時に乾燥が遅くなるという問題がある。また、防腐殺菌のために使用されている固形防腐剤は、経時で黄変や析出する等
の問題がある。
【特許文献1】特開平11−310506
【特許文献2】特公平07−103008
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、経時での黄変や析出が問題となっている固形防腐剤を使用しなくても防腐殺菌効果が得られ、さらに凍結防止、塗膜の柔軟性、使用時には適度の揮発により塗膜を形成でき、筆先のドライアップを防止することができる液体化粧料を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は水が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂が0.1〜15重量%と、色素が0.01〜20重量%とで液体化粧料を構成している。
【0007】
本発明は水が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂エマルジョンが5〜25重量%と、色素が0.01〜20重量%とで液体化粧料を構成している。
【0008】
本発明は水が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂が0.1〜15重量%と、アクリル樹脂エマルジョンが5〜25重量%と、色素が0.01〜20重量%とで液体化粧料を構成している。
【0009】
本発明は水が45〜85重量%と、液状防腐剤が0.5重量%以下と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂が0.1〜15重量%と、色素が0.01〜20重量%とで液体化粧料を構成している。
【0010】
本発明は水が45〜85重量%と、液状防腐剤が0.5重量%以下と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物5〜20重量%と、アクリル樹脂エマルジョンが5〜25重量%と、色素が0.01〜20重量%とで液体化粧料を構成している。
【0011】
本発明は 水が45〜85重量%と、液状防腐剤が0.5重量%以下と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂が0.1〜15重量%と、アクリル樹脂エマルジョンが5〜25重量%と、色素が0.01〜20重量%とで液体化粧料を構成している。
【発明の効果】
【0012】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0013】
(1)水が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂が0.1〜15重量%と、色素が0.01〜20重量%とで構成されているので、固形防腐剤の不使用により黄変や析出の問題を解消し、防腐殺菌効果が得られ、凍結防止、柔軟性、使用時には適度の揮発により塗膜を形成でき、筆先のドライアップを防止することができる。
【0014】
(2)請求項2、3、3、5、6も前記(1)と同様な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0016】
図1および図2に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1はアイライナーやマスカラ等に使用される本発明の液体化粧料で、この液体化粧料1は水2が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコール3Aとヘキサンジオール3Bの混合物3が5〜20重量%と、エタノール4Aの低級アルコール4が1重量%以下と、アクリル酸アルキルコポリマー5Aのアクリル樹脂5が0.1〜15重量%と、スルホコハク酸ジオクチルN6AやココイルメチルタウリンNa6Bの界面活性剤6が0.1〜5重量%と、PH調整剤としての水酸化Na7が1重量%以下と、赤色227号8A、黄色4号8B、青色1号8C、カーボンブラック8Dの色素8が0.01〜20重量%とで構成されている。
なお、このように構成される液体化粧料1は最適には、図2に示す実施例1および実施例2での配合量で行なわれる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0017】
次に、図3ないし図12に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0018】
図3および図4に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、水2が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコール3Aとヘキサンジオール3Bの混合物3が5〜20重量%と、エタノール4Aの低級アルコール4が1重量%以下と、アクリル酸アルキコポリマーアンモニウム9A、水9Bのアクリル樹脂エマルジョン9が5〜25重量%と、スルホコハク酸ジオクチルN6AやココイルメチルタウリンNa6Bの界面活性剤6が0.1〜5重量%と、PH調整剤としての水酸化Na7が1重量%以下と、赤色227号8A、黄色4号8B、青色1号8C、カーボンブラック8Dの色素8が0.01〜20重量%とで構成した点で、このように構成された液体化粧料1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、このように構成された液体化粧料1Aは、最適には図4に示す実施例3および実施例4での配分量で行なわれる。
【0019】
図5に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、水2が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコール3Aとヘキサンジオール3Bの混合物3が5〜20重量%と、エタノール4Aの低級アルコール4が1重量%以下と、アクリル酸アルキルコポリマー5Aのアクリル樹脂5が0.1〜15重量%と、アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム9A、水9Bのアクリル樹脂エマルジョン9が5〜25重量%と、スルホコハク酸ジオクチルN6AやココイルメチルタウリンNa6Bの界面活性剤6が0.1〜5重量%と、PH調整剤としての水酸化Na7が1重量%以下と、赤色227号8A、黄色4号8B、青色1号8C、カーボンブラック8Dの色素8が0.01〜20重量%とで構成した点で、このように構成された液体化粧料1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、このように構成された液体化粧料1Bは、最適には図6に示す実施例5および実施例6での配分量で行なわれる。
【0020】
図7に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、水2が45〜85重量%と、液状防腐剤10が1.0重量%以下と、1,3−ブチレングリコール3Aとヘキサンジオール3Bの混合物3が5〜20重量%と、エタノール4Aの低級アルコール4が1重量%以下と、アクリル酸アルキルコポリマー5Aのアクリル樹脂5が0.1〜15重量%と、スルホコハク酸ジオクチルN6AやココイルメチルタウリンNa6Bの界面活性剤6が0.1〜5重量%と、PH調整剤としての水酸化Na7が1重量%以下と、赤色227号8A、黄色4号8B、青色1号8C、カーボンブラック8Dの色素8が0.01〜20重量%とで構成した点で、このように構成された液体化粧料1Cにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、このように構成された液体化粧料1Cは、最適には実施例7および実施例8での配分量で行なわれる。
【0021】
図9に示す本発明を実施するための第5の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、水2が45〜85重量%と、液状防腐剤10が1.0重量%以下と、1,3−ブチレングリコール3Aとヘキサンジオール3Bの混合物3が5〜20重量%と、エタノール4Aの低級アルコール4が1重量%以下と、アクリル酸アルキコポリマーアンモニウム9A、水9Bのアクリル樹脂エマルジョン9が5〜25重量%と、スルホコハク酸ジオクチルN6AやココイルメチルタウリンNa6Bの界面活性剤6が0.1〜5重量%と、PH調整剤としての水酸化Na7が1重量%以下と、赤色227号8A、黄色4号8B、青色1号8C、カーボンブラック8Dの色素8が0.01〜20重量%とで構成した点で、このように構成された液体化粧料1Dにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、このように構成された液体化粧料1Dは、最適には図10に示す実施例9および実施例10での配分量で行なわれる。
【0022】
図11に示す本発明を実施するための第6の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、水2が45〜85重量%と、液状防腐剤10が1.0重量%以下と、1,3−ブチレングリコール3Aとヘキサンジオール3Bの混合物3が5〜20重量%と、エタノール4Aの低級アルコール4が1重量%以下と、アクリル酸アルキルコポリマー5Aのアクリル樹脂5が0.1〜15重量%と、アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム9A、水9Bのアクリル樹脂エマルジョン9が5〜25重量%と、スルホコハク酸ジオクチルN6AやココイルメチルタウリンNa6Bの界面活性剤6が0.1〜5重量%と、PH調整剤としての水酸化Na7が1重量%以下と、赤色227号8A、黄色4号8B、青色1号8C、カーボンブラック8Dの色素8が0.01〜20重量%とで構成した点で、このように構成された液体化粧料1Eにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、このように構成された液体化粧料1Eは、最適には図12に示す実施例11および実施例12での配分量で行なわれる。
【0023】
なお、前記本発明の各実施の形態で用いる液状防腐剤はフエノキシエタノール、ベンジルアルコールなどが上げられる。液状防腐剤は、それぞれ単独で用いても良いし、また、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。液状防腐剤の含有量は、液体化粧料全量に対して、1.0重量%以下であるが、好ましくは0.5重量%以下である。
本発明で用いる、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物3は、5〜20重量%であるが、好ましくは10〜15重量%である。5重量%より少ないと、ドライアップ防止効果が出ず、20重量%より多いと使用時に乾燥が遅くなる。
本発明で用いる、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物の混合比率、1,3−ブチレングリコール:ヘキサンジオール=9.5:0.5〜5.0:5.0の比率が好ましい。ヘキサンジオールの比率が0.5より少ないと防腐殺菌効果が出ず、5.0より多いと肌への刺激が強くなる。
本発明で用いる、アクリル樹脂はアクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体などがあげられる。アクリル樹脂はそれぞれ単独で用いても良いし、また、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。アクリル樹脂の含有量は、液体化粧料全量に対して、0.1〜15重量%、好ましくは1〜8重量%である。0.1重量%未満であると、皮膜形成性能が乏しく、耐水性が悪くなり、また、15重量%を超えると、伸びが悪く、使用性が悪くなる。
本発明で用いる、アクリル樹脂エマルジョンは、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョンなどがあげられる。アクリル酸アルキル共重合体エマルジョンはそれぞれ単独で用いても良いし、また、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。アクリル樹脂エマルジョン含有量は、液体化粧料全量に対して、5〜25重量%、好ましくは10〜15重量%である。10重量%未満であると、皮膜形成性能が乏しく、耐水性が悪くなり、また、25重量%を超えると、伸びが悪く、使用性が悪くなる。
本発明で用いる、色素は化粧料に使用可能な染料、顔料、パール、ラメはすべて使用できる。色素の含有量は、液体化粧料全量に対して、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%である。0.1重量%未満であると、発色が悪く、また、15重量%を超えると、分離沈殿が起こり、安定性が悪くなる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は液体化粧料を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の配合割合の説明図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の形態の配合量の説明図。
【図3】本発明を実施するための第2の形態の最適な配合割合の説明図。
【図4】本発明を実施するための第2の形態の最適な配合量の説明図。
【図5】本発明を実施するための第3の形態の最適な配合割合の説明図。
【図6】本発明を実施するための第3の形態の最適な配合量の説明図。
【図7】本発明を実施するための第4の形態の最適な配合割合の説明図。
【図8】本発明を実施するための第4の形態の最適な配合量の説明図。
【図9】本発明を実施するための第5の形態の最適な配合割合の説明図。
【図10】本発明を実施するための第5の形態の最適な配合量の説明図。
【図11】本発明を実施するための第6の形態の最適な配合割合の説明図。
【図12】本発明を実施するための第6の形態の最適な配合量の説明図。
【符号の説明】
【0026】
1、1A、1B、1C、1D、1E:液体化粧料、
2:水、 3A:1,3−ブチレングリコール、
3B:ヘキサンジオール、 3:混合物、
4A:エタノール、 4:低級アルコール、
5A:アクリル酸アルキルコポリ、
5:アクリル樹脂、
6A:スルホコハク酸ジオクチルN、
6B:ココイルメチルタウリンNa、
6:界面活性剤、
7:PH調整剤としての水酸化Na、
8A:赤色227、 8B:黄色4号、
8C:青色1号、 8D:カーボンブラック、
8:色素、
9A:アクリル酸アルキコポリマーアンモニウム、
9B:水、 9:アクリル樹脂エマルジョン、
10:液状防腐剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂が0.1〜15重量%と、色素が0.01〜20重量%とからなることを特徴とする液体化粧料。
【請求項2】
水が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂エマルジョンが5〜25重量%と、色素が0.01〜20重量%とからなることを特徴とする液体化粧料。
【請求項3】
水が45〜85重量%と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂が0.1〜15重量%と、アクリル樹脂エマルジョンが5〜25重量%と、色素が0.01〜20重量%とからなることを特徴とする液体化粧料。
【請求項4】
水が45〜85重量%と、液状防腐剤が0.5重量%以下と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂が0.1〜15重量%と、色素が0.01〜20重量%とからなることを特徴とする液体化粧料。
【請求項5】
水が45〜85重量%と、液状防腐剤が0.5重量%以下と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物5〜20重量%と、アクリル樹脂エマルジョンが5〜25重量%と、色素が0.01〜20重量%とからなることを特徴とする液体化粧料。
【請求項6】
水が45〜85重量%と、液状防腐剤が0.5重量%以下と、1,3−ブチレングリコールとヘキサンジオールの混合物が5〜20重量%と、アクリル樹脂が0.1〜15重量%と、アクリル樹脂エマルジョンが5〜25重量%と、色素が0.01〜20重量%とからなることを特徴とする液体化粧料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−91687(P2007−91687A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286480(P2005−286480)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(500470840)アサヌマ コーポレーション株式会社 (18)
【Fターム(参考)】