説明

液体収容容器

【課題】液体収容量を検出するための液体検出室の可撓壁に、耐久性を下げた安価な材料を使用することができ、液体収容量を検出する液体検出装置の低コスト化によりコストの低減を図ることのできる液体収容容器を提供する。
【解決手段】加圧流体が導入される加圧室としての密閉空間3と、加圧流体による加圧によって液体を排出する液体収容室7と、液体収容室7の液体収容量の検出に用いられる液体検出装置11とを備えた液体収容容器1において、液体検出装置11は、液体収容室7と外部の液体消費装置との間に介在する液体検出室21と、液体検出室21の液体収容量に応動して移動可能な移動部材27と、移動部材27が所定位置に移動した状態を検出する検出手段35と、を有して、密閉空間3内に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等の液体消費装置に所定の液体を供給する液体収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
捺染装置やマイクロデスペンサ、さらには超高品質での印刷が求められる商業用記録装置等の液体噴射ヘッドは、液体収容容器から被吐出液の供給を受けるが、液体が供給されていない状態で作動させると、いわゆる空打ちとなって噴射ヘッドが損傷を受けるため、これを防止すべく容器の液体残量を監視する必要がある。
【0003】
そこで、記録装置の場合では、液体収容容器であるインクカートリッジ自体にインク残量となる液体収容室内の液体収容量を検出する液体検出装置を装備したものが各種提案されている。
【0004】
液体検出装置の具体的な構成としては、例えば、外部から密閉空間(加圧室)内に供給される加圧流体(通常はエア)の圧力により前記密閉空間内のインク収容室を加圧することで、前記インク収容室内に貯留されているインクを排出する形式のインクカートリッジにあっては、前記インク収容室の排出口と記録装置に接続されるインク供給口との間に介在して前記インク収容室の排出口からのインクの排出量に応じて容積が変化する液体検出室を、前記加圧流体の圧力から遮断される前記密閉空間の外部の領域に形成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この構成の液体検出装置の液体検出室は、例えば、室壁をダイヤフラム等の可撓壁によって構成したもので、インク収容室に十分なインク残量がある場合でも、インク収容室が加圧流体による加圧を受けずに、インク収容室からインク液が排出されない場合は、容積が最小限になるように構成されており、加圧流体による一定の加圧操作でインク収容室からインク液が排出されると、その排出されたインク量に応じて容積が増大する。
一方、加圧流体による一定の加圧操作が実施された場合に前記インク収容室から排出されるインク量は、インク収容室内のインク残量の減少に応じて徐々に減少する。インク収容室から排出されるインク量が減少すれば、それに応じて、液体検出室の容積の増加も減少する。
従って、加圧流体による加圧操作時の液体検出室の容積の変動を監視することで、インク収容室におけるインク残量(インク収容量)を検知することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−306604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、前述したような液体検出装置では、インク収容室からインクが排出されない時には、液体検出室が最小容積を保つように、液体検出室の室壁を構成するダイヤフラム等の可撓壁が容積を減少させる方向に適宜付勢部材で付勢されており、インク液収容室からインクが排出される度に、ダイヤフラム等の可撓壁が容積を拡張する変形を頻繁に繰り返すため、ダイヤフラム等の可撓壁を耐久性の高い高価な材料で形成しなければならず、液体検出装置の高額化が液体収容容器のコストアップを招くという問題が生じた。
【0008】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、液体収容量を検出するための液体検出室の可撓壁が変形を頻繁に繰り返すことがないため、液体検出室の可撓壁に、耐久性を下げた安価な材料を使用することができ、液体収容量を検出する液体検出装置の低コスト化によりコストの低減を図ることのできる液体収容容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の上記目的は、加圧流体が導入される加圧室と、加圧流体により加圧されて収容された液体を排出する液体収容室と、前記液体収容室の液体収容量の検出に用いられる液体検出装置と、を備えた液体収容容器において、
前記液体検出装置は、
前記液体収容室に連通する液体流入口と外部の液体消費装置に液体を供給する液体供給口に連通する液体流出口とを備えた液体検出室と、
前記液体検出室の液体収容量に応動して移動可能な移動部材と、
前記移動部材が所定位置に移動した状態を検出する検出手段と、を有し、
前記加圧室内に設けられたことを特徴とする液体収容容器により達成される。
【0010】
上記構成によれば、加圧流体により加圧される加圧室内に液体検出装置が装備されたことで、前記加圧室の外部に液体検出装置が装備される従来のものとは異なり、液体検出装置の液体検出室の容積を変える移動部材は、当初、液体検出室の容積が最大になるように、移動部材が対向する液体検出室の底壁から離間する方向に付勢しておくと良い。このときの移動部材への付勢力Fは、加圧流体により作用する加圧力をP、加圧流体の加圧により液体検出室に流入して充満した液体圧による液体検出室の内部圧をp1としたとき、P=F+p1が成立するように設定しておく。
【0011】
これにより、液体収容室内の液体収容量が減少すると、加圧流体による一定の加圧操作が実施された場合に液体収容室から液体検出室に流入する液体量が減少するため、実際の液体検出室内の液体圧による内部圧は、当初に設定していたp1よりも小さいp2となる。
即ち、液体収容室内の液体収容量が減少し、それに相応して、加圧操作時に液体収容室から液体検出室に流入する液体量が減少すると、液体検出室内の移動部材に作用する付勢力の総和である(F+p2)は、(F+p2)<(F+p1)=Pの関係により、加圧流体による加圧力Pよりも小さくなり、移動部材が液体検出室の容積を減少する方向に動く。
従って、移動部材が所定位置に移動したことを検出手段が検出することで、液体収容室内における液体収容量を検出することができる。
【0012】
そして、上記構成の液体検出装置は、液体検出室が当初最大の内容積に設定されていて、その後、液体収容室内の液体の消費に応じて徐々に液体検出室の内容積が減少していって、液体収容室内の液体が消尽されると、液体検出室の内容積が最小限になる構成となるため、液体検出室の移動部材を支持する可撓壁は、液体検出室の内容積が徐々に減少する方向に徐々に変形をする。
即ち、液体検出室の内容積が最大限から最小限まで変化する大きな変形の発生頻度は、液体収容室内の液体が消尽されるまでに1回であり、加圧室の外部に液体検出装置が装備される従来のものとは異なり、液体検出室の可撓壁が大きな変形を頻繁に繰り返すことがないため、液体検出室の可撓壁に、耐久性を下げた安価な材料を使用することができ、液体収容量を検出する液体検出装置の低コスト化によりコストの低減を図ることができる。
【0013】
(2)なお、好ましくは、上記(1)に記載の液体収容容器において、前記液体検出室は、その上面に形成された開口部を液体収容量に応じて変形可能なフィルムにより封止して構成され、また前記検出手段が前記液体検出室の底部に配置されている構成とすると良い。
このような構成にすると、開口部を封止するフィルムが、液体検出室の容積変化を可能にする可撓壁となり、容積変化特性(コンプライアンス)を備えた液体検出室を簡単に、且つ安価に形成することができる。
【0014】
(3)また、好ましくは、上記(1)又は(2)に記載の液体収容容器において、前記移動部材が、前記液体検出室の液体収容量の変化に対応した前記フィルムの変形によって移動する構成とすると良い。
このような構成にすると、移動部材は、フィルムに接合しておくだけでよく、液体収容量の変化に相応して移動させるための複雑な機構部品が不要になり、構成の簡略化によるコストの低減を図ることができる。
【0015】
(4)また、好ましくは、上記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の液体収容容器において、
前記検出手段は、
前記移動部材が液体収容量に応動して所定位置に移動した状態で、前記移動部材の水平面に平行な一面と協働して閉空間を形成するように前記液体検出室に形成された凹部を有し、前記凹部に振動を印加するとともに、前記振動に伴う自由振動の状態を検出する圧電型検出手段である構成とすると良い。
このような構成にすると、圧電型検出手段により振動が凹部に印加されると、凹部に対向する移動部材の変位に伴う液体検出室内の容積変化に相応して、自由振動(残留振動)状態が変化するため、自由振動の周波数を検出することにより、移動部材が規定の位置になったこと(即ち、液体の残量が規定量になったこと)を高精度に検出することができる。
【0016】
(5)また、好ましくは、上記(4)に記載の液体収容容器において、前記移動部材は、前記圧電型検出手段の振動面に対向する領域に、前記振動面に略平行となる面を有する構成とすると良い。
このような構成にすると、前記移動部材との協働により、前記圧電型検出手段が振動を印加する振動空間を、確実に、振動の印加に適した密閉空間に形成することができる。
【0017】
(6)また、好ましくは、上記(4)又は(5)に記載の液体収容容器において、前記移動部材は、前記圧電型検出手段が配置された方向と反対方向に付勢手段により付勢されている構成とすると良い。
このような構成にすると、付勢手段により、当初は、移動部材が圧電型検出手段から最大限に離れた位置に設定されていて、液体検出室内の内容積が最大の状態になり、その後、液体収容室内の液体収容量が減少すると、それに伴う液体検出室内の液圧の減少により、移動部材が徐々に圧電型検出手段側に接近し、液体収容室内の液体が消尽されると、移動部材が最も圧電型検出手段に接近した状態になるため、圧電型検出手段が移動部材の位置の変位によって変化する自由振動を検出することで、液体収容量の変化や液体の有無を確実に検出できるようになる。
【0018】
(7)また、好ましくは、上記(6)に記載の液体収容容器において、前記付勢手段が、弾性部材により構成されている構成とすると良い。
このような構成にすると、付勢手段による付勢力は、例えば、弾性部材の材質の変更等によって簡単に加減でき、この付勢力の加減により、移動部材が凹部を閉じる時期を変更できて、検出すべき液体検出室内の残存液量を容易に設定変更することができる。
【0019】
(8)また、好ましくは、上記(4)乃至(7)のいずれか一つに記載の液体収容容器において、前記移動部材が前記凹部と協働して閉空間を形成する時点を、前記液体収容室の液体が消尽された状態に設定している構成とすると良い。
(9)また、好ましくは、上記(4)乃至(7)のいずれか一つに記載の液体収容容器において、前記移動部材が前記凹部と協働して閉空間を形成する時点を、前記液体収容室の液体が略消尽された状態に設定している構成とすると良い。
上記(8)又は(9)に記載の構成にすると、例えばインクカートリッジとして使用した場合に、液体検出装置の圧電型検出手段を、液体収容室におけるインク残量がゼロになったことを検知するインクエンド検出機構や、もうすぐゼロになる状態を検知するインクニアエンド検出手段として有効に活用することができる。
【0020】
(10)本発明の上記目的は、液体を収容する液体収容室と、
前記液体収容室に連通する液体流入口と外部の液体消費装置に液体を供給する液体供給口に連通する液体流出口とを備えた液体検出室と、前記液体検出室の一部を区画形成し、液体収容量に応じて変形可能なフィルムとを備え、前記液体収容室の液体収容量の検出に用いられる液体検出装置と、
前記液体収容室に収容された液体を排出するため、該液体収容室に加圧流体を作用させるための加圧口と、
を備えた液体収容容器であって、
前記液体検出装置は、加圧流体が前記フィルムにも作用するように液体収容容器内に配置されることを特徴とする液体収容容器により達成される。
【0021】
上記構成によれば、液体収容量に応じて変形可能なフィルムに加圧流体が作用するように液体検出装置が液体収容容器内に配置されたことで、フィルムに加圧流体が作用しない従来のものとは異なり、液体検出装置の液体検出室の容積を変えるフィルムは、当初、液体検出室の容積が最大になるように付勢されると良い。このときのフィルムへの付勢力Fは、加圧流体により作用する加圧力をP、加圧流体の加圧により液体検出室に流入して充満した液体圧による液体検出室の内部圧をp1としたとき、P=F+p1が成立するように設定しておく。
【0022】
これにより、液体収容室内の液体収容量が減少すると、加圧流体による一定の加圧操作が実施された場合に液体収容室から液体検出室に流入する液体量が減少するため、実際の液体検出室内の液体圧による内部圧は、当初に設定していたp1よりも小さいp2となる。
即ち、液体収容室内の液体収容量が減少し、それに相応して、加圧操作時に液体収容室から液体検出室に流入する液体量が減少すると、液体検出室内のフィルムに作用する付勢力の総和である(F+p2)は、(F+p2)<(F+p1)=Pの関係により、加圧流体による加圧力Pよりも小さくなり、フィルムが液体検出室の容積を減少する方向に変形する。
従って、フィルムの変形を検出することで、液体収容室内における液体収容量を検出することができる。
【0023】
そして、上記構成の液体検出装置は、液体検出室が当初最大の内容積に設定されていて、その後、液体収容室内の液体の消費に応じて徐々に液体検出室の内容積が減少していって、液体収容室内の液体が消尽されると、液体検出室の内容積が最小限になる構成となるため、液体検出室の一部を区画形成しているフィルムは、液体検出室の内容積が徐々に減少する方向に徐々に変形をする。
即ち、液体検出室の内容積が最大限から最小限まで変化する大きな変形の発生頻度は、液体収容室内の液体が消尽されるまでに1回であり、加圧室の外部に液体検出装置が装備される従来のものとは異なり、液体検出室のフィルムが大きな変形を頻繁に繰り返すことがないため、液体検出室のフィルムに、耐久性を下げた安価な材料を使用することができ、液体収容量を検出する液体検出装置の低コスト化によりコストの低減を図ることができる。
【0024】
(11)なお、好ましくは、上記(10)に記載の液体収容容器において、前記液体検出装置は、フィルムに装着され、前記液体検出室の液体収容量に応動して移動可能な移動部材を備える構成とすると良い。
このような構成にすると、フィルムに装着された移動部材が、前記液体検出室の液体収容量に応動して移動したことを検出することで、液体収容室内における液体収容量を検出することができる。
【0025】
(12)また、好ましくは、上記(11)に記載の液体収容容器において、
前記液体検出装置は、
前記移動部材が液体収容量に応動して所定位置に移動した状態で、前記移動部材の水平面に平行な一面と協働して閉空間を形成するように前記液体検出室に形成された凹部と、
前記凹部に振動を印加するとともに、前記振動に伴う自由振動の状態を検出する圧電型検出手段と、
を備える構成とすると良い。
このような構成にすると、圧電型検出手段により振動が凹部に印加されると、凹部に対向する移動部材の変位に伴う液体検出室内の容積変化に相応して、自由振動(残留振動)状態が変化するため、自由振動の周波数を検出することにより、移動部材が規定の位置になったこと(即ち、液体の残量が規定量になったこと)を高精度に検出することができる。
【0026】
(13)また、好ましくは、上記(12)に記載の液体収容容器において、前記移動部材は、前記圧電型検出手段が配置された方向と反対方向に付勢手段により付勢されている構成とすると良い。
このような構成にすると、付勢手段により、当初は、移動部材が圧電型検出手段から最大限に離れた位置に設定されていて、液体検出室内の内容積が最大の状態になり、その後、液体収容室内の液体収容量が減少すると、それに伴う液体検出室内の液圧の減少により、移動部材が徐々に圧電型検出手段側に接近し、液体収容室内の液体が消尽されると、移動部材が最も圧電型検出手段に接近した状態になるため、圧電型検出手段が移動部材の位置の変位によって変化する自由振動を検出することで、液体収容量の変化や液体の有無を確実に検出できるようになる。
【0027】
(14)また、好ましくは、上記(13)に記載の液体収容容器において、前記付勢手段が、弾性部材により構成されている構成とすると良い。
このような構成にすると、付勢手段による付勢力は、例えば、弾性部材の材質の変更等によって簡単に加減でき、この付勢力の加減により、移動部材が凹部を閉じる時期を変更できて、検出すべき液体検出室内の残存液量を容易に設定変更することができる。
【0028】
(15)本発明の上記目的は、加圧室と、液体収容室と、液体検出室とを備えた液体収容容器であって、
前記液体収容室及び前記液体検出室のそれぞれが、前記加圧室に導入された加圧流体によってその容積が小さくなるように付勢されていることを特徴とする液体収容容器により達成される。
【0029】
上記構成によれば、液体収容室及び液体検出室のそれぞれが、加圧室に導入された加圧流体によってその容積が小さくなるように付勢されることで、液体検出室に加圧流体が作用しない従来のものとは異なり、当初、液体検出室の容積が最大になるように付勢されると良い。このときの液体検出室への付勢力Fは、加圧流体により作用する加圧力をP、加圧流体の加圧により液体検出室に流入して充満した液体圧による液体検出室の内部圧をp1としたとき、P=F+p1が成立するように設定しておく。
【0030】
これにより、液体収容室内の液体収容量が減少すると、加圧流体による一定の加圧操作が実施された場合に液体収容室から液体検出室に流入する液体量が減少するため、実際の液体検出室内の液体圧による内部圧は、当初に設定していたp1よりも小さいp2となる。
即ち、液体収容室内の液体収容量が減少し、それに相応して、加圧操作時に液体収容室から液体検出室に流入する液体量が減少すると、液体検出室に作用する付勢力の総和である(F+p2)は、(F+p2)<(F+p1)=Pの関係により、加圧流体による加圧力Pよりも小さくなり、液体検出室は容積が減少する。
従って、液体検出室の容積変化を検出することで、液体収容室内における液体収容量を検出することができる。
【0031】
そして、上記構成の液体検出室は、当初最大の内容積に設定されていて、その後、液体収容室内の液体の消費に応じて徐々に液体検出室の内容積が減少していって、液体収容室内の液体が消尽されると、液体検出室の内容積が最小限になる構成となる。
即ち、液体検出室の内容積が最大限から最小限まで変化する大きな変形の発生頻度は、液体収容室内の液体が消尽されるまでに1回であり、液体検出室に加圧流体が作用しない従来のものとは異なり液体検出室が大きな変形を頻繁に繰り返すことがないため、液体検出室の可撓壁に、耐久性を下げた安価な材料を使用することができ、液体収容量を検出する液体検出装置の低コスト化によりコストの低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る液体収容容器では、液体検出装置における液体検出室には、当初最大の内容積に設定されていて、その後、液体収容室内の液体の消費に応じて徐々に液体検出室の内容積が減少していって、液体収容室内の液体が消尽されると、液体検出室の内容積が最小限になる構成となるため、液体検出室の移動部材を支持する可撓壁は、液体検出室の内容積が徐々に減少する方向に徐々に変形をする。
即ち、液体検出室の内容積が最大限から最小限まで変化する大きな変形の発生頻度は、液体収容室内の液体が消尽されるまでに1回であり、加圧室の外部に液体検出装置が装備される従来のものとは異なり、液体検出室の可撓壁が大きな変形を頻繁に繰り返すことがないため、液体検出室の可撓壁に、耐久性を下げた安価な材料を使用することができ、液体収容量を検出する液体検出装置の低コスト化によりコストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係る液体収容容器の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る液体収容容器の一実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて密閉空間が非加圧状態時の縦断面図、図2は本発明に係る液体収容容器の一実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて密閉空間が加圧状態時の縦断面図、図3は本発明に係る液体収容容器の一実施の形態で、液体収容室内の液体が消尽されていて密閉空間が非加圧状態時の縦断面図である。
【0034】
この一実施の形態の液体収容容器1は、インクジェット式記録装置のカートリッジ装着部に着脱可能に装着されて、記録装置に装備された記録ヘッド(液体噴射ヘッド)にインクを供給するインクカートリッジである。
【0035】
この液体収容容器1は、加圧手段によって加圧される密閉空間(加圧室)3を区画形成した容器本体5と、インクを貯留して密閉空間3内に収容されて密閉空間3の加圧により貯留しているインクを排出口7aから排出する液体収容室7と、外部の液体消費装置である記録ヘッドにインクを供給するために容器本体5の一端側の隔壁5aに貫通形成された液体供給口9と、前記密閉空間3内で液体収容室7と液体供給口9との間に介在してインク残量の検出を行う液体検出装置11とを備えている。なお、本発明で密閉空間とは、液体収容容器1が液体消費装置に装着されるときに、その機能を果たす限りにおいて封止可能な空間であればよい。
【0036】
容器本体5は、箱形の筐体で、密閉空間3を画成している6面の隔壁の内、一端側の隔壁5aには、前記液体供給口9の他に、加圧口13が貫通形成されている。この加圧口13は、不図示の加圧手段が加圧空気を送給するための通路である。
【0037】
液体収容室7は、樹脂フィルム層の上にアルミニウム層が積層形成されたアルミラミネート複層フィルム相互の周縁部を互いに貼り合わせることにより形成した袋体7bの一端側に、液体検出装置11の液体流入口11aが接続される筒状の排出口7aを接合した、所謂インクパックである。アルミラミネート複層フィルムを使用したことで、高いガスバリア性を確保している。
液体収容室7と液体検出装置11は、排出口7aに液体流入口11aを嵌合接続させることで、互いに接続した状態になる。即ち、排出口7aと液体流入口11aとの嵌合を解除することで、互いに分離可能になっている。
液体収容室7には、液体検出装置11を接続する前に、予め脱気度の高い状態に調整されたインクが充填される。
【0038】
液体検出装置11は、液体収容室7の排出口7aに接続される液体流入口11aと液体供給口9に接続される液体流出口11bとを連通させた凹空間19aを有した検出装置ケース19と、凹空間19aの上面の開口部を封止して液体検出室(液体貯蔵部)21を画成した隔壁である可撓性フィルム23と、凹空間19aの底部に装備された振動検出部25と、この振動検出部25に対向して可撓性フィルム23の内面に接着剤等により固着された移動部材27と、この移動部材27と凹空間19aの底部との間に圧装されて液体検出室21の容積が増大する方向に移動部材27及び可撓性フィルム23を付勢する付勢手段である押しばね29とを備えている。
【0039】
検出装置ケース19は、凹空間19aを画成している周壁の一端側に、液体流入口11aが一体形成され、また、この液体流入口11aと対向する周壁に液体供給口9に連通する液体流出口11bが貫通形成されている。
図示していないが、液体供給口9には、インクジェット式記録装置のカートリッジ装着部に装着した際に、カートリッジ装着部に装備されているインク供給針の挿入により流路を開く弁機構が装備される。
なお、本発明における液体検出装置とは、液体収容容器を記録装置に装着することで、記録装置側に設けられている検出回路などに接続され、液体検出システムの一部を構成することで液体収容量の検出に用いられるものである。
【0040】
液体検出装置11における振動検出部25は、図3に示すように、液体収容室7のインクが消尽されたとき、加圧口13から密閉空間3内に供給される加圧流体の圧力によって移動部材27が押しばね29に抗して押し下げられて移動部材27が密着した状態に当接する底板31と、該底板31に形成された凹部であるインク誘導路33と、インク誘導路33に振動を印加すると共に印加した振動に伴う自由振動状態を検出する圧電型検出手段35とを備えたもので、インク誘導路33が移動部材27により閉じられているか否か、及び気泡が混在しているか否か等によって変動する自由振動の状態(残留振動の振幅や周波数の変化)から、インクの有無(インク残量)を検知する。
【0041】
押しばね29の付勢方向は、前述したように液体検出室21の容積が増大する方向であると同時に、圧電型検出手段35が配置された側とは反対の方向となっている。
底板31に形成された凹部であるインク誘導路33は、図3に示すように移動部材27が底板31に密着した状態では液体検出室21から遮断された閉空間に画成され、図1及び図2に示すように移動部材27が底板31から離れた状態になると液体検出室21に連通する。
【0042】
押しばね29の移動部材27への付勢力Fは、密閉空間3に供給される加圧空気により作用する加圧力をP、加圧空気の加圧により液体収容室7から液体検出室21に流入して充満したインク圧による液体検出室21の内部圧をp1としたとき、P=F+p1が成立するように設定しておく。
【0043】
液体収容室7内のインク収容量が減少すると、加圧流体による一定の加圧操作が実施された場合に液体収容室7から液体検出室21に流入するインク量が減少するため、実際の液体検出室21内のインク圧による内部圧は、当初に設定していたp1よりも小さいp2となる。
即ち、液体検出室21は、密閉空間3内が加圧流体により加圧されておらず、また、液体収容室7内に十分のインクが残留している時に、押しばね29の付勢力によって、容積が最大に拡張された状態になっている。
【0044】
そして、その後、液体収容室7内のインク収容量が減少し、それに相応して、加圧操作時に液体収容室7から液体検出室21に流入するインク量が減少すると、液体検出室21内の移動部材27に作用する付勢力の総和である(F+p2)は、(F+p2)<(F+p1)=Pの関係により、加圧流体による加圧力Pよりも小さくなり、移動部材27が液体検出室21の容積を減少する方向に動く。
図2は、密閉空間3内への加圧空気の供給により、液体収容室7及び液体検出装置11が加圧を受け、液体収容室7内のインク液が液体検出室21を介して液体供給口9に供給される状態を示している。
【0045】
そして、液体収容室7のインクが消尽されて、密閉空間3が加圧空気により加圧されても液体収容室7から液体検出室21へのインク供給が無くなると、液体検出室21内における移動部材27への付勢力は、押しばね29の付勢力のみとなり、加圧空気による外圧により移動部材27が凹空間19aの底側、即ち、振動検出部25側に押し付けられる。移動部材27の下面27aは、底板31の表面に平行(即ち、水平面に平行)な一面となっていて、この移動部材27の下面27aが底板31の表面に密着することにより、インク誘導路33が閉空間に画成される。
【0046】
本実施の形態では、液体検出室21内のインク収容量の減少によって移動部材27が底板31に密着して、インク誘導路33を閉空間にする時点を、液体収容室7の液体が消尽された状態に設定している。
【0047】
可撓性フィルム23は、液体検出室21に供給されるインクの圧力に応じて移動部材27に変位を付与するダイヤフラムとして機能する。インクの微少な圧力変化を検出可能にして、検出精度を向上させるためには、可撓性フィルム23には十分な可撓性を持たせると良い。
【0048】
以上に説明した液体収容容器1では、液体検出室21における液体収容量が規定以下になると、移動部材27が凹部であるインク誘導路33を有した底板31に密着して、振動作用領域であるインク誘導路33が略閉空間になるため、自由振動状態の変化が顕著になり、液体収容室7や液体検出室21における液体残量が所定レベルに到達した時点又は状態を、正確に確実に検出することができる。
【0049】
そして、本実施の形態の液体検出装置11は、液体検出室21が当初最大の内容積に設定されていて、その後、液体収容室7内のインクの消費に応じて徐々に液体検出室21の内容積が減少していって、液体収容室7内のインクが消尽されると、液体検出室21の内容積が最小限になる構成となるため、液体検出室21の移動部材27を支持する可撓壁である可撓性フィルム23は、液体検出室21の内容積が徐々に減少する方向に徐々に変形をする。
即ち、液体検出室21の内容積が最大限から最小限まで変化する大きな変形の発生頻度は、液体収容室7内の液体が消尽されるまでに1回であり、密閉空間3の外部に液体検出装置が装備される従来のものとは異なり、液体検出室21の可撓壁である可撓性フィルム23が大きな変形を頻繁に繰り返すことがないため、液体検出室21の可撓壁である可撓性フィルム23に、耐久性を下げた安価な材料を使用することができ、液体収容量を検出する液体検出装置11の低コスト化によりコストの低減を図ることができる。
【0050】
更に、本実施の形態の液体収容容器1の液体検出装置11は、上面を開口した凹空間19aを形成している検出装置ケース19に対して、凹空間19aの上面の開口を封止するように可撓性フィルム23を接着することで、液体検出室21を画成しており、凹空間19aの開口部を封止する可撓性フィルム23自体が、液体検出室21の容積変化を可能にする可撓壁となるため、容積変化特性(コンプライアンス)を備えた液体検出室21を簡単に、且つ安価に形成することができる。
【0051】
更に、本実施の形態の液体収容容器1の液体検出装置11は、液体検出室21の容積の減少に相応して、液体検出室21の底部側に変位させる移動部材27は、液体検出室21の隔壁の一部を構成している可撓性フィルム23に接合しておくだけでよく、液体収容量の変化に相応して移動部材27を移動させるための複雑な機構部品が不要になり、構成の簡略化によるコストの低減を図ることができる。
【0052】
更に、本実施の形態の液体収容容器1の液体検出装置11において、圧電型検出手段35により凹部としてのインク誘導路33に振動が印加されると、凹部としてのインク誘導路33に対向する移動部材27の変位に伴う液体検出室21内の容積変化に相応して、自由振動(残留振動)状態が変化するため、自由振動の周波数を検出することにより、移動部材27が規定の位置になったこと(即ち、液体の残量が規定量になったこと)を高精度に検出することができる。
【0053】
また、本実施の形態の液体収容容器1の液体検出装置11では、移動部材27が液体収容量に応動して所定位置(底板31に密着する位置)に移動すると、前記移動部材27の水平面に平行な一面としての下面27aが底板31の表面に三約して、インク誘導路33の開口部を確実に塞ぐため、圧電型検出手段35が振動を印加する振動空間としてのインク誘導路33を、確実に、振動の印加に適した密閉空間に形成することができる。
【0054】
更に、本実施の形態の液体収容容器1の液体検出装置11では、移動部材27は、圧電型検出手段35が配置された方向と反対方向に付勢手段である押しばね29により付勢している。
従って、押しばね29により、当初は、移動部材27が圧電型検出手段35から最大限に離れた位置に設定されていて、液体検出室21内の内容積が最大の状態になり、その後、液体収容室7内の液体収容量が減少すると、それに伴う液体検出室21内の液圧の減少により、移動部材27が徐々に圧電型検出手段35側に接近し、液体収容室7内の液体が消尽されると、移動部材27が最も圧電型検出手段35に接近した状態になるため、圧電型検出手段35が移動部材27の位置の変位によって変化する自由振動を検出することで、液体収容量の変化や液体の有無を確実に検出できるようになる。
【0055】
また、本実施の形態の液体収容容器1の液体検出装置11では、移動部材27を圧電型検出手段35から離れる方向に付勢する付勢手段を、弾性部材としての押しばね29により構成している。
これにより、押しばね29による付勢力は、例えば、弾性部材の材質の変更等によって簡単に加減でき、この付勢力の加減により、移動部材27が凹部を閉じる時期を変更できて、検出すべき液体検出室21内の残存液量を容易に設定変更することができる。
【0056】
また、本実施の形態の液体収容容器1の液体検出装置11では、移動部材27が底板31と協働して、インク誘導路33を密閉空間に形成する時点を、前記液体収容室7の液体が消尽された状態に設定しているため、例えばインクカートリッジとして使用した場合に、液体検出装置11の圧電型検出手段35を、液体収容室7におけるインク残量がゼロになったことを検知するインクエンド検出機構として有効に活用することができる。
【0057】
なお、移動部材27が底板31と協働して、インク誘導路33を密閉空間に形成する時点は、液体収容室7の液体が略消尽された状態に設定するようにしても良い。
このようにすると、例えばインクカートリッジとして使用した場合に、液体検出装置11の圧電型検出手段35を、液体収容室7におけるインク残量がもうすぐゼロになる状態を検知するインクニアエンド検出手段として有効に活用することができる。
【0058】
また、上記実施の形態では、移動部材27は、可撓性フィルム23の内面に接着剤等により固着した構成としたが、移動部材27を可撓性フィルム23に固着させずとも、移動部材27を底板31から離れる方向に付勢する押しばね29による付勢力によって、移動部材27を可撓性フィルム23に当接した状態に保持するだけにしても良い。
【0059】
また、本発明の液体収容容器の用途は、インクジェット記録装置のインクカートリッジに限らない。液体噴射ヘッドを備える各種の液体消費装置に流用可能である。
液体噴射ヘッドを備える液体消費装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置、捺染装置やマイクロデスペンサ等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る液体収容容器の一実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて密閉空間が非加圧状態時の縦断面図である。
【図2】本発明に係る液体収容容器の一実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて密閉空間が加圧状態時の縦断面図である。
【図3】本発明に係る液体収容容器の一実施の形態で、液体収容室内の液体が消尽されていて密閉空間が非加圧状態時の縦断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 液体収容容器(インクカートリッジ)
3 密閉空間(加圧室)
5 容器本体
7 液体収容室(インクパック)
7a 排出口
7b 袋体
9 液体供給口
11 液体検出装置
11a 液体流入口
11b 液体流出口
13 加圧口
15 検出部収容室
19 検出装置ケース
19a 凹空間
21 液体検出室
23 可撓性フィルム(ダイヤフラム)
25 振動検出部
27 移動部材
27a 下面
29 押しばね(付勢手段)
31 底板
33 インク誘導路(凹部)
35 圧電型検出手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧流体が導入される加圧室と、加圧流体により加圧されて収容された液体を排出する液体収容室と、前記液体収容室の液体収容量の検出に用いられる液体検出装置と、を備えた液体収容容器において、
前記液体検出装置は、
前記液体収容室に連通する液体流入口と外部の液体消費装置に液体を供給する液体供給口に連通する液体流出口とを備えた液体検出室と、
前記液体検出室の液体収容量に応動して移動可能な移動部材と、
前記移動部材が所定位置に移動した状態を検出する検出手段と、を有し、
前記加圧室内に設けられたことを特徴とする液体収容容器。
【請求項2】
前記液体検出室は、その上面に形成された開口部を液体収容量に応じて変形可能なフィルムにより封止して構成され、また前記検出手段が前記液体検出室の底部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項3】
前記移動部材が、前記液体検出室の液体収容量の変化に対応した前記フィルムの変形によって移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体収容容器。
【請求項4】
前記検出手段は、
前記移動部材が液体収容量に応動して所定位置に移動した状態で、前記移動部材の水平面に平行な一面と協働して閉空間を形成するように前記液体検出室に形成された凹部を有し、前記凹部に振動を印加するとともに、前記振動に伴う自由振動の状態を検出する圧電型検出手段であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体収容容器。
【請求項5】
前記移動部材は、前記圧電型検出手段の振動面に対向する領域に、前記振動面に略平行となる面を有することを特徴とする請求項4に記載の液体収容容器。
【請求項6】
前記移動部材は、前記圧電型検出手段が配置された方向と反対方向に付勢手段により付勢されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の液体収容容器。
【請求項7】
前記付勢手段が、弾性部材により構成されていることを特徴とする請求項6に記載の液体収容容器。
【請求項8】
前記移動部材が前記凹部と協働して閉空間を形成する時点を、前記液体収容室の液体が消尽された状態に設定していることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の液体収容容器。
【請求項9】
前記移動部材が前記凹部と協働して閉空間を形成する時点を、前記液体収容室の液体が略消尽された状態に設定していることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の液体収容容器。
【請求項10】
液体を収容する液体収容室と、
前記液体収容室に連通する液体流入口と外部の液体消費装置に液体を供給する液体供給口に連通する液体流出口とを備えた液体検出室と、前記液体検出室の一部を区画形成し、液体収容量に応じて変形可能なフィルムとを備え、前記液体収容室の液体収容量の検出に用いられる液体検出装置と、
前記液体収容室に収容された液体を排出するため、該液体収容室に加圧流体を作用させるための加圧口と、
を備えた液体収容容器であって、
前記液体検出装置は、加圧流体が前記フィルムにも作用するように液体収容容器内に配置されることを特徴とする液体収容容器。
【請求項11】
前記液体検出装置は前記フィルムに装着され、前記液体検出室の液体収容量に応動して移動可能な移動部材を備えることを特徴とする請求項10に記載の液体検出容器。
【請求項12】
前記液体検出装置は、
前記移動部材が液体収容量に応動して所定位置に移動した状態で、前記移動部材の水平面に平行な一面と協働して閉空間を形成するように前記液体検出室に形成された凹部と、
前記凹部に振動を印加するとともに、前記振動に伴う自由振動の状態を検出する圧電型検出手段と、
を備えることを特徴とする請求項11に記載の液体検出容器。
【請求項13】
前記移動部材は、前記圧電型検出手段が配置された方向と反対方向に付勢手段により付勢されていることを特徴とする請求項12に記載の液体収容容器。
【請求項14】
前記付勢手段が、弾性部材により構成されていることを特徴とする請求項13に記載の液体収容容器。
【請求項15】
加圧室と、液体収容室と、液体検出室とを備えた液体収容容器であって、
前記液体収容室及び前記液体検出室のそれぞれが、前記加圧室に導入された加圧流体によってその容積が小さくなるように付勢されていることを特徴とする液体収容容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−210330(P2007−210330A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7361(P2007−7361)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】