説明

液体吐出ヘッドの製造方法

【課題】本発明は、プルームやデブリーの影響を受けることなく、高精度な深さ精度で先導孔を形成することができる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、表面に液滴を吐出する吐出口及び該吐出口に連通する液体流路を構成する樹脂層を有する基板の裏面よりレーザ光を照射して先導孔を形成し、前記先導孔を形成した後に異方性エッチングを行い、前記流路に連通する液体供給口を形成する工程を含む液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記先導孔を形成する際に、前記基板及び前記樹脂層を透過したレーザ光を前記基板の表面側で共焦点顕微鏡により受光することにより、前記先導孔のレーザ加工深さを検出することを特徴とする、液体吐出ヘッドの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体吐出ヘッドの製造方法に関し、具体的には、インクジェット記録ヘッドの製造方法に関し、特にインク吐出部にインクを供給する流路構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリントヘッドの流体供給スロットを形成する方法が述べられている。特許文献1に記載の方法によれば、まずプリントヘッドを形成する基板裏面からレーザ加工もしくはドライエッチング加工を行い、その後基板表面までウェットエッチングを行い、貫通させている。この加工方法によれば、形成される流体供給スロットの幅を最小限に縮小させることが出来るため、同一ウェハ内の取り個数を増やすことができ、プリントヘッドのコストダウンが可能となる。
【0003】
次に、特許文献2には、レーザ加工の進行を検知して加工を停止させる方法が述べられている。特許文献2に記載の方法によれば、加工用パルスレーザビームとは別の測定用レーザビームが用いられ、ビアホール内の絶縁樹脂層の表面と銅層の表面に各レーザビームが焦点を結んだ際の反射光を検出する。それぞれの反射光強度がピークに達する時間差より、ビアホールの底面から銅層表面までの厚さを測定する。測定値が所定の値以下になったら、加工用パルスレーザビームによる加工を停止させる。この特許文献2で述べられている測定手段は「共焦点顕微鏡」として認知されている技術である。
【0004】
共焦点顕微鏡としては、例えば“Three−Dimentional Surface Measurement Using the Confocal Scanning Microscope”と題する非特許文献1においても論じられている。
【0005】
その他、レーザ加工の進行を検知する手段として、非特許文献2にて青島らによるフェムト秒レーザを用いた計測手段が紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−148824号公報
【特許文献2】特開2002−176240号公報
【非特許文献1】Appl.Phys;211−213(1982);Hamilton,Wilson.
【非特許文献2】第66回レーザ加工学会講演論文集
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来例では、それぞれ以下に示すような欠点があった。
【0008】
特許文献1に示すようなスロットをレーザ加工する場合、レーザ加工深さを高精度に制御することが技術的な課題となる。従来、レーザ加工深さは、レーザ照射時間、若しくはパルス数を規定することで設定される。レーザ加工深さが浅い、加工の初期段階においては、レーザ照射時間もしくはパルス数と加工深さとの関係は直線的な増加傾向を示す。しかし、加工が進展し、スロット深さ/幅で定義する「アスペクト比」が大きくなってくると、前記直線的な増加傾向が崩れ、スロット部の加工面において、加工深さの分布にバラツキが生じる。しかし、ウェットエッチングは基板全体を一様に溶解するため、例えば基板にレーザ加工により形成された複数の先導孔間で深さのバラツキがあると、ウェットエッチング後のスロット形状にバラツキが発生してしまう。スロット形状のバラツキはスロット内を供給される流体の流抵抗のバラツキの原因となり、その結果、製品性能にバラツキが生じる可能性がある。
【0009】
上記レーザ加工深さのバラツキを低減させる手段として、特許文献2や、非特許文献2における青島らによるフェムト秒レーザを用いた計測手段が提案されている。しかし、これらの従来例では、レーザ光の入射方向と加工深さの計測方向が同一方向(同一側)であるために、レーザ加工深さの計測精度に問題があった。通常、パルスレーザ光を用いた加工では、レーザ照射に伴って、高温、高密度のイオン化領域(以下「プルーム」とも称す)や、被加工材料の粒子化(以下「デブリー」とも称す)が発生する。このため、レーザ加工と同時に同一側で計測を行うと、計測光は前記プルームやデブリーによって連続的に反射/屈折などの影響をうけ、計測精度が低下してしまう場合がある。また、レーザ加工範囲を拡大するためには光学系の集光倍率を下げる必要があるが、それに伴って計測の倍率も低下し、計測精度が低下してしまう場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明は、
表面に液滴を吐出する吐出口及び該吐出口に連通する液体流路を構成する樹脂層を有する基板の裏面よりレーザ光を照射して先導孔を形成し、前記先導孔を形成した後に異方性エッチングを行い、前記流路に連通する液体供給口を形成する工程を含む液体吐出ヘッドの製造方法であって、
前記先導孔を形成する際に、前記基板及び前記樹脂層を透過したレーザ光を前記基板の表面側で共焦点顕微鏡により受光することにより、前記先導孔のレーザ加工深さを検出することを特徴とする、液体吐出ヘッドの製造方法である。
【0011】
このような構成において、前記課題で示したプルームやデブリーはレーザ光の入射方向にのみ存在するため、本手段による計測精度はこれらの影響を受けることなく、基板内のレーザ加工位置が所望の場所に到達した際にレーザ加工を停止することができる。
【0012】
また、従来例のように専用の測定用レーザ光を用いることがなく、計測装置を簡易かつ小型に構成することができる。さらに、レーザ加工の集光光学系とは別に検出部を設けるため、レーザ光の集光倍率が変化しても計測精度に影響を与えることはない。よって、前記課題で述べたような加工深さバラツキに左右されることなく、高精度な深さ精度で先導孔を形成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の製造方法において、レーザ加工深さを高精度に計測し、アスペクト比の大きなスロットにおいても高精度に加工深さを制御することによって、インク供給口の幅を最小限に小さな領域までシュリンクすることが可能となる。更に、レーザ加工による深さを極限まで進めることで、基板厚さに対して、残る基板厚さを最小にすることで、その後に行うウェットエッチングの時間を最短にすることもできる。それによって、ウェハ内に配置される液体吐出ヘッド用基板のサイズをシュリンクすることが出来、故に、同一ウェハ内の取り個数を多くすることができる。よって、安価で、信頼性の高い液体吐出ヘッドを製造することが可能となる。
【0014】
特に、前記ウェットエッチングによる工程は、強アルカリ性のエッチング液で、且つ、高温条件下で行うために、歩留まりの低下が発生する最大の要因に成っている。よって、前記ウェットエッチング工程を最短で行うことは、液体吐出ヘッドの製造において、歩留まりを向上することにつながる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示す概略図である。
【図2】本発明における共焦点顕微鏡の基本的な動作原理を説明するための概略図である。
【図3】開口が形成された犠牲層の上面概略図である。
【図4】実施形態1におけるインクジェット記録ヘッドの製造方法を説明するための工程概略図である。
【図5】実施形態1におけるインクジェット記録ヘッドのノズル配置を示す上面図である。
【図6】実施形態1におけるインクジェット記録ヘッドの基板断面図である。
【図7】実施形態1におけるインクジェット記録ヘッドの基板及び該基板上に形成されたインクジェットノズルの断面図である。
【図8】実施形態1におけるレーザ加工深さを検知する手段を説明するための概略図である。
【図9】実施形態1における開口が形成された犠牲層の上面透視図である。
【図10】実施形態2におけるレーザ加工深さを検知するための手段を説明するための概略図である。
【図11】実施形態3におけるレーザ加工深さを検知するための手段を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、表面に液滴を吐出する吐出口及び該吐出口に連通する液体流路を構成する樹脂層を有する基板の裏面よりレーザ光を照射して先導孔を形成し、前記先導孔を形成した後に異方性エッチングを行い、前記流路に連通する液体供給口を形成する工程を含む液体吐出ヘッドの製造方法である。また、先導孔を形成する際に、基板及び樹脂層を透過したレーザ光を基板の表面側で共焦点顕微鏡により受光することにより、前記先導孔のレーザ加工深さを検出することができる。
【0017】
本発明の構成により、先導孔を所定の深さに高精度に制御して形成することができる。
【0018】
とくに、極限の深さまで先導孔を形成することで、残る基板厚さを最小にすることでき、その後に行うウェットエッチングの時間を短縮することができる。
【0019】
(システム構成)
図1は、本発明のシステム構成の一例を示す概略図である。図1において、59は、吐出エネルギー発生素子を備えた基板および樹脂層を表す。51はレーザ発振器である。52、53はレーザ光を反射する第1の反射ミラー及び第2の反射ミラーである。54はレーザ光の外径を拡大するビームエキスパンダである。55はレーザ光を所望の角度に反射するスキャナミラーである。56はスキャナミラーで反射したレーザ光を基板上に集光する集光レンズである。57は基板上に形成された位置合わせ用マークを認識するために設けられた位置合わせ用顕微鏡である。58は基板及び樹脂層を透過したレーザ光を受光し、レーザ加工位置を検出するための共焦点顕微鏡である。510は基板を移動ステージ上に固定するための固定治具である。511は基板および治具510を紙面と垂直方向に移動するための第1の移動ステージである。512は基板および治具510および移動ステージ511を紙面と平行方向に移動するための第2の移動ステージである。513はスキャナミラー55の動作を制御するスキャナミラー用コントローラである。514は位置合わせ用顕微鏡57の動作を制御する位置合わせ用コントローラである。515は、共焦点顕微鏡58の動作を制御するとともに、共焦点顕微鏡58より出力される信号の処理を行う共焦点顕微鏡用コントローラである。516は第1の移動ステージ511及び第2の移動ステージ512の動作を制御する移動ステージ用コントローラである。517はレーザ発振器51の動作を制御するレーザ発振器用コントローラである。518は、前記それぞれのコントローラ515、516、517を統合的に制御する上位コントローラである。519は上位コントローラ518に対して動作プログラムを入力するためのユーザインターフェースである。
【0020】
基板としては例えばシリコン基板が用いられる。樹脂層は基板上に設けられ、インク流路やインク吐出口が形成される。図1では、基板が上側、樹脂層が下側になるように配置されている。
【0021】
以下、上記システム構成における動作を順を追って説明する。まず、第1の移動ステージ511、第2の移動ステージ512を用いて基板の位置を調節し、基板上に形成された位置合わせ用マークを位置合わせ用顕微鏡57で認識する。第1の移動ステージ511及び第2の移動ステージ512はステージ自体に備わった干渉計やリニアエンコーダ等の変位量検出手段によって位置情報を得る。位置合わせ用顕微鏡57と集光レンズ56の光軸との距離L1は既知である。ステージ位置情報と前記距離L1より、基板と集光レンズ56の光軸との位置関係を計算し、基板を所望の位置に位置決めすることが可能となる。
【0022】
次に、レーザ発振器用コントローラ517からの駆動信号に従って、レーザ発振器51よりレーザ光が発せられる。
【0023】
ここで言うレーザ光とは、基板に先導孔を形成するのに十分な出力を有し、パルス発振による高いピーク出力を有する。発振波長は、基板に対して一部が透過性を有する波長が選択され、例えばNd:YVO4レーザ結晶より発せられる波長1064nmである。
【0024】
ここで、レーザ光は、特に限定されるものではないが、例えばYAGレーザーの3倍波(THG:波長355nm)のレーザー光を用いることもできる。レーザ光のパワー及び周波数は適宜選択されることができる。
【0025】
先導孔は、特に限定されるものではないが、例えば穴又は溝の形状とすることができる。穴形状の場合、その径は例えば約φ5〜100μmである。溝形状はレーザ光を走査させることにより形成可能である。
【0026】
レーザ発振器51より発せられたレーザ光は、第1の反射ミラー52及び第2の反射ミラー53によって適切な方向に反射後、ビームエキスパンダ54に入射し、所望の倍率に外径を拡大される。スキャナミラー55によって反射角度が変調されたレーザ光は集光レンズ56によって基板上に集光されると共に基板上を高速移動し、所望の寸法でレーザ加工を行う。レーザ加工によって基板に先導孔として孔もしくは溝が形成されるが、ここで一部のレーザ光は基板及び樹脂層を透過して共焦点顕微鏡58に入射する。入射したレーザ光は電気信号に変換される。共焦点顕微鏡用コントローラ515によって信号処理された結果、先導孔におけるレーザ加工面の位置情報(レーザ加工位置に関する情報)が得られる。レーザ加工面が予め設定した位置に到達すると、上位コントローラ518がレーザ発振を停止し、加工を停止させることができる。
【0027】
図1におけるスキャナミラー55は1個であり、紙面と平行方向に反射方向を変調するが、このスキャナミラー以降に紙面と垂直方向に反射方向を変調する第2のスキャナミラーを追加することで、基板上で集光点を2次元方向に走査できる。
【0028】
また、図1において、集光レンズ56はスキャナミラー55の後方に位置している。ここで、集光レンズ56をスキャナミラー55前方に置き、スキャナミラー55の変調と同期させて集光レンズ56の位置を光軸方向に変調することで、集光点を3次元方向に走査することも可能である。
【0029】
(共焦点顕微鏡)
図2に、本発明における共焦点顕微鏡の基本的な動作原理を示す。61は吐出エネルギー発生素子を備えたインクジェット記録ヘッド用の基板を表す。基板61の表面上(図2において基板61の下側に相当する)には、密着向上層や流路形成層等の樹脂層が設けられている。62は、開口が形成された犠牲層(以下「犠牲層」とも称す)である。なお、本発明における共焦点顕微鏡の基本的な動作について説明するために、基板表面に犠牲層が設けられている形態を例に挙げるが、本発明は必ずしも犠牲層が設けられている必要はない。しかし、精度良く液体供給口を形成する観点から、犠牲層が設けられている方が好ましい。また、この犠牲層には開口が必ずしも設けられている必要はなく、犠牲層が使用するレーザ光に対して透過性を有するならば犠牲層に開口を設ける必要はない。63は、基板61内にレーザ光で形成される孔もしくは溝形状の先導孔の最前面(レーザ加工面とも称す)を表す。64は基板61に対して一部透過性の波長を有するレーザ光である。65は共焦点顕微鏡である。66は共焦点顕微鏡65内に配置された集光レンズである。67は共焦点顕微鏡65内に配置されたピンホールである。68は共焦点顕微鏡65内に配置された光検出器である。69は信号処理部である。
【0030】
ここで、集光レンズの焦点距離をf、集光レンズとピンホールの距離をLとすると、ピンホールは集光レンズの反対側で距離L’の位置に光学的に共役な像67’を結び、その関係式は、1/L’=1/L+1/fとなる。レーザ加工は、レーザ光64が加工面63上を高速で移動することで進行するが、レーザ光の一部は基板および犠牲層に形成された開口を透過して入射側と反対方向(基板表面側方向)に拡散する。拡散光は集光レンズ66によって集光される。レーザ加工が進行し、レーザ加工面63と共役像67’の位置が一致するタイミングで、ピンホール中心を通過する光量が最大となる。言い換えれば、ピンホール67を通過するレーザ光が最大の時、加工面はL’に位置している。よって光検出器68からの電気信号が最大となるタイミングを信号処理部69によって検出し、レーザ発振器を停止することによって、レーザ加工をL’の位置で高精度に停止することができる。
【0031】
ここで、図3に開口が形成された犠牲層の上面概略図を示す。70は犠牲層のレーザ加工領域の範囲内に形成された開口であり、直径をdとする。犠牲層に設ける開口の形成方法としては、特に限定されるものではなく、一般に用いられるフォトリソグラフィ法を用いることができる。71はレーザ加工領域の輪郭の一例を表す。図3における寸法としては、例えば、犠牲層62の縦辺が100μm、レーザ加工領域の縦辺が80μm、dが20μmである。
【0032】
犠牲層の開口中心はピンホールの中心と集光レンズを介して基板内部に結像するピンホールの光学的共役像中心とを結んだ光軸上に配置される。つまり、犠牲層に設けられた開口は、共焦点顕微鏡を構成するピンホールの中心と、共焦点顕微鏡の集光レンズを介して基板内に結像するピンホールの光学的共役像の中心と、を結んだ光軸上に前記開口の中心が配置されるように設けられていることが好ましい。
【0033】
また、犠牲層の開口直径dは、最小値がレーザ光の波長以上であり、先導孔の径以下であることが好ましい。さらに、集光レンズ66を介して基板内部に結像するピンホールの光学的共役像と犠牲層との距離をa、集光レンズ66の焦点距離fと有効径Dによって決定されるFナンバーをFno=f/Dと規定すると、犠牲層の開口直径dの最適値はa/Fnoである。このような構成において、非透過性の犠牲層に形成された開口は、共焦点顕微鏡に不要なレーザ光が入射することを防止する「絞り」の作用を行う。開口を適切な大きさとすることにより、共焦点顕微鏡における分解能が向上する。よって、加工深さの計測精度が向上し、より高精度な深さ精度で先導孔を形成することができる。
【0034】
開口直径は、概して集光光学系の絞りに相当する機能を発揮するため、小さいと解像度が向上するが感度が低下する。開口直径Dが前記a/Fnoを大幅に越えても共焦点顕微鏡は動作するが、加工面上を高速移動するレーザ光の拡散光が光ノイズ成分として光検出器に多量に入射することによって、解像度の低下や光強度の飽和を生じる場合がある。
【0035】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら示し、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法について説明する。また、以下の説明では、本発明の適用例として、インクジェット記録ヘッドを例に挙げて説明を行うが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、バイオッチップ作製や電子回路印刷用途の液体吐出ヘッド等にも適用できる。液体吐出ヘッドとしては、インクジェット記録ヘッドの他にも、例えばカラーフィルター製造用ヘッド等も挙げられる。
【0036】
(実施形態1)
本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0037】
以下、本発明の製造方法によるインク流路形成の工程断面図を図4に示す。
【0038】
図4(a)において、基板10の表面に吐出エネルギー発生素子11が形成されている。また、基板10の上には、犠牲層11が形成されている。また、基板10、犠牲層11及び吐出エネルギー発生素子12の上には、パッシベーション膜9(メンブレン膜とも称す)が形成されている。また、パッシベーション膜9の上には、密着向上層13aが形成されている。また、基板の裏面には、熱酸化膜8が一面に成膜されている。また、熱酸化膜8上には、エッチングマスク13bがパターン形成されている。
【0039】
犠牲層11としては、異方性エッチングのエッチング液で除去可能な材料が好ましく用いられ、例えば、アルミ、アルミシリコン(Al/Si)、アルミ銅(Al/Cu)、アルミシリコン銅(Al/Si/Cu)などを用いることができる。また、レーザ光が透過する犠牲層としてはポリシリコン等がある。この犠牲層を設けることにより、精密に液体供給口を形成することができる。
【0040】
パッシベーション膜9としては、例えば、P−SiO/P−SiN膜を用いることができる。
【0041】
密着向上層13aとしては、例えば、HIMAL(商品名、日立化成社製)を用いることができ、フォトリソグラフィプロセスによってパターン形成することができる。また、エッチングマスク13bとしても、例えば、HIMAL(商品名、日立化成社製)を用いることができ、フォトリソグラフィプロセスによってパターン形成することができる。
【0042】
次に、図4(b)に示すように、例えばPMIPK(ポリメチルイソプロペニルケトン)を用いてインク流路の型材となるポジ型レジスト層14を形成する。PMIPKを主成分とした塗布型レジストは、(株)東京応化工業から商品名「ODUR―1010」として市販されている。この被膜は汎用的なスピンコート法にて形成できる。ポジ型レジスト膜14を例えば230〜350nmの波長を有する露光光で露光し、現像することで、図3(b)に示すようなパターンが形成される。
【0043】
次に、図4(c)に示すように、前記ポジ型レジスト層14を覆うように液流路構造体材料を塗布し、被覆樹脂層15を形成する。塗布する液流路構造体材料は例えば特許第3143307号公報に記載されるエポキシ樹脂を主に含む感光性材料を用いることができる。この感光性材料は、好ましくはキシレン等の芳香族系溶剤に溶解して塗布すれば、PMIPKとの相溶を防止できる。さらに、被覆樹脂層15に露光・現像により吐出口17を形成する。一般的には液流路構造体材料はネガ型特性のものを用いるため、吐出口となる部分に光を照射させないフォトマスク(不図示)を適用する。
【0044】
また、流路形成層上に撥水性被膜16を形成する場合は、特開2000−326515号公報に記載されるように、感光性撥水材層を形成し、流路形成層と一括に露光・現像することにより、吐出口17を形成することが可能である。この時、感光性を有する撥水性皮膜16の形成はラミネートにより実施することが可能である。その後、流路形成層15と感光性を有する撥水性皮膜16を同時に露光する。現像はキシレン等の芳香族系溶剤を適用することが好ましい。
【0045】
次に、図4(d)に示すように、流路形成層15の上に、該流路形成層をアルカリ溶液から保護するために、例えば環化イソプレンを塗布し、保護膜19を形成する。環化イソプレンは東京応化工業社より商品名「OBC」として上市されている。その後、レーザ加工機を用いて、裏面側に形成された熱酸化膜8と、基板10を同時に加工し、共通インク供給口20を形成する。この時、基板裏面から共通インク供給口20の平坦面までの距離は、例えば500μmである。また、用いた基板の厚さは例えば625μmで、サイズは6インチサイズ(Φ150mm)である。
【0046】
次に、図4(e)に示すように、後述する本実施形態におけるレーザ加工機を用いて、加工深さを基板表面側(樹脂層表面側とも把握できる)から検知しながら先導孔を形成する。先導孔の形成は例えばレーザ光を走査することで形成可能である。また、先導孔は、深さが約120〜124μm(残りの基板厚さ:1〜5μm)になるように先導孔を形成する。
【0047】
次に、図4(f)に示すように、異方性エッチングによりシリコン基板をエッチングし、液体供給口を形成する。異方性エッチングに用いるエッチング液は例えばアルカリ溶液を用いることができる。エッチングは、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)(例えば22wt%溶液,83℃)に2〜10分間浸漬させることにより実施できる。前記基板表面に形成された犠牲層12は、シリコン基板の前記異方性エッチングにより一緒に除去される。その後、基板10裏面の熱酸化膜8とエッチングマスク13bを除去する。
【0048】
次に、図4(g)に示すように、犠牲層12上に形成されていたパッシベーション膜9を除去する。
【0049】
最後に、図4(h)に示すように、基板をキシレン等の溶解溶液に浸漬して保護膜19を除去した。その後、全面露光により、液流路の型材であるポジ型レジスト層14を分解する。例えば330nm以下の波長の光を照射すれば、レジスト材料は低分子化合物に分解され、溶剤により除去し易くなる。この工程により、図4(h)の断面図に示すとおり、インク供給口と吐出口とが連通するインク流路22が形成される。
【0050】
図5は、吐出エネルギー発生素子11に対して対称なインク流路(液体流路)22が形成されるインクジェット記録ヘッドを構成する1色のノズル配置を上面から見た図である。中央に配置された独立インク供給口21とその両側に配置された独立インク供給口21の間に、吐出エネルギー発生素子11と、該吐出エネルギー発生素子11に対称なインク流路22が形成されている。該配置によって、吐出エネルギー発生素子11へは、対称なインク流路22を介して、両側の独立インク供給口21からインクが充填される。そして、前記独立インク供給口21は、基板裏面側に配置されている共通インク供給口20に連通している。
【0051】
図6は、図4(e)までの工程が終了した時点での断面拡大図を示している。
【0052】
図7は、図4(g)までの工程が終了した時点での断面拡大図を示している。
【0053】
図8に、本実施形態における共焦点顕微鏡を用いてレーザ加工位置(深さ)を検知するための構成を示す。
【0054】
180は共焦点顕微鏡である。181はレーザ光に対して透明な窓である。182は集光レンズである。183は集光レンズを光軸方向に動かすアクチュエータである。184はピンホール部である。185はレーザ光の波長に感度を有する光検出器である。190は吐出エネルギー発生素子を備えた基板(例えばシリコン基板)を表す。また、基板190の表面上(図8において基板190の下側に相当する)には、密着向上層や流路形成層等の樹脂層、及び開口を有する犠牲層193が設けられている。179はレーザ光であり、該レーザ光は基板190に対して半透過性を有する波長である、波長1064nmのダイオード励起固体レーザである。191は形成途中又は形成された先導孔(レーザ加工領域とも称す)である。192は先導孔における最前面(レーザ加工面とも称す)である。犠牲層193はレーザ光が通過できるような開口を3箇所有し、レーザ光179が非透過性のアルミシリコン(Al/Si)膜で構成されている。194は光受光器185からの信号を処理する信号処理コントローラである。ピンホール184は、例えば金属薄板に微小な穴が形成された部品でレーザ光で損傷しない様にレーザ波長に対して高反射性の金薄膜が蒸着されている。ピンホール径は集光レーザ光の回折による広がりに対し、1/3以下程度が適切であるとされている。ピンホール径が小さくなるにつれ、得られる光量も小さくなることから、光検出器の感度とのバランスにより決定され、本実施形態では例えば5μm程度とすることができる。
【0055】
図9に、開口が形成された犠牲層の上面図を示す。なお、図9は説明を簡略化するために犠牲層を透視して図示している。162は開口が形成されたアルミシリコン(Al/Si)膜犠牲層であり、170は犠牲層に形成された開口であり、該開口170はレーザ加工領域の範囲内に形成されている。171はレーザ加工領域の輪郭である。本実施形態では、開口170の直径は例えば10μmとすることができる。
【0056】
次に、上記構成における動作を順を追って説明する。基板190上にレーザ光179を集光させることによってレーザ加工が進行し、先導孔191を形成する。先導孔191の底面であるレーザ加工面192は加工時間とともに下方(基板表面側方向)に進行する。ここで、図中Y(図10参照)の位置を所望の加工停止位置とする。犠牲層193に形成された開口を通過したレーザ光179は、透明窓181、集光レンズ182、ピンホール184を経由して光検出器185に入射する。
【0057】
以下に信号処理の原理について説明する。ピンホール部184に形成されたピンホールは、集光レンズ182を介して基板190内に光学共役像を形成する。本実施形態では3箇所のピンホール部184が、共役像184’をそれぞれ形成する。次に、アクチュエータ183にコントローラ115より一定の周波数と振幅を有する駆動信号を入力して集光レンズ182を光軸方向に駆動する。その結果、共役像184’はδの範囲で往復移動(揺動)する。本実施形態では、例えば、駆動信号に三角波を用い、共役像184’を周波数100Hz、振幅50μmで往復移動させることができる。アクチュエータ183としては、例えば圧電素子を用いることができるが、ボイスコイルや超音波モータ、その他電気/磁気/機械的な駆動手段を用いても構わない。
【0058】
レーザ光179はレーザ加工面192上で高速に移動しながら加工が進展するが、一部は基板190を透過して入射側と反対方向に拡散する。拡散光は犠牲層193に設けられた開口を通過し、集光レンズ182によって集光される。レーザ加工が進行し、加工面192がδの可動範囲内に達し、レーザ加工面192と共役像184’の位置が一致するタイミングで、ピンホール中心を通過する光量が最大となる。3つの光検出器185からの電気信号を平均化すると共に、信号が最大となるタイミングを信号処理部115によって検出し、レーザ発振器を停止することによって、レーザ加工をδの範囲内で所定の位置に、高精度に停止することができる。
【0059】
このような構成において、位置が異なるピンホールはそれぞれ異なるレーザ加工位置を検出することができる。よって、それぞれのピンホールから得られる信号を適切に処理することによって、レーザ加工による加工深さの進行をより高精度に計測することが可能となり、より高精度な深さ精度で先導孔を形成することができる。
【0060】
本実施形態では、犠牲層に設けられた開口、および開口に応じて設けられたピンホールの個数は3つであったが、加工部の寸法や求める精度に応じて適宜に個数を設定できる。また、光検出部はそれぞれ独立した構成としたが、寸法に応じてCCDやポジションセンサ・ダイオード等の受光素子を使用してもよい。
【0061】
(実施形態例2)
本実施形態における共焦点顕微鏡の構成を説明するための概略図を図10に示す。同図において、80は共焦点顕微鏡である。81はレーザ光に対して透明な窓である。82は集光レンズである。83、84はピンホール部である。85、86はレーザ光の波長に感度を有する光検出器である。90は吐出エネルギー発生素子を備えた基板を表す。また、基板90の表面上(図10において基板90の下側に相当する)には、密着向上層や流路形成層等の樹脂層、及び開口を有する犠牲層93が設けられている。79はレーザ光であり、該レーザ光は基板90に対して半透過性を有する波長1064nmのダイオード励起固体レーザである。91は形成途中又は形成された先導孔(レーザ加工領域とも称す)である。92は先導孔における最前面(レーザ加工面とも称す)である。犠牲層93はレーザ光が通過できるような開口を3箇所有し、レーザ光79が非透過性のアルミシリコン(Al/Si)膜で構成される。94は光受光器85、86からの信号を処理する信号処理コントローラである。ピンホール83、84は、例えば金属薄板に微小な穴が形成された部品でレーザ光で損傷しない様にレーザ波長に対して高反射性の金薄膜が蒸着されている。ピンホール径は集光レーザ光の回折による広がりに対し、1/3以下程度とすることが適切であるとされている。ピンホール径が小さくなるにつれ、得られる光量も小さくなることから、光検出器の感度とのバランスにより決定され、本実施形態では5μm程度とすることが好ましい。
【0062】
次に、上記構成におけるレーザ加工を順を追って説明する。基板90上にレーザ光79を集光させることによってレーザ加工が進行し、先導孔91を形成する。先導孔91の底面であるレーザ加工面92は加工時間とともに下方(基板表面側方向)に進行する。開口を通過したレーザ光79は、透明窓81、集光レンズ82、ピンホール83を経由して光検出器85、86に入射する。
【0063】
以下に信号処理の原理について説明する。ピンホール83、84は、集光レンズ82を介して基板90内に光学共役像を形成する。本実施例では2箇所のピンホール83と1箇所のピンホール84が、それぞれ共役像83’、84’を形成する。ピンホール83と84は集光レンズ82に対する距離が異なるため、共役像83’、84’も異なる位置X、Yに形成される。本実施形態では、例えば位置Xと位置Yの間隔が50μmになる様に設定することができる。
【0064】
レーザ光79は加工面92上で高速に移動しながら加工が進展するが、一部は基板90を透過して入射側と反対方向に拡散する。拡散光は犠牲層93に設けられた開口を通過し、集光レンズ82によって集光される。レーザ加工が進行し、レーザ加工面92と共役像83’、84’の位置が一致するタイミングでピンホール中心を通過する光量が最大となる。よって、レーザ加工の進行に伴ってレーザ加工面92が位置Xを通過する前後において、光検出部85の出力はコントローラ15で示す波形Aを示す。同様に、レーザ加工面92が位置Yを通過する前後において、光検出部86の出力はコントローラ15で示す波形Bを示す。波形A、Bを用いて信号処理を行い、波形A、Bが交差するタイミングで上位コントローラにトリガ信号を出力する。上位コントローラはトリガ信号入力後、直ちにレーザ発振器の発振を停止するため、本実施形態の構成によって位置A、Bの中間でレーザ加工を高精度に停止することができる。
【0065】
本実施形態では、犠牲層に設けられた開口、および開口に応じて設けられたピンホール部の個数は3つの場合について説明したが、加工部の寸法や求める精度に応じて適宜に設定でき、複数設けることができる。また、光検出部はそれぞれ独立した構成としたが、寸法に応じてCCDやポジションセンサ・ダイオード等の受光素子を使用してもよい。
【0066】
(実施形態3)
本実施形態における共焦点顕微鏡の構成を説明するための概略図を図11に示す。同図において、280は共焦点顕微鏡である。281はレーザ光に対して透明な窓である。282は集光レンズである。283、284はピンホールである。285、286はレーザ光の波長に感度を有する光検出器である。290は吐出エネルギー発生素子を備えた基板を表す。また、基板290の表面上(図11において基板290の下側に相当する)には、密着向上層や流路形成層等の樹脂層、及び開口を有する犠牲層293が設けられている。279はレーザ光であり、該レーザ光としては基板290に対して半透過性を有する波長1064nmのダイオード励起固体レーザが選択される。291は形成途中又は形成された先導孔である。292は先導孔における最前面(レーザ加工面とも称す)である。犠牲層293はレーザ光279が透過性する膜で構成され、例えばPolySi膜で構成されることができる。294は光受光器285、286からの信号を処理する信号処理コントローラである。ピンホール283、284は、例えば金属薄板に微小な穴が形成された部品でレーザ光で損傷しないようにレーザ波長に対して高反射性の金薄膜が蒸着されている。ピンホール径は集光レーザ光の回折による広がりに対し、1/3以下程度が適切であるとされている。ピンホール径が小さくなるにつれ、得られる光量も小さくなることから、光検出器の感度とのバランスにより決定され、本実施形態において例えば5μm程度とすることができる。
【0067】
次に、上記構成におけるレーザ加工を順を追って説明する。基板290上にレーザ光279を集光させるによってレーザ加工が進行し、先導孔291が形成する。先導孔291におけるレーザ加工面292は加工時間とともに下方(基板表面側方向)に進行する。犠牲層293を通過したレーザ光279は、透明窓281、集光レンズ282、ピンホール部283を経由して光検出器285、286に入射する。
【0068】
以下に信号処理の原理について説明する。ピンホール部283、284に形成されたピンホールは、集光レンズ282を介して基板290内に光学共役像を形成する。本実施形態では2箇所のピンホール283と1箇所のピンホール284が、それぞれ共役像283’、284’を形成する。ピンホール283と284は集光レンズ282に対して距離が異なるため、共役像283’、284’も異なる位置X、Yに形成される。本実施形態では、位置Xと位置Yの間隔が50μmになるように設定している。
【0069】
レーザ加工は、レーザ光279がレーザ加工面292上を高速で移動することで進行するが、この時、レーザ光の一部は基板290を透過して入射側と反対方向に拡散する。拡散光は犠牲層293を透過し、集光レンズ282によって集光される。レーザ加工が進行し、レーザ加工面292と共役像283’、284’の位置が一致するタイミングでピンホール中心を通過する光量が最大となる。よって、レーザ加工の進行に伴ってレーザ加工面292が位置Xを通過する前後において、光検出部285の出力はコントローラ294で示す波形Aを示す。同様に、レーザ加工面292が位置Yを通過する前後において、光検出部286の出力はコントローラ294で示す波形Bを示す。波形A、Bを用いて信号処理を行い、波形A、Bが交差するタイミングで上位コントローラにトリガ信号を出力する。上位コントローラはトリガ信号入力後、直ちにレーザ発振器の発振を停止するため、本構成によって位置A、Bの中間でレーザ加工を高精度に停止することができる。
【0070】
本実施形態では、ピンホールの個数は3つの場合について説明したが、加工部の寸法や求める精度に応じて適宜に個数を設定できる。また、光検出部はそれぞれ独立した構成としたが、寸法に応じてCCDやポジションセンサ・ダイオード等の受光素子を使用してもよい。
【符号の説明】
【0071】
10、59、61、90、190、290 基板
17 吐出口
20 共通インク供給口
22 インク流路
58、65、80、180、280 共焦点顕微鏡
79、179、279 レーザ光
191 先導孔(レーザ加工領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に液滴を吐出する吐出口及び該吐出口に連通する液体流路を構成する樹脂層を有する基板の裏面よりレーザ光を照射して先導孔を形成し、前記先導孔を形成した後に異方性エッチングを行い、前記流路に連通する液体供給口を形成する工程を含む液体吐出ヘッドの製造方法であって、
前記先導孔を形成する際に、前記基板及び前記樹脂層を透過したレーザ光を前記基板の表面側で共焦点顕微鏡により受光することにより、前記先導孔のレーザ加工深さを検出することを特徴とする、液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項2】
前記基板の表面には前記レーザ光に対して非透過な犠牲層が形成されており、該犠牲層は前記先導孔を加工する範囲内に少なくとも1つの開口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記犠牲層に設けられた開口は、前記共焦点顕微鏡を構成するピンホールの中心と、前記共焦点顕微鏡の集光レンズを介して前記基板内に結像する前記ピンホールの光学的共役像の中心と、を結んだ光軸上に前記開口の中心が配置されるように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記犠牲層の開口の直径dは、レーザ光の波長以上であり、前記先導孔の径以下であることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記共焦点顕微鏡で検知される前記ピンホール中心を通過する光量が最大に達した時点で、前記レーザ光による前記先導孔の形成を停止することを特徴とする請求項3又は4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記共焦点顕微鏡を構成するピンホールが複数設けられており、前記集光レンズを光軸方向に揺動させ、前記共焦点顕微鏡で検知される前記複数のピンホールの中心を通過する光量の平均が最大に達した時点で、前記レーザ光による前記先導孔の形成を停止することを特徴とする請求項3又は4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記共焦点顕微鏡を構成する複数のピンホールは、少なくとも1つのピンホールが他のピンホールとは前記基板との距離が異なって配置されることを特徴とする、請求項6に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate