説明

液体吐出装置及び液体吐出方法、可搬型給水機能付き洗面台

【課題】被災地の劣悪な環境等において、ポリタンク等の大型液体容器を持ち上げたり傾けたりすることなく、電気エネルギーを用いない継続的な液体の吐出を可能にする。
【解決手段】蛇腹容器を足で踏み縮めて、サイフォン式ポンプの圧力タンク内の風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を吐出管から排出し、前記蛇腹容器を踏む力を弱めた後に、前記蛇腹容器内部のばねの復元力で前記蛇腹容器の体積が復元するのに伴い、前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、ポリタンク等の大型液体容器から液体を吸い上げ、再び前記蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、吸い上げた液体を空間に吐出できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生後の被災地等において、水を入れたポリタンク等の大型液体容器を持ち上げたり傾けたりすることなく、人力のみによって中の水を無駄なく使用することができる、液体吐出装置及び液体吐出方法、可搬型給水機能付き洗面台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人力で給水するための代表的な技術として、井戸で用いられている手押しポンプがあった。尚、手押しポンプは井戸ポンプ等と呼ばれることもある。
【0003】
手押しポンプは、シリンダー内のピストンを上下に往復させることによって水を汲み上げる装置であり、ピストン中央部に開けられた穴に弁を備え、それを開閉できるようになっている。水を汲み上げる時にはピストンの穴にある弁が閉じていて、ピストンを下げる時には弁が開いてシリンダー内を下降できるようになっている。ピストンを上下に往復させるための動力源は、ポンプの上部にある手押しレバーであり、梃子の原理を用いるものが多い。
【0004】
手押しポンプは、かつてはどこの家にもあり、庭の井戸水を汲んで生活用水を得ていたが、水道の普及や電動式ポンプの登場によって次第に使われなくなった。しかし、最近では、災害等で電気・水道等のライフラインが寸断されたときの有用性とともに、電気を使わないことによるCO2削減や省エネの効果が再認識されている。
【0005】
次に、石油ストーブで用いられている灯油ポンプは、給水するためのものではないが、負圧ポンプとサイフォン(Siphon)を組み合わせたものであり、上部に設けられた圧力タンクを何回か繰り返し押さえることによって、内部に負圧を生じさせて液体を吸い上げ、一度管内を液体で満たした後は、サイフォンの原理によって液体が移動し続けるというものである。ここで、サイフォンの原理は、低い高さないし同じ高さの別の地点に、出発地点よりも高い地点を経由して、液体を移動させることができるというものである。ただし、灯油ポンプの上部に設けられた圧力タンクを繰り返し押さえ続ける限りにおいては、その都度生じる負圧によって液体を吸い上げ続けることも可能である。尚、灯油ポンプは、石油ポンプやサイフォン式ポンプ等と呼ばれることもある。
【0006】
特許文献1(実用新案)には、現在の灯油ポンプとほぼ同一の構造を有するプラスチック製ポンプが示されている。また、JIS規格では、規格番号:JIS S 2037:2007、標題:石油燃焼機器用注油ポンプ、規格概要:ポリエチレン缶及びドラム缶の中の灯油を、石油燃焼機器等へ移すために用いる注油ポンプについての規定とされている。
【0007】
足踏みによって液体を吸い上げる技術としては、特許文献2に開示されたものがあるが、足踏みポンプ内に水を直接吸い込んで、それを高いところに吐き出す方法であって、灯油ポンプの場合のように、上部圧力タンク内に生じる負圧を利用するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案出願公告昭32−10956
【特許文献2】特開2002−13178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
災害発生直後の被災地等において自衛隊の給水支援等を受けて、ポリタンク等の大型容器に水を入れて貰えたとしても、中の水を使用する際に、その都度水を充満した大型容器を持ち上げるのは大変である。また、世帯毎等の小グループに水を配分する場合にも、水を充満した大型容器を持ち上げる必要が生じる。これは、かなりの重労働であるし、特に高齢者や小さな子供にとっては極めて困難な作業である。
【0010】
更に、大型容器を傾ける際にたくさんの水が無駄に流される場合がある。水は、人に限らず生物が生きるうえで最も重要な資源であり、水無しで生きることは絶対に不可能である。したがって、災害発生後の給水は被災者の生死を左右するので、一滴の水も無駄にはできない。近い将来必ず発生する大規模災害において、一人ひとりの被災者の口に水を確実に供給できるように備えておくことは、高齢化が進行する我が国において災害対策上の喫緊の課題といえる。
【0011】
そこで、従来技術による対策を検討するに、まず、手押しポンプのような大掛かりな装置を被災地において使用することは現実的ではない。また、高齢者や小さな子供でも楽に給水できるようにするためには、手押しポンプを足で操作する方法が考えられる。しかし、手押しレバーを相当に長くしなければならないため、広い操作スペースが必要となるし、操作は極めて困難である。また、シリンダー内にピストンを有するという構造上、吸上管は真っ直ぐで、尚且つ、ある程度の太さを有するものとせざるを得ない。
【0012】
確かに、電動式ポンプを用いれば、低い位置にある元の容器から高い位置にある別の容器に吸い上げることだけでなく、液体を空間に吐出し続けることも可能であるが、被災地等の極限状況において電源を確保できる保証はない。また、モーター等の電子機器を用いる場合、雨水や泥等の浸入による故障の虞もある。更に、省エネやエコロジーの観点からも、電気エネルギーを用いる方法は可能な限り避けることが望ましい。そこで、故障し難い単純な構造であって、尚且つ、人力で操作できる装置が必要となる。
【0013】
また、被災地のような劣悪な環境においては、疫病の発生を予防する等の衛生管理上の観点から、手洗いが極めて重要である。また、キャンプ等においても食中毒の予防等のためには、調理や食事前の手洗いが欠かせない。特に気温の高い地域や季節においてはこれが重要である。しかしながら、ポリタンクやペットボトル等の容器に入れた水を手にかけて手洗いをする従来の形態の場合、容器が清潔であれば良いが、一般的には泥等で汚れている場合が多く、また、使い回しをする等、不衛生な環境で使用されている場合が多いので、容器を保持した方の手は十分に洗うことができない。また、石鹸で汚れを落とすには、これを泡立てることが望ましいが、片手では十分に石鹸を泡立てることができない。更に、片手ずつ洗う場合には、こぼれる水量も多く無駄である。
【0014】
この点、足踏みによって水を吐出できるようになれば、両手同時の手洗いだけでなく、石鹸も十分に泡立てることができるようになり、衛生管理の面からも望ましい。更に、こぼれる水量が少なくなるので、節水にもつながる。被災地等の給水が乏しい状況では、これは特に重要な効果である。
【0015】
本発明はかかる従来技術の問題点を解決して、被災地の劣悪な環境等において前記のような様々なニーズに対応するために、電気エネルギーを用いないで、継続的に液体を空間に吐出し続けることができる液体吐出装置及び液体吐出方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、まず、被災地等の劣悪な環境においては装置自体が汚れるので、洗浄した後の手で停止させる方法は衛生管理上の問題がある。更に、衛生管理上の理由だけでなく、災害等で手を負傷して操作が困難な場合も想定されるので、液体の吐出を足で開始するための手段が必要である。
【0017】
このため、負圧ポンプとサイフォンを組み合わせた灯油ポンプにおいて、従来は上部に設けられたポンプを手で押すことによって負圧を生じさせていたものを、ビニールプール等で使用する足踏みポンプを用いることによって負圧を生じさせるようにする。
【0018】
この際、足踏みポンプを灯油ポンプに単純に連結したのでは、足踏みの最初の段階で一時的に負圧を生じさせることは可能であるが、足踏みポンプは、灯油ポンプよりも低い位置に設置されるため、すぐに水が足踏みポンプの側に流れ込んでしまう。従来の灯油ポンプは、その原理上、負圧はポンプの最上部に生じさせる必要があった。尚、サイフォンの原理による液体の移動を停止させる場合に、最上部の栓を解放して負圧を解消するようになっているのもこのためである。
【0019】
そこで、この足踏みポンプへの液体の流入を防ぐためには、負圧をかける空間と液体が移動する空間を分離しつつも、負圧を液体に作用させる必要がある。
【0020】
本発明では、従来の灯油ポンプの負圧を生じさせていた圧力タンク内において、風船を膨張収縮させることによって負圧を生じさせる。そして、この風船への空気の給排気を足踏みポンプで行うようにする。このようにすることによって、従来のように灯油ポンプを手で繰り返し押さえることなく、足踏みポンプで膨張収縮させる風船によって、風船が膨張した瞬間に圧力タンク内の空気の一部を外に押し出した後に、風船が収縮した瞬間すなわち圧力タンク内の容積が膨張する瞬間に圧力タンク内に負圧を生じさせることができる。
【0021】
そこで、請求項1記載の液体吐出装置は、移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、ばねを内部に設けた蛇腹容器、前記風船と前記蛇腹容器を連結する管を備え、前記蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記蛇腹容器内部のばねの復元力で前記蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、前記移動元液体容器から液体を吸い上げ、再び前記蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、吸い上げた液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とする。
【0022】
この蛇腹容器と風船を管で連結する仕組みは、外部から空気を取り込む足踏みポンプとは異なり、蛇腹容器と圧力タンク内の風船との間で空気を往復させるものであるので、産業革命の原動力になった蒸気機関のピストンに近い発想である。蒸気機関は蒸気の圧力(内部エネルギー)を力学的エネルギーに変換するのに対して、本発明は人の足踏みによる力学的エネルギーを一旦圧力(内部エネルギー)に変換してから力学的エネルギーに再度変換するものである。換言すれば、閉空間内部の圧力(内部エネルギー)の変化によって力学的エネルギーを伝達するものである。
【0023】
これによって、手を使わずに、液体を吐出できるようになる。
【0024】
次に、請求項2記載の液体吐出方法は、請求項1記載の液体吐出装置が採用した方法である。
【0025】
請求項2記載の液体吐出方法は、移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、風船と管で連結することによって密閉した空間を形成する蛇腹容器を足で踏み縮めて、前記サイフォン式ポンプの圧力タンク内において前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を排出し、前記蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記蛇腹容器内部のばねの復元力で前記蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、前記移動元液体容器から液体を吸い上げ、再び前記蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、吸い上げた液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とする。
【0026】
次に、使用した液体を排水できるようにしなければ、足元に液体や泥が撥ねて汚れてしまう場合も想定される。
【0027】
そこで、請求項3記載の可搬型給水機能付き洗面台は、請求項1記載の液体吐出装置、洗面器、前記洗面器の底に設ける排水管、前記洗面器を支持する脚からなり、水を入れた容器から前記液体吐出装置によって水を吸い上げ、吸い上げた水を空間に吐出し、又は、サイフォンの原理によって吸い上げた水を空間に吐出し続け、前記排水管から排水できるようにしたことを特徴とする。
【0028】
これによって、自己完結型の簡易水道施設を構成できるので、被災地等の劣悪な状況において、日常に近い生活環境を演出することができ、被災者のストレスを軽減することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は簡単な構造であるので故障する虞は殆ど無く、被災地においても確実に機能する。また、電源等の動力源が不要であるのでエネルギー供給が途絶えた被災地においていつでも使用できる。そして、人力の吸上ポンプであるにも関わらず操作が簡単であるので、高齢者や小さな子供でも使用することができる。更に、両手を同時に洗い流すことができ、両手を使った洗顔・洗髪も可能であるので、衛生管理上も大きな効果がある。
【0030】
他方、地球温暖化に代表される環境問題やエネルギー問題が、ますます顕在化・深刻化している現代社会において、環境に優しい「グリーン技術」の重要性は益々増大しており、これに関する研究開発の一層の促進が求められている。そして、水の供給技術においても電力を消費しない省エネ技術が求められている。本発明は、人力で液体を移動及び吐出させることのできる、電気エネルギーを使用しない技術である。また、液体容器を持ち上げたり傾けたりしなくても良いので、無駄にこぼすことが少ない。よって、本発明は、節電節水等の省エネ効果を有する「グリーン技術」である。
【0031】
本発明は、百円前後で購入できる灯油ポンプ、足踏みポンプ、風船等、安価な材料を用いて製造することができる。
【0032】
また、病院や調理場等の厳しい衛生管理が求められる場所においても、電気エネルギーを用いずに、汚れた部分に手を触れることなく両手を洗浄することができる。
【0033】
そして、液体容器に消毒液を入れて使用することもできる。特に、インフルエンザが流行したときには、ウィルスが付着したドアノブやエレベーターのボタン等に触れることによって感染する場合が多いので、いつでも、どこでも、安価に設置できる消毒設備が感染予防に威力を発揮する。本発明は、電気モーター等を使用しないので非常に安価に製造することができ、いつでも、どこでも設置することができる。
【0034】
更に、断水に備えて浴槽に水を溜めている家庭においては、本発明を用いて浴槽から水を吸い上げることによって応急水道設備として活用できる。
【0035】
本発明は、被災地等の他にも、発展途上国等の水道の整備が遅れている地域や中東諸国等の水資源が乏しい地域において非常に有用である。水不足や感染症に苦しむ多くの人々、特に子供達を救済するために役立てることができるので、我が国の国際貢献につながる技術である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は足踏みによって液体を吐出している状態を示す説明図である。
【図2】図2は支柱に固定した状態の一例を示す説明図である。
【図3】図3は可搬型給水機能付き洗面台の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る液体吐出装置及び液体吐出方法、可搬型給水機能付き洗面台について説明する。尚、本発明の液体吐出装置及び液体移動装置は、一般家庭において、冬場に灯油缶やポリタンクから石油ストーブに灯油を移しかえるために使用されている灯油ポンプや、夏場にビニールプールの空気入れに使用されている足踏みポンプ等を用いて構成することができる。
【実施例】
【0038】
図1は、請求項1記載の液体吐出装置の実施例であり、ビニールプールの空気入れに使用されている足踏みポンプの逆止弁を全て取り除いたものを、蛇腹容器9として用いた。そして、連結管8の他端を風船7に連結することによって、密閉した空間を形成した。この際、全ての材料を空気漏れが生じないように注意しながら連結した。
【0039】
これによって、最初に前記蛇腹容器9を踏み込んだときに前記風船7が膨張し、その結果、圧力タンク5の内部を加圧して吐出用逆止弁4から排気することができ、反対に、前記蛇腹容器9を踏む力を弱めたときに、ばね10の復元力によって前記風船7が収縮し、その結果、前記圧力タンク5の内部に負圧を生じさせ、吸上用逆止弁3から液体を吸い上げ、吐出管2から良好に液体を吐出させることができた。
【0040】
足踏みによる液体吐出装置は、図1に示すように、蛇腹容器9を繰り返し踏み続ける限りにおいて、移動元液体容器(ポリタンク等)6が空になるまで液体を吸い上げ吐出させることができた。この場合は、サイフォンの原理を用いるものではないため、移動元液体容器の液面よりも吐出管2の出口が低い高さである必要はなく、高い位置から空間に吐出させることができた。
【0041】
本発明装置は、吸上管1を移動元液体容器(ポリタンク等)6の口に差し込んで立て掛けるようにして使用することができるが、図2に示すように、地面に刺した支柱11に強力洗濯ばさみ12等で固定し、あるいは、点滴台のように吊るして使用することができる。
【0042】
図3は、請求項3記載の可搬型給水機能付き洗面台の実施例である。この場合、吸上管1は、強力洗濯ばさみ12等で脚15に固定することができる。
【0043】
尚、市販されている配水管14は、分厚い洗面台に取り付けるように設計されているので、本発明の可搬型給水機能付き洗面台のように薄い洗面器13に取り付ける場合には、締め付け部分に水漏れを防止するための管及びパッキンを追加する必要がある。
【0044】
これによって、被災地等の劣悪な環境においても、通常の生活環境で用いられる形態に近い簡易洗面台を提供することができるので、衛生管理だけでなく、被災者のストレス軽減にも大いに役立てることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 吸上管
2 吐出管
3 吸上用逆止弁
4 吐出用逆止弁
5 圧力タンク
6 移動元液体容器(ポリタンク等)
7 風船
8 連結管
9 蛇腹容器
10 ばね
11 支柱
12 強力洗濯ばさみ
13 洗面器
14 配水管
15 脚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、ばねを内部に設けた蛇腹容器、前記風船と前記蛇腹容器を連結する管を備え、前記蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記蛇腹容器内部のばねの復元力で前記蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、前記移動元液体容器から液体を吸い上げ、再び前記蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、吸い上げた液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、風船と管で連結することによって密閉した空間を形成する蛇腹容器を足で踏み縮めて、前記サイフォン式ポンプの圧力タンク内において前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を排出し、前記蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記蛇腹容器内部のばねの復元力で前記蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、前記移動元液体容器から液体を吸い上げ、再び前記蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、吸い上げた液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とする液体吐出方法。
【請求項3】
請求項1記載の液体吐出装置、洗面器、前記洗面器の底に設ける排水管、前記洗面器を支持する脚からなり、水を入れた容器から前記液体吐出装置によって水を吸い上げ、吸い上げた水を空間に吐出し、又は、サイフォンの原理によって吸い上げた水を空間に吐出し続け、前記排水管から排水できるようにしたことを特徴とする可搬型給水機能付き洗面台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−237248(P2012−237248A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107007(P2011−107007)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【特許番号】特許第4800450号(P4800450)
【特許公報発行日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(598072755)
【Fターム(参考)】