説明

液体吐出装置

【課題】縁無し印刷を行う場合において、液体受けの液体回収機能の低下を抑制する。
【解決手段】
キャリッジ6に搭載されたインクジェットヘッドと処理液ヘッドからインクと処理液を吐出して印刷用紙Pへの縁無し印刷を行う場合において、印刷用紙Pの走査方向に関する両端の縁部の外側に吐出された処理液とインクは、第1液体受け14が移動することにより、それぞれ第1液体受け14上の第1処理液吸収体15と第1インク吸収体16に受け止められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縁無し印刷を行う液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体吐出装置には、記録媒体における上下両端縁および左右両端縁の余白を無くして印刷(縁無し印刷)を行うことができるものが知られている。
【0003】
特許文献1には、縁無し印刷を行う液体吐出記録装置において、記録媒体の縁部近傍に液体受けを配置する構成が開示されており、記録媒体の縁をはみ出す位置に吐出された液体を受け止めることで、液体吐出装置内の液体による汚染を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−50406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、第1液体に作用して第1液体中の成分を凝集あるいは析出させる成分を有する第2液体を第1液体と同様にヘッドから吐出するシリアル型の液体吐出装置においては、第2液体を利用した縁無し印刷を行う際に、第1液体と第2液体が液体受けの同じ場所に吐出されることとなる。この場合、第1液体と第2液体の接触により発生した凝集物又は析出物が液体受け上に固着、堆積し、液体受けの液体回収機能が低下するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、第1液体と第1液体に作用して第1液体中の成分を凝集あるいは析出させる成分を有する第2液体を利用した縁無し印刷を行う場合において、液体受けの液体回収機能の低下を抑制することができる液体吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の液体吐出装置は、記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送される記録媒体に対向する位置に設けられ、前記搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、前記キャリッジに装着され、記録媒体に画像を形成するための第1液体を吐出する第1液体吐出手段と、前記キャリッジに装着され、記録媒体に前記第1液体と作用して前記第1液体中の成分を凝集あるいは析出させる成分を含んだ第2液体を吐出する第2液体吐出手段と、記録媒体の縁部を越える位置に吐出された前記第1液体及び前記第2液体を受け止める液体受けと、前記液体受けを移動させる液体受け移動手段と、前記搬送機構、前記キャリッジ、前記第1及び第2液体吐出手段、並びに前記液体受け移動手段を制御する制御手段を有している。そして、前記制御手段は、前記第1液体と前記第2液体を前記液体受けにおける別々の領域で受け止めさせるように、前記液体受け移動手段を制御することを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の液体吐出装置は、請求項1に記載の液体吐出装置において、前記液体受けは、第1領域と第2領域に区画されており、前記制御手段は、前記第1液体を前記第1領域に、前記第2液体を前記第2領域に受け止めさせるように、前記液体受け移動手段を制御することを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の液体吐出装置は、請求項2に記載の液体吐出装置において、前記液体受けは、前記第1領域に第1液体吸収体を、前記第2領域に第2液体吸収体をそれぞれ有しており、前記制御手段は、前記第1液体を前記第1液体吸収体に、前記第2液体を前記第2液体吸収体にそれぞれ受け止めさせるように、前記液体受け移動手段を制御することを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の液体吐出装置は、請求項1乃至3に記載の液体吐出装置において、
前記制御手段は、前記搬送機構により搬送されている記録媒体の縁部を越える位置に前記第1液体及び前記第2液体が吐出されたとき、前記液体受けを前記第1液体吐出手段又は前記第2液体吐出手段と対向させながら前記搬送方向と直交する方向に往復移動させるように前記液体受け移動手段を制御することを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の液体吐出装置は、請求項1乃至3に記載の液体吐出装置において、液体受けは単一であり、前記制御手段は、前記液体受けを前記第1液体吐出手段又は前記第2液体吐出手段と常に対向させながら前記搬送方向と直交する方向に往復移動させるように前記液体受け移動手段を制御することを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の液体吐出装置は、請求項1乃至3に記載の液体吐出装置において、
前記液体受けは、前記搬送機構により搬送されている記録媒体の前記搬送方向と直交する方向に関する両端の縁部を越える位置に吐出された前記第1液体及び前記第2液体を受け止める第1液体受けと、前記搬送方向と直交する方向に長尺な形状を有し前記搬送機構により搬送されている記録媒体の前記搬送方向に関する両端の縁部を越える位置に吐出された前記第1液体及び前記第2液体を受け止める第2液体受けと、を備えており、前記制御手段は、前記搬送機構により搬送されている記録媒体の前記搬送方向に関する両端については前記第1液体吐出手段及び前記第2液体吐出手段の複数回の走査により前記第1液体と前記第2液体を走査毎に別々に吐出し画像を形成するように前記搬送機構、前記キャリッジ、前記第1及び第2液体吐出手段を制御し、且つ、記録媒体の縁部を越える位置に前記第1液体又は前記第2液体が吐出されたとき、前記第1液体と前記第2液体を前記第2液体受けにおける別々の領域で受け止めさせるために前記第2液体受けを前記搬送方向に移動させるように前記液体受け移動手段を制御し、前記搬送機構により搬送されている記録媒体の前記搬送方向と直交する方向に関する両端については前記第1液体吐出手段及び前記第2液体吐出手段の単一走査により前記第1液体と前記第2液体を吐出し画像を形成するように前記搬送機構、前記キャリッジ、前記第1及び第2液体吐出手段を制御し、且つ、記録媒体の縁部を越える位置に前記第1液体及び前記第2液体が吐出されたとき、前記第1液体受けを前記第1液体吐出手段又は前記第2液体吐出手段と対向させながら前記搬送方向と直交する方向に往復移動させるように前記液体受け移動手段を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の液体吐出装置は、請求項3乃至6に記載の液体吐出装置において、前記液体受けが、回転体又は回動体であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の液体吐出装置によると、液体受けが移動することによって、第1液体と第2液体はそれぞれ液体受けの別々の領域に受け止められる。そのため、液体受け上において、第1液体と第2液体の接触が抑制される。その結果、請求項1に記載の液体吐出装置は、液体受け上の凝集物又は析出物の発生を抑制することができ、これにより、液体受けの液体回収機能の低下を抑制することができる。
【0015】
請求項2に記載の液体吐出装置によると、液体受けは、第1領域と第2領域に区画されており、第1液体は第1領域に、第2液体は第2領域にそれぞれ受け止められる。そのため、第1液体と第2液体の接触が防止される。その結果、請求項2に記載の液体吐出装置は請求項1に記載の液体吐出装置が奏する効果に加えて、液体受け上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる。
【0016】
請求項3に記載の液体吐出装置によると、液体受けは、第1領域に第1液体吸収体を、第2領域に第2液体吸収体をそれぞれ有しており、第1液体は第1液体吸収体に、第2液体は第2液体吸収体にそれぞれ受け止められる。そのため、第1液体、第2液体はそれぞれ第1液体吸収体中、第2液体吸収体中に吸収され、保持される。その結果、請求項3に記載の液体吐出装置は、請求項2に記載の液体吐出装置が奏する効果に加えて、より多くの第1液体及び第2液体を液体受けで受け止めることができる。また、液体吸収体上の凝集物又は析出物の発生を防止することができるため、液体吸収体の液体吸収効率が向上し、液体吸収体の交換頻度が少なくすることができる。
【0017】
請求項4に記載の液体吐出装置によると、液体受けは、記録媒体の縁部を越える位置に第1液体及び第2液体が吐出されたとき、第1液体吐出手段又は第2液体吐出手段と対向しながら搬送方向と直交する方向に往復移動する。そのため、液体受けの最小限の移動で、第1液体は液体受けの第1領域に、第2液体は液体受けの第2領域にそれぞれ受け止められる。その結果、請求項1乃至3に記載の液体吐出装置が奏する効果に加えて、少ない駆動力で液体受け上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる。
【0018】
請求項5に記載の液体吐出装置によると、液体受けは単一であり、第1液体吐出手段又は第2液体吐出手段と常に対向しながら搬送方向と直交する方向に往復移動している。そのため、液体受けは第1液体吐出手段及び第2液体吐出手段と一体的に移動するため、簡単な液体受け移動制御で第1液体は液体受けの第1領域に、第2液体は液体受けの第2領域にそれぞれ受け止められる。その結果、請求項1乃至3に記載の液体吐出装置が奏する効果に加えて、簡単な液体受け移動制御で液体受け上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる。
【0019】
請求項6に記載の液体吐出装置によると、縁なし印刷を行った際に、記録媒体における上下両端及び左右両端のどちらにおいても縁部を越えた位置に吐出された第1液体は液体受けの第1領域に、縁部を越えた位置に吐出された第2液体は液体受けの第2領域にそれぞれ受け止められる。その結果、請求項1乃至3に記載の液体吐出装置が奏する効果に加えて、縁なし印刷を行った際に、記録媒体における上下両端及び左右両端のどちらにおいても液体受け上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる。
【0020】
請求項7に記載の液体吐出装置によると、液体受けは、回転体又は回動体である。そのため、液体受けを回転又は回動させるだけで、第1液体と第2液体を別々の領域で受け止めることができる。その結果、請求項7に記載の液体吐出装置は、請求項3乃至6に記載の液体吐出装置が奏する効果に加えて、簡単な構成で、液体受け上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の本実施形態に係るプリンタ1の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1のキャリッジ6の概略構成を示す図である。
【図3】図1のキャリッジ6の下面を示す図である。
【図4】プリンタ1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】印刷用紙Pの紙送り方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合を示す概略的な図である。((a)処理液吐出時、(b)インク吐出時)
【図6】印刷用紙Pの紙送り方向と直行する方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合を時系列順に示す概略的な図である。
【図7】本発明の変更形態に係るプリンタ1の概略構成を示す平面図である。
【図8】(a)〜(d)変更形態において印刷用紙Pの紙送り方向と直行する方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合を時系列順に示す概略的な図である。(e)変更形態において印刷用紙Pの紙送り方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合を示す概略的な図である。
【図9】(a)キャリッジ6の他の実施形態を示す図である。(b)第1液体受け14又は液体受け20の他の実施形態を示す図である。
【図10】キャリッジ6の他の実施形態を示す図である。
【図11】図9のキャリッジ6の下面を示す図である。
【図12】第1液体受け14、第2液体受け17、液体受け20の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、インクジェットヘッドからインクの液滴を、処理液ヘッドから処理液の液滴を印刷用紙に向けて吐出して画像を印刷するインクジェットプリンタに、本発明を適用したものである。
【0023】
図1は、本実施形態に係るプリンタ1の概略構成を示す平面図である。図1に示すように、プリンタ1は、インク(第1液体)が貯留されたインクカートリッジ11a〜11dと、インクに作用してインク中の成分を凝集あるいは析出させる成分を有する処理液(第2液体)が貯留された処理液カードリッジ11eと、一方向に往復移動可能に構成されたキャリッジ6と、このキャリッジ6に搭載されたインクジェットヘッド7及びサブタンク9a〜9dと、キャリッジ6に搭載された処理液ヘッド8及びサブタンク9eと、を備える。
【0024】
処理液の材料は、カチオン性化合物、とりわけ、カチオン系高分子やカチオン性界面活性剤、カルシウム塩、マグネシウム塩等の多価金属塩を含有する液体等、インクの性質に応じて適宜選択される。かかる処理液が予め吐出された印刷用紙の領域にインクが着弾すると、多価金属塩等がインクの着色剤である染料又は顔料に作用して、不溶性又は難溶性の金属複合体等が凝集又は析出により形成される。その結果、付着したインクの印刷用紙内への浸透度が低下し、インクを印刷用紙上に定着しやすくなる。なお、インクへの処理液の作用には、インクと処理液が混ざることで化学反応を起こし、インク中の成分(顔料や染料)を凝集又は析出することも含まれる。また、処理液は、インク中の成分と化学反応する液体に限定されず、化学反応することなしにインク中の成分(顔料や染料)を凝集又は析出する液体であってもかまわない。さらに、一般的に顔料インクに対しては顔料色素を凝集させる処理液が使用され、染料インクに対しては染料色素を析出させる処理液が使用されるのは上述の通りであるが、処理液は凝集および析出の両方の作用を供するものであってもよい。
【0025】
プリンタ1には、水平一方向(図1の左右方向:以下、「走査方向」と称する)に延びるとともに、走査方向に直交する紙送り方向に、距離を空けて配置された2つのガイド軸2、3が配設されており、これらガイド軸2、3にキャリッジ6が移動可能に取り付けられている。また、キャリッジ6は、プーリー5に架けられた無端ベルト4と接続されている。この無端ベルト4が図示しないキャリッジ駆動モータ74(図4参照)によって走行駆動させられると、キャリッジ6がガイド軸2、3に案内されるとともに、無端ベルト4の走行に伴って走査方向に移動する。
【0026】
キャリッジ6には、インクジェットヘッド7(図2参照)と処理液ヘッド8(図2参照)と5つのサブタンク9a〜9eが搭載されている。インクジェットヘッド7と処理液ヘッド8は、キャリッジ6とともに走査方向に移動しつつ、その下面に形成されたノズル12(図3参照)から、搬送モータ75(図4参照)により駆動される図示しない用紙搬送機構により紙送り方向(図1下方向)に搬送される印刷用紙Pに向けて、それぞれインクの液滴と処理液の液滴を吐出する。ここで、処理液ヘッド8から吐出された処理液が付着した印刷用紙Pの領域に、インクジェットヘッド7からインクが吐出される。これにより、印刷用紙Pに画像等が良好に印刷される。
【0027】
サブタンク9a〜9dは、走査方向に並んで配置されており、インクは、インクジェットヘッド7の内部に形成されたインク流路と繋がるインク供給口を介してサブタンク9a〜9dからインクジェットヘッド7へ供給される。また、サブタンク9a〜9dは、プリンタ1に着脱可能に接続されたインクカートリッジ11a〜11dと、インクチューブ10a〜10dを通じて連通しており、これらのチューブを介してインクカートリッジ11a〜11dからサブタンク9a〜9dにインクが供給される。
【0028】
サブタンク9eは、サブタンク9a〜9dと走査方向に並んで配置されており、処理液は処理液ヘッド8の内部に形成された処理液流路と繋がる処理液供給口を介してサブタンク9eから処理液ヘッド8へ供給される。また、サブタンク9eは、プリンタ1に着脱可能に接続された処理液カートリッジ11eと、処理液チューブ10eを通じて連通しており、このチューブを介して処理液カートリッジ11eからサブタンク9eに処理液が供給される。
【0029】
また、プリンタ1には、用紙搬送機構により紙送り方向に搬送される印刷用紙Pを挟んでキャリッジ6と対向する位置に、走査方向と直交する方向に延びた2つの第1液体受け14と、走査方向に延びた第2液体受け17が設けられている。
【0030】
第1液体受け14の上面には第1処理液吸収体15及び第1インク吸収体16が設けられており、第1処理液吸収体15と第1インク吸収体16が相互に接触しないように配置されている。また、第2液体受け17の上面には、第2処理液吸収体18及び第2インク吸収体19が設けられており、第2処理液吸収体18と第2インク吸収体19が相互に接触しないように配置されている。これらの構成は、縁無し印刷を行う際に、インクジェットヘッド7及び処理液ヘッド8から、印刷用紙Pの縁部を越える位置に吐出されたインク及び処理液の液滴を受け止める為のものである。具体的には、後述する制御によって、第2液体受け17上の第2インク吸収体19と第2処理液吸収体18で印刷用紙Pの紙送り方向に関する両端の縁部の外側に吐出されたインクと処理液をそれぞれ受け止め、第1液体受け14上の第1インク吸収体16と第1処理液吸収体15で印刷用紙Pの紙送り方向と直交する方向に関する両端の縁部の外側に吐出されたインクと処理液をそれぞれ受け止める。
【0031】
第1液体受け14は、図示しない第1液体受け駆動機構と接続されており、液体受け駆動モータ80(図4参照)により走査方向に往復移動が可能となっている。また、第2液体受け17は、図示しない第2液体受け駆動機構と接続されており、液体受け駆動モータ80により走査方向と直交する方向に往復移動が可能となっている。
【0032】
次に、インクジェットヘッド7及び処理液ヘッド8について詳細を説明する。図2は、インクジェットヘッド7、処理液ヘッド8、サブタンク9a〜9eを含むキャリッジ6の断面図を示し、図3は、インクジェットヘッド7及び処理液ヘッド8の下面の図を示す。
【0033】
図2に示すように、キャリッジ6には、上面にサブタンク9a〜9eが搭載されており、下面にはインクジェットヘッド7及び処理液ヘッド8が配置される。このインクジェットヘッド7は、上記したように、その内部に形成されたインク流路がサブタンク9a〜9dと連通しており、サブタンク9a〜9d内のインクがインク流路へ供給される。また、インク流路内には、ノズルからインクの液滴を吐出するために、インク流路内のインクに圧力を付与するための圧力付与手段77(図4参照)が設けられており、印刷の際には、プリンタ1の制御装置70(図4参照)により圧力付与手段77を制御して、インク吐出を行う。
【0034】
また、処理液ヘッド8は、上記したように、その内部に形成された処理液流路がサブタンク9eと連通しており、サブタンク9e内の処理液が処理液流路へ供給される。また、処理液流路内には、インク流路内と同様に、ノズルから処理液の液滴を吐出するために、処理液流路内の処理液に圧力を付与するための圧力付与手段79(図4参照)が設けられており、印刷の際には、プリンタ1の制御装置70(図4参照)により圧力付与手段79を制御して、処理液吐出を行う。
【0035】
圧力付与手段77,79には圧電駆動式のアクチュエータ等、公知の技術が用いられる。
【0036】
また先程述べたように、インクジェットヘッド7の下面には、図3に示すように、複数
のノズル12が形成されている。これら複数のノズル12は、紙送り方向に等間隔で複数並んでノズル列を構成しており、このようなノズル列が走査方向に4本並んで配置される。また、処理液ヘッド8の下面においては、図3に示すように、複数のノズル12が形成されており、紙送り方向に等間隔で複数並んでノズル列を形成している。そのため、処理液ヘッド8から吐出された処理液が付着した印刷用紙Pの領域に、インクジェットヘッド7からインクを吐出することが可能となる。
【0037】
また、インクジェットヘッド7及び処理液ヘッド8には、図2に示すように、下面に対して突出するノズル保護壁13が設けられている。このノズル保護壁13は、図3に示すように、インクジェットヘッド7及び処理液ヘッド8の下面に形成されたノズル12を囲むように配置されている。これより、印刷用紙Pがインクジェットヘッド7及び処理液ヘッド8側へ撓んでしまった場合であっても、下面に印刷用紙Pが接触する前に、ノズル保護壁35と接触するため、インクジェットヘッド7及び処理液ヘッド8の下面に接触しないように、保護することができる。
【0038】
次に、プリンタ1の電気的構成について図4を参照して説明する。図4は、プリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。制御装置70は、中央集積回路CPU(Central Processing Unit)と、プリンタ1を制御するための各種プログラムやデータなどが格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)とを備えている。
【0039】
また、図4に示すように、制御装置70は、印刷用紙Pへの印刷を制御する印刷制御部72を有する。印刷制御は、ROMに記憶された動作等の各種プログラムがCPUによって動作されることで実現される。
【0040】
印刷制御部72は、PC等の入力装置90により入力されたデータに基づいて、キャリッジ6を往復移動させるキャリッジ駆動モータ74と、印刷用紙Pを搬送する用紙搬送機構を駆動する搬送モータ75と、第1液体受け14及び第2液体受け17を往復移動させる液体受け駆動モータ80と、インクジェットヘッド7の圧力付与手段77を駆動させるヘッドドライバ76と、処理液ヘッド8の圧力付与手段79を駆動させるヘッドドライバ78を駆動させて、印刷用紙Pに画像等を印刷する。
【0041】
ここで、本実施形態において、印刷制御部72により、印刷用紙Pに縁無し印刷を行う制御についてさらに図5、図6を参照して説明する。図5は印刷用紙Pの紙送り方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合を示す概略的な図であり、図6は印刷用紙Pの紙送り方向に直交する方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合を示す概略的な図である。
【0042】
印刷用紙Pの紙送り方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合について、図5を参照して説明する。図5におけるキャリッジ6の走査方向は図面に垂直な方向である。
【0043】
最初に、印刷制御部72は、図5(a)に示すように、第2液体受け17上の第2処理液吸収体18がキャリッジ6と対向し、印刷用紙Pの紙送り方向に関する一端の縁部の直下に配置されるように液体受け駆動モータ80を制御して第2液体受け17を移動させる。
【0044】
その後、印刷制御部72はキャリッジ駆動モータ74と、処理液ヘッド8の圧力付与手段79を駆動させるヘッドドライバ78を駆動させて、キャリッジ6の走査と、処理液ヘッド8から入力装置90により入力されたデータに対応する印刷用紙Pの領域に向けて処理液の吐出を開始させる。このキャリッジ6の走査において、印刷用紙Pの縁部の外側に吐出された処理液は、第2液体受け17上の第2処理液吸収体18に吸収される。
【0045】
入力装置90により入力されたデータに基づいた処理液の吐出が完了した後、印刷制御部72は、図5(b)に示すように、第2液体受け17上の第2インク吸収体19がキャリッジ6と対向し、印刷用紙Pの紙送り方向に関する一端の縁部の直下に配置されるように液体受け駆動モータ80を制御して第2液体受け17を移動させる。
【0046】
その後、印刷制御部72はキャリッジ駆動モータ74と、インクジェットヘッド7の圧力付与手段77を駆動させるヘッドドライバ76を駆動させて、キャリッジ6の走査と、インクジェットヘッド7から入力装置90により入力されたデータに対応する印刷用紙Pの領域に向けてインクの吐出を開始させる。このキャリッジ6の走査において、印刷用紙Pの縁部を越えた位置に吐出されたインクは、第2液体受け17の第2インク吸収体19に吸収される。
【0047】
入力装置90により入力されたデータに基づいたインクの吐出が完了した後、印刷制御部72は搬送モータ75を駆動させて、印刷用紙Pを紙送り方向に搬送させる。
【0048】
また、印刷制御部72は印刷用紙Pの紙送り方向に関するもう一端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う際には、上記と同様の制御を行い、印刷用紙Pの紙送り方向に関する一端の縁部を含む領域に対する縁無し印刷を完了する。
【0049】
次に、印刷用紙Pの紙送り方向と直交する方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合について、図6を参照して説明する。図6(a)〜図6(d)はキャリッジ6の単一走査におけるキャリッジ6と第1液体受け14の位置関係を時系列順に表している。また、図6における紙送り方向は図面に垂直な方向である。
【0050】
印刷制御部72は、図6(a)に示すように、第1液体受け14上の第1処理液吸収体15がキャリッジ6と対向し、印刷用紙Pの紙送り方向と直交する方向に関する一端の縁部の直下に配置されるように液体受け駆動モータ80を制御して第1液体受け14を移動させる。具体的には、処理液ヘッド8のノズル12eが第1処理液吸収体15と対向するように液体受け駆動モータ80を制御して第1液体受け14を移動させる。
【0051】
その後、印刷制御部72はキャリッジ駆動モータ74と、インクジェットヘッド7の圧力付与手段77を駆動させるヘッドドライバ76と、処理液ヘッド8の圧力付与手段79を駆動させるヘッドドライバ78と、第1液体受け14を走査方向に移動させる液体受け駆動モータ80を駆動させて、キャリッジ6の走査と、第1液体受け14の移動と、インクジェットヘッド7から印刷用紙Pに向けてのインクの吐出と、処理液ヘッド8から印刷用紙Pに向けての処理液の吐出を開始させる。具体的には、印刷制御部72は、図6(a)〜図6(d)に示すように、印刷用紙Pの紙送り方向と直交する方向に関する両端の縁部の外側の領域において、インクジェットヘッド7のノズル12a〜12dと第1インク吸収体16が対向するように、さらには処理液ヘッド8のノズル12eが第1処理液吸収体15と対向するように、キャリッジ駆動モータ74と、ヘッドドライバ76、78と液体受け駆動モータ80を制御して第1液体受け14を移動させながら、縁無し印刷を行う。
【0052】
印刷制御部72は、キャリッジ6の単一走査範囲における入力装置90により入力されたデータに基づいたインクの吐出が完了した後、搬送モータ75を駆動させて、印刷用紙Pを紙送り方向に搬送させる。
【0053】
印刷制御部72は印刷用紙Pの紙送り方向と直交する方向に関する縁部を含む領域に縁無し印刷を行う際に、上記と同様の制御を繰り返し行う。
【0054】
以上説明した本実施形態によるプリンタ1では、以下の効果を得ることができる。
【0055】
本実施形態によるプリンタ1によると、印刷用紙Pの紙送り方向に関する両端の縁部の外側に吐出されたインクと処理液は、それぞれ第2液体受け17上の第2インク吸収体19と第2処理液吸収体16に受け止められる。また、印刷用紙Pの紙送り方向と直交する方向に関する両端の縁部の外側に吐出されたインクと処理液は、それぞれ第1液体受け14上の第1インク吸収体16と第1処理液吸収体15に受け止められる。そのため、本実施形態によるプリンタ1は、縁無し印刷を行った際に、印刷用紙Pにおける上下両端及び左右両端のどちらにおいても、第1液体受け14及び第2液体受け17上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる 。
【0056】
また、本実施形態によるプリンタ1によると、印刷用紙Pの縁部の外側にインク又は処理液が吐出されたときにのみ、第1液体受け14又は第2液体受け17をインクジェットヘッド7及び処理液ヘッド8と対向させながら移動させているので、少ない駆動力で第1液体受け14及び第2液体受け17上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる 。
【0057】
また、本実施形態によるプリンタ1によると、インクを第1インク吸収体16又は第2インク吸収体19、処理液を第1処理液吸収体15又は第2処理液吸収体18で受け止めているため、多量のインク及び処理液を第1液体受け14及び第2液体受け17で受け止めることができる 。
【0058】
次に、前記本実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記本実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0059】
図7は、変更形態に係るプリンタ1の概略構成を示す平面図である。プリンタ1には、用紙搬送機構により紙送り方向に搬送される印刷用紙Pを挟んでキャリッジ6と対向する位置に、走査方向と直交する方向に延びた単一の液体受け20が設けられている。この構成は、縁無し印刷を行う際に、インクジェットヘッド7及び処理液ヘッド8から、印刷用紙Pの縁部を越える位置に吐出されたインク及び処理液の液滴を受け止める為のものである。
【0060】
液体受け20の上面にはインク吸収体21及び処理液吸収体22が設けられており、インク吸収体21と処理液吸収体22が相互に接触しないように配置されている。
【0061】
液体受け20は、図示しない液体受け駆動機構と接続されており、液体受け駆動モータ80(図4参照)により走査方向に往復移動が可能となっている。
【0062】
ここで、変更形態において、印刷用紙Pに縁無し印刷を行う場合について図8を参照して説明する。図8(a)〜(d)は印刷用紙Pの紙送り方向に直交する方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合を示す概略的な図であり、図8(e)は印刷用紙Pの紙送り方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合を示す概略的な図である。図8(a)〜図6(d)はキャリッジ6の単一走査におけるキャリッジ6と液体受け20の位置関係を時系列順に表している。図8における紙送り方向は図面に垂直な方向である。
【0063】
印刷制御部72は、図8(a)に示すように、液体受け20上のインク吸収体21と処理液吸収体22がキャリッジ6と対向し、印刷用紙Pの紙送り方向と直交する方向に関する一端の縁部の直下に配置されるように液体受け駆動モータ80を制御して液体受け20を移動させる。具体的には、印刷制御部72は、インクジェットヘッド7のノズル12a〜12dとインク吸収体21が対向するように、さらには処理液ヘッド8のノズル12eが処理液吸収体22と対向するように、液体受け駆動モータ80を制御して液体受け20を移動させる。
【0064】
その後、印刷制御部72はキャリッジ駆動モータ74と、インクジェットヘッド7の圧力付与手段77を駆動させるヘッドドライバ76と、処理液ヘッド8の圧力付与手段79を駆動させるヘッドドライバ78と、液体受け20を走査方向に移動させる液体受け駆動モータ80を駆動させて、キャリッジ6の走査と、液体受け20の移動と、インクジェットヘッド7から印刷用紙Pに向けてのインクの吐出と、処理液ヘッド8から印刷用紙Pに向けての処理液の吐出を開始させる。このとき、印刷制御部72は、図8(a)〜図8(d)に示すように、インクジェットヘッド7のノズル12a〜12dとインク吸収体21が常に対向するように、さらには処理液ヘッド8のノズル12eが処理液吸収体22と常に対向するように、キャリッジ駆動モータ74と、ヘッドドライバ76、78と液体受け駆動モータ80を駆動させて、縁無し印刷を行う。
【0065】
また、図8(e)に示すように、印刷用紙Pの紙送り方向に関する両端の縁部を含む領域に縁無し印刷を行う場合においても、印刷制御部72により、インクジェットヘッド7のノズル12a〜12dとインク吸収体21が常に対向するように、さらには処理液ヘッド8のノズル12eが処理液吸収体22と常に対向するように制御されている。
【0066】
そのため、変更形態において印刷用紙Pの縁部を越えた位置に吐出されたインクは液体受け20上のインク吸収体21に、処理液は液体受け20上の処理液吸収体22にそれぞれ吸収される。
【0067】
以上説明した変更形態によるプリンタ1では、以下の効果を得ることができる。
【0068】
変更形態によるプリンタ1によると、印刷制御部72により、インクジェットヘッド7のノズル12a〜12dとインク吸収体21が常に対向するように、さらには処理液ヘッド8のノズル12eが処理液吸収体22と常に対向するように制御されている。そのため、変更形態によるプリンタ1は、縁無し印刷を行った際に、印刷用紙Pにおける上下両端及び左右両端のどちらにおいても、簡単な液体受け移動制御で液体受け20上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる 。
【0069】
本実施形態及び変更形態のキャリッジ6は、処理液を貯留するサブタンク9eと処理液を吐出する処理液ヘッド8を一つずつ備えているが、図9(a)に示すように、インクを貯留するサブタンク9a〜9dの両隣にサブタンク9eを、インクを吐出するインクジェットヘッド7の両隣に処理液ヘッド8を備えていても良い。また、キャリッジ6の変更に対応して、図9(b)に示すように、第1液体受け14又は液体受け20を変更しても良い。この場合、プリンタ1は、双方向印刷にて縁無し印刷を行う場合においても、簡単な液体吐出制御、キャリッジ移動制御及び液体受け移動制御で第1液体受け14又は液体受け20上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる。
【0070】
また、本実施形態及び変更形態のキャリッジ6では、インクジェットヘッド7と処理液ヘッド8が別体として搭載されているために別々の吐出面を有しているが、インクと処理液の吐出が独立に制御可能であれば、図10、図11に示すように、共通の吐出面23を有する構成であっても良い。
【0071】
本実施形態及び変更形態の第1液体受け14、第2液体受け17、液体受け20は、図12に示すように、液体を吸収する吸収体を設けずに第1領域25と第2領域26に区画されているだけでも良い(図12(a))。この場合、プリンタ1は、簡単な構成で第1液体受け14、第2液体受け17、液体受け20上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる 。
【0072】
また、本実施形態及び変更形態の、第1液体受け14、第2液体受け17液体受け20は、インクと処理液が接触しないように液体受け上の別々の領域に吐出することが可能であれば、液体受けを区画しなくとも良い。この場合、プリンタ1は、より簡単な構成で第1液体受け14、第2液体受け17、液体受け20の凝集物又は析出物の発生を抑制することができる 。
【0073】
また、本実施形態及び変更形態の第1処理液吸収体15(処理液吸収体22)と第1インク吸収体16(インク吸収体21)の相互の位置関係は、図1や図7に対して走査方向に逆となる位置関係であってもよい。また、第2処理液吸収体18と第2インク吸収体19の相互の位置関係は、図1に対して走査方向と特攻する方向に逆となる位置関係であってもよい。
【0074】
本実施形態及び変更形態の第1液体受け14、第2液体受け17、液体受け20は、図12に示すように、インク吸収体27と処理液吸収体28を有する回転体であっても良いし(図12(b))、インク吸収体29と処理液吸収体30を有する回動体であっても良い(図12(c))。この場合、本実施形態及び変更形態の第1液体受け14、第2液体受け17、液体受け20を回転又は回動させるだけで、インクと処理液を別々の吸収体で受け止めることができる。そのため、プリンタ1は、簡単な液体受け駆動制御で液体受け上の凝集物又は析出物の発生を防止することができる 。
【0075】
本実施形態及び変更形態のプリンタ1は、第1液体受け14、第2液体受け17、液体受け20と連通し、第1液体受け14、第2液体受け17、液体受け20に受け止められたインク及び処理液をそれぞれ別々の領域に回収・貯留する図示しない廃液タンクを備えていても良い。
【0076】
本実施形態及び変更形態のプリンタ1においては、印刷用紙Pの紙送り方向とキャリッジ6の走査方向は直交していたが、印刷用紙Pの紙送り方向とキャリッジ6の走査方向は直交していなくても良い。
【0077】
また、本実施形態における2つの第1液体受け14は、液体受け駆動モータ80により、2つの第1液体受け14を同期させて移動させても良いし、独立して移動させても良い。
【0078】
さらに、本発明は、印刷用紙Pにインクとインク中の成分を凝集あるいは析出させる成分を有する処理液を吐出して画像を記録するプリンタに限られず、互いに接触することで作用する様々な液滴を吐出する各種の液滴吐出装置においても、適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、記録媒体に対し画像を形成するインク等の第1液体と第1液体に作用して第1液体中の成分を凝集あるいは析出させる成分を有する第2液体を塗布するように構成された液滴吐出装置において、第1液体を吐出する液体吐出ヘッドと第2液体を吐出する液体吐出ヘッドとを記録媒体に対して移動させながら画像を形成するものにおいて、広く適用させることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 プリンタ
6 キャリッジ
7 インクジェットヘッド
8 処理液ヘッド
12 ノズル
14 第1液体受け
15 第1処理液吸収体
16 第1インク吸収体
17 第2液体受け
18 第2処理液吸収体
19 第2インク吸収体
70 制御装置
72 印刷制御部
74 キャリッジ駆動モータ
75 搬送モータ
80 液体受け駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送機構と、
前記搬送機構により搬送される記録媒体に対向する位置に設けられ、前記搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジに装着され、画像を形成するための第1液体を吐出する第1液体吐出手段と、
前記第1液体吐出手段と前記搬送方向と直交する方向に関して隣り合うように前記キャリッジに装着され、前記第1液体と作用して前記第1液体中の成分を凝集あるいは析出させる第2液体を吐出する第2液体吐出手段と、
記録媒体に縁無し印刷を行う際に、前記搬送機構により搬送されている記録媒体の縁部を越える位置に吐出された前記第1液体及び前記第2液体を受け止める液体受けと、
前記液体受けを移動させる液体受け移動手段と、
前記搬送機構、前記キャリッジ、前記第1及び第2液体吐出手段、並びに前記液体受け移動手段を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記第1液体と前記第2液体を前記液体受けにおける別々の領域で受け止めさせるように、前記液体受け移動手段を制御することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記液体受けは、第1領域と第2領域に区画されており、
前記制御手段は、前記第1液体を前記第1領域に、前記第2液体を前記第2領域に受け止めさせるように、前記液体受け移動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記液体受けは、前記第1領域に第1液体吸収体を、前記第2領域に第2液体吸収体をそれぞれ有しており、
前記制御手段は、前記第1液体を前記第1液体吸収体に、前記第2液体を前記第2液体吸収体にそれぞれ受け止めさせるように、前記液体受け移動手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記搬送機構により搬送されている記録媒体の縁部を越える位置に前記第1液体及び前記第2液体が吐出されたとき、前記液体受けを前記第1液体吐出手段又は前記第2液体吐出手段と対向させながら前記搬送方向と直交する方向に往復移動させるように前記液体受け移動手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記液体受けは単一であり、
前記制御手段は、前記液体受けを前記第1液体吐出手段又は前記第2液体吐出手段と常に対向させながら前記搬送方向と直交する方向に往復移動させるように前記液体受け移動手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記液体受けは、前記搬送機構により搬送されている記録媒体の前記搬送方向と直交する方向に関する両端の縁部を越える位置に吐出された前記第1液体及び前記第2液体を受け止める第1液体受けと、前記搬送方向と直交する方向に長尺な形状を有し前記搬送機構により搬送されている記録媒体の前記搬送方向に関する両端の縁部を越える位置に吐出された前記第1液体及び前記第2液体を受け止める第2液体受けと、を備えており、
前記制御手段は、
前記搬送機構により搬送されている記録媒体の前記搬送方向に関する両端については前記第1液体吐出手段及び前記第2液体吐出手段の複数回の走査により前記第1液体と前記第2液体を走査毎に別々に吐出し画像を形成するように前記搬送機構、前記キャリッジ、前記第1及び第2液体吐出手段を制御し、且つ、記録媒体の縁部を越える位置に前記第1液体又は前記第2液体が吐出されたとき、前記第1液体と前記第2液体を前記第2液体受けにおける別々の領域で受け止めさせるために前記第2液体受けを前記搬送方向に移動させるように前記液体受け移動手段を制御し、
前記搬送機構により搬送されている記録媒体の前記搬送方向と直交する方向に関する両端については前記第1液体吐出手段及び前記第2液体吐出手段の単一走査により前記第1液体と前記第2液体を吐出し画像を形成するように前記搬送機構、前記キャリッジ、前記第1及び第2液体吐出手段を制御し、且つ、記録媒体の縁部を越える位置に前記第1液体及び前記第2液体が吐出されたとき、前記第1液体受けを前記第1液体吐出手段又は前記第2液体吐出手段と対向させながら前記搬送方向と直交する方向に往復移動させるように前記液体受け移動手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記液体受けが、回転体又は回動体であることを特徴とする請求項3乃至6に記載の液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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