説明

液体吐出装置

【課題】平面視における装置全体の面積の小型化を実現しつつ、排出部の開口から侵入した液体が収容部や収容部内の記録媒体に付着する問題を抑制する。
【解決手段】排紙部1eは、排出された用紙Pを支持する支持部材1e1と、裏面側において搬送経路を規定するガイド部材1e2とを含む。支持部材1e1は上筐体1aに支持され、ガイド部材1e2は下筐体1bに支持されている。上筐体1aは下筐体1bに対して回動可能である。支持部材1e1とガイド部材1e2との間には、上筐体1aが回動する際の干渉防止用の間隙(開口1e3)が設けられている。開口1e3から侵入した液体は、流路S1に沿って容器C1に向かい、容器C1に受容される。給紙トレイ20は容器C1の下方、排紙部1eは容器C1の上方に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク等の液体を吐出する液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体吐出装置において、ヘッドの吐出面に対向する位置に、ヘッドの吐出口から吐出された液体を受容する受容部を配置するという技術が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1によると、収容部(給紙カセット19)に収容されている記録媒体(被記録材15)は、ヘッド(記録ヘッド14)の吐出面と受容部(インク受容器31)との間の吐出面に対向する位置を通るように搬送され、排出部(排紙トレイ24)に排出される。
【0003】
【特許文献1】特開平6−278290号公報(特に、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では収容部(給紙カセット19)と排出部(排紙トレイ24)とが平面視で重ならない位置に配置されているが、本発明者等は、平面視における装置全体の面積の小型化の観点から、収容部を受容部の下方、排出部を受容部の上方に配置し、これらが平面視で重なり合う構成に想到した。しかしながら、本発明者等は、この構成において、排出部が一体物ではなく複数の部材によって形成され、排出部に意図せず開口等の隙間が形成されてしまうと、ユーザがジュース等の液体を排出部に零してしまった場合に、当該液体が、開口から装置内に侵入し、受容部に受容されずに、受容部以外の構成要素に付着し得ることに気付いた。特に上記の構成では、受容部の下方に収容部が配置されているため、収容部や収容部内の記録媒体に液体が付着し得る。この場合、記録媒体が損なわれることとなり、甚大な被害となり得る。
【0005】
本発明の目的は、平面視における装置全体の面積の小型化を実現しつつ、排出部の開口から侵入した液体が収容部や収容部内の記録媒体に付着する問題を抑制することができる、液体吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の観点によると、記録媒体に対して液体を吐出する複数の吐出口が開口した吐出面を有するヘッドと、前記吐出面に対向する位置に配置され、前記吐出口から吐出された液体を受容する第1受容部と、前記第1受容部の下方に配置された、記録媒体を収容する収容部と、前記収容部に収容されている記録媒体を、前記吐出面と前記受容部との間を通るように搬送する搬送部と、前記収容部及び前記第1受容部の上方に配置され、前記搬送部によって搬送された記録媒体が排出される排出部と、を備え、前記排出部を画定する壁面には開口が形成されており、前記開口から侵入した液体を前記第1受容部に導くための液体の第1流路が形成されていることを特徴とする、液体吐出装置が提供される。
【0007】
上記構成によると、収容部が第1受容部の下方、排出部が第1受容部の上方に配置されており、平面視における装置全体の面積の小型化を実現することができる。また、排出部の開口から侵入した液体は、第1流路に沿って第1受容部に向かい、第1受容部に受容される。したがって、平面視における装置全体の面積の小型化を実現しつつ、排出部の開口から侵入した液体が収容部や収容部内の記録媒体に付着する問題を抑制することができる。
【0008】
前記排出部を画定する壁面は、排出された記録媒体を支持する第1部材と、前記搬送部による記録媒体の搬送方向に関して前記第1部材よりも上流側に配置され且つ前記第1部材との間に間隙を介して配置された第2部材と、により構成されており、本発明に係る液体吐出装置は、前記ヘッド及び前記第1部材を支持する第1筐体と、前記搬送部、前記収容部、前記第1受容部、及び前記第2部材を支持する第2筐体と、を備え、前記第1筐体は、回動軸を中心として前記第2筐体に対して回動可能であり、前記開口は、前記第1部材と前記第2部材との間の前記間隙によって形成されてよい。
【0009】
上記構成によると、ヘッドを支持する第1筐体を、搬送部を支持する第2筐体に対して回動させることで、ヘッドと搬送部とが互いに離隔し、搬送経路が露出される。そして、第1筐体と第2筐体との間に形成された空間を利用して、ユーザが手動で容易にジャム処理(搬送経路における記録媒体の詰まりを解消する作業)を行うことができる。
しかしながら、このような構成では、第1筐体と第2筐体との間に、干渉防止用の間隙が必要となる。即ち、上記のように排出部を第1筐体の一部分(第1部材)と第2筐体の一部分(第2部材)とによって構成すると、第1部材と第2部材との間には、図らずも間隙が形成されることとなる。そして、この場合、当該間隙(開口)から装置内に液体が侵入すると、収容部や収容部内の記録媒体に付着する問題が生じ得る。しかし上記構成では、第1流路が設けられているため、開口から装置内に侵入した液体は、第1流路に沿って第1受容部に向かい、第1受容部に受容される。
したがって、上記構成によれば、ユーザによるジャム処理の容易化と、排出部の開口から侵入した液体が収容部や収容部内の記録媒体に付着する問題の抑制とを、共に実現することができる。
【0010】
前記第1部材における記録媒体を支持する面が、前記搬送方向に沿って前記開口に向けて下降するように、水平方向に対して傾斜してよい。上記構成によると、第1部材における記録媒体を支持する面に零れた液体が、傾斜によって、開口に誘導される。これにより、液体が開口以外の部分に流れ出ることを抑制することができる。
【0011】
前記第1部材における記録媒体を支持する面に、前記搬送方向に延在する複数の凹部が形成されてよい。上記構成によると、第1部材における記録媒体を支持する面に零れた液体が、凹部を通って、開口に誘導される。これにより、液体が開口以外の部分に流れ出ることを抑制することができる。
【0012】
前記第2部材における前記開口に対向する面が鉛直方向に延在してよい。上記構成によると、第2部材における開口に対向する面に零れ又は付着した液体が、鉛直方向に沿って、開口に誘導される。これにより、液体が開口以外の部分に流れ出ることを抑制することができる。
【0013】
前記第2部材における前記開口に対向する面の、少なくとも前記開口よりも上方の部分に、鉛直方向に延在する複数の凹部が形成されてよい。上記構成によると、第2部材における開口に対向する面に零れ又は付着した液体が、凹部を通って、開口に誘導される。これにより、液体が開口以外の部分に流れ出ることをより確実に抑制することができる。
【0014】
前記第2部材における前記開口に対向する面が、前記開口よりも下方に延出し、前記第2部材における前記開口に対向する面の、前記開口よりも下方の部分が、前記第1流路を画定しており、前記第2部材における前記開口に対向する面の下端が、鉛直方向から見て、前記第1受容部内に位置してよい。上記構成によると、開口から侵入した液体が、第2部材における開口に対向する面に沿って下方に誘導され、第2部材における開口に対向する面の下端から、第1受容部内に確実に受容される。
【0015】
前記第2部材における前記開口に対向する面とは反対側の面が、前記搬送部による記録媒体の搬送経路を規定してよい。第2部材は、第2筐体に支持されており、第1筐体が回動する際、移動せず、定位置に固定されている。上記のように第2部材が搬送経路を規定している場合に、第2部材が、第1筐体に支持されており、第1筐体が回動する際に第1筐体と共に移動すると、搬送経路の精度が悪化するという問題が生じ得る。しかし上記構成によれば、このような問題を抑制することができる。
【0016】
前記第2部材は、前記搬送方向及び鉛直方向と直交する方向に関して、前記第2部材における前記開口に対向する面の端部から立設した側部を有してよい。上記構成によると、第2部材における開口に対向する面に零れ又は付着した液体が、当該面の側方に流れても、側部によって堰き止められ、開口に誘導される。これにより、液体が開口以外の部分に流れ出ることを抑制することができる。
【0017】
本発明に係る液体吐出装置は、前記収容部の下方に配置された、液体を受容する第2受容部と、前記第1受容部から前記収容部の側方を通って前記第2受容部に向かう液体の第2流路と、をさらに備えてよい。第1受容部に液体が充満した場合、第1受容部から液体が漏れ出し、第1受容部の下方にある収容部や収容部内の記録媒体に液体が付着し得る。しかし上記構成によれば、第1受容部に液体が充満した場合でも、当該液体は、第2流路を介して、第1受容部から収容部の側方を通って第2受容部に向かい、第2受容部に受容される。これにより、上記問題を抑制することができる。
【0018】
本発明に係る液体吐出装置は、前記収容部の下方且つ前記第2受容部の上方に、前記第2受容部から離隔して配置された電子部品をさらに備え、前記第2流路が、前記第1受容部から前記収容部及び前記電子部品の側方を通って前記第2受容部に向かってよい。電子部品は、液体が付着すると発火や故障が生じ得るため、液体付着の可能性が低い位置(例えば、ヘッドの上方等の装置上部)に設けることが好ましいが、レイアウト上の制約等により、装置下部に設ける必要がある場合がある。しかしそのような場合でも、上記のように第2流路を形成することで、電子部品への液体の付着を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、収容部が第1受容部の下方、排出部が第1受容部の上方に配置されており、平面視における装置全体の面積の小型化を実現することができる。また、排出部の開口から侵入した液体は、第1流路に沿って第1受容部に向かい、第1受容部に受容される。したがって、平面視における装置全体の面積の小型化を実現しつつ、排出部の開口から侵入した液体が収容部や収容部内の記録媒体に付着する問題を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット式プリンタを示す外観斜視図である。
【図2】プリンタの上筐体を、下筐体に対して回動し、離隔位置に配置した状態を示す外観斜視図である。
【図3】プリンタの内部を示す概略側面図である。
【図4】ロック機構を示す正面図であり、(a)はロック機構による上筐体の移動規制がなされている状態、(b)はロック機構による上筐体の移動規制が解除された状態を示す。
【図5】図3のV−V線に沿った部分断面図である。
【図6】2つの容器と容器間に設けられた流路とを概略的に示す斜視図である。
【図7】図5の領域VIIを示す拡大図である。
【図8】ガイド部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
先ず、図1〜図3を参照し、本発明の一実施形態に係るインクジェット式プリンタ1の全体構成について説明する。
【0023】
プリンタ1は、共に直方体形状である上筐体1a及び下筐体1bを有する。上筐体1aは下面が開口し、下筐体1bは上面が開口している。上筐体1aが下筐体1b上に重なり、互いの開口面を封止することで、プリンタ1の内部空間が画定される。
【0024】
上筐体1aには、主走査方向(図3において紙面に直交する方向)に沿った回動軸1xが設けられている。回動軸1xの中心は、図3において、鉛直方向の直線Vと水平方向の直線Hとが交差する点である。下筐体1bには、回動軸1xを回転可能に支持する軸受1yが設けられている。これにより、上筐体1aを下筐体1bに対して回動軸1xを中心にA方向に回動させることができる。当該回動によって、上筐体1aは、下筐体1bに近接した近接位置(図1及び図3に示す位置)と、近接位置のときよりも下筐体1bから離隔した離隔位置(図2に示す位置)とを取り得る。上筐体1aが離隔位置にあるとき、用紙Pの搬送経路の一部が外部に露出され、上筐体1aと下筐体1bとの間にユーザの作業空間が確保される。ユーザは、当該作業空間を利用して、手動でジャム処理(搬送経路における用紙Pの詰まりを解消する作業)を行うことができる。
【0025】
上筐体1aは、近接位置から離隔位置に向かう方向に、バネ等で付勢されている。上筐体1aは、水平面に対して所定の角度まで開くことができ且つこれ以上開かないようにストッパ等で規制される。所定の角度とは、上筐体1aと下筐体1bとのなす角度であり、本実施形態においては、29°である。
【0026】
上筐体1aの正面(図2の紙面左手前側の面)には、近接位置にある上筐体1aの移動を規制するロック機構70が設けられている。下筐体1bの正面には、上筐体1aの正面を覆う開閉可能な蓋1dが設けられている。蓋1dを開放することによってロック機構70が露出される。
【0027】
上筐体1aの上部には、図1及び図3に示すように、排紙部1eが設けられている。上筐体1aが近接位置にあるとき上筐体1a及び下筐体1bにより画定される空間(プリンタ1の内部空間)には、図3に破線の太矢印で示すように、給紙ユニット1cから排紙部1eに向けて、用紙Pが搬送される搬送経路が形成されている。
【0028】
次いで、図4を参照し、ロック機構70の構成について説明する。ロック機構70は、円柱状の回転部材71と、2つの連動部材73a,73bと、2つの揺動部材74a,74bと、2つのバネ76a,76bと、2つの固定部材75a,75bとを含む。連動部材73a,73bの長手方向一端はそれぞれ回転部材71の周面に連結されている。揺動部材74a,74bにはそれぞれ、回転部材71から離れる方向に開口する凹部74c,74dが形成されている。固定部材75a,75bには、凹部74c,74dのそれぞれに挿入可能な軸部材75c,75dが設けられている。なお、揺動部材74a,74bの揺動軸は上筐体1aに固定されている。バネ76a,76bは、回転部材71に近い側の一端がそれぞれ上筐体1aに固定されている。固定部材75a,75bは、下筐体1bにそれぞれ固定されている。
【0029】
回転部材71の正面には、棒状のツマミ72が固定されている。ツマミ72は、回転部材71と一体に回転する。バネ76a,76bはそれぞれ揺動部材74a,74bの上端を回転部材71に近づく方向に付勢している。これにより、外力が付加されない状況において、ロック機構70の各部は、図4(a)に示すようにツマミ72が鉛直方向に延在した状態で、静止している。
【0030】
図4(a)に示す状態では、凹部74c,74dが、軸部材75c,75dにそれぞれ係合している。この係合によって、近接位置にある上筐体1aが離隔位置に向かって回動しないように、上筐体1aの移動が規制されている。ユーザがバネ76a,76bの付勢力に抗してツマミ72を時計回りに回転させると、図4(b)に示すように、凹部74c,74dが軸部材75c、75dから外れる。これにより、上筐体1aの移動規制が解除される。上筐体1aが離隔位置から近接位置に戻されると、凹部74c,74dと軸部材75c,75dとの係合が復帰される。これにより、再びロック機構70によって上筐体1aの移動が規制される。
【0031】
次いで、図3等を参照し、プリンタ1の内部空間に配置された各構成要素について説明する。
【0032】
プリンタ1の内部空間には、図3に示すように、プリンタ1各部を制御する制御部100、用紙Pの搬送経路を規定する搬送ユニット50、液体を吐出する2つのヘッド10を含むヘッドユニット9、2つのヘッド10にそれぞれ対応する2つのカートリッジ(図示略)、支持部60、容器C1、給紙ユニット1c、及び、プリンタ1の電源基板85が配置されている。
【0033】
制御部100は、外部装置(プリンタ1に接続されたPC等)から供給された記録指令に基づいて、用紙Pに画像が記録されるよう、記録に係わる準備動作、用紙Pの供給・搬送・排出動作、用紙Pの搬送に同期した液体吐出動作等を制御する。
【0034】
制御部100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)に加え、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)、I/F(Interface)、I/O(Input/Output Port)等を有する。ROMには、CPUが実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAMには、プログラム実行時に必要なデータ(画像データ等)が一時的に記憶される。ASICでは、画像データの書き換え、並び替え等(例えば、信号処理や画像処理)が行われる。I/Fは、外部装置とのデータ送受信を行う。I/Oは、各種センサの検出信号の入力/出力を行う。
【0035】
搬送ユニット50が規定する搬送経路は、通常搬送に係る経路R1,R2,R3と、再搬送に係る経路T1,T2,T3とを含む。搬送ユニット50は、経路R1〜R3,T1〜T3を規定する下記の構成要素、及び、搬送モータ(図示略)を有する。
【0036】
経路R1は、給紙ユニット1cから記録位置(吐出面10aに対向する位置)に至る、主走査方向から見てU字状に湾曲した経路であり、ガイド31a、ローラ対22、ガイド31b、ローラ対23、ガイド31c、ガイド31d、及びローラ対24によって規定されている。これら構成要素は、搬送方向上流側からこの順で配置されている。
【0037】
経路R2は、2つのヘッド10の記録位置を通る経路であり、ガイド32a、抑えローラ33、及びローラ対25によって規定されている。これら構成要素は、2つのヘッド10間に配置されている。抑えローラ33及びローラ対25は、搬送方向上流側からこの順で配置されている。
【0038】
経路R3は、記録位置よりも搬送方向下流側にあり且つ排紙部1eに至る、主走査方向から見てU字状に湾曲した経路であり、ガイド32b,33a,33b、抑えローラ35、及びローラ対26,27,28によって規定されている。ローラ対26〜28は、搬送方向上流側からこの順で配置されている。抑えローラ35は、経路R3に沿って複数設けられている。経路R3は、記録位置に対して上側(記録位置に対して吐出面10aと同じ側)にあると共に、経路R1とは逆向きに湾曲している。即ち、図3において、経路R1は左側に膨らむように(U字の底部が左側に配置されるようなU字状に)湾曲しているのに対し、経路R3は右側に膨らむように(U字の底部が右側に配置されるようにU字状に)湾曲している。これにより、経路R1〜R3は全体として逆S字状となっている。
【0039】
経路T1は、鉛直方向下向きの経路であり、ガイド95a及びローラ対96によって規定されている。経路T2は、経路R2とは逆向きの副走査方向に沿った経路であり、ガイド95b及びローラ対97によって規定されている。経路T3は、経路R1の途中部に至る斜め上向きの経路であり、ガイド95cによって規定されている。
【0040】
ローラ対22〜28,96〜97は、それぞれ、搬送モータに接続された駆動ローラと、駆動ローラの回転に伴って回転する従動ローラとから構成されている。
【0041】
ヘッドユニット9は、2つのヘッド10と、ヘッド10を支持するメインキャリッジ3a及びサブキャリッジ3bとを含む。2つのヘッド10は、用紙Pの搬送方向上流側から順に、前処理液を吐出するプレコートヘッド、及び、ブラックインクを吐出するインクジェットヘッドである。
【0042】
ヘッド10は、互いに同じ構造であって、主走査方向に長尺なライン型であり、略直方体の外形形状を有する。ヘッド10は、副走査方向(主走査方向及び鉛直方向と直交する方向)に互いに離隔し、サブキャリッジ3bに固定されている。サブキャリッジ3bは、メインキャリッジ3aを介して上筐体1aに支持されている。メインキャリッジ3aは、上筐体1aに固定されていると共に、サブキャリッジ3bを鉛直方向に往復移動可能に支持している。
【0043】
ヘッド10の下面は、多数の吐出口が開口した吐出面10aである。ヘッド10の内部には、カートリッジから供給された前処理液又はブラックインク(以下、これらを「液体」と総称する。)が吐出口に至るまでの流路が形成されている。前処理液は、インクの滲みや裏抜けを防止する機能、インクの発色性や速乾性を向上させる機能等を有する液体である。
【0044】
支持部60は、2つのヘッド10の吐出面10aと鉛直方向に対向して配置されている。支持部60は、ヘッド10のそれぞれと対向する2つの回転体63と、各回転体63の周面に固定されたプラテン61及び対向部材62と、回転体63を回転可能に支持するフレーム11とを含む。
【0045】
プラテン61及び対向部材62は、共に主走査方向及び副走査方向に関して吐出面10aより一回り大きなサイズを有し、且つ、鉛直方向に互いに対向して配置されている。プラテン61の表面は、吐出面10aに対向しつつ用紙Pを支持する支持面61aである。支持面61aには、副走査方向に沿ったリブが多数形成されている。対向部材62は、水分を透過しない又は透過し難い材料から構成されている。対向部材62の表面は、吐出面10aに対向する対向面62aである。
【0046】
回転体63が主走査方向に沿った回転軸を中心として回転することにより、支持面61aが吐出面10aに対向し且つ対向面62aが吐出面10aに対向しない第1状態(図3の状態)と、支持面61aが吐出面10aに対向せず且つ対向面62aが吐出面10aに対向する第2状態(図示略)とが切り換わる。回転体63は、用紙Pに向けて吐出口から液体を吐出して用紙Pに画像を記録するときは第1状態、キャッピングを行うときは第2状態となるように、制御部100により制御される。ここで、キャッピングとは、ヘッド10の下端周縁から下方に突出したキャップ部材(図示略)の先端を対向面62aに当接させることで、吐出面10aに対向する空間を外部空間から隔離する動作をいう。
【0047】
給紙ユニット1cは、ヘッドユニット9、支持部60、及び容器C1の下方に配置されている。給紙ユニット1cは、給紙トレイ20及び給紙ローラ21を有する。給紙トレイ20は下筐体1bに対して副走査方向に着脱可能である。給紙トレイ20は、上面が開口した箱であり、複数種類のサイズの用紙Pを収容可能である。給紙ローラ21は、制御部100の制御により回転し、給紙トレイ20内の用紙Pのうち最も上方にある用紙Pを送り出す。
【0048】
制御部100による制御の下、給紙トレイ20から送り出された用紙Pは、経路R1〜R2に沿って搬送される。用紙Pが支持面61a上に支持されつつヘッド10の真下(記録位置)を順次通過する際に、制御部100の制御により各ヘッド10が駆動し、吐出面10aの吐出口から用紙Pに向けて液体が吐出されることで、用紙P上に画像が形成される。その後用紙Pは、片面記録の場合、経路R3に沿って搬送されて排紙部1eに排出される。両面記録の場合、用紙Pは、排紙部1eに排出されずに後戻りし、経路T1〜T3に沿って搬送され、経路R1の途中部に送り込まれ、再び経路R2,R3を通り、裏面に画像が形成された後、排紙部1eに排出される。
【0049】
容器C1は、上面が開口した直方体形状の中空の容器であり、ヘッド10及び支持部60の下方に配置されている。容器C1の開口部は、鉛直方向に関して、2つのヘッド10の吐出面10a及び支持部60の各面61a,62aに対向し、ている。容器C1は、水平方向に関して(即ち、鉛直方向から見て)、各面10a,61a,62aよりも大きい。容器C1の内部に、支持部60の大部分が収容されている。これにより、記録時にヘッド10の吐出口から吐出された液体が飛散したり、キャッピングを行いつつパージ(吐出口から強制的に液体を吐出させる動作)を行ったときにキャップ部材から液体が漏れ出たりしたとしても、当該液体は容器C1に受容され、プリンタ1内の容器C1以外の構成要素に液体が付着することが抑制される。
【0050】
容器C1の底部における吐出面10aに対向する面(上面)には、液体を吸収保持可能な吸収体66が設けられている。吸収体66は、スポンジ等からなり、容器C1の底部上面の全域に設けられている。容器C1に受容された液体は、吸収体66に吸収保持される。
【0051】
電源基板85は、給紙トレイ20の下方に配置されている。電源基板85には、プリンタ1において電気的に駆動する構成要素(制御部100、各種センサ、各種モータ等)に供給される電力を生成する電源回路が設けられている。
【0052】
電源基板85の下方には、容器C2が設けられている。容器C2は、容器C1と同様、上面が開口した直方体形状の中空の容器であり、下筐体1bの下部によって構成されている。容器C2の開口部は、鉛直方向に関して、電源基板85に対向し、且つ、電源基板85を包含している。
【0053】
容器C2の底部における電源基板85に対向する面(上面)には、液体を吸収保持可能な吸収体86が設けられている。吸収体86は、スポンジ等からなり、容器C2の底部上面の全域に設けられている。容器C2に受容された液体は、吸収体86に吸収保持される。
【0054】
電源基板85は、下筐体1bの底部(即ち、容器C2の底部)1b1から上方に突出した複数の突起1b2によって、下方から支持されている。突起1b2の先端は、吸収体86よりも上方にある。したがって、電源基板85は下筐体1bの底部1b1及び吸収体86から離隔している。
【0055】
容器C1,C2は、図5に示すように、フレーム80を介して互いに接続されている。フレーム80は、下筐体1bに固定されている。フレーム80の上端に容器C1の底部が固定され、フレーム80の下端が容器C2の底部1b1に固定されている。フレーム80の内部に、給紙トレイ20及び電源基板85が配置されている。
【0056】
フレーム80の側部には、一対の管81が固定されている。一対の管81は、給紙トレイ20及び電源基板85を挟む位置に配置されている。各管81は、容器C1の底部から、給紙トレイ20及び電源基板85の側方を通って下方に向かい、容器C2の上方(吸収体86の直ぐ上)まで延在している。容器C1の底部には、図7に示すように、貫通孔が設けられている。当該貫通孔を介して、管81と容器C1の内部とが連通している。
【0057】
次いで、図1、図3、及び図8を参照し、排紙部1eの構成について説明する。
【0058】
排紙部1eは、図1及び図3に示すように、支持部材1e1及びガイド部材1e2を含む。
【0059】
支持部材1e1は、上筐体1aの上壁からなり、排出された用紙Pを支持する表面1e1cを有する。支持部材1e1の表面1e1cは、搬送方向に沿って開口1e3に向けて下降するように、水平方向に対して傾斜している。また、当該表面1e1cには、図1に示すように、略全域に亘って、搬送方向に延在する複数の凹部1e1xが形成されている。
【0060】
ガイド部材1e2は、図1、図3、及び図8に示すように、主部1e2aと、主部1e2aの側端から立設した一対の側部1e2bとを含む。主部1e2aの側端とは、主部1e2aの表面1e2ac(開口1e3に対向する面)における主走査方向の端部である。主部1e2aは鉛直方向及び主走査方向に延在し、側部1e2bは鉛直方向及び副走査方向に延在している。主部1e2aは、支持部材1e1よりも搬送方向上流側にあり、支持部材1e1との間に間隙(開口)1e3を介して配置されている。また、主部1e2aの表面1e2acには、略全域に亘って、鉛直方向に延在する複数の凹部1e2xが形成されている。なお、支持部材1e1及びガイド部材1e2は、排紙部1eを画定する壁面を構成している。より具体的には、支持部材1e1の表面1e1c及びガイド部材1e2の主部1e2aの表面1e2acは、排紙部1eを画定する壁面を構成している。換言すると、支持部材1e1の表面1e1cは、排紙部1eを画定する壁面の一部を構成しており、ガイド部材1e2の主部1e2aの表面1e2acは、排紙部1eを画定する壁面の一部を構成している。
【0061】
主部1e2aは、図3に示すように、開口1e3よりも下方に延出している。主部1e2aの表面1e2acの下端は、鉛直方向から見て容器C1内に位置している。具体的には、主部1e2aの表面1e2acの下端には、図3における紙面左側に突出する凸部1e2c(図5及び図8参照)が設けられている。凸部1e2cは、鉛直方向から見て容器C1内に位置している。また、図5に示すように、ガイド部材1e2の主走査方向の長さは容器C1の主走査方向の長さよりも短く、ガイド部材1e2は、全体として、鉛直方向から見て容器C1内に含まれている。なお、図3に示す直線Lは、主部1e2aの表面1e2acの下端を通る、鉛直方向に沿った直線である。
【0062】
主部1e2aの表面1e2acにおける開口1e3よりも下方の部分が、開口1e3から侵入した液体を容器C1に導くための流路S1を画定している。なお、ガイド32b,33aの間には間隙が形成されており、当該間隙も流路S1の一部を画定している。即ち、搬送経路を規定するガイドにおける、ガイド部材1e2の主部1e2aの下端部近傍には、流路S1の一部を画定するための間隙が形成されている。即ち、ユーザがジュース等の液体を排紙部1eに零してしまった場合に、開口1e3からプリンタ1内に侵入した液体は、流路S1を通って容器C1に受容される。また、容器C1内に吸収体66による保持許容量を超える量の液体が受容された場合は、当該液体は管81内の流路S2を通って容器C2に受容される(図5参照)。
【0063】
容器C2内に吸収体86による保持許容量を超える量の液体が受容された場合、制御部100は、プリンタ1のディスプレイやスピーカ等の出力手段を介してユーザにエラーを報知すると共に、プリンタ1各部の動作を停止させる。本実施形態では、図示は省略するが、吸収体86の一部に形成された空洞内に、一対の電極からなる導通センサが設けられている。容器C2内に吸収体86による保持許容量を超える量の液体が受容された場合に、空洞内に液体が侵入し、電極間の導通が検知される。制御部100は、導通センサからの信号に基づいて、容器C2内に吸収体86による保持許容量を超える量の液体が受容されたか否かを判断する。
【0064】
主部1e2aの裏面(開口1e3に対向する面とは反対側の面)は、図3に示すように、経路R3を規定している。具体的には、主部1e2aの裏面は、ガイド33a,33bの一部を構成している。
【0065】
支持部材1e1は上筐体1a、ガイド部材1e2は下筐体1bにそれぞれ支持されている。搬送ユニット50の各構成要素、支持部60、給紙トレイ20、容器C1,C2、及び電源基板85は、下筐体1bに支持されている。上筐体1aが近接位置から離隔位置に向けて回動する際、上筐体1aに支持されている構成要素は上筐体1aと共に移動する一方、下筐体1bに支持されている構成要素は移動せず定位置に保持される。当該回動の際、支持部材1e1は、ガイド部材1e2に対して移動するが、開口1e3の存在により、ガイド部材1e2と接触することはない。
【0066】
以上に述べたように、本実施形態に係るプリンタ1によると、給紙トレイ20が容器C1の下方、排紙部1eが容器C1の上方に配置されており、平面視におけるプリンタ1全体の面積の小型化を実現することができる。また、排紙部1eの開口1e3から侵入した液体は、流路S1に沿って容器C1に向かい、容器C1に受容される。したがって、平面視におけるプリンタ1全体の面積の小型化を実現しつつ、排紙部1eの開口1e3から侵入した液体が給紙トレイ20や給紙トレイ20内の用紙Pに付着する問題を抑制することができる。
【0067】
ヘッド10を支持する上筐体1aを、搬送ユニット50を支持する下筐体1bに対して回動させることで、ヘッド10と搬送ユニット50とが互いに離隔し、搬送経路が露出される。そして、上筐体1aと下筐体1bとの間に形成された空間を利用して、ユーザが手動で容易にジャム処理(搬送経路における用紙Pの詰まりを解消する作業)を行うことができる。
しかしながら、このような構成では、上筐体1aと下筐体1bとの間に、干渉防止用の間隙が必要となる。即ち、本実施形態のように排紙部1eを上筐体1aの一部分(支持部材1e1)と下筐体1bの一部分(ガイド部材1e2)とによって構成すると、支持部材1e1とガイド部材1e2間には、図らずも間隙が形成されることとなる。そして、この場合、当該間隙(開口1e3)からプリンタ1内に液体が侵入すると、給紙トレイ20や給紙トレイ20内の用紙Pに付着する問題が生じ得る。しかし本実施形態では、流路S1が設けられているため、開口1e3かららプリンタ1内に侵入した液体は、流路S1に沿って容器C1に向かい、容器C1に受容される。したがって、本実施形態によれば、ユーザによるジャム処理の容易化と、排紙部1eの開口1e3から侵入した液体が給紙トレイ20や給紙トレイ20内の用紙Pに付着する問題の抑制とを、共に実現することができる。
【0068】
支持部材1e1の表面1e1cが、搬送方向に沿って開口1e3に向けて下降するように、水平方向に対して傾斜している(図1及び図3参照)。上記構成によると、支持部材1e1の表面1e1cに零れた液体が、傾斜によって、開口1e3に誘導される。これにより、液体が開口1e3以外の部分に流れ出ることを抑制することができる。
【0069】
支持部材1e1の表面1e1cに、搬送方向に延在する複数の凹部1e1xが形成されている。上記構成によると、支持部材1e1の表面1e1cに零れた液体が、凹部1e1xを通って、開口1e3に誘導される。これにより、液体が開口1e3以外の部分に流れ出ることを抑制することができる。
【0070】
ガイド部材1e2の主部1e2aの表面1e2acが鉛直方向に延在している。上記構成によると、主部1e2aの表面1e2acに零れ又は付着した液体が、鉛直方向に沿って、開口1e3に誘導される。これにより、液体が開口1e3以外の部分に流れ出ることを抑制することができる。
【0071】
ガイド部材1e2の主部1e2aの表面1e2acに、鉛直方向に延在する複数の凹部1e2xが形成されている。上記構成によると、主部1e2aの表面1e2acに零れ又は付着した液体が、凹部1e2xを通って、開口1e3に誘導される。これにより、液体が開口1e3以外の部分に流れ出ることをより確実に抑制することができる。
【0072】
ガイド部材1e2の主部1e2aの表面1e2acが開口1e3よりも下方に延出し、主部1e2aの表面1e2acの開口1e3よりも下方の部分が流路S1を画定しており、主部1e2aの表面1e2acの下端が鉛直方向から見て容器C1内に位置している。上記構成によると、開口1e3から侵入した液体が、主部1e2aの表面1e2acに沿って下方に誘導され、主部1e2aの表面1e2acの下端から容器C1内に確実に受容される。
【0073】
ガイド部材1e2の主部1e2aの裏面が、搬送ユニット50による搬送経路を規定している。ガイド部材1e2は、下筐体1bに支持されており、上筐体1aが回動する際、移動せず、定位置に固定されている。本実施形態のようにガイド部材1e2が搬送経路を規定している場合に、ガイド部材1e2が、上筐体1aに支持されており、上筐体1aが回動する際に上筐体1aと共に移動すると、搬送経路の精度が悪化するという問題が生じ得る。しかし上記構成によれば、このような問題を抑制することができる。
【0074】
ガイド部材1e2は、主部1e2aの側端から立設した側部1e2bを有する。上記構成によると、主部1e2aの表面1e2acに零れ又は付着した液体が、当該面の側方に流れても、側部1e2bによって堰き止められ、開口1e3に誘導される。これにより、液体が開口1e3以外の部分に流れ出ることを抑制することができる。
【0075】
プリンタ1は、給紙トレイ20の下方に配置された容器C2と、容器C1から給紙トレイ20の側方を通って容器C2に向かう液体の流路S2と、をさらに備えている。容器C1に液体が充満した場合、容器C1から液体が漏れ出し、容器C1の下方にある給紙トレイ20や給紙トレイ20内の用紙Pに液体が付着し得る。しかし上記構成によれば、容器C1に液体が充満した場合でも、当該液体は、流路S2を介して、容器C1から給紙トレイ20の側方を通って容器C2に向かい、容器C2に受容される。これにより、上記問題を抑制することができる。
【0076】
プリンタ1は、給紙トレイ20の下方且つ容器C2の上方に、容器C2から離隔して配置された電源基板85をさらに備えている。そして、流路S2が、容器C1から給紙トレイ20及び電源基板85の側方を通って容器C2に向かう。電源基板85は、液体が付着すると発火や故障が生じ得るため、液体付着の可能性が低い位置(例えば、ヘッド10の上方等の装置上部)に設けることが好ましいが、レイアウト上の制約等により、装置下部に設ける必要がある場合がある。しかしそのような場合でも、本実施形態のように流路S2を形成することで、電源基板85への液体の付着を抑制することができる。
【0077】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0078】
第1及び第2受容部の構成(形状、サイズ、個数等)は任意に変更可能である。例えば、第1受容部をヘッド毎に設けてもよい。また、第1受容部は、キャッピング時に使用されるキャップ部材として機能してもよい。この場合、第1受容部は、パージにより吐出口から吐出された液体を受容してよい。また、吸収体は、第1及び第2受容部の底部の全域に設けられることに限定されず、一部の領域のみに設けられてもよい。一部の領域とは、例えば、第1受容部では吐出面に対向する領域、第2受容部では第2流路に対向する領域であってよい。また、吸収体を省略してもよい。また、第1及び第2受容部が、廃液タンクと連通し、各受容部に受容された液体が廃液タンクに排出されてもよい。また、第2受容部を省略してもよい。
【0079】
第1及び第2流路の構成(形状、サイズ、個数等)は任意に変更可能である。第1流路を、上述の実施形態に係る第2流路のような管で構成してもよい。また、第2流路を省略してもよい。
【0080】
第1部材における記録媒体を支持する面は、任意の方向に延在してよい。例えば、第1部材における記録媒体を支持する面は、水平方向に延在してもよい。また、第2部材における開口に対向する面は、任意の方向に延在してよい。例えば、第2部材における開口に対向する面は、鉛直方向に対して傾斜した方向、水平方向等に延在してもよい。また、第2部材の側部を省略してもよい。また、第2部材は、搬送経路を規定しなくてもよい。
また、第2部材における開口に対向する面の下端が鉛直方向から見て第1受容部内に位置していなくてもよい。また、第2部材における開口に対向する面が、開口よりも下方に延出していなくてもよい。これらの場合、例えば、第2部材における開口に対向する面から第1受容部に向けて液体を誘導する別の部材を設けてよい。
また、第2部材の凹部は、開口よりも上方の部分にのみ形成されてもよい。また、第1及び第2部材の凹部を省略してもよい。また、排紙部は、第1及び第2部材の2部材からなることに限定されず、開口が形成された1の部材からなってもよい。
【0081】
電子部品は、電源基板に限定されず、任意の電子部品(例えば、搬送部の制御基板、ヘッドの制御基板、装置認証用IC等)であってよい。また、電子部品は、収容部の下方に配置されなくてもよい。
【0082】
再搬送に係る経路を省略してもよい。また、抑えローラを省略してもよい。また、上述の実施形態のようなローラ搬送方式ではなく、ベルト搬送方式であってもよい。また、送経路の構成を任意に変更してよい。例えば、上述の実施形態では通常搬送に係る経路R1〜R3が全体として逆S字状となっているが、通常搬送に係る経路が全体としてU字状等であってもよい。
【0083】
第1筐体は、第2筐体に対して回動可能であることに限定されず、例えば第2筐体に対して水平方向又は鉛直方向に移動可能であってもよい。また、液体吐出装置の筐体は、第1及び第2筐体の2部材で構成されることに限定されず、1の筐体で構成されてもよい。
【0084】
ヘッドは、前処理液やインク以外の任意の液体を吐出してよい。また、吐出面の延在方向は、水平方向に限定されない(鉛直方向等であってもよい)。また、液体吐出装置に含まれるヘッドの数は、1以上の任意の数であってよい。
【0085】
記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な任意の媒体であってよい。
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 インクジェット式プリンタ(液体吐出装置)
1a 上筐体(第1筐体)
1b 下筐体(第2筐体)
1c 給紙ユニット
1e 排紙部(排出部)
1e1 支持部材(第1部材)
1e1x 凹部
1e2 ガイド部材(第2部材)
1e2b 側部
1e2x 凹部
1e3 開口
10 ヘッド
10a 吐出面
20 給紙トレイ(収容部)
50 搬送ユニット(搬送部)
85 電源基板(電子部品)
C1 容器(第1受容部)
C2 容器(第2受容部)
P 用紙(記録媒体)
S1 流路(第1流路)
S2 流路(第2流路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対して液体を吐出する複数の吐出口が開口した吐出面を有するヘッドと、
前記吐出面に対向する位置に配置され、前記吐出口から吐出された液体を受容する第1受容部と、
前記第1受容部の下方に配置された、記録媒体を収容する収容部と、
前記収容部に収容されている記録媒体を、前記吐出面と前記受容部との間を通るように搬送する搬送部と、
前記収容部及び前記第1受容部の上方に配置され、前記搬送部によって搬送された記録媒体が排出される排出部と、を備え、
前記排出部を画定する壁面には開口が形成されており、
前記開口から侵入した液体を前記第1受容部に導くための第1流路が形成されていることを特徴とする、液体吐出装置。
【請求項2】
前記排出部を画定する壁面は、排出された記録媒体を支持する第1部材と、前記搬送部による記録媒体の搬送方向に関して前記第1部材よりも上流側に配置され且つ前記第1部材との間に間隙を介して配置された第2部材と、により構成されており、
前記ヘッド及び前記第1部材を支持する第1筐体と、
前記搬送部、前記収容部、前記第1受容部、及び前記第2部材を支持する第2筐体と、を備え、
前記第1筐体は、回動軸を中心として前記第2筐体に対して回動可能であり、
前記開口は、前記第1部材と前記第2部材との間の前記間隙によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記第1部材における記録媒体を支持する面が、前記搬送方向に沿って前記開口に向けて下降するように、水平方向に対して傾斜していることを特徴とする、請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記第1部材における記録媒体を支持する面に、前記搬送方向に延在する複数の凹部が形成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記第2部材における前記開口に対向する面が鉛直方向に延在していることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記第2部材における前記開口に対向する面の、少なくとも前記開口よりも上方の部分に、鉛直方向に延在する複数の凹部が形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記第2部材における前記開口に対向する面が、前記開口よりも下方に延出し、
前記第2部材における前記開口に対向する面の、前記開口よりも下方の部分が、前記第1流路を画定しており、
前記第2部材における前記開口に対向する面の下端が、鉛直方向から見て、前記第1受容部内に位置していることを特徴とする、請求項5又は6に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記第2部材における前記開口に対向する面とは反対側の面が、前記搬送部による記録媒体の搬送経路を規定していることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記第2部材は、前記搬送方向及び鉛直方向と直交する方向に関して、前記第2部材における前記開口に対向する面の端部から立設した側部を有することを特徴とする、請求項2〜8のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記収容部の下方に配置された、液体を受容する第2受容部と、
前記第1受容部から前記収容部の側方を通って前記第2受容部に向かう液体の第2流路と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項11】
前記収容部の下方且つ前記第2受容部の上方に、前記第2受容部から離隔して配置された電子部品をさらに備え、
前記第2流路が、前記第1受容部から前記収容部及び前記電子部品の側方を通って前記第2受容部に向かうことを特徴とする、請求項10に記載の液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−49216(P2013−49216A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189046(P2011−189046)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】