説明

液体噴射装置

【課題】気泡の排出性を向上することが可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】フィルター46が配設されたフィルター室47と、インクを噴射するノズル37を有する記録ヘッド20との間に、圧力調整弁49を備えた圧力調整ユニット21が設けられ、フィルター孔55の開口寸法が、記録ヘッドのノズルおける最小内径Daの1/2以下に設定され、エアポンプ16によるインク圧送時の圧力が、上流側空部52内の気泡がフィルターを通過し得る値に調整された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に関し、特に、液体噴射ヘッドに供給する液体を濾過するフィルター及び当該フィルターが設けられたフィルター室を有する液体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する液体噴射装置の代表的なものとしては、例えば、着弾対象(記録媒体)としての記録紙等に対してインク滴を噴射・着弾させて記録を行うインクジェット式プリンター等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、或いはFED(面発光ディスプレイ)等のディスプレイ製造装置においては、色材や電極等の液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域等に対して噴射するためのものとして、液体噴射装置が用いられている。
【0003】
例えば、上記インクジェット式プリンターでは、インクカートリッジに貯留されているインクを、液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド)側に導入し、当該記録ヘッドのノズルから噴射するように構成されている。記録ヘッドにおいては、インクが導入される部分からノズルに至るインク流路(液体流路)がインクのみで満たされている状態が望ましいが、記録ヘッド内へのインクの充填(初期充填)時やインクカートリッジの交換等でインク流路内に気泡が入りこむことがある。この種のプリンターでは、気泡が侵入し難いように様々な対策が施されているが、気泡の浸入を完全に防止することは困難である。インク流路内に入り込んだ気泡は、次第に成長して大きくなり、過度に成長した気泡の一部がインクの流れによって圧力室側に移動すると、当該気泡がインク流路やノズルに詰まることでノズルからインクが噴射されなくなる所謂ドット抜けが生じる可能性がある。
【0004】
このような気泡による不具合を防止するために、記録ヘッドの上流側に気泡や異物を路別するフィルターおよびこのフィルターが配設されるフィルター室を設け、フィルターによってフィルター室内に気泡を捕捉するように構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
図8は、従来のプリンターにおけるインクカートリッジ76から記録ヘッド75のノズル73に至るまでのインク供給経路を示す模式図である。インクカートリッジ76内のインクは、エアポンプ77によって加圧されてインク供給チューブ78を介して圧力調整ユニット74に供給され、圧力調整ユニット74に導入されたインクは、第1のフィルター室80に設けられた第1のフィルター79を通って、圧力調整弁83を有する圧力調整部84によって減圧された後、第2のフィルター室82に設けられた第2のフィルター81を通って記録ヘッド75側に供給されるように構成されている。圧力調整部84は、その内圧に応じて圧力調整弁83を開閉することにより、記録ヘッド75に供給するインクの圧力を一定の圧力に調整する。これにより、圧力調整部84よりも上流側が、圧力調整部84よりも下流側の圧力と比較して高い圧力で加圧される構成においても、インクの噴射不良を来たす過剰な昇圧が防止される。
【0006】
上記構成において、第1のフィルター79や第2のフィルター81は、インクカートリッジ76側からのインクを濾過する部材であり、例えば、金属をメッシュ状に細かく編み込んで形成されている。これらのフィルターには多数のフィルター孔が形成されている。圧力調整部84よりも下流側の第2のフィルター81のフィルター孔の開口寸法は、例えば、20μm程度に設定され、記録ヘッド75側に気泡や異物が流入し難いように構成されている。この開口寸法は、ノズル73の最小開口径(噴射側の開口径)よりも少し小さい程度である。また、圧力調整部84よりも上流側の第1のフィルター79のフィルター孔の開口寸法は、例えば、20μmよりも少し大きく設定され、圧力調整部84に異物や気泡が流入しにくいように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−052210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そして、インクカートリッジ76から供給されるインクに侵入した気泡は、第1のフィルター室80の第1のフィルター79の上流側の上流側空部85に捕捉される。また、第1のフィルター79を通過した気泡は、第2のフィルター室82の上流側空部86で捕捉される。これにより、記録ヘッド75の通常の記録動作(印刷動作)におけるインクの噴射動作時に生じるインクの流速では、気泡が記録ヘッド75側に流入しないようになっている。このため、フィルター室の上流側空部で捕捉された気泡が成長した場合、記録ヘッド75のノズル面をキャッピング機構87のキャップ部材によって封止した状態で、封止空部内を図示しない吸引ポンプによって負圧化し、これによりノズル73からインクや気泡を強制的に吸引するクリーニング処理が行われていた。このようなクリーニング処理を行うことにより、フィルター室の上流側空部で捕捉されていた気泡がフィルターを通過するので、当該気泡をノズル73から排出することができる。しかしながら、従来のフィルターでは、ノズル73の最小開口径(噴射側の開口径)よりも少し小さい程度であるため、フィルターを通過した気泡は、ノズルの最小開口径よりも大きくなる場合がある。これにより、この気泡がノズルを閉塞し、その結果、インクが正常に噴射されない所謂ドット抜けが発生するという問題があった。また、上記のクリーニング処理を行うことで、その分インクが消費されるという問題もあった。
【0009】
なお、このような問題は、インクを噴射する記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録装置だけではなく、液体供給経路の途中にフィルターを配設したフィルター室を有する他の液体噴射装置においても同様に存在する。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、気泡の排出性を向上することが可能な液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドに供給する液体を貯留した液体貯留部材と、
前記液体貯留部材に貯留された液体を加圧して、当該液体を、液体供給路を通じて前記液体噴射ヘッド側に圧送する加圧手段と、
前記液体貯留部材側から前記液体供給路を通じて供給される液体を濾過するフィルターおよび当該フィルターの上流側に形成された上流側空部を有し、前記液体噴射ヘッドの上流側に配設されたフィルター室と、
前記フィルター室と前記液体噴射ヘッドとの間に配置され、前記フィルター室側からの液体の圧力を減圧する圧力調整弁を有する圧力調整手段と、を備え、
前記フィルターの孔寸法が、前記ノズルにおける最小内径の1/2以下に設定され、
前記加圧手段による圧力が、前記上流側空部内の気泡が前記フィルターを通過し得る値に調整され、
前記フィルターを通過し、前記圧力調整手段によって減圧された後の気泡の大きさが、前記ノズルにおける最小内径よりも小さいことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、フィルター室と液体噴射ヘッドとの間に、圧力調整弁を備えた圧力調整手段が設けられ、フィルター孔の開口寸法がノズルにおける最小内径の1/2以下に設定され、加圧手段による液体圧送時の圧力が、上流側空部内の気泡がフィルターを通過し得る値に調整される構成を採用することにより、上流側空部内の気泡がフィルターを通過して微細な気泡に分割され、尚かつ、当該気泡が圧力調整手段により減圧された後においても当該気泡の大きさをノズルの最小内径よりも小さくすることができる。そして、当該気泡は、液体噴射ヘッドのノズルから液体を噴射する際に、当該ノズルに詰まることなく液体と共にノズルからヘッド外部に排出される。これにより、従来において行われていたクリーニング処理を行わなくても、液体貯留部材からノズルに至るまでの流路内に気泡が滞留することが防止される。そして、クリーニング処理を行わなくても良いので、クリーニング処理に要する時間が削減され、また、クリーニング処理を行わない分だけ液体の消費が抑制される。
【0013】
また、上記構成において、前記ノズルにおける最小内径をDa、前記上流側空部内の気泡が前記フィルターを通過した時点における前記フィルターの孔寸法に対する気泡の直径の比をRa、前記圧力調整手段による減圧前後の気泡の直径比をRbとしたとき、前記フィルターの孔寸法Dfが、以下の式(1)に基づいて定められることが望ましい。
Df≦Da/(Ra*Rb) …(1)
【0014】
上記構成において、前記加圧手段による圧力が、前記液体貯留部材から前記フィルターに至るまでの圧力損失分に15kPaを加算した値以上に設定される構成を採用することが望ましい。
【0015】
また、上記構成において、前記上流側空部が、前記フィルターに対して重力方向の下方に配置される構成を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プリンターの構成を説明する平面図である。
【図2】インクカートリッジから記録ヘッドに至るまでのインク供給経路の構成を説明する模式図である。
【図3】記録ヘッドの要部断面図である。
【図4】ノズルの構成を説明するノズル軸方向の断面図である。
【図5】フィルターの一部を拡大して示した平面図である。
【図6】第2実施形態における構成を説明する模式図である。
【図7】第3実施形態における構成を説明する模式図である。
【図8】従来のプリンターにおけるインクカートリッジから記録ヘッドに至るまでの構成を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
【0018】
図1はインク噴射ユニット10(図2)を搭載するインクジェット式記録装置(以下、プリンターという)の構成を示す平面図である。また、図2は、インクカートリッジ13から圧力調整ユニット21を経て記録ヘッド20に至るまでの構成を示した模式図である。
本実施形態におけるプリンター1は、記録紙等の記録媒体(着弾対象:図示せず)の表面に対して液体状のインク(本発明に液体に相当)を噴射して画像等の記録を行う装置である。このプリンター1は、フレーム2と、このフレーム2内に配設されたプラテン3とを備えており、紙送りモーターの駆動により回転する紙送りローラー(何れも図示せず)によってプラテン3上に記録紙が搬送されるようになっている。また、フレーム2内には、プラテン3と平行にガイドロッド4が架設されており、このガイドロッド4には、記録ヘッド20を備えたインク噴射ユニット10を収容したキャリッジ5が摺動可能に支持されている。このキャリッジ5は、パルスモーター6の駆動によって回転する駆動プーリー7と、この駆動プーリー7とはフレーム2における反対側に設けられた遊転プーリー8との間に架設されたタイミングベルト9に接続されている。そして、キャリッジ5は、パルスモーター6を駆動することで、ガイドロッド4に沿って紙送り方向と直交する主走査方向に往復移動するように構成されている。
【0019】
フレーム2の一側には、インクカートリッジ13(本発明における液体貯留部材の一種)を着脱可能に搭載するカートリッジホルダー14が設けられている。インクカートリッジ13は、エアチューブ15を介してエアポンプ16(本発明における加圧手段の一種。)と接続されており、このエアポンプ16からの空気が各インクカートリッジ13内に供給される。そして、この加圧空気によってインクカートリッジ13内に配設されたインクパック13′(図2参照。)が加圧されることにより、インクパック13′内のインクがインク供給チューブ17を通じてインク噴射ユニット10側に供給(圧送)されるように構成されている。このエアポンプ16によるインク圧送時の圧力とフィルター46との関連については後述する。
【0020】
インク供給チューブ17は、例えば、合成樹脂で作製された可撓性を有する中空部材であり、このインク供給チューブ17の内部には、各インクカートリッジ13に対応するインク流路が形成されている。また、プリンター1本体側とインク噴射ユニット10側との間には、プリンター1本体側の制御部(図示せず)からインク噴射ユニット10側に駆動信号等を伝送するFFC(フレキシブルフラットケーブル)18が配線されている。
【0021】
記録ヘッド20の移動範囲における一側(カートリッジホルダー14側)に設けられたホームポジションには、記録ヘッド20のノズル面を封止するキャップ部材11′を有するキャッピング機構11が配設されている。キャップ部材11′は、エラストマー等の弾性を有する材料により、上面が開口したトレイ状の部材である。そして、キャッピング機構11は、ホームポジションで待機状態にある記録ヘッド20のノズル面をキャップ部材11′により封止してノズル37からインクの溶媒が蒸発することを抑制する。また、キャッピング機構11は、記録ヘッド20のノズル面を封止した状態で封止空部内を図示しない吸引ポンプによって負圧化し、ノズル37からインクや気泡を強制的に吸引するクリーニングを行うことができる。
【0022】
次に、インク噴射ユニット10の構成について説明する。本実施形態におけるインク噴射ユニット10は、本発明における液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド20と、この記録ヘッド20の上流側に配置された圧力調整ユニット21と、を備えている。エアポンプ16による加圧によりインクカートリッジ13からインク供給チューブ17を通じて送られてくるインクは、まず、圧力調整ユニット21に導入される。圧力調整ユニット21に導入されたインクは、後述するフィルター46を通って、圧力調整部48において圧力が調整された後、記録ヘッド20に供給される。
【0023】
図3は、記録ヘッド20の構成を説明する要部断面図である。
本実施形態における記録ヘッド20は、ケース23、振動子ユニット24、及び流路ユニット25等を備えている。上記のケース23の内部には振動子ユニット24を収納する収納空部26と、インク導入流路27と、が形成されている。インク導入流路27は、一端が後述する圧力調整ユニット21の導出路68と連通し、他端がリザーバー33と連通している。したがって、圧力調整ユニット21の導出路68側から導入されたインクは、インク導入流路27を通じてリザーバー33側に供給される。
【0024】
振動子ユニット24は、圧力発生手段の一種として機能する圧電振動子22と、この圧電振動子22が接合される固定板28と、圧電振動子22に駆動信号を供給するフレキシブルケーブル29とを備えている。この圧電振動子22は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向(電界方向)に直交する方向に伸縮可能(電界横効果型)な縦振動モードの圧電振動子である。
【0025】
流路ユニット25は、流路形成基板30の一方の面にノズルプレート31を、流路形成基板30の他方の面に振動板32をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット25には、リザーバー33(共通液室の一種。マニホールドとも言う。)、インク供給口34(液体供給口の一種)、圧力室35、ノズル連通口36、及びノズル37が設けられている。そして、インク供給口34から圧力室35及びノズル連通口36を経てノズル37に至る一連のインク流路が、各ノズル37に対応して形成されている。
【0026】
上記ノズルプレート31は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル37が列状に開設された板状部材であり、本実施形態ではステンレス鋼により作製されている。このノズルプレート31には、ノズル37を列設してノズル列(ノズル群)が複数設けられており、1つのノズル列は、例えば180個のノズル37によって構成される。
【0027】
図4は、ノズル37の構成を説明するノズル軸方向の断面図である。なお、同図において、上側が圧力室35側であり、下側がインク噴射側(記録時における記録媒体側)である。このノズル37は、ストレート部37aとテーパー部37bとから構成されている。ストレート部37aは、一端(噴射側。以下、同様。)がノズルプレート31における噴射側の面に開口し、他端(圧力室側。以下同様。)がテーパー部37bと連通した、内径(本発明における最小内径に相当)がDaで一定な円筒状の空部である。本実施形態におけるノズル37の最小内径Daは、例えば、22μmに設定されている。テーパー部37bは、一端がストレート部37aと連通し、他端がノズルプレート31における圧力室側の面に開口した空部である。このテーパー部37bの内径は、ストレート部37aの他端側から圧力室側の面側の開口に向けて拡大している。
【0028】
上記振動板32は、支持板38の表面に可撓性を有する弾性体膜39を積層した二重構造である。本実施形態では、ステンレス板を支持板38とし、この支持板38の表面に樹脂フィルムが弾性体膜39としてラミネートされた複合板材により振動板32が作製されている。この振動板32には、圧力室35の容積を変化させるダイヤフラム部40が設けられている。また、この振動板32には、リザーバー33の一部を封止するコンプライアンス部41が設けられている。
【0029】
上記のダイヤフラム部40は、エッチング加工等によって支持板38を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部40は、圧電振動子22の自由端部の先端面が接合される島部42と、この島部42を囲う薄肉弾性部43とから成る。上記のコンプライアンス部41は、リザーバー33の開口面に対向する領域の支持板38がエッチング加工等によって除去されることにより作製される。このコンプライアンス部41は、リザーバー33に貯留された液体の圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
【0030】
そして、上記の島部42には圧電振動子22の先端面が接合されているので、この圧電振動子22の自由端部が伸縮することで圧力室35の容積が変動する。この容積変動に伴って圧力室35内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド20は、この圧力変動を利用してノズル37からインク滴を噴射させる。
【0031】
次に、圧力調整ユニット21の構成について説明する。
本実施形態における圧力調整ユニット21は、図2に示すように、合成樹脂等から作製されたユニット本体45内に、フィルター46が配設されたフィルター室47と、圧力調整弁49を有する圧力調整部48(本発明における圧力調整手段の一種)と、を備えて概略構成されている。
【0032】
インクカートリッジ13からインク供給チューブ17を通じて圧送されてくるインクは、導入口51から圧力調整ユニット21内に導入されて、まず、フィルター室47に流入する。このフィルター室47は、ユニット内の流路が部分的に拡大した空部であり、上流側空部52と下流側空部53とから構成される。上流側空部52は、その内径が導入口51側から下流側空部53側に向けて次第に拡径した空部である。また、下流側空部53は、その内径が上流側空部52側から圧力調整弁49に連通する連通路54側に向けて次第に縮径した空部である。そして、フィルター46は、これらの空部52,53の境界部分に配設されている。
【0033】
図5は、フィルター46の一部を拡大して示した平面図である。本実施形態におけるフィルター46は、インクカートリッジ13側からのインクを濾過する部材であり、例えば、金属をメッシュ状に細かく編み込んで形成されている。同図に示すように、フィルター46の全面には多数のフィルター孔55が形成されている。本実施形態におけるフィルター孔55は平面視矩形の貫通孔であるが、平面視円形の貫通孔によって構成されても良い。そして、インクカートリッジ13側からのインクに気泡Bや異物が混入されている場合に、フィルター孔55よりも大きい気泡Bや異物が、フィルター46によって上流側空部52内に捕捉されて、記録ヘッド20側に流れ込むことが防止される。フィルター孔55の開口寸法(孔寸法)の詳細については後述するが、記録ヘッド20のノズル37の最小内径Daよりも十分に小さく設定されている。このため、フィルター46のフィルター孔55を通過した気泡B′や異物は、ノズル37よりインクと共に排出されるようになっている。即ち、ノズル37が気泡Bや異物によって閉塞されないように構成されている。
【0034】
フィルター室47と圧力調整部48とは、連通路54を介して連通している。フィルター46を通過したインクは、連通路54を通って圧力調整部48の調整弁収容室56に流入する。圧力調整部48は、圧力調整弁49が配設された調整弁収容室56と、当該調整弁収容室56に連通する圧力調整室58と、圧力調整室58の一側の開口部を封止する状態で配設された受圧部材57と、を備えて概略構成されている。圧力調整室58は、ユニット本体45の一方の側面(図2における左側の側面)から他方の側面(同図における右側の側面)側に向けて矩形状に窪んだ空部である。この圧力調整室58の縦方向(ユニット本体45の高さ方向)における略中央部の底部には流入口59が開設されており、当該流入口59は調整弁収容室56と連通している。また、圧力調整室58において、流入口59よりも下流側の底部には導出口60が開設されている。
【0035】
受圧部材57は、圧力調整室58の内圧が所定の圧力より低くなると、圧力調整室58の内側(ユニット本体45の他方の側面側)へ弾性変形する可撓性のフィルム部材61と、このフィルム部材61の内側(圧力調整室側)に添設された作動片62とにより構成されている。フィルム部材61は、例えば、可撓性を有する薄手の樹脂製のフィルムから成る。このフィルム部材61は、圧力調整室58となる窪みの開口部(即ち、圧力調整室58の一側の開口面)を密封するようにユニット本体45の一方の側面に接着又は溶着されている。したがってフィルム部材61は圧力調整室58の一部を区画している。作動片62は、圧力調整室58内にあって一端部62a側をユニット本体45に支持された所謂片持ち梁状態に設けられている。この作動片62は、例えばステンレス鋼などの金属製の板材で構成されている。
【0036】
圧力調整弁49は、圧力調整室58へのインクの導入を許容する開弁状態と、圧力調整室58へのインクの導入を遮断する閉弁状態とに変換可能に構成されており、例えば、異形コイルバネから成る付勢部材64によって閉弁位置側へ付勢された状態で、流入口59の上流側に形成された調整弁収容室56内に配設されている。圧力調整弁49は、円柱状の軸部65と、この軸部65の途中から側方に延出した略円盤状の鍔部66と、鍔部66の上面側(圧力調整室58側)に配置されたパッキン67とにより構成されている。軸部65の先端部(鍔部66よりも先端側)は、その外径が流入口59の内径よりも小さくなるように形成され、流入口59を通じて圧力調整室58内に挿入されている。そして、この軸部65と流入口59の内周面との間の隙間を介して、フィルター室47側からのインクが圧力調整室58内に導入されるようになっている。パッキン67は、例えば、エラストマーなどの弾性部材によってリング状に形成されている。このパッキン67の中央部の開口には、軸部65が挿通されている。
【0037】
付勢部材64は、圧力調整弁49の鍔部66に当接して圧力調整弁49全体を圧力調整室58側に付勢し、圧力調整室58が所定圧力に減圧されるまで閉成状態を保持するようになっている。即ち、圧力調整弁49は、付勢部材64の弾性力に抗する応力を受けない限り、パッキン67を流入口59の開口周縁部に密着させる閉弁位置に保持される。そして、この閉弁位置では、圧力調整弁49は、調整弁収容室56側から圧力調整室58側へのインクの流入を遮断する。
【0038】
圧力調整弁49によって圧力調整室58へのインクの流入が遮断されると、圧力調整室58の内圧が、記録ヘッド20によるインクの消費によって徐々に低下する。圧力調整室58内が所定圧力まで減圧されると、受圧部材57が圧力調整室58の内側へ弾性変形し、作動片62を底部側(圧力調整弁49側)へ押圧する。これにより、作動片62は、受圧部材57が弾性変形する際の押圧力を受けて、閉弁位置にある圧力調整弁49の軸部65の先端部を押圧し、付勢部材64の弾性力に抗しながら圧力調整弁49を開方向に移動させる。これにより、パッキン67が流入口59の開口周縁部から離間して密着状態が解除された位置(開弁位置)まで圧力調整弁49が変位する。この開弁位置では、調整弁収容室56側から流入口59を通じて圧力調整室58内へのインクの流入が許容される。圧力調整室58に流入したインクは、導出口60から導出路68を通じて記録ヘッド20のインク流路に供給される。圧力調整室58内にインクが流入すると、これに伴って圧力調整室58の内圧が上昇する。圧力調整室58の内圧の上昇により、フィルム部材42が、圧力調整室58の底部側(圧力調整弁49側)から開口面側に向かって変位する。これにより、圧力調整弁49が付勢部材64の付勢力によって閉弁位置まで変位して流入口59を閉塞し、圧力調整室58へのインクの流入を遮断する。
【0039】
このようにして、圧力調整ユニット21における圧力調整部48は、圧力調整弁49の閉弁位置と開弁位置との間の往復移動によって記録ヘッド20に供給するインクの圧力を一定の圧力に調整する。本実施形態における記録ヘッド20では、ノズル37におけるメニスカスの耐圧が4kPa程度である。ノズル37におけるインクの圧力が正圧になると記録動作を行わない状態でもノズル37からインクが漏出してしまうため、ノズル37におけるメニスカスに対して僅かに負圧がかかるような状態に設定されている。ただし、メニスカスに作用する圧力が−4kPaよりも下回ると、ノズル37においてメニスカスの形成が困難となり、当該ノズル37からのインクの噴射に支障来す可能性がある。このため、本実施形態においては、ノズル37におけるメニスカスが適切な状態(記録動作時にノズル37から正常にインクを噴射することができるような状態)となるように、圧力調整部48によって当該メニスカスに作用する圧力(即ち、圧力調整部48よりも下流側におけるインクの圧力)が−1kPaに調整される。これにより、本実施形態のように、圧力調整部48よりも上流側がより高い圧力で加圧される構成においても、インクの噴射不良を来たす過剰な昇圧が防止される。即ち、圧力調整部48は、インクカートリッジ13側から送られてくるインクの圧力を減圧して記録ヘッド20に供給するように構成されている。
【0040】
ここで、本発明に係るプリンター1では、フィルター46のフィルター孔55の開口寸法が、従来のプリンターにおける一般的にインク濾過用として使用されるフィルターのフィルター孔の開口寸法よりも小さく設定されている。具体的には、フィルター孔55の開口寸法が、ノズル37の最小内径Daの1/2以下に設定されている。フィルター孔55をこのように設定することで、フィルター46を通過した気泡の大きさが、圧力調整ユニット21を通過した後ノズル37に至る時点でノズル37の最小内径Daよりも小さくなるように構成されている。本実施形態では、ノズル37の最小内径Daが22μmであるのに対し、フィルター孔55の開口寸法が8μmとなっている。
【0041】
なお、フィルター孔55の平面形状が矩形状の場合、縦方向(図5における上下方向)の寸法aと横方向(図5における左右方向)の寸法bとの平均が開口寸法とされる。本実施形態におけるフィルター孔55は縦横比が1であり、一辺の寸法が開口寸法となる。なお、フィルター孔55の平面形状が円形以外である場合において、当該フィルター孔55の開口面積と同一の開口面積の円の直径を開口寸法とすることもできる。このフィルター孔55の開口寸法の具体的な設定方法(算出式)については後述する。
【0042】
本実施形態において、フィルター46のフィルター孔55の開口寸法が小さく流体抵抗が大きいため、当該フィルター46をインクが通過する際の圧力損失が、従来のフィルターよりも大きい。圧力調整ユニット21から記録ヘッド20にインクを支障なく供給するためには、フィルター46における圧力損失が2kPa以下であることが望ましい。なお、圧力損失ΔP(Pa)は、以下の式(A)によって求めることができる。式(A)は、フィルターにおけるフィルター孔の平面形状が円形の場合の計算式、式(B)はフィルター孔の平面形状が矩形の場合の計算式である。
ΔP=128*η*L/(πd)*U …(A)
ΔP=8*(a+b)*η*L/(a*b)*U …(B)
ここで、上記各式において、ηは常温(例えば、25℃)におけるインクの粘度(Pa・s)、Lは流路の長さ(m)、dは円形孔の直径(m)、Uは流路におけるインクの体積速度(m/sec)、a,bは矩形孔の場合の1辺の長さ(m)である。
【0043】
例えば、従来のプリンターでインク濾過用として用いられていたフィルターの開口寸法が20μmである場合において、このフィルターでの損失が0.7kPaとすると、開口寸法が8μmのフィルター46では27kPaの圧力損失となる。このため、本発明に係るプリンター1では、エアポンプ16によるインク圧送時の圧力が、上流側空部52内の気泡がフィルター46を通過し得る値に調整されている。具体的には、インクカートリッジ13からフィルター46に至るまでの圧力損失分に15kPaを加算した値以上に設定される。より具体的には、例えば30kPaに設定される。これにより、インクカートリッジ13側からのインクがフィルター46を円滑に通過することができ、記録ヘッド20へのインクの供給不足が防止される。また、他の圧力付与手段(例えば、キャッピング機構11の負圧ポンプ)によって別途圧力差を付与しなくても、上流側空部52内の気泡がフィルター46を通過することができる。
【0044】
そして、上流側空部52内の気泡Bの大きさがノズル37の最小内径Daよりも大きい場合においても、フィルター46のフィルター孔55を通過することで、より微小な気泡B′に分割される。ここで、フィルター46を通過した気泡は、フィルター孔55の開口寸法に対して1.5倍から2倍程度の大きさになる。フィルター46を通過した気泡は、圧力調整ユニット21で減圧されるので、さらに大きくなる。圧力調整ユニット21の通過前後の気泡の大きさの比率Rbは、大気圧を102kPaとすると、Rb=(102kPa+30kPa)/(102kPa−1kPa)=1.3となる。即ち、圧力調整ユニット21を通過すると気泡の大きさが30%増加する。このため、フィルター孔55の開口寸法は、この分を考慮して設計される。具体的には、ノズル37における最小内径をDa、上流側空部52内の気泡がフィルター46を通過した時点におけるフィルター孔55の開口寸法に対する気泡の直径の比をRa、圧力調整ユニット21による減圧前後の気泡の直径比をRbとしたとき、フィルターの孔55の開口寸法Dfは、以下の式(C)に基づいて定められる。
Df≦Da/(Ra*Rb) …(C)
【0045】
例えば、Da=22μm、Ra=1.5、Rb=1.3である場合、フィルターの孔55の開口寸法Dfは、11.3(μm)以下に設定される。また、例えば、Da=22μm、Ra=2、Rb=1.3である場合、フィルターの孔55の開口寸法Dfは、8.5(μm)以下に設定される。このことから、フィルターの孔55の開口寸法Dfは、ノズル37における最小内径をDaの1/2以下、望ましくは、2/5以下に設定すれば、フィルター46を通過してさらに圧力調整ユニット21を通過した後においても気泡の大きさがノズル37の最小内径Daよりも小さくなる。
【0046】
このように、フィルター室47と記録ヘッド20との間に、圧力調整弁49を備えた圧力調整ユニット21が設けられ、フィルター孔55の開口寸法がノズル37における最小内径Daの1/2以下に設定され、エアポンプ16によるインク圧送時の圧力が、上流側空部52内の気泡がフィルター46を通過し得る値に調整される構成を採用することにより、上流側空部52内の気泡がフィルター46を通過して微細な気泡に分割され、尚かつ、当該気泡が圧力調整ユニット21により減圧された後においてもノズル37の最小内径Daよりも小さいので、記録ヘッド20のノズル37からインクを噴射する際に、当該ノズル37に詰まることなくインクと共にノズル37からヘッド外部に排出される。これにより、従来のプリンターで行われていたクリーニングを行わなくても、インクカートリッジ13から記録ヘッド20のノズル37に至るまでの流路内に気泡が滞留することが防止される。そして、従来のクリーニングを行わなくても良いので、クリーニング処理に要する時間が削減され、また、クリーニング処理を行わない分だけインクの消費が抑制される。
【0047】
なお、本実施形態では、圧力調整部48よりも下流側には、上記フィルター室47以外のフィルター(フィルター室)を設けていない。これにより、フィルター46から記録ヘッド20のノズル37に至るまでの距離をできるだけ短くすることができる。その結果、フィルター46を通過することで分割された微小な気泡同士が合体してより大きな気泡に成長することが抑制される。即ち、フィルター46を通過することで分割された微小な気泡の一部は、時間の経過と共にインクに溶解する。本実施形態におけるフィルター孔55の開口寸法が比較的小さいので、より細かい泡にすることができ、これにより、フィルター46を通過した気泡がインクに溶解し易くなり、これにより気泡の排出性を向上させることができる。その一方で、インクに溶解せずにインク中に漂う気泡は、互いに合体して成長するため、フィルター46の配置位置はノズル37に可及的に近い方が望ましい。
【0048】
図6は、本発明の第2実施形態の構成を説明する模式図である。なお、図6では、圧力調整部48の構成を省略して示している(後述する図7も同様)。
上記第1実施形態では、圧力調整部48よりも下流側には、上記フィルター室47以外のフィルター(フィルター室)を設けない構成を例示したが、これには限られない。本実施形態のように、圧力調整部48よりも下流側に、第2のフィルター72が配設された第2のフィルター室71を設ける構成を採用することもできる。本実施形態における第2のフィルター72のフィルター孔の開口寸法は、フィルター46のフィルター孔55の開口寸法よりも十分に大きく、例えば、20μm程度となっている。本実施形態においても、圧力調整部48よりも上流側のフィルター46で気泡Bが細かく分割されるので、分割された気泡B′が第2のフィルター72に溜まることなく通過することができる。したがって、本実施形態においても、クリーニングを行わなくても、インクカートリッジ13から記録ヘッド20のノズル37に至るまでの流路内に気泡が滞留することが防止される。なお、他の構成ついては上記第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0049】
図7は、本発明の第3実施形態の構成を説明する模式図である。
上記第1実施形態および上記第2実施形態では、フィルター室47において、上流側空部52がフィルター46に対して重力方向の上側に形成されている構成を例示したが、これには限られない。本実施形態では、フィルター室47において上流側空部52がフィルター46に対して重力方向の下側に形成されている点に特徴を有している。これにより、上流側空部52で捕捉される気泡Bが、その浮力によってフィルター46の下面に押し付けられ、これに加え、当該浮力が作用することにより気泡Bがフィルター46をより通過し易くなる。これにより、エアポンプ16による圧力を低く抑えることができる。その結果、圧力調整室58による減圧前後における気泡の大きさの変化を小さくすることができる。このため、フィルター孔55の開口寸法を上記各実施形態における場合よりも大きくすることができる。なお、他の構成ついては上記第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0050】
そして、以上では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は、液体を濾過するフィルターを備えたフィルター室を有する他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,ごく少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…プリンター,10…液体噴射ユニット,13…インクカートリッジ,15…エアチューブ,16…エアポンプ,17…インク供給チューブ,20…記録ヘッド,21…圧力調整ユニット,37…ノズル,46…フィルター,47…フィルター室,48…圧力調整部,49…圧力調整弁,51…導入口,52…上流側空部,53…下流側空部,55…フィルター孔,58…圧力調整室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドに供給する液体を貯留した液体貯留部材と、
前記液体貯留部材に貯留された液体を加圧して、当該液体を、液体供給路を通じて前記液体噴射ヘッド側に圧送する加圧手段と、
前記液体貯留部材側から前記液体供給路を通じて供給される液体を濾過するフィルターおよび当該フィルターの上流側に形成された上流側空部を有し、前記液体噴射ヘッドの上流側に配設されたフィルター室と、
前記フィルター室と前記液体噴射ヘッドとの間に配置され、前記フィルター室側からの液体の圧力を減圧する圧力調整弁を有する圧力調整手段と、を備え、
前記フィルターの孔寸法が、前記ノズルにおける最小内径の1/2以下に設定され、
前記加圧手段による圧力が、前記上流側空部内の気泡が前記フィルターを通過し得る値に調整され、
前記フィルターを通過し、前記圧力調整手段によって減圧された後の気泡の大きさが、前記ノズルにおける最小内径よりも小さいことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記ノズルにおける最小内径をDa、前記上流側空部内の気泡が前記フィルターを通過した時点における前記フィルターの孔寸法に対する気泡の直径の比をRa、前記圧力調整手段による減圧前後の気泡の直径比をRbとしたとき、前記フィルターの孔寸法Dfが、以下の式(1)に基づいて定められたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
Df≦Da/(Ra*Rb) …(1)
【請求項3】
前記加圧手段による圧力が、前記液体貯留部材から前記フィルターに至るまでの圧力損失分に15kPaを加算した値以上に設定されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記上流側空部が、前記フィルターに対して重力方向の下方に配置されたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−40696(P2012−40696A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181088(P2010−181088)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】