説明

液体圧送装置

【課題】 作業員によるストレーナの分解・清掃が不要な液体圧送装置を提供する。
【解決手段】 エゼクタ5とタンク1と循環ポンプ7を循環通路9で連通する。循環通路9を分岐して、圧送通路6と分岐管12を接続する。分岐管12に減圧弁4を取り付ける。減圧弁4の出口側をストレーナ3の異物漉取部10と接続する。ストレーナ3の入口側に吸込通路2を接続する。
ストレーナ3の異物漉取部10にゴミなどの異物が詰まって吸込通路2内の流体圧力が設定値以下になると、減圧弁4が自動的に開弁して異物漉取部10から吸込通路2側へ流体を供給することによって、異物漉取部10は自動的に清掃される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気使用機器で蒸気が熱を奪われて凝縮して発生する復水を液体エゼクタで吸引して所定箇所へ圧送することのできる液体圧送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体圧送装置は、エゼクタとタンクと循環ポンプを循環通路で接続して、エゼクタの吸込室に吸込通路を接続したもので、蒸気使用機器で発生した復水をエゼクタで吸引して、圧送通路を介して所定箇所へ圧送することができるものである。
【0003】
この液体圧送装置においては、吸込通路に一般的に取り付けられるストレーナの異物漉取部が比較的短時間で詰まってしまい、その都度、作業員がストレーナを分解し清掃しなければならない煩雑さが問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−120856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、作業員によるストレーナの分解・清掃が不要な液体圧送装置を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エゼクタとタンクと循環ポンプを循環通路で接続して、エゼクタのノズルの周囲に吸込室を形成して吸込通路と接続したものにおいて、吸込通路に流体中の異物を漉し取る異物漉取部を設けたストレーナを介在すると共に、循環通路を分岐した分岐管に流体の圧力が設定値以下に低下すると開弁する減圧弁を介在して、当該減圧弁の出口側をストレーナの異物漉取部と接続したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の液体圧送装置は、吸込通路に異物漉取部を設けたストレーナを介在すると共に、循環通路を分岐した分岐管に流体の圧力が設定値以下に低下すると開弁する減圧弁を介在して、この減圧弁の出口側をストレーナの異物漉取部と接続したことによって、ストレーナの異物漉取部に異物が詰まってストレーナからの流体量が減少して吸込通路内の流体圧力が減圧弁の設定値以下になると、減圧弁が自動的に開弁してストレーナの異物漉取部へ流体を供給することによって、異物漉取部は自動的に清掃される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の液体圧送装置の実施例を示す構成図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の液体圧送装置は、ストレーナを用いるものであるが、このストレーナとしては、従来公知のY型ストレーナなどを用いることができる。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明の1実施例の構成図であって、各種蒸気使用装置で発生した復水を圧送する場合に適用した例を示す。図示しない蒸気使用装置の出口側と連通した吸込通路2とストレーナ3と減圧弁4とエゼクタ5、及び、圧送通路6で液体圧送装置を構成する。
【0011】
エゼクタ5のディフューザ11を、循環通路9を介してタンク1と連通すると共に、タンク1の下部を同じく循環通路9を介して循環ポンプ7と連通する。循環ポンプ7の出口側の循環通路9に圧送通路6と分岐管12を接続する。
【0012】
エゼクタ5の吸込室8内に図示しないノズルを配置すると共に、吸込通路2の左端を接続する。吸込通路2には順次に開閉弁13とY型ストレーナ3を介在する。開閉弁13とY型ストレーナ3の間には、吸込通路2を分岐した吸込通路分岐管14を接続して、開閉弁15を取り付ける。
【0013】
Y型ストレーナ3は、吸込通路2を入口側と接続し、出口側をエゼクタ5と接続すると共に、ほぼ中央部に斜め左下方向に伸びた異物漉取部10を設ける。吸込通路2からストレーナ3内へ流入した復水が、異物漉取部10を通過する間に鉄さびやゴミ等の異物を漉し取られてエゼクタ5に吸引されるものである。
【0014】
分岐管12に減圧弁4を取り付ける。減圧弁4の二次圧検出管16を、Y型ストレーナ3の出口側の吸込通路2と接続する。自力式の圧力調整弁としての減圧弁4は、吸込通路2内の流体の圧力が設定値以下に低下すると自動的に開弁するもので、出口側の分岐管12をストレーナ3の異物漉取部10と接続する。
【0015】
循環ポンプ7を駆動してタンク1内の水をエゼクタ5へ供給することによって、エゼクタ5の吸込室8で吸引力を発生して、吸込通路2からストレーナ3を通して復水を吸引することができるものである。吸引された復水の一部は循環ポンプ7を経て圧送通路6から所定の圧送箇所へ圧送されると共に、循環通路9からエゼクタ5へと循環される。
【0016】
ストレーナ3の異物漉取部10にゴミなどの異物が詰まってストレーナ3を通過する流体量が減少して吸込通路2内の流体圧力が減圧弁4の設定値以下になると、減圧弁4が自動的に開弁してストレーナ3の異物漉取部10から吸込通路2側へ流体を供給することによって、異物漉取部10は自動的に清掃される。この場合、開閉弁13を閉弁し、一方、開閉弁15を開弁することによって、異物漉取部10から剥ぎ落とされた異物は、系外へ排除される。
【0017】
上述のように、異物漉取部10が自動的に清掃されることによって、作業員によるストレーナ3の分解・清掃が不要となる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、異物を多く含んだ水を、エゼクタで吸引する液体圧送装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0019】
1 タンク
2 吸込通路
3 ストレーナ
4 減圧弁
5 エゼクタ
6 圧送通路
7 循環ポンプ
8 吸込室
9 循環通路
10 異物漉取部
11 ディフューザ
12 分岐管
14 吸込通路分岐管
13,15 開閉弁
16 二次圧検出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エゼクタとタンクと循環ポンプを循環通路で接続して、エゼクタのノズルの周囲に吸込室を形成して吸込通路と接続したものにおいて、吸込通路に流体中の異物を漉し取る異物漉取部を設けたストレーナを介在すると共に、循環通路を分岐した分岐管に流体の圧力が設定値以下に低下すると開弁する減圧弁を介在して、当該減圧弁の出口側をストレーナの異物漉取部と接続したことを特徴とする液体圧送装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−127257(P2012−127257A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279335(P2010−279335)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000133733)株式会社テイエルブイ (913)
【Fターム(参考)】