液体導出管取り付け構造及び液体噴射装置
【課題】液体を導出する液体導出管を液体収容体から抜き出すときに、その液体収容体から漏れ出す液体を回収する液体導出管取り付け構造およびその液体導出管取り付け構造を備える液体噴射装置を提供する。
【解決手段】スライダ40内に第1インク吸収体を収容し、その当接面51aがスライダ40から突出するように配設した。そして、カートリッジ18がスライダ40に装着される間、カートリッジ18の差込面19bに当接面51aを当接させて、カートリッジ18の差込口を第1インク吸収体で覆うようにした。
【解決手段】スライダ40内に第1インク吸収体を収容し、その当接面51aがスライダ40から突出するように配設した。そして、カートリッジ18がスライダ40に装着される間、カートリッジ18の差込面19bに当接面51aを当接させて、カートリッジ18の差込口を第1インク吸収体で覆うようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体導出管取り付け構造及び液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置には、記録用紙に対してインクを噴射させるインクジェット式プリンタ(以下単に、プリンタという。)が知られている。このプリンタでは、画像データに基づいて生成される画像信号が入力されると、キャリッジが記録媒体上で往復動し、そのキャリッジに搭載される記録ヘッドがインクカートリッジから供給されるインクを噴射して画像データに即した印刷を施す。
【0003】
さて、こうしたプリンタでは、インクカートリッジをキャリッジ上に搭載させると、そのインクカートリッジの往復動にともなう移動空間が必要となり、プリンタのサイズを不要に大きくさせることになる。そこで、小型化や薄型化を図るプリンタでは、一般に、インクカートリッジをキャリッジ上に搭載させない、いわゆるオフキャリッジタイプが採用されている。
【0004】
また、このオフキャリッジタイプでは、記録ヘッドと連通するインク供給針をインクカートリッジに差し込み、そのインクカートリッジ内を大気などで加圧してインクカートリッジの収容するインクを記録ヘッドに供給するものがある。こうしたインクの供給方式では、インクカートリッジを着脱可能に支持するとともに、そのインクカートリッジ内にインク供給針を抜き差し可能にするカートリッジホルダが採用されている。
【0005】
こうしたカートリッジホルダでは、インクカートリッジを交換するたびに、そのインク供給針をインクカートリッジから抜き出す操作を行う。そのため、インク供給針の中に残留するインクが漏れ出し、カートリッジホルダ内、ひいてはプリンタ内をインクによって汚染する虞がある。
【0006】
そこで、従来より、こうしたカートリッジホルダには、インク供給針から漏れ出すインクを回収する提案がなされている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、インク供給針をインクカートリッジから抜き出すときに、そのインク供給針の近傍でインクが漏れ出す側に移動するインク吸収体が設けられている。そして、そのインク吸収体にインク供給針から漏れ出すインクを吸収させるようにしている。これによれば、漏れ出すインクをインク吸収体によって回収するため、そのインクによるプリンタ内の汚染を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−70663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記するカートリッジホルダでは、インク供給針から漏れ出すインクによる汚染を防止できるものの、インクカートリッジ内を大気で加圧し、その収容するインクを記録ヘッドに供給しているため以下の問題を生じる。すなわち、インク供給針の抜き取られたインクカートリッジ内に加圧する大気が残留すると、そのインクカートリッジ内のインクが、残留する大気によって押し出されインクカートリッジから漏れ出すようになる。その結果、インクカートリッジ内から漏れ出したインクがカートリッジホルダ内、ひいてはプリンタ内を汚染する問題となる。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、液体を導出する液体導出管を液体収容体から抜き出すときに、その液体収容体から漏れ出す液体を回収する液体導出管取り付け構造およびその液体導出管取り付け構造を備える液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の液体導出管取り付け構造は、液体を収容する液体収容体の差込口に差し込まれて前記液体収容体の収容する液体を導出可能にする液体導出管を、前記液体収容体の差込口に対して抜き差し可能に取り付ける液体導出管取り付け構造において、前記液体収容体が装着される装着面を有するとともに、前記装着される液体収容体の差込口に前記液体導出管を差し込む差込位置と、前記装着される液体収容体の液体が使用される使用位置との間を往復動するスライダを備え、前記スライダの前記装着面には第1吸収体が設けられ、前記第1吸収体は、前記スライダが前記差込位置に配置された状態で、前記差込口の形成された前記液体収容体の面に当接し、且つ、前記差込口の前記液体導出管側を覆うように、前記装着面から突出している。
【0011】
本発明の液体導出管取り付け構造によれば、液体収容体が装着される装着面を有して、該装着される液体収容体の差込口に液体導出管を差し込む差込位置と、同装着される液体収容体の液体が使用される使用位置との間を往復動するスライダが設けられる。そして、スライダが有する液体収容体の装着面には、第1吸収体が設けられるとともに、第1吸収体は、スライダが差込位置に配置された状態で、差込口の形成された液体収容体の面に当接し、且つ、差込口の液体導出管側を覆うように、スライダの有する装着面から突出している。
【0012】
したがって、第1吸収体によって、差込口から漏れ出す液体を吸収して回収ことができ、液体による液体収容体周辺の汚染を回避することができる。しかも、液体収容体に対する第1吸収体の相対位置をスライダによって位置決めすることができ、第1吸収体の差込口に対する位置ずれを回避することができる。その結果、差込口から漏れ出す液体をより確実に吸収して回収することができる。
【0013】
この液体導出管取り付け構造は、前記第1吸収体が、前記液体収容体の差込口が形成される面に設けられる。
この液体導出管取り付け構造によれば、前記第1吸収体は、前記液体収容体の差込口が形成される面に設けられるようになる。したがって、差込口に対する第1吸収体の位置ずれを回避して、差込口から漏れ出す液体をより確実に吸収して回収することができる。
【0014】
この液体導出管取り付け構造は、前記液体収容体と前記液体導出管とを収容する収容部から離間する位置に、前記第1吸収体の吸収した液体の一部を吸収する第2吸収体を設けた。
【0015】
この液体導出管取り付け構造によれば、第1吸収体の吸収した液体の一部が、液体収容体と液体導出管とを収容する収容部から離間する位置に設けられる第2吸収体に吸収されるようになる。しがたって、第2吸収体が吸収する液体の容量分だけ、差込口から漏れ出す液体を多く回収することができ、液体収容体周辺の汚染をより長期的に回避することができる。しかも、その第2吸収体を液体収容体から離間させることにより、液体収容体周辺の汚染を確実に回避することができる。
【0016】
この液体導出管取り付け構造は、前記第1吸収体が、前記第2吸収体と接触する接触片を有した多孔質部材であって、前記第2吸収体は、前記接触片を介して前記第1吸収体の吸収した液体の一部を吸収する多孔質部材である。
【0017】
この液体導出管取り付け構造によれば、第1吸収体と第2吸収体の双方が多孔質部材で形成され、しかもその第2吸収体が第1吸収体に形成される接触片と接触し、その接触片を介して第1吸収体の吸収した液体の一部を吸収するようになる。したがって、第2吸収体と接触する接触片を第1吸収体に形成する簡便な構成によって、第1吸収体の吸収した液体を第2吸収体に誘導して回収ことができ、液体収容体周辺の汚染をより長期的に回避することができる。
【0018】
この液体導出管取り付け構造は、前記第1吸収体が、その容積に相対する容量の液体を吸収する多孔質部材であって、前記第2吸収体は、前記第1吸収体よりも大きい容量の液体を吸収する多孔質部材である。
【0019】
この液体導出管取り付け構造によれば、第1吸収体がその容積に相対する容量の液体を吸収する多孔質部材で形成され、第2吸収体が第1吸収体よりも大きい容量の液体を吸収する多孔質部材で形成される。したがって、第2吸収体の吸収する液体の容量を大きくすることによって、第1および第2吸収体の回収する液体の総容量を維持して第1吸収体の容積を小さくすることができる。その結果、第1吸収体の容積を小さくする分だけ、液体収容体周辺の省スペース化を図ることができる。
【0020】
この液体導出管取り付け構造は、前記第1吸収体が、前記液体導出管の外周を覆う。
この液体導出管取り付け構造によれば、第1吸収体が、液体導出管の外周を覆うようになる。したがって、差込口から漏れ出す液体に加えて、液体導出管から漏れ出す液体を吸収して回収することができ、液体収容体周辺の液体による汚染をより確実に回避することができる。
【0021】
この液体導出管取り付け構造は、前記液体収容体が、加圧手段の圧送する大気の加圧によって収容する液体を前記差込口から導出可能にする。
この液体導出管取り付け構造によれば、液体収容体が、その内部に圧送される大気の加圧によって収容する液体を導出するようになる。したがって、差込口から液体導出管を抜き出した後に、液体収容体に収容される液体が加圧によって差込口から漏れ出す場合であっても、漏れ出す液体を第1吸収体で吸収することができ、液体収容体周辺の液体による汚染を回避することができる。
【0022】
本発明の液体噴射装置は、ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドに液体導出管を通じて液体収容体の収容する液体を供給する液体噴射装置において、前記液体導出管は、上記する液体導出管取り付け構造を備えた。
【0023】
本発明の液体噴射装置によれば、液体導出管が上記液体導出管取り付け構造を備えるようになる。したがって、液体収容体の差込口から漏れ出す液体を液体吸収体で吸収することができ、液体収容体周辺、ひいては液体噴射装置内部の液体による汚染を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を具体化したインクジェット式プリンタの斜視図。
【図2】同じく、インクジェット式プリンタの内部を示す斜視図。
【図3】同じく、インクカートリッジの外観を示す斜視図。
【図4】同じく、インクカートリッジの外観を示す斜視図。
【図5】同じく、インクカートリッジの内部を示す平断面図。
【図6】同じく、カートリッジホルダを示す平面図。
【図7】同じく、インクカートリッジを装着したカートリッジホルダを示す斜視図。
【図8】同じく、インクカートリッジを脱着したカートリッジホルダを示す斜視図。
【図9】同じく、カートリッジホルダの内部を示す斜視図。
【図10】同じく、スライダを示す斜視図。
【図11】同じく、第1インク吸収体を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図10にしたがって説明する。
図1は液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ10(以下、単にプリンタ10という。)を示す斜視図、図2はプリンタ10内部を示す要部斜視図である。図1に示すように、プリンタ10には、本体ケース11が備えられている。
【0026】
本体ケース11は、略箱状に形成され、その内側には、相対向するように一対のフレーム12a,12bが配設されている。そのフレーム12a,12b間には、図2に示すように、棒状のガイド軸13が架設されている。ガイド軸13には、キャリッジ14が長手方向に沿って移動可能に挿通支持されている。キャリッジ14は、図示しないキャリッジモータに連結駆動され、ガイド軸13に沿う方向(主走査方向X)の往復動を可能にしている。
【0027】
そのフレーム12a,12b間であってキャリッジ14の下方には、ガイド軸13と平行に図示しないプラテンが配設されている。プラテンは、ターゲットとしての記録用紙Pを支持する支持台であって、そのプラテンには、主走査方向Xと直行する方向(副走査方向Y)に記録用紙Pを給送する。
【0028】
キャリッジ14の下部にあって記録用紙Pと対向する位置には、図2に示すように、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド15が配設されている。記録ヘッド15には、液体としてのインクを噴射させる複数の図示しない噴射ノズルが形成されている。
【0029】
前記キャリッジ14には、バルブユニット16が配設されている。バルブユニット16は、導入される液体としてのインクの圧力を調整し、そのインクを記録ヘッド15に供給する。なお、本実施形態では、図2に示すように、3体のバルブユニット16を備え、それぞれが2色のインクの圧力調整を可能として、総数6色のインク(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ライトマゼンタ、ライトシアン)を記録ヘッド15に供給可能にしている。
【0030】
そのフレーム12a,12b間であってキャリッジ14の上側には、図1に示すように、カートリッジホルダ17が配設されている。そのカートリッジホルダ17には、図1に示すように、液体収容体としてのインクカートリッジ18(以下単に、カートリッジ18という。)が着脱可能に収容されている。すなわち、本実施形態におけるプリンタ10は、キャリッジ14にカートリッジ18を搭載しないオフキャリッジタイプのプリンタである。なお、本実施形態におけるカートリッジホルダ17は、バルブユニット16が圧力を調整可能にする6色のインクに対応して総数6個のカートリッジ18を収容している。
【0031】
次に、上記カートリッジホルダ17に収容されるカートリッジ18について図3〜図5に従って説明する。
図3及び図4は、そのカートリッジ18の外観形状を示す斜視図であり、図5は、そのカートリッジ18の内部を示す断面図である。図3〜図5に示すように、カートリッジ18は、カートリッジケース19とインクパック20とを備えている。
【0032】
カートリッジケース19は、図3に示すように、直方体形状に形成される箱体であって、その底面19a前側端部(図3における正面上側端部)には、係止部21が形成されている。この係止部21は、カートリッジ18がカートリッジホルダ17に収納される状態で、カートリッジホルダ17の底面と相対向するように配置されている。そのカートリッジケース19の前面(差込面19b)両端には、一対の位置決め凹部22a,22bが凹設されている。
【0033】
差込面19bであってその位置決め凹部22a,22bの間には、カートリッジケース19内部までを貫通する差込口23が形成されている。この差込口23は、カートリッジホルダ17に収容される状態で、インク集束流路24(図1及び図2参照)を通じ、バルブユニット16と連通するようになっている。なお、そのインク集束流路24には、カートリッジ18の個数に相対する総数6本の図示しないインク供給流路が形成され、各カートリッジ18に収容されるインクをそれぞれ対応する3体のバルブユニット16に供給するようになっている。
【0034】
その差込口23と位置決め凹部22aとの間には、図4に示すように、差込面19bからカートリッジケース19内部までを貫通する大気導入口25が形成されている。この大気導入口25は、カートリッジ18がカートリッジホルダ17に収容される状態で、本体ケース11の奥側に配設される加圧手段としての加圧ポンプ26(図1参照)に連通し、その加圧ポンプ26の吸引した大気がカートリッジ18内部に圧送される。
【0035】
このカートリッジケース19の内側には、図5に示すように、インクパック20が収納されている。インクパック20は、1対の可撓性部材20a、20bの外周を溶着して袋状に形成され、その可撓性部材20a、20b間にインクを収容可能とする空間を形成している。そのインクパック20の差込面19b側には、可撓性部材20a、20b間に収容されるインクを導出可能に封入するインク導出部27が設けられている。このインク導出部27は、カートリッジケース19の内側から差込口23に連結されている。
【0036】
そして、加圧ポンプ26を稼動してカートリッジ18内に大気を圧送すると、インクパック20内がその大気の加圧によって押し潰され、インクパック20に収容されるインクが差込口23を通じてバルブユニット16へ供給される。バルブユニット16に供給されるインクは、それぞれ所定の圧力に調整された後に記録ヘッド15に供給され、インク滴として噴射ノズルから噴射される。
【0037】
すなわち、画像データに基づいて生成された画像信号をプリンタ10に入力すると、プリンタ10は、副走査方向Yに沿って記録用紙Pを給送し、主走査方向Xに沿ってキャリッジ14を往復動する。同時に、プリンタ10は、記録ヘッド15を駆動して記録用紙Pにインク滴を噴射し、給送される記録用紙P上に画像データに即した印刷を施す。
【0038】
次に、上記プリンタ10に配設されるカートリッジホルダ17について図6〜図11に従って説明する。
図6はカートリッジホルダ17の一部にカートリッジ18を装着した状態を示す平面図、図7および図8はそれぞれカートリッジ18を装着した状態およびカートリッジ18を装着していない状態のカートリッジホルダ17を示す斜視図である。また、図9はカートリッジホルダ17の内部を示す斜視図である。
【0039】
図6に示すように、カートリッジホルダ17には、ホルダケース29が備えられている。ホルダケース29は、カートリッジホルダ17を囲うケースであって、略箱体状に形成されている。なお、このホルダケース29の図6における上方(図1における副走査方向Y)をカートリッジ18の差し込む方向(差込方向L)とし、図6における下方をカートリッジ18の抜き出す方向(抜出方向R)とする。
【0040】
そのホルダケース29の内側には、図6に示すように、カートリッジ18を収容とする6つの収容部30が設けられている。各収容部30の差込方向L側略中央位置には、図9に示すように、それぞれ支持台31が設けられている。支持台31は、直方体形状に形成されてホルダケース29の底板29aに突設されている。
【0041】
その支持台31の抜出方向R側の側面には、液体導出管としてのインク供給針32が延出形成されている。インク供給針32は、カートリッジ18(インクパック20)内に収容されるインクを導出する流路であって、そのインク供給針32の先端部には、図9に示すように、カートリッジ18に収容されるインクをそのインク供給針32内に導入する導入孔32aが形成されている。
【0042】
支持台31の差込方向L側の側面には、図9に示すように、連結管33が延出形成されている。連結管33は、同連結管33の差込方向L側に設けた集束流路34と連結され、その支持台31内を通じてインク供給針32と集束流路34とを連通するようになっている。その集束流路34は、図6および図9に示すように、ホルダケース29の底板29aの全横幅にわたるシート状に形成された流路であって、6本の図示しないインク連結流路と、1本の図示しない大気連結流路とが形成されている。そして、これら集束流路34に形成されるインク連結流路と大気連結流路とが、それぞれ対応するインク集束流路24のインク供給流路と加圧ポンプ26とに連結されている。
【0043】
すなわち、インク供給針32は、これら連結管33、集束流路34(インク連結流路)およびインク集束流路24(インク供給流路)を介して、バルブユニット16(記録ヘッド15)に連通している。
【0044】
前記連結管33の右側には、図9に示すように、ガイド部35が固設されている。ガイド部35は、ホルダケース29の底板29aから鉛直方向上方に延びる左右一対の支持板35a,35bと、これら支持板35a,35b間に架設される架設板35cとを備え、差込方向Lから見て断面H字状に形成されている。
【0045】
各ガイド部35の抜出方向R側には、図9に示すように、固定手段36が設けられている。固定手段36は、カートリッジ18の抜出方向Rに沿った移動を解除可能に規制するものであって、いわゆるプッシュロックタイプの固定機構である。すなわち、固定手段36は、カートリッジ18を収容部30内に配置して差込方向Lに沿って移動すると、その先端に形成される突起36aが前記カートリッジ18に形成した係止部21と係合してその抜出方向Rの移動を規制するようになっている。そして、そのカートリッジ18を再び差込方向Lに沿って移動すると、突起36aと係止部21との係合が解除されて、カートリッジ18の抜出方向Rへの移動を許容するようになっている。
【0046】
ホルダケース29の底板29aにあってインク供給針32の左側には、図9に示すように、連通孔37が形成されている。連通孔37は、底板29aの鉛直方向を貫通する貫通孔であって、差込方向Lに沿ってインク供給針32よりも若干長く形成されている。
【0047】
その底板29aの下側には、図9に示すように、収容ケース38が配設されている。収容ケース38は、その鉛直方向上面を開口する箱体状のケースであって、鉛直方向から見て底板29aと略同じサイズに形成されている。
【0048】
その収容ケース38の内部には、図7及び図9に示すように、第2吸収体としての第2インク吸収体39が収容されている。第2インク吸収体39は、インクを吸収可能とする板状の多孔質部材であって、底板29aと相対するサイズに形成され、収容ケース38の内部全体にわたり敷き詰められている。なお、第2インク吸収体39は、多数の細孔を有して、その細孔の容積、すなわち第2インク吸収体39の容積に応じたインクを吸収可能にしている。
【0049】
第2インク吸収体39であって前記底板29aの連通孔37と相対向する位置には、図7〜図9に示すように、摺動溝39aが形成されている。摺動溝39aは、第2インク吸収体39の上面を差込方向Lに沿って切り欠いて形成され、鉛直方向から見て連通孔37と略同じサイズで形成されている。
【0050】
底板29a上にあって固定手段36の上側には、図8に示すように、スライダ40が配置されている。スライダ40は、カートリッジ18を装着するものであって、収容部30の左右幅と略同じ幅を有する箱体形状に形成されている。そのスライダ40の内部には、図10に示すように、収容空間40aが形成されている。
【0051】
そのスライダ40の差込方向L側の側面(連結面40b)には、図10に示すように、貫通孔41が形成されている。貫通孔41は、前記インク供給針32と相対向する位置に形成される円形孔であって、抜出方向Rに沿って連結面40bから収容空間40aまでを貫通して形成されている。そして、この貫通孔41が形成されることによって、図6に示すように、インク供給針32のスライダ40内への挿通を可能にしている。
【0052】
その連結面40bには、図8に示すように、差込方向Lに沿って延びる左右一対のレール42a,42bが固設されている。左右一対のレール42a,42bは、それぞれ底板29aに固設されるガイド43a,43bによって摺動可能に支持され、スライダ40の差込方向Lおよび抜出方向Rに沿った往復動を可能にしている。
【0053】
また、連結面40bにあって左右一対のレール42a,42bの間には、図6に示すように、大気導出孔44が形成されている。大気導出孔44は、抜出方向Rに沿って形成される孔であって、連結面40bからスライダ40の抜出方向R側の側面(装着面40c)までを貫通して形成されている。装着面40cであってその大気導出孔44と相対する位置には、図6及び図10に示すように、装着面40cから抜出方向Rに向かって大気導出ポート45が突出形成されている。大気導出ポート45は、大気導出孔44から連設されるポートであって、スライダ40に前記カートリッジ18が装着される状態で、前記カートリッジ18の大気導入口25に挿入可能に形成されている。また、連結面40bの大気導出孔44には、図6に示すように、大気導出チューブ46が連結されている。大気導出チューブ46は、可撓性樹脂からなるチューブであって、図8に示すように、前記ガイド部35の支持板35a,35b間に挟入固定されている。
【0054】
この大気導出チューブ46は、図8に示すように、前記集束流路34の大気連結流路に連結される。したがって、前記大気導出ポート45は、大気導出孔44、大気導出チューブ46および集束流路34(大気連結流路)を介して加圧ポンプ26と連通する。
【0055】
また、連結面40bであって左右一対のレール42a,42bの間には、図8に示すように、差込方向Lに沿って四角柱状に形成されるシャフト47が延出形成されている。シャフト47は、その差込方向L側を、前記ガイド部35の支持板35a,35bの間にあって、かつ架設板35cと底板29aとの間に貫挿され、スライダ40の往復動と連動可能に支持されている。そのシャフト47の前記ガイド部35と前記スライダ40のとの間には、図8に示すように、コイルばねSPが外装されている。コイルばねSPは、その弾性力によって、常に、スライダ40を抜出方向R側に付勢している。
【0056】
すなわち、スライダ40は、このコイルばねSPの弾性力に抗して差込方向L側の応力を受けない限り、図8に示すように、常に、その往復動において最も抜出方向R側の位置である差込位置に配置される。なお、スライダ40がこの差込位置に配置されるとき、インク供給針32の導入孔32aは、図6に示すように、スライダ40の収容空間40a内に配置されるようになっている。しかも、図8に示すように、スライダ40の装着面40cの面位置が、底板29aに形成した連通孔37の抜出方向R側端に相対するようになっている。
【0057】
その装着面40cには、図8及び図10に示すように、抜出方向Rに左右一対の位置決め突起48a,48bが突出形成されている。位置決め突起48a,48bは、このスライダ40に前記カートリッジ18を装着するとき、そのカートリッジ18に形成した位置決め凹部22a,22bと嵌合可能に形成されている。
【0058】
装着面40cにあってその位置決め突起48a,48bの間には、図10に示すように、第1挿通孔49aが形成されている。第1挿通孔49aは、差込方向L側から見てL字状に形成される孔であって、差込方向Lに沿って装着面40cから収容空間40a内までを貫通して形成されている。加えて、スライダ40の左側面40dには、図10に示すように、第2挿通孔49bが形成されている。第2挿通孔49bは、左側面から見て四角形状に形成される孔であって、その左側面40dから収容空間40a内までを貫通して形成されている。
【0059】
その収容空間40a内には、図11に示す第1吸収体としての第1インク吸収体50が収容されている。第1インク吸収体50は、インクを吸収可能とする板状の多孔質部材である。第1インク吸収体50は、第2インク吸収体39と同じく、多数の細孔を有してその細孔の容積、すなわち第1インク吸収体50の容積に応じたインクを吸収可能にしている。
【0060】
その第1インク吸収体50の抜出方向R側の側面には、図11に示すように、凸部51が形成されている。凸部51は、差込方向L側から見てL字状に形成されている。その凸部51は、第1インク吸収体50が収容空間40a内に収容される状態で、図8に示すように、その抜出方向R側の側面(当接面51a)が前記第1挿通孔49aを挿通して装着面40cから突出するように形成されている。
【0061】
その当接面51aの略中央位置には、図11に示すように、差込方向Lに沿って凸部51を貫通する挿入孔51bが形成されている。挿入孔51bは、前記インク供給針32の外径と略同じ内径で形成される円形孔であって、第1インク吸収体50が収容空間40a内に収容された状態で、前記スライダ40に形成した貫通孔41(インク供給針32)と相対向する位置に形成されている。そして、この挿入孔51bが形成されることによって、図6に示すように、インク供給針32がスライダ40(第1インク吸収体50)内を貫通して、カートリッジ18内に進入可能となる。
【0062】
その第1インク吸収体50の左側端部には、図11に示すように、鉛直方向下方に伸びる接触片52が形成されている。その接触片52は、図8に示すように、前記スライダ40に形成した挿通孔49bと相対する位置に形成され、スライダ40の左側面40dを貫挿して鉛直方向下方に向かって延びるように配設されている。その接触片52の先端は、前記第2インク吸収体39の摺動溝39a内で差込方向Lおよび抜出方向Rに沿って摺動可能に嵌装されている。すなわち、第1インク吸収体50は、この接触片52と摺動溝39aを介して、その吸収したインクを第2インク吸収体39に誘導可能にしている。
【0063】
こうして、液体導出管取り付け構造としてのインク供給針32の取り付け構造が構成されている。
次に、上記のように構成したカートリッジホルダ17の作用について説明する。まず、差込位置にあるスライダ40にカートリッジ18を装着する操作について説明する。
【0064】
今、差込位置にあるスライダ40の装着面40cに、カートリッジ18の差込面19bを相対向させてカートリッジ18を差込方向L側に移動させる。すると、装着面40cに形成される位置決め突起48a,48bが、カートリッジ18の位置決め凹部22a,22bと嵌合して、カートリッジ18はスライダ40に対して位置決めされる。同時に、大気導出ポート45が、大気導入口25と嵌合して、カートリッジ18内を大気導出ポート45と、すなわち加圧ポンプ26とに連通させる。
【0065】
このとき、第1インク吸収体50の当接面51aは、図7に示すように、差込面19bと当接して、カートリッジ18の差込口23(インク導出部27)を覆う。なお、こうしてカートリッジ18がスライダ40に装着される間、スライダ40は差込位置に維持され、インク供給針32の導入孔32aを、第1インク吸収体50の挿入孔51bの途中位置に配置させる。
【0066】
続いて、カートリッジ18を装着したスライダ40をコイルばねSPの弾性力に抗して差込方向L側に往動させると、インク供給針32(導入孔32a)が挿入孔51bを貫通してカートリッジ18の差込口23(インク導出部27)に挿入される。これにより、カートリッジ18内に収容されるインクが、インクパック20内から順に導入孔32a、インク供給針32、連結管33、集束流路34およびインク集束流路24を通じてバルブユニット16に導出可能となる。
【0067】
このとき、第1インク吸収体50の接触片52は、スライダ40の往動と連動して、摺動溝39aに沿って差込方向L側に移動し、図7に示すように、摺動溝39aの差込方向L側端部に配置される。そして、固定手段36の突起36aがカートリッジ18の係止部21と係合して、カートリッジ18の抜出方向R側への復動を規制する。これにしたがい、カートリッジ18が、インクパック20内のインクを導出可能にする位置(使用位置)に位置決めされて収容部30内に収容される。
【0068】
ここで、加圧ポンプ26を稼動して大気を集束流路34(大気連結流路)に圧送すると、大気導出チューブ46と大気導出ポート45を通じて、カートリッジ18内が加圧される。すると、カートリッジ18内に収容されるインクが、インクパック20内からバルブユニット16を通じて記録ヘッド15に供給される。これによって、プリンタ10による記録用紙P上への印刷が可能となる。
【0069】
次に、上記する使用位置にあるスライダ40に装着されるカートリッジ18をカートリッジホルダ17から取り外す操作について説明する。
まず、加圧ポンプ26を停止してカートリッジ18内への大気の圧送を停止する。続いて、固定手段36によって使用位置に位置決めされるスライダ40を、再びコイルばねSPの弾性力に抗して差込方向L側に移動する。すると、前記突起36aと係止部21との係合が解除され、スライダ40が、コイルばねSPの弾性力にしたがって、カートリッジ18を装着した状態で抜出方向R側に復動し、差込位置まで移動させる。
【0070】
このとき、第1インク吸収体50の当接面51aは、差込口23を覆いながら差込面19bとの当接を維持し、スライダ40の復動と連動して差込位置と相対応する位置に配置される。そして、当接面51a(第1インク吸収体50)は、カートリッジ18内に残留する大気によって加圧されて、差込口23から漏れ出すインクを吸収する。
【0071】
同時に、このスライダ40の移動によって、インク供給針32(導入孔32a)がカートリッジ18に対して差込方向L側に相対移動し、差込口23(インク導出部27)から抜き出されて第1インク吸収体50(挿入孔51b)内に配置される。そして、挿入孔51b(第1インク吸収体50)は、インク供給針32の外周に付着するインク、あるいはそのインク供給針32から漏れ出すインクを吸収する。
【0072】
さらに、第1インク吸収体50の接触片52は、スライダ40の復動と連動して摺動溝39aの抜出方向R側に移動する。そして、第1インク吸収体50に吸収されるインクは、やがて第1インク吸収体50内全体に拡散し、この接触片52を通じて第2インク吸収体39に吸収される。
【0073】
ついで、カートリッジ18を抜出方向Rに沿って移動し、位置決め突起48a,48bと位置決め凹部22a,22bとの嵌合を解除すると、大気導出ポート45および差込面19bが、それぞれ大気導入口25および当接面51aから離間し、カートリッジ18の取り外しを可能にする。
【0074】
したがって、上記実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、スライダ40内の収容空間40aに第1インク吸収体50を収容し、その当接面51aが装着面40cから突出するように配設した。さらに、カートリッジ18がスライダ40に装着される間、その第1インク吸収体50の当接面51aが、差込面19bに当接して、差込口23を第1インク吸収体50で覆うようにした。しかも、差込位置にあるスライダ40が、その第1インク吸収体50(挿入孔51b)にてインク供給針32の導入孔32aを収容するようにした。
【0075】
したがって、カートリッジ18をスライダ40から取り外すとき、差込口23、あるいは導入孔32aから漏れ出すインクを、それぞれ挿入孔51bおよび当接面51aによって吸収することができる。その結果、カートリッジ18周辺へのインクの漏洩を回避することができ、ひいてはカートリッジホルダ17内、プリンタ10内のインクの汚染を解消することができる。
【0076】
(2)本実施形態によれば、第1インク吸収体50に接触片52を設け、その接触片52が摺動溝39aを介して第2インク吸収体39と摺接するようにした。したがって、その接触片52を通じて、第1インク吸収体50で吸収したインクを第2インク吸収体39に誘導させることができる。その結果、差込口23、あるいは導入孔32aから漏れ出すインクを第2インク吸収体39が吸収する分だけ、第1インク吸収体50よりも多く吸収することができ、ひいてはカートリッジホルダ17内、プリンタ10内のインクの汚染をより長期的に解消することができる。
【0077】
(3)本実施形態によれば、カートリッジ18の位置決め凹部22a,22bが、スライダ40の位置決め突起48a,48bと嵌合して、差込面19bを装着面40c(当接面51a)に位置決めするようにした。したがって、当接面51aの差込面19b(差込口23)に対する位置ずれを回避することができ、インク供給針32、あるいは差込口23から漏れ出すインクを第1インク吸収体50によって確実に吸収することができる。
【0078】
(4)本実施形態によれば、第1および第2インク吸収体50,39を多孔質部材で形成し、それぞれ容積に応じたインクを吸収できるようにした。しかも、第2インク吸収体39が、差込面19bに当接する第1インク吸収体50よりも大きいサイズで形成されるようにした。したがって、同じ容量のインクを吸収する場合であっても、第2インク吸収体39を大きくした分だけ、第1インク吸収体50のサイズを小さくすることができ、スライダ40の往復動に要する空間(図8に示す差込位置における装着面40cと図7に示す使用位置における連結面40bとの間の空間)を縮小することができる。その結果、カートリッジホルダ17のサイズ、ひいてはプリンタ10のサイズを縮小することができる。
【0079】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、第1インク吸収体50を収容空間40a内に収容したが、これに限らず、装着面40cに設けてもよく、さらにはカートリッジ18の差込面19bに設けてもよい。
【0080】
・上記実施形態では、接触片52がスライダ40の左側面40d(第2挿通孔49b)を貫挿するようにしたが、これに限らず、スライダ40の下面を貫挿してもよく、第2インク吸収体39と摺接するように配置されていればよい。なお、この際、摺動溝39aおよび連通孔37が、接触片52に相対して、その差込方向Lおよび抜出方向Rの移動を可能にする位置に形成されることが好ましい。
【0081】
・上記実施形態では、第1インク吸収体50で吸収したインクを、接触片52と摺動溝39aを通じて、第2インク吸収体39に移動するようにした。これを変更し、接触片52を設けることなく、第1インク吸収体50の吸収するインクが、その自重によって第2インク吸収体39に注がれる構成にしてもよい。
【0082】
・上記実施形態では、加圧ポンプ26による大気の圧送によってインクを導出するようにしたが、これに限らず、カートリッジ18(インクパック20)と記録ヘッド15との水頭圧を利用し、カートリッジ18に収容されるインクを記録ヘッド15側に導出するようにしてもよい。
【0083】
・上記実施形態では、カートリッジ18をキャリッジ14に搭載しないプリンタ、すなわちオフキャリッジタイプのプリンタに具体化したが、カートリッジ18をキャリッジ14に搭載するオンキャリッジタイプのプリンタに具体化してもよい。
【0084】
・上記実施形態では、カートリッジ18の一側面であって係止部21の形成される側面、すなわち、カートリッジケース19の最も面積の大きい側面が、図6に示すように、主走査方向Xと平行にして配置されるように収容部30を形成した。これを変更し、その側面が主走査方向Xおよび副走査方向Yと直行する方向、すなわち鉛直方向と平行となるように収容部30を形成してもよい。
【0085】
これによれば、カートリッジ18の主走査方向Xおよび副走査方向Yに沿う占有面積を縮小することができ、カートリッジ18の収容数量を増加させることができ、あるいは主走査方向Xおよび副走査方向Yに沿うプリンタ10のサイズを縮小することができる。
【符号の説明】
【0086】
10…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、15…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、17…カートリッジホルダ、18…液体収容体としてのインクカートリッジ、19b…差込面、23…差込口、26…加圧手段としての加圧ポンプ、32…液体導出管としてのインク供給針、39…第2吸収体としての第2インク吸収体、40…スライダ、40a…収容空間、50…第1吸収体としての第1インク吸収体、51a…当接面、52…接触片、L…差込方向、R…抜出方向、P…記録用紙。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体導出管取り付け構造及び液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置には、記録用紙に対してインクを噴射させるインクジェット式プリンタ(以下単に、プリンタという。)が知られている。このプリンタでは、画像データに基づいて生成される画像信号が入力されると、キャリッジが記録媒体上で往復動し、そのキャリッジに搭載される記録ヘッドがインクカートリッジから供給されるインクを噴射して画像データに即した印刷を施す。
【0003】
さて、こうしたプリンタでは、インクカートリッジをキャリッジ上に搭載させると、そのインクカートリッジの往復動にともなう移動空間が必要となり、プリンタのサイズを不要に大きくさせることになる。そこで、小型化や薄型化を図るプリンタでは、一般に、インクカートリッジをキャリッジ上に搭載させない、いわゆるオフキャリッジタイプが採用されている。
【0004】
また、このオフキャリッジタイプでは、記録ヘッドと連通するインク供給針をインクカートリッジに差し込み、そのインクカートリッジ内を大気などで加圧してインクカートリッジの収容するインクを記録ヘッドに供給するものがある。こうしたインクの供給方式では、インクカートリッジを着脱可能に支持するとともに、そのインクカートリッジ内にインク供給針を抜き差し可能にするカートリッジホルダが採用されている。
【0005】
こうしたカートリッジホルダでは、インクカートリッジを交換するたびに、そのインク供給針をインクカートリッジから抜き出す操作を行う。そのため、インク供給針の中に残留するインクが漏れ出し、カートリッジホルダ内、ひいてはプリンタ内をインクによって汚染する虞がある。
【0006】
そこで、従来より、こうしたカートリッジホルダには、インク供給針から漏れ出すインクを回収する提案がなされている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、インク供給針をインクカートリッジから抜き出すときに、そのインク供給針の近傍でインクが漏れ出す側に移動するインク吸収体が設けられている。そして、そのインク吸収体にインク供給針から漏れ出すインクを吸収させるようにしている。これによれば、漏れ出すインクをインク吸収体によって回収するため、そのインクによるプリンタ内の汚染を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−70663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記するカートリッジホルダでは、インク供給針から漏れ出すインクによる汚染を防止できるものの、インクカートリッジ内を大気で加圧し、その収容するインクを記録ヘッドに供給しているため以下の問題を生じる。すなわち、インク供給針の抜き取られたインクカートリッジ内に加圧する大気が残留すると、そのインクカートリッジ内のインクが、残留する大気によって押し出されインクカートリッジから漏れ出すようになる。その結果、インクカートリッジ内から漏れ出したインクがカートリッジホルダ内、ひいてはプリンタ内を汚染する問題となる。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、液体を導出する液体導出管を液体収容体から抜き出すときに、その液体収容体から漏れ出す液体を回収する液体導出管取り付け構造およびその液体導出管取り付け構造を備える液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の液体導出管取り付け構造は、液体を収容する液体収容体の差込口に差し込まれて前記液体収容体の収容する液体を導出可能にする液体導出管を、前記液体収容体の差込口に対して抜き差し可能に取り付ける液体導出管取り付け構造において、前記液体収容体が装着される装着面を有するとともに、前記装着される液体収容体の差込口に前記液体導出管を差し込む差込位置と、前記装着される液体収容体の液体が使用される使用位置との間を往復動するスライダを備え、前記スライダの前記装着面には第1吸収体が設けられ、前記第1吸収体は、前記スライダが前記差込位置に配置された状態で、前記差込口の形成された前記液体収容体の面に当接し、且つ、前記差込口の前記液体導出管側を覆うように、前記装着面から突出している。
【0011】
本発明の液体導出管取り付け構造によれば、液体収容体が装着される装着面を有して、該装着される液体収容体の差込口に液体導出管を差し込む差込位置と、同装着される液体収容体の液体が使用される使用位置との間を往復動するスライダが設けられる。そして、スライダが有する液体収容体の装着面には、第1吸収体が設けられるとともに、第1吸収体は、スライダが差込位置に配置された状態で、差込口の形成された液体収容体の面に当接し、且つ、差込口の液体導出管側を覆うように、スライダの有する装着面から突出している。
【0012】
したがって、第1吸収体によって、差込口から漏れ出す液体を吸収して回収ことができ、液体による液体収容体周辺の汚染を回避することができる。しかも、液体収容体に対する第1吸収体の相対位置をスライダによって位置決めすることができ、第1吸収体の差込口に対する位置ずれを回避することができる。その結果、差込口から漏れ出す液体をより確実に吸収して回収することができる。
【0013】
この液体導出管取り付け構造は、前記第1吸収体が、前記液体収容体の差込口が形成される面に設けられる。
この液体導出管取り付け構造によれば、前記第1吸収体は、前記液体収容体の差込口が形成される面に設けられるようになる。したがって、差込口に対する第1吸収体の位置ずれを回避して、差込口から漏れ出す液体をより確実に吸収して回収することができる。
【0014】
この液体導出管取り付け構造は、前記液体収容体と前記液体導出管とを収容する収容部から離間する位置に、前記第1吸収体の吸収した液体の一部を吸収する第2吸収体を設けた。
【0015】
この液体導出管取り付け構造によれば、第1吸収体の吸収した液体の一部が、液体収容体と液体導出管とを収容する収容部から離間する位置に設けられる第2吸収体に吸収されるようになる。しがたって、第2吸収体が吸収する液体の容量分だけ、差込口から漏れ出す液体を多く回収することができ、液体収容体周辺の汚染をより長期的に回避することができる。しかも、その第2吸収体を液体収容体から離間させることにより、液体収容体周辺の汚染を確実に回避することができる。
【0016】
この液体導出管取り付け構造は、前記第1吸収体が、前記第2吸収体と接触する接触片を有した多孔質部材であって、前記第2吸収体は、前記接触片を介して前記第1吸収体の吸収した液体の一部を吸収する多孔質部材である。
【0017】
この液体導出管取り付け構造によれば、第1吸収体と第2吸収体の双方が多孔質部材で形成され、しかもその第2吸収体が第1吸収体に形成される接触片と接触し、その接触片を介して第1吸収体の吸収した液体の一部を吸収するようになる。したがって、第2吸収体と接触する接触片を第1吸収体に形成する簡便な構成によって、第1吸収体の吸収した液体を第2吸収体に誘導して回収ことができ、液体収容体周辺の汚染をより長期的に回避することができる。
【0018】
この液体導出管取り付け構造は、前記第1吸収体が、その容積に相対する容量の液体を吸収する多孔質部材であって、前記第2吸収体は、前記第1吸収体よりも大きい容量の液体を吸収する多孔質部材である。
【0019】
この液体導出管取り付け構造によれば、第1吸収体がその容積に相対する容量の液体を吸収する多孔質部材で形成され、第2吸収体が第1吸収体よりも大きい容量の液体を吸収する多孔質部材で形成される。したがって、第2吸収体の吸収する液体の容量を大きくすることによって、第1および第2吸収体の回収する液体の総容量を維持して第1吸収体の容積を小さくすることができる。その結果、第1吸収体の容積を小さくする分だけ、液体収容体周辺の省スペース化を図ることができる。
【0020】
この液体導出管取り付け構造は、前記第1吸収体が、前記液体導出管の外周を覆う。
この液体導出管取り付け構造によれば、第1吸収体が、液体導出管の外周を覆うようになる。したがって、差込口から漏れ出す液体に加えて、液体導出管から漏れ出す液体を吸収して回収することができ、液体収容体周辺の液体による汚染をより確実に回避することができる。
【0021】
この液体導出管取り付け構造は、前記液体収容体が、加圧手段の圧送する大気の加圧によって収容する液体を前記差込口から導出可能にする。
この液体導出管取り付け構造によれば、液体収容体が、その内部に圧送される大気の加圧によって収容する液体を導出するようになる。したがって、差込口から液体導出管を抜き出した後に、液体収容体に収容される液体が加圧によって差込口から漏れ出す場合であっても、漏れ出す液体を第1吸収体で吸収することができ、液体収容体周辺の液体による汚染を回避することができる。
【0022】
本発明の液体噴射装置は、ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドに液体導出管を通じて液体収容体の収容する液体を供給する液体噴射装置において、前記液体導出管は、上記する液体導出管取り付け構造を備えた。
【0023】
本発明の液体噴射装置によれば、液体導出管が上記液体導出管取り付け構造を備えるようになる。したがって、液体収容体の差込口から漏れ出す液体を液体吸収体で吸収することができ、液体収容体周辺、ひいては液体噴射装置内部の液体による汚染を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を具体化したインクジェット式プリンタの斜視図。
【図2】同じく、インクジェット式プリンタの内部を示す斜視図。
【図3】同じく、インクカートリッジの外観を示す斜視図。
【図4】同じく、インクカートリッジの外観を示す斜視図。
【図5】同じく、インクカートリッジの内部を示す平断面図。
【図6】同じく、カートリッジホルダを示す平面図。
【図7】同じく、インクカートリッジを装着したカートリッジホルダを示す斜視図。
【図8】同じく、インクカートリッジを脱着したカートリッジホルダを示す斜視図。
【図9】同じく、カートリッジホルダの内部を示す斜視図。
【図10】同じく、スライダを示す斜視図。
【図11】同じく、第1インク吸収体を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図10にしたがって説明する。
図1は液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ10(以下、単にプリンタ10という。)を示す斜視図、図2はプリンタ10内部を示す要部斜視図である。図1に示すように、プリンタ10には、本体ケース11が備えられている。
【0026】
本体ケース11は、略箱状に形成され、その内側には、相対向するように一対のフレーム12a,12bが配設されている。そのフレーム12a,12b間には、図2に示すように、棒状のガイド軸13が架設されている。ガイド軸13には、キャリッジ14が長手方向に沿って移動可能に挿通支持されている。キャリッジ14は、図示しないキャリッジモータに連結駆動され、ガイド軸13に沿う方向(主走査方向X)の往復動を可能にしている。
【0027】
そのフレーム12a,12b間であってキャリッジ14の下方には、ガイド軸13と平行に図示しないプラテンが配設されている。プラテンは、ターゲットとしての記録用紙Pを支持する支持台であって、そのプラテンには、主走査方向Xと直行する方向(副走査方向Y)に記録用紙Pを給送する。
【0028】
キャリッジ14の下部にあって記録用紙Pと対向する位置には、図2に示すように、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド15が配設されている。記録ヘッド15には、液体としてのインクを噴射させる複数の図示しない噴射ノズルが形成されている。
【0029】
前記キャリッジ14には、バルブユニット16が配設されている。バルブユニット16は、導入される液体としてのインクの圧力を調整し、そのインクを記録ヘッド15に供給する。なお、本実施形態では、図2に示すように、3体のバルブユニット16を備え、それぞれが2色のインクの圧力調整を可能として、総数6色のインク(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ライトマゼンタ、ライトシアン)を記録ヘッド15に供給可能にしている。
【0030】
そのフレーム12a,12b間であってキャリッジ14の上側には、図1に示すように、カートリッジホルダ17が配設されている。そのカートリッジホルダ17には、図1に示すように、液体収容体としてのインクカートリッジ18(以下単に、カートリッジ18という。)が着脱可能に収容されている。すなわち、本実施形態におけるプリンタ10は、キャリッジ14にカートリッジ18を搭載しないオフキャリッジタイプのプリンタである。なお、本実施形態におけるカートリッジホルダ17は、バルブユニット16が圧力を調整可能にする6色のインクに対応して総数6個のカートリッジ18を収容している。
【0031】
次に、上記カートリッジホルダ17に収容されるカートリッジ18について図3〜図5に従って説明する。
図3及び図4は、そのカートリッジ18の外観形状を示す斜視図であり、図5は、そのカートリッジ18の内部を示す断面図である。図3〜図5に示すように、カートリッジ18は、カートリッジケース19とインクパック20とを備えている。
【0032】
カートリッジケース19は、図3に示すように、直方体形状に形成される箱体であって、その底面19a前側端部(図3における正面上側端部)には、係止部21が形成されている。この係止部21は、カートリッジ18がカートリッジホルダ17に収納される状態で、カートリッジホルダ17の底面と相対向するように配置されている。そのカートリッジケース19の前面(差込面19b)両端には、一対の位置決め凹部22a,22bが凹設されている。
【0033】
差込面19bであってその位置決め凹部22a,22bの間には、カートリッジケース19内部までを貫通する差込口23が形成されている。この差込口23は、カートリッジホルダ17に収容される状態で、インク集束流路24(図1及び図2参照)を通じ、バルブユニット16と連通するようになっている。なお、そのインク集束流路24には、カートリッジ18の個数に相対する総数6本の図示しないインク供給流路が形成され、各カートリッジ18に収容されるインクをそれぞれ対応する3体のバルブユニット16に供給するようになっている。
【0034】
その差込口23と位置決め凹部22aとの間には、図4に示すように、差込面19bからカートリッジケース19内部までを貫通する大気導入口25が形成されている。この大気導入口25は、カートリッジ18がカートリッジホルダ17に収容される状態で、本体ケース11の奥側に配設される加圧手段としての加圧ポンプ26(図1参照)に連通し、その加圧ポンプ26の吸引した大気がカートリッジ18内部に圧送される。
【0035】
このカートリッジケース19の内側には、図5に示すように、インクパック20が収納されている。インクパック20は、1対の可撓性部材20a、20bの外周を溶着して袋状に形成され、その可撓性部材20a、20b間にインクを収容可能とする空間を形成している。そのインクパック20の差込面19b側には、可撓性部材20a、20b間に収容されるインクを導出可能に封入するインク導出部27が設けられている。このインク導出部27は、カートリッジケース19の内側から差込口23に連結されている。
【0036】
そして、加圧ポンプ26を稼動してカートリッジ18内に大気を圧送すると、インクパック20内がその大気の加圧によって押し潰され、インクパック20に収容されるインクが差込口23を通じてバルブユニット16へ供給される。バルブユニット16に供給されるインクは、それぞれ所定の圧力に調整された後に記録ヘッド15に供給され、インク滴として噴射ノズルから噴射される。
【0037】
すなわち、画像データに基づいて生成された画像信号をプリンタ10に入力すると、プリンタ10は、副走査方向Yに沿って記録用紙Pを給送し、主走査方向Xに沿ってキャリッジ14を往復動する。同時に、プリンタ10は、記録ヘッド15を駆動して記録用紙Pにインク滴を噴射し、給送される記録用紙P上に画像データに即した印刷を施す。
【0038】
次に、上記プリンタ10に配設されるカートリッジホルダ17について図6〜図11に従って説明する。
図6はカートリッジホルダ17の一部にカートリッジ18を装着した状態を示す平面図、図7および図8はそれぞれカートリッジ18を装着した状態およびカートリッジ18を装着していない状態のカートリッジホルダ17を示す斜視図である。また、図9はカートリッジホルダ17の内部を示す斜視図である。
【0039】
図6に示すように、カートリッジホルダ17には、ホルダケース29が備えられている。ホルダケース29は、カートリッジホルダ17を囲うケースであって、略箱体状に形成されている。なお、このホルダケース29の図6における上方(図1における副走査方向Y)をカートリッジ18の差し込む方向(差込方向L)とし、図6における下方をカートリッジ18の抜き出す方向(抜出方向R)とする。
【0040】
そのホルダケース29の内側には、図6に示すように、カートリッジ18を収容とする6つの収容部30が設けられている。各収容部30の差込方向L側略中央位置には、図9に示すように、それぞれ支持台31が設けられている。支持台31は、直方体形状に形成されてホルダケース29の底板29aに突設されている。
【0041】
その支持台31の抜出方向R側の側面には、液体導出管としてのインク供給針32が延出形成されている。インク供給針32は、カートリッジ18(インクパック20)内に収容されるインクを導出する流路であって、そのインク供給針32の先端部には、図9に示すように、カートリッジ18に収容されるインクをそのインク供給針32内に導入する導入孔32aが形成されている。
【0042】
支持台31の差込方向L側の側面には、図9に示すように、連結管33が延出形成されている。連結管33は、同連結管33の差込方向L側に設けた集束流路34と連結され、その支持台31内を通じてインク供給針32と集束流路34とを連通するようになっている。その集束流路34は、図6および図9に示すように、ホルダケース29の底板29aの全横幅にわたるシート状に形成された流路であって、6本の図示しないインク連結流路と、1本の図示しない大気連結流路とが形成されている。そして、これら集束流路34に形成されるインク連結流路と大気連結流路とが、それぞれ対応するインク集束流路24のインク供給流路と加圧ポンプ26とに連結されている。
【0043】
すなわち、インク供給針32は、これら連結管33、集束流路34(インク連結流路)およびインク集束流路24(インク供給流路)を介して、バルブユニット16(記録ヘッド15)に連通している。
【0044】
前記連結管33の右側には、図9に示すように、ガイド部35が固設されている。ガイド部35は、ホルダケース29の底板29aから鉛直方向上方に延びる左右一対の支持板35a,35bと、これら支持板35a,35b間に架設される架設板35cとを備え、差込方向Lから見て断面H字状に形成されている。
【0045】
各ガイド部35の抜出方向R側には、図9に示すように、固定手段36が設けられている。固定手段36は、カートリッジ18の抜出方向Rに沿った移動を解除可能に規制するものであって、いわゆるプッシュロックタイプの固定機構である。すなわち、固定手段36は、カートリッジ18を収容部30内に配置して差込方向Lに沿って移動すると、その先端に形成される突起36aが前記カートリッジ18に形成した係止部21と係合してその抜出方向Rの移動を規制するようになっている。そして、そのカートリッジ18を再び差込方向Lに沿って移動すると、突起36aと係止部21との係合が解除されて、カートリッジ18の抜出方向Rへの移動を許容するようになっている。
【0046】
ホルダケース29の底板29aにあってインク供給針32の左側には、図9に示すように、連通孔37が形成されている。連通孔37は、底板29aの鉛直方向を貫通する貫通孔であって、差込方向Lに沿ってインク供給針32よりも若干長く形成されている。
【0047】
その底板29aの下側には、図9に示すように、収容ケース38が配設されている。収容ケース38は、その鉛直方向上面を開口する箱体状のケースであって、鉛直方向から見て底板29aと略同じサイズに形成されている。
【0048】
その収容ケース38の内部には、図7及び図9に示すように、第2吸収体としての第2インク吸収体39が収容されている。第2インク吸収体39は、インクを吸収可能とする板状の多孔質部材であって、底板29aと相対するサイズに形成され、収容ケース38の内部全体にわたり敷き詰められている。なお、第2インク吸収体39は、多数の細孔を有して、その細孔の容積、すなわち第2インク吸収体39の容積に応じたインクを吸収可能にしている。
【0049】
第2インク吸収体39であって前記底板29aの連通孔37と相対向する位置には、図7〜図9に示すように、摺動溝39aが形成されている。摺動溝39aは、第2インク吸収体39の上面を差込方向Lに沿って切り欠いて形成され、鉛直方向から見て連通孔37と略同じサイズで形成されている。
【0050】
底板29a上にあって固定手段36の上側には、図8に示すように、スライダ40が配置されている。スライダ40は、カートリッジ18を装着するものであって、収容部30の左右幅と略同じ幅を有する箱体形状に形成されている。そのスライダ40の内部には、図10に示すように、収容空間40aが形成されている。
【0051】
そのスライダ40の差込方向L側の側面(連結面40b)には、図10に示すように、貫通孔41が形成されている。貫通孔41は、前記インク供給針32と相対向する位置に形成される円形孔であって、抜出方向Rに沿って連結面40bから収容空間40aまでを貫通して形成されている。そして、この貫通孔41が形成されることによって、図6に示すように、インク供給針32のスライダ40内への挿通を可能にしている。
【0052】
その連結面40bには、図8に示すように、差込方向Lに沿って延びる左右一対のレール42a,42bが固設されている。左右一対のレール42a,42bは、それぞれ底板29aに固設されるガイド43a,43bによって摺動可能に支持され、スライダ40の差込方向Lおよび抜出方向Rに沿った往復動を可能にしている。
【0053】
また、連結面40bにあって左右一対のレール42a,42bの間には、図6に示すように、大気導出孔44が形成されている。大気導出孔44は、抜出方向Rに沿って形成される孔であって、連結面40bからスライダ40の抜出方向R側の側面(装着面40c)までを貫通して形成されている。装着面40cであってその大気導出孔44と相対する位置には、図6及び図10に示すように、装着面40cから抜出方向Rに向かって大気導出ポート45が突出形成されている。大気導出ポート45は、大気導出孔44から連設されるポートであって、スライダ40に前記カートリッジ18が装着される状態で、前記カートリッジ18の大気導入口25に挿入可能に形成されている。また、連結面40bの大気導出孔44には、図6に示すように、大気導出チューブ46が連結されている。大気導出チューブ46は、可撓性樹脂からなるチューブであって、図8に示すように、前記ガイド部35の支持板35a,35b間に挟入固定されている。
【0054】
この大気導出チューブ46は、図8に示すように、前記集束流路34の大気連結流路に連結される。したがって、前記大気導出ポート45は、大気導出孔44、大気導出チューブ46および集束流路34(大気連結流路)を介して加圧ポンプ26と連通する。
【0055】
また、連結面40bであって左右一対のレール42a,42bの間には、図8に示すように、差込方向Lに沿って四角柱状に形成されるシャフト47が延出形成されている。シャフト47は、その差込方向L側を、前記ガイド部35の支持板35a,35bの間にあって、かつ架設板35cと底板29aとの間に貫挿され、スライダ40の往復動と連動可能に支持されている。そのシャフト47の前記ガイド部35と前記スライダ40のとの間には、図8に示すように、コイルばねSPが外装されている。コイルばねSPは、その弾性力によって、常に、スライダ40を抜出方向R側に付勢している。
【0056】
すなわち、スライダ40は、このコイルばねSPの弾性力に抗して差込方向L側の応力を受けない限り、図8に示すように、常に、その往復動において最も抜出方向R側の位置である差込位置に配置される。なお、スライダ40がこの差込位置に配置されるとき、インク供給針32の導入孔32aは、図6に示すように、スライダ40の収容空間40a内に配置されるようになっている。しかも、図8に示すように、スライダ40の装着面40cの面位置が、底板29aに形成した連通孔37の抜出方向R側端に相対するようになっている。
【0057】
その装着面40cには、図8及び図10に示すように、抜出方向Rに左右一対の位置決め突起48a,48bが突出形成されている。位置決め突起48a,48bは、このスライダ40に前記カートリッジ18を装着するとき、そのカートリッジ18に形成した位置決め凹部22a,22bと嵌合可能に形成されている。
【0058】
装着面40cにあってその位置決め突起48a,48bの間には、図10に示すように、第1挿通孔49aが形成されている。第1挿通孔49aは、差込方向L側から見てL字状に形成される孔であって、差込方向Lに沿って装着面40cから収容空間40a内までを貫通して形成されている。加えて、スライダ40の左側面40dには、図10に示すように、第2挿通孔49bが形成されている。第2挿通孔49bは、左側面から見て四角形状に形成される孔であって、その左側面40dから収容空間40a内までを貫通して形成されている。
【0059】
その収容空間40a内には、図11に示す第1吸収体としての第1インク吸収体50が収容されている。第1インク吸収体50は、インクを吸収可能とする板状の多孔質部材である。第1インク吸収体50は、第2インク吸収体39と同じく、多数の細孔を有してその細孔の容積、すなわち第1インク吸収体50の容積に応じたインクを吸収可能にしている。
【0060】
その第1インク吸収体50の抜出方向R側の側面には、図11に示すように、凸部51が形成されている。凸部51は、差込方向L側から見てL字状に形成されている。その凸部51は、第1インク吸収体50が収容空間40a内に収容される状態で、図8に示すように、その抜出方向R側の側面(当接面51a)が前記第1挿通孔49aを挿通して装着面40cから突出するように形成されている。
【0061】
その当接面51aの略中央位置には、図11に示すように、差込方向Lに沿って凸部51を貫通する挿入孔51bが形成されている。挿入孔51bは、前記インク供給針32の外径と略同じ内径で形成される円形孔であって、第1インク吸収体50が収容空間40a内に収容された状態で、前記スライダ40に形成した貫通孔41(インク供給針32)と相対向する位置に形成されている。そして、この挿入孔51bが形成されることによって、図6に示すように、インク供給針32がスライダ40(第1インク吸収体50)内を貫通して、カートリッジ18内に進入可能となる。
【0062】
その第1インク吸収体50の左側端部には、図11に示すように、鉛直方向下方に伸びる接触片52が形成されている。その接触片52は、図8に示すように、前記スライダ40に形成した挿通孔49bと相対する位置に形成され、スライダ40の左側面40dを貫挿して鉛直方向下方に向かって延びるように配設されている。その接触片52の先端は、前記第2インク吸収体39の摺動溝39a内で差込方向Lおよび抜出方向Rに沿って摺動可能に嵌装されている。すなわち、第1インク吸収体50は、この接触片52と摺動溝39aを介して、その吸収したインクを第2インク吸収体39に誘導可能にしている。
【0063】
こうして、液体導出管取り付け構造としてのインク供給針32の取り付け構造が構成されている。
次に、上記のように構成したカートリッジホルダ17の作用について説明する。まず、差込位置にあるスライダ40にカートリッジ18を装着する操作について説明する。
【0064】
今、差込位置にあるスライダ40の装着面40cに、カートリッジ18の差込面19bを相対向させてカートリッジ18を差込方向L側に移動させる。すると、装着面40cに形成される位置決め突起48a,48bが、カートリッジ18の位置決め凹部22a,22bと嵌合して、カートリッジ18はスライダ40に対して位置決めされる。同時に、大気導出ポート45が、大気導入口25と嵌合して、カートリッジ18内を大気導出ポート45と、すなわち加圧ポンプ26とに連通させる。
【0065】
このとき、第1インク吸収体50の当接面51aは、図7に示すように、差込面19bと当接して、カートリッジ18の差込口23(インク導出部27)を覆う。なお、こうしてカートリッジ18がスライダ40に装着される間、スライダ40は差込位置に維持され、インク供給針32の導入孔32aを、第1インク吸収体50の挿入孔51bの途中位置に配置させる。
【0066】
続いて、カートリッジ18を装着したスライダ40をコイルばねSPの弾性力に抗して差込方向L側に往動させると、インク供給針32(導入孔32a)が挿入孔51bを貫通してカートリッジ18の差込口23(インク導出部27)に挿入される。これにより、カートリッジ18内に収容されるインクが、インクパック20内から順に導入孔32a、インク供給針32、連結管33、集束流路34およびインク集束流路24を通じてバルブユニット16に導出可能となる。
【0067】
このとき、第1インク吸収体50の接触片52は、スライダ40の往動と連動して、摺動溝39aに沿って差込方向L側に移動し、図7に示すように、摺動溝39aの差込方向L側端部に配置される。そして、固定手段36の突起36aがカートリッジ18の係止部21と係合して、カートリッジ18の抜出方向R側への復動を規制する。これにしたがい、カートリッジ18が、インクパック20内のインクを導出可能にする位置(使用位置)に位置決めされて収容部30内に収容される。
【0068】
ここで、加圧ポンプ26を稼動して大気を集束流路34(大気連結流路)に圧送すると、大気導出チューブ46と大気導出ポート45を通じて、カートリッジ18内が加圧される。すると、カートリッジ18内に収容されるインクが、インクパック20内からバルブユニット16を通じて記録ヘッド15に供給される。これによって、プリンタ10による記録用紙P上への印刷が可能となる。
【0069】
次に、上記する使用位置にあるスライダ40に装着されるカートリッジ18をカートリッジホルダ17から取り外す操作について説明する。
まず、加圧ポンプ26を停止してカートリッジ18内への大気の圧送を停止する。続いて、固定手段36によって使用位置に位置決めされるスライダ40を、再びコイルばねSPの弾性力に抗して差込方向L側に移動する。すると、前記突起36aと係止部21との係合が解除され、スライダ40が、コイルばねSPの弾性力にしたがって、カートリッジ18を装着した状態で抜出方向R側に復動し、差込位置まで移動させる。
【0070】
このとき、第1インク吸収体50の当接面51aは、差込口23を覆いながら差込面19bとの当接を維持し、スライダ40の復動と連動して差込位置と相対応する位置に配置される。そして、当接面51a(第1インク吸収体50)は、カートリッジ18内に残留する大気によって加圧されて、差込口23から漏れ出すインクを吸収する。
【0071】
同時に、このスライダ40の移動によって、インク供給針32(導入孔32a)がカートリッジ18に対して差込方向L側に相対移動し、差込口23(インク導出部27)から抜き出されて第1インク吸収体50(挿入孔51b)内に配置される。そして、挿入孔51b(第1インク吸収体50)は、インク供給針32の外周に付着するインク、あるいはそのインク供給針32から漏れ出すインクを吸収する。
【0072】
さらに、第1インク吸収体50の接触片52は、スライダ40の復動と連動して摺動溝39aの抜出方向R側に移動する。そして、第1インク吸収体50に吸収されるインクは、やがて第1インク吸収体50内全体に拡散し、この接触片52を通じて第2インク吸収体39に吸収される。
【0073】
ついで、カートリッジ18を抜出方向Rに沿って移動し、位置決め突起48a,48bと位置決め凹部22a,22bとの嵌合を解除すると、大気導出ポート45および差込面19bが、それぞれ大気導入口25および当接面51aから離間し、カートリッジ18の取り外しを可能にする。
【0074】
したがって、上記実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、スライダ40内の収容空間40aに第1インク吸収体50を収容し、その当接面51aが装着面40cから突出するように配設した。さらに、カートリッジ18がスライダ40に装着される間、その第1インク吸収体50の当接面51aが、差込面19bに当接して、差込口23を第1インク吸収体50で覆うようにした。しかも、差込位置にあるスライダ40が、その第1インク吸収体50(挿入孔51b)にてインク供給針32の導入孔32aを収容するようにした。
【0075】
したがって、カートリッジ18をスライダ40から取り外すとき、差込口23、あるいは導入孔32aから漏れ出すインクを、それぞれ挿入孔51bおよび当接面51aによって吸収することができる。その結果、カートリッジ18周辺へのインクの漏洩を回避することができ、ひいてはカートリッジホルダ17内、プリンタ10内のインクの汚染を解消することができる。
【0076】
(2)本実施形態によれば、第1インク吸収体50に接触片52を設け、その接触片52が摺動溝39aを介して第2インク吸収体39と摺接するようにした。したがって、その接触片52を通じて、第1インク吸収体50で吸収したインクを第2インク吸収体39に誘導させることができる。その結果、差込口23、あるいは導入孔32aから漏れ出すインクを第2インク吸収体39が吸収する分だけ、第1インク吸収体50よりも多く吸収することができ、ひいてはカートリッジホルダ17内、プリンタ10内のインクの汚染をより長期的に解消することができる。
【0077】
(3)本実施形態によれば、カートリッジ18の位置決め凹部22a,22bが、スライダ40の位置決め突起48a,48bと嵌合して、差込面19bを装着面40c(当接面51a)に位置決めするようにした。したがって、当接面51aの差込面19b(差込口23)に対する位置ずれを回避することができ、インク供給針32、あるいは差込口23から漏れ出すインクを第1インク吸収体50によって確実に吸収することができる。
【0078】
(4)本実施形態によれば、第1および第2インク吸収体50,39を多孔質部材で形成し、それぞれ容積に応じたインクを吸収できるようにした。しかも、第2インク吸収体39が、差込面19bに当接する第1インク吸収体50よりも大きいサイズで形成されるようにした。したがって、同じ容量のインクを吸収する場合であっても、第2インク吸収体39を大きくした分だけ、第1インク吸収体50のサイズを小さくすることができ、スライダ40の往復動に要する空間(図8に示す差込位置における装着面40cと図7に示す使用位置における連結面40bとの間の空間)を縮小することができる。その結果、カートリッジホルダ17のサイズ、ひいてはプリンタ10のサイズを縮小することができる。
【0079】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、第1インク吸収体50を収容空間40a内に収容したが、これに限らず、装着面40cに設けてもよく、さらにはカートリッジ18の差込面19bに設けてもよい。
【0080】
・上記実施形態では、接触片52がスライダ40の左側面40d(第2挿通孔49b)を貫挿するようにしたが、これに限らず、スライダ40の下面を貫挿してもよく、第2インク吸収体39と摺接するように配置されていればよい。なお、この際、摺動溝39aおよび連通孔37が、接触片52に相対して、その差込方向Lおよび抜出方向Rの移動を可能にする位置に形成されることが好ましい。
【0081】
・上記実施形態では、第1インク吸収体50で吸収したインクを、接触片52と摺動溝39aを通じて、第2インク吸収体39に移動するようにした。これを変更し、接触片52を設けることなく、第1インク吸収体50の吸収するインクが、その自重によって第2インク吸収体39に注がれる構成にしてもよい。
【0082】
・上記実施形態では、加圧ポンプ26による大気の圧送によってインクを導出するようにしたが、これに限らず、カートリッジ18(インクパック20)と記録ヘッド15との水頭圧を利用し、カートリッジ18に収容されるインクを記録ヘッド15側に導出するようにしてもよい。
【0083】
・上記実施形態では、カートリッジ18をキャリッジ14に搭載しないプリンタ、すなわちオフキャリッジタイプのプリンタに具体化したが、カートリッジ18をキャリッジ14に搭載するオンキャリッジタイプのプリンタに具体化してもよい。
【0084】
・上記実施形態では、カートリッジ18の一側面であって係止部21の形成される側面、すなわち、カートリッジケース19の最も面積の大きい側面が、図6に示すように、主走査方向Xと平行にして配置されるように収容部30を形成した。これを変更し、その側面が主走査方向Xおよび副走査方向Yと直行する方向、すなわち鉛直方向と平行となるように収容部30を形成してもよい。
【0085】
これによれば、カートリッジ18の主走査方向Xおよび副走査方向Yに沿う占有面積を縮小することができ、カートリッジ18の収容数量を増加させることができ、あるいは主走査方向Xおよび副走査方向Yに沿うプリンタ10のサイズを縮小することができる。
【符号の説明】
【0086】
10…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、15…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、17…カートリッジホルダ、18…液体収容体としてのインクカートリッジ、19b…差込面、23…差込口、26…加圧手段としての加圧ポンプ、32…液体導出管としてのインク供給針、39…第2吸収体としての第2インク吸収体、40…スライダ、40a…収容空間、50…第1吸収体としての第1インク吸収体、51a…当接面、52…接触片、L…差込方向、R…抜出方向、P…記録用紙。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する液体収容体の差込口に差し込まれて前記液体収容体の収容する液体を導出可能にする液体導出管を、前記液体収容体の差込口に対して抜き差し可能に取り付ける液体導出管取り付け構造において、
前記液体収容体が装着される装着面を有するとともに、前記装着される液体収容体の差込口に前記液体導出管を差し込む差込位置と、前記装着される液体収容体の液体が使用される使用位置との間を往復動するスライダを備え、
前記スライダの前記装着面には第1吸収体が設けられ、
前記第1吸収体は、前記スライダが前記差込位置に配置された状態で、前記差込口の形成された前記液体収容体の面に当接し、且つ、前記差込口の前記液体導出管側を覆うように、前記装着面から突出している
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載する液体導出管取り付け構造において、
前記第1吸収体は、
前記液体収容体の差込口が形成される面に設けられる
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載する液体導出管取り付け構造において、
前記液体収容体と前記液体導出管とを収容する収容部から離間する位置に、前記第1吸収体の吸収した液体の一部を吸収する第2吸収体を設けた
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項4】
請求項3に記載する液体導出管取り付け構造において、
前記第1吸収体は、前記第2吸収体と接触する接触片を有した多孔質部材であって、
前記第2吸収体は、前記接触片を介して前記第1吸収体の吸収した液体の一部を吸収する多孔質部材である
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項5】
請求項3または4に記載する液体導出管取り付け構造において、
前記第1吸収体は、その容積に相対する容量の液体を吸収する多孔質部材であって、
前記第2吸収体は、前記第1吸収体よりも大きい容量の液体を吸収する多孔質部材である
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載する液体導出管取り付け構造において、
前記第1吸収体は、前記液体導出管の外周を覆う
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載する液体導出管取り付け構造において、
前記液体収容体は、加圧手段の圧送する大気の加圧によって収容する液体を前記差込口から導出可能にする
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項8】
ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドに液体導出管を通じて液体収容体の収容する液体を供給する液体噴射装置において、
前記液体導出管は、請求項1〜7のいずれか1つに記載する液体導出管取り付け構造を備えた
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項1】
液体を収容する液体収容体の差込口に差し込まれて前記液体収容体の収容する液体を導出可能にする液体導出管を、前記液体収容体の差込口に対して抜き差し可能に取り付ける液体導出管取り付け構造において、
前記液体収容体が装着される装着面を有するとともに、前記装着される液体収容体の差込口に前記液体導出管を差し込む差込位置と、前記装着される液体収容体の液体が使用される使用位置との間を往復動するスライダを備え、
前記スライダの前記装着面には第1吸収体が設けられ、
前記第1吸収体は、前記スライダが前記差込位置に配置された状態で、前記差込口の形成された前記液体収容体の面に当接し、且つ、前記差込口の前記液体導出管側を覆うように、前記装着面から突出している
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載する液体導出管取り付け構造において、
前記第1吸収体は、
前記液体収容体の差込口が形成される面に設けられる
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載する液体導出管取り付け構造において、
前記液体収容体と前記液体導出管とを収容する収容部から離間する位置に、前記第1吸収体の吸収した液体の一部を吸収する第2吸収体を設けた
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項4】
請求項3に記載する液体導出管取り付け構造において、
前記第1吸収体は、前記第2吸収体と接触する接触片を有した多孔質部材であって、
前記第2吸収体は、前記接触片を介して前記第1吸収体の吸収した液体の一部を吸収する多孔質部材である
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項5】
請求項3または4に記載する液体導出管取り付け構造において、
前記第1吸収体は、その容積に相対する容量の液体を吸収する多孔質部材であって、
前記第2吸収体は、前記第1吸収体よりも大きい容量の液体を吸収する多孔質部材である
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載する液体導出管取り付け構造において、
前記第1吸収体は、前記液体導出管の外周を覆う
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載する液体導出管取り付け構造において、
前記液体収容体は、加圧手段の圧送する大気の加圧によって収容する液体を前記差込口から導出可能にする
ことを特徴とする液体導出管取り付け構造。
【請求項8】
ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドに液体導出管を通じて液体収容体の収容する液体を供給する液体噴射装置において、
前記液体導出管は、請求項1〜7のいずれか1つに記載する液体導出管取り付け構造を備えた
ことを特徴とする液体噴射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−111240(P2012−111240A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−62718(P2012−62718)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【分割の表示】特願2010−58489(P2010−58489)の分割
【原出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【分割の表示】特願2010−58489(P2010−58489)の分割
【原出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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