説明

液体式マッサージ装置

【課題】噴射用液体の温度管理のために生じる運転状態の変化が、介護者や使用者に対して異常発生ではないことを明確に認識させる。
【解決手段】本体ハウジング1内の噴射用液体が、ポンプによって噴射ノズル11a〜fから支持シート2に向けて噴射される。噴射用液体は、ラジエタ20を通過するとき、冷却ファン22の送風作用を受けて冷却される。温度センサ41で検出された噴射用液体の検出温度Taが、マニュアル設定される設定温度Tよりも大きくなると冷却ファン22が作動されて冷却が行われ、検出温度Taが設定温度Tよりも所定分だけ大きくなる異常高温時には、、ポンプの運転能力が強制的に低下され、スピーカから「電源スイッチ31をオフしない旨」の警報が行われる。検出温度Taが設定温度Tよりも所定分低いときは、ポンプが噴射用液体の昇温(予熱)のために自動運転され、スピーカから「ポンプが運転される旨」の警報が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体式マッサージ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体に対するマッサージを行うマッサージ装置の中には、噴射ノズルから噴射される液体つまり噴射液体を利用したものがある。この種の液体式マッサージ装置としては、例えば、本体ハウジングの上方開口が支持シートによって施蓋されて、該本体ハウジング内に配設された噴射ノズルから噴射用液体を支持シートの下面に向けて噴射することにより、該支持シート上に横たわる使用者に対して刺激を与えるものとなっている。
【0003】
上記液体式マッサージ装置は、使用者の支持の仕方の相違に応じて2種類存在する。その第1の形式のものは、特許文献1に示すように、本体ハウジング内が噴射用液体で充満された形式、つまり本体ハウジング内の噴射用液体がまったく自由表面を有しない形式とされて、支持シート上の使用者の重量を噴射用液体によって受け止めるというもので、いわゆるウオータベッド式と呼ばれるものである。
【0004】
また、液体式マッサージ装置の第2の形式のものは、特許文献2に示すように、本体ハウジング内の噴射用液体の液位が噴射ノズルよりも低い位置とされることにより、本体ハウジング内の噴射用液体が自由表面を有するもの、つまり、本体ハウジング内の噴射用液体の液面と支持シートとの間に空気層が介在される方式のものである(この第2の形式のものは、シャワーノズル方式と呼ばれることもある)。このものにあっては、本体ハウジングの底部に貯溜された噴射用液体がポンプによって汲み上げられて噴射ノズルから噴射され、支持シートに下方から衝突した後に落下して、再び噴射ノズルに供給されることになる。
【0005】
さらに、特許文献3には、本体ハウジング内の噴射用液体の量を変更可能、つまり本体ハウジング内での噴射用液体自由表面の高さを変更するものが開示されている。特許文献4には、噴射ノズルからの噴射圧力を利用して、噴射ノズルを所定軸線回りに回転される回転式としたものが開示されている。
【特許文献1】特開平8−252293号公報
【特許文献2】特開2000−325420号公報
【特許文献3】特開2004−180981号公報
【特許文献4】特開2000−325420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、噴射用液体は使用者にとって好ましい適度の温度範囲にすることが望まれることになる。この一方、噴射用液体の温度は、噴射ノズルへ噴射用液体を供給するポンプの運転によって徐々に昇温することになり、例えばポンプの運転が長時間になると、噴射用液体の温度が異常なほど高温になってしまうことがある。このような噴射用液体が高温になりすぎるのを防止するために、電動式の冷却装置によって噴射用液体を適宜冷却することが行われている。通常、冷却装置は電動式とされて、その電源スイッチがオンされていることを前提に作動されることになる。
【0007】
噴射用液体の温度が異常に高温になり過ぎた場合は、ポンプの運転能力を強制的に低下させて、これ以上噴射用液体の温度が上昇しないようにすることが考えられている。しかしながら、このポンプの運転能力を強制的に低下させると、介護者や使用者は、装置になんらかの異常が生じたものと勘違いして、安全のために電源スイッチをオフしてしまうという事態が生じやすいものとなる。このように、電源スイッチがオフされると、冷却装置が強制的に停止されてしまうことになり、異常に高温になり過ぎている噴射用液体を冷却装置によって積極的に冷却することがもはや不可能になり、噴射用液体の温度が所定温度にまで自然に低下するまでの間は、ポンプの運転を再開することができないものとなっていた(マッサージ治療が不能となる時間が長くなる)。
【0008】
一方、例えば冬季のように寒い時期には、噴射用液体は相当に低温になり、このため、治療前にあらかじめ噴射用液体を積極的に加温することつまり予熱を行うことが望まれることになる。この噴射用液体の加温つまり予熱を、別途ヒータを用いることなく行うために、噴射ノズルへ噴射用液体を供給するポンプを運転することによって、ポンプの発生する熱を利用して行うことが考えられる(ポンプの運転による予熱実行)。この場合、噴射用液体の温度が所定温度よりも低い温度になると自動的にポンプの運転が開始されることになるが、介護者や使用者は、ポンプの自動運転開始に驚いて、装置になんらかの異常が発生したと勘違いしてしまうという事態を生じやすいものとなる。
【0009】
本発明は、以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、噴射用液体の温度管理のために生じる変化が、介護者や使用者に対して装置の異常発生ではないことを明確に認識させることのできるようにした液体式マッサージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明はその第1の解決手法として次のようにしてある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
本体ハウジングの所定面が、使用者が外部から接触されるマッサージ面とされ、
前記本体ハウジング内に、前記マッサージ面の内側面に対して噴射用液体を噴射するための噴射ノズルが配設され、
前記本体ハウジング内の噴射用液体を吸い込んで、前記噴射ノズルに噴射用液体を供給するためのポンプが設けられた液体式マッサージ装置において、
前記噴射用液体の温度を検出する温度センサと、
前記本体ハウジング内の噴射用液体を冷却するための電動式の冷却装置と、
前記冷却装置への電源供給をオン、オフするための電源スイッチと、
前記温度センサで検出される検出温度が第1所定温度よりも高くなったときに前記冷却装置を作動させると共に、該検出温度が該第1所定温度よりも高い温度に設定された第2所定温度よりも高くなったときに前記ポンプの運転能力を強制的に低下させる制御手段と、
前記検出温度が前記第2所定温度よりも高くなって前記ポンプの運転能力が強制的に低下されるときに、前記電源スイッチをオフしないようにする旨の警報を音声によって行う警報手段と、
を備えたものとしてある。
【0011】
上記解決手法によれば、噴射用液体が高温になりすぎてポンプの運転能力が低下されるときに、電源スイッチをオフしないように警報されるので、介護者等が不用意に電源スイッチをオフしてしまう事態が防止されることになる。これにより、冷却装置によって噴射用液体をすみやかに冷却して、治療再開できる状態へとすみやかに復帰させることが可能となる。とりわけ、音声によって警報を行うので、表示画面での警報表示(視覚にうったえる警報)の場合に比して、警報内容が周囲の者に確実に伝達されて、装置の異常発生でないということを明確に認識させる上で好ましいものとなる。
【0012】
上記第1の解決手法を前提として、次のような解決手法をさらに採択することができる。すなわち、
前記警報手段が、さらに、前記検出温度が前記第2所定温度よりも高くなったときに、前記ポンプの運転能力が強制的に低下される旨の警報を音声によって行うように設定されている、ようにすることができる(請求項2対応)。この場合,ポンプの運転能力低下を異常発生であると勘違いしてさせてしまう事態を確実に防止する上で好ましいものとなる。
【0013】
前記制御手段は、前記検出温度が前記第2所定温度よりも高くなったときに、前記ポンプの運転能力を強制的に低下させた状態で該ポンプの運転を継続して行わせるように設定され、
噴射用液体の温度をマニュアル指令する温度設定スイッチを備え、
前記制御手段は、前記ポンプの運転能力が強制的に低下されると共に前記冷却装置が作動されている状態において、前記検出温度が前記温度設定スイッチにより選択し得る最高設定温度以下になったときに、該ポンプと冷却装置とを共に停止させる、
ようにすることができる(請求項3対応)。この場合,噴射用液体が異常高温となったときに、ポンプは運転能力が低下されるものの運転能力の小さい状態で運転が継続されるので、噴射用液体が十分に循環されて、冷却装置による効率のよい冷却を行う上で好ましいものとなる。
【0014】
前記冷却装置が、前記ポンプから噴射用液体が供給されると共に該供給された噴射用液体を前記本体ハウジングに戻す循環系路と、該循環系路に接続されたラジエタと、該ラジエタに対して外気を送風させる電動式の冷却ファンとを備え、
前記ポンプと冷却ファンとの共通用とされたインバータを備え、
前記制御手段は、前記インバータを制御することにより、前記ポンプの運転能力と冷却ファンの運転能力とを制御する、
ようにすることができる(請求項4対応)。この場合,ポンプを噴射ノズル用とラジエタ用とで共通化すると共に、インバータをポンプ用と冷却ファン用とで共通化して、部品点数削減やコスト低減等の上で好ましいものとなる。
【0015】
前記インバータと冷却ファンとの間に、前記制御手段によってオン、オフ制御されるスイッチが介在されて、該スイッチのオン、オフによって、前記ポンプが運転されている状態において前記冷却ファンの作動と作動停止との切換えが可能とされている、ようにすることができる(請求項5対応)。この場合,インバータとスイッチという2つの要素を制御するだけで、ポンプを運転しつつ冷却ファンを停止させた状態でもってポンプの運転能力を可変制御する態様と、ポンプを運転しつつ冷却ファン作動させた状態でポンプの運転能力に応じた運転能力でもって冷却ファンを運転する態様と、ポンプおよび冷却ファンを共に停止させた状態とを簡単に得ることができる。
【0016】
前記冷却装置が、前記本体ハウジングに対して噴射用液体を循環させる循環系路と、該循環系路に接続されたラジエタと、該ラジエタに対して外気を送風させる電動式の冷却ファンと、前記ポンプとは別個独立して設けられて該循環系路に本体ハウジング内の噴射用液体を供給するための冷却用ポンプとを備え、
前記制御手段は、前記検出温度が前記第2温度よりも高くなったときに、前記噴射ノズルに対して噴射用液体を供給するための前記ポンプを停止させると共に、前記冷却用ポンプおよび前記冷却ファンを冷却能力が最大となるように運転させる、
ようにすることができる(請求項6対応)。この場合,冷却用のポンプを別途設けることにより、異常高温となったときに、噴射ノズルへの噴射用液体供給用のポンプを停止させつつ、冷却能力が最大となるように冷却用ポンプおよび冷却ファンが運転されるので、異常高温になっている噴射用液体の温度をすみやかに低下させる上で好ましいものとなる。
【0017】
前記目的を達成するため、本発明はその第2の解決手法として次のようにしてある。すなわち、特許請求の範囲における請求項7に記載のように、
本体ハウジングの所定面が、使用者が外部から接触されるマッサージ面とされ、
前記本体ハウジング内に、前記マッサージ面の内側面に対して噴射用液体を噴射するための噴射ノズルが配設され、
前記本体ハウジング内の噴射用液体を吸い込んで、前記噴射ノズルに噴射用液体を供給するためのポンプが設けられた液体式マッサージ装置において、
前記噴射用液体の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサで検出される温度が所定温度よりも低いときに、前記ポンプを自動運転して該ポンプが発生する熱によって噴射用液体を昇温させる制御手段と、
前記制御手段によって前記ポンプを自動運転するときに、該ポンプが自動運転される旨の警報を音声によって行う警報手段と、
を備えているようにしてある。
【0018】
上記解決手法によれば、ポンプが自動運転される旨が警報されるので、介護者や使用者は、装置になんらかの異常が発生したと勘違いしてしまうことが防止されることになる。とりわけ、音声によって警報を行うので、表示画面での警報表示(視覚にうったえる警報)の場合に比して、警報内容が周囲の者に確実に伝達されて、装置の異常発生でないということを明確に認識させる上で好ましいものとなる。
【0019】
上記第2の解決手法を前提として、次のようにすることができる。すなわち、
マニュアル操作によって噴射用液体の温度を指令する温度設定スイッチを備え、
前記所定温度が、前記温度設定スイッチによって設定された設定温度よりも所定分低い温度となるように設定されている、
ようにすることができる(請求項8対応)。この場合,ポンプの運転による予熱での昇温は、所望の設定温度よりも所定分低い温度にまで昇温させる範囲としてあるので、その後に治療用にポンプが運転されたときに、噴射用液体が早い時期に高温になり過ぎてしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
【0020】
前記検出温度が前記所定温度よりも低くなる度合いが大きいほど、前記ポンプの運転能力が大きくされる、ようにすることができる(請求項9対応)。この場合,極力早く噴射用液体の温度を所定温度にまで昇温させる上で好ましいものとなる。また、噴射用液体の実際の温度が所定温度に近づくほどポンプの運転能力が小さくされるので、所定温度を超えて昇温されてしまう事態を確実に防止する上でも好ましいものとなる。
【0021】
前記所定温度として、オン用温度と、該オン用温度よりも高い温度に設定されたオフ用温度とが設定され、
前記検出温度が前記オン用温度よりも低くなったときに前記ポンプが停止状態から運転状態に切換えられ、該検出温度が前記オフ用温度よりも高くなったときに該ポンプが運転状態から停止状態に切換えられる、
ようにすることができる(請求項10対応)。この場合,オン用温度とオフ用温度との間にヒステリシスを設定して、頻繁にポンプがオン、オフされてしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
【0022】
前記目的を達成するため、本発明はその第3の解決手法として次のようにしてある。すなわち、特許請求の範囲における請求項11に記載のように、
本体ハウジングの所定面が、使用者が外部から接触されるマッサージ面とされ、
前記本体ハウジング内に、前記マッサージ面の内側面に対して噴射用液体を噴射するための噴射ノズルが配設され、
前記本体ハウジング内の噴射用液体を吸い込んで、前記噴射ノズルに噴射用液体を供給するためのポンプが設けられた液体式マッサージ装置において、
前記噴射用液体の温度を検出する温度センサと、
前記本体ハウジング内の噴射用液体を冷却するための電動式の冷却装置と、
前記冷却装置への電源供給をオン、オフするための電源スイッチと、
マニュアル操作によって噴射用液体の温度を設定する温度設定スイッチと、
前記温度センサで検出される検出温度が前記温度設定スイッチによって設定される第1所定温度よりも高くなったときに前記冷却装置を作動させると共に、該検出温度が該第1所定温度よりも高い温度に設定された第2所定温度よりも高くなったときに前記ポンプの運転能力を強制的に低下させる第1制御手段と、
前記検出温度が前記第2所定温度よりも高くなって前記ポンプの運転能力が強制的に低下されるときに、前記電源スイッチをオフしないようにする旨の警報を音声によって行う第1警報手段と、
前記温度センサで検出される検出温度が、前記温度設定スイッチによって設定された設定温度よりも所定分低い温度となる第3所定温度よりも低いときに、前記ポンプを自動運転して該ポンプが発生する熱によって噴射用液体を昇温させる第2制御手段と、
前記第2制御手段によって前記ポンプを自動運転するときに、該ポンプが自動運転される旨の警報を音声によって行う警報手段と、
を備えているようにしてある。
【0023】
上記第3の解決手法によれば、前述した第1の解決手法および第2の解決手法の両方の効果を奏する装置が提供されることになる。また、マニュアル設定された設定温度を境にして、第1制御手段による噴射用液体の冷却制御と、第2制御手段による予熱による噴射用液体の昇温制御とを明確に区別した制御とすることができる。
【0024】
前記各解決手法を前提として、次のような解決手法をさらに採択することができる。すなわち、
前記本体ハウジングが、上方が開口された細長い槽状に形成され、
前記マッサージ面が略水平に伸びて前記本体ハウジングの上方開口を覆う支持シートによって構成されて、使用者が横たわり姿勢でもって該マッサージ面に支持されるようにされ、
前記噴射ノズルから噴射される噴射用液体が、下方から前記マッサージ面に向けて噴射用液体を噴射するように設定されている、
ようにすることができる(請求項12対応)。この場合、液体式マッサージ装置として、広く普及している使用者が横たわり姿勢でマッサージを受ける形式のものとすることができる。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に記載された発明によれば、噴射用液体が高温になりすぎてポンプの運転能力が低下されるときに、電源スイッチをオフしないように警報されるので、介護者等が不用意に電源スイッチをオフしてしまう事態が防止されることになる。これにより、冷却装置によって噴射用液体をすみやかに冷却して、治療再開できる状態へとすみやかに復帰させることが可能となる。とりわけ、音声によって警報を行うので、表示画面での警報表示(視覚にうったえる警報)の場合に比して、警報内容が周囲の者に確実に伝達されて、装置の異常発生でないということを明確に認識させる上で好ましいものとなる。
【0026】
請求項2に記載された発明によれば、ポンプの停止を装置の異常発生であると勘違いしてさせてしまう事態を確実に防止する上で好ましいものとなる。
請求項3に記載された発明によれば、噴射用液体が異常高温となったときに、ポンプは運転能力が低下されるものの運転能力の小さい状態で運転が継続されるので、噴射用液体が十分に循環されて、冷却装置による効率のよい冷却を行う上で好ましいものとなる。
請求項4に記載された発明によれば、ポンプを噴射ノズル用とラジエタ用とで共通化すると共に、インバータをポンプ用と冷却ファン用とで共通化して、部品点数削減やコスト低減等の上で好ましいものとなる。
請求項5に記載された発明によれば、インバータとスイッチという2つの要素を制御するだけで、ポンプを運転しつつ冷却ファンを停止させた状態でもってポンプの運転能力を可変制御する態様と、ポンプを運転しつつ冷却ファン作動させた状態でポンプの運転能力に応じた運転能力でもって冷却ファンを運転する態様と、ポンプおよび冷却ファンを共に停止させた状態とを簡単に得ることができる。
請求項6に記載された発明によれば、異常高温になっている噴射用液体の温度をすみやかに低下させる上で好ましいものとなる。
【0027】
請求項7に記載された発明によれば、ポンプが自動運転される旨が警報されるので、介護者や使用者は、装置になんらかの異常が発生したと勘違いしてしまうことが防止されることになる。とりわけ、音声によって警報を行うので、表示画面での警報表示(視覚にうったえる警報)の場合に比して、警報内容が周囲の者に確実に伝達されて、装置の異常発生でないということを明確に認識させる上で好ましいものとなる。
【0028】
請求項8に記載された発明によれば、ポンプの運転による予熱での昇温は、所望の設定温度よりも所定分低い温度にまで昇温させる範囲としてあるので、その後に治療用にポンプが運転されたときに、噴射用液体が早い時期に高温になり過ぎてしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
請求項9に記載された発明によれば、極力早く噴射用液体の温度を所定温度にまで昇温させる上で好ましいものとなる。また、噴射用液体の実際の温度が所定温度に近づくほどポンプの運転能力が小さくされるので、所定温度を超えて昇温されてしまう事態を確実に防止する上でも好ましいものとなる。
請求項10に記載された発明によれば、オン用温度とオフ用温度との間にヒステリシスを設定して、頻繁にポンプがオン、オフされてしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
【0029】
請求項11に記載された発明によれば、請求項1および請求項7に対応した両方の効果を奏する装置が提供されることになる。また、マニュアル設定された設定温度を境にして、第1制御手段による噴射用液体の冷却制御と、第2制御手段による予熱による噴射用液体の昇温制御とを明確に区別した制御とすることができる。
請求項12に記載された発明によれば、液体式マッサージ装置として、広く普及している使用者が横たわり姿勢でマッサージを受ける形式のものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1、図2において、フレームF上に本体ハウジング1が固定、設置され、この本体ハウジング1は、例えば繊維強化プラスチックによって、上方のみが開口された細長い槽状に形成されている。この本体ハウジング1は、略水平に配設されて、その上方開口1aは支持シート2によって液密に施蓋されている。支持シート2上には、マッサージを受ける使用者(患者)Mが、例えばあお向け等の倒伏姿勢(横たわり姿勢)でもって保持(支持)される。つまり、支持シート2は、使用者Mを少なくとも仰向けの状態で支承可能なような大きさとされている。この支持シート2は、その周縁部が、本体ハウジング1(の上方開口1a)の周縁部に液密となるように固定されている。なお、支持シート2は、例えば、全体としてゴム等の薄い弾性部材のみによって形成するようにしてもよく、あるいは強度確保のためにその内部に強化繊維を含むもの、さらには使用者Mの体重を支える強度に優れたネット状部材とその上に敷設されたシリコンゴム製等の軟質シート材を重ねた構造にする等、適宜の構造のものを用いることができる。
【0031】
本体ハウジング1内には、マッサージ液体としての噴射用液体(通常は湯水が用いられる)が貯溜されており、実施形態では本体ハウジング1内に噴射用液体が充満されて(本体ハウジング1内で噴射用液体の自由表面なしの状態)、支持シート2に作用する使用者Mの重量が本体ハウジング1内の噴射用液体でもって受け止められるようにされている。なお、本発明は、本体ハウジング1内が噴射用液体で充満される場合に限らず、噴射用液体が本体ハウジング1内で自由表面を有する形式のものであってもよい。
【0032】
本体ハウジング1の底部には、複数の噴射ノズル11a〜11fが固定されている。噴射ノズル11a〜11fは、支持シート2上に仰向けで横たわる使用者Mに対して、次のような位置に指向されている。すなわち、噴射ノズル11aは1つのみ設けられて、使用者Mの首部に指向されている。噴射ノズル11bは、左右一対設けられて使用者Mの肩部に指向されている。噴射ノズル11cは、1つのみ設けられて、使用者Mの腰部に指向されている。噴射ノズル11d〜11fはそれぞれ左右一対設けられて、11dは使用者Mの尻部に指向され、11eは使用者Mの太もも部に指向され、11fは使用者Mのふくらはぎ部に指向されている。なお、実施形態では、各噴射ノズル11a〜11fは、垂直軸線回りに回転可能な中空体の偏心部に噴射孔が開口されると共に、噴射孔から噴射される噴射用液体の反力が中空体の接線方向の成分を有するように設定されている。これにより、噴射孔から噴射用液体が噴射されたとき、噴射圧力の反力によって中空体が回転駆動されて、噴射孔から噴射される噴射用液体は、旋回しつつ支持シート2の内面に向けて噴射されることになる。なお、噴射ノズルは固定式としたり、例えば本体ハウジング1の長手方向に走行駆動される台車に噴射ノズルを取付けて、噴射ノズルを本体ハウジング1の長手方向に移動可能とすることもできる。この他、噴射ノズルを、本体ハウジング1の左右方向に移動させたりする等、適宜変位させる構造を採用することができる。
【0033】
本体ハウジング1の周囲には、ポンプ12が配設されている(図2では図示を略す)。図3に示すように、ポンプ12の吸込口が、吸い込み管13を介して本体ハウジング1内の底部に連通されている。また、ポンプ12の吐出口に連なる共通吐出管14から複数の分岐吐出管14a〜14gに分岐されて、分岐吐出管14a〜14fが各噴射ノズル11a〜11fに個々独立して接続されている(分岐吐出管14b、14d〜14fは、対応する噴射ノズルが左右一対有する関係上、2本づつ設定されている)。なお、分岐吐出管14gは、後述するラジエタ用となっていて、噴射ノズル用となる分岐吐出管14a〜14fよりも小径に設定されている。ポンプ12によって吸い込まれた本体ハウジング1内の噴射用液体は、噴射ノズル11a〜11fから支持シート2の下面に向けて噴射されて、使用者Mに対するマッサージが行われることになる。なお、各分岐吐出管14a〜14fにはそれぞれ電磁式の調整弁15a〜15fが接続されて(調整弁15b、15d〜15fは、対応する噴射ノズルが左右一対有する関係上、2個づつ設定されている)、各調整弁15a〜15fの開度を個々独立して調整することにより、噴射ノズル11a〜11fからの噴射圧力(噴射量)を個別に変更することが可能となっている。また、ポンプ12の運転能力、つまり噴射ノズル11a〜11fに対する噴射用液体の供給圧力(供給量)が、インバータ16によって調整可能となっている。
【0034】
前記分岐吐出管14gは、最終的に本体ハウジング1の底部に開口された循環系路を構成しており、この分岐吐出管14gの途中には、ラジエタ20が接続されている。分岐吐出管14gからラジエタ20に供給された噴射用液体は、ラジエタ20内を流れた後、再び本体ハウジング1内に戻されるようになっている。このラジエタ20は、図2に示すように、本体ハウジング1やフレームFの周囲を覆う化粧板21に形成された空気の吸込口21aに臨んでおり、ラジエタ20の裏面側に配設された電動式の冷却ファン22を作動させることにより(冷却ファン22の駆動モータが符合22aで示される)、吸込口21aから吸引された空気がラジエタ20を通過し、この空気とラジエタ20内を流れる噴射用液体との間で熱交換されて、噴射用液体が冷却されるようになっている。
【0035】
図3において、30は電源(例えば交流200Vの商用電源)で、この電源30に対して、マニュアル操作される電源スイッチ(主電源スイッチ)31を介して、インバータ16が接続される。冷却ファン22は、インバータ16に対して、電磁式のスイッチ32を介して接続されている。つまり、インバータ16は、ポンプ12用と冷却ファン22用とで共通化されて、スイッチ32がオンされているときに、インバータ16の出力周波数を変更することにより、ポンプ12の運転能力と冷却ファン22の運転能力(ラジエタ20の冷却能力)とが同時に変更されることになる。
【0036】
図中Uはマイクロコンピュータを利用して構成された制御手段としてのコントローラであり、このコントローラUは、電源30に対してAC/DC変換回路33を介して接続されている。コントローラUは、電源スイッチ31をバイパスして常時電源30に接続されている態様とされる。このコントローラUには、操作パネルSPに設けたマニュアル操作される各種スイッチS1〜S4からの信号が入力される。スイッチS1は、待機モード/治療モードの切換用である。スイッチS2は、噴射用液体の設定温度を設定するためのものであり、実施形態では、例えば、30度C、35度C、40度Cの3つの温度の中から選択されるようになっている。スイッチS3は、開始スイッチであり、治療モードが選択されていることを条件としてオンされることによって、ポンプ12が治療用に適した運転能力(例えば40〜50HZ)でもって運転開始される。スイッチS4は、マッサージを行う時間を設定するものである。上記スイッチS1によって待機モードが選択されているときは、後述する予熱のためにポンプ12が適宜運転される。
【0037】
コントローラUには、本体ハウジング1内に配設されて噴射用液体の温度を検出する温度センサ41で検出された検出温度が入力される。また、コントローラUからは、操作パネルSPに設けた表示画面42に対して各種情報を表示させるための信号が出力され、また音声による警報を行うためのスピーカ43に対して出力される。なお、スピーカ43は、周囲に居る者によく聞こえる位置、例えば液体式マッサージ装置の上面に配設されているが(図1参照)、装置の側面等適宜の位置に配設することができる。また、操作パネルSPも、操作し易くかつ目視し易い位置に配設される。
【0038】
次に、図4〜図6のフローチャートを参照しつつ、コントローラUによる制御内容のうち噴射用液体の温度に関連した部分の制御について説明する。なお、図4、図5は治療モードでの制御内容を示し、図4,図6は待機モードでの制御内容を示す(図4は治療モードと待機モードとの共通用)、また、以下の説明でQはステップを示す。
【0039】
まず、図4のQ1において、スイッチS2で設定された設定温度Tと、温度センサ41で検出された噴射用液体の温度つまり検出温度Taとが読み込まれる。次いで、Q2において、検出温度Taが、異常高温となる例えば45度C(特許請求の範囲における第2所定温度に対応)よりも高いか否かが判別される。このQ2の判別でYESのときは、Q3において、水温が異常である旨のエラーコードが表示画面42に表示される。次いで、Q4において、最低周波数(実施形態では28HZ)でもってポンプ12と冷却ファン22とが運転されて、噴射用液体の冷却が行われる。すなわち、ポンプ12の運転能力は、治療用の運転能力よりも十分に小さいものとされて、ポンプ12の発熱に起因する噴射用液体の昇温を抑制しつつ、噴射用液体がラジエタ20を循環することになる。ラジエタ20を循環する噴射用液体は、冷却ファン22によって送風される外気との間で熱交換されて冷却された後、本体ハウジング1へ戻されることになる。このようにして、噴射用液体の冷却が進行される。Q4の後は、Q5において、スピーカ43によって、警報が行われる。この警報の内容は、「電源スイッチ31をオフしない旨」、「ポンプ12が停止される旨」、「水温が異常高温である旨」であり、特に「冷却のために電源スイッチ31をオフしない旨」というように、電源スイッチ31をオフしてはいけない理由をも含めて警報を行うのが好ましいものである。
【0040】
Q5の後は、Q6において、検出温度が40度C(スイッチS2による最高設定温度に対応)以下になったか否かが判別される。このQ6の判別でNOのときは、Q3に戻って、噴射用液体を冷却する処理が続行される。Q6の判別でYESのときは、Q7において、ポンプ12と冷却ファン22とがそれぞれ停止される。
【0041】
治療モードが選択されているとき、上記Q7の後、あるいはQ2の判別でNOのときは、それぞれ図5のQ11へ移行される。Q11では、検出温度Taが設定温度T以下であるか否かが判別される。このQ11の判別でNOのときは、Q12において、冷却ファン22用のスイッチ32がオン状態とされて、ポンプ12が運転された場合に即座に冷却ファン22が作動される待機状態とされる。Q12の後、Q13において、開始スイッチS3がオンされたことを条件として、ポンプ12の運転が開始される。このポンプ12の運転が開始されるときに、冷却ファン22も作動開始されることになる(Q12の処理によってスイッチ32がオンされている)。このQ13の後、Q14において、検出温度Taが設定温度T以下であるか否かが判別される。このQ14の判別でNOのときは、Q12に戻る。また、Q14の判別でYESのときは、Q15において、冷却ファン22が停止される。このQ15の後、あるいはQ11の判別でYESのときは、それぞれ図4のQ1に戻る。
【0042】
前述のように、治療モードが選択されているときは、噴射用液体が異常高温となったときの温度低下の制御(図4対応)と、治療用にポンプ12が運転されたときに噴射用液体が設定温度Tから過度に上昇しないようにする温度制御(図5対応)とが行われる。なお、図4の異常高温対応の制御の際は、実施形態では各調整弁15a〜15fはそれぞれ全開とされる。
【0043】
図6は、待機モードが選択されているときの制御内容であり、図4の制御が行われた後の制御内容を示す。この図6において、まず、Q21において、設定温度Tに応じて、TA、T、TC、TDの4つのしきい値温度が設定される。しきい値温度TAは、設定温度Tよりも3度C低い温度に設定され、しきい値温度TBは設定温度Tよりも5度C低い温度に設定され、しきい値温度TCは、設定温度Tよりも6度C低い温度に設定され、しきい値温度TDは設定温度Tよりも7度C低い温度に設定される。具体的には、設定温度Tが40度Cに設定されている場合は、しきい値温度TAは37度Cであり、しきい値温度TBは35度Cであり、しきい値温度TCは34度Cであり、しきい値温度TDは33度Cである。
【0044】
上記しきい値温度TAとTBとは、予熱のためのポンプ12の運転と運転停止との間にヒステリシスを設定するためのものであり、ポンプ12が停止されている状態で検出温度Taがしきい値温度TB以下になったときにポンプ12の運転が開始され、予熱のためにポンプ12が運転されている状態で検出温度Taがしきい値温度TA以上となったときにポンプ12が停止される。なお、予熱のためのポンプ12の運転能力は、検出温度Taが低いほど大きく(高く)されるが、しきい値温度TC、TDはこのポンプ12の運転能力を変更するためのしきい値として利用される。
【0045】
上述したQ21の後は、Q22において、検出温度Taが、しきい値温度TB以下であるか否かが判別される。このQ22の判別でYESのときは、起動後最初の動作であるか否かが判別される。このQ24の判別でYESのときは、Q24において、予熱のためにポンプ12の運転が開始される旨の警報が、表示画面42への表示によって行われると共に、スピーカ43からの音声警報によって行われる。この画面あるいは音声による警報は、例えば「ポンプが運転される旨」のみの簡単な警報でもよく、「予熱を行うためにポンプを運転する旨」というように、ポンプを運転する理由をも付した警報とすることもできる。
【0046】
Q23の判別でNOのときは、既に予熱のためのポンプ12の運転が行われているときであり、このときは、Q25において、予熱中である旨の警報が、表示画面42への表示によって行われると共に、スピーカ43を利用した音声によって行われる。なお、Q25での警報は、予熱実行中であって、周囲に居る介護者や使用者Mは予熱開始時ほど違和感を抱かないために、間欠的な警報であってもよい(例えば30秒に1回程度、「ポンプを運転中である旨」あるいは「予熱中である旨」、さらに丁寧に「予熱のためにポンプを運転中である旨」の警報が行われる。
【0047】
Q24あるいはQ25の後は、Q26において、検出温度Taがしきい値温度TD以下であるか否かが判別される。このQ26の判別でYESのときは、Q27において、ポンプ12が最大の運転能力(実施形態では50HZでの運転)が行われる。Q26の判別でNOのとき、あるいはQ27の後は、Q28において、検出温度Taが、しきい値温度TDよりも大きくてかつTC以下であるか否かが判別される。このQ28の判別でYESのときは、Q29において、ポンプ12が例えば48HZというように、Q27での運転能力よりも小さい運転能力でもって運転される。Q28の判別でNOのとき、あるいはQ29の後は、Q30において、検出温度Taが、しきい値温度TCよりも大きくてかつTB以下であるか否かが判別される。このQ30の判別でYESのときは、Q31において、ポンプ12が例えば40HZというように、Q29での運転能力よりも小さい運転能力でもって運転される。
【0048】
前記Q30の判別でNOのとき、あるいはQ31の後は、Q32において、検出温度Taが、しきい値温度TA以上であるか否かが判別される。このQ32の判別でNOのときは、Q21に戻って、検出温度Taがしきい値温度TB以上になるまで、予熱のためにポンプ12の運転が続行されることになる。Q32の判別でYESのときは、予熱終了ということで、図4のQ1に戻る。
【0049】
上述したように、予熱を行う待機モードでは、検出温度Taが設定温度Tよりも小さい温度に設定された所定温度(TA、TB)よりも低いときに、予熱のためにポンプ12の運転が行われる。このとき、しきい値温度としてTA、TBというヒステリシスの設定によって、予熱のためにポンプ12が頻繁に運転開始、運転停止を繰り返してしまう事態が防止される。また、検出温度Taが低いほどポンプ12の運転能力を高めて、極力すみやかに設定温度T付近にまで噴射用液体の温度が昇温されることになる。なお、検出温度Taに応じたポンプ12の運転能力の変更は、3段階以上に設定してもよく、あるいは無段階に変更するようにしてもよく、また運転能力を変更しない一定の運転能力に維持したままとすることもできる。なお、図6の予熱のための温度制御の際は、実施形態では、合計10個設けられた調整弁15a〜15fのうち任意の4個が全開とされ、他の6個の調整弁は全閉とされる。
【0050】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。本体ハウジング1としては、ベッド式のものに限らず、例えば椅子形式のもの(例えば座部をマッサージ面としたり、背もたれ部をマッサージ面にする)等適宜の形式のものとすることができる。冷却装置は、空冷式に限らず、例えば冷凍サイクルを利用したもの等適宜の形式のものを利用できる。
【0051】
ラジエタ20に対して噴射用液体を循環させるポンプを、噴射ノズル用のポンプ12とは別個独立して設けるようにし、しかも冷却ファン22の運転能力変更用のインバータを、ポンプ12の運転能力変更用のインバータ16とは別個独立して設けるようにすることもできる。この場合は、図4のQ3〜Q5での処理のときに、ポンプ12の運転を停止しつつ、少なくとも冷却ファン22の運転能力を最大にして、ラジエタ20での冷却能力が最大となるようにするのが好ましい(ラジエタ専用ポンプの運転は、その発熱と噴射用液体の循環量との兼ね合いから、冷却能力が最大となる運転能力を選択すればよい)。
【0052】
警報をスピーカ43のみで行うようにしてもよい。また、表示画面42とスピーカ43との少なくとも一方を利用した警報(あるいは案内)を、例えば次のようにして行うようにしてもよい。治療開始スイッチS3をオンしたときに、「治療を開始しました」という案内や、これに加えて、「軽く脚を開き、体の力を抜いて下さい」という案内を行う。待機モードであるときに「待機状態です」という案内を行う。予熱が終了している段階で、「治療スイッチを押して治療して下さい」という案内を行う。装置になんらかの異常が生じたときに「エラーが発生したました」という案内を行う。各種センサや水位の異常低下のときに、「異常が生じました、サービスマンを呼んで下さい」という警報を行ったり、各種バルブ類が異常なときに、「表示画面のエラーコードをサービスマンに連絡して下さい」という案内を行う。各種機器類の異常高温時に、「電源を切って、表示画面のエラーコードをサービスマンに連絡して下さい」という案内を行う。治療時間が経過して時点で、「治療が終了しました」という案内を行い、これに加えて「ゆっくりと器械から降りて下さい」という案内を行う。電源30の電圧が異常降下したときに「電源電圧が低下しています」という警報を行う。ポンプ12の温度が高くなりすぎたときに「ポンプの強さを制限します」という案内を行う。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明が適用された液体式マッサージ装置の一例を示す平面図。
【図2】図1の側面断面図。
【図3】噴射用液体の循環系統例と制御系統例とを示す図。
【図4】本発明の制御例を示すフローチャート。
【図5】本発明の制御例を示すフローチャート。
【図6】本発明の制御例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0054】
1:本体ハウジング
1a:上方開口
2:支持シート
11:噴射ノズル
12:ポンプ
16:インバータ(運転能力変更用)
20:ラジエタ
22:冷却ファン
31:電源スイッチ
32:電磁式スイッチ(冷却ファン用)
41:温度センサ
43:スピーカ(音声警報用)
U:コントローラ(制御手段)
M:使用者
SP:操作パネル
S1:待機モードと治療モードとの切換スイッチ
S2:温度設定スイッチ
S3:開始スイッチ
T:設定温度
Ta:検出温度
TA:しきい値温度(予熱終了用)
TB:しきい値温度(予熱開始用)
TC:しきい値温度(ポンプ運転能力変更用)
TD:しきい値温度(ポンプ運転能力変更用)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ハウジングの所定面が、使用者が外部から接触されるマッサージ面とされ、
前記本体ハウジング内に、前記マッサージ面の内側面に対して噴射用液体を噴射するための噴射ノズルが配設され、
前記本体ハウジング内の噴射用液体を吸い込んで、前記噴射ノズルに噴射用液体を供給するためのポンプが設けられた液体式マッサージ装置において、
前記噴射用液体の温度を検出する温度センサと、
前記本体ハウジング内の噴射用液体を冷却するための電動式の冷却装置と、
前記冷却装置への電源供給をオン、オフするための電源スイッチと、
前記温度センサで検出される検出温度が第1所定温度よりも高くなったときに前記冷却装置を作動させると共に、該検出温度が該第1所定温度よりも高い温度に設定された第2所定温度よりも高くなったときに前記ポンプの運転能力を強制的に低下させる制御手段と、
前記検出温度が前記第2所定温度よりも高くなって前記ポンプの運転能力が強制的に低下されるときに、前記電源スイッチをオフしないようにする旨の警報を音声によって行う警報手段と、
を備えていることを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記警報手段が、さらに、前記検出温度が前記第2所定温度よりも高くなったときに、前記ポンプの運転能力が強制的に低下される旨の警報を音声によって行うように設定されている、ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記制御手段は、前記検出温度が前記第2所定温度よりも高くなったときに、前記ポンプの運転能力を強制的に低下させた状態で該ポンプの運転を継続して行わせるように設定され、
噴射用液体の温度をマニュアル指令する温度設定スイッチを備え、
前記制御手段は、前記ポンプの運転能力が強制的に低下されると共に前記冷却装置が作動されている状態において、前記検出温度が前記温度設定スイッチにより選択し得る最高設定温度以下になったときに、該ポンプと冷却装置とを共に停止させる、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、
前記冷却装置が、前記ポンプから噴射用液体が供給されると共に該供給された噴射用液体を前記本体ハウジングに戻す循環系路と、該循環系路に接続されたラジエタと、該ラジエタに対して外気を送風させる電動式の冷却ファンとを備え、
前記ポンプと冷却ファンとの共通用とされたインバータを備え、
前記制御手段は、前記インバータを制御することにより、前記ポンプの運転能力と冷却ファンの運転能力とを制御する、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記インバータと冷却ファンとの間に、前記制御手段によってオン、オフ制御されるスイッチが介在されて、該スイッチのオン、オフによって、前記ポンプが運転されている状態において前記冷却ファンの作動と作動停止との切換えが可能とされている、ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記冷却装置が、前記本体ハウジングに対して噴射用液体を循環させる循環系路と、該循環系路に接続されたラジエタと、該ラジエタに対して外気を送風させる電動式の冷却ファンと、前記ポンプとは別個独立して設けられて該循環系路に本体ハウジング内の噴射用液体を供給するための冷却用ポンプとを備え、
前記制御手段は、前記検出温度が前記第2温度よりも高くなったときに、前記噴射ノズルに対して噴射用液体を供給するための前記ポンプを停止させると共に、前記冷却用ポンプおよび前記冷却ファンを冷却能力が最大となるように運転させる、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項7】
本体ハウジングの所定面が、使用者が外部から接触されるマッサージ面とされ、
前記本体ハウジング内に、前記マッサージ面の内側面に対して噴射用液体を噴射するための噴射ノズルが配設され、
前記本体ハウジング内の噴射用液体を吸い込んで、前記噴射ノズルに噴射用液体を供給するためのポンプが設けられた液体式マッサージ装置において、
前記噴射用液体の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサで検出される温度が所定温度よりも低いときに、前記ポンプを自動運転して該ポンプが発生する熱によって噴射用液体を昇温させる制御手段と、
前記制御手段によって前記ポンプを自動運転するときに、該ポンプが自動運転される旨の警報を音声によって行う警報手段と、
を備えていることを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項8】
請求項7において、
マニュアル操作によって噴射用液体の温度を指令する温度設定スイッチを備え、
前記所定温度が、前記温度設定スイッチによって設定された設定温度よりも所定分低い温度となるように設定されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項9】
請求項7において、
前記検出温度が前記所定温度よりも低くなる度合いが大きいほど、前記ポンプの運転能力が大きくされる、ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項10】
請求項7ないし請求項9のいずれか1項において、
前記所定温度として、オン用温度と、該オン用温度よりも高い温度に設定されたオフ用温度とが設定され、
前記検出温度が前記オン用温度よりも低くなったときに前記ポンプが停止状態から運転状態に切換えられ、該検出温度が前記オフ用温度よりも高くなったときに該ポンプが運転状態から停止状態に切換えられる、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項11】
本体ハウジングの所定面が、使用者が外部から接触されるマッサージ面とされ、
前記本体ハウジング内に、前記マッサージ面の内側面に対して噴射用液体を噴射するための噴射ノズルが配設され、
前記本体ハウジング内の噴射用液体を吸い込んで、前記噴射ノズルに噴射用液体を供給するためのポンプが設けられた液体式マッサージ装置において、
前記噴射用液体の温度を検出する温度センサと、
前記本体ハウジング内の噴射用液体を冷却するための電動式の冷却装置と、
前記冷却装置への電源供給をオン、オフするための電源スイッチと、
マニュアル操作によって噴射用液体の温度を設定する温度設定スイッチと、
前記温度センサで検出される検出温度が前記温度設定スイッチによって設定される第1所定温度よりも高くなったときに前記冷却装置を作動させると共に、該検出温度が該第1所定温度よりも高い温度に設定された第2所定温度よりも高くなったときに前記ポンプの運転能力を強制的に低下させる第1制御手段と、
前記検出温度が前記第2所定温度よりも高くなって前記ポンプの運転能力が強制的に低下されるときに、前記電源スイッチをオフしないようにする旨の警報を音声によって行う第1警報手段と、
前記温度センサで検出される検出温度が、前記温度設定スイッチによって設定された設定温度よりも所定分低い温度となる第3所定温度よりも低いときに、前記ポンプを自動運転して該ポンプが発生する熱によって噴射用液体を昇温させる第2制御手段と、
前記第2制御手段によって前記ポンプを自動運転するときに、該ポンプが自動運転される旨の警報を音声によって行う警報手段と、
を備えていることを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれか1項において、
前記本体ハウジングが、上方が開口された細長い槽状に形成され、
前記マッサージ面が略水平に伸びて前記本体ハウジングの上方開口を覆う支持シートによって構成されて、使用者が横たわり姿勢でもって該マッサージ面に支持されるようにされ、
前記噴射ノズルから噴射される噴射用液体が、下方から前記マッサージ面に向けて噴射用液体を噴射するように設定されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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