説明

液体材料を吐出するノズル構造体

【課題】第1の構成部材を第2の構成部材に対して確実に位置決めすることを可能にする、アプリケーター及びノズル構造体を提供する。
【解決手段】液体材料を吐出するノズル構造体5は液体材料を吐出するノズルオリフィス31を含む。ノズルオリフィスは第1の構成部材25及び/又は第2の構成部材27、並びに、第1の構成部材の位置を第2の構成部材に対して固定する位置決め要素に関連する。位置決め要素は、第2の構成部材の取付け穴42に延びると共に第1の構成部材の対応凹部39に延びる芯出しねじ21として形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体材料を吐出する、特にホットメルト接着剤を基材上に塗布する、ノズル構造体(arrangement)であって、第1の構成部材及び/又は第2の構成部材に関連する液体材料を吐出するノズルオリフィスと、第1の構成部材の位置を第2の構成部材に対して固定する位置決め要素とを備える、ノズル構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の種類のノズルは、例えばホットメルト接着剤を基材に面状塗布(areal application)するのに使用されている。ノズル構造体は、第1の構成部材又は第2の構成部材に関連するノズルオリフィスを有する。
【0003】
ノズルオリフィスは、第1の構成部材と第2の構成部材との間に設けることもできることで、それらの構成部材の双方ともに関連する。或る塗布用途ではこれらの構成部材のうち一方が基材と接触するが、他の塗布用途では非接触式に行われる。
【0004】
しかしながら、それらの使用状況のそれぞれでは、ノズルオリフィスは正確な塗布機能を保証するようにできる限り精度よく位置決めされる必要があることが理解されるであろう。そのことは、1つの構成部材にノズルオリフィスが関連する状況に当てはまり、2つの構成部材にノズルオリフィスが関連する状況の場合にもまさしく同様に当てはまる。
【0005】
したがって、ノズルオリフィスの位置は、第1の構成部材及び第2の構成部材の相対的な位置決めによって確立される。現行の技術水準では、ノズル構造体の第1の構成部材及び第2の構成部材は、当接面若しくは接触面、又は過大な圧入により互いに関連することになる該構成部材に押し込まれる芯出しピン若しくは位置決めピンによって具現される。
【0006】
接触面による位置決めは複雑で高価な表面加工又は縁加工を必要とし、それに加え、位置決めピンの使用は第1の構成部材を第2の構成部材から(又はその逆も同様である)取り外すことを困難にすることが、現行の技術水準における不都合点とみなされている。
【0007】
しかしながら、多くの場合にメンテナンス目的又は摩耗部品の交換に予測されるのは、厳密には後者の状況であることが理解されるであろう。
【0008】
本発明の概要及び本発明の構成を以下に述べる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
背景技術を踏まえ、本発明の目的は、第1の構成部材を第2の構成部材に対して確実に位置決めすることを可能にし、現行の技術水準において見られる不都合点をできる限り軽減する、アプリケーター及びノズル構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書の冒頭部に記載した種類のノズル構造体において、本発明は、位置決め要素が、第2の構成部材の取付け穴(fitting bore:嵌合穴)に延びると共に第1の構成部材の対応凹部に延びる芯出しねじとして形成されることで、その目的を達成する。
【0011】
これに関して、本発明は、芯出しねじすなわち位置決めねじが、位置決めピンのように、位置決めすべきそれらの構成部材に押し込まれる必要がなく、螺動により、ねじ山によって係合させることができるという認識を利用する。本明細書の冒頭部に記載した種類のノズルにおける位置決めねじ又は芯出しねじの使用は、これまで知られていない。
【0012】
大きな利点は、芯出しねじすなわち位置決めねじがいつでも可逆的に解放可能であることで、第1の構成部材及び第2の構成部材を互いから分離することができることに見られる。そのように、ノズルオリフィスを新しくすること又は手入れするためのメンテナンス作業及び摩耗部品の交換を例えば、複雑さ及び経費の程度を著しく減らして実施することができる。本発明によれば、芯出しねじすなわち位置決めねじという用語は、例えばISO7379に従ったねじを指すのに用いられる。
【0013】
本発明の有利な一展開は、第1の構成部材の対応凹部のうちの第1の凹部が取付け穴であることを提示する。その場合、芯出しねじが第2の構成部材の取付け穴及び第1の構成部材の取付け穴をも双方とも貫通することが、第1の構成部材の第2の構成部材に対する位置決めがその一点で正確に確立されることをもたらす。
【0014】
好ましくは、第1の構成部材の対応凹部のうちの1つ又は複数の第2の凹部が、細長い孔の形状の部分を含む。1つ又は複数の細長い孔は好ましくは同じ方向に配向され、好ましくはノズルオリフィスの幅の方向に延びる。
【0015】
第1の構成部材の対応凹部のうちの1つ又は複数の第2の凹部を取付け穴の形態で有する構造に比して、細長い孔の形態の構成は、細長い孔が少なくとも該細長い孔の縦方向の広がりの方向に延びている限り、画定範囲を超えた固定(static over definition)を減らす。第1の構成部材の1つ又は複数の第2の凹部を貫通して第2の構成部材の取付け穴に延びる芯出しねじはそのように、細長い孔の幅狭側が実質的に取付け穴の直径に対応する場合に申し分なく精度よく位置決めされることができる。
【0016】
ノズルオリフィスは好ましくは、1つ又は複数のオリフィス断面、特に1つ又は複数のスロットを有する。
【0017】
本発明の有利な一実施の形態では、吐出スロットを形成するように第1の構成部材と第2の構成部材との間に或る距離を保証するシムが設けられる。ノズルオリフィスを呈する吐出スロットは、ノズル構造体の幅全体にわたって途切れることなく延びることができるか、又は複数のスロット部に細分化されることができる。
【0018】
吐出スロットの幅は、シムの寸法決めによって直接変えることもできる。本実施の形態では、シムの変更は、芯出しねじとして設けられた位置決め要素が解放されることによって特に有利に可能であり、その際、第1の構成部材と第2の構成部材との間に配置されたシムを取り外して変更することができる。
【0019】
シムは好ましくは、第1の凹部及び1つ又は複数の第2の凹部を含み、シムの第1の凹部及び1つ又は複数の第2の凹部の配置は、第1の構成部材の凹部の配置と一致する。この実施の形態における芯出しねじの形態の位置決め要素は、第1の構成部材、第2の構成部材及びシムを貫通する。
【0020】
本発明によるノズル構造体のさらなる好適な実施の形態では、シムの第1の凹部は取付け穴である。そのように、シムは第1の構成部材と同様にして第1の構成部材及び第2の構成部材に対して正確に一箇所に位置決めされる。したがって、シムの第1の凹部は、シムのための、それらの構成部材の位置決めに関する基準点を形成する。
【0021】
さらに好適な実施の形態では、シムの1つ又は複数の第2の凹部は細長い孔の形態である。したがって、シムの細長い孔は、第1の構成部材の対応凹部のうちの、細長い孔の形態の第2の凹部と同じ利点を享受する。十分に精密な位置決めが達成されるが、これは、芯出しねじが取り外されて再取り付けされるときに、画定範囲を超えた固定が減ることによって確実に再現することもできる。
【0022】
本発明の有利な一展開は、第2の構成部材の取付け穴及び第1の構成部材の対応凹部がノズル構造体に沿って非対称に配置されることを提示する。非対称の配置により、第1の構成部材及び第2の構成部材並びに好ましくは第1のシム(これらの配置は第1の構成部材の凹部に対応する様式で配置される)も、所与の向きにのみ取り付けることができることがもたらされる。
【0023】
例えば、シムは第1の構成部材と第2の構成部材との間に逆位置で取り付けることはできず、その理由は、凹部の非対称配置が、向きを逆にすると他方の構成部材のさらなる凹部ともはや適合しなくなるからである。その利点は、第1の構成部材が基材と接触する、スロットノズルを有するノズル構造体にも当てはまる。
【0024】
或る用途では、シムは基材との接触面も有する。接触面は好ましくは、第1の構成部材の接触面と共に研削プロセスによって作製され、したがって、第1の構成部材及び基材に密に合致する。シムの向きを逆にすれば、基材との接触の結果、シムの摩耗を加速することにつながるであろうし、最悪の場合のシナリオでは、基材への損傷又は基材の破損につながるであろう。しかしながら、凹部の非対称構成という本発明による構成がそれを防止する。
【0025】
好ましくは、第1の構成部材の第1の凹部及び第2の構成部材の関連する取付け穴は、ノズル構造体の縁部に配置される。構成部材の相対的な位置決めのための基準点を形成する凹部の上記配置は、非対称配置の設計を単純化するが、特に、第1の構成部材及び第2の構成部材の互いに対する取付けにおける角度の精度がノズル構造体の中央部の基準凹部の配置に比して高まるため、構成部材の相対的な位置の精度も実質的に高まる。
【0026】
本発明によるノズル構造体のさらに好適な実施の形態では、第1の芯出しねじは、第1の構成部材の第1の凹部に関連し、第1の構成部材の1つ又は複数の第2の凹部に関連する1つ又は複数の第2の芯出しねじとは異なる。取付け穴又は芯出しねじの直径が大きいほど、それに対応して、絶対的な製造誤差又は製造公差の、取付け穴に対する芯出しねじの位置決めの相対的な精度に対する影響が小さくなる。その点に関して、第1の凹部及び該第1の凹部に関連する第1の芯出しねじができる限り大きな寸法を有する場合が有利であり、そのようにして、それによって作製される基準点の正確さを高めるようにする。
【0027】
好ましくは、第1の芯出しねじは、1つ又は複数の第2の芯出しねじよりも大きな直径及び/又は長い長さを有する。
【0028】
さらなる好適な実施の形態では、第1の構成部材の凹部は、芯出しねじの頭部を受け入れるように構成されている座ぐり(countersink:皿穴)を含む。芯出しねじの頭部を隠す構成により、芯出しねじの頭部がノズル構造体の外側に延びていないために動作の際にノズル構造体の取扱い性が高まる。
【0029】
代替的に、座ぐり部には、取付け穴の直径よりも大きいが芯出しねじの頭部を受け入れる穴の直径よりも小さい直径が設けられる。芯出しねじの頭部はそのように、より深刻なファウリングに晒されることは確かであるが、芯出しねじの頭部を受け入れる第1の構成部材の製造が単純化される。
【0030】
本発明の好適な実施の形態では、基材上に吐出するように第1の構成部材に液体を導くように構成された流路が第2の構成部材内に形成されている。
【0031】
さらに好適な実施の形態では、第2の構成部材はアプリケーターに固定されるように構成される。代替的に、第2の構成部材はアプリケーターの一部の形態である。したがって、そのような構成のノズル構造体は一部がアプリケーターに一体化され、一部が別個の構成部材の形態である。アプリケーターに対して外側に配置されると共にアプリケーターに機能的にのみ関連し得る2つの別個の構成部材によってノズル構造体を設計することは、伴う部品に関して複雑性の程度の増大を受け入れることになるが、2つの部品を別々により容易に交換することができるという利点を得る。
【0032】
好ましくは、ノズル構造体の第1の構成部材は口金であり、ノズル構造体の第2の構成部材は口金アダプターである。この実施の形態では、ノズル構造体は、特にホットメルト接着剤を基材に面状塗布するように構成される。本発明の利点は特に、概して幅広のスロットノズルが同様に幅広の口金及び幅広の口金アダプター(これらは流体の均一な塗布を確実にすると共に基材を損傷させる危険性を抑えるように互いに特に正確に位置決めされねばならない)を有しているという理由で、基材への面状塗布のためのノズル構造体の場合に恩恵を享受する。
【0033】
好ましくは、第1の構成部材及び/又は第2の構成部材は、層硬化型(layer-hardened)又は完全硬化型(completely hardened)の材料からなる。特に、完全硬化型の構成部材が、現行の技術水準に勝る本発明の利点をはっきり示している。第1の構成部材及び第2の構成部材を互いに対して位置決めすることは、位置決めにおける非常にわずかな違いでさえも、ノズル構造体、特にスロットノズルからの液体の不均一な吐出を生じさせるため、非常に厳密な公差での製造を要する。層硬化型又は完全硬化型の構成部材は、困難なしには依然として加工することができず、その理由から、硬化手順の前に材料成形加工又は材料切断加工をできる限り先に行う。
【0034】
しかしながら、硬化手順の結果、構成部材のサイズに対する精度が影響を受けることに留意されたい。歪が生じる。接触面又は位置決めピンによる位置決めは概して、完全硬化型の構成部材の場合では実施されることができない。硬化手順後、寸法歪みによって、構成部材を互いに対して芯出しするための凹部を構成部材に導入せねばならないため、非常に複雑で費用のかかる手順、例えばEDM(放電加工)を伴う。
【0035】
その理由から、層硬化型又は完全硬化型の構成部材の場合では、本発明により提案される解決策が特に好適である。硬化手順により構成部材の歪が生じることは既に確かに確認されている。しかしながら、特に、スロットノズルを有するノズル構造体は、スロットに対する垂直方向よりもスロット方向に実質的に幅広く、そのため、スロットに対する垂直方向よりもスロット方向に、より大きな寸法歪みが予測されることになる。
【0036】
したがって、第1の構成部材の1つ又は複数の第2の凹部、及び場合によってはシムを、細長い孔の形態で設計することが特に好ましい。細長い孔は、それらの広がりの方向に予測すべき大きな寸法歪みを吸収する。細長い孔に対する垂直方向の寸法歪みは無視するものとする。したがって、完全硬化型の構成部材であっても、非常に正確な位置決めを達成することができ、その場合、完全硬化型の構成部材だけでなく層硬化型の構成部材も、従来の製造プロセスに比して、製造費用が著しく安価であり、互いに対して位置決めすることができる。本発明の大きな利点はその点にも見られるものとする。
【0037】
代替的に、第1の構成部材及び第2の構成部材は、セラミック又はさらなる複合材料から作製される。本発明に必須の利点はそれらの材料の場合にも享受される。
【0038】
好適な実施の形態では、第1の芯出しねじ、及び/又は、1つ又は複数の芯出しねじは、特別なねじの形態である。好ましくは、芯出しねじはねじ部、頭部、該ねじ部と頭部との間に配置された芯出し部を有する。上記タイプの標準ねじとは異なり、本実施の形態における好適な芯出しねじはねじ部と芯出し部との間に面取り部を有する。面取り部により、第1の構成部材、第2の構成部材及びシムのそれぞれに関連する穴に芯出しねじをねじ込んで通すことがより容易となる。
【0039】
さらに好ましくは、特別なねじの形態の芯出しねじは、上記標準に対し、平部の両端にわたって幅が増しており、特に六角形の凹部断面が増している。これにより、ねじが接着剤による汚染を受けることが減る。ねじは、ねじ回しのための凹部に入り込む接着剤が増したとしても依然として作動可能である。
【0040】
本発明によれば、液体材料、特にホットメルト接着剤を基材に塗布するアプリケーターであって、ベースボディと、ノズルオリフィスを含むノズル構造体とを備えるアプリケーターが、該アプリケーターにおけるノズル構造体が本発明の好適な実施の形態に従って形成されるように展開されることになることがさらに提案される。
【0041】
液体材料を塗布する製造設備(production facility:製造装置)であって、液体材料を塗布する1つ又は複数のアプリケーターと、液体材料を供給するユニットと、液体材料を1つ又は複数のアプリケーターに供給する搬送手段とを備える、液体材料を塗布する製造設備が、1つ又は複数のアプリケーターの少なくとも1つが本発明の好適な実施の形態によるノズル構造体を有するように展開されることがさらに提案される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明によるアプリケーターにおける、本発明によるノズル構造体の斜視図である。
【図2】図1のノズル構造体の側面投影図である。
【図3】図2のノズル構造体のさらなる側面投影図である。
【図4】図2及び図3のノズル構造体のまたさらなる側面投影図である。
【図5】本発明によるノズル構造体の第1の構成部材の側面図である。
【図6】本発明によるノズル構造体の第1の構成部材のさらなる側面図である。
【図7】図6の詳細図である。
【図8】図5の断面図である。
【図9】図5のさらなる断面図である。
【図10】図1のノズル構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
好適な実施形態によって、また、添付の図面を参照しながら、本発明を以下でより詳細に説明する。
【0044】
図1に斜視図で示すアプリケーター1はベースボディ3を有する。ノズル構造体5がベースボディ3に接続されている。図1に示すアプリケーター1はまた、弁構造部(図示せず)の電気作動及び/又は空圧作動に適合された制御ユニット7も有する。
【0045】
アプリケーター1は、固定ピン9によって、対応する製造設備に取り付けることができるか、又は該製造設備の中に取り付けることができ、この固定ピン9もまたベースボディ3に配置されている。図示のアプリケーター1は、吐出すべき液体、例えば塗布すべきホットメルト接着剤を濾過するフィルター11がベースボディ3に取り付けられている。フィルター11には、六角ナットを有すると共にベースボディ3に対して出入りするように延びているフィルターヘッド13が付随している。
【0046】
アプリケーター1はさらに、液体、例えばホットメルト接着剤をアプリケーターに供給する給送手段15を有する。そのために、給送手段15には、給送接続部17が設けられており、この給送接続部17に、液体をアプリケーターに供給する給送ラインがさらに接続されている。
【0047】
アプリケーター1は、給送接続部17によって液体を給送手段15に受け入れてフィルター11に通すように構成されている。フィルター11は、供給された液体をフィルター体に流すように構成されている。アプリケーターはさらに、液体を吐出オリフィスによってノズル構造体5に通すように構成されている。
【0048】
主要な電気接続部19がアプリケーター1にさらに備わっている。主要な電気接続部19は、電気信号をアプリケーターに送り、また、それらの電気信号をアプリケーターから評価ユニット(図示せず)に送るように構成されている。その点に関して、電気信号という用語は切替信号又は測定信号も指すのに用いられる。主要な電気接続部はまた、制御ユニット7を制御するために切替信号を伝達するように構成されている。
【0049】
ダミーの電気プラグ20がベースボディ3をさらなる箇所で閉鎖している。ダミーの電気プラグ20によって覆われている接続部は、さらなる電気接続部を提供するように構成されている。
【0050】
主要な電気接続部19は、ベースボディ3内でアプリケーター1を加熱する電力を給送するようにさらに構成されている。
【0051】
図1に示すノズル構造体3は2部構造を有し、口金形態の第1の構成部材25と口金アダプターの形態の第2の構成部材27とを有する。第1の構成部材25及び第2の構成部材27は、第1の位置決めねじすなわち芯出しねじ21及び総計7つの第2の芯出しねじすなわち位置決めねじ23によって互いに固定されており、互いに対して位置決めされている。
【0052】
ノズル構造体5は、第1の構成部材25側では、ノズルオリフィス31に延びる丸み領域29を有する。本例では、ノズルオリフィス31はスロットの形態である。第2の構成部材27の、ノズルオリフィス31に隣接する側面には、流れを破断させる(break away)ように構成された破断縁33が延びている。
【0053】
図2〜図4は、本発明によるノズル構造体5の種々の側面図を示す。この例では、図2〜図4に示すノズル構造体5は、アプリケーター1と共に図1に示したノズル構造体5に対応する。
【0054】
図2は、基材の方向からのノズル構造体5を示す。第1の構成部材25の側の眺めであることが明らかである。第1の構成部材25は、スロット31に延びている破断縁33によって下方に境界を定められている(図4を参照のこと)。第1の芯出しねじすなわち位置決めねじ21及び総計7つの第2の芯出しねじすなわち位置決めねじ23が、第1の構成部材25を貫通し、第2の構成部材(図示せず)にねじ込まれている。
【0055】
この構成では、第1の芯出しねじ21及び第2の芯出しねじ23は、第2の構成部材27の取付け穴(同様に図示せず)に延びている。第2の構成部材27の上側面からは(図3及び図4を参照のこと)、2つのねじ部35が直立しており、これらのねじ部35は(図1に示すように)アプリケーター1にノズル構造体5を螺着するように構成されている。図2及び図3から、第1の芯出しねじ21及び第2の芯出しねじ23が非対称配置を有することが明らかであろう。
【0056】
本実施形態では、この非対称性は、第1の芯出しねじ21が第2の芯出しねじ23よりも大きな寸法であると共に第2の芯出しねじ23よりも大きな取付け穴を必要とすることによって得られる。他の非対称構成は例えば、水平方向及び/又は垂直方向への芯出しねじ及び対応凹部の相対的な間隔のばらつきを含む。
【0057】
図3及び図4はさらに、シム37が第1の構成部材25と第2の構成部材27との間に配置されていることを示す。シムはノズルオリフィス31、したがって本例ではスロットの幅を画定するように構成されている。
【0058】
上から見た場合のノズル構造体5が図3に示されている。この眺めは、アプリケーター1の対応面に関連することができる接続面34の側であることが明らかである。2つのねじ部35間には、液体をアプリケーター1から受け取ると共に流れ通路(図示せず)によってノズルオリフィス31(図4を参照のこと)に給送するように構成されている給送オリフィス36が設けられている。シール38が給送オリフィス36を囲んでいる。シール38は正方形リング又はOリングの形態であるものとすることができる。
【0059】
図5〜図9は、本発明によるノズル構造体5の第1の構成部材25の種々の側面図及び断面図を示す。この実施形態では、以上で既に述べたように構成部材25は口金の形態である。図5は、第2の構成部材27の側面から見た場合の第1の構成部材25の側面図を示す。第1の構成部材25は、その側面の、図の右側に縁部26を有しており、この縁部26には、基準形成のために第1の構成部材25の第1の凹部39が設けられている。第1の凹部39は、第1の芯出しねじ21(図1〜図4を参照のこと)に対応する取付け穴である。
【0060】
図8は、縁部26の断面図を示す。図8から、取付け穴39の部分は第1の構成部材25内を完全には延びていないが、取付け穴39の断面よりも大きな断面のさらなる座ぐり凹部43が取付け穴39と同心円状に設けられていることが分かるであろう。図示の座ぐり凹部43は、関連する取付けねじの頭部を受け入れるのに十分なサイズとなっていない。しかしながら、後者の構成は、あり得る有利な代替形態を示すことに留意されたい。
【0061】
ここでまた図5が、総計7つの第2の凹部41を示す。第1の凹部39及び第2の凹部41の配置は、第2の構成部材27の取付け穴(図示せず)の配置に対応する。これらの第2の凹部49のうちの1つの断面図を図9に示す。
【0062】
同様に図9から分かるように、細長い孔の形態の凹部41は、第1の構成部材25内に完全に延びていないが、円筒構成の、細長い孔41と実質的に同心円状に配置されている凹部45をさらに有している。取付け穴の形態の第1の凹部39及び細長い孔の形態の第2の凹部41は、生産の経済性の理由から、第1の構成部材25の材料厚全体に完全には形成されていないが、ただし、位置決めに関わる領域にのみ形成されている。
【0063】
図6は、第1の構成部材25の側の正面からの側面図であるが、図2に比して、第1の芯出しねじ21及び第2の芯出しねじ23は存在していない。しかしながら、構造上の同一性のため、この点に関して図2に留意されたい。図7は、第1の構成部材25の第1の凹部及び2つの第2の凹部41を有する縁部26を示す、図6の一部を拡大スケールで示していることに留意されたい。
【0064】
図7は、図8及び図9と共に、座ぐり凹部43及び45が座ぐり穴の形態であることを示す。座ぐり凹部43、45の適した寸法決めにより、芯出しねじ21、23の頭部も同様に、それぞれこれらの凹部に受け入れられることができる。
【0065】
図10は、縁部26における、本発明によるノズル構造体の断面図を示す。口金の形態の第1の構成部材25、シム37、及び、口金アダプターの形態の第2の構成部材27が、第1の芯出しねじ21によって互いに対して位置決めされている。第1の構成部材は基材のガイドのために丸み領域29を有する。スロットの形態のノズルオリフィス31の幅は、シム37の幅によって画定されている。第2の構成部材27は破断縁33を有している。
【0066】
第1の芯出しねじ21は、ねじ回しを受け入れるための凹部(図示せず)を有する頭部22を有している。第1の芯出しねじ21は、頭部22に対向する関係で取付け部26及びねじ部24をさらに有している。面取り部28が取付け部26とねじ部24との間に配置されている。面取り部28は、芯出し部26を取付け穴の形態の第1の凹部39とシム37の対応凹部とに通すことを単純にすると共に、芯出し部26を第2の構成部材の第1の取付け穴42に導入することを単純にするように構成されている。
【0067】
ねじ部24が、第2の構成部材の対応ねじ山44と係合して示されている。
【0068】
座ぐり凹部43は、芯出しねじ21の芯出し部26を通す貫通部の形態である。芯出しねじ21は、面取り部28を設けていることで上記の仕様の標準ねじとは異なる。しかしながら、図示されていないさらなる違いは、上記の標準ねじの平部の両端にわたる幅に対するねじ頭部の平部の両端にわたる幅の増加に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体材料を吐出する、特にホットメルト接着剤を基材上に塗布する、ノズル構造体(5)であって、
第1の構成部材(25)及び/又は第2の構成部材(27)に関連する前記液体材料を吐出するノズルオリフィス(31)と、
前記第1の構成部材(25)の位置を前記第2の構成部材(27)に対して固定する位置決め要素と、
を備え、
前記位置決め要素は、前記第2の構成部材(27)の取付け穴(42)に延びると共に前記第1の構成部材(25)の対応凹部(39、41)に延びる芯出しねじ(21、23)として形成されることを特徴とする、ノズル構造体。
【請求項2】
ノズル構造体(5)であって、前記第1の構成部材(25)の前記対応凹部のうちの第1の凹部(39)は取付け穴であることを特徴とする、請求項1に記載のノズル構造体。
【請求項3】
ノズル構造体(5)であって、前記第1の構成部材(25)の前記対応凹部のうちの1つ又は複数の第2の凹部(41)は、細長い孔の形状の部分を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のノズル構造体。
【請求項4】
ノズル構造体(5)であって、前記ノズルオリフィス(31)は、1つ又は複数の開口断面、特に1つ又は複数のスロットを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項5】
ノズル構造体(5)であって、吐出スロットを形成するように前記第1の構成部材(25)と前記第2の構成部材(27)との間に或る距離を設けるように構成されているシム(37)を特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項6】
ノズル構造体(5)であって、前記シム(37)は第1の凹部及び1つ又は複数の第2の凹部を含み、前記シム(37)の前記第1の凹部及び前記1つ又は複数の第2の凹部の配置は、前記第1の構成部材(25)の前記凹部(39、41)の配置と一致することを特徴とする、請求項5に記載のノズル構造体。
【請求項7】
ノズル構造体(5)であって、前記シム(37)の前記第1の凹部は取付け穴であることを特徴とする、請求項5又は6に記載のノズル構造体。
【請求項8】
ノズル構造体(5)であって、前記シム(37)の前記1つ又は複数の第2の凹部は、細長い孔として形成されることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項9】
ノズル構造体(5)であって、前記第2の構成部材(27)の前記取付け穴(42)及び前記第1の構成部材(25)の前記対応凹部(39、41)は、該ノズル構造体(5)に沿って非対称に配置されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項10】
ノズル構造体(5)であって、前記第1の構成部材(25)の前記第1の凹部(39)及び前記第2の構成部材(27)の関連する前記取付け穴(42)は、該ノズル構造体(5)の端部(26)に位置することを特徴とする、請求項2〜9のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項11】
ノズル構造体(5)であって、第1の芯出しねじ(21)が、前記第1の構成部材(25)の前記第1の凹部(39)に関連し、該第1の芯出しねじ(21)は、前記第1の構成部材の前記1つ又は複数の第2の凹部(41)に関連する1つ又は複数の第2の芯出しねじ(23)とは異なることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項12】
ノズル構造体(5)であって、前記第1の芯出しねじ(21)は、前記1つ又は複数の第2の芯出しねじ(23)よりも大きな直径及び/又は長い長さを含むことを特徴とする、請求項11に記載のノズル構造体。
【請求項13】
ノズル構造体(5)であって、前記第1の構成部材の前記凹部(39、41)は、前記芯出しねじ(21、23)の頭部を受け入れるように構成されている座ぐりを含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項14】
ノズル構造体(5)であって、基材上に吐出するように前記第1の構成部材(25)に液体を導くように構成されている流路が、前記第2の構成部材(27)内に形成されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項15】
ノズル構造体(5)であって、前記第2の構成部材(27)はアプリケーター(1)に固定されるように構成されるか、又は前記アプリケーター(1)の一部として形成されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項16】
ノズル構造体(5)であって、前記第1の構成部材(25)は口金であり、前記第2の構成部材(27)は口金アダプターであることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項17】
ノズル構造体(5)であって、前記第1の構成部材(25)及び/又は前記第2の構成部材(27)は、層硬化型又は完全硬化型の材料からなることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項18】
ノズル構造体(5)であって、前記第1の芯出しねじ(21)、及び/又は前記1つ又は複数の第2の芯出しねじ(23)は、頭部(22)、芯出し部(26)及びねじ部(24)を含み、
前記ねじ部(24)と前記芯出し部(26)との間の面取り部(28)を特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載のノズル構造体。
【請求項19】
液体材料、特にホットメルト接着剤を基材上に塗布するアプリケーター(1)であって、
ベースボディ(3)と、
ノズルオリフィス(31)を含むノズル構造体(5)と、
を備え、
前記ノズル構造体(5)は請求項1〜18のいずれか一項に従って形成されることを特徴とする、アプリケーター。
【請求項20】
液体材料を塗布する製造設備であって、
前記液体材料を塗布する1つ又は複数のアプリケーター(1)と、
前記液体材料を提供するユニットと、
前記液体材料を前記1つ又は複数のアプリケーター(1)に供給する搬送手段と、
を備え、
前記1つ又は複数のアプリケーター(1)の少なくとも1つは、請求項1〜17のいずれか一項に記載のノズル構造体(5)を含むことを特徴とする、製造設備。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−35259(P2012−35259A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−163953(P2011−163953)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】