説明

液体洗浄剤製品

【課題】泡吐出機構付容器からの吐出操作を連続して繰り返しても、起泡性の良好な泡を安定に吐出することができる液体洗浄剤製品の提供。
【解決手段】(A)両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤と、(B)2つ以上の炭素数8〜22の長鎖アルキル基または長鎖アルケニル基[ただし、当該長鎖アルキル基または当該長鎖アルケニル基は、その鎖中に、−CONR−、−NRCO−、−COO−、または−OCO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)を含んでいてもよい。]を有する第4級アンモニウム塩とを含有する液体洗浄剤組成物が、泡吐出機構付容器に収容されてなることを特徴とする液体洗浄剤製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤製品に関するものであり、特に、連続して使用する際に容器内の泡立ちが抑制され、連続して泡を安定に吐出することが可能な、液体洗浄剤組成物が泡吐出機構付容器に収容されてなる液体洗浄剤製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
衣類、食器、便器、家具などに付着した汚れを落とす目的のために、従来、液体洗浄剤組成物がスプレー、エアゾール、スクイズ式フォーマー等の各種泡吐出機構付容器に収容されてなる液体洗浄剤製品が提案されている。
前記泡吐出機構付容器は、内容物である液体洗浄剤組成物を対象物に塗布する際に狙いを定めやすい等の特性を有することから、漂白剤製品、キッチン用洗浄剤製品、トイレ用洗浄剤製品、住宅用洗浄剤製品等の容器として用いられている。
【0003】
たとえば、スクイズ式フォーマー容器であれば、弾性復帰力を有する合成樹脂製の胴部と、この頂部開口に装着された蓋部材と、容器内の空気を取り入れるためのチューブとからなり、容器を倒立して胴部を手で押圧(スクイズ)することによって、容器内に収容された液体洗浄剤組成物を液流入口より蓋部材の中の混合室に取り入れ、また、容器内ヘッドスペースの空気をチューブより当該混合室に取り入れ、当該混合室にて気液混合し、網部材を通過することにより、きめの細かいクリーミィな泡を形成し、吐出することが可能である。
【0004】
特許文献1によれば、界面活性剤、特定の水溶性溶剤、および特定のアミン化合物を含有する清浄化組成物を、スクイズ式フォーマー容器により、みかけ比重が0.02〜0.25g/mlの泡状体として吐出することで、塗布対象物への付着滞留性に優れた泡が得られることが開示されている。
また、特許文献2によれば、漂白剤と、アニオンおよび/またはノニオン界面活性剤とを含有する液体組成物を、特定のスクイズ式フォーマー容器に収容することにより、漂白洗浄に好適な泡体を吐出できることが開示されている。
【0005】
一方、上記の液体洗浄剤製品は、洗浄成分として界面活性剤を含有しているため、たとえば、泡吐出機構付容器が転倒したり、外部から泡吐出機構付容器に衝撃が加わったりすることにより、当該容器内の液体洗浄剤組成物が泡立ってしまう。そして、当該容器内が泡で充満すると、次に吐出する際に、当該容器内ヘッドスペースの空気を混合室に充分に取り入れることができないため、液体洗浄剤組成物と空気との混合バランスが崩れ、クリーミィな泡が形成されず、起泡性の良好な泡を吐出できなくなる。
これに対し、特許文献3によれば、ノニオン界面活性剤と、フェノキシエタノール等の消泡成分とを組み合わせて液体洗浄剤組成物の泡安定度を調整することにより、外部からの衝撃等に関係なく、泡を安定に泡吐出機構付容器から吐出することが可能な、成泡機構付き容器入り洗浄剤が開示されている。
【特許文献1】特開平6−65595号公報
【特許文献2】特開平10−81895号公報
【特許文献3】特開平11−106795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
泡吐出機構付容器内が泡で充満する要因としては、上記のような泡吐出機構付容器の転倒や、泡吐出機構付容器へ外部から加わる衝撃等以外に、液体洗浄剤組成物を泡吐出機構付容器から吐出した後における空気の取り込みに伴う起泡も考えられる。
すなわち、液体洗浄剤組成物を泡吐出機構付容器から吐出する際、スクイズ式フォーマー容器であれば、容器胴部をスクイズすることにより、容器内の空気を押し出すことになり、押圧を解放した際に、収縮していた容器胴部の弾性復元力により、吐出口から液流入口を経由して、外部より空気が容器内に取り込まれる。スプレー式フォーマー容器であれば、トリガーを引いた後、トリガー付属のシリンダーの移動に伴い、外部より容器内に空気が取り込まれる。このようにして取り込まれた空気は、特に倒立使用の際に、チューブを経て、容器内に収容されている液体洗浄剤組成物中を通過する。その際、バブリングによって液体洗浄剤組成物が泡立ち、容器内に泡が生成することになる。
そして、泡吐出機構付容器からの吐出操作を連続して繰り返すと、当該容器内ヘッドスペースが、バブリングによって生成する泡で次第に充満し、遂には空気を取り込むべきチューブが泡の中に埋没し、容器内ヘッドスペースの空気を混合室に充分に取り入れることができなくなる。そのため、液体洗浄剤組成物と空気との混合バランスが崩れ、クリーミィな泡が形成されず、起泡性の良好な泡を安定に吐出することができなくなる。
特許文献3に記載の成泡機構付き容器入り洗浄剤においては、当該容器からの吐出操作を連続して繰り返すに伴ってクリーミィな泡が形成できなくなり、起泡性の良好な泡を安定に吐出できないことが分かった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、泡吐出機構付容器からの吐出操作を連続して繰り返しても、起泡性の良好な泡を安定に吐出することができる液体洗浄剤製品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討した結果、上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
すなわち、本発明の液体洗浄剤製品は、下記(A)成分と下記(B)成分とを含有する液体洗浄剤組成物が、泡吐出機構付容器に収容されてなることを特徴とする。
(A)両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤。
(B)2つ以上の炭素数8〜22の長鎖アルキル基または長鎖アルケニル基[ただし、当該長鎖アルキル基または当該長鎖アルケニル基は、その鎖中に、−CONR−、−NRCO−、−COO−、または−OCO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)を含んでいてもよい。]を有する第4級アンモニウム塩。
【0009】
また、本発明の液体洗浄剤製品においては、前記液体洗浄剤組成物が、非イオン性水溶性高分子化合物(C)をさらに含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液体洗浄剤製品によれば、泡吐出機構付容器からの吐出操作を連続して繰り返しても、起泡性の良好な泡を安定に吐出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
≪液体洗浄剤製品≫
本発明の液体洗浄剤製品は、前記(A)成分と前記(B)成分とを含有する液体洗浄剤組成物が、泡吐出機構付容器に収容されてなるものである。
【0012】
<液体洗浄剤組成物>
本発明において、液体洗浄剤組成物は、前記(A)成分と前記(B)成分とを含有する。
また、当該液体洗浄剤組成物は、非イオン性水溶性高分子化合物(C)(以下、(C)成分という。)をさらに含有することが好ましい。
【0013】
[(A)成分]
本発明において、(A)成分は、両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤である。
(A)成分は、本発明の液体洗浄剤組成物において、洗浄成分および起泡成分として配合される。
(A)成分としては、炭素数8〜22、好ましくは炭素数12〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基を有するものが好ましく、アルキル基、アルケニル基を有するものが特に好ましい。また、当該脂肪族炭化水素基内に、−CONR−、−NRCO−、−COO−、または−OCO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)を含んでいてもよい。
具体例としては、ラウリン酸残基、椰子脂肪酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、オレイン酸残基、牛脂脂肪酸残基、エルカ酸残基、リノール酸残基、リノレイン酸残基、ラウリン酸アミドプロピル基等が挙げられる。
(A)成分における側鎖としては、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基が好ましく、たとえば、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
【0014】
両性界面活性剤の具体例としては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ココイルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、パルミチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、オレイルジメチルアミンオキシド、タロージメチルアミンオキシド、エルシルジメチルアミンオキシド、ステアリルジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシド、オレイルジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシド、タロージ(ヒドロキシエチル)アミンオキシド、エルシルジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ラウリルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、ラウリルアミドプロピル−N,N−ジメチル−酢酸ベタイン、ヤシアルキルアミドプロピル−N−,N−ジメチル−酢酸ベタイン、ラウリルアミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、ヤシアルキルアミドプロピル−N,N−ジメチルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルアミドプロピル−N,N−ジメチルプロピルスルホベタイン、ヤシアルキルアミドプロピル−N,N−ジメチルプロピルスルホベタイン、ラウリル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ヤシアルキル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ヤシアルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾニウムベタイン等が挙げられる。
【0015】
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンラウリルフェニルエーテル、ラウリン酸ポリグリセリンエステル、ラウリン酸ショ糖エステル、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
【0016】
上記のなかでも、ラウリルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。
本発明において、(A)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物全量に対して、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましい。(A)成分の含有量が0.1質量%以上であると、洗浄性能が良好となる。また、起泡性が良好となる。一方、(A)成分の含有量が5質量%以下であれば、洗浄性能および起泡性が充分に得られる。
【0017】
[(B)成分]
本発明において、(B)成分は、2つ以上の炭素数8〜22の長鎖アルキル基または長鎖アルケニル基[ただし、当該長鎖アルキル基または当該長鎖アルケニル基は、その鎖中に、−CONR−、−NRCO−、−COO−、または−OCO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)を含んでいてもよい。]を有する第4級アンモニウム塩である。
(B)成分は、本発明の液体洗浄剤組成物において、泡調整成分として配合される。当該(B)成分を含有することにより、泡吐出機構付容器からの吐出操作を連続して繰り返しても、最初の吐出操作により吐出される泡と同じ泡性状を有する泡を安定に吐出することができる。
【0018】
(B)成分としては、2つ以上の前記長鎖アルキル基または前記長鎖アルケニル基を有する第4級アンモニウム塩であればよく、窒素原子(N)に直接2つ以上の前記長鎖アルキル基または前記長鎖アルケニル基が結合しているものが好ましく、窒素原子(N)に直接2つの前記長鎖アルキル基または前記長鎖アルケニル基が結合しているものがより好ましい。なお、(B)成分においては、前記長鎖アルキル基と前記長鎖アルケニル基とが混合していてもよい。
前記長鎖アルキル基または前記長鎖アルケニル基においては、炭素数が8〜22であり、10〜22であることが好ましく、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
また、前記長鎖アルキル基または前記長鎖アルケニル基は、その鎖中に、−CONR−、−NRCO−、−COO−、または−OCO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)を含んでいてもよい。
前記長鎖アルキル基または前記長鎖アルケニル基は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0019】
(B)成分の好適なものとしては、下記一般式(B1)で表される第4級アンモニウム塩が例示できる。
【0020】
【化1】

[式(B1)中、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数8〜22の長鎖アルキル基または長鎖アルケニル基(ただし、当該長鎖アルキル基または当該長鎖アルケニル基は、その鎖中に、−CONR−、−NRCO−、−COO−、または−OCO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)を含んでいてもよい。)を表す。RおよびRは、それぞれ独立して前記長鎖アルキル基もしくは前記長鎖アルケニル基、または炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を表す。Xは対イオンを示す。]
【0021】
前記式(B1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数8〜22の長鎖アルキル基または炭素数8〜22の長鎖アルケニル基を表す。
およびRにおいては、炭素数が8〜22であり、10〜22であることが好ましく、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
当該長鎖アルキル基または当該長鎖アルケニル基は、その鎖中に、−CONR−、−NRCO−、−COO−、または−OCO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)を含んでいてもよい。
【0022】
およびRは、それぞれ独立して、上記RおよびRと同様の長鎖アルキル基もしくは長鎖アルケニル基、または炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を表す。
およびRとしては、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、RおよびRがいずれも炭素数1〜3のアルキル基であることが特に好ましい。
【0023】
は対イオンを示し、通常の酸中和イオンを用いることができる。具体的には、Cl、(SO2−等の無機酸イオン;安息香酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アクリル酸、メチル硫酸(CH−SO)、エチル硫酸(C−SO)等の有機酸イオンが挙げられる。
【0024】
(B)成分の具体例としては、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジヒドロキシエチルアンモニウムクロライド、ジ牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジ(ステアロイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ(オレオイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ(パルミトイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジ(ステアロイルオキシイソプロピル)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ(オレオイルオキシイソプロピル)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ(オレオイルオキシブチル)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ(ステアロイルオキシエチル)メチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、トリ(ステアロイルオキシエチル)メチルメトサルフェート等が挙げられる。
なお、「牛脂アルキル」基の炭素数は14〜18である。
【0025】
上記のなかでも、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。
本発明において、(B)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物全量に対して、0.01〜1質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましい。(B)成分の含有量が0.01質量%以上であると、容器から泡を吐出した後、容器内へ取り込まれる空気により生成する泡の発生抑制の効果が充分に発揮され、容器から泡を安定に吐出することができる。一方、(B)成分の含有量が1質量%以下であれば、容器から吐出される泡の起泡性が良好となる。
【0026】
[(C)成分]
本発明において、(C)成分は、非イオン性水溶性高分子化合物である。当該(C)成分を含有することにより、容器から吐出される泡の塗布対象物への付着滞留性が向上する。
ここでいう「水溶性高分子化合物」とは、20℃の水に対する溶解度が1mg/mL以上であり、好ましくは10mg/mL以上である高分子化合物を示す。
【0027】
(C)成分としては、グァーガム、ジェランガム等に代表される天然多糖類系高分子;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子;ポリビニルピロリドン、N−アルキルピロリドン等のピロリドン系高分子;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体等のポリアルキレングリコール系高分子;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル系高分子等が挙げられる。
(C)成分の重量平均分子量としては、40000〜1200000が好ましく、300000〜500000がより好ましい。当該重量平均分子量が下限値以上であると、容器から吐出される泡の塗布対象物への付着滞留性の効果が得られやすくなる。一方、当該重量平均分子量が上限値以下であると、(C)成分自身の溶解性が良好となる。
なお、重量平均分子量は、標準物質をポリエチレングリコール(PEG)としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析を行った値を示す。
【0028】
上記のなかでも、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンが好ましく、重量平均分子量6000のポリエチレングリコール、重量平均分子量360000のポリビニルピロリドンがより好ましい。
本発明において、(C)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物全量に対して、0.1〜2質量%であることが好ましく、0.2〜0.5質量%であることがより好ましい。(C)成分の含有量が0.1質量%以上であると、容器から吐出される泡の塗布対象物への付着滞留性の効果が得られやすくなる。一方、(C)成分の含有量が2質量%以下であると、適度な粘度の液体洗浄剤組成物が得られ、泡吐出機構付容器からの排出性が向上し、起泡性の良好な泡が得られやすくなる。
【0029】
[その他の成分]
本発明における液体洗浄剤組成物には、前記(A)〜(C)成分以外に、必要に応じて、その他の成分として、界面活性剤、酸、アルカリ剤、キレート剤、漂白剤、溶剤、防腐剤、香料成分、酵素等の洗浄成分、抗菌剤、防黴剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定化剤、着色剤等の添加剤を適宜、配合することができる。
【0030】
(界面活性剤)
本発明においては、洗浄成分および起泡成分として、(A)成分および(B)成分以外の界面活性剤を配合してもよい。
たとえば、アニオン界面活性剤として硫酸アルキル塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、エーテルカルボン酸塩、リン酸アルキル塩、リン酸アルキルポリオキシエチレン塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル塩、アルケニルコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩等が挙げられる。
また、(B)成分以外のカチオン界面活性剤として、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
【0031】
(酸)
酸としては、グリコール酸、ジグリコール酸、グルコン酸、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、グルタール酸、乳酸、酒石酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、マロン酸、スルファミン酸、リン酸、硫酸、塩酸、硝酸等が挙げられる。
上記の酸は、無機汚れに対する洗浄力が向上することから、たとえば便器等のトイレ用の液体洗浄剤組成物に配合することが好ましい。
【0032】
(アルカリ剤)
アルカリ剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、モルホリン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ性電解水等が挙げられる。
上記のアルカリ剤は、油等に対する洗浄力が向上することから、たとえば住宅用の液体洗浄剤組成物に配合することが好ましい。
【0033】
(キレート剤)
キレート剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸等に代表されるアミノカルボン酸;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等に代表される有機カルボン酸;ヒドロキシエタンジホスホン酸等に代表されるホスホン酸等が挙げられる。
上記のキレート剤は、石鹸カス等に対する洗浄力が向上することから、たとえば浴室用の液体洗浄剤組成物に配合することが好ましい。
【0034】
(漂白剤)
漂白剤としては、一般に家庭用として用いられている、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸、酸性電解水等が挙げられる。
【0035】
(溶剤)
溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、フェノキシエタノールグリセリン、アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。
上記の溶剤は、石鹸カス、油汚れ等に対する洗浄力や液性が向上することから、たとえば浴室用の液体洗浄剤組成物に配合することが好ましい。
【0036】
(防腐剤)
防腐剤としては、特に限定されるものではなく、フェノール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、オルトフェニルフェノール、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、メチルフェノール等フェノール系防腐剤;グルタルアルデヒド、α−ブロムシンナムアルデヒド、オルトフタルアルデヒド等のアルデヒド系防腐剤類;ソルビン酸、ソルビオン酸、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム等のカルボン酸系防腐剤類;安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラヒドロキシ安息香酸イソブチル、パラヒドロキシ安息香酸イソプロピル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル等の安息香酸系防腐剤類;5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2-メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン系防腐剤類;ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、クロルへキシジングルコン酸塩;クロルヘキシジン塩酸塩等のビグアナイド系防腐剤等が挙げられる。
【0037】
(香料成分)
香料成分としては、特に限定されるものではなく、具体的には、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類;脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類;脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類;脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類;脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、水素化芳香族アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類;脂肪族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類;アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類;脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類;酸アマイド類;脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類;脂肪族エステル、フラン系カルボン酸エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカルボン酸族エステル、テルペン系カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類;ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等の合成香料または植物からの天然香料が挙げられる。
上記の香料成分は、たとえばアミン臭を伴うアルカリ洗浄剤組成物に配合することが好ましい。
本発明において、香料成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
香料成分の含有量は、液体洗浄剤組成物全量に対して、0.5質量%以下であることが好ましい。
【0038】
本発明における液体洗浄剤組成物のpHは、求める性能(用途など)により、上記の酸またはアルカリ剤などを用いて適宜調整できる。
たとえばトイレ用洗浄剤製品の場合、液体洗浄剤組成物における25℃でのpHが2〜4であることが好ましい。当該pHが下限値以上であると、便器等の材質への悪影響が小さく、洗浄対象物を傷めにくい。一方、当該pHが上限値以下であると、無機物を主とする汚れに対する洗浄効果がより優れる。
液体洗浄剤組成物のpHは、上記の酸またはアルカリ剤などにより適宜調整できる。
液体洗浄剤組成物(25℃に調温)のpHは、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)等により測定される値を示す。
当該液体洗浄剤組成物は、常法に準じて調製することができる。たとえば、前記(A)〜(C)成分とその他の成分とを、各成分の純分換算量で所望の配合量になるように水に溶解して混合し、前記pHに調整することにより調製できる。
【0039】
<泡吐出機構付容器>
本発明における泡吐出機構付容器としては、内容物である液体洗浄剤組成物を泡状に吐出するものであれば特に限定されるものではなく、たとえばノンエアゾール型泡吐出機構付容器が好適なものとして挙げられる。具体的には、スクイズ式フォーマー容器、スプレー式フォーマー容器、ポンプ式フォーマー容器が挙げられ、スクイズ式フォーマー容器、スプレー式フォーマー容器が好ましく、液体洗浄剤製品を倒立使用する場合に有用であることから、スクイズ式フォーマー容器がより好ましい。
【0040】
スクイズ式フォーマー容器としては、たとえば、倒立使用が可能であること、および泡量を自由に調整できることから、図1に示す容器、図2に示す容器が特に好適なものとして挙げられる。
【0041】
図1に示す容器について:
図1(a)に示す容器は、容器本体100と、容器本体100の口部92に固定するキャップ本体93と、キャップ本体93に取り付けられる外キャップ98とを備えるものである。
また、当該容器は、キャップ本体93に上端が固定され、下端が容器本体100の底部91近傍に達する排出パイプ96を有している。排出パイプ96の上端には混合室95が設けられ、排出パイプ96と混合室95とは連通している。
また、当該容器は、混合室95から外キャップ98の内腔に連通する排出流路を有し、外キャップ98には内腔から外部に連通する噴出口99が備えられている。さらに、当該容器は、前記内腔と容器本体100の内部とを連通する、逆止弁94が設けられた流入通路を有している。
【0042】
キャップ本体93は、図1(b)に示すように、内側に雌螺子124が形成されたスカート部123の上端から水平に平板状の天板部125を有し、天板部125の上面には外筒部127を有すると共に、外筒部127と同心円状に内筒部131を有し、外筒部127の外周には雄螺子128が形成されている。内筒部131は天板部125よりも高い位置に形成された中板部141により外筒部127へ一体に連接され、かつ、内筒部131は中板部141を貫通して内部に中空部135を有し、中板部141よりも上方において内筒部131の四方に開口部137を有している。
【0043】
中板部141の下面には内筒部131の側方に垂下筒145を有し、垂下筒145の内部には球状の逆止弁94を内蔵して中板部141の上方から下方に連通する流入通路149が形成されている。さらに、キャップ本体93は、内筒部131の中空部135に挿入される環状体151及びパイプ固定具155を有し、環状体151は外径を中空部135の内径と略一致させた円筒形状にして、上端及び下端にスクリーンメッシュ152、152を有して環状体151の内部を混合室95とするものである。パイプ固定具155は、外径を中空部135の内径と一致させた円筒形状にして、内部に排出パイプ96を挿入固定し得る円筒状の内部空間を有し、該内部空間は絞り部157を介してパイプ固定具155の上面に貫通するものである。パイプ固定具155は、さらにパイプ固定具155の内面に絞り部157からパイプ固定具155の下端に至る複数の溝部159を有して第2流路を形成している。
【0044】
キャップ本体93に取り付けられる外キャップ98は、内側に雌螺子174を設けた円筒部173と略半球形状の頂部175を有し、頂部175の中央に噴出口99を有するものである。
【0045】
さらに、外キャップ98を取り付けたキャップ本体93における中空部135には環状体151及びパイプ固定具155を挿入し、かつ、パイプ固定具155に排出パイプ96を挿入固定し、排出パイプ96及び外キャップ98を取り付けたキャップ本体93を容器本体100の口部92に螺着固定するものである。
【0046】
当該容器を正立状態として容器胴部90を押圧変形させると、容器本体100内の気圧が上昇し、流入通路149は逆止弁94で閉鎖され、排出パイプ96内を液体洗浄剤組成物101が上昇し、かつ、パイプ固定具155の外周に設けた溝部159である第2流路から容器本体100内の空気が環状体151に流入し、環状体151の上下に設けたスクリーンメッシュ152、152により液体洗浄剤組成物101と空気とが混合されて、きめ細かな発泡状態となり、排出流路とした開口部137から外キャップ98の内腔へ押し出され、さらに噴出口99を経て発泡状態の液体洗浄剤組成物101を容器の外部に吐出させることができるものである。
そして、容器胴部90の押圧力を解除すると、容器本体100内が減圧状態となり、逆止弁94が降下して噴出口99から外キャップ98の内腔に吸い込まれた外気が流入通路149から容器本体100内に流入する。そして、再度、容器胴部90を押圧すれば、液体洗浄剤組成物101が排出パイプ96内を上昇し、容器本体100内上部の空気が第2流路から環状体151に至り、混合室95で液体洗浄剤組成物101を発泡状態として噴出口99から吐出させることができる。
【0047】
当該容器を倒立状態として容器胴部90を押圧変形させるときは、排出パイプ96の内部を通って容器内の空気が環状体151に流入し、第2流路であるパイプ固定具155の溝部159から液体洗浄剤組成物101が流下し、環状体151内の混合室95で発泡状態とされた液体洗浄剤組成物101を噴出口99から吐出させることができる。
そして、容器胴部90の押圧力を解除すると、噴出口99から外キャップ98の空腔内に流入した外気は、流入通路149を経て容器本体100に流入する。この場合であっても、本発明にかかる液体洗浄剤組成物101を当該容器に収容すると、容器内での泡立ちが抑制され、吐出操作を連続して繰り返しても、起泡性の良好な泡を安定に吐出させることができる。
【0048】
図2に示す容器について:
図2に示す容器は、容器本体1、ノズルキャップ2、密封キャップ3、発泡部4、および泡均質化部5から構成されている。
容器本体1において、その胴部10は弾性を有しており、その開口部11には、ノズル20を備えたノズルキャップ2が装着されている。さらに、ノズル20の泡排出口21を覆って、密封キャップ3がノズルキャップ2に着脱自在に装着されている。
ノズルキャップ2の内側には、発泡部4が固設されており、泡均質化部5がノズル20の内側に遊設されている。
発泡部4は、空気管40と、上側支持体41と、下側支持体42と、互いに嵌着した上側支持体41と下側支持体42との間で、容器軸方向に移動可能に遊設されたリング状の弁体43(外気流入防止用弁体)とから構成されている。上側支持体41と下側支持体42の中心部には、吐出孔44が設けられており、この吐出孔44に向かって空気管40の端部が開口している。この空気管40の一端は、下側支持体42の内筒部46に固着されており、空気管40の他端は容器本体1の底部まで達している。下側支持体42の底部には、通常の正置状態では、弁体43によって覆われた流出用孔45が設けられており、内筒部46の外周面には、弁体43が移動したときに流出用孔45と連通する縦溝47が設けられ、この縦溝47に連続して、上側支持体41には、横溝48が吐出孔44に向かって開口している。さらに、上側支持体41の頂壁外端には、泡均質化部5の泡均質化筒体50を載置する突片49が複数個設けられている。そして、発泡部4は、ノズルキャップ2の内側に上側支持体41を固着させることによって設置されている。
泡均質化部5は、ノズル20内に設けられており、泡均質化筒体50を備えている。泡均質化筒体50は、中空の円筒体部分を備えており、その泡排出口21側には50〜300meshの目の細かいネット52が張られており、反対側には10〜100meshの目の粗いネット53が張られている。泡均質化筒体50の発泡部4側には、円錐台形状の斜面を持つ脚部51が設けられており、通常の正置状態では、その脚部51は上側支持体41の突片49上に載置されている。そして、泡均質化筒体50の外面とノズル20の内面との間には、外気が流入する通路54(外気流入用通路)が形成されている。
当該容器においては、胴部10を押圧(スクイズ)することにより、液体洗浄剤組成物を泡状に吐出することができる。
【0049】
また、スプレー式フォーマー容器の好適なものとしては、たとえば、図3に示す容器が挙げられる。
【0050】
図3に示す容器について:
図3に示す容器は、トリガー式正倒立両用ポンプAと、容器体Bとから構成されている。
トリガー式正倒立両用ポンプAは、正倒立両用のポンプ本体61の吸込口62に、吸込流路自動切替装置63を介して吸上パイプ64を嵌合連繋させ、その吸込流路自動切替装置63の周りに配してポンプ本体61の下端部78に回転自在に装備させた装着筒80により容器体Bの口頸部Baに着脱自在に螺着し、吸上パイプ64の下端をその容器体Bの内底コーナー部まで伸出させるようにしている。
ポンプ本体61は、前部からトリガー69を前後動自在に垂設し、トリガー69の背後に前方へ向けてポンプシリンダ81を配し、ポンプシリンダ81内に摺動自在に嵌合させたポンプピストン82をそのトリガー69の中途部で出入摺動させるようにしている。また、ポンプ本体61は、ポンプ本体61の前端に装備させたノズル83、吸込口62とポンプシリンダ81の間の流路に介在させた吸込弁84、ポンプシリンダ81とノズル83の間の流路に介在させた吐出弁85を備えている。ポンプシリンダ81の下部には、トリガー69を引くことで外部から容器体B内へと開通する外気導入路70、すなわち、ポンプシリンダ81の下部に、出状態のポンプピストン82で閉孔、入状態のポンプピストンで開口される透孔86を穿設することで、ポンプシリンダ81内前部から通じる外気導入路70を形成している。
吸込流路自動切替装置63には、吸上パイプ64を吸込口62へと連通させた正立流路65と、当該装置63の前面にて容器体内ヘッド部へと開口する流路口67を有して上記吸込口62へと連通させた倒立流路66を設けるとともに、両流路65、66を姿勢に相応して自動的に切り替える流路切替手段68を講じ、また、吸込流路自動切替装置63の外側に下端開放のエア排除筒71を被着させて、上記流路口67を液通可能に覆っている。流路切替手段68は、倒立姿勢にて流路口67から倒立流路66に流入する液体洗浄剤組成物を正立流路65へと自然流入させる構造とし、かつ、その倒立流路66内に専ら正立姿勢で自動閉弁する玉弁とテーパ弁座とから成る流路制御弁72を装備させている。ただし、流路制御弁72は、倒立姿勢においてその自然流入に悪影響を与えない状態で開弁するものとする。
当該容器においては、正立状態または倒立状態で、トリガー69の操作により、液体洗浄剤組成物を泡状に吐出することができる。
【0051】
以上説明した本発明の液体洗浄剤製品によれば、泡吐出機構付容器からの吐出操作を連続して繰り返しても、起泡性の良好な泡を安定に吐出することができる。
また、本発明の液体洗浄剤製品によれば、塗布対象物への付着滞留性に優れた泡が得られる。
また、本発明の液体洗浄剤製品は、泡吐出機構付容器から、均一できめの細かいクリーミィな泡を連続して吐出することが可能である。
また、本発明の液体洗浄剤製品は、泡吐出機構付容器からの吐出操作を連続して繰り返しても、当該容器内が泡で充満することがなく、起泡性の良好な泡を安定に吐出することができる。
【実施例】
【0052】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
【0053】
(実施例1〜25、比較例1〜11)
表3〜5に示した成分と表2に示した共通組成とを用いて、各例の液体洗浄剤組成物を常法に準じて調製し、当該液体洗浄剤組成物を、表3〜5に示した泡吐出機構付容器にそれぞれ収容して液体洗浄剤製品を準備して、以下に示す評価を行った。
なお、表中の配合量の単位は、液体洗浄剤組成物の全質量を基準とする質量%を示す。
また、表中の配合量は、各成分の純分換算としての配合量を示す。
水の配合量の「バランス」は、総量が100質量%となるように調整したことを意味する。
以下に、表中に示した成分および泡吐出機構付容器について説明する。
【0054】
<表中に示した成分>。
・(A)成分
C12アミンオキサイド:ライオンアクゾ製(商品名:アロモックスDM12D−W)、ラウリルジメチルアミンオキシド。
ラウリルアミドプロピルベタイン:三洋化成製(商品名:レボン2000L)、ラウリルアミドプロピル−N,N−ジメチル−酢酸ベタイン。
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:三洋化成製(商品名:レボンLD−36)、ラウリル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン。
POE(15)ラウリルエーテル:ライオン製(商品名:レオックスLC−150)、エチレンオキシドの平均付加モル数15モル。
POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド:川研ファインケミカル製(商品名:アミゼット2L−Y)。
【0055】
・(B)成分
ジデシルジメチルアンモニウム塩:ライオンアクゾ製(商品名:アーカード210−80E)。
ジ牛脂アルキルジメチルアンモニウム塩:ライオンアクゾ製(商品名:アーカード2HT−50E)、牛脂アルキル基の炭素数14〜18。
N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル,N−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート:ライオンアクゾ製(商品名:TES−85E)。
【0056】
・(C)成分
ポリビニルピロリドン:日本触媒社製(商品名:ポリビニルピロリドンK−90)、重量平均分子量360000。
PEG6000:ライオン社製(商品名:PEG#6000)、ポリエチレングリコール、重量平均分子量6000。
【0057】
・その他の成分(表2に記載の共通組成A〜Cで用いた成分)
グリコール酸:デュポン社製(商品名:グリコール酸)。
スルファミン酸:試薬(関東化学)。
エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム:試薬(関東化学)。
ジエチレングリコールモノブチルエーテル:日本乳化剤社製(商品名:ブチルジグリコール95)。
過酸化水素:三菱瓦斯化学社製、(商品名:35%過酸化水素水)、35質量%水溶液。
ヒドロキシエタンジホスホン酸:ライオン化学製(商品名:フェリオックス115)。
香料:以下の表1に示す質量比に調合された香料を用いた。

【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
<表中に示した泡吐出機構付容器>
泡吐出機構付容器A:図1に示されるスクイズ式フォーマー容器と同様の泡吐出機構を備えたスクイズ式フォーマー容器。
泡吐出機構付容器B:図2に示されるスクイズ式フォーマー容器と同様の泡吐出機構を備えたスクイズ式フォーマー容器。
泡吐出機構付容器C:図3に示されるスプレー式フォーマー容器と同様の泡吐出機構を備えたスプレー式フォーマー容器。
【0061】
<評価>
各例の液体洗浄剤製品について、起泡性試験、連続吐出性試験、および付着滞留性試験を、以下に示す方法によりそれぞれ行った。その結果を表3〜5に併記した。
【0062】
[起泡性試験]
泡吐出機構付容器Aおよび泡吐出機構付容器Bを用いる場合は液体洗浄剤組成物200gを収容し、泡吐出機構付容器Cを用いる場合は液体洗浄剤組成物400gを収容して各例の液体洗浄剤製品をそれぞれ準備した。
200mLのメスシリンダーを立てた状態で、当該メスシリンダーの上方から当該メスシリンダー内へ、液体洗浄剤製品を倒立して3回(泡吐出機構付容器Cのみ10回)、泡を吐出した際の起泡性を、目視により、以下の評価基準に従って評価した。当該評価は、女性パネラー3人で行った。
(評価基準)
◎:クリーミィな泡が吐出し、泡の最表面が盛り上がった状態を維持していた。
○:クリーミィな泡を吐出するが、しばらくして泡の最表面が平らに変化した。
△:泡を吐出するが、すぐに泡の最表面が平らになり、泡が消えていた。
×:泡にならず、水状の液体のみが吐出した。
【0063】
[連続吐出性試験]
泡吐出機構付容器Aおよび泡吐出機構付容器Bを用いる場合は液体洗浄剤組成物200gを収容し、泡吐出機構付容器Cを用いる場合は液体洗浄剤組成物400gを収容して各例の液体洗浄剤製品をそれぞれ準備した。
500mLのメスシリンダーを立てた状態で、当該メスシリンダーの上方から当該メスシリンダー内へ、液体洗浄剤製品を倒立して、泡吐出機構付容器Aおよび泡吐出機構付容器Bでは1回の吐出操作当たり30mLずつの泡をスクイズして吐出し、泡吐出機構付容器Cでは1ストロークずつ吐出した。
この吐出操作を連続して繰り返し、最初の吐出操作により吐出される泡と同じ泡性状を保ったまま吐出が可能な吐出回数を測定し、以下の評価基準に従って評価した。当該評価は、女性パネラー3人で行った。
(評価基準)
○:3人の平均吐出回数が10回以上であった。
△:3人の平均吐出回数が3回以上10回未満であった。
×:3人の平均吐出回数が3回未満であった。
【0064】
[付着滞留性試験]
泡吐出機構付容器A〜Cに液体洗浄剤組成物200gをそれぞれ収容して、各例の液体洗浄剤製品を準備した。
便器(TOTO社製)のフチ部位に向けて、液体洗浄剤製品を倒立して、約10gの液体洗浄剤組成物を塗布し、塗布質量を正確に測定した。
塗布してから5分間放置後、塗布した部位と、塗布した部位から5cm下方の部位との間に付着している泡を、リードクッキングペーパーを用いて全て拭き取り、付着残分の質量を測定した。
以下の数式より、付着率を算出して、以下の評価基準に従って塗布対象物への付着滞留性を評価した。
数式:付着率(%)=付着残分の質量(g)/塗布質量(g)×100
(評価基準)
○:付着率 90%以上。
△:付着率 50%以上90%未満。
×:付着率 50%未満。
【0065】
【表3】

【0066】
【表4】

【0067】
【表5】

【0068】
表3〜5の結果から、本発明に係る実施例1〜25の液体洗浄剤製品は、起泡性が良好であり、かつ、泡吐出機構付容器からの吐出操作を連続して繰り返しても、起泡性の良好な泡を安定に吐出することができることが確認できた。
一方、比較例1〜11の液体洗浄剤製品においては、起泡性および連続吐出性が共に良好なものはないことが確認された。
【0069】
また、本発明に係る実施例1〜25の液体洗浄剤製品においては、(C)成分を含有することにより、塗布対象物への付着滞留性に優れた泡が得られることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1(a)は本発明において好適な泡吐出機構付容器の一例を示す断面図、図1(b)は図1(a)の要部断面図である。
【図2】本発明において好適な泡吐出機構付容器の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明において好適な泡吐出機構付容器の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 容器本体 2 ノズルキャップ 3 密封キャップ 4 発泡部 5 泡均質化部 10 胴部 20 ノズル 21 泡排出口 40 空気管 41 上側支持体 42 下側支持体 44 吐出孔 50 泡均質化筒体 61 ポンプ本体 63 吸込流路自動切替装置 64 吸上パイプ 65 正立流路 66 倒立流路 68 流路切替手段 69 トリガー 70 外気導入路 71 エア排除筒 72 流路制御弁 80 装着筒 81 ポンプシリンダ 82 ポンプピストン 83 ノズル 84 吸込弁 85 吐出弁 90 容器胴部 91 容器底部 93 キャップ本体 94 逆止弁 95 混合室 96 排出パイプ 98 外キャップ 99 噴出口 100 容器本体 101 液体洗浄剤組成物 A トリガー式正倒立両用ポンプ B 容器体 Ba 口頸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)成分と下記(B)成分とを含有する液体洗浄剤組成物が、泡吐出機構付容器に収容されてなることを特徴とする液体洗浄剤製品。
(A)両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤。
(B)2つ以上の炭素数8〜22の長鎖アルキル基または長鎖アルケニル基[ただし、当該長鎖アルキル基または当該長鎖アルケニル基は、その鎖中に、−CONR−、−NRCO−、−COO−、または−OCO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)を含んでいてもよい。]を有する第4級アンモニウム塩。
【請求項2】
前記液体洗浄剤組成物が、非イオン性水溶性高分子化合物(C)をさらに含有する請求項1記載の液体洗浄剤製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−303318(P2008−303318A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152638(P2007−152638)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】