説明

液体流路接続機構

【課題】簡単な構造で接続開放時に液体の流路を遮断する液体流路接続機構を提供することを目的とする。
【解決手段】第1ジョイント部1のフック13a及び13bが第2ジョイント部2のフック係合孔44a及び44bに挿入され受け部本体40に引っ掛かった状態で第1ジョイント部1と第2ジョイント部2の接続が外れないようになっており、チューブ30の液体経路は開いている。第1ジョイント部1を第2ジョイント部2から取り外す際は、移動部20を矢印C方向に移動させることでガイドピン12a及び12bがガイド溝22a及び22bを案内して移動部20を内壁12c方向に移動し、押圧部材21がチューブ30を押圧して液体流路を遮断する。これと共に、移動部20の下端部が係合部14a及び14bを押すこことでフック13a及び13bが内側に移動し、該フック13a及び13bがフック係合孔44a及び44bを通り抜けられる状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単な構造の液体流路接続機構に係わり、更に詳しくは例えばインクジェット記録装置のインクタンクのインクをインクヘッドに供給するインク流路に設けられ、接続開放時にインクの流路を遮断する液体流路接続機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクタンクの非接続状態におけるインクの漏出を防止するための接続ユニットを備えたインクジェット記録装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
このインクジェット記録装置は、インクタンクから記録ヘッドに至るインク供給路の接続部に設けられた2つの接続ユニットからなる。これら2つの接続ユニットが接続状態のときはインクの流通が可能であり、これら2つの接続ユニットが分離された状態のときはインクの流通が遮断されるように構成されている。
【0003】
これら2つの接続ユニットには、ケースから互いに突出する方向に付勢された突出棒と、その突出棒の突出状態においてインク供給路が遮断されるシール部材とが備えられており、2つの接続ユニットが接続することにより、互いに当接してケース内に後退し、接続部においてインクの流通が可能になるように構成されている。
【0004】
このようにすると、インクタンクから記録ヘッドに至るインク供給路の接続部において、2つの接続ユニットが分断されているときは突出棒が突出してインク供給路が遮断されるので、接続部からインクが漏出するのを防止できる。
【特許文献1】特開2000−343722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、それぞれ突出棒と、その突出棒を付勢するバネ部材と、突出棒の突出状態においてインク供給路を遮断するシール部材とが必要である。
したがって、これでは構造が複雑となって、組み立て工程に手数を要して組み立てコストが高くなり、且つ部品点数が多くなるため部品コストが高くなるという問題が発生する。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、簡単な構造で接続開放時に液体の流路を遮断する液体流路接続機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の液体流路接続機構は、柔軟性を有し液体を流すチューブを一端側に接続する第1の接続管を備える本体部と、チューブを押圧して当該チューブの流路を遮断する押圧部材を備える移動部と、で構成される第1ジョイント部と、第1ジョイント部と係合する受け部と、当該受け部に設けられ、第1の接続管の他端側と接続する第2の接続管と、で構成される第2ジョイント部と、からなり、移動部は、本体部に対して移動し、移動部が第1の位置にあるとき、第1ジョイント部と第2ジョイント部とが係合されて分断不可能となると共にチューブの流路を開放し、移動部が第2の位置にあるとき、第1ジョイント部と第2ジョイント部との係合が解除されて分断可能となると共に押圧部材が本体部の内壁との間でチューブを押圧して当該チューブの流路を遮断する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な構造であるため製品価格が安く且つ接続開放時に液体の流路を自動的に遮断する液体流路接続機構を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a),(b) は、本発明の第1の実施の形態における液体流路接続機構の斜視図であり、図1(a) は、液体供給路上流側の第1ジョイント部1を示し、図1(b) は液体供給路下流側の第2ジョイント部2を示している。
【0010】
図2(a) は、図1(a) に示す第1ジョイント部1の本体部10の正面図であり、図2(b) は、その側面図である。
図3は、第1ジョイント部1の移動部20の側断面図である。
【0011】
図1(a) に示すように、第1ジョイント部1は、本体部10と移動部20とから構成される。第1ジョイント部1の本体部10は、図1(a) 及び図2(a),(b) に示すように、断面が鉤型で一体に形成された立設部12と水平部13を備えている。
【0012】
立設部12には、ほぼ平滑な内壁12cが形成され、上部両側面にはガイド部材であるガイドピン12a及び12bが突設されている。
水平部13には、第1の接続管15が配設されている。この第1の接続管15は、水平部13を貫通して固定されている。なお、第1の接続管15を水平部13と一体的に成形してもよい。
【0013】
第1の接続管15の一端側(図では上端)は、液体供給路上流側のチューブ30と接続され、第1の接続管15の他端側(図では下端)は、後述する液体供給路下流側の第2ジョイント部2の第2の接続管42の一端側と接続される。第1の接続管15の他端側の先端(図では下端)付近には、溝が形成されており、当該溝にOリング16が取り付けられている。これにより、第1の接続管15と第2の接続管42とを接続した際に密着させることができ、液体の漏出を防止することができる。
【0014】
また、水平部13には、第1の接続管15を挟むように、具体的には第1の接続管15を中心とした対称な位置で、水平部13の両側にそれぞれ連設されたフック13aと係合部14a、及びフック13bと係合部14bが下方に向けて垂直に設けられている。
【0015】
一方、第1ジョイント部1の移動部20は、図1(a) に示すように、本体部10の周囲を囲む楕円を半切した形状の断面をなす部材であり、上下及び本体部10の立設部12に対応する箇所が開口している。
【0016】
この移動部20は、図3に示すように、内壁20aの上部に押圧部材21を備えている。押圧部材21の先端部21aは、後述するようにチューブ30を押圧したときに、チューブ30を傷つけないようにR形状に形成されている。
【0017】
また、内壁20aにはガイド溝22(22a、22b)が形成されている。ガイド溝22(22a、22b)は、下方から上方に押圧部材21に近づく方向に傾斜して設けられている。また、ガイド溝22の上端部には、それぞれ上記傾斜と逆行する外側に向く屈曲部23(23a、23b)がほぼ水平に形成されている。
【0018】
このガイド溝22(22a、22b)に、上述した本体部10に形成されたガイドピン12a及び12bが係合する。これにより移動部20は、ガイドピン12a及び12bに沿って移動する。このように移動部20を本体部10に装着することで第1ジョイント部1が構成されている。
【0019】
他方、上記の第1ジョイント部1と接続される液体供給路下流側の第2ジョイント部2は、図1(b) に示すように、受け部本体40と、第2の接続管42を備えている。この第2の接続管42は、受け部本体40を貫通して固定されている。なお、第2の接続管42を受け部本体40と一体的に成形してもよい。
【0020】
第2の接続管42の一端側(図では上端)には、第1ジョイント部1の第1の接続管15が挿入され、接続される。その際、Oリング16により第1の接続管15と第2の接続管42は密着し、第1ジョイント部1から供給される液体が漏出しないように接続される。また、第2の接続管42の他端側(図では下端)には、例えばインクジェットヘッドに液体としてのインクを供給するためのチューブ43が接続される。
【0021】
また、受け部本体40には、第2の接続管42を挟むように、具体的には第2の接続管42を中心とした対称な位置で、フック係合孔44a及び44bが形成されている。これらのフック係合孔44a及び44bには、第1ジョイント部1のフック13a及び13bがそれぞれ係合する。
【0022】
次に、上記のように構成された接続機構についての操作、換言すれば接続機構の動作を説明する。
図4(a) は、第1ジョイント部1と第2ジョイント部2が接続されている状態を示す断面を図1(a),(b) の矢印Aの方向から見た図(正断面図)であり、図4(b) は、図1(a) を矢印Bの方向から見た断面図(図4(a) の一部側断面図)、図4(c) は図4(b) の外面図である。
【0023】
なお、図4(a),(b),(c) には、図1乃至図3と同一構成部分には図1乃至図3と同一の番号を付与して示している。
図4(a),(b),(c) に示す状態では、第1ジョイント部1のフック13a及び13bが、第2ジョイント部2のフック係合孔44a及び44bに挿入され、受け部本体40に引っ掛かった状態となっている。この時、押圧部材21は、チューブ30を押圧していなため、液体経路が開通した状態となっている。つまり液体経路が開通している状態では第1ジョイント部1と第2ジョイント部2の接続が外れないようになっている。この状態での第1ジョイント部1及び第2ジョイント部2の位置を第1の位置とする。
【0024】
第1ジョイント部1を第2ジョイント部2から取り外す際には、移動部20を図4(a) の矢印Cで示すように下方に移動させる。この時、移動部20は、ガイド溝22a及び22bに係合したガイドピン12a及び12bに沿って移動する。
【0025】
図5(a) は、移動部20を下方に移動させた結果を示す正断面図、図5(b) は図5(a) の一部側断面図、図5(c) は図5(b) の外面図である。
移動部20が図4(a) の矢印Cで示すように下方に移動すると、図5(a),(b),(c) に示すように、ガイドピン12a及び12bがガイド溝22a及び22bを案内して、移動部20が本体部10の内壁12c方向に移動する。
【0026】
そして、押圧部材21がチューブ30を押圧していき、ガイド溝22a及び22bの上端にある屈曲部23a及び23bがガイドピン12a及び12bに係合する。これにより、移動部20が本体部10に固定される。
【0027】
また、これと共に、この状態で、チューブ30は、本体部10の内壁12cと移動部20の押圧部材21とで挟持・押圧されて、液体流路が遮断される。
更に、移動部20が下方に移動したことにより、移動部20の内壁20aの下端部が係合部14a及び14bに当接し、係合部14a及び14bの傾斜面を滑動しながら係合部14a及び14bを内側に押し込んでいく。
【0028】
これにより、係合部14a及び14bにそれぞれ連設されているフック13a及び13bが、それぞれ矢印d及び矢印eで示すようにチューブ30の半径方向、つまり本体内側方向に移動していく。
【0029】
このように、ガイド溝22a及び22bの上端にある屈曲部23a及び23bにガイドピン12a及び12bが係合して移動部20が本体部10に固定されたときには、フック13a及び13bは、受け部本体40のフック係合孔44a及び44bとの引っ掛かりが解除され、通り抜けられる状態となる。なお、この時の第1ジョイント部1及び第2ジョイント部2の位置を第2の位置とする。
【0030】
この状態で第1ジョイント部1を上方に引き抜けば、チューブ30内の流路が遮断された状態で、液体経路を分断することができる。
このように、本実施の形態によれば、簡単な構造でコストが安い液体供給路の接続機構を実現することができる。
【0031】
なお、本実施の形態では、移動部20の押圧部材21の先端部をR形状の簡単な構造としたが、押圧部材21の先端部の形状はこれに限ることなく、ローラ構造にすればチューブとの摩擦抵抗が減って、より良い動きをさせることが出来るようになる。
(第2の実施の形態)
図6(a),(b) は、本発明の第2の実施の形態における液体流路接続機構の斜視図であり、図6(a) は、液体供給路上流側の第1ジョイント部100を示し、図6(b) は液体供給路下流側の第2ジョイント部200を示している。
【0032】
図7(a) は、図6(a) に示す第1ジョイント部100の上面図であり、図7(b) は図6(a) を矢印Fの方向から見た側面図、図7(c) は図6(a) を矢印Gの方向から見た側面図である。
【0033】
なお、図7(a),(c) には、第1ジョイント部100の構成を分かり易く示すため、図6(a) に示したチューブ130の図示は省略している。同じように、図7(b) には、チューブ130を、第1ジョイント部100との係合から外した状態で示している。
【0034】
図6(a) 及び図7(a),(b),(c) に示すように、第1ジョイント部100は、本体部110と移動部120とで構成されている。本体部110は、立設部112と当該立設部112の下端部に一体で且つほぼ直角に曲げて形成された水平部113を備えている。
【0035】
立設部112には、チューブ130の側面を受けるための内壁112bがほぼ平滑に形成されている。また、立設部112の一方の側部の上端部には、後述する移動部120が一体的に成形された構造になっている。さらに立設部112は、移動部120が形成されている側部とは反対側の側部がほぼ直角に短く折り曲げられた形状をしている。この折曲げられた形状の側部には、ガイド部材であるガイドピン112aを備えている。
【0036】
水平部113には、第1の接続管115が配設されている。この第1の接続管115は、水平部113を貫通して固定されている。なお、第1の接続管115を水平部113と一体的に成形してもよい。
【0037】
第1の接続管115の一端側(図では上端)は、液体供給路上流側のチューブ130と接続され、第1の接続管115の他端側(図では下端)は、後述する液体供給路下流側の第2ジョイント部2の第2の接続管242の一端側と接続される。第1の接続管115の他端側の先端(図では下端)付近には、溝が形成されており、当該溝にOリング116が取り付けられている。これにより、第1の接続管115と第2の接続管242とを接続した際に密着させることができ、液体の漏出を防止することができる。
【0038】
また、水平部113には、下方に垂直に立設された板状の突起部117を備えている。この突起部117は第1ジョイント部100を後述する第2ジョイント部200に接続する際の取り付け位置を決めるために設けられている。
【0039】
一方、第1ジョイント部100の移動部120は、図6(a) に示すように、本体部110の立設部112と一体にその上端から水平方向に屈曲して帯状に延設された水平部124と、この水平部124の端部に一体に連設されたT字形の垂直部125から成っている。
【0040】
屈曲されて形成されている水平部124は、第1ジョイント部100本体の材質と同様に、例えばポリアセタールやナイロン等の弾性を有するプラスチック材料で形成されている。したがって、矢印F方向において前後に移動可能である。そして、この水平部124は、その内側に、図7(a),(b),(c)に示すように、押圧部材121を備えている。
【0041】
この押圧部材121の先端部121a(図7(c) 参照)は、後述するようにチューブ130を押圧したときに、チューブ130を傷つけないようにR形状に形成されている。
また、T字形の垂直部125は、縦の部分の下端部に、図6(a) 及び図7(b),(c) に示すように、内側にほぼ直角に曲げられて形成されたフック123が設けられている。
【0042】
そして、横の部分には、図6(a) 及び図7(c) に示すように、水平方向にガイド溝122が設けられている。ガイド溝122には、立設部112の内壁112bから離れた方向の端部に、下に凹状となる屈曲部126が形成されている。
【0043】
このガイド溝122に、上述した本体部110に形成されたガイドピン112aが係合する。これにより移動部120は、ガイドピン112aに沿って移動する。このように本実施の形態では、移動部20と本体部10とを一体に成形して第1ジョイント部1が構成されている。
【0044】
一方、第1ジョイント部100と接続される液体供給路下流側の第2ジョイント部200は、図6(b) に示すように、受け部本体240と、第2の接続管242を備えている。この第2の接続管242は、受け部本体240を貫通して固定されている。なお、第2の接続管242を受け部本体240と一体的に成形してもよい。第2の接続管242の一端側(図では上端)には、第1ジョイント部100の第1の接続管115が挿入され、接続される。その際、Oリング116により第1の接続管115と第2の接続管242は密着し、第1ジョイント部100から供給される液体が漏出しないように接続される。また、第2の接続管242の他端側(図では下端)には、例えばインクジェット記録装置のインクジェットヘッドに液体としてのインクを供給するためのチューブ243が接続される。
【0045】
また、受け部本体240には、四方の一辺部に切り欠き部244が設けられている。この切り欠き部244は、第1ジョイント部100と第2ジョイント部200との接続を分断させるために設けられ、フック123が切り欠き部244に位置する時にのみ、第1ジョイント部100と第2ジョイント部200との接続を分断することができる。つまり、フック123が切り欠き部244以外に位置するときは、フック123が受け部本体240と係合され、第1ジョイント部100と第2ジョイント部200との接続が外れないようになっている。また、受け部本体240の四方の上記切り欠き部244に対向する一辺部には、横一文字に切り立った位置決め面255が形成されている。
【0046】
次に、上記のように構成された第2の実施の形態にける接続機構についての操作、換言すれば接続機構の動作を説明する。
図8(a) は、上記第2の実施の形態における第1ジョイント部100と第2ジョイント部200が接続されている状態を示す斜視図であり、図8(b) は、移動部120を横方向に移動し、フック123が切り欠き部244に位置した状態を示す斜視図である。
【0047】
図8(a) に示すように、第1ジョイント部100の突起部117が、第2ジョイント部200の受け部本体240の位置決め面255に当接し、第1ジョイント部100と第2ジョイント部200との相対的な水平方向の回転を禁止している。
【0048】
また、移動部120のT字形の垂直部125下端のフック123が受け部本体240の下側に回り込み、フック123が受け部本体240の切り欠き部244近傍の下面に引っ掛かった状態となっている。
【0049】
これにより、接続状態にある第1ジョイント部100と第2ジョイント部200との相対的な垂直方向への離脱が禁止されている。この接続状態時における第1ジョイント部100及び第2ジョイント部200の位置を第1の位置とする。第1の位置では、液体経路が開通している。
【0050】
この液体経路が開通している接続状態から第1ジョイント部100を第2ジョイント部200から取り外す際には、移動部120を指などで、図8(a) の矢印H方向に押し込む。これで移動部120のガイド溝122がガイドピン112に案内されながら、移動部120が矢印H方向に移動する。
【0051】
この移動で、図8(b) に示すように、移動部120の押圧部材121がチューブ130を押圧していき、ガイド溝122の終端にある屈曲部126がガイドピン112aと係合すると、移動部120が移動を停止して本体部110に固定される。
【0052】
この状態で、チューブ130は、本体部110の内壁112bと押圧部材121で挟持・押圧されてチューブ130内の液体流路が遮断される。
また、屈曲部126がガイドピン112aと係合した位置において、フック123は第2ジョイント部200の受け部本体240の切り欠き部244の位置で停止している。
【0053】
これにより、フック123の受け部本体240への引っ掛りが開放され、フック123は受け部本体240の切り欠き部244を通り抜けられる状態となっている。
この状態で第1ジョイント部100を上方に引き抜いて、第1ジョイント部100と第2ジョイント部200を切り離しても、チューブ130内の液体が遮断された状態であるので、液体経路を分断することができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、第1ジョイント部100には、例えばポリアセタールやナイロン等の弾性を有するプラスチック材料が使用されるが、第1ジョイント部100の材料はこれに限ることなく、本実施の形態の機能を満たす材料であれば他の材料でも使用することができる。
【0055】
このように、本実施の形態によれば、簡単な構造で製品コストの安い液体供給路の接続機構を実現することができる。
(第2の実施の形態の変形例)
図9(a),(b) は、第2の実施の形態の変形例における、ジョイント部からの液体の漏出や拡散を防止するジョイント受け部の改善例を2例示す図である。
【0056】
上記第2の実施の形態において、第1ジョイント部100を第2ジョイント部200から取り外した際、移動部120でチューブを挟持した部分から第1の接続管の先端までの流路には、わずかながら液体が残存している。この残存している液体がチューブから受け部側に流出して受け部の外部に拡散する可能性がある。
【0057】
第1の変形例としては、図9(a) に示すように、第2ジョイント部200の第2の接続管242の周囲に、円環状の囲みからなる液体溜まり部300を受け部本体240に設ける。これで、チューブから受け部側に流出した液体を液体溜まり部300で受け止めて、外部に液体が拡散するのを防止することができる。
【0058】
第2の変形例としては、図9(b) に示すように、図9(a) の液体溜まり部300の中に、例えば適宜のスポンジ等からなる吸収体301を追加する。これにより、チューブから受け部側に流出した液体を液体溜まり部300の吸収体301で吸収し、外部に液体が拡散するのを、より確実に防止することができる。
【0059】
なお、上記第2の実施の形態の変形例は、第1の実施の形態においても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】(a) は本発明の第1の実施の形態における液体供給路上流側のジョイント部の斜視図、(b) は液体供給路下流側のジョイント部の斜視図である。
【図2】(a) は第1の実施の形態における液体供給路上流側のジョイント部の本体の正面図、(b) はその側面図である。
【図3】第1の実施の形態における液体供給路上流側のジョイント部の移動部の側断面図である。
【図4】(a) は第1の実施の形態における2つのジョイント部が接続されている状態を示す正断面図、(b) はその一部側断面図、(c) はその一部側外面図である。
【図5】(a) は第1の実施の形態における移動部を下方に移動して液体経路が閉じた状態を示す正断面図、(b) は(a) の一部側断面図、(c) は(b) の外面図である。
【図6】(a) は本発明の第2の実施の形態における液体供給路上流側のジョイント部の斜視図、(b) は液体供給路下流側のジョイント部の斜視図である。
【図7】(a) は図6(a) の上面図であり、図7(b) は図6(a) を矢印Fの方向から見た側面図、図7(c) は図6(a) を矢印Gの方向から見た側面図である。
【図8】(a) は第2の実施の形態における2つのジョイント部が接続されている状態を示す斜視図、(b) は移動部120を横方向に移動し、フック123が切り欠き部244に位置した状態を示す斜視図である。
【図9】(a),(b) は第2の実施の形態の変形例におけるジョイント部からの液体の漏出や拡散を防止するジョイント受け部の改善例を2例示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1、2 ジョイント部
10 本体部
12 立設部
12a、12b ガイドピン
12c 内壁
13 水平部
13a、13b フック
14a、14b 係合部
15 第1の接続管
16 Oリング
20 移動部
20a 内壁
21 押圧部材
21a 先端部
22(22a、22b) ガイド溝
23(23a、23b) 屈曲部
30 チューブ
40 受け部本体
42 第2の接続管
43 チューブ
44a、44b フック係合孔
100 第1ジョイント部
110 本体部
112 立設部
112a ガイドピン
112b 内壁
113 水平部
115 第1の接続管
116 Oリング
117 位置決め板部
120 移動部
121 押圧部材
121a 先端部
122 ガイド溝
123 フック
124 水平部
125 垂直部
126 屈曲部
130 チューブ
200 第2ジョイント部
240 受け部本体
242 第2の接続管
243 チューブ
244 切り欠き部
255 位置決め面
300 液体溜まり部
301 吸収体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有し液体を流すチューブを一端側に接続する第1の接続管を備える本体部と、前記チューブを押圧して当該チューブの流路を遮断する押圧部材を備える移動部と、で構成される第1ジョイント部と、
前記第1ジョイント部と係合する受け部と、当該受け部に設けられ、前記第1の接続管の他端側と接続する第2の接続管と、で構成される第2ジョイント部と、からなり、
前記移動部は、前記本体部に対して移動し、前記移動部が第1の位置にあるとき、前記第1ジョイント部と前記第2ジョイント部とが係合されて分断不可能となると共に前記チューブの流路を開放し、前記移動部が第2の位置にあるとき、前記第1ジョイント部と前記第2ジョイント部との係合が解除されて分断可能となると共に前記押圧部材が前記本体部の内壁との間で前記チューブを押圧して当該チューブの流路を遮断する、ことを特徴とする液体流路接続機構。
【請求項2】
前記移動部には、当該移動部が前記第1の位置から前記第2の位置へ移動する際、前記押圧部材を前記本体部の内壁に向かう方向に移動させ、前記移動部が前記第2の位置から前記第1の位置へ移動する際、前記押圧部材を前記本体部の内壁から離間する方向に移動させるためのガイド溝が形成され、前記本体部には前記ガイド溝と係合し、前記移動部の移動方向を規制するガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体流路接続機構。
【請求項3】
前記ガイド溝の一端側には屈曲部が形成され、前記移動部が前記第2の位置に位置する際、前記ガイド部材が前記屈曲部により固定されることを特徴とする請求項2に記載の液体流路接続機構。
【請求項4】
前記ガイド溝は、前記チューブの長さ方向に延設されていることを特徴とする請求項2、又は3に記載の液体流路接続機構。
【請求項5】
前記本体部にはフック部が形成され、前記受け部には前記フック部と係合するための係合孔が形成され、前記移動部の前記第1の位置から前記第2の位置への移動に伴い、前記係合孔に係合した前記フック部が前記チューブの半径方向に移動し、前記第1ジョイント部と前記第2ジョイント部との係合が解除される、ことを特徴とする請求項1、又は4に記載の液体流路接続機構。
【請求項6】
前記ガイド溝は、前記チューブの半径方向に延設されていることを特徴とする請求項2、又は3に記載の液体流路接続機構。
【請求項7】
前記移動部にはフック部が形成され、前記受け部の一部には切り欠き部が形成され、前記移動部の前記第1の位置から前記第2の位置への移動に伴い、前記受け部に係合した前記フック部が前記切り欠き部方向に移動し、前記第1ジョイント部と前記第2ジョイント部との係合が解除される、ことを特徴とする請求項1、又は6に記載の液体流路接続機構。
【請求項8】
前記移動部と前記本体部とが一体に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の液体流路接続機構。
【請求項9】
前記第二ジョイント部は、前記接続口の周囲に配設された円環状の囲みからなる液体溜まり部を有することを特徴とする請求項1記載の液体流路接続機構。
【請求項10】
前記液体溜まり部内に、液体を吸収する円輪状のスポンジ体を有することを特徴とする請求項9記載の液体流路接続機構。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−34891(P2009−34891A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200758(P2007−200758)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】