説明

液体混合装置

【課題】水等の逆流が防止され、液剤の高精度な混合が可能となる液体混合装置を提供すること。
【解決手段】流体が流通する管路部7と、管路部7へ液剤を供給するための液剤供給路17と、液剤供給路17に配設された液剤供給部材3とを備えており、液剤供給部材3が、液剤供給路17から液剤を受け入れる液剤受入位置と、液剤を管路部7に排出する液剤排出位置とに変位可能に構成されており、液剤供給部材3が、所定量の液剤を収容しうる計量部を有しており、この計量部は、液剤供給部材3が液剤受入位置にあるときには、液剤供給路17と連通し且つ管路部7には連通せず、液剤供給部材3が液剤排出位置にあるときには、管路部7と連通し且つ液剤供給路17には連通しないように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体混合装置に関する。さらに詳しくは、例えば、液体が流通する流路に、異なる液体を所望量供給する液体混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記液体混合装置に類似した装置として、実公平04−36582号公報に開示された施肥装置が知られている。この施肥装置は、管路内を圧送されるペースト肥料に対して、管路に形成された開口から粒状肥料を供給するものである。上記開口には、粒状肥料を供給するためのホッパが取り付けられている。ホッパの下端には歯車状のロータが取り付けられている。このロータの回転により、ロータの溝部に入り込んだ粒状肥料が、管路内に投入される。このようにして、ロータの回転数に応じた所定量の粒状肥料がペースト肥料に混合される。
【0003】
特開平09−266731号公報には、いわゆるジェットポンプ(エジェクタ)を利用した園芸用散水器が開示されている。この散水器は、水に液肥を混合させたうえで散水するものである。この散水器は、給水用のノズルとデフューザとの隙間に発生する負圧を利用して液肥を吸い込み、この液肥を、ノズルから噴出される水に混入するものである。
【0004】
上記実公平04−36582号公報に開示された施肥装置では、管路内のペースト肥料が、開口を通して粒状肥料側に逆流することが考えられる。すなわち、ロータの回転により、粒状肥料を管路内に放出した溝部が、管路内のペースト肥料を汲み取ってホッパ内に送り込んでしまうおそれがある。
【0005】
特開平09−266731号公報に開示された散水器では、給水圧力の変化により、液肥の吸い込み量が変動する。従って、液肥濃度を薄くした場合、一定濃度に調整することが困難である。また、液肥の供給路の断面積を調節しても、水圧条件によっては、水が液肥の供給側に逆流することがあった。
【0006】
実用新案登録第2540072号公報には、上記特開平09−266731号公報の散水器と同様、いわゆるジェットポンプを利用した液剤混合装置が開示されている。この混合装置では、液剤の供給路に流量調整弁が装備されている。特開平08−156751号公報には、エジェクタを利用した薬液の希釈装置が開示されている。この希釈装置では、薬液吸引用エジェクタによって吸い上げられた薬液が、薬液混合用エジェクタによって水配管内に混入される。薬液の供給量は、薬液吸引用エジェクタに送られる空気量を、レギュレータによって調節することにより、調節される。上記のいずれの公報に開示された装置によっても、精確な液剤供給量の調節は容易ではない。エジェクタによっては、液剤の吸引量の精確な制御が困難だからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公平04−36582号公報
【特許文献2】特開平09−266731号公報
【特許文献3】実用新案登録第2540072号公報
【特許文献4】特開平08−156751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる現状を鑑みてなされたものであり、液剤が混合される水等の水圧条件に関わらず、高精度な混合率で液剤を混合しうる液体混合装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る液体混合装置は、
流体が流通する管路部と、この管路部へ液剤を供給するための液剤供給路とを備える液体混合装置であって、上記液剤供給路に配設された液剤供給機構を備えており、この液剤供給機構が、液剤供給路から液剤を受け入れて所定量の液剤を計量する計量機能と、その計量された液剤を管路部に供給する機能を備えている。
【0010】
好ましくは、上記液剤供給機構が、液剤供給部材を備えており、この液剤供給部材が、液剤供給路から液剤を受け入れる液剤受入位置と、液剤を管路部に排出する液剤排出位置とに変位可能に構成されており、上記液剤供給部材が、所定量の液剤を収容しうる計量部を有しており、この計量部は、液剤供給部材が液剤受入位置にあるときには、液剤供給路と連通し且つ管路部には連通せず、液剤供給部材が液剤排出位置にあるときには、管路部と連通し且つ液剤供給路には連通しないように構成されている。液剤を収容する計量部が、液剤を受け入れるときには管路部には連通せず、液剤を管路部に排出するときには液剤供給路には連通しないので、管路部内の水等の液剤供給路への逆流が防止され、液剤の高精度な混合が可能となるからである。
【0011】
好ましくは、駆動装置をさらに備えており、上記液剤供給部材が、上記駆動装置によって回転駆動される回転部材を有しており、この回転部材に上記計量部が設けられており、上記回転部材が、回転駆動されることにより、上記液剤受入位置と液剤排出位置とに変位する。
【0012】
好ましくは以下の構成を備えている。すなわち、本体ブロックをさらに備えており、この本体ブロックに、上記管路部及び上記液剤供給路が形成され、上記液剤供給部材が装着されており、上記本体ブロックに、上記回転部材に摺接してその回転を支持しうる摺接支持面部が設けられており、上記計量部が、回転部材の液剤受入位置において液剤供給路に開口し、回転部材の液剤排出位置において管路部に開口する受入開口を有しており、上記計量部が、外方に弾力的に突出しうる突起を有する計量部形成部材を有しており、上記回転部材の回転に伴い、上記突起が摺接支持面部に押圧されることにより、計量部形成部材が回転部材の回転中心軸に向かって変位し、計量部に上記受入開口と連通する液剤収容空間が形成され、突起の摺接支持面部への押圧が解放されることにより、計量部形成部材が上記と逆向きに変位し、計量部から上記液剤収容空間が消滅する。
【0013】
好ましくは以下の構成をさらに備えている。すなわち、上記液剤供給路が貫通して形成された押さえ弁と、上記管路部に交差して連通するように本体ブロックに形成された第一穴と、この第一穴に交差して連通するように本体ブロックに形成された第二穴とをさらに備えており、上記押さえ弁が、上記第一穴に挿入されており、上記回転部材が、上記第二穴に挿入されており、上記回転部材の外周面が、上記摺接支持面部を構成する押さえ弁の端面に摺接しており、上記回転部材には、上記計量部形成部材を収容しうる凹所が形成されており、上記受入開口が上記凹所の底部に形成されており、この受入開口に向けて計量部形成部材が進退することにより、液剤収容空間が形成及び消滅するように構成されている。
【0014】
本発明に係る混合液体供給システムは、
流体供給路と、この流体供給路に設置された液体混合装置と、液体混合装置によって混合された液体の液剤濃度を検出する液剤濃度センサと、上記液体混合装置の動作を制御する制御装置とを備えており、上記液剤濃度センサが、上記流体供給路における液体混合装置より流体流れ方向下流側に設置されており、上記液剤濃度センサによる濃度情報に基づいて、上記制御装置が、上記液体混合装置に対し、時間当たりの液剤供給部材の液剤排出位置への変位回数を制御するように構成されたシステムであり、
上記液体混合装置が、流体が流通する管路部と、この管路部へ液剤を供給するための液剤供給路と、この液剤供給路に配設された液剤供給部材とを備えており、この液剤供給部材が、液剤供給路から液剤を受け入れる液剤受入位置と、液剤を管路部に排出する液剤排出位置とに変位可能に構成されており、上記液剤供給部材が、所定量の液剤を収容しうる計量部を有しており、この計量部は、液剤供給部材が液剤受入位置にあるときには、液剤供給路と連通し且つ管路部には連通せず、液剤供給部材が液剤排出位置にあるときには、管路部と連通し且つ液剤供給路には連通しないように構成されている。
【0015】
本発明に係る流体に液剤を混合する方法は、
液体混合装置を用いて流体に液剤を混合する方法であって、液剤の受入及び排出の回数、又は、液剤の時間当たりの受入及び排出の回数を制御することにより、流体への、液剤混合量、又は、時間当たり液剤混合量を制御することを含んでおり、
上記液体混合装置が、流体が流通する管路部と、この管路部へ液剤を供給するための液剤供給路と、この液剤供給路に配設された液剤供給部材とを備えており、この液剤供給部材が、液剤供給路から液剤を受け入れる液剤受入位置と、液剤を管路部に排出する液剤排出位置とに変位可能に構成されており、上記液剤供給部材が、所定量の液剤を収容しうる計量部を有しており、この計量部は、液剤供給部材が液剤受入位置にあるときには、液剤供給路と連通し且つ管路部には連通せず、液剤供給部材が液剤排出位置にあるときには、管路部と連通し且つ液剤供給路には連通しないように構成されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る液体混合装置によれば、被混合対象である水等の逆流が防止され、液剤の高精度な混合が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に係る混合液体供給システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明に係る液体混合装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2の液体混合装置のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図4は、図2の液体混合装置のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図5は、図2の液体混合装置における回転部材及び計量部を示す組み立て前斜視図である。
【図6】図6(a)は、図2の液体混合装置における回転部材が液剤排出位置にあるときの図4の要部を拡大して示す断面図であり、図6(b)は、図6(a)におけるVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図7(a)は、図2の液体混合装置における回転部材が液剤受入位置にあるときの図4の要部を拡大して示す断面図であり、図7(b)は、図7(a)におけるVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】図8は、図2の液体混合装置における押さえ弁の下端と回転部材との位置関係を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0019】
図1には、本発明の一実施形態に係る混合液供給システム100が概略的に示されている。このシステム100は、水に対し、例えば、肥料、薬剤、洗剤、糖分等の食品添加物、水耕栽培の水耕液等、インク、栄養素等の液剤を混合し、この混合液を種々の使用分野に供給するものである。上記「水」は、水道水等の水単体である他、水に各種液剤が予め混合されている混合水であってもよい。このシステム100は、給水源101、この給水源101に接続され、使用先200に混合液を供給する給水配管102、この給水配管102に設置された液体混合装置1、給水配管102の液体混合装置1より水流れ方向(以下、省略する)下流側に設置された液剤の濃度センサ103、給水配管102の濃度センサ103より下流側から液体混合装置1の上流側に接続された還流配管104を備えている。給水配管102における還流配管104の下流接続点Bより下流側には、ポンプ105が設置されている。給水配管102における還流配管104の上流接続点Aより下流側には第一開閉弁106設置されており、環流配管104には第二開閉弁107が設置されている。
【0020】
上記液体混合装置1は、給水配管102中を流れる水に所望量の液剤を混合する装置である。液体混合装置1には、この液体混合装置1の動作を制御する制御装置108が接続されている。上記濃度センサ103は、給水配管102中を流れる液体の液剤濃度を検出する検出部103aと、この検出部103aによる検出結果を表示し、且つ、その濃度情報を制御装置108に送信する演算表示部103bとを有している。濃度センサ103及び制御装置108はそれぞれ交流電源109に接続されている。図示しないが、開閉弁105、106にも、必要に応じて交流又は直流の電源が接続される。図1においては、動力用電源系統は実線で示され、信号系統は破線で示されている。開閉弁106、107は、電磁式開閉弁であってもよく、モータ駆動の開閉弁であってもよく、油圧や空気圧式の開閉弁であってもよい。
【0021】
このシステム100では、濃度センサ103として、光屈折計が用いられている。光屈折計は、装備されたプリズムと測定対象となる液体との界面で生じる光の屈折程度に基づき、測定対象となる液体の液剤濃度を算出するものである。本発明では、濃度センサ103としては光屈折計には限定されず、例えば、比重測定計、導電率計、pH測定計、粘度計その他の公知の計測器を採用しうる。液量変化等の変動要因が存在しても高精度の測定が可能であること、適用対象が広いこと、扱い易いこと等から、光屈折計が好ましい。なお、屈折率は対象液の温度によって変化するため、対象液の屈折率とともに温度も測定し、測定温度に基づいて屈折率の補正が行われるのが好ましい。このため、屈折率及び温度の両方を測定しうるセンサが好ましい。例えば、株式会社アタゴ製のPRM−100α、CM−780N等が採用されうる。適用対象液が液肥の場合は、高精度と低コストが両立しうる導電率計が好ましい。導電率は対象液の温度の上昇とともに上昇するため、対象液の導電率とともに温度も測定し、測定温度に基づいて導電率の補正が行われるのが好ましい。又は、所定の温度補正率、例えば、予め2%/1°C等の補正率を設定しておくことにより、補正が行われてもよい。
【0022】
上記制御装置108は、予め設定された所望の液剤濃度と、濃度センサ103による濃度情報との比較に基づき、液体混合装置1に対して、時間当たりの液剤供給量の増減指令を発信する。液体混合装置1では、この指令信号を受けて、後述する駆動モータ6の回転数が変更される。
【0023】
このシステム100では、濃度センサ103による検出濃度値が、予め設定された濃度値より低い場合には、制御装置108が、第一開閉弁106に対して閉弁指示を送り、第二開閉弁107に対して開弁指示を送ることがある。これにより、検出濃度値が規定値に達しない間は、使用先200への混合液の供給が停止され、混合液は給水配管102と還流配管104とを循環する。検出濃度値が規定値に達すると、制御装置108が、第一開閉弁106に対して開弁指示を送り、第二開閉弁107に対して閉弁指示を送り、混合液が使用先200に供給される。上記システム100の動作は一例である。なお、制御装置108から第一開閉弁106と第二開閉弁107の両方に開弁指示を送って使用先200に供給しながら還流配管104にも混合液を循環させ、検出濃度値が規定値に達したときに制御装置108から第二開閉弁107に対して閉弁指示を送り、混合水を使用先200に供給することも可能である。また、第一開閉弁106と第二開閉弁107のいずれか一方又は両方を、流量を調整しうる弁として、制御装置108によって流量を調整することも可能である。
【0024】
図2から図4には、上記液体混合装置1が示されている。図3は、図2におけるIII−III線に沿った断面図であり、図4は、図2におけるIV−IV線に沿った断面図である。この液体混合装置1は、本体ブロック2と、本体ブロック2に組み込まれた円柱状の液剤供給部材3と、本体ブロック2に取り付けられた液剤容器4と、本体ブロック2に組み込まれた円筒状の押さえ弁5と、上記液剤供給部材3を回転駆動する駆動モータ6とを有している。液剤容器4は、本体ブロック2の外表面における、後述する第一穴11の開口部に取り付けられている。駆動モータ6は、本体ブロック2の外表面における、後述する第二穴12の開口部に取り付けられている。駆動モータ6としては、ステッピングモータ、サーボモータ、DCモータ等が採用されうる。しかし、回転数や回転角度の制御が可能な上、安価であり、比較的高精度であり、必要なトルクが得られるステッピングモータが好ましい。濃度センサ103、第一開閉弁106、第二開閉弁107及び制御装置108は、液剤濃度を精確に設定するため、また、液剤濃度を容易に変更できるようにするために付設されるのが好ましい。
【0025】
なお、この実施形態では駆動装置として駆動モータ6を採用したが、本発明においては回転力を発現しうる回転駆動部材であればよい。例えば、水車のような羽根を利用した水流により回転する水力回転部材を、給水配管102、又は給水配管102から分岐した分岐配管に配置した、水流により回転する水流回転駆動部材を採用することができる。この場合においては、給水配管102から分岐した分岐配管に配置した水流により回転する水流回転駆動部材とし、さらに、分岐配管に流れる水の流量を調整できる弁等からなる流量調整機構や、羽根の水流方向に対する角度や水流があたる羽根の面積を調整して羽根にかかる水圧による力を調整する負圧調整機構も付設するのが好ましい。精確な濃度調整を優先する場合は、前述の駆動モータ6を採用するのが好ましいが、モータ電源を不要とすることを優先する場合は、水流回転駆動部材を採用するのも好ましい。
【0026】
本体ブロック2には、水等の液体が流通する一本の管路部7が形成されている。図2では、管路部7の左端が入り口8であり、右端が出口9である。本願発明では、左右端のいずれが入り口8でも出口9でもよい。本体ブロック2には、上記管路部7に直交して連通する二本の円筒状の第一穴11が形成されている。第一穴11は、本体ブロック2の上面から鉛直下方に延び、管路部7にまで至っている。第一穴11の中心軸は、管路部7の中心軸にほぼ一致している。各第一穴11には、上記押さえ弁5が収容されている。本体ブロック2には、各第一穴11に直交して連通する円筒状の第二穴12が形成されている。第二穴12の中心軸は、第一穴11の中心軸にほぼ一致している。第二穴12は、本体ブロック2の側面から水平に延び、第一穴11にまで至っている。この第二穴12は、上記管路部7に垂直な方向であって、管路部7のわずかに上方に延在している。しかし、第二穴12は管路部7に連通している。第一穴11及び第二穴12は、ともに有底である。各第二穴12には、上記液剤供給部材3が自軸回りに回転可能に収容されている。液剤供給部材3の端部には、第二穴12の開口端に設置された駆動モータ6の出力軸が接続されている。液剤供給部材3は、駆動モータ6により、自軸回りに回転駆動される。
【0027】
この液体混合装置1では、一つの液剤供給部材3、一つの液剤容器4、一つの押さえ弁5及び一つの駆動モータ6により、管路部7に対する一つの液剤混合ユニットが構成されている。この本体ブロック2では、一本の管路部7に沿って、直列に二つの液剤混合ユニットが構築されていることになる。本発明では、一つの本体ブロック2に対し、一つの液剤混合ユニットのみが構築されてもよく、三つ以上の液剤混合ユニットが構築されてもよい。一つの管路部7に複数個の液剤混合ユニットが構築されることにより、複数種の液剤の混合量を別々に調整しながら供給することができる。また、一つの本体ブロックに複数本の管路部2が形成され、各管路部2に液剤混合ユニットが構築されてもよい。このような、駆動装置によって回転駆動される部材(液剤供給部材3)は、回転数によって精密に液剤供給量を調整でき、また、前後移動の繰り返し等によって液剤を供給する装置に比して耐久性や低振動性に優れ、さらに装置コストも抑えることができる。従って、液剤供給機能としてこのような回転部材を採用することが好ましい。
【0028】
上記押さえ弁5は、段差部13を介して大径部14と小径部15とから構成されている。押さえ弁5の中心軸に沿って貫通孔16が形成されている。この貫通孔16は、液剤が通る液剤供給路17を構成する。第一穴11の開口部には、フランジ部18fを有する円筒状の液剤容器止め具18が取り付けられている。液剤容器止め具18は、そのフランジ部18fが、本体ブロック2の外表面に、図示しないガスケットを介装し、図示しないボルト等によって着脱可能に取り付けられている。この液剤容器止め具18の上端の内径側には、液剤容器4の口部が水密に且つ着脱可能に装着されている。液剤容器止め具18の下端の内径側には、押さえ弁5の小径部15が、Oリング19を介して嵌合されている。押さえ弁5は、液剤容器止め具18に対して上下動可能である。液剤容器止め具18は、液剤容器4の脱着性をよくするため、または装着を確実にするために付設することが好ましい。
【0029】
第一穴11における、液剤容器止め具18の下面と押さえ弁5の段差部13との間の空間には、第一コイルばね20が圧縮状態で装着されている。この第一コイルばね20は、押さえ弁5の小径部15の外周に装着されている。この第一コイルばね20により、押さえ弁5の下端面10は、上記液剤供給部材3の後述する回転部材21の外周面に弾力的に押圧されている。従って、上記液剤供給路17は、液剤容器4の口部から、貫通孔16を通って、回転部材21の外周面にまで至っている。液剤は回転部材21の外周面にまで充満する。
【0030】
押さえ弁5の下端面10は、回転部材21の外周面と相補的な、部分円柱状の凹状に形成されている。回転部材21の外周面と、押さえ弁5の下端面10の凹部とは、同一の曲率を有する円柱面状を呈している。この形状により、押さえ弁5の下端面10は、自軸回りに回転する回転部材21の外周面に摺接する。この押さえ弁5の下端面10が、回転部材21の摺接支持面を構成する。押さえ弁5は、この回転部材21の外周面に摺接することにより、閉弁が可能となる。押さえ弁5の大径部14の外径は、回転部材21の外径より大きくされている。押さえ弁5の開閉動作の詳細については後述する。
【0031】
図4から図7には、上記液剤供給部材3が示されている。本実施形態では、この液剤供給部材3が液剤供給機構を構成している。液剤供給部材3は、上記回転部材21及び計量部形成部材22を有している。回転部材21は、自軸回りに回転可能に、第二穴12に収容されている。回転部材21における、駆動モータ6との連結側端部(基端部という)には大径被支持部33が形成され、先端部には小径被支持部34が形成されている。第二穴12の、開口部近傍35は、上記大径被支持部33の外径とほぼ同一の内径を有しており、奥端部近傍36は、上記小径被支持部34の外径とほぼ同一の内径を有している。回転部材21は、第二穴12の開口部近傍35及び奥端部近傍36、並びに、上記押さえ弁5の下端面(摺接支持面)10によって回転可能に支持されている。上記回転部材21における、長手方向(軸方向)の両端近傍それぞれに、Oリング37が装着されている。従って、混合液が駆動モータ6側に進出することが防止されている。
【0032】
回転部材21には、その軸方向に延びる収容凹所23が形成されている。この収容凹所23に上記計量部形成部材22が収容される。この計量部形成部材22及び収容凹所23並びに後述する小径及び大径の貫通孔30、31が計量部を構成する。収容凹所23の開口部分は、蓋部材24によって閉止される。蓋部材24は、上記開口部分に装着されるものであり、接着剤、ネジ等によって上記開口部分に固着されていてもよい。上記計量部形成部材22は、基板25と、この基板25の上面に相互に離間して突設された一対の突起26と、基板25上における一対の突起26同士の間に突設された計量凸部27とを有している。突起26同士の間隔は、突起26の機能(押さえ弁5の下端面10により押圧される)を確保するために、押さえ弁5の大径部14の外径より小さくされている。一対の突起26と計量凸部27とは一直線に整列している。この詳細は、後に液体混合装置1の動作の説明において説明される。基板25の背面と蓋部材24との間には、第二コイルばね28が圧縮状態で装着されている。蓋部材24及び基板25それぞれの対向面には、第二コイルばね28の端部が嵌着されるばね座としての円形凹所29が形成されている。
【0033】
図5に示されるように、計量凸部27の高さは、突起26の高さよりわずかに低い。上記収容凹所23の底部には、三つの貫通孔30、31が形成されている。真ん中の大径貫通孔31には、上記計量凸部27が挿通される。大径貫通孔31の左右両側に形成された一対の小径の貫通孔30には、上記一対の突起26が挿通される。三つの貫通孔30、31は一直線に整列している。
【0034】
図6に示されるように、計量部形成部材22が収容凹所23内に収容されて、第二コイルばね28の復元力によってその基板25の上面が収容凹所23の底面に接したとき(計量部形成部材22の進出位置)、上記一対の突起26の先端が、小径貫通孔30の開口30aから外方へわずかに突出する。すなわち、第二コイルばね28により、一対の突起26の先端が外方へ弾力的に突出させられる。このとき、上記計量凸部27の先端は、大径貫通孔31の開口31a(液剤受入開口ともいう)にまで至る。しかし、計量凸部27の先端は、開口31aから外方へは突出せず、回転部材21の外周面と一致する。突起26及び計量凸部27は、このような高さに形成されている(図5も併せて参照)。計量凸部27の先端面の形状は、回転部材21の外周面と同一の曲率を有する部分円柱面にされている。従って、計量部形成部材22の進出位置においては、回転部材21の外周面の大径貫通孔31の部分は、凹凸のない円柱外面となっている。この位置は、液剤供給部材3の液剤排出位置という。
【0035】
一方、図7に示されるように、外方へ突出した一対の突起26の先端部が、外力により、第二コイルばね28の復元力に抗して小径貫通孔30の内方へ押し返されて、回転部材21の外周面と一致したとき(計量部形成部材22の後退位置)、計量凸部27の先端は、回転部材21の外周面、すなわち液剤受入開口31aから大径貫通孔31を内方へわずかに後退する。従って、大径貫通孔31内の外方側には、空間32が形成される。この空間32は、後述する液剤収容空間である。液剤収容空間32は、大径貫通孔31と計量凸部27の先端面とによって画される。液剤容器4から液剤供給路17を通ってきた液剤は、液剤受入開口31aから液剤収容空間32に受け入れられる。この位置は、液剤供給部材3の液剤受入位置である。一方、前述した計量部形成部材22の進出位置(図6)では、液剤収容空間32が消滅しているので、液剤供給部材3の液剤排出位置といえる。
【0036】
図7において、押さえ弁5の貫通孔16の中心軸に垂直な断面積をS1とし、上記大径貫通孔31の中心軸に垂直な断面積をS2としたとき、S2/S1の値が大きすぎると、液剤の粘度が高い場合や、時間当たりの液剤の混入量が多い場合に、液剤収容空間32への液剤の導入が不完全となるおそれがある。S2/S1の値が小さすぎると、貫通孔16における液剤のたまり部が大きくなり、装置の大型化、コストアップ等を招来する可能性がある。また、液剤収容空間32の体積Vが小さくなり、時間当たりの液剤導入量の上限が過度に制限される可能性もある。そこで、S2/S1の値は、0.3以上3.0以下が好ましい。下限値は0.5以上がさらに好ましく、0.7以上がさらに好ましい。また、上限値は2.0以下がさらに好ましく、1.5以下がさらに好ましく、0.95以下が特に好ましい。本実施形態では、S2/S1の値は0.9とされている。
【0037】
液剤収容空間32の体積Vが小さすぎると、時間当たりの液剤導入量の上限が過度に制限されるおそれがある。また、過度に小さい場合には、液剤の粘度が高い場合等において、液剤収容空間32への液剤の導入が不完全になるおそれがある。この体積Vが大きすぎると、混合液の時間当たりの濃度変化が大きくなったり、細かい濃度設定が難しくなるおそれがある。そこで、上記体積Vは、0.05cc以上1.00cc以下が好ましい。下限値は0.10cc以上がさらに好ましく、0.15cc以上がさらに好ましい。また、上限値は0.50cc以下がさらに好ましく、0.30cc以下がさらに好ましく、0.20cc以下が特に好ましい。本実施形態では、体積Vは0.15ccとされている。
【0038】
図7に示された液剤収容空間32の深さTが小さすぎると、装置1の組み立て時や運転時に、部材が液剤収容空間32に引っ掛かるおそれがある。逆に、深さTが大きすぎると、液剤の粘度が高い場合等において、液剤収容空間32への液剤の導入が不完全になるおそれがある。そこで、深さTの値は、0.2mm以上4.0mm以下が好ましい。下限値は0.5mm以上がさらに好ましく、0.8mm以上が特に好ましい。また、上限値は3.0mm以下がさらに好ましく、2.0mm以下が特に好ましい。本実施形態では、深さTは1.5mmとされている。
【0039】
液体混合装置1は、低混合率においても高精度な混合を行うことが期待できる。混合後の混合液の単位体積に対する、混入される液剤の体積割合が0.0001以上0.05以下の範囲において特に高精度な混合制御が期待できる。
【0040】
上記のように構成された液体混合装置1の動作が、図6及び図7が参照されつつ、以下に説明される。管路部7には水が流れている。液剤容器4内の液剤は、液剤供給路17内に充満し、液剤供給部材3の回転部材21の外周面にまで至っている。液剤供給部材3は、駆動モータ6により、自軸回りに回転している。上記押さえ弁5の下端面10は、回転部材21の外周面に摺接している。この摺接により、管路部7と液剤供給路17との間の液シールが実現されている。
【0041】
図6に示されるように、液剤供給部材3が回転して液剤排出位置に至ったとき、回転部材21の小径及び大径の貫通孔30、31の開口は、管路部7及び第一穴11という空間に対向している。従って、突起26の先端は押されず、上記空間7、11に向かって突出している。計量凸部27の先端は、回転部材21の外周面と一致し、液剤収容空間32が消滅している。
【0042】
液剤供給部材3が回転して液剤受入位置(図7)に向かうとき、小径貫通孔30の開口から突出していた突起26の先端が、押さえ弁5の下端面10によって小径貫通孔30の内方へ押される。これにより、計量部形成部材22が収容凹所23の内方へ後退する。計量凸部27も大径貫通孔31内を後退する。その結果、液剤受入開口31a及び液剤収容空間32が形成される。計量部形成部材22がこの状態のまま、液剤供給部材3がさらに回転し、図7に示される液剤受入位置に至る。この液剤受入位置では、液剤収容空間32は液剤供給路17である押さえ弁5の貫通孔16に対向している。液剤供給路17及び液剤受入開口31aを通って液剤が液剤収容空間32に流入する。
【0043】
液剤供給部材3が回転して液剤排出位置(図6)に向かうとき、押さえ弁5の下端面10によって閉止されていた小径貫通孔30の開口が開放される。これにより、突起26の先端が上記空間7、11に向かって突出する。これとともに、計量凸部27の先端が回転部材21の外周面まで進出する。これにより、液剤収容空間32が消滅し、液剤収容空間32内の液剤が管路部7内に排出される(図6)。液剤供給部材3が一回転することにより、液剤収容空間32の容積とほぼ同一体積の液剤が、管路部7内を流れる水に混合される。駆動モータ6の回転数を調整することにより、液剤供給部材3の回転数を調整し、時間当たりの液剤供給量を制御することができる。
【0044】
液剤供給部材3が回転し、液剤排出位置(図6)から液剤受入位置(図7)に向かうとき、管路部7内の水は液剤供給路17に逆流しない。すなわち、液剤排出位置から液剤受入位置に向かうとき、液剤収容空間32内に管路部7内の水が進入することが防止されている。これは、例えば、以下の構成による。
【0045】
回転部材21の外周面に摺接している押さえ弁5の下端面の外周形状を、図8に示されるような形に定めることが可能である。すなわち、液剤供給部材3が液剤排出位置から液剤受入位置に向かう(図中、時計回りに回転する)とき、大径貫通孔31の液剤受入開口31aが先に押さえ弁5の下端面によって閉止され、その後、小径貫通孔30の開口が押さえ弁5の下端面の下に潜り込むことができる形状である。押さえ弁5の下端面をこのような形状とすることにより、液剤受入開口31aが閉止された後、計量凸部27が後退して液剤収容空間32が形成される。その結果、液剤供給部材3が液剤排出位置から液剤受入位置に向かうとき、管路部7内の水が液剤収容空間32内に進入することが防止される。管路部7内の水が液剤供給路17に逆流することが防止される。
【0046】
本実施形態では、突起26と計量凸部27とが一直線に整列し、小径貫通孔30と大径貫通孔31とが一直線に整列している。しかし、上記の水の逆流防止をより確実にするために、一対の突起26と計量凸部27との配置、及び、小径貫通孔30と大径貫通孔31との配置がわずかに変更されてもよい。図8において、大径貫通孔31だけが、回転方向にわずかに先行した位置(図8中のわずかに上方の位置)に変更されてもよい。計量凸部27の形成位置は、この大径貫通孔31の変更後の位置と一致するように、一対の突起26を結ぶ仮想直線上の位置から垂直方向(図中、上方)にわずかに変更される。
【0047】
押さえ弁5、回転部材21及び計量部形成部材22は、相互に当接及び摺接されるため、かかる使用条件に適した耐摩耗性を有する材料が選択される。耐摩耗性の観点から、特に、押さえ弁5と回転部材21とは、互いに硬度が異なる材料からなるのが望ましい。これらの部材5、21、22は、ポリプロピレン(PP)、ABS樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリフェニルサルファイド(PPS)等から、射出成形、射出圧縮成形等によって形成されうる。特に回転部材21は、寸法精度が要求されるため、ABS樹脂から形成されるのが好ましい。押さえ弁5は、潤滑性が要求されるため、ポリアセタールから形成されるのが好ましい。本体ブロック2は、使用される水圧に十分耐えうる強度を有した合成樹脂が選択されうる。
【0048】
本発明の液体混合装置は、液剤供給路から液剤を受け入れて所定量の液剤を計量する計量機能とその計量された液剤を管路部に供給する機能を備える液剤供給機構を備えることによって、使用条件にかかわらず高精度な混合率を実現するものであり、以上説明された実施形態には限定されない。上述の実施形態の他にも、ポンプ部材の前後移動によって計量機能と供給機能をなすものや、インジェクション装置によるものなどの液剤供給機構を採用することも可能である。但し、高精度な混合率及び混合率変更の容易性と、高い耐久性やコスト上昇の抑制の総合的性能を高いレベルで実現する為には、液剤供給機構として、駆動装置によって回転駆動され、計量部が設けられており、回転駆動されることにより液剤受入位置と液剤排出位置とに変位する回転部材を採用するなど、以上で説明した実施形態の各々の構成を単独で又は組み合わせて採用するのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係る液体混合装置は、例えば、水耕栽培、食品製造、薬品製造等の分野に好適である。
【符号の説明】
【0050】
1・・・液体混合装置
2・・・本体ブロック
3・・・液剤供給部材
4・・・液剤容器
5・・・押さえ弁
6・・・駆動モータ
7・・・管路部
8・・・(管路部の)入り口
9・・・(管路部の)出口
10・・・(押さえ弁の)下端面
11・・・第一穴
12・・・第二穴
13・・・段差部
14・・・大径部
15・・・小径部
16・・・(押さえ弁の)貫通孔
17・・・液剤供給路
18・・・液剤容器止め具
19・・・Oリング
20・・・第一コイルばね
21・・・回転部材
22・・・計量部形成部材
23・・・収容凹所
24・・・蓋部材
25・・・基板
26・・・突起
27・・・計量凸部
28・・・第二コイルばね
29・・・円形凹所
30・・・小径貫通孔
31・・・大径貫通孔
32・・・液剤収容空間
33・・・大径被支持部
34・・・小径被支持部
35・・・(第二穴の)開口部近傍
36・・・(第二穴の)奥端部近傍
37・・・Oリング
100・・・混合液供給システム
101・・・給水源
102・・・給水配管
103・・・濃度センサ
104・・・還流配管
105・・・ポンプ
106・・・第一開閉弁
107・・・第二開閉弁
108・・・制御装置
109・・・交流電源
200・・・使用先
A・・・(還流配管の)上流接続点
B・・・(還流配管の)下流接続点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流通する管路部と、
この管路部へ液剤を供給するための液剤供給路とを備える液体混合装置であって、
上記液剤供給路に配設された液剤供給機構を備えており、
この液剤供給機構が、液剤供給路から液剤を受け入れて所定量の液剤を計量する計量機能と、その計量された液剤を管路部に供給する機能を備える液体混合装置。
【請求項2】
上記液剤供給機構が、液剤供給部材を備えており、
この液剤供給部材が、液剤供給路から液剤を受け入れる液剤受入位置と、液剤を管路部に排出する液剤排出位置とに変位可能に構成されており、
上記液剤供給部材が、所定量の液剤を収容しうる計量部を有しており、
この計量部が、液剤供給部材が液剤受入位置にあるときには、液剤供給路と連通し且つ管路部には連通せず、液剤供給部材が液剤排出位置にあるときには、管路部と連通し且つ液剤供給路には連通しないように構成されている請求項1に記載の液体混合装置。
【請求項3】
駆動装置をさらに備えており、
上記液剤供給部材が、上記駆動装置によって回転駆動される回転部材を有しており、
この回転部材に上記計量部が設けられており、
上記回転部材が、回転駆動されることにより、上記液剤受入位置と液剤排出位置とに変位する請求項2に記載の液体混合装置。
【請求項4】
本体ブロックをさらに備えており、
この本体ブロックに、上記管路部及び上記液剤供給路が形成され、上記液剤供給部材が装着されており、
上記本体ブロックに、上記回転部材に摺接してその回転を支持しうる摺接支持面部が設けられており、
上記計量部が、回転部材の液剤受入位置において液剤供給路に開口し、回転部材の液剤排出位置において管路部に開口する受入開口を有しており、
上記計量部が、外方に弾力的に突出しうる突起を有する計量部形成部材を有しており、
上記回転部材の回転に伴い、上記突起が摺接支持面部に押圧されることにより、計量部形成部材が回転部材の回転中心軸に向かって変位し、計量部に上記受入開口と連通する液剤収容空間が形成され、突起の摺接支持面部への押圧が解放されることにより、計量部形成部材が上記と逆向きに変位し、計量部から上記液剤収容空間が消滅する、請求項3に記載の液体混合装置。
【請求項5】
上記液剤供給路が貫通して形成された押さえ弁と、
上記管路部に交差して連通するように本体ブロックに形成された第一穴と、
この第一穴に交差して連通するように本体ブロックに形成された第二穴とをさらに備えており、
上記押さえ弁が、上記第一穴に挿入されており、
上記回転部材が、上記第二穴に挿入されており、
上記回転部材の外周面が、上記摺接支持面部を構成する押さえ弁の端面に摺接しており、
上記回転部材には、上記計量部形成部材を収容しうる凹所が形成されており、
上記受入開口が上記凹所の底部に形成されており、この受入開口に向けて計量部形成部材が進退することにより、液剤収容空間が形成及び消滅するように構成されている、請求項4に記載の液体混合装置。
【請求項6】
流体供給路と、この流体供給路に設置された液体混合装置と、液体混合装置によって混合された液体の液剤濃度を検出する液剤濃度センサと、上記液体混合装置の動作を制御する制御装置とを備えており、上記液剤濃度センサが、上記流体供給路における液体混合装置より流体流れ方向下流側に設置されており、上記液剤濃度センサによる濃度情報に基づいて、上記制御装置が、上記液体混合装置に対し、時間当たりの液剤供給部材の液剤排出位置への変位回数を制御するシステムであり、
上記液体混合装置が、
流体が流通する管路部と、この管路部へ液剤を供給するための液剤供給路と、この液剤供給路に配設された液剤供給部材とを備えており、この液剤供給部材が、液剤供給路から液剤を受け入れる液剤受入位置と、液剤を管路部に排出する液剤排出位置とに変位可能に構成されており、上記液剤供給部材が、所定量の液剤を収容しうる計量部を有しており、この計量部は、液剤供給部材が液剤受入位置にあるときには、液剤供給路と連通し且つ管路部には連通せず、液剤供給部材が液剤排出位置にあるときには、管路部と連通し且つ液剤供給路には連通しないように構成されている、混合流体供給システム。
【請求項7】
液体混合装置を用いて流体に液剤を混合する方法であって、液剤の受入及び排出の回数、又は、液剤の時間当たりの受入及び排出の回数を制御することにより、流体への、液剤混合量、又は、時間当たり液剤混合量を制御することを含んでおり、
上記液体混合装置が、
流体が流通する管路部と、この管路部へ液剤を供給するための液剤供給路と、この液剤供給路に配設された液剤供給部材とを備えており、この液剤供給部材が、液剤供給路から液剤を受け入れる液剤受入位置と、液剤を管路部に排出する液剤排出位置とに変位可能に構成されており、上記液剤供給部材が、所定量の液剤を収容しうる計量部を有しており、この計量部は、液剤供給部材が液剤受入位置にあるときには、液剤供給路と連通し且つ管路部には連通せず、液剤供給部材が液剤排出位置にあるときには、管路部と連通し且つ液剤供給路には連通しないように構成されている、流体に液剤を混合する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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