説明

液体漂白剤組成物

【課題】過酸化水素の保存安定性に優れ、且つ保存後も高い漂白効果を発現する液体漂白剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)過酸化水素を1〜6質量%、(b)特定の高分子化合物、、(c)アルキル基の炭素数が10〜14、平均オキシアルキレン付加モル数が7〜12のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを1〜20質量%、(d)特定のアルキル(ポリ)グリコシド型化合物を0.2〜10質量%、及び(e)水を含有し、(b)/(d)の質量比が2/1〜1/10である液体漂白剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体漂白剤組成物、より詳細には、衣料等の繊維製品用として好適な液体漂白剤組成物及び衣料用漂白剤物品に関する。
【背景技術】
【0002】
過酸化水素を主基剤とする酸素系液体漂白剤は色・柄物に使用でき、汚れに直接塗布できるなどの利点から好まれて使用されており、特に、液体を泡状に塗布させるトリガータイプを用いることは、簡便性に加え、液ダレしにくく、手が汚れない等の使い勝手の点から非常に有用である。特許文献1には、過酸化水素、特定の糖誘導体型界面活性剤、特定の非イオン性界面活性剤及び水を、それぞれ特定比率で含有する液体組成物を泡状にして衣料の漂白に用いる、衣料漂白用泡状組成物が開示されている。
【0003】
また、従来からこの過酸化水素配合製品中に、洗浄力、漂白力の向上を目的に、水溶性ポリマーを配合する研究が為されているが、これら基剤は、過酸化水素と反応して過酸化水素の安定性を著しく低下させるため、上述した酸素系漂白剤に水溶性ポリマーを配合することは困難であった。
【0004】
このような問題に対し、特許文献2、3において、漂白、洗浄効果に優れ、安定性に優れた漂白剤として、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位と、オキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位とを有する水溶性ポリマーを過酸化水素および界面活性剤と組み合わせた液体漂白性組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−76006号公報
【特許文献2】特開2005−187695号公報
【特許文献3】特開2007−169576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2、3は、特定の水溶性ポリマーを、酸素系漂白剤を含む液体組成物中に、安定に配合することが可能な技術であるとされているが、いずれも、未だその安定性は充分ではなく、また、漂白、洗浄効果も充分でない。更に、過酸化水素等の漂白基剤を配合した液体組成物を、特定の容器、例えば、泡形成機構を有する吐出手段を具備する容器に充填して衣料用漂白剤物品とする場合にも、水溶性ポリマーを安定に配合でき、漂白、洗浄効果を向上させる技術が求められている。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、過酸化水素の保存安定性に優れ、且つ保存後も高い漂白効果を発現する液体漂白剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、(a)過酸化水素を1〜6質量%、(b)下記一般式(1)で示される化合物又はその酸塩に由来するモノマー単位(b1)及び、下記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(b2)を、(b1)/{(b1)+(b2)}=0.2〜1のモル比で含有する高分子化合物、(c)アルキル基の炭素数が10〜14、平均オキシアルキレン付加モル数が7〜12のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを1〜20質量%、(d)下記一般式(4)で表される化合物を0.2〜10質量%、並びに(e)水を含有し、(b)/(d)の質量比が2/1〜1/10である、液体漂白剤組成物に関する。
【0009】
【化1】

【0010】
〔一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R3は−COOM(Mは水素原子、又はアルカリ金属原子)、又は水素原子を示す。Xは−COO−R6−、−CONR7−R8−、又は−CH2−を示す。R4はXが−CH2−の場合には一般式(3)
【0011】
【化2】

【0012】
で表される基を示し、Xがそれ以外の場合は炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す。R5は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は水素原子を示す。R6、R8は、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基、R7は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
【0013】
【化3】

【0014】
〔一般式(2)中、R11、R12は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yはアリール基、−O−CO−R13、−COO−R14、又は−CONR15−R16を示す。R13、R14、R16は、それぞれ独立に炭素数1〜22の炭化水素基、又は総炭素数6〜14のアリールアルキル基を示し、R15は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
R−(OR’)xy (4)
〔式中、Rは炭素数8〜16のアルキル基、R’は炭素数2〜4のアルキレン基、Gは還元糖に由来する残基、xは平均値0〜6の数、yは平均値1〜10を示す。〕
【0015】
また、本発明は、(a)過酸化水素〔以下、(a)成分という〕を1〜6質量%、(b)上記一般式(1)で示される化合物又はその酸塩に由来するモノマー単位(b1)及び、上記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(b2)を、(b1)/{(b1)+(b2)}=0.2〜1のモル比で含有する高分子化合物〔以下、(b)成分という〕、(c)アルキル基の炭素数が10〜14、平均オキシアルキレン付加モル数が7〜12のポリオキシアルキレンアルキルエーテル〔以下、(c)成分という〕を1〜20質量%、(d)上記一般式(4)で表される化合物〔以下、(d)成分という〕を0.2〜10質量%、並びに(e)水を含有し、(b)/(d)の質量比が2/1〜1/10である液体漂白剤組成物を、泡形成機構を有する吐出手段を具備する容器に充填してなる衣料用漂白剤物品に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、過酸化水素の保存安定性に優れ、且つ保存後も高い漂白効果を発現する液体漂白剤組成物及び衣料用漂白剤物品が提供される。また、本発明によれば、起泡性や泡安定性等の泡特性が良好な液体漂白剤組成物及び衣料用漂白剤物品が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<液体漂白剤組成物>
〔(a)成分〕
本発明の液体漂白剤組成物は、(a)成分として過酸化水素を1〜6質量%、好ましくは1.5〜5質量%、特に好ましくは2〜4.5質量%含有する。このような範囲において優れた漂白効果を得ることができる。
【0018】
[(b)成分]
本発明の液体漂白剤組成物は、(b)成分として、上記一般式(1)で示される化合物又はその酸塩に由来するモノマー単位(b1)及び、下記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(b2)を、(b1)/{(b1)+(b2)}=0.2〜1のモル比で含有する高分子化合物を含有する。
【0019】
(b)成分は、モノマー単位(b1)及びモノマー単位(b2)を、(b1)/{(b1)+(b2)}=0.2〜1のモル比で含有する、高分子化合物である。かかるモル比は、漂白性能向上、過酸化水素の安定性向上の観点から、下限は0.2以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上で、また、上限は1以下、好ましくは0.95以下である。モノマー単位(b1)の由来となる、一般式(1)で表される化合物のうち、一般式(1)中のXが−COO−R6−である化合物としては、特に限定されるものでないが、例えばアクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノブチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノブチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノブチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノブチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。
【0020】
また、一般式(1)で表される化合物のうち、一般式(1)中のXが−CONR7−R8−である化合物としては、特に限定されるものでないが、例えばN,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノメチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノブチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド等が挙げられる。
【0021】
また、一般式(1)中のXが−CH2−の場合、R4は前記一般式(3)で表される基である。かかる化合物としては、特に限定されるものでないが、例えばジアリルアミン等が挙げられる。
【0022】
一般式(1)で示される化合物は、酸塩を用いることができる。酸塩としては、例えば、1級、2級、3級アミンの塩酸塩、硫酸塩などの無機塩の中和塩や各種有機酸の中和塩が挙げられる。
【0023】
また、モノマー単位(b2)の由来となる、一般式(2)で表される化合物としては、特に限定されるものでないが、例えばラウリルアクリレート等のアクリル酸アルキル(炭素数1〜22)エステル、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等のメタクリル酸アルキル(炭素数1〜22)エステル、スチレン等が挙げられる。
【0024】
(b)成分は、モノマー単位(b1)、(b2)以外のモノマー単位として、共重合可能な不飽和結合含有モノマー〔モノマー(b3)〕に由来するモノマー単位〔モノマー単位(b3)〕を本発明の効果を損なわない範囲で有しても良い。かかるモノマー(b3)としては、特に限定されるものでないが、例えば、アクリルアミド、ビニルアルコール;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等の炭素数1〜22のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコールの重合度が1〜100)、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(プロピレングリコールの重合度が1〜50)、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート(ブチレングリコールの重合度が1〜50)等のポリアルキレン(アルキレン基の炭素数1〜8;直鎖もしくは分岐鎖)オキシド鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル;グリセリン(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;ジアセトン(メタ)アクリルアミド;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル環状アミド;N−(メタ)アクロイルモルホリン;塩化ビニル;アクリロニトリル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンカルボン酸等のカルボキシル基を有するビニル化合物;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル化合物等が例示される。これらのモノマー(b3)の共重合量は、モノマー全量に対して80モル%以下、好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。
【0025】
また、(b)成分は、モノマー単位(b1)とモノマー単位(b2)の合計が、全モノマー単位中、20モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、70モル%以上であることが更に好ましい。また、上限は100モル%である。
【0026】
また、(b)成分の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜1,000,000、更に3,000〜500,000、更に5,000〜200,000、更に6,000〜50,000、更に7,000〜20,000が好ましい。Mwと数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは、1〜40、更に1.5〜35、更に2〜10が好ましい。
【0027】
尚、本発明の(b)成分のMw、Mw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定による値を使用する。溶離液としては、水、アルコール、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びこれらの溶媒を組み合わせた液の何れかを使用し、ポリエチレンオキシド又はポリスチレン換算の分子量とする。
【0028】
その際、測定対象のポリマーが、モノマー単位(b1)の割合が大きく比較的親水性であると考えられる場合は、(1%酢酸/エタノール):水=3:7(質量比)の混合溶媒で調製したLiBrの50mmol/L溶液を溶媒として、極性溶媒用GPCカラム「α−M(東ソー(株)製)」を2本直列して用い、ポリエチレングリコール換算の分子量により算出する(測定法A)。一方、後述の実施例で比較のポリマーとして用いた(b’−1)のようなモノマー単位(b2)の割合が大きく、ポリマーが比較的疎水性であると考えられる場合は、ファーミンDM20(花王(株)製)の1mmol/L−CHCl3溶液にて、有機溶媒用GPCカラム「K−804(昭和電工(株)製)」を2本直列して用い、ポリスチレン換算の分子量により算出する(測定法B)。ここでは、モノマー単位(b1)の比率が60モル%以上のポリマーの場合は測定法Aを用いる一方、モノマー単位(b1)の比率が60モル%未満のポリマーの場合は測定法Bを用いることが望ましい。
【0029】
本発明の液体漂白剤組成物は、漂白性能向上、過酸化水素安定性向上の観点から、(b)成分を好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.2〜3質量%、特に好ましくは0.4〜2質量%含有する。
【0030】
〔(c)成分〕
本発明の液体漂白剤組成物は、(c)成分としてアルキル基の炭素数が10〜14、平均オキシアルキレン付加モル数が7〜12のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有し、より具体的には下記一般式(5)の化合物及び下記一般式(6)の化合物から選ばれる1種以上が好適である。平均オキシアルキレン付加モル数は、泡立ちの上で7以上であり、泡の安定性、すなわち破泡のしにくさから12以下である。
51−O−(C24O)a−H (5)
〔式中、R51は炭素数10〜14のアルキル基を示す。aは7〜12、好ましくは8〜10の数である。〕
61−O−(C24O)b−(C36O)c−H (6)
〔式中、R61は炭素数10〜14のアルキル基を示す。b及びcはそれぞれ独立に2〜12の数であり、b+cは7〜12、好ましくは8〜10の数である。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダムあるいはブロック付加体であってもよい。〕
【0031】
(c)成分は、起泡性が低いため、一般的には泡状で塗布する組成物に配合することは不適切であると考えられるが、漂白力や洗浄力を改善するためには有利な成分である。本発明は、(c)成分を(a)、(b)、(d)成分と併用することにより、泡立ちを維持しながら優れた漂白力や洗浄力を得たものである。また、(c)成分は、(b)成分を効率的に(c)成分のミセル中に取り込む性質があるため、(b)成分が反応性の高い過酸化水素と共存するような系においても、(c)成分を配合する事で安定性を維持する事が出来る。
【0032】
本発明の液体漂白剤組成物は、(c)成分を1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、特に好ましくは4〜12質量%含有する。
【0033】
〔(d)成分〕
本発明の液体漂白剤組成物は、(d)成分として下記一般式(4)の化合物を含有する。(d)成分は(a)成分に対して安定であり、(c)成分が組成物中に存在するにもかかわらず十分な泡立ちを示し、且つ木目の細かい泡を提供する点から優れている。
【0034】
R−(OR’)xy (4)
〔式中、Rは炭素数8〜16、好ましくは直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜16、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜14のアルキル基、R’は炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基、特にエチレン基であり、Gは還元糖に由来する残基、xは平均値0〜6の数、好ましくは0〜3、特に好ましくは0の数であり、yは平均値1〜10、好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜2の数を示す。〕
【0035】
Gは還元糖に由来する残基であり、原料の還元糖としては、アルドースとケトースの何れであっても良く、また、炭素数が3〜6個のトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースを挙げることができる。アルドースとして具体的にはアピオース、アラビノース、ガラクトース、グルコース、リキソース、マンノース、アルドース、イドース、タロース、キシロースを挙げることができ、ケトースとしてはフラクトースを挙げることができる。本発明ではこれらの中でも特に炭素数5又は6のアルドペントースあるいはアルドヘ
キソースが好ましく、中でもグルコースが最も好ましい。
【0036】
一般式(4)の化合物は上記還元糖とR−(OR’)x−OHとを、酸触媒を用いて、アセタール化反応又はケタール化反応させることで容易に合成することができる。また、アセタール化反応の場合、ヘミアセタール構造であっても良く、通常のアセタール構造であっても良い。
【0037】
本発明の液体漂白剤組成物は、(d)成分を0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜6.5質量%、特に好ましくは1.5〜5質量%含有する。
【0038】
前述の通り(c)成分はミセル中に(b)成分を取り込みやすいため安定性の向上には有効であるが、一方で、組成物を衣料に塗布する場面では、(b)成分が過酸化水素を活性化する事が困難となり漂白力が向上しない事が懸念される。本発明では、(d)成分を用いる事で(c)成分のミセルの構造化が最適化され、(c)成分を含有した系においても使用場面において(b)成分により過酸化水素が活性化され、高い漂白性能が発現し得る。
【0039】
本発明の液体漂白剤組成物は、過酸化水素の安定性、漂白性能向上の観点から、(b)/(d)の質量比が2/1〜1/10であり、1/1〜1/10、更に1/3〜1/10が好ましい。
【0040】
〔(e)成分〕
本発明の液体漂白剤組成物は、(e)成分として水を含有する。通常、組成物の残部は水である。水の含有量は、組成物中、30〜95質量%、更に50〜90質量%が好ましい。
【0041】
[pH]
本発明の液体漂白剤組成物は、20℃におけるpHが好ましくは1.5〜4であり、より好ましくは1.5〜3.5、特に好ましくは2〜3.2である。pHを前記範囲に設定することで、(a)成分及び(c)成分の保存時の安定性を維持することができる。
【0042】
[その他の成分]
本発明の液体漂白剤組成物は、(a)成分及び(c)成分の安定性向上の観点から、(f)成分として、ホスホン酸基又はその塩基を有する金属イオン封鎖剤を含有することが好ましい。組成物中の(f)成分の含有量は0.01〜5質量%、更に0.05〜1質量%が好ましい。
【0043】
(f)成分の具体例としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸塩、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等の有機ホスホン酸誘導体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上配合することができる。中でも、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等が好ましく、特にエタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸が好ましい。
【0044】
本発明の液体漂白剤組成物は、漂白性能向上の観点から、(g)成分として漂白活性化剤を含有し得る。(g)成分の漂白活性化剤としては、アルカノイル基の炭素数が8〜14のアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸、アルカノイル基の炭素数が8〜14のアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられるが、使用時の漂白性能と製品中での安定性を両立させる観点から、炭素数8〜12の直鎖又は分岐のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸、炭素数8〜12の直鎖又は分岐のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸及びそれらの塩から選ばれる漂白活性化剤が好ましい。(g)成分の含有量は、本発明に係る液体組成物中、0.1〜1質量%、更に0.2〜0.5質量%が好ましい。
【0045】
本発明の液体漂白剤組成物は、(h)成分として、陰イオン界面活性剤を含有し得る。陰イオン界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレン(アルキレンオキシド平均付加モル数0.5〜5)アルキル(炭素数10〜18)エーテル硫酸エステル塩、アルキル(炭素数10〜16)硫酸エステル塩、α−オレフィン(炭素数8〜18)スルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸(炭素数10〜16)低級アルキル(炭素数1〜3)エステル塩が挙げられる。
【0046】
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、洗剤用界面活性剤市場に一般に流通しているものの中で、アルキル基の炭素数が10〜18、好ましくは10〜14のものであればいずれも用いることができ、例えば花王(株)製のネオペレックスF25、Shell社製のDobs102等を用いることができる。また、工業的には、洗剤用原料として広く流通しているアルキルベンゼンをクロルスルホン酸、亜硫酸ガス等の酸化剤を用いてスルホン化して得ることもできる。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜18、好ましくは炭素数10〜16の直鎖もしくは分岐鎖1級アルコール又は直鎖2級アルコールに、エチレンオキサイドを1分子当たり平均0.5〜5モル付加させ、これを例えば特開平9−137188号記載の方法を用いて硫酸化して得ることができる。アルキル硫酸エステル塩としては炭素数10〜16、好ましくは10〜14の直鎖もしくは分岐鎖1級アルコール又は直鎖2級アルコールをSO3又はクロルスルホン酸でスルホン化し、中和して得ることができる。α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数8〜18のα−アルケンをSO3でスルホン化し、水和/中和を経て得ることができ、炭化水素基中にヒドロキシ基が存在する化合物と不飽和結合が存在する化合物の混合物である。また、α−スルホ脂肪酸低級アルキルエステル塩としてはアルキル基の炭素数は10〜16が好ましく、メチルエステル又はエチルエステルが洗浄効果の点から好ましい。これら(h)成分の塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルカノールアミン塩、アンモニウム塩が好適であり、洗浄効果の点からナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が好ましい。
【0047】
(h)成分の含有量は、本発明の液体漂白剤組成物中、0.1〜20質量%、更に0.2〜5質量%が好ましい。
【0048】
本発明の液体漂白剤組成物は、低温での増粘を防止する観点から、(i)成分として、溶剤を含有し得る。(i)成分としては、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチルジグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアルキル又はアリールエーテル類が挙げられる。これらの中でも、エタノール又はプロピレングリコールが好ましく、特にプロピレングリコールが好ましい。(i)成分の含有量は、本発明の液体漂白剤組成物中、0.1〜20質量%、更に0.2〜5質量%が好ましい。
【0049】
本発明の液体漂白剤組成物は、(j)成分として香料を含有することができる。(j)成分は、複数の香料成分を特定の比率で含有する香料混合物として用いることもできる。香料成分としては、「香料の化学」(赤星亮一著、日本化学会編,産業化学シリーズ,昭和58年9月16日発行)や「合成香料 化学と商品知識」(印藤 元一著、化学工業日報社、1996年3月6日発行)や「香料と調香の実際知識」(中島 基貴著、産業図書(株)、1995年6月21日発行)に記載のものを用いることができる。
【0050】
香料成分としては、炭化水素系化合物、アルコール系化合物、エーテル系化合物、アルデヒド系化合物、ケトン系化合物、エステル系化合物、ラクトン系化合物、カルボン酸系化合物、環状ケトン系化合物、シッフ塩基化合物、シッフ塩基以外の含窒素化合物(ニトリル、アミン、オキシム、キノリンなど)、天然精油類を挙げることができる。それらの具体例としては、特開2006−161229号公報の7〜13頁(段落0030〜0044)に示される例が同様に挙げられる。
【0051】
(j)成分の含有量は、本発明の液体漂白剤組成物中、0.01〜5質量%、更に0.1〜1質量%が好ましい。
【0052】
その他に本発明の液体漂白剤組成物は、ラジカルトラップ剤、シリコーン類、殺菌剤、蛍光染料、酵素等の任意成分を含有し得る。
【0053】
<衣料用漂白剤物品及び衣料の漂白方法>
本発明は、上記本発明の液体漂白剤組成物を、泡形成機構を有する吐出手段を具備する容器に充填してなる衣料用漂白剤物品に関する。
【0054】
本発明の液体漂白剤組成物から形成される泡は起泡安定性が高いため、これを衣料に直接作用させることで、優れた衣料に対する香料の優れた吸着効果が得られる。泡形成機構を有する吐出手段を具備する容器としては、泡形成機構を有するトリガー式スプレーヤーが最も効果的である。
【0055】
本発明で用いることができるトリガー式スプレーヤーとしては、特開2004−76006号の図1及び図2、特開平11−100594号の図1及び図2、登録実用新案第3044068号の図1〜6、特開2000−185247号の図1〜9、特開2001−334178号の図1〜10に記載されている吐出機を有するトリガーが挙げられる。また、特開2002−20266号、特開平7−256162号、特開平8−71463号、特開平9−285746号、特開平10−85637号、実開平7−9451号、実開平7−9452号を参考にすることができる。
【0056】
トリガー式スプレーヤーで使用することを考慮すると、本発明の液体漂白剤組成物は、低粘度、例えば20℃における粘度が3〜100mPa・sであることが、一連の液の流れがスムーズ、すなわち、各流路において充分な液の流量と流速を得ることが出来るため、好ましい。
【0057】
本発明では、本発明の液体漂白剤組成物から形成される泡を衣料と接触させる衣料の漂白方法を提供できる。この方法で用いられる泡は、上記液体漂白剤組成物と気体(典型的には空気)との泡沫からなるものである。特に、本発明では、対象表面に付着させたときの組成物の単位質量当りの見掛け体積が、気泡を含むことにより2倍以上となり、且つ1分経過後も2倍以上の見掛け体積を保持した状態の泡を用いることができる。
【0058】
また、泡を構成する気泡は、平均粒径1〜10,000μm、更に10〜5,000μm、特に100〜3,000μmであることが好ましい。また、泡の粘度は、20℃で3〜100mPa・s、更に3〜80mPa・s、特に4〜60mPa・sであることが好ましい。
【0059】
このような泡を形成して衣料と接触させる方法としては、スポンジ、布帛、不織布のような溶液を保持できる柔軟で通気性のある可撓性材料に液体組成物を含浸させて手で揉むことで泡立たせ、この泡を衣料に擦りつける方法の他、使用勝手の上、ポンプやスクイズ操作により、吐出時に空気を取り込むことにより泡を形成する機構(以下泡形成機構という)により泡立たせる方法がある。好ましくは、本発明の衣料用漂白剤物品のように、泡形成機構を有する吐出手段を具備する容器が用いられる。
【0060】
本発明の液体漂白剤組成物を用いることで、豊かでクリーミーな泡を、直接、洗浄対象である衣料に付着させることができる。
【0061】
本発明では、上記液体漂白剤組成物から形成させた泡を衣料に付着させた後、好ましくは一般の弱アルカリ性洗剤と共に洗濯する。泡の付着量は0.1〜1g/cm2、好ましくは0.1〜0.5g/cm2が高い漂白効果を得る目的から好ましい。また、泡を付着させた後、1〜600分間、好ましくは3〜300分間、特に好ましくは5〜60分間放置した後、洗浄することが好適である。すなわち、泡と衣料の接触時間は、1〜600分間、更に3〜300分間、特に5〜60分間が好ましい。
【実施例】
【0062】
表1に示す各成分を混合し、液体漂白剤組成物(本発明品1〜8及び比較品1〜6)を得た。得られた液体漂白剤組成物を用いて、その起泡性、貯蔵安定性及び漂白力を以下の方法により評価した。その結果を表1に示す。
【0063】
なお、表中の各成分としては、以下のものを用いた。
<配合成分>
・a−1;過酸化水素
・b−1:下記合成例1で得られたポリマー
・b−2:下記合成例2で得られたポリマー
・b−3:下記合成例3で得られたポリマー
・b’−1:下記合成例4で得られたポリマー
・c−1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO平均付加モル数9)
・c’−1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO平均付加モル数6)
・d−1:アルキルポリグルコシド(アルキル基の炭素数12、グルコシド平均縮合度1.3)
・f−1:1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸(ディクエスト2010、ソルーシア社製ディクエスト)
・g−1:デカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸ナトリウム
・h−1:LAS:アルキル(炭素数12)ベンゼンスルホン酸ナトリウム
・i−1:プロピレングリコール
・j−1:香料(パールライド/クマリン/ベンジルサリシレート(質量比)=1/1/1)
【0064】
(合成例1)
メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル(分子量:157.21)42.37g、ラウリルメタクリレート(分子量:254.41)7.62g、エタノール180gを均一に混合し、内容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに入れ、窒素雰囲気下で一定時間攪拌した。そこに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65;和光純薬工業(株)製)1.41gをエタノール20.0gに溶解した溶液を添加し、60℃付近まで昇温した。60〜70℃付近で合計8時間保持することで重合・熟成した。そこにエタノール100gを加えて希釈した後、室温まで降温した。この反応溶液をイオン交換水4000g中に滴下して再沈殿精製し、沈殿物を乾燥してポリマー1を得た。ポリマー1のMwは11,000であり、Mw/Mnは3.0であった(水/エタノール=7/3系、ポリエチレンオキシド換算)。また1H−NMRにより分析したポリマー1の組成は仕込みモノマー組成どおり(DMAEMA/LMA=9/1(モル比)、{モノマー単位(b1)}/{モノマー単位(b1)+モノマー単位(b2)}=0.9(モル比))であった。なお、DMAEMAはメタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、LMAはラウリルメタクリレートを示す(以下同様)。
【0065】
(合成例2)〜(合成例4)
合成例2〜合成例4では、合成例1と同様の方法で、ただし使用するモノマーを変更して、下記組成(モル比)、分子量のポリマーを得た。
・合成例2:DMAEMAのホモポリマー、Mw11,200、Mw/Mn=2.5、{モノマー単位(b1)}/{モノマー単位(b1)+モノマー単位(b2)}=1(モル比)
・合成例3:DMAEMA/LMA=7/3(モル比)のコポリマー、Mw7,800、Mw/Mn=6.5{モノマー単位(b1)}/{モノマー単位(b1)+モノマー単位(b2)}=0.7(モル比)
・合成例4:LMAのホモポリマー(比較ポリマー)、Mw85,700、Mw/Mn=4.8、{モノマー単位(b1)}/{モノマー単位(b1)+モノマー単位(b2)}=0(モル比)
【0066】
<ポリマーMw、Mnの測定>
前述の測定法AによりMw、Mnの測定を行った。ただし、(b’−1)については、前述の測定法Bを用いた。
【0067】
<起泡性の評価方法>
200mlのプラスティック製メスシリンダー(内径40mm)に、市販トリガー容器(花王(株)製「アタックシュッと泡スプレー」/製造ロット番号:W1410474、1回のストロークで0.8g噴射する。中身を抜いて水で数回洗浄し、乾燥させたものに組成物を充填し使用。)を用いて10回スプレーし、その時の組成物の質量(10回のスプレーに要した組成物の総量)と泡の容積(10回目のスプレー直後の泡の容積)から、起泡性(ml/g)を以下の計算式により算出した。スプレー直後及び5分後の起泡性の値から、以下の計算式により泡安定性(%)を算出した。
起泡性(ml/g)=直後又は5分後の泡体積(ml)/組成物質量(g)
泡安定性(%)=[5分後の起泡性(ml/g)/直後の起泡性(ml/g)]×100
【0068】
<貯蔵安定性の評価方法>
液体漂白剤組成物を100mLガラス製サンプル瓶に80g入れ、50℃で2ヶ月間貯蔵した。貯蔵前後の液体漂白剤組成物中の過酸化水素の含有量をヨードメトリー法により測定し、下式により過酸化水素残存率を求めた。
過酸化水素残存率(%)=[(貯蔵後の過酸化水素含有量)/(貯蔵前の過酸化水素含有量)]×100
【0069】
<漂白力の評価方法>
100mLガラス製サンプル瓶に80g入れ、50℃で2ヶ月間貯蔵した液体漂白剤組成物1mLと0.0667質量%濃度の市販洗剤〔アタック(花王(株)製、ロット番号W153137〕溶液1000mLを混合した後、そこに以下の方法で調製したミートソース汚染布(4枚)を入れ、ターゴトメータを用いて20℃、80rpmで10分間漂白処理を行った。処理前後の布表面の反射率を測定し、下式により漂白率を求めた。
【0070】
漂白率(%)=[(漂白後の反射率−漂白前の反射率)/(白布の反射率−漂白前の反射率)]×100
【0071】
・ミートソース汚染布の調製
カゴメ(株)製ミートソース(完熟トマトのミートソース(2010年6月20日賞味期限、ロット番号:D8620JG)/内容量295gの缶詰)の固形分をメッシュ(目の開き;500μm)で除去した後、得られた液を煮沸するまで加熱した。この液に木綿金布#2003を浸し、50分間煮沸した。そのまま火からおろし2時間程度放置し30℃まで放置した後、布を取りだし、余分に付着している液をへらで除去し、自然乾燥させた。その後プレスし、10cm×10cmの試験布として実験に供した。
【0072】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)過酸化水素を1〜6質量%、(b)下記一般式(1)で示される化合物又はその酸塩に由来するモノマー単位(b1)及び、下記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(b2)を、(b1)/{(b1)+(b2)}=0.2〜1のモル比で含有する高分子化合物、(c)アルキル基の炭素数が10〜14、平均オキシアルキレン付加モル数が7〜12のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを1〜20質量%、(d)下記一般式(4)で表される化合物を0.2〜10質量%、並びに(e)水を含有し、(b)/(d)の質量比が2/1〜1/10である、液体漂白剤組成物。
【化1】


〔一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R3は−COOM(Mは水素原子、又はアルカリ金属原子)、又は水素原子を示す。Xは−COO−R6−、−CONR7−R8−、又は−CH2−を示す。R4はXが−CH2−の場合には一般式(3)
【化2】


で表される基を示し、Xがそれ以外の場合は炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す。R5は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は水素原子を示す。R6、R8は、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基、R7は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
【化3】


〔一般式(2)中、R11、R12は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yはアリール基、−O−CO−R13、−COO−R14、又は−CONR15−R16を示す。R13、R14、R16は、それぞれ独立に炭素数1〜22の炭化水素基、又は総炭素数6〜14のアリールアルキル基を示し、R15は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
R−(OR’)xy (4)
〔式中、Rは炭素数8〜16のアルキル基、R’は炭素数2〜4のアルキレン基、Gは還元糖に由来する残基、xは平均値0〜6の数、yは平均値1〜10を示す。〕
【請求項2】
(a)過酸化水素を1〜6質量%、(b)下記一般式(1)で示される化合物又はその酸塩に由来するモノマー単位(b1)及び、下記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(b2)を、(b1)/{(b1)+(b2)}=0.2〜1のモル比で含有する高分子化合物、(c)アルキル基の炭素数が10〜14、平均オキシアルキレン付加モル数が7〜12のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを1〜20質量%、(d)下記一般式(4)で表される化合物を0.2〜10質量%、並びに(e)水を含有し、(b)/(d)の質量比が2/1〜1/10である液体漂白剤組成物を、泡形成機構を有する吐出手段を具備する容器に充填してなる衣料用漂白剤物品。
【化4】


〔一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R3は−COOM(Mは水素原子、又はアルカリ金属原子)、又は水素原子を示す。Xは−COO−R6−、−CONR7−R8−、又は−CH2−を示す。R4はXが−CH2−の場合には一般式(3)
【化5】


で表される基を示し、Xがそれ以外の場合は炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す。R5は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は水素原子を示す。R6、R8は、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基、R7は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
【化6】


〔一般式(2)中、R11、R12は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yはアリール基、−O−CO−R13、−COO−R14、又は−CONR15−R16を示す。R13、R14、R16は、それぞれ独立に炭素数1〜22の炭化水素基、又は総炭素数6〜14のアリールアルキル基を示し、R15は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
R−(OR’)xy (4)
〔式中、Rは炭素数8〜16のアルキル基、R’は炭素数2〜4のアルキレン基、Gは還元糖に由来する残基、xは平均値0〜6の数、yは平均値1〜10を示す。〕

【公開番号】特開2011−225672(P2011−225672A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95138(P2010−95138)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】