説明

液体製品の容器を束にして包装する装置および方法

【課題】液体の容器を束にして包装する包装装置において、従来の装置に比べて生産性が最大限にまで高められた装置を提供する。
【解決手段】本発明の包装装置100は、液体の容器3を束にして包装する包装装置であり、フィルム4の巻付手段、ならびに容器3の群2の供給/送出を行う操作手段400を有する包装ステーション101〜106を少なくとも一対と、容器3の供給ライン200と、束1の送出ライン300とを備える。各対の包装ステーション101〜106の間に1つの供給ライン200が位置し、少なくとも2つの送出ライン301,302が、それぞれ、対応する包装ステーション101〜106を基準として供給ライン200の反対側に位置しているか、あるいは、上記の構成において供給ラインと送出ラインとが逆である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体製品の容器を包装する装置および方法に関し、特に、水やその他の飲料を収容するボトルの群を束にして包装する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体製品の容器の群を、独りでも運び易いように束にして包装することが知られている。スーパーマーケットでは、水やソフトドリンクが、例えば6本のボトルからなる束で販売されている。一般的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のボトル(ごく稀に、ガラス製のボトル)が、束で販売されている。
【0003】
通常、PET製のボトルは、ボトルを群にまとめて熱収縮性プラスチック材料(典型的には低密度ポリエチレン(LDPE))のフィルムで巻き付ける自動装置により、束にして包装される。このようなフィルムは、包装対象のボトルの群に対し、フィルムの両縁が少なくとも部分的に重なり合うようにして巻き付けられる。重なり合った縁同士は、包装装置の特殊な熱溶着ステーションで熱溶着される。このようにして、フィルムは略環状のバンドに似た形状に接合され、その内側にボトルが集積される。包装方法の次の過程では、熱収縮性フィルムの前記環状バンドで巻かれたボトルの群が、包装装置の加熱ステーションに送られる。加熱ステーション内部の空気は、フィルムを収縮させるのに十分な高温(180〜190℃)に設定されている。一般的に、加熱ステーションはトンネル型の炉とされる。
【0004】
加熱ステーションでは、フィルムがボトルの群の外側から収縮し、これを拘束する。詳細には、フィルムの環状バンドが、群にまとめられたボトルの外側をモールドし、ボトル同士を押し付け合うことによって束を形成する。
【0005】
一般的に、束には、2本、4本、6本…のボトルが含まれ得る。
【0006】
本願が優先権を主張するイタリア国特許出願第MI2009A001512号には、容器の群に対し、伸張性および非熱収縮性を有する線状低密度ポリエチレンのフィルムを冷間で、つまり、加熱装置を使用せずに、巻き付ける、液体の容器の包装方法が記載されている。このフィルムは、容器の群に対して幾層にも巻かれる。フィルムの複数の層が互いに密着することにより、強固な包装体が形成されて束となる。伸張性を有するフィルムからなる束は、熱収縮性フィルムからなる束よりも軽量なので、多数の容器を運べる点で有利なだけでなく、束を開いた後のフィルムの廃棄の側面からも有利である。さらに、フィルム作製の材料を少なくするという、節約の利点も明白である。
【0007】
特許文献1には、パレットを線状低密度ポリエチレンのフィルムで包装する包装ステーションを1つだけ設けた、パレット包装装置が記載されている。このフィルムは、包装前に予備延伸過程にかけられる。包装対象のパレットは、単一のコンベアベルトによって包装ステーションに供給される。フィルムは、パレットの前進方向に対して周方向に巻き付けられる。包装されたパレット(フィルムで巻かれたパレット)は、単一のコンベアベルトによって包装ステーションから送出される。
【0008】
特許文献2には、ボトルの群を束にして包装する包装装置が記載されている。伸張性を有するフィルムで環状バンド(あるいは、チューブ状バンド)を形成し、これを予備成形ステーションで径方向に延伸することにより、その内部に包装対象の容器の群を挿入することができる。次に、この環状バンドの緊張を解除すると、容器の群に向かって弾性復帰が生じるので、コンパクトな束が形成される。包装対象のボトルは、単一のコンベアベルトによって前記予備成形ステーションに供給される。包装された束(フィルムによって保持されたボトル群)は、単一のコンベアベルトによって予備成形ステーションから送出される。
【0009】
特許文献3には、ボトルを束にして包装する包装装置が記載されている。この包装装置は、伸張性を有するフィルムでボトルの群を包装する包装ステーションと、予め成形された(集合された)ボトルの群を前記包装ステーションに供給するコンベアベルトと、ボトルの束を前記包装ステーションから送出するコンベアベルトとを備える。フィルムは、ボトルの群(常に立った状態)の前進方向に対して周方向に巻き付けられる。包装ステーションでは、ボトルが、その首部に係合する特殊な直線ガイドにより、落下しないように垂直に支持され、束に仕上げられた後は、同じ直線ガイドに沿って前方にスライドし、送出用のコンベアに向かう。
【0010】
前述の説明から明らかなように、熱収縮性フィルムの代わりに伸張性を有するフィルムを使用することにより、熱溶着ステーションや加熱ステーションが不必要となり、包装装置を簡略化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第4524568号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0024213号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第3910823号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このような簡略化を経ても未だ、欠点が残っている。包装ステーションまたは予備成形ステーションのシャットダウンにより、製品の包装プロセスが中断する恐れがある。また、シャットダウンの回数を減らして生産性が最大限にまで高まるように、包装装置を再設計する必要がある。
【0013】
以上を踏まえて、本発明の目的は、液体の容器を束にして包装する包装装置において、従来の装置に比べて生産性が最大限にまで高められた装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の構成は、請求項1に記載の液体の容器を束にして包装する包装装置に関する。
【0015】
具体的には、本発明は、液体の容器を束にして包装する包装装置に関し、この包装装置は、
−容器の群を包装する少なくとも一対の包装ステーションであって、各包装ステーションが、容器の群の周りに伸張性を有するフィルムを巻き付ける巻付手段、および当該包装ステーションに前記容器の群を供給し、かつ、当該包装ステーションから前記容器の群を送出する操作手段を有する、少なくとも一対の包装ステーションと、
−包装対象の前記容器を供給する少なくとも1つの供給ラインと、
−束にして包装された容器を送出する少なくとも1つの送出ラインと、
を備え、
各対の包装ステーションの間に1つの供給ラインが位置し、少なくとも2つの送出ラインが、対応する包装ステーションを基準として前記供給ラインの反対側に位置しているか、あるいは、
各対の包装ステーションの間に1つの送出ラインが位置し、少なくとも2つの供給ラインが、対応する包装ステーションを基準として前記送出ラインの反対側に位置している。
【0016】
有利には、前記包装装置のレイアウトに、少なくとも一対の包装ステーション、好ましくは、複数対(例えば、二対、三対、四対…)の包装ステーションと、一度に複数の包装ステーションに対して作用(供給または送出)できるように延設された供給ラインおよび送出ラインとが含まれている。すなわち、供給ラインおよび送出ラインは共用とされている。この特徴により、ある包装ステーションが例えば故障などでシャットダウンした場合でも、包装プロセスを中断せずともよくなる。つまり、残りの包装ステーションには、少なくとも1つの供給ラインによって供給が継続される。
【0017】
なお、「レイアウト」という用語は、包装装置の種々の構成品やモジュールの配置構造、および容器を供給する供給ラインや束を送出する送出ラインの配置構造を指すものとする。
【0018】
一般的に、前記供給ラインは、前記送出ラインとほぼ同じ高さで延設されているか、または、前記送出ラインとは異なる高さで延設されている。好ましくは、前記送出ラインは、前記少なくとも1つの供給ラインの上方にある、すなわち、前記少なくとも1つの供給ラインよりも高い位置にある。
【0019】
一般的に、供給ラインおよび送出ラインは、それぞれ、単一のトラック(移動路)であるか、あるいは、前記容器/ボトルの群を各々移動させることのできる複数のトラックに分割されている。
【0020】
好ましくは、供給ラインおよび送出ラインは、それぞれ、少なくとも1つのコンベアベルトを有しているか、あるいは、互いに直列および/または並列な複数のコンベアベルトを有している。特には、各コンベアベルトは、前記包装ステーションに前記容器の群を移動させるトラック、または前記包装ステーションから前記容器の群を移動させるトラックとして構成されている。
【0021】
好ましくは、各包装ステーションは、束にして包装される容器の群を把持する把持グループを有しており、かつ、前記操作手段が:
−前記容器の群を供給ラインから取り出す第1の位置と前記容器の群を前記把持グループに届ける第2の位置との間で移動可能な第1の機械アーム、および
−前記容器の束を前記把持グループから取り出す第1の位置と前記容器の束を送出ライン上に放出する第2の位置との間で移動可能な第2の機械アーム、
を有する。
【0022】
好ましくは、前記把持グループは、少なくとも2つのU字形の顎部を含んでおり、当該少なくとも2つの顎部は、長手軸心に沿って互いに相手方に向かう方向、つまり、互いに近づく方向に移動して容器の群を側方からクランプし、当該群をその上部および下部に係合することなく垂直位置に保持することができる。前記把持グループは、前記容器の群(例えば、6本のボトル)に対し、キャップの付いた首部が位置する上部と、ボトルの底部が位置する下部とに全く触れることなく、側方から押圧する。このような把持グループにより、ボトルの全ての側面ならびに前記上部および下部に対してフィルムの帯を巻き付けて包装することを可能にしている。後述するように、把持グループが開かれるまでに(すなわち、当該2つの顎部が離間して前記束を手放すまでに)、前記2つの顎部の側部にも一時的にボトルと一緒に包装がなされる。
【0023】
好ましくは、前記容器の群の周りに前記フィルムを巻き付ける前記巻付手段は、前記フィルムのリールを水平に支持する、つまり、リールの軸心を水平にして支持する(例えば、水平に片持ち支持する)のに適したリール保持グループを有する。このリール保持グループは、前記把持グループの長手軸心を中心として回動可能であることにより、後述するようにフィルムの帯を巻き出すことができる。
【0024】
より好ましくは、前記リール保持グループは:
−前記フィルムのリールのシャフトを支持するブラケットまたはその他の支持要素と、
−回転可能に特殊なフレームに取り付けられ、前記把持グループの長手軸心と合致する回転軸心を有する内歯歯車と、
を含む。前記ブラケットは、前記内歯歯車と一体であるか、または前記内歯歯車に固定されている。
【0025】
好ましくは、前記包装装置は、さらに、前記リール保持グループを駆動するアクチュエータ手段を備えている。このようなアクチュエータ手段は、電気モータと、前記電気モータのシャフトに取り付けられて前記内歯歯車に直接噛合する外歯歯車とを有する。つまり、駆動軸が回転することにより、前記内歯歯車が、対応する支持フレームに対して回転し、この回転が、前記リールを支持する前記ブラケットを、前記長手軸心周りに回転させる。
【0026】
好ましくは、前記包装装置は、さらに、上述の把持グループの他に、前記容器を支持する支持グループを備えている。この支持グループは:
−前記容器の群を支持しない第1の後退位置と前記把持グループにクランプされた前記容器のうちの少なくとも一部の容器を下方から支持する進出位置との間で、前記把持グループの長手軸心に平行に移動可能な水平プレートまたは水平トレイからなる支持プレートと、
−前記支持プレートを駆動するアクチュエータ手段と、
を含む。
【0027】
好ましくは、前記支持プレートに支持されるボトルは、当該プレートと実際に接触する(一部のボトルの底部が、前記プレートの上面に当接する)。前記支持プレートが一方の前記機械アームと協働してボトルを効果的に支持する変形例では、前記支持プレートとボトルとの間に僅かな隙間が存在してもよい。この構成では、当該機械アームの効果が完全でない場合にそなえて、前記支持プレートによってボトルの垂直落下が防止されている。
【0028】
前記支持グループは、前記把持グループが動作していないとき(すなわち、対応する顎部が、フィルムを巻き付ける対象である容器の群をクランプしていないとき)に、あるいは、形成された束の放出のために当該顎部が開かれたときに、前記包装ステーションに供給された前記容器の群を支持する機能を有する。特には、前記容器は、前記把持グループの前記顎部によって側方から支持されていないとき、および一方の前記機械アームによって保持されていないときに、前記支持グループの前記プレートに載置されている。
【0029】
好ましくは、前記包装装置は、さらに、前記把持グループの前記顎部でクランプされた前記容器の群に対してフィルムの帯の一部を固定する挟持グループを備えている。この挟持グループは:
−前記支持グループの前記支持プレートに圧接するように移動可能であり、前記フィルムを、滑らないように固定する顎部と、
−前記進出位置にある前記支持グループの前記支持プレートに対して前記顎部を押し付ける、前記顎部のアクチュエータ手段と、
を含む。
【0030】
好ましくは、前記包装装置は、さらに、形成中の前記束の下部周辺近傍において、前記把持グループの長手軸心に平行に移動可能な、前記フィルムを切断する切断要素を備える。この切断要素は、フィルムの帯を分離して2つの端部に分ける役割を有する。一方の端部は前記包装ステーションで形成された束に密着し、他方の端部は前記挟持グループによって固定された状態のまま維持されて次の束の開始点となる。
【0031】
前記挟持グループおよび前記切断要素は、同時に駆動されてもよいし、あるいは、一方が駆動された後に他方が即座に駆動されてもよい。
【0032】
好ましくは、前記切断要素は独立している(すなわち、前記切断要素には、前記挟持グループおよび前記支持グループとは独立した自身のアクチュエータ手段が設けられている)。変形例として、前記切断要素は、前記挟持グループおよび/または前記支持グループの前記プレートに従属して駆動される。この場合、前記切断要素のアクチュエータ手段は、前記挟持グループおよび/または前記支持グループに支持または接続固定されている。
【0033】
水の容器を束にして包装する場合を例として、本発明にかかる包装装置の動作を以下で説明する。この包装装置には、少なくとも一対の包装ステーションが設けられており、各包装ステーションは、操作手段、把持グループ、支持グループおよび切断要素を有している。
【0034】
複数のボトル、好ましくは、ボトルの進行方向における前記包装ステーションの上流に設けられた集合ステーションで所定の本数にまとめられたボトルが、前記供給ラインによって前記包装ステーションに供給される。例えば、ボトルは、6本の群でコンベアベルトによって前記包装ステーションに供給される。
【0035】
包装ステーションにおける前記操作手段の第1の機械アームが、例えば、前記包装装置において対をなす2つの包装ステーションの間に位置するコンベアベルトから6本のボトルの群を取り出し、当該包装ステーションにおける前記支持グループの支持プレート上に載置する。このプレートは、対応する進出位置にあり、前記機械アームがボトルに対して動作を行っていない間、そのボトルの群が垂直方向に落下しないようにする。
【0036】
前記把持グループの複数の顎部は、互いの方向に移動して6本のボトルの群を側方から把持して固定する。前記顎部は、各ボトルの上部および下部に触れずに全てのボトルを包持する。一方、前記第1の機械アームは、開始位置に戻り、前記供給ラインの前記コンベアベルトから次のボトルの群を取り出す。
【0037】
このとき、挟持グループが駆動され、当該挟持グループの顎部により、前記支持プレートに対してフィルムの帯の自由端部が保持される。特には、前記挟持グループの前記顎部が前記支持プレートの下面に圧接して前記フィルムをこれらの構成要素間に保持する。ボトルは、前記支持プレートの上面に載置されている。
【0038】
リール保持グループのモータが駆動されることにより、内歯歯車が、前記把持グループの長手軸心周りに回転する。これにより、フィルムのリールが、前記把持グループに保持されたボトルの群の周りを回動する。巻き出されたフィルムが、ボトルの群および前記把持グループの前記顎部に巻き付けられる。
【0039】
前記内歯歯車の1回転が終わるまで(つまり、フィルムが1回転分ボトルの群に巻き付けられるまで)に、前記挟持グループによる動作がいったん終了し(すなわち、当該挟持グループの前記顎部がフィルムの保持を止め)、かつ、前記支持グループの前記支持プレートが後退することにより、ボトルの底部に対する包装も可能となる。このとき、フィルムは既にボトルの群の上部に密着しているので、前記挟持グループによって保持されなくなっても、フィルムはボトルから外れない。
【0040】
前記支持グループが後退すると、前記内歯歯車、したがって、前記フィルムのリールが、ボトルの群の周りを複数回(好ましくは、3回)回動し、束を完成させる。
【0041】
前記リール保持グループの最後から1回前の回動が完了すると、前記支持プレートが進出位置に再び戻って完成されつつある束の底部を支持し、かつ、前記挟持グループが駆動されて前記支持プレートに対してフィルムを固定する。
【0042】
最後の回動の終盤にさしかかると、前記挟持グループが、軸方向に沿って縦に移動して前記支持プレート(特に、前記支持プレートの下面)に対しフィルムを固定する。前記挟持グループの駆動と同時にまたは前記挟持グループの駆動の直後に、前記切断要素が駆動される。前記切断要素は、前記把持グループの長手軸心に平行に移動し(好ましくは、前記支持プレートの近傍において当該支持プレートに平行に移動し)、フィルムの帯を2つの端部に切断する。一方の端部は、次のボトルの群の包装が何時でも開始できるように前記挟持グループによって固定された状態を維持し、他方の端部は、既に形成済みの束に密着する。前記把持グループの顎部が開き、ボトルと当該ボトルに巻き付いた複数の層のフィルムとの間を摺動しながら形成済みの束を解放する。同時に、当該包装ステーションにおける前記操作手段の第2の機械アームがその束を取り出し、送出ラインに届ける。前記送出ラインは、例えば、供給用の前記コンベアベルトの上方に位置して前記リール保持グループを基準として当該コンベアベルトの反対側に設けられた送出用のコンベアベルトである。
【0043】
前記包装装置の動作は繰り返し行われ、ボトルの群を次々と包装する。
【0044】
上述した解決手段の変形例として、前記送出用のコンベアベルトは、対をなす2つの包装ステーションの間に位置してもよく、かつ、2つの供給用のコンベアベルトが、当該対をなす包装ステーションの外側に位置していてもよい。
【0045】
本発明にかかる包装装置の生産性は高く、一方の包装ステーションがシャットダウンしても、同じ対の他方の包装ステーションが動作を継続することができる。
【0046】
好ましくは、包装ステーションは二対以上であり(より好ましくは、三対(全部で6個の包装ステーション)であり)、かつ、前記供給ラインおよび前記送出ラインは同じ対の包装ステーションに共有されている。
【0047】
本発明の第2の構成は、請求項14に記載の液体の容器を束にして包装する包装装置に関する。詳細には、この包装装置は、容器の群を束にして包装する少なくとも1つの包装ステーションを備えており、当該包装ステーションは:
−長手軸心に沿って互いに相手方に近づく方向に移動して容器の群を側方からクランプし、当該群をその上部および下部に係合することなく垂直位置に保持することができる少なくとも2つのU字形の顎部を含む、把持グループと、
−前記把持グループによって保持された前記容器の群の周りに、伸張性を有するフィルムを、前記把持グループの長手軸心に対する周方向に巻き付ける巻付手段と、
−形成中の束の下部周辺近傍において、前記把持グループの長手軸心に平行に移動可能な、前記フィルムを切断して前記容器の束に巻き付いた前記フィルムの部分とフィルムの残りの部分とに分ける切断要素と、
を有する。
【0048】
このような把持グループ、フィルムを巻き付ける巻付手段、および切断要素の相互配置構成により、束の製造時間を短縮しながら、包装装置の構造を最大限に簡略化することができる。具体的に述べると、これらの構成品は、(前記把持グループの顎部が)長手軸心に沿って移動するか、または(リール保持グループが)当該長手軸心周りに移動するので、(供給ラインおよび送出ラインの配置構成に関係なく)包装装置の明らかに有利な内部レイアウトを実現することができる。
【0049】
好ましくは、前記包装装置は、さらに、本発明の第1の構成に関して説明したものと同じ特徴の、前記容器の群を支持する支持グループ、挟持グループ、および切断要素を備えている。
【0050】
本発明の第3の構成は、請求項18に記載の液体の容器の群を包装する方法に関する。
【0051】
詳細には、本発明は:
a)容器の群を形成する過程と、
b)伸張性および非熱収縮性を有するプラスチック材料のフィルムを、前記容器の群に対し、長手軸心周りに巻き付ける過程と、
c)形成中の束の前記フィルムを固定する過程と、
d)前記フィルムを切断し、前記束に巻き付いた部分と残りの部分とに分ける過程と、
を含み、前記過程d)が、前記長手軸心に対して平行な方向に往復移動可能な切断要素を用いて実行される、包装方法に関する。
【0052】
一般的に、前記過程c)および過程d)は同時に実行されるか、前記過程d)は前記過程c)から一定の遅延後に実行されるか、あるいは、前記過程d)は前記過程c)が終了した後に実行される。
【0053】
好ましくは、前記切断要素は、前記長手軸心に対して平行な方向に沿って二方向に往復並進することができる。より好ましくは、前記長手軸心は、把持グループの軸心と合致する。
【0054】
有利には、前記切断要素は、単なる横断移動ではなく正確な長手方向移動を行うので、容器の包装の妨げにならない。
【0055】
好ましくは、前記過程c)は、少なくとも1つの顎部および当該顎部を圧接面(例えば、上述した前記支持プレート)に押し付けるのに適した対応するアクチュエータ手段を含む挟持グループを用いて実行され、かつ、前記切断要素は、前記挟持グループとは独立しているか又は前記挟持グループに接続固定された対応するアクチュエータ手段を有している。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明にかかる包装装置によって包装された、飲み物の容器の束、特に、水および/または飲料のボトルの容器の束の正面図である。
【図2】図1の束の側面図である。
【図3】図1の束を上方からみた平面図である。
【図4】図1〜図3の束の形成における第1のステップを上方からみた概略平面図である。
【図5】図1〜図3の束の形成における第2のステップを上方からみた概略平面図である。
【図6】図1〜図3の束の形成における第3のステップを上方からみた概略平面図である。
【図7】図1〜図3の束の形成における第4のステップを上方からみた概略平面図である。
【図8】図6の第3のステップ実行時の包装ステーションを示す概略図である。
【図9】図7の第4のステップ実行時の、図8の包装ステーションを示す概略図である。
【図10】図8および図9の包装ステーションに容器を送り込む第1の動作を示す概略正面図である。
【図11】図8および図9の包装ステーションに容器を送り込む第2の動作を示す概略正面図である。
【図12】図8および図9の包装ステーションに送り込まれた容器をクランプする動作を示す概略正面図である。
【図13】図7および図9の容器にプラスチック材料のフィルムを巻き付ける動作を示す概略正面図である。
【図14】図8および図9の包装ステーションでプラスチック材料のフィルムによって巻かれた容器を支持・手放す動作を示す概略正面図である。
【図15】束状の容器を放出する動作を示す概略正面図である。
【図16】本発明にかかる包装装置を上方からみた概略平面図である。
【図17】図16のシステムの概略正面図である。
【図18】図16および図17のシステムにおける包装ステーションの概略正面図である。
【図19】本発明にかかる包装装置の第1の構成を示す上方斜視図である。
【図20】図19の包装装置の正面図である。
【図21】図19の包装装置の平面図である。
【図22】本発明にかかる包装装置の第2の構成を示す上方斜視図である。
【図23】本発明にかかる包装装置の第3の構成を示す上方斜視図である。
【図24】図19の包装装置の細部(包装ステーション)を示す斜視図である。
【図25】図19の包装装置の細部(包装ステーション)を、図24とは反対側からみた斜視図である。
【図26】図19の包装装置の細部(包装ステーション)を示す正面図である。
【図27】図19の包装装置の細部(包装ステーション)を上方からみた平面図である。
【図28】図19の包装装置の細部(把持グループ)を示す斜視図である。
【図29】図19の包装装置の細部(支持グループおよび切断要素)を示す斜視図である。
【図30】図19の包装装置の細部(把持グループおよび支持グループ)を示す下方斜視図である。
【図31】図19の包装装置の細部(把持グループ、支持グループおよび挟持グループ)を示す上方斜視図である。
【図32】図19の包装装置の細部(支持グループおよび切断要素)を示す上方斜視図である。
【図33】図19の包装装置の細部(支持グループおよび切断要素)を示す下方斜視図である。
【図34】図19の包装装置の細部(切断要素および挟持グループ)を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を用いて行う好ましい実施形態についての以下の説明から明らかになる。なお、後述の好ましい実施形態は、例示的なものであり、本発明を限定するものではない。
【0058】
添付の図面において、符号1は、飲み物の容器の束、特に、水および/または飲料のボトルの束の全体を指す。
【0059】
図1〜図3および図15〜17から分かるように、束1は、飲み物の容器3(好ましくは、6個の容器)からなる少なくとも1つの群2で構成される。特には、容器3は、水および/または飲料のボトルであり、束は、2個または4個の容器を含むものであってもよく、さらには、従来の6個を超える数の容器を含んでいてもよい。特には、容器3は、各容器3が他の少なくとも1つの容器3と互いに接触してコンパクトな芯体を形成するように配置される。
【0060】
前述の束1は、さらに、容器3の群2に巻き付いたプラスチック材料からなる少なくとも1つのフィルムを有する。こうして、容器3は、当該容器3を互いに軽く押し付け合うフィルム4によって少なくとも部分的に覆われる。
【0061】
本発明にかかる包装装置によって容器3の群2に巻き付けられるフィルム4は、プラスチック材料からなる。特には、フィルム4は、伸張性を有する線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、好ましくは伸張性および非熱収縮性を有する線状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなるフィルムである。つまり、このようなフィルム4を容器3の群2に適用する過程は、加熱や炉への装入ではなく、冷間包装によって実行される。好ましくは、フィルム4は、予備延伸過程を経てから容器3の群2に巻き付けられる。
【0062】
好ましくは、フィルム4の厚みは、10ミクロン(μm)以下であり、さらに好ましくは、8〜10ミクロンである。
【0063】
好ましくは、フィルム4には、少なくとも1種のポリマー(好ましくは、メタロセン類)が、当該フィルム4の1kgあたり5から25重量%、より好ましくは10から20重量%添加されている。これにより、フィルム4の機械強度が向上するので、輸送時の作業や消費者の取扱いに対する束1の耐久性が理想的なものになる。
【0064】
好ましくは、伸張性を有する線状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなるフィルム4は、少なくとも1つの表面、好ましくは容器3の群2と係合する内表面に、接着性物質の層が設けられている。この接着性物質の層は、その内表面を、容器3の群2に対して完全に接着させずに当該容器3の群2に強固に係合させることができる。換言すると、その接着性物質は、フィルムを、容器3に対して過度に接着しないようにしながらも、当該フィルムと容器3の群2との間で安定した係合が確実に得られるものである。
【0065】
上述した効果が確実に得られるように、フィルム4における前記接着性物質の量は、好ましくは、当該フィルム4の1kgあたり10から20重量%、さらに好ましくは13から18重量%である。
【0066】
より詳細には、伸張性を有する低密度ポリエチレン(LLDPE)からなるフィルム4の、1つの束1に含まれる重量は、20グラム以下、好ましくは10グラム以下、さらに好ましくは5から10グラムである。
【0067】
図1〜図3を再び参照して、束1には、当該束1の両側に留められて当該束1の上部をまたぐようにして延びる適切な握り部5が設けられていてもよい。この握り部5は、例えばプラスチック材料および/または紙材料からなる。
【0068】
束1の包装には、容器3を、所望の種類の束1を形成するにあたっての理想的な束の形態に応じて、少なくとも1つの群2に成形する(集合させる)過程が含まれていてもよい。その後で、プラスチック材料からなるフィルム4が、予め成形された容器3の群2に巻き付けられる。
【0069】
フィルム4の巻付けにおける、容器3の群2を中心としたフィルム4の一周回転の回数は、最小限回数(1回に相当)から、必要に応じて所定の最大限の回数(2回以上に相当)までと様々である。当然ながら、最初の回転時に、フィルム4の内表面は容器3の群2に直接係合して当該容器3の群2の外表面に密着する。2回目の回転からは、フィルム4の内表面は、群2に既に巻き付いたフィルム4の外表面部分と係合する。
【0070】
好ましくは、接着性物質が設けられた伸張性を有する低密度ポリエチレン(LLDPE)からなるフィルム4の巻付けにあたって、その接着性物質は、当該フィルム4の1kgあたり10から20重量%、より好ましくは13から18重量%設けられていてもよい。これにより、フィルム4は、容器3の群2に巻き付けられると同時に当該容器3の群2に接着することができる。
【0071】
容器3に対するフィルム4の巻付けは、図19の上方斜視図および図16の平面図に示された、本発明にかかる包装装置100によって実行される。
【0072】
包装装置100は、少なくとも一対の包装ステーション101,102、好ましくは複数対の包装ステーションを備えている。添付の図面に示す実施形態では、包装装置100は、三対の包装ステーション101〜102,103〜104,105〜106を備えている。好ましくは、各対の包装ステーションは、図19に示すように横方向に並んで配置されている。
【0073】
包装装置100は、容器3(好ましくは、既に群2にまとめられた容器3)を供給する少なくとも1つの縦方向の供給ライン200と、形成された束を送出する少なくとも1つの縦方向の送出ライン300とを備える。矢印Aは容器3の群2を供給する供給方向を表し、矢印Sは束を送出する送出方向を表す。
【0074】
図19に示す包装装置100では、供給ライン200が2つの平行なトラック201,202に横方向に分割されており、詳細には、全ての対の包装ステーション101〜102、103〜104,105〜106によって共有されている。さらに、供給ライン200に対して平行に、2つの送出ライン301,302が設けられている。特には、これらの送出ラインは、包装ステーション101〜106の外側に延設されたコンベアベルト301,302である。
【0075】
図20は、包装装置100を、図19の矢印Aの方向に沿ってみた正面図である。第1の対の包装ステーション101,102のみが図示されている。その他の包装ステーション103〜106は当該包装ステーション101,102と一直線状に並んでいるので、図から見て取ることができない。束にして包装される容器3の群2は、2つの包装ステーション101,102間の中央に位置する供給ライン200のコンベアベルト201,202によって供給される。束1は、各包装ステーション101,102から、床を基準としてコンベアベルト201,202よりも高い位置にある、それぞれに対応したコンベアベルト301,302上に向けて側方に放出される。
【0076】
有利には、上述のレイアウトにより、包装装置100の生産性を最大限に高めることができる。ある包装ステーション101〜106が故障やフィルム4のリールの交換でストップしても、残りの包装ステーションにより、供給ライン200による供給を受けて束1の送出ライン301,302上への放出を引き続き行うことができる。
【0077】
図21は、包装装置100の平面図である。この図から分かるように、供給ライン200および送出ライン301,302は異なる包装ステーション101〜106間で共有されている。包装ステーション101がボトル3の群2に対するフィルム4の巻付けに取り掛かっている際も、コンベアベルト201は、供給方向A(または前進方向)において包装ステーション101の下流に設けられた包装ステーション103,105に対し、容器3の群2を供給し続ける。同様に、例えば包装ステーション104が作動中にも、コンベアベルト202は、包装ステーション102,106に対して供給を行い続ける。
【0078】
図22および図23は、包装装置100の他のレイアウトを示す上方斜視図である。詳細には、図22に示された包装装置100は、図19に示す包装装置100の全ての構成要素に加えて、2つのさらなる送出ライン、特には、送出ライン301,302のそれぞれに対して横方向に並んで平行に配置された2つのさらなるコンベアベルト303,304を備えている。
【0079】
図23に示すレイアウトでは、送出ライン301,302が、送出ライン301,303’および送出ライン302、304’に分割されている。送出ライン301,302の分割始点は、第1の対の包装ステーション101〜102と第2の対の包装ステーション103〜104との間に配置されている。しかしながら、分割始点は、第2の対の包装ステーション103〜104の下流、またはその他の対の包装ステーションの下流に配置されてもよい。
【0080】
本発明において、供給ライン200、送出ライン301〜304等は逆にされてもよい。つまり、送出ラインが、各対の包装ステーションの間に位置する単一のトラックの形態で流れるように配置され、少なくとも2つの供給ラインが、包装ステーションの外側に配置されてもよい。
【0081】
以下では、図24〜図27を参照しながら包装ステーションの構造の概要を説明する。また、図28〜34を参照しながら、把持グループ、支持グループおよび切断要素の構造を詳細に説明する。
【0082】
図24および図25は、それぞれ、包装ステーション102の細部を示す背面斜視図(図19の矢印Aとは反対方向)と正面斜視図(図19の矢印Aの方向)である。図26および図27は、それぞれ、包装ステーション102の正面図(図19の矢印Aの方向)と平面図である。その他の包装ステーション101,103〜106は、この包装ステーション102と同等であり、好ましくは、包装ステーション102と同一の構造である。
【0083】
図20および24〜27において、包装ステーション102は、床に固定可能な水平ベース部113および互いに平行な垂直壁部111,112で構成されるフレーム110を有する。垂直壁部111,112は、包装ステーションの操作手段400を支持する。
【0084】
操作手段400は、容器3の群2をコンベアベルト202から取り出す第1の位置と容器3の群2を包装ステーション102に届ける第2の位置との間で移動可能な第1の機械アーム401、および容器の束1を包装ステーション102から取り出す第1の位置と束1をコンベアベルト302(または304もしくは304’)上に放出する第2の位置との間で移動可能な第2の機械アーム402を有する。
【0085】
機械アーム401,402は、それぞれ、対応する矢印で表された2つの軸に沿って移動可能である。特には、各アーム401,402は、コンベアベルト202またはコンベアベルト302の上方、および包装ステーション102の頂部に位置決めされるように垂直壁部111,112に対して水平に移動することができ、そして垂直方向に移動することにより、コンベアベルト202またはコンベアベルト302に対して正確な高さに調節されることができる。
【0086】
図示の機械アーム401,402には、容器3の群をクランプすることのできる顎部が設けられている。
【0087】
包装ステーション102は、さらに、把持グループ500、支持グループ600、リール保持グループ700、フィルム4を切断する切断要素800、およびフィルム挟持グループ900を有しており、これらは全て、垂直壁部111,112間に、少なくとも部分的に収容されている。以下では、図24〜34を参照しながらこれらの構成要素について詳細に説明する。
【0088】
図24〜図26を参照して、リール保持グループ700は、円状のラック702を含む。具体的には、このラック702は、フィルム4のリールのシャフト703を支持するブラケット704が外周に設けられた内歯歯車である。ラック702は、例えば軸受などを介して、回転可能に包装ステーションのフレーム100の壁部111に取り付けられる。ラック702は、モータM3により、長手軸心X−Xに対して平行な軸心または長手軸心X−Xと合致する軸心を中心として回転される。後述するとおり、この長手軸心X−Xは把持グループ500の軸心のことである。モータM3のシャフトには、ラック702の歯部と噛合する外歯歯車が設けられている。つまり、モータM3のシャフトが回転することによってラック702が壁部11に対して回転し、リールを支持するブラケット704が長手軸心X−X周りに回動する。
【0089】
図28は、把持グループ500を示す斜視図である。一般的に、把持グループ500は、少なくとも2つのU字形の顎部503,504を含んでおり、これら顎部503,504は、長手軸心X−Xに沿って相手方に向かう方向、つまり互いに近づく方向に移動して容器3の群2を側方からクランプし、当該群2をその上部および下部に係合することなく垂直位置に保持することができる。
【0090】
図28には、閉じた形態の把持グループ500、すなわち、顎部503,504の先端同士が互いに当接した状態(基本的な状態では、顎部503,504は互いに接触していない)の把持グループ500が示されている。分かり易くするためボトル3は省略してある。当業者であれば、顎部503,504の形状は、全ボトル3の上部(首部およびキャップ)ならびに下部(底部)に対する動作の妨げにならないものであれば、図示の形状とは異なる形状であってもよいことを理解するであろう。
【0091】
顎部503の往復並進運動および顎部504の往復並進運動は、当該顎部503,504に固定されたパッド506に作用する、それぞれに対応したモータM1,M2によって制御される。各パッド506は、包装ステーション102の壁部111,112に接続固定された支持ブラケット501,502に形成された、対応するガイド505に沿って摺動することができる。好ましくは、顎部503,504は、長手軸心X−Xと直交する垂直方向および水平方向に調節可能(すなわち、顎部503,504の各位置を精度よく変更可能)である。
【0092】
把持グループ500は、顎部503,504が長手軸心X−Xに沿って後退することによって開かれる。
【0093】
図29は、支持グループ600を示す斜視図である。一般的に、支持グループ600は、容器3の群2を支持しない第1の後退位置と当接体84に当接して一部の容器3の底部を直接支持する進出位置との間で、把持グループ500の長手軸心X−Xに対して平行に移動可能な水平プレートまたは水平トレイからなる支持プレート8を含む。支持プレート8は、モータM4により、軸心X−Xに沿って往復並進移動する。モータM4は、対応するシャフト83を軸方向に押圧することにより、プレート8のパッド81を、静止側部材である対応するガイド82に沿って摺動させる。支持グループ600は、包装ステーションのフレーム100の垂直な側壁部111,112に、対応するブラケット601,602を介して固定されている。
【0094】
支持グループ600は、把持グループ500が動作していないとき(すなわち、顎部503,504が、図24、図25および図27に示すように互いに後退して離間しているとき)に、包装ステーションに供給される容器の群を支持する機能を有する。
【0095】
図32および図33は、それぞれ、支持グループ600の上方斜視図と下方斜視図であり、図示の支持プレート8は、完全に伸長して、当接面を形成する当接体84に当接した動作状態にある。プレート8は、一部のボトル8を直接支持している。同図には、フィルム4を切断する切断要素800も示されている。
【0096】
図30および図34にも示されている切断要素800はナイフ801を有する。ナイフ801は、支持プレート8の近傍において長手軸心X−Xに平行に並進することができる。この長手軸心は、リール保持グループ700の回動軸心と平行、またはこの回動軸心と合致している。切断要素800の駆動は、同じ包装ステーションにおける他のグループに関して説明した方法と同様の方法で制御される。
【0097】
図30および図34には、フィルム挟持グループ900が明瞭に示されている。挟持グループ900は、モータM6および当該モータM6に接続された顎部901を含む。顎部901は、長手軸心X−Xに直交する軸心Y−Yに沿って垂直に並進移動し、フィルム4を支持プレート8の下面に固定することができる。図34では容器3の下部のみが図示されている。
【0098】
挟持グループ900は、プレート8が進出位置に移動する際に、当該プレート8に随伴するようにして軸心X−Xに対して平行な方向に沿って往復並進移動することができる。好ましくは、挟持グループ900には、この目的のために自身のモータおよびガイドが設けられている。
【0099】
以下では、全ての図、特に、図4〜図15を参照しながら、容器3の群2を包装する工程を説明する。
【0100】
予め成形された容器3の群2が、図19の供給ライン200から、包装ステーション102の近傍に位置する送込領域に送られると、図20の機械アーム401が、当該群2を図24の把持グループ500および支持グループ600に届ける。把持グループ500と支持グループ600は、図4の容器3の群2を巻付け用のフィルム4(すなわち、フィルム4のリール)に対して正確に位置決めするように協働する。支持グループ600の支持プレート8は、図32および図33に示すように完全に伸長し、機械アームからなる操作体401と協働してボトルの群2が落下しないように支持する。
【0101】
フィルム4のリール12は、図24のリール保持グループ700のブラケット704に片持ち係止した水平なシャフト703に装着される。リール12から部分的に巻き出されたフィルム4の帯の自由端部は、図12の支持プレート8と挟持グループ900の顎部901との間に固定される。
【0102】
この状態で、把持グループの顎部503,504が、図4〜図5、図10〜図12および図30〜図31に示すようにボトル3の群2を閉じる。このような位置において、顎部503,504は、容器3同士を押し付けてコンパクトな芯体を形成する。操作体401は、復帰ストロークを行った後、供給ライン200から次の包装対象のボトル3の群を取り出す。
【0103】
次に、前述した伸張性を有する低密度ポリエチレン(LLDPE)からなるフィルム4の巻付け過程が開始される。
【0104】
図24のリール保持グループのモータM3が駆動され、ラック702を、把持グループの長手軸心X−X周りに回転させる。その結果、フィルム4のリール12が、把持グループ500によって保持されたボトル3の群2を中心として回動する(図6〜9および図17)。巻き出されたフィルム4は、ボトルの群2および把持グループの顎部に巻き付けられる。
【0105】
円状のラック702の1回転が終わるまで(つまり、フィルム4がボトル3の群2の全体に巻き付けられるまで)に、フィルム挟持グループ900による動作がいったん終了する(すなわち、顎部901が軸心Y−Yに沿って下降し、支持プレート8から離れてフィルム4の保持を止める)(図18)。挟持グループ900の全体が、図30に示すプレート602の方向に後退し、プレート8の下部領域を解放する(図12および図29を参照)。挟持グループと切断要素は、同時に駆動されてもよいし、異なる時間に駆動されてもよい(例えば、切断要素は、挟持グループが駆動された少し後に駆動されてもよい)。
【0106】
このとき、フィルム4は、6本のボトル3の群2のうちの3本に対し、少なくとも部分的に密着している。そのため、フィルム4は挟持グループ900によって保持されなくなっても、ボトル3から外れない。
【0107】
支持プレート8が後退し(図13)、ボトル3を完全に包装可能な状態にする。これとほぼ同時に、円状のラック702とフィルム4のリール12が、ボトル3の群2の周りを複数回回転/回動してもよい(図17)。好ましくは、フィルム4は、ボトル3の群2に3回巻き付けられる。
【0108】
リール12の最後から1回前の回動が完了すると、支持プレート8が進出位置に再び戻って(図14)当接体84に再び当接し、完成されつつある束1を下方から支持する。
【0109】
最後の回動の終盤にさしかかると、挟持グループ900が、支持プレート8の下方に移動され、当該支持プレート8に対してフィルムを固定するように駆動される。
【0110】
また、挟持グループ900は、支持プレート8の下方に上昇して当該支持プレート8に対してフィルム4を固定するように駆動される。
【0111】
図34に示すように、切断要素800が駆動され、ナイフ801を支持プレート8の近傍で把持グループ500の長手軸心X−Xに平行に並進させ、フィルム4の帯を切断する。
【0112】
帯の一方の端部は、次のボトル3の群2の包装が何時でも開始できるように挟持グループ900によって固定された状態を維持し、他方の端部は、既に形成済みの束1に密着する。
【0113】
把持グループ500の顎部503,504が開き、形成済みの束1を解放する。この過程において、顎部503,504は、ボトル3と当該ボトル3に巻き付いた複数の層のフィルム4との間を摺動する。
【0114】
操作手段400の第2の操作アーム402が束1を取り出し、送出ライン302,304に届ける(図16)。
【0115】
包装ステーション102の動作は繰り返し行われ、ボトル3の群2を次々と包装する。
【0116】
他の包装ステーション101,103〜106の動作も、上述した動作と同様である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の容器(3)を束(1)にして包装する包装装置(100)であって、
−容器(3)の群(2)を包装する少なくとも一対(101〜102,103〜104,105〜106)の包装ステーション(101〜106)であって、各包装ステーションが、容器(3)の群(2)の周りに伸張性を有するフィルム(4)を巻き付ける巻付手段、および当該包装ステーション(101〜106)に前記容器(3)の群(2)を供給し、かつ、当該包装ステーション(101〜106)から前記容器(3)の群(2)を送出する操作手段(400)を有する、少なくとも一対(101〜102,103〜104,105〜106)の包装ステーション(101〜106)と、
−包装対象の前記容器(3)を供給する少なくとも1つの供給ライン(200)と、
−束(1)にして包装された容器(3)を送出する少なくとも1つの送出ライン(300)と、
を備え、
各対(101〜102,103〜104,105〜106)の包装ステーション(101〜106)の間に1つの供給ライン(200)が位置し、少なくとも2つの送出ライン(301,302)が、それぞれ、対応する包装ステーション(101〜106)を基準として前記供給ライン(200)の反対側に位置しているか、あるいは、
各対(101〜102,103〜104,105〜106)の包装ステーション(101〜106)の間に1つの送出ライン(300)が位置し、少なくとも2つの供給ライン(200)が、それぞれ、対応する包装ステーション(101〜106)を基準として前記送出ライン(301,302)の反対側に位置している、包装装置。
【請求項2】
請求項1において、前記供給ライン(200)が、前記送出ライン(301,302)とほぼ同じ高さで延設されているか、または、前記送出ライン(301,302)とは異なる高さで延設されている、包装装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記供給ライン(200)および前記送出ライン(301,302)が、それぞれ、単一のトラック(301,302)であるか、または、複数のトラック(201,202)に分割されている、包装装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項において、前記供給ライン(200)および前記送出ライン(301,302)が、それぞれ、少なくとも1つのコンベアベルトを有しているか、あるいは、互いに直列および/または並列な複数のコンベアベルトを有している、包装装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項において、各包装ステーション(101〜106)が、束にして包装される容器(3)の群(2)を把持する把持グループ(500)を有しており、前記操作手段(400)が、
−前記容器の群(2)を前記少なくとも1つの供給ライン(200)から取り出す第1の位置と前記容器の群(2)を前記把持グループ(500)に届ける第2の位置との間で移動可能な第1の機械アーム(401)、および
−前記容器(3)の束(1)を前記把持グループ(500)から取り出す第1の位置と前記容器の束(1)を送出ライン(301,302)上に放出する第2の位置との間で移動可能な第2の機械アーム(402)、
を有する、包装装置。
【請求項6】
請求項5において、前記把持グループ(500)が、少なくとも2つのU字形の顎部(503,504)を含んでおり、当該少なくとも2つの顎部(503,504)は、長手軸心(X−X)に沿って互いに相手方に近づく方向に移動して前記容器(3)の群(2)を側方からクランプし、前記容器(3)の群(2)が落下しないように垂直に保持することができる、包装装置。
【請求項7】
請求項6において、容器(3)の群(2)の周りにフィルム(4)を巻き付ける前記巻付手段が、前記フィルム(4)のリール(12)を水平に支持するのに適したリール保持グループ(700)を有しており、当該リール保持グループ(700)は、前記把持グループ(500)の前記長手軸心(X−X)を中心として回動可能である、包装装置。
【請求項8】
請求項7において、前記リール保持グループ(700)が、
−前記フィルム(4)のリール(12)のシャフト(703)を支持するブラケット(704)と、
−前記把持グループ(500)の前記長手軸心(X−X)と合致する回転軸心を有する内歯歯車(702)と、
を含み、前記ブラケット(704)が、前記内歯歯車(702)と一体であるか、または前記内歯歯車(702)に固定されている、包装装置。
【請求項9】
請求項8において、さらに、
前記リール保持グループ(700)を駆動するアクチュエータ手段、
を備えており、当該アクチュエータ手段は、電気モータ(M3)と、前記電気モータ(M3)のシャフトに取り付けられて前記内歯歯車(702)に直接噛合する外歯歯車とを有する、包装装置。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一項において、さらに、
前記容器(3)の群(2)を支持する支持グループ(600)、
を備えており、当該支持グループ(600)が、
−前記容器(3)の群(2)を支持しない第1の後退位置と前記把持グループ(500)にクランプされた前記容器(3)における底部を支持する進出位置との間で、前記把持グループ(500)の前記長手軸心(X−X)に平行に移動可能な支持プレート(8)と、
−進出位置において前記支持プレート(8)と当接する当接体(84)と、
−前記支持プレート(8)を駆動するアクチュエータ手段(M4,81〜83)と、
を含む、包装装置。
【請求項11】
請求項10において、さらに、
前記容器(3)の群(2)に対して前記フィルム(4)の一部を固定する挟持グループ(900)、
を備えており、当該挟持グループが、
−前記支持グループ(600)の前記支持プレート(8)に圧接するように移動可能であり、前記フィルム(4)を、滑らないように固定する顎部(901)と、
−進出位置にある前記支持グループ(600)の前記支持プレート(8)の下方から、前記顎部(901)を前記長手軸心(X−X)に沿って押し付ける、前記顎部(901)のアクチュエータ手段と、
−進出位置にある前記支持グループ(600)の前記支持プレート(8)に対して前記顎部(901)を押し付ける、前記顎部(901)のアクチュエータ手段(M6)と、
を含む、包装装置。
【請求項12】
請求項6から11のいずれか一項において、さらに、
形成中の前記束(1)の下部周辺近傍において、前記把持グループ(500)の前記長手軸心(X−X)に平行に移動可能な、前記フィルム(4)を切断する切断要素(800)、
を備える、包装装置。
【請求項13】
請求項12において、前記切断要素(800)が、前記挟持グループ(900)および/または前記支持プレート(8)に接続固定されているか、あるいは、前記挟持グループ(900)および/または前記支持プレート(8)から独立しているとともに、前記長手軸心(X−X)に沿って移動させるアクチュエータ手段を有している、包装装置。
【請求項14】
液体の容器を包装する装置(100)であって、
容器(3)の群(2)を束にして包装する少なくとも1つの包装ステーション(101〜106)、
を備えており、当該包装ステーション(101〜106)が、
−長手軸心(X−X)に沿って互いに相手方に近づく方向に移動して容器(3)の群(2)を側方からクランプし、当該群(2)をその上部および下部に係合することなく垂直に保持することができる少なくとも2つのU字形の顎部(503,504)を含む、把持グループ(500)と、
−前記把持グループ(500)によって保持された前記容器(3)の群(2)の周りに、伸張性を有するフィルムを、前記把持グループ(500)の前記長手軸心(X−X)に対する周方向に巻き付ける巻付手段と、
−形成中の束(1)の下部周辺近傍において、前記把持グループ(500)の前記長手軸心(X−X)に平行に移動可能な、前記フィルム(4)を切断して前記容器(3)の束(1)に巻き付いた前記フィルムの部分とフィルム(4)の残りの部分とに分ける切断要素(800)と、
を有する、包装装置。
【請求項15】
請求項14において、さらに、
前記容器(3)の群(2)を支持する支持グループ(600)、
を備えており、当該支持グループ(600)が、
−前記容器(3)の群(2)を支持しない第1の後退位置と前記把持グループ(500)にクランプされた前記容器(3)のうちの少なくとも一部の容器の底部を支持する進出位置との間で、前記把持グループ(500)の前記長手軸心(X−X)に平行に移動可能な水平な支持プレート(8)と、
−進出位置において前記支持プレート(8)と当接する当接体(84)と
−前記支持プレート(8)を駆動するアクチュエータ手段(M4,81〜83)と
を含む、包装装置。
【請求項16】
請求項15において、さらに、
前記容器の群(2)に対して前記フィルム(4)の一部を固定する挟持グループ(900)、
を備えており、当該挟持グループ(900)が、
−前記支持グループ(600)の前記支持プレート(8)に圧接するように移動可能であり、前記フィルム(4)を、前記支持グループ(600)の前記支持プレート(8)に対して滑らないように固定する顎部(901)と、
−進出位置にある前記支持グループ(600)の前記支持プレート(8)の下方から、前記顎部(901)を前記長手軸心(X−X)に沿って押し付ける、前記顎部(901)のアクチュエータ手段と、
−進出位置にある前記支持グループ(600)の前記支持プレート(8)に対して前記顎部(901)を押し付ける、前記顎部(901)のアクチュエータ手段(M6)と、
を含む、包装装置。
【請求項17】
請求項16において、前記フィルム(4)を切断する前記切断要素(800)が、独立した自身のアクチュエータ手段を有しているか、あるいは、前記支持グループ(600)および/または前記挟持グループ(900)に接続固定されたアクチュエータ手段を有している、包装装置。
【請求項18】
液体の容器(3)の群(2)を包装する方法であって、
a)容器(3)の群(2)を形成する過程と、
b)伸張性および非熱収縮性を有するプラスチック材料のフィルム(4)を、前記容器(3)の群(2)に対し、長手軸心(X−X)周りに巻き付ける過程と、
c)形成中の束(1)の前記フィルム(4)を固定する過程と、
d)前記フィルム(4)を切断し、前記束(1)に巻き付いた部分と残りの部分とに分ける過程と、
を含み、前記過程d)が、前記長手軸心(X−X)に対して平行な方向に往復移動可能な切断要素(800)を用いて実行される、包装方法。
【請求項19】
請求項18において、前記過程c)が、少なくとも1つの顎部(901)および当該顎部(901)を圧接面に押し付けるのに適した対応するアクチュエータ手段(M6)を含む挟持グループ(900)を用いて実行され、前記切断要素(800)が、前記挟持グループ(900)とは独立しているか又は前記挟持グループ(900)に接続固定された対応するアクチュエータ手段を有している、包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2013−503085(P2013−503085A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526137(P2012−526137)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【国際出願番号】PCT/IB2010/002062
【国際公開番号】WO2011/024050
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(512048516)エーエル・エムエー・シー・パッケージング・エス・エール・エル (1)
【氏名又は名称原語表記】AL.MA.C.PACKAGING S.R.L.
【Fターム(参考)】