液体輸送装置、吸引具
【課題】異なる2方向に液体を輸送することができる液体輸送装置を提供する。
【解決手段】液体輸送装置10は、リザーバ40に連通し一方向に延在され弾性を有する第1チューブ50と、略180度反対方向に延在され弾性を有する第2チューブ60と、第1チューブ50を押圧する螺旋状の凸部72aを有する第1押圧部72と、第2チューブ60を押圧する螺旋状の凸部73aを有する第2押圧部73と、第1押圧部72と第2押圧部73とが共通の回転軸Pを有して接続されるチューブ押圧部材70と、第1チューブ50と第2チューブ60を挟んでチューブ押圧部材70の反対側に設けられるチューブガイド30と、が備えられ、螺旋状の凸部72a,73aがそれぞれ逆方向の螺旋方向を有し、チューブ押圧部材70を回転することによって、第1チューブ50及び第2チューブ60を流出側に向かって順次押圧し、異なる2方向に液体を輸送する。
【解決手段】液体輸送装置10は、リザーバ40に連通し一方向に延在され弾性を有する第1チューブ50と、略180度反対方向に延在され弾性を有する第2チューブ60と、第1チューブ50を押圧する螺旋状の凸部72aを有する第1押圧部72と、第2チューブ60を押圧する螺旋状の凸部73aを有する第2押圧部73と、第1押圧部72と第2押圧部73とが共通の回転軸Pを有して接続されるチューブ押圧部材70と、第1チューブ50と第2チューブ60を挟んでチューブ押圧部材70の反対側に設けられるチューブガイド30と、が備えられ、螺旋状の凸部72a,73aがそれぞれ逆方向の螺旋方向を有し、チューブ押圧部材70を回転することによって、第1チューブ50及び第2チューブ60を流出側に向かって順次押圧し、異なる2方向に液体を輸送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、螺旋状の凸部を有する一つのチューブ押圧部材によって複数のチューブを押圧して一方向または異なる2方向に液体を輸送する液体輸送装置と、この液体輸送装置と霧化器を備える吸引具に関する。
【背景技術】
【0002】
また、チューブと平行に配置された回転軸と、この回転軸に形成された螺旋状の凸部とを備えて螺旋状ローラを構成し、この螺旋状ローラを回転し、螺旋状の凸部によってチューブを押圧して液体を流動するチューブポンプ(液体輸送装置)というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−301778号公報(第5,6頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によれば、回転軸に形成された螺旋状の凸部によってチューブを押圧する構造であり、螺旋状ローラは簡単な構造を実現している。
【0005】
しかしながら、このような構成のチューブポンプは、液体の輸送用チューブは1本のみであり、複数のチューブで液体を輸送する場合には、複数のカムを有する駆動軸、または螺旋状の凸部を有する回転軸及びモータ等の駆動源を複数系統備えなければ実現することができないという課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
本発明の液体輸送装置は、液体を収容するリザーバと、弾性を有し前記リザーバに連通するとともにチューブガイドによって保持される複数のチューブと、回転可能に保持された回転軸と、前記複数のチューブを螺旋状の凸部で押圧する押圧部が前記回転軸に固定されているチューブ押圧部材と、を有し、前記回転軸が回転することによって、前記押圧部が、前記複数のチューブを前記リザーバから液体の流出側に向かって順次押圧し、液体を輸送することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、チューブ押圧部材が複数のチューブに対応する押圧部を備えており、一つのチューブ押圧部材を回転することにより、駆動系の部材を増加させずに複数のチューブから同時に液体を輸送することができるという効果を有する。
【0009】
また、本発明の液体輸送装置は、液体を収容する1個のリザーバと、前記リザーバに対して異なる方向に連通した第1チューブ及び第2チューブと、回転可能に保持された回転軸と、前記回転軸に固定され前記第1チューブを螺旋状の凸部で押圧する第1押圧部と、前記回転軸に固定され前記第2チューブを前記第1チューブとは反対方向の螺旋状の凸部で押圧する第2押圧部と、を有する押圧部材と、を有し、前記回転軸が回転することによって、前記第1押圧部及び前記第2押圧部が前記第1チューブ及び前記第2チューブを前記リザーバから液体の流出側に向かって順次押圧し、異なる2方向に液体を輸送することを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、1個のリザーバに連通方向が異なる2本のチューブを備え、螺旋方向が異なる凸部を有する押圧部にてチューブを押圧することにより、一つのチューブ押圧部材を回転することにより、互いに異なる方向に液体を輸送することができる。
【0011】
また、上記構成による液体輸送装置は、複数の前記リザーバが第1リザーバと第2リザーバとからなり、前記複数のチューブが第1チューブと第2チューブとからなり、前記押圧部が螺旋状の凸部が互いに異なる螺旋方向を有する第1押圧部と第2押圧部とからなり、前記第1チューブが前記第1リザーバに連通され、前記第2チューブが、前記第2リザーバに連通されると共に、前記第1チューブと前記第2チューブが互いに異なる方向に延在され、前記第1押圧部と前記第2押圧部のそれぞれが前記第1チューブと前記第2チューブのそれぞれを押圧し、異なる2方向に液体を輸送することを特徴とする。
【0012】
このように第1リザーバと第2リザーバを備え、それぞれに第1チューブと第2チューブを連通させていることから、第1リザーバと第2リザーバにそれぞれ異なる種類の液体を収容しておけば、チューブ押圧部材を回転することで、同時に2種類の液体を異なる2方向に輸送することができる。
【0013】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記第1リザーバと前記第2リザーバとが、前記回転軸に沿って配設されていることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、第1リザーバと第2リザーバとを直線上の回転軸に沿って配設することによって、細長い管状の液体輸送装置を実現できる。
【0015】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記第1リザーバと前記第2リザーバとが、前記回転軸の周囲に配設されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、上述の第1リザーバと第2リザーバとが、回転軸に沿って配設される構成に比べ、液体の流動(輸送)方向に対して小型化を実現できるという効果がある。
【0017】
また、上記構成による液体輸送装置は、複数の前記押圧部それぞれに設けられる螺旋状の凸部が、前記チューブ押圧部材に巻回される互いに螺旋方向の異なるコイルであることが望ましい。
【0018】
このように螺旋状の凸部をコイルによって形成し、切削加工等で形成するより容易に螺旋状の凸部を形成することができる。また、コイル原料を断面が円形のコイル線とすることにより、第1チューブ及び第2チューブとの接触面が滑らかとなり押圧する際の接触抵抗を減じ、駆動力を小さくできる他、第1チューブ及び第2チューブの耐久性能を向上させることができるという効果がある。
【0019】
さらに、コイルは、線形や巻き外径を変えることにより、容易に凸部の高さや第1押圧部及び第2押圧部の最大径を変えることができ、単位時間あたりの輸送量を調整しやすいという効果もある。
【0020】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記チューブ押圧部材が、複数の前記押圧部それぞれの凸部に相当するコイル部と、前記回転軸と、が一体で形成されていることが望ましい。
【0021】
このような構成によれば、チューブ押圧部材を複数のコイル部と回転軸とを一体で形成しているので、より一層、構造を簡単にすることができる。このようなチューブ押圧部材は、具体的には、ワイヤフォーミング等の成形手段で形成することができコスト低減を可能にする。
【0022】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記複数のチューブのうちの少なくとも1本のチューブと他のチューブの内径または外径、内径及び外径が互いに異なり、前記複数のチューブそれぞれに対応して設けられる前記押圧部それぞれの螺旋状の凸部の外径が、前記複数のチューブそれぞれの内径または外径に対応して互いに異なることが望ましい。
【0023】
第1チューブと第2チューブの内径が同一であれば、液体の輸送量は同じである。ここで、内径(つまり、液体が流動するチューブの断面積)、外径を変えることで、チューブ押圧部材が共通の回転軸にて回転させるときに、一つのチューブ押圧部で第1チューブと第2チューブとの液体輸送量を変えることができる。また、前述したような第1リザーバと第2リザーバを備え、それぞれに異なる種類の液体を収容する場合には、液体の種類に対応して所望の輸送量を実現することができる。
【0024】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記複数のチューブが前記リザーバに連通された状態で前記チューブガイドによって保持され、前記リザーバ及び前記複数のチューブを含む前記チューブガイドと前記回転軸を保持する機枠とが着脱可能に構成されていることが好ましい。
【0025】
このようにすれば、使用者によるリザーバの交換がし易く液体の補充が容易である。また、本発明の液体輸送装置はチューブをチューブ押圧部材で押圧して輸送するチューブポンプであって、組立てられたときにはチューブ押圧部材の凸部が常にチューブを押圧している。従って、押圧状態で長期間保存した場合にはチューブが永久変形してしまうことが考えられるが、チューブガイドを機枠に液体輸送装置の駆動時にのみ装着すれば、チューブの永久変形を抑制することができる。
【0026】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記複数のチューブそれぞれの前記リザーバ側の端部に前記リザーバに連通する刺挿パイプが設けられ、前記刺挿パイプの先端部を前記リザーバに刺挿して連通させるとともに、前記複数のチューブと、前記リザーバとが挿脱自在であることが好ましい。
【0027】
このようにすれば、リザーバのみの交換が可能であり、リザーバの交換により液体の補充を容易に行うことができる。リザーバの交換に伴う第1チューブ、第2チューブ及びチューブガイドは繰り返し使用が可能なため経済的効果も有する。
【0028】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記チューブガイドの前記リザーバを覆う部分に開閉蓋が設けられていることが好ましい。
【0029】
上述したような構造によれば、開閉蓋を開いてリザーバを交換し、開閉蓋を閉じれば駆動時のリザーバの姿勢を保持し、且つ、外力などからリザーバを保護することができる。
【0030】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記開閉蓋が、前記リザーバと前記チューブガイドの長さ方向の両端部を残して前記複数のチューブを支持する一部を含む範囲に設けられていることが望ましい。
【0031】
このような構成によれば、開閉蓋を開いてリザーバとチューブとを連通した状態で交換することができる。
【0032】
また、本発明の液体輸送装置は、複数の前記リザーバが前記回転軸に沿って多連配設されると共に、複数の前記リザーバそれぞれに対応して設けられる前記チューブの少なくとも一つが他と異なる方向に連通され、前記複数のチューブの連通方向に対応して前記押圧部が互いに異なる螺旋方向を有していることが好ましい。
【0033】
このような構成では、チューブ押圧部材が複数のリザーバ(つまり、チューブ)に対応する押圧部を備えており、複数の押圧部のいくつかの凸部が逆の螺旋方向を有していることから、液体の輸送流量を増加できると共に、液体を異なる2方向に輸送することができる。
また、複数のリザーバを回転軸に沿って多連配設していることから、特に径方向の小型化を実現できる。
【0034】
また、上記構成による液体輸送装置は、複数の前記リザーバが前記回転軸の周囲に配設されると共に、複数の前記リザーバそれぞれに対応して設けられる前記チューブの少なくとも一つが他と異なる方向に連通され、前記チューブの連通方向に対応して前記押圧部が互いに異なる螺旋方向を有する凸部を備えていることが好ましい。
【0035】
このような構成によれば、チューブ押圧部材が複数のリザーバ(チューブ)に対応する押圧部を備えており、複数の押圧部のいくつかの凸部が逆の螺旋方向を有していることから、液体の輸送流量を増加できると共に、液体を異なる2方向に輸送することができる。
また、複数のリザーバを回転軸の周囲に配設していることから、特に長さ方向(液体の流動方向)の小型化を実現できる。
【0036】
また、上記構成による液体輸送装置は、1個の前記リザーバが、前記チューブ押圧部材の一方の端部に配設されると共に、前記リザーバに前記複数のチューブが前記押圧部の周囲に配設されていることが好ましい。
【0037】
このような構成によれば、リザーバ配設領域を液体輸送装置の外径近傍までに広げることができることから、リザーバの容積を大きくすることができると共に、液体を一方向に大量に流動することができる。
【0038】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記押圧部が複数多連配設され、複数の前記押圧部のうち少なくとも一つが他と異なる螺旋方向を有する凸部を備えていることが好ましい。
【0039】
このような構成によれば、いくつかのチューブはリザーバから液体を流出し、他のチューブはリザーバに流入させる。従って、流出用と流入用のチューブの数を同じにすれば、流出量と流入量とが等しくなる。この際、流入用のチューブを外部の液体収容容器に連通すれば、液体輸送装置を駆動しながら、流出した分だけ液体を補充することができるという効果がある。
【0040】
本発明の吸引具は、上記記載の液体輸送装置と、前記複数のチューブのうちの少なくとも1本から供給される液体を霧化する第1霧化器と、前記複数のチューブのうちの少なくとも他の1本から供給される液体を霧化する第2霧化器と、前記チューブ押圧部材に回転力を与えるモータと、前記第1霧化器と前記第2霧化器との制御を行う制御回路と、前記モータの駆動制御を行う駆動制御回路と、を含む制御部と、前記制御部に電力を供給する電源部と、が備えられ、前記電源部と前記制御部と前記第1霧化器と前記液体輸送装置と前記第2霧化器とが、筒状の筐体の内部に前記筐体の長手方向に沿って配設されており、前記第1霧化器と前記第2霧化器それぞれにて霧化された液体微粒子を排出または吸引するための開口部が設けられていることを特徴とする。
【0041】
本発明によれば、リザーバに収容された液体を上述した液体輸送装置にて第1霧化器及び第2霧化器まで輸送し、第1霧化器及び第2霧化器において液体を霧化することで、霧化された液体微粒子を排出または吸引することができる。
【0042】
また、上記電源部と制御部と第1霧化器と液体輸送装置と第2霧化器とを、筒状の筐体の内部に配設しているため携帯性がよい。
【0043】
また、上記記載の吸引具は、前記開口部の一方が霧化された液体微粒子を吸引する吸引口であり、他方が霧化された液体微粒子を排出する排出口であることが好ましい。
【0044】
このような構成によれば、第1リザーバと第2リザーバそれぞれに異なる種類の液体を収容し、吸引口から異なる液体微粒子の吸引を、排出口で霧化された液体微粒子排出を行うことができ、排出口側で液体微粒子の発生状況を目視しながら吸引することができる。
【0045】
仮に、吸引具が擬似タバコであれば、一方からは香味微粒子の吸引による擬似喫煙を行い、他方からは擬似紫煙微粒子の排出を行うことができ、喫煙の雰囲気を味わいながら健康、環境に無害な擬似喫煙具を提供することができる。
【0046】
また、上記記載の吸引具は、前記筐体の長さ方向の両端に霧化された液体微粒子を吸引する前記吸引口が設けられていることが好ましい。
【0047】
このような構成によれば、第1リザーバと第2リザーバそれぞれに異なる種類の液体を収容しておけば、2箇所の吸引口それぞれから異なる種類の液体微粒子を吸引することができる。
【0048】
また、上記記載の吸引具は、前記筐体が上枠と下枠とからなり、前記上枠と前記下枠とが着脱可能に構成され、少なくとも前記液体輸送装置と前記電源部とが着脱可能であることが望ましい。
【0049】
このような構造にすれば、上枠と下枠を分離して消耗品である電源部(具体的には小型電池)やリザーバの交換を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1,2は本発明の実施形態1に係る液体輸送装置を示し、図3は実施形態2、図4は実施形態2の変形例、図5は実施形態3、図6は実施形態4に係るチューブ押圧部材、図7は実施形態5、図8は実施形態6、図9は実施形態7及び変形例、図10は実施形態8の液体輸送装置、図11は本発明の吸引具を示している。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
【0051】
図1は、実施形態1に係る液体輸送装置を示す縦断面図、図2は図1の横断面図であり、(a)はA−A切断面、(b)は(a)のB−B切断面、(c)は(a)のC−C切断面を示す断面図である。図1,2において、液体輸送装置10は、液体を収容するリザーバ40と、リザーバ40に連通し一方向に延在され弾性を有する第1チューブ50と、リザーバ40に連通され第1チューブ50に対して反対方向に延在される弾性を有する第2チューブ60と、第1チューブ50と第2チューブ60とを押圧するチューブ押圧部材70とから構成されている。
【0052】
図1に示すようにリザーバ40の下方(底部近傍)に、液体をリザーバ40の外部に排出させるための第1出口部41と第2出口部42とが設けられている。第1出口部41と第2出口部42はリザーバ40の長手方向の両側に設けられており、互いに外側に向かって筒状に突設部が形成され、これらの突設部に第1チューブ50と第2チューブ60とが装着されている。
【0053】
第1チューブ50と第2チューブ60とは、断面方向に押圧されて変形し、押圧解除されたときに元の断面形状に素早く復帰する弾性と、使用する液体に対する耐性を有する材料が採用される。また、第1チューブ50と第2チューブ60とは、リザーバ40に連通された状態で、チューブガイド30に位置が規制された状態で保持されている。本実施形態では、第1チューブ50と第2チューブ60とは断面形状が等しく、また、略同一直線上に延在されている。
【0054】
チューブガイド30は横断面形状が半円形であって、リザーバ40の大部分を収納する凹部からなるリザーバ収納部31と、第1チューブ50を挿通して保持する貫通孔32と、断面方向の位置規制をする第1チューブ保持溝33とが設けられている(図2(a),(b)、参照)。
一方、第2チューブ60側には、第2チューブ60を挿通して保持する貫通孔34と、断面方向の位置規制をする第2チューブ保持溝35とが設けられている。
【0055】
従って、チューブガイド30には、リザーバ40に連通した第1チューブ50と第2チューブ60とが接続された状態で取り付けられており、チューブガイド30とリザーバ40と第1チューブ50と第2チューブ60とが一体化された状態で取り扱うこと、つまり、機枠20に対して着脱が可能である。
また、チューブガイド30のリザーバ収納部31は、断面方向にはチューブガイド30との間隙を有し、長手方向はリザーバ40の移動を規制している。
【0056】
チューブガイド30に対向して機枠20が設けられている。機枠20は、横断面形状が半円形であって、チューブガイド30側に凹部22,23、凸部からなるリザーバ保持部24とが形成されている。
【0057】
チューブ押圧部材70は剛性を有する材料で形成され、両端方向それぞれに円柱状の第1押圧部72と第2押圧部73とが設けられている。第1押圧部72の外周には、螺旋状に形成される凸部72a、第2押圧部73の外周には螺旋状に形成される凸部73aが設けられている。
【0058】
凸部72aと凸部73aとは、断面形状は同じであるが互いに螺旋方向が逆であり、図1に示す形態において、凸部72aを左旋回とすれば、凸部73aは右旋回である。そして、第1押圧部72と第2押圧部73とは、共通の回転軸Pの延長上に設けられ連結軸71によって連結されている。
【0059】
チューブ押圧部材70の両端には支持軸74と支持軸75とが設けられ、支持軸74を機枠20の支持枠部21に設けられている貫通孔に挿入し(図2(a)も参照)、他方の支持軸75をチューブ押圧部材支持枠80に設けられている貫通孔に挿入されている。チューブ押圧部材70は回転自在である。なお、チューブ押圧部材支持枠80は、機枠20に螺子90(図示は省略)によって固定されている。
【0060】
また、図示しないが、チューブ押圧部材70の支持軸75の先端部は、チューブ押圧部材支持枠80から突出し、図示しないモータに連結されている。
【0061】
チューブ押圧部材70は、第1チューブ50及び第2チューブ60の延在方向に平行に、所定の距離を有して配設される。この際、所定の位置とは、凸部72a,73aが第1チューブ50及び第2チューブ60の液体流動孔を密閉でき、第1押圧部72及び第2押圧部73の円柱部外周が第1チューブ50及び第2チューブ60の外周部に接触しない範囲とする。
【0062】
なお、機枠20には、リザーバ40の下方にリザーバ保持部24が突設されており、リザーバ40を定位置に支持している(図2(c)も参照)。
【0063】
リザーバ40が取り付けられたチューブガイド30と、チューブ押圧部材70が取り付けられた機枠20とは、互いの半円径の弦に相当する面を密接させて、螺子91(図示は省略する)により一体化される。従って、液体輸送装置10は、断面形状が略円形の円柱形状となる。なお、チューブガイド30と機枠20との固定は、図2(a)に示す位置の他に、図示しないが、バランスよく固定可能な複数の位置で螺子固定される。
【0064】
続いて、図1、図2を参照して、本実施形態による液体輸送装置10の駆動について説明する。モータによりチューブ押圧部材70を矢印R方向に回転すると、第1押圧部72に設けられる左旋回の凸部72aが第1チューブ50を押圧、閉塞する。第1チューブ50を押圧する凸部72aでは、押圧部が回転に伴い順次F1方向に移動していく。この際、第1チューブ50内に滞留している液体をF1方向に移動し外部に流出する。凸部72aは、少なくとも1ヶ所において常時第1チューブ50を閉塞するように巻き数とピッチが設定される。
【0065】
第2押圧部73においても同様に、凸部73aで第2チューブ60を押圧する。しかし、凸部73aは右旋回の螺旋であるため、凸部73aの押圧部は順次F2方向に移動していき、第2チューブ60内に滞留している液体をF2方向に移動し外部に流出する。
【0066】
従って、前述した実施形態1によれば、チューブ押圧部材70が複数のチューブ(チューブ50,60)に対応する押圧部72,73を備えており、チューブ押圧部材70を回転することにより、駆動系の部材を増加させずに複数のチューブから同時に液体を輸送することができるという効果を有する。
【0067】
また、第1チューブ50を第1押圧部72に設けられる螺旋状の凸部72aで押圧し、第2チューブ60を第2押圧部73に設けられる凸部73aで押圧して液体をリザーバ40から外部に輸送する。第1押圧部72と第2押圧部73それぞれの螺旋状の凸部72a,73aは互いに螺旋方向が異なるため、共通の回転軸Pにて回転させたとき、リザーバ40から第1チューブ50ではF1方向に、第2チューブ60ではF2方向に同時に液体を輸送することができる。
【0068】
また、チューブ押圧部材70は、第1押圧部72と第2押圧部73と連結軸71とを一体で形成していることから、異なる2方向への液体輸送を可能にしながら簡単な構造で、円柱状の小型液体輸送装置、特に径方向が細い小型化を実現することができる。
【0069】
また、リザーバ40は、第1チューブ50と第2チューブ60とが連通された状態でチューブガイド30に保持されている。第1チューブ50と第2チューブ60とを含むチューブガイド30と機枠20とが着脱可能な構造であるため、チューブガイド30を機枠20から取り外せば、使用者によるリザーバ40が第1チューブ50、第2チューブ60付きの状態で交換が容易に行え、液体の補充が容易である。
【0070】
また、本実施形態の液体輸送装置10はチューブをチューブ押圧部材で押圧して輸送するチューブポンプであって、組立てられたときには凸部72a及び凸部73aそれぞれの一部が常に第1チューブ50と第2チューブ60を押圧している。従って、押圧状態で長期間保持した場合には、第1チューブ50、第2チューブ60が永久変形してしまうことが考えられるが、チューブガイド30を機枠20に液体輸送装置10の駆動時にのみ装着すれば、第1チューブ50及び第2チューブ60の永久変形を防ぐことができる。
【0071】
さらに、第1チューブ50と第2チューブ60の断面形状を同じにし、同じ回転速度でチューブ押圧部材70を回転するので、第1チューブ50と第2チューブ60を流動する液体量を同じにすることができる。
【0072】
なお、上述した本実施形態では、第1チューブ50と第2チューブ60の断面形状が同じ場合を例示して説明したが、第1チューブ50と第2チューブ60のお互いの内径または外径、内径と外径とを異なるように設定してもよい。このような構成の場合には、第1押圧部72及び第2押圧部73の外径、凸部72a,73aの最大径とを各チューブを閉塞,開放できる条件に設定することで、第1チューブ50と第2チューブ60を流動する液体量を適宜に変えることができる。
(実施形態2)
【0073】
続いて、実施形態2に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態2は、リザーバが2体構成であることに特徴を有している。相違点を中心に説明し、前述した実施形態1と共通部分は説明を省略し、同じ符号を附している。
図3は、実施形態2に係る液体輸送装置を示す縦断面図である。図3において、リザーバは、第1リザーバ140と第2リザーバ150とから構成されている。本実施形態では、第1リザーバ140と第2リザーバ150とは、回転軸Pに沿って配設されており、第1チューブ50と第2チューブ60は、互いに反対方向に回転軸Pに沿って配設されている。
【0074】
第1リザーバ140には、液体を第1リザーバ140の外部に流動させるための出口部141が設けられ、第1チューブ50が連通されている。一方、第2リザーバ150には、液体を第2リザーバ150の外部に流動させるための出口部151が設けられ、第2チューブ60が連通されている。
【0075】
第1リザーバ140と第2リザーバ150には、同じ種類の液体を収容してもよく、異なる種類の液体を収容してもよい。
また、第1リザーバ140と第2リザーバ150の容積は同じにしても、異なる容積としてもよい。
【0076】
なお、チューブガイド30には、第1リザーバ140と第2リザーバ150との間に仕切り壁37が設けられている。つまり、第1リザーバ140はリザーバ収納部31に、第2リザーバ150は第2リザーバ収納部38に収納され、第1リザーバ140と第2リザーバ150の位置規制と、液体輸送装置10の駆動時に移動することを防いでいる。
【0077】
このような実施形態2では、第1リザーバ140と第2リザーバ150とを備えおり、それぞれに異なる種類の液体を収容しておけば、チューブ押圧部材70を回転することで、同時に2種類の液体を輸送することができる。
この際、第1リザーバ140と第2リザーバ150の容積を同じにしておけば、略同時に液体の流出を完了させることができ、異なる容積とすれば、液体流出完了の時期をずらすことができる。
【0078】
また、第1チューブ50と第2チューブ60のお互いの内径または外径、内径と外径とを各チューブの閉塞と開放が行える範囲で組み合わせて変えて設定すれば、チューブ押圧部材70の同一回転条件下において、収容する液体の種類に応じて輸送量を適宜設定すること、及び流出完了時期をずらすことができる。
【0079】
また、第1チューブ50と第2チューブ60のお互いの内径または外径、内径と外径とを異なるように設定するような構成の場合には、第1押圧部72及び第2押圧部73の外径、凸部72a,73aの最大径とを変えて、各チューブを閉塞,開放できる条件に設定する。こうすることで、第1チューブ50と第2チューブ60を流動する液体量を適宜に変えることができる。
【0080】
さらに、第1リザーバ140と第2リザーバ150とを回転軸Pに沿って配設することによって、細長い管状の液体輸送装置10を実現できる。
(実施形態2の変形例)
【0081】
続いて、実施形態2の変形例について図面を参照して説明する。この変形例は、上述した実施形態2に対して第1リザーバ140と第2リザーバ150とが回転軸P(チューブ押圧部材70)の周囲に配設されていることに特徴を有している。従って、共通部分には同じ符号を附し、実施形態2と異なる部分を中心に説明する。
図4は、実施形態2の変形例に係る液体輸送装置を示し、(a)は、液体輸送装置を平面視する断面図、(b)は、(a)のD−D切断面を示す断面図である。図4(a),(b)において、第2リザーバ150はチューブ押圧部材70を挟んで第1リザーバ140とは反対側に配設されている。従って、第2リザーバ150は、機枠20に設けられる第2リザーバ収納部26内に収納されている。
【0082】
チューブ押圧部材70は、機枠20とチューブガイド30との間に設けられるチューブ押圧部材支持枠180に回転自在に支持されている。
【0083】
チューブ押圧部材支持枠180は板状の枠部材であって、外周部が機枠20とチューブガイド30との間に圧接され、第1リザーバ140と第2リザーバ150の間にリザーバ支持部181,182が突設されており、第1リザーバ140と第2リザーバ150とを支持している(図4(b)、参照)。
【0084】
第2リザーバ150に連通する第2チューブ60は、機枠20に設けられる第2チューブ保持部27を貫通して機枠20の外側に突出されている。
【0085】
このように構成される変形例においても、チューブ押圧部材70を矢印R方向に回転すると、第1チューブ50からは第1リザーバ140に収容される液体がF1方向に輸送され、第2チューブ60からは第2リザーバ150に収容される液体がF2方向に輸送される。
【0086】
図4(b)では、第1リザーバ140及び第2リザーバ150は断面が円形の場合を例示しているが、断面形状は円形に限らず、チューブガイド30のリザーバ収納部31、機枠20の第2リザーバ収納部26それぞれの内壁に沿った形状にしてもよい。また、第1リザーバ140と第2リザーバ150の大きさ(液体容積)を変えてもよい。
【0087】
この際、第1リザーバ140の出口部141と第2リザーバ150の出口部151とは、各リザーバの底部近傍に設けることが好ましい。このようにすることで、液体輸送装置10を駆動したときの各リザーバ内に残留する液体量を少なくすることができる。
【0088】
また、このような変形例では、同じ容積の液体輸送装置であれば、前述した実施形態2(図3、参照)よりも液体収容量が大きいリザーバを用いることができる。
また、第1リザーバ140と第2リザーバ150とが、回転軸P(チューブ押圧部材70)の周囲に配設されることによって、液体の流動方向に対して小型化を実現できる。
【0089】
なお、図4(b)では、液体輸送装置10の外形断面形状が四角形の場合を例示しているが、断面形状は四角形に限らず、リザーバ収納部31または第2リザーバ収納部26の内壁面に沿った形状にすれば、容積効率を高めることができる。
【0090】
また、上述した変形例では、機枠20(チューブ押圧部材支持枠180付き)からチューブガイド30を取り外せば第1リザーバ140の交換ができ、チューブガイド30(チューブ押圧部材支持枠180付き)から機枠20を取り外せば第2リザーバ150の交換ができる。
【0091】
なお、第1リザーバ140と第2リザーバ150の配設方向は、図4(b)に図示する平面方向に限らず、第1チューブ50と第1押圧部72、第2チューブ60と第2押圧部73との距離を一定にすれば、任意の位置(回転軸Pを中心とする回転方向位置)に配設することができる。
(実施形態3)
【0092】
次に、実施形態3に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態3は、チューブ押圧部材の構成に特徴を有しており、他の構成については、前述した実施形態1,2に適合できるので、チューブ押圧部材を図示して説明する。
図5は、実施形態3に係るチューブ押圧部材を示す正面図である。図5において、チューブ押圧部材170は、第1押圧部172と第2押圧部173と、第1押圧部172と第2押圧部173との間を連結する連結軸171と、チューブ押圧部材170の両端部に設けられる支持軸176,177とから構成されている。
【0093】
なお、第1押圧部172、第2押圧部173、連結軸171、支持軸176,177は、共通の回転軸Pの延長上に連結されている。
【0094】
第1押圧部172は、螺旋状の凸部として、円柱状の第1押圧軸174の周囲に巻回される第1コイル160を備える。第1コイル160の両端には、第1押圧軸174に穿設された孔部に挿着される固定部160a,160bが設けられ、第1コイル160の弾性力を利用して第1押圧軸174に固定されている。
【0095】
一方、第2押圧部173は、螺旋状の凸部として、円柱状の第2押圧軸175の周囲に巻回される第2コイル161を備える。第2コイル161の両端には、第2押圧軸175に穿設された孔部に挿着される固定部161a,161bが設けられ、第2コイル161の弾性力を利用して第2押圧軸175に固定されている。
なお、第1コイル160の螺旋方向を左旋回とすると、第2コイル161の螺旋方向は右旋回とする。
【0096】
また、支持軸176,177は、実施形態1(図1、参照)の支持軸74,75に相当し、チューブ押圧部材170は、支持軸176,177を回転軸として回転される。
【0097】
従って、実施形態1と同様に、チューブ押圧部材170を矢印R方向に回転すると、第1押圧部172側では液体はF1方向に流動し、第2押圧部173側では液体はF2側に流動する(図1、参照)。
【0098】
上述したように、螺旋状の凸部を第1コイル160、第2コイル161で形成すれば、ワイヤフォーミング等により成形でき、切削加工等で形成するより容易に螺旋状の凸部を形成することができる。また、コイル原料を断面形状が円形のコイル線とすることにより、第1チューブ50及び第2チューブ60との接触面が滑らかとなり、押圧する際の接触抵抗を減じ、駆動力を小さくできる他、第1チューブ50及び第2チューブ60の耐久性能を向上させることができるという効果がある。
【0099】
なお、第1コイル160、第2コイル161の断面形状は、第1チューブ50及び第2チューブ60との接触面を滑らかな円弧に仕上げれば円形に限らない。
【0100】
さらに、第1コイル160、第2コイル161は、線形や巻き外形を変えることにより、容易に凸部の高さや第1押圧部172及び第2押圧部173の最大径を変えることができ、単位時間あたりの輸送量を調整しやすいという効果もある。
(実施形態4)
【0101】
次に、実施形態4に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態4は、チューブ押圧部材の構成に特徴を有しており、他の構成については、前述した実施形態1,2に適合できるので、チューブ押圧部材を図示して説明する。なお、図1も参照する。
図6は、実施形態4に係るチューブ押圧部材を示す正面図である。図6において、チューブ押圧部材190は、第1押圧部としての第1コイル部191と、第2押圧部としての第2コイル部192と、第1コイル部191と第2コイル部192との間を連結する連結軸193と、第1コイル部191と第2コイル部192それぞれの先端部に設けられる支持軸194,195とから構成されるコイル部材である。
なお、支持軸194、連結軸193、支持軸195は、共通の回転軸Pの延長上に設けられている。
【0102】
第1コイル部191及び第2コイル部192の最外径は、実施形態3(図5、参照)の第1コイル160及び第2コイル161の最外径に相当する。つまり、実施形態1(図1、参照)の螺旋状の凸部72a,73aに相当する。そして、支持軸194,195は、実施形態1(図1、参照)の支持軸74,75に相当し、チューブ押圧部材190は、支持軸194,195を回転軸として回転する。
【0103】
なお、本実施形態では、チューブ押圧部材190はコイル線にて一体成形されているため、連結軸193に十分な剛性が得られないことが考えられる。そこで、機枠20(図1、参照)から突設されるリザーバ保持部24の一部を補強部として設けている。このようにして、第1コイル部191及び第2コイル部192の第1チューブ50と第2チューブ60に対する押圧量と押圧力を確保している。
【0104】
従って、実施形態4は、前述した実施形態3と同様に、チューブ押圧部材190を矢印R方向に回転すると、第1コイル部191側では液体はF1方向に流動し、第2コイル部192側では液体はF2側に流動する(図1、参照)。
【0105】
また、本実施形態のチューブ押圧部材190は、第1コイル部191と第2コイル部192とを一体で形成しているので、より一層、構造を簡単にすることができる。このようなチューブ押圧部材190は、ワイヤフォーミング等の成形手段で形成することができコスト低減を可能にする。また、第1コイル部191及び第2コイル部192は、実施形態3と同様に線形や巻き外形を変えることにより、単位時間あたりの輸送量を調整しやすいという効果もある。
(実施形態5)
【0106】
続いて、実施形態5に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態5は、リザーバをチューブに対して着脱可能な構造にしたことを特徴としている。なお、本実施形態は、前述した実施形態1〜実施形態4に適合可能であるため実施形態1を基本構造として例示し、また、第1チューブ50側及び第2チューブ60側においても同構造であるため、第1チューブ50側を例示して説明する。図1も参照する。
図7は、本実施形態に係る液体輸送装置を示し、(a)は縦断面図の一部、(b)は(a)のE−E切断面を示す断面図である。図7(a),(b)において、第1チューブ50のリザーバ40側の端部には刺挿パイプ130が挿着されている。
【0107】
刺挿パイプ130はL字状に曲げられて形成されており、その一方の端部132が第1チューブ50に挿着されている。他方の先端部の鋭くカットされた刺挿部131がリザーバ40の底部に刺挿され、第1チューブ50とリザーバ40とは刺挿パイプ130を介して連通されている。
【0108】
リザーバ40の底部にはセプタム45が設けられており、刺挿パイプ130の刺挿部131をセプタム45に刺挿することにより連通される。また、リザーバ40を刺挿パイプ130から引き抜くことにより、リザーバ40を液体輸送装置10から取り外すことができる。この際、セプタム45は自身の弾性力により密閉されるため液体がリザーバ40から漏洩することはない。
【0109】
刺挿パイプ130の下部(リザーバ40とは反対側方向)には、機枠20との間に刺挿パイプ保持枠110が設けられている。刺挿パイプ保持枠110には、刺挿パイプ130の位置規制をする溝状の刺挿パイプ案内部112(図7(b)、参照)が設けられ、リザーバ40を挿着する際に第1チューブ50が変形することを防いでいる。また、刺挿パイプ保持枠110の機枠20側には、刺挿パイプ保持枠110がチューブ押圧部材70の連結軸71に接触しない様に凹部111が設けられている。
【0110】
また、図7(b)に示すように、チューブガイド30のリザーバ40の取り出し側(図示上方)には、開閉蓋120が設けられている。開閉蓋120の一方の端部は、チューブガイド30に設けられる蝶番125により開閉自在に装着されている。他方の端部にはフック機構(図示せず)が設けられ、開閉蓋120をチューブガイド30に開閉可能に装着する。
【0111】
従って、開閉蓋120をチューブガイド30から開放することで、リザーバ40が第1チューブ50及び第2チューブ60に対して挿脱可能となり、リザーバ40のみの交換ができ、液体の補充を容易に行うことができる。リザーバ40の交換に伴う第1チューブ50、第2チューブ60及びチューブガイド30は繰り返し使用が可能なため経済的効果も有する。
【0112】
上述したリザーバ交換可能な構造において、開閉蓋120を開けてリザーバ40を交換し、開閉蓋120を閉じれば駆動時のリザーバ40の姿勢を保持しながら外力などからリザーバ40を保護することができる。
(実施形態6)
【0113】
続いて、実施形態6に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態6は、リザーバにチューブを装着した状態で着脱可能な構造にしたことを特徴としている。なお、本実施形態は、前述した実施形態1〜実施形態5それぞれの構成に適合可能であるが、実施形態1(図1、参照)を基本構造として例示し、実施形態1と異なる部分を中心に説明する。
図8は、本実施形態に係る液体輸送装置を示す断面図である。図8において、チューブガイド30には、開閉蓋120が、リザーバ40とチューブガイド30の長さ方向の両端部を残して第1チューブ50と第2チューブ60を支持する一部を含む範囲に設けられている。
【0114】
具体的には、チューブガイド30は、チューブガイド30に設けられる第1チューブ50が貫通孔32に挿通される部分と、第2チューブ60が貫通孔34に挿通される部分を残して開口されており、この開口部を覆うように開閉蓋120が設けられている。
【0115】
図7(b)に示すように、開閉蓋120の一方の端部は、チューブガイド30に設けられる蝶番125により開閉自在に装着されている。他方の端部にはフック機構(図示せず)が設けられ、開閉蓋120をチューブガイド30に対して開閉可能に装着することができる。
【0116】
開閉蓋120には、チューブ保持溝33,35が設けられ、開閉蓋120を閉じたときに、第1チューブ50と第2チューブ60それぞれの位置を規制し、開閉蓋120を開放したときには、第1チューブ50と第2チューブ60それぞれが容易に外れるような形状に形成している。
【0117】
従って、開閉蓋120を開放することで、リザーバ40が第1チューブ50及び第2チューブ60を連通した状態で挿脱可能となり、リザーバ40と第1チューブ50及び第2チューブ60を含んで交換することができ、液体の補充を容易に行うことができる。つまり、液体輸送装置10を駆動する前には、リザーバ40と第1チューブ50及び第2チューブ60とを装着されない状態で保管することができるので、第1チューブ50及び第2チューブ60の押圧による変形を防止することができる。
(実施形態7)
【0118】
続いて、実施形態7について図面を参照して説明する。実施形態7は、前述した実施形態1〜実施形態6に記載の液体輸送装置に対して、より多くのチューブと、これらチューブに対応した押圧部を有するチューブ押圧部材と、を備えていることを特徴としている。
図9は、実施形態7に係る液体輸送装置の1例を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)を先端方向から視認した配置説明図、(c)は変形例を示す配置説明図である。図9(a),(b)において、液体輸送装置10は、複数のリザーバ140,145,150,155が回転軸P(チューブ押圧部材70)に沿って多連配設されると共に、リザーバ140,145,150,155それぞれに対応してチューブ50,55,60,65が連通されている。
【0119】
ここで、チューブ50,60とチューブ55,65とは、互いに逆方向に延在されている。チューブ押圧部材70には、これらチューブ50,55,60,65に対応して回転軸Pの直線上に第1押圧部72、第2押圧部73、第3押圧部76、第4押圧部77とが設けられている。また、リザーバ140,150は、チューブ押圧部材70に対して同一方向に配設される。リザーバ145,155は、図9(b)に示すようにチューブ押圧部材70に対してリザーバ140,150とは反対側に配設されている。
【0120】
第3チューブ55は第1リザーバ140に連通されると共に、第1押圧部72とチューブ保持溝20bとの間に配設され、第1押圧部72によって押圧可能となっているが、第3押圧部76とは接触しないように途中で曲げられている。また、第4チューブ65は第3リザーバ145に連通されると共に、チューブ保持溝30bに保持されて第3押圧部76によって押圧可能な位置に配設されている。
【0121】
一方、第1チューブ50は第2リザーバ150に連通されると共に、第2押圧部73とチューブ保持溝20aとの間に配設され、第2押圧部73によって押圧可能となっているが、第4押圧部77とは接触しないように途中で曲げられている。また、第2チューブ60は第4リザーバ155に連通されると共に、チューブ保持溝30aに保持されて第4押圧部77によって押圧可能な位置に配設されている。
【0122】
ここで、第1押圧部72と第3押圧部76とは共に液体をF1方向に流動するように同じ螺旋方向の凸部を有している。他方の第2押圧部73と第4押圧部77とは共に液体をF2方向に流動するように、第1押圧部72と第3押圧部76とは逆の螺旋方向の凸部を有している。
【0123】
また、第1リザーバ140と第2リザーバ150とは、第1押圧部72と第2押圧部73との間に配設され、第3リザーバ145は第1押圧部72と第3押圧部76との間に、第4リザーバ155は第2押圧部73と第4押圧部77との間に配設されている。このような構成により、図9(b)に示すように、複数のリザーバを備えながら外径の小さい液体輸送装置10を実現している。
【0124】
なお、液体輸送装置10の駆動方法は、前述した実施形態1(図1、参照)または実施形態2(図3、参照)と同じであるため説明を省略する。
【0125】
また、本実施形態では、リザーバの数が4個の場合を例示して説明したが、リザーバ数は、もっと増やすことが可能で、リザーバ数に対応したチューブ数及び押圧部数を備えることができる。
【0126】
従って、本実施形態の構成によれば、一つのチューブ押圧部材70により複数のチューブを押圧して液体を輸送することができ、構成部品数を増加させずに液体の輸送流量を増加させることができるという効果がある。
【0127】
また、チューブ押圧部材70が、螺旋方向が異なる凸部を有する第1押圧部72と第2押圧部73とを備えており、第1チューブ50と第2チューブ60は液体をF2方向に、第3チューブ55と第4チューブ65では液体をF1方向に流動すると共に、前述した実施形態1に比べ、液体の輸送流量を増加することができる。
さらに、複数のリザーバを回転軸P(チューブ押圧部材70の軸方向)に沿って多連配設していることから、複数のリザーバを有しながら特に径方向の小型化を実現できる。
【0128】
なお、複数のリザーバそれぞれに対応するチューブの少なくとも一つが他と異なる方向に連通され、チューブの連通方向(延在方向)に対応して押圧部が互いに逆方向の螺旋方向を有する構造としてもよい。
【0129】
このようにすれば、液体の流動させる方向に対して流動量を変えることができ、使用目的に応じて所望の流動量を設定することができる。
(実施形態7の変形例)
【0130】
次、実施形態7の変形例について図9(c)を参照して説明する。この変形例は、複数のリザーバを回転軸Pの周囲に配設したことを特徴としている。実施形態7と異なる部分を中心に説明する。なお、図9(a)も参照し、同じ機能部位には同じ符号を付している。図9(c)において、第1リザーバ140、第2リザーバ150、第3リザーバ145、第4リザーバ155は、回転軸P(チューブ押圧部材70)の周囲に配設されている。
【0131】
チューブ押圧部材70は、回転軸Pを共通とする第1押圧部72と第2押圧部73とを有し、第1押圧部72と第2押圧部73には互いに螺旋方向が異なる凸部が備えられている。そして、第1押圧部72と第2押圧部73の間に第1リザーバ140、第2リザーバ150、第3リザーバ145、第4リザーバ155が互いに周方向に離間して配設される。
【0132】
第1リザーバ140には第3チューブ55、第2リザーバ150には第1チューブ50、第3リザーバ145には第4チューブ65、第4リザーバ155には第2チューブ60がそれぞれ連通されている。そして、第3チューブ55と第4チューブ65は、第1チューブ50と第2チューブ60に対して回転軸Pに沿って異なる方向に延在されている。
【0133】
第1押圧部72と第2押圧部73には、互いに螺旋方向が異なる凸部が備えられていることから、第1チューブ50と第2チューブ60、第3チューブ55と第4チューブ65では、互いに異なる方向に液体が流動される。
【0134】
上記変形例の構成によれば、第1リザーバ140、第2リザーバ150、第3リザーバ145、第4リザーバ155とを回転軸Pの周囲、且つ第1押圧部72、第2押圧部73の間に配設していることから、特に長さ方向(液体の流動方向)の小型化を実現できる。
【0135】
なお、前述した実施形態7と変形例との技術思想をそれぞれ適合する構成も可能である。例えば、図9(a)に示す第1リザーバ140と軸方向の同じ位置に第3リザーバ145を配設し、第2リザーバ150と軸方向の同じ位置に第4リザーバ155を配設する構造とすることができる。
【0136】
また、前述した実施形態1〜実施形態7では、液体の流動方向が2方向となる構成を例示しているが、複数のリザーバからそれぞれチューブを同一方向に延在して液体を同一方向に流動する構成とすることもできる。例えば、実施形態7(図9(a)、参照)に記載の第2リザーバ150と第1チューブ50、第4リザーバ155と第2チューブ60、第2押圧部73と第4押圧部77とを有するチューブ押圧部材70とを構成要素とする構成である。
【0137】
このような構成にすれば、同一方向に大きな液体流量を有する液体輸送装置を小型サイズで実現することができる。なお、この際、第2リザーバ150と第4リザーバ155とを軸方向の同じ位置に配設してよく、図9(c)に図示するように第1リザーバ140と、第2リザーバ150と、第3リザーバ145と、第4リザーバ155とを回転軸Pの周囲に配設して、同一方向に各チューブを配設して、より多くの液体を一方向に輸送する構成とすることもできる。
(実施形態8)
【0138】
次に、実施形態8に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態8は、一つのリザーバに複数のチューブを連通し同一方向に延在させていることに特徴を有する。なお、前述した実施形態1(図1、参照)と同じ機能部位には同じ符号を付し説明を省略する。
図10は、実施形態8に係る液体輸送装置を示し、(a)は縦断面図、(b)は先端方向(図示右側)から視認した正面図である。図10(a),(b)において、チューブ押圧部材70の一方の端部に一つのリザーバ156が、配設されると共に、リザーバ156に第1チューブ50、第2チューブ60、第3チューブ55、第4チューブ65が第1押圧部72の周囲に配設されている。
【0139】
第1チューブ50、第2チューブ60、第3チューブ55、第4チューブ65は共に、リザーバ156の一端部に連通し、リザーバ156の反対方向に延在される。従って、各チューブにおける液体の流動方向はF2方向となる。
【0140】
このような構成によれば、リザーバ配設領域を液体輸送装置10の外径近傍までに広げることができることから、リザーバ156の容積を大きくすることができると共に、液体を一方向に大量に流動することができる。
【0141】
また、図10(b)に図示したように第1チューブ50、第2チューブ60、第3チューブ55、第4チューブ65を配設すれば、リザーバ156内の液体が徐々に減少していく過程において、液体流動がチューブ4本の場合、2本の場合、1本の場合に変化し、液体の収容容量に応じて流動量を変化させることができる。
【0142】
また、第1チューブ50、第2チューブ60、第3チューブ55、第4チューブ65をリザーバ156の底部側(図9(b)で示す第2チューブ60側)に配設すれば、リザーバ156中の液体が流出するまで4本のチューブにより液体を流動することができる。
(実施形態8の変形例)
【0143】
次に、実施形態8の変形例について説明する。図示は省略するが図10を参照して説明する。変形例の液体輸送装置10は、チューブ押圧部材70の押圧部が複数多連配設される。そして、複数の押圧部のうち少なくとも一つが他と逆方向の螺旋方向を有する凸部を備えている。この際、各押圧部に押圧対応するチューブは、他の押圧部とは接触しないように曲げられる。例えば、第1チューブ50と第2チューブ60とを一方の螺旋方向(図10(a)に図示する凸部72a)の凸部を有する押圧部で押圧し、第3チューブ55と第4チューブ65とを他方の螺旋方向の凸部を有する押圧部で押圧する構成とすることができる。
【0144】
このような構成によれば、第1チューブ50と第2チューブ60はリザーバ156から液体を流出し、第3チューブ55と第4チューブ65はリザーバ156に液体を流入させる。従って、流出用と流入用のチューブの数を同じにすれば、流出量と流入量とが等しくなる。この際、流入用のチューブを外部の液体収容容器に連通すれば、液体輸送装置を駆動しながら、流出した分だけ液体を補充することができるという効果がある。
(吸引具)
【0145】
続いて、前述した実施形態1〜実施形態7にて説明した液体輸送装置10を用いた吸引具について図面を参照して説明する。なお、本発明の吸引具は、液体を霧化器により微粒子化して吸引する装置であり、香味液体、薬液等、様々な液体を霧化し、電子タバコのような環境及び人体に無害な喫煙具、薬液の経口吸引具として供することを目的とする。ここで、実施の形態としては、吸引具として喫煙具を例示して説明する。
【0146】
図11は、本発明による吸引具の1例の概略構造を示す縦断面図である。なお、実施形態1(図1、参照)に記載の液体輸送装置を用いた構成を例示して説明する。図11において、吸引具200には、下枠210と上枠220により構成された筒状の筐体の長手方向略中央部に液体輸送装置10が配置されている。液体輸送装置10は、図1に示したように、香味液体を収容するリザーバ40、第1チューブ50、第2チューブ60、チューブ押圧部材70とを含んで構成されている。
【0147】
吸引具200には、液体輸送装置10の図示右側方向にチューブ押圧部材70に回転力を与えるモータ250と、第2チューブ60の先端部近傍に配設され第2チューブ60から供給される香味液体を霧化する第2霧化器280とが備えられている。
【0148】
一方、液体輸送装置10の図示左側方向には、制御部260、電源としての電池270と、第1チューブ50の先端部近傍に配設され第1チューブ50から供給される香味液体を霧化する第1霧化器290とが備えられている。
これら吸引具200を構成する各要素は、筐体内に長手方向略直線状に配設され、全体として細長い柱状形状をしている。
【0149】
本実施の形態では、第1霧化器290及び第2霧化器280は弾性表面波素子を用いている。また、制御部260は、第1霧化器290及び第2霧化器280の駆動制御を行う制御回路とモータ250の駆動制御を行う駆動制御回路を含む。電池270は、制御部260に電力を供給する。
【0150】
以上説明した各構成要素は、下枠210に形成された凹部内に載置され、上枠220を下枠210に装着することで固定される。なお、第2霧化器280側には霧化された液体微粒子が流動、吸引するための吸引口231を有する銜え口部230が設けられている。銜え口部230は、先端部が銜えやすいように細く形成され、他端は下枠210と上枠220の端部を挟み込むように装着されている。
【0151】
続いて、上述したように構成される吸引具200の使用方法について図8を参照して説明する。制御部260からの駆動信号によりモータ250が駆動し、液体輸送装置10のチューブ押圧部材70を回転する。チューブ押圧部材70の第1押圧部72及び第2押圧部73により第1チューブ50及び第2チューブ60が押圧されて、リザーバ40内の香味液体が、第1チューブ50及び第2チューブ60からそれぞれ第1霧化器290、第2霧化器280の表面に供給される。
【0152】
第1霧化器290及び第2霧化器280は、制御部260からの駆動信号(励振信号)により表面波を励起して香味液体を液体微粒子化する。第2霧化器280によって霧化された液体微粒子は、第2霧化器280上方の空間281に滞留し、使用者が銜え口部230から吸引することにより、吸引口231から吸引される。
【0153】
なお、上枠220には、空間281と外部とを貫通する空気導通孔221が設けられており、吸引口231からの吸引の際、外部から空気を取り入れて吸引を補助している。
【0154】
ここで、香味液体とは、ニコチン、タール等の健康に有害といわれ一般のタバコの煙に含有される含有物を排除して、タバコの風味、味を楽しめる液体である。本実施の形態における1実施例の喫煙具は、この香味液体を霧化器によって液体微粒子化して吸引するものである。
【0155】
一方、第1霧化器290側では、第1霧化器290によって霧化された液体微粒子は、第1霧化器290上方の空間291に滞留し、上枠220に設けられた貫通孔222(本実施形態では排出口に相当する)から自然排出される。
【0156】
なお、下枠210と上枠220と銜え口部230とは、それらを装着した状態で、筒部材240に挿着されている。筒部材240は、下枠210と上枠220とを密接させ、且つ、挿脱可能に形状設定される。
【0157】
従って、筒部材240と銜え口部230抜き外すことにより、下枠210と上枠220とを分離し、消耗品である電池270と、液体輸送装置10の交換ができる。また、制御部260、モータ250のメンテナンスを行うこともできる。
【0158】
さらに、前述した実施形態5(図7、参照)に係る液体輸送装置10を用いれば、チューブガイド30の開閉蓋120を開放してリザーバ40を単体で交換することができ、香味液体の補充を容易に行うことができる。
【0159】
また、前述した実施形態6(図8、参照)による液体輸送装置10を用いれば、開閉蓋120を開放して、チューブが連通された状態のリザーバ40を交換することができる。
【0160】
従って、上述したような吸引具200によれば、リザーバ40に収容された香味液体を液体輸送装置10にて第2霧化器280及び第1霧化器290まで輸送し、香味液体を霧化することで、液体微粒子化し吸引することができる。
この際、第2霧化器280側に銜え口部230、第1霧化器290側に液体微粒子の貫通孔222(つまり、排出口)を設けることにより、擬似喫煙と、香りと、煙の雰囲気を楽しむことができる。また、霧化量の状態等を確認しながら吸引することができる。
【0161】
また、前述した実施形態2(図3、参照)のような第1リザーバ140と第2リザーバ150とからなる構造にすれば、第1リザーバ140と第2リザーバ150それぞれに異なる種類の香味液体を収容し、異なる種類の風味、香りを楽しむことができる。例えば、第2リザーバ150には擬似喫煙用の香味液体を、第1リザーバ140には、タバコの紫煙風の香味液体を収容すれば、なお、擬似喫煙の雰囲気を楽しむことができる。
【0162】
また、第1霧化器290側、第2霧化器280側の両方に吸引口231を有する銜え口部230を設ければ2方向から液体微粒子を吸引することができ、2個のリザーバを用いる構造にすれば、2箇所の銜え口部から異なる種類の液体微粒子を吸引することができる。
【0163】
また、上枠220と下枠210とを、筒部材240内に挿着しており、上枠220と下枠210との着脱性がよく、筒部材240は、色、表面処理等の多様なデザインを可能にし、使用者の嗜好に合わせたデザインを実現できる。
さらに、本発明の吸引具200は、筒状に構成されているため携帯性がよい。
【0164】
なお、上述した吸引具は、前述した実施形態1(図1、参照)によるリザーバを1個備える液体輸送装置を用いた例をあげて説明したが、実施形態2(図3,4、参照)のようにリザーバを2個備える液体輸送装置を用いることができる。このようにすれば、第1リザーバ140と第2リザーバ150それぞれに異なる種類の香味液体を収容することができる。
【0165】
また、実施形態7(図9、参照)に記載の液体輸送装置10を用いれば、大量の液体微粒子の吸引と排出が可能であり、実施形態8(図10、参照)記載の液体輸送装置10を用いれば、より大量の液体微粒子の吸引を行うことができる。
【0166】
また、上述した吸引具の1例として喫煙具を例示して説明したが、香味液体、薬液等、様々な液体を霧化して吸引する吸引具に適合できる。例えば、薬液を用いる経口投薬に用いる場合には、霧化器の振動周波数を調整すれば、液体微粒子径を変更でき、口腔内対応、気管支対応、肺対応の投薬装置として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】実施形態1に係る液体輸送装置を示す縦断面図。
【図2】図1の横断面図であり、(a)はA−A切断面、(b)は(a)のB−B切断面、(c)は(a)のC−C切断面を示す断面図。
【図3】実施形態2に係る液体輸送装置を示す縦断面図。
【図4】実施形態2の変形例に係る液体輸送装置を示し、(a)は液体輸送装置を平面視する断面図、(b)は(a)のD−D切断面を示す断面図。
【図5】実施形態3に係るチューブ押圧部材を示す正面図。
【図6】実施形態4に係るチューブ押圧部材を示す正面図。
【図7】実施形態5に係る液体輸送装置を示し、(a)は縦断面図の一部、(b)は、(a)のE−E切断面を示す断面図。
【図8】実施形態6に係る液体輸送装置を示す断面図。
【図9】実施形態7に係る液体輸送装置の1例を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)を先端方向から視認した配置説明図、(c)は変形例を示す配置説明図。
【図10】実施形態8に係る液体輸送装置を示し、(a)は縦断面図、(b)は先端方向(図示右側)から視認した正面図。
【図11】本発明による吸引具の1例の概略構造を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0168】
10…液体輸送装置、30…チューブガイド、40…リザーバ、50…第1チューブ、60…第2チューブ、70…チューブ押圧部材、72…第1押圧部、72a…第1押圧部の凸部、73…第2押圧部、73a…第2押圧部の凸部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、螺旋状の凸部を有する一つのチューブ押圧部材によって複数のチューブを押圧して一方向または異なる2方向に液体を輸送する液体輸送装置と、この液体輸送装置と霧化器を備える吸引具に関する。
【背景技術】
【0002】
また、チューブと平行に配置された回転軸と、この回転軸に形成された螺旋状の凸部とを備えて螺旋状ローラを構成し、この螺旋状ローラを回転し、螺旋状の凸部によってチューブを押圧して液体を流動するチューブポンプ(液体輸送装置)というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−301778号公報(第5,6頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によれば、回転軸に形成された螺旋状の凸部によってチューブを押圧する構造であり、螺旋状ローラは簡単な構造を実現している。
【0005】
しかしながら、このような構成のチューブポンプは、液体の輸送用チューブは1本のみであり、複数のチューブで液体を輸送する場合には、複数のカムを有する駆動軸、または螺旋状の凸部を有する回転軸及びモータ等の駆動源を複数系統備えなければ実現することができないという課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
本発明の液体輸送装置は、液体を収容するリザーバと、弾性を有し前記リザーバに連通するとともにチューブガイドによって保持される複数のチューブと、回転可能に保持された回転軸と、前記複数のチューブを螺旋状の凸部で押圧する押圧部が前記回転軸に固定されているチューブ押圧部材と、を有し、前記回転軸が回転することによって、前記押圧部が、前記複数のチューブを前記リザーバから液体の流出側に向かって順次押圧し、液体を輸送することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、チューブ押圧部材が複数のチューブに対応する押圧部を備えており、一つのチューブ押圧部材を回転することにより、駆動系の部材を増加させずに複数のチューブから同時に液体を輸送することができるという効果を有する。
【0009】
また、本発明の液体輸送装置は、液体を収容する1個のリザーバと、前記リザーバに対して異なる方向に連通した第1チューブ及び第2チューブと、回転可能に保持された回転軸と、前記回転軸に固定され前記第1チューブを螺旋状の凸部で押圧する第1押圧部と、前記回転軸に固定され前記第2チューブを前記第1チューブとは反対方向の螺旋状の凸部で押圧する第2押圧部と、を有する押圧部材と、を有し、前記回転軸が回転することによって、前記第1押圧部及び前記第2押圧部が前記第1チューブ及び前記第2チューブを前記リザーバから液体の流出側に向かって順次押圧し、異なる2方向に液体を輸送することを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、1個のリザーバに連通方向が異なる2本のチューブを備え、螺旋方向が異なる凸部を有する押圧部にてチューブを押圧することにより、一つのチューブ押圧部材を回転することにより、互いに異なる方向に液体を輸送することができる。
【0011】
また、上記構成による液体輸送装置は、複数の前記リザーバが第1リザーバと第2リザーバとからなり、前記複数のチューブが第1チューブと第2チューブとからなり、前記押圧部が螺旋状の凸部が互いに異なる螺旋方向を有する第1押圧部と第2押圧部とからなり、前記第1チューブが前記第1リザーバに連通され、前記第2チューブが、前記第2リザーバに連通されると共に、前記第1チューブと前記第2チューブが互いに異なる方向に延在され、前記第1押圧部と前記第2押圧部のそれぞれが前記第1チューブと前記第2チューブのそれぞれを押圧し、異なる2方向に液体を輸送することを特徴とする。
【0012】
このように第1リザーバと第2リザーバを備え、それぞれに第1チューブと第2チューブを連通させていることから、第1リザーバと第2リザーバにそれぞれ異なる種類の液体を収容しておけば、チューブ押圧部材を回転することで、同時に2種類の液体を異なる2方向に輸送することができる。
【0013】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記第1リザーバと前記第2リザーバとが、前記回転軸に沿って配設されていることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、第1リザーバと第2リザーバとを直線上の回転軸に沿って配設することによって、細長い管状の液体輸送装置を実現できる。
【0015】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記第1リザーバと前記第2リザーバとが、前記回転軸の周囲に配設されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、上述の第1リザーバと第2リザーバとが、回転軸に沿って配設される構成に比べ、液体の流動(輸送)方向に対して小型化を実現できるという効果がある。
【0017】
また、上記構成による液体輸送装置は、複数の前記押圧部それぞれに設けられる螺旋状の凸部が、前記チューブ押圧部材に巻回される互いに螺旋方向の異なるコイルであることが望ましい。
【0018】
このように螺旋状の凸部をコイルによって形成し、切削加工等で形成するより容易に螺旋状の凸部を形成することができる。また、コイル原料を断面が円形のコイル線とすることにより、第1チューブ及び第2チューブとの接触面が滑らかとなり押圧する際の接触抵抗を減じ、駆動力を小さくできる他、第1チューブ及び第2チューブの耐久性能を向上させることができるという効果がある。
【0019】
さらに、コイルは、線形や巻き外径を変えることにより、容易に凸部の高さや第1押圧部及び第2押圧部の最大径を変えることができ、単位時間あたりの輸送量を調整しやすいという効果もある。
【0020】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記チューブ押圧部材が、複数の前記押圧部それぞれの凸部に相当するコイル部と、前記回転軸と、が一体で形成されていることが望ましい。
【0021】
このような構成によれば、チューブ押圧部材を複数のコイル部と回転軸とを一体で形成しているので、より一層、構造を簡単にすることができる。このようなチューブ押圧部材は、具体的には、ワイヤフォーミング等の成形手段で形成することができコスト低減を可能にする。
【0022】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記複数のチューブのうちの少なくとも1本のチューブと他のチューブの内径または外径、内径及び外径が互いに異なり、前記複数のチューブそれぞれに対応して設けられる前記押圧部それぞれの螺旋状の凸部の外径が、前記複数のチューブそれぞれの内径または外径に対応して互いに異なることが望ましい。
【0023】
第1チューブと第2チューブの内径が同一であれば、液体の輸送量は同じである。ここで、内径(つまり、液体が流動するチューブの断面積)、外径を変えることで、チューブ押圧部材が共通の回転軸にて回転させるときに、一つのチューブ押圧部で第1チューブと第2チューブとの液体輸送量を変えることができる。また、前述したような第1リザーバと第2リザーバを備え、それぞれに異なる種類の液体を収容する場合には、液体の種類に対応して所望の輸送量を実現することができる。
【0024】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記複数のチューブが前記リザーバに連通された状態で前記チューブガイドによって保持され、前記リザーバ及び前記複数のチューブを含む前記チューブガイドと前記回転軸を保持する機枠とが着脱可能に構成されていることが好ましい。
【0025】
このようにすれば、使用者によるリザーバの交換がし易く液体の補充が容易である。また、本発明の液体輸送装置はチューブをチューブ押圧部材で押圧して輸送するチューブポンプであって、組立てられたときにはチューブ押圧部材の凸部が常にチューブを押圧している。従って、押圧状態で長期間保存した場合にはチューブが永久変形してしまうことが考えられるが、チューブガイドを機枠に液体輸送装置の駆動時にのみ装着すれば、チューブの永久変形を抑制することができる。
【0026】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記複数のチューブそれぞれの前記リザーバ側の端部に前記リザーバに連通する刺挿パイプが設けられ、前記刺挿パイプの先端部を前記リザーバに刺挿して連通させるとともに、前記複数のチューブと、前記リザーバとが挿脱自在であることが好ましい。
【0027】
このようにすれば、リザーバのみの交換が可能であり、リザーバの交換により液体の補充を容易に行うことができる。リザーバの交換に伴う第1チューブ、第2チューブ及びチューブガイドは繰り返し使用が可能なため経済的効果も有する。
【0028】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記チューブガイドの前記リザーバを覆う部分に開閉蓋が設けられていることが好ましい。
【0029】
上述したような構造によれば、開閉蓋を開いてリザーバを交換し、開閉蓋を閉じれば駆動時のリザーバの姿勢を保持し、且つ、外力などからリザーバを保護することができる。
【0030】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記開閉蓋が、前記リザーバと前記チューブガイドの長さ方向の両端部を残して前記複数のチューブを支持する一部を含む範囲に設けられていることが望ましい。
【0031】
このような構成によれば、開閉蓋を開いてリザーバとチューブとを連通した状態で交換することができる。
【0032】
また、本発明の液体輸送装置は、複数の前記リザーバが前記回転軸に沿って多連配設されると共に、複数の前記リザーバそれぞれに対応して設けられる前記チューブの少なくとも一つが他と異なる方向に連通され、前記複数のチューブの連通方向に対応して前記押圧部が互いに異なる螺旋方向を有していることが好ましい。
【0033】
このような構成では、チューブ押圧部材が複数のリザーバ(つまり、チューブ)に対応する押圧部を備えており、複数の押圧部のいくつかの凸部が逆の螺旋方向を有していることから、液体の輸送流量を増加できると共に、液体を異なる2方向に輸送することができる。
また、複数のリザーバを回転軸に沿って多連配設していることから、特に径方向の小型化を実現できる。
【0034】
また、上記構成による液体輸送装置は、複数の前記リザーバが前記回転軸の周囲に配設されると共に、複数の前記リザーバそれぞれに対応して設けられる前記チューブの少なくとも一つが他と異なる方向に連通され、前記チューブの連通方向に対応して前記押圧部が互いに異なる螺旋方向を有する凸部を備えていることが好ましい。
【0035】
このような構成によれば、チューブ押圧部材が複数のリザーバ(チューブ)に対応する押圧部を備えており、複数の押圧部のいくつかの凸部が逆の螺旋方向を有していることから、液体の輸送流量を増加できると共に、液体を異なる2方向に輸送することができる。
また、複数のリザーバを回転軸の周囲に配設していることから、特に長さ方向(液体の流動方向)の小型化を実現できる。
【0036】
また、上記構成による液体輸送装置は、1個の前記リザーバが、前記チューブ押圧部材の一方の端部に配設されると共に、前記リザーバに前記複数のチューブが前記押圧部の周囲に配設されていることが好ましい。
【0037】
このような構成によれば、リザーバ配設領域を液体輸送装置の外径近傍までに広げることができることから、リザーバの容積を大きくすることができると共に、液体を一方向に大量に流動することができる。
【0038】
また、上記構成による液体輸送装置は、前記押圧部が複数多連配設され、複数の前記押圧部のうち少なくとも一つが他と異なる螺旋方向を有する凸部を備えていることが好ましい。
【0039】
このような構成によれば、いくつかのチューブはリザーバから液体を流出し、他のチューブはリザーバに流入させる。従って、流出用と流入用のチューブの数を同じにすれば、流出量と流入量とが等しくなる。この際、流入用のチューブを外部の液体収容容器に連通すれば、液体輸送装置を駆動しながら、流出した分だけ液体を補充することができるという効果がある。
【0040】
本発明の吸引具は、上記記載の液体輸送装置と、前記複数のチューブのうちの少なくとも1本から供給される液体を霧化する第1霧化器と、前記複数のチューブのうちの少なくとも他の1本から供給される液体を霧化する第2霧化器と、前記チューブ押圧部材に回転力を与えるモータと、前記第1霧化器と前記第2霧化器との制御を行う制御回路と、前記モータの駆動制御を行う駆動制御回路と、を含む制御部と、前記制御部に電力を供給する電源部と、が備えられ、前記電源部と前記制御部と前記第1霧化器と前記液体輸送装置と前記第2霧化器とが、筒状の筐体の内部に前記筐体の長手方向に沿って配設されており、前記第1霧化器と前記第2霧化器それぞれにて霧化された液体微粒子を排出または吸引するための開口部が設けられていることを特徴とする。
【0041】
本発明によれば、リザーバに収容された液体を上述した液体輸送装置にて第1霧化器及び第2霧化器まで輸送し、第1霧化器及び第2霧化器において液体を霧化することで、霧化された液体微粒子を排出または吸引することができる。
【0042】
また、上記電源部と制御部と第1霧化器と液体輸送装置と第2霧化器とを、筒状の筐体の内部に配設しているため携帯性がよい。
【0043】
また、上記記載の吸引具は、前記開口部の一方が霧化された液体微粒子を吸引する吸引口であり、他方が霧化された液体微粒子を排出する排出口であることが好ましい。
【0044】
このような構成によれば、第1リザーバと第2リザーバそれぞれに異なる種類の液体を収容し、吸引口から異なる液体微粒子の吸引を、排出口で霧化された液体微粒子排出を行うことができ、排出口側で液体微粒子の発生状況を目視しながら吸引することができる。
【0045】
仮に、吸引具が擬似タバコであれば、一方からは香味微粒子の吸引による擬似喫煙を行い、他方からは擬似紫煙微粒子の排出を行うことができ、喫煙の雰囲気を味わいながら健康、環境に無害な擬似喫煙具を提供することができる。
【0046】
また、上記記載の吸引具は、前記筐体の長さ方向の両端に霧化された液体微粒子を吸引する前記吸引口が設けられていることが好ましい。
【0047】
このような構成によれば、第1リザーバと第2リザーバそれぞれに異なる種類の液体を収容しておけば、2箇所の吸引口それぞれから異なる種類の液体微粒子を吸引することができる。
【0048】
また、上記記載の吸引具は、前記筐体が上枠と下枠とからなり、前記上枠と前記下枠とが着脱可能に構成され、少なくとも前記液体輸送装置と前記電源部とが着脱可能であることが望ましい。
【0049】
このような構造にすれば、上枠と下枠を分離して消耗品である電源部(具体的には小型電池)やリザーバの交換を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1,2は本発明の実施形態1に係る液体輸送装置を示し、図3は実施形態2、図4は実施形態2の変形例、図5は実施形態3、図6は実施形態4に係るチューブ押圧部材、図7は実施形態5、図8は実施形態6、図9は実施形態7及び変形例、図10は実施形態8の液体輸送装置、図11は本発明の吸引具を示している。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
【0051】
図1は、実施形態1に係る液体輸送装置を示す縦断面図、図2は図1の横断面図であり、(a)はA−A切断面、(b)は(a)のB−B切断面、(c)は(a)のC−C切断面を示す断面図である。図1,2において、液体輸送装置10は、液体を収容するリザーバ40と、リザーバ40に連通し一方向に延在され弾性を有する第1チューブ50と、リザーバ40に連通され第1チューブ50に対して反対方向に延在される弾性を有する第2チューブ60と、第1チューブ50と第2チューブ60とを押圧するチューブ押圧部材70とから構成されている。
【0052】
図1に示すようにリザーバ40の下方(底部近傍)に、液体をリザーバ40の外部に排出させるための第1出口部41と第2出口部42とが設けられている。第1出口部41と第2出口部42はリザーバ40の長手方向の両側に設けられており、互いに外側に向かって筒状に突設部が形成され、これらの突設部に第1チューブ50と第2チューブ60とが装着されている。
【0053】
第1チューブ50と第2チューブ60とは、断面方向に押圧されて変形し、押圧解除されたときに元の断面形状に素早く復帰する弾性と、使用する液体に対する耐性を有する材料が採用される。また、第1チューブ50と第2チューブ60とは、リザーバ40に連通された状態で、チューブガイド30に位置が規制された状態で保持されている。本実施形態では、第1チューブ50と第2チューブ60とは断面形状が等しく、また、略同一直線上に延在されている。
【0054】
チューブガイド30は横断面形状が半円形であって、リザーバ40の大部分を収納する凹部からなるリザーバ収納部31と、第1チューブ50を挿通して保持する貫通孔32と、断面方向の位置規制をする第1チューブ保持溝33とが設けられている(図2(a),(b)、参照)。
一方、第2チューブ60側には、第2チューブ60を挿通して保持する貫通孔34と、断面方向の位置規制をする第2チューブ保持溝35とが設けられている。
【0055】
従って、チューブガイド30には、リザーバ40に連通した第1チューブ50と第2チューブ60とが接続された状態で取り付けられており、チューブガイド30とリザーバ40と第1チューブ50と第2チューブ60とが一体化された状態で取り扱うこと、つまり、機枠20に対して着脱が可能である。
また、チューブガイド30のリザーバ収納部31は、断面方向にはチューブガイド30との間隙を有し、長手方向はリザーバ40の移動を規制している。
【0056】
チューブガイド30に対向して機枠20が設けられている。機枠20は、横断面形状が半円形であって、チューブガイド30側に凹部22,23、凸部からなるリザーバ保持部24とが形成されている。
【0057】
チューブ押圧部材70は剛性を有する材料で形成され、両端方向それぞれに円柱状の第1押圧部72と第2押圧部73とが設けられている。第1押圧部72の外周には、螺旋状に形成される凸部72a、第2押圧部73の外周には螺旋状に形成される凸部73aが設けられている。
【0058】
凸部72aと凸部73aとは、断面形状は同じであるが互いに螺旋方向が逆であり、図1に示す形態において、凸部72aを左旋回とすれば、凸部73aは右旋回である。そして、第1押圧部72と第2押圧部73とは、共通の回転軸Pの延長上に設けられ連結軸71によって連結されている。
【0059】
チューブ押圧部材70の両端には支持軸74と支持軸75とが設けられ、支持軸74を機枠20の支持枠部21に設けられている貫通孔に挿入し(図2(a)も参照)、他方の支持軸75をチューブ押圧部材支持枠80に設けられている貫通孔に挿入されている。チューブ押圧部材70は回転自在である。なお、チューブ押圧部材支持枠80は、機枠20に螺子90(図示は省略)によって固定されている。
【0060】
また、図示しないが、チューブ押圧部材70の支持軸75の先端部は、チューブ押圧部材支持枠80から突出し、図示しないモータに連結されている。
【0061】
チューブ押圧部材70は、第1チューブ50及び第2チューブ60の延在方向に平行に、所定の距離を有して配設される。この際、所定の位置とは、凸部72a,73aが第1チューブ50及び第2チューブ60の液体流動孔を密閉でき、第1押圧部72及び第2押圧部73の円柱部外周が第1チューブ50及び第2チューブ60の外周部に接触しない範囲とする。
【0062】
なお、機枠20には、リザーバ40の下方にリザーバ保持部24が突設されており、リザーバ40を定位置に支持している(図2(c)も参照)。
【0063】
リザーバ40が取り付けられたチューブガイド30と、チューブ押圧部材70が取り付けられた機枠20とは、互いの半円径の弦に相当する面を密接させて、螺子91(図示は省略する)により一体化される。従って、液体輸送装置10は、断面形状が略円形の円柱形状となる。なお、チューブガイド30と機枠20との固定は、図2(a)に示す位置の他に、図示しないが、バランスよく固定可能な複数の位置で螺子固定される。
【0064】
続いて、図1、図2を参照して、本実施形態による液体輸送装置10の駆動について説明する。モータによりチューブ押圧部材70を矢印R方向に回転すると、第1押圧部72に設けられる左旋回の凸部72aが第1チューブ50を押圧、閉塞する。第1チューブ50を押圧する凸部72aでは、押圧部が回転に伴い順次F1方向に移動していく。この際、第1チューブ50内に滞留している液体をF1方向に移動し外部に流出する。凸部72aは、少なくとも1ヶ所において常時第1チューブ50を閉塞するように巻き数とピッチが設定される。
【0065】
第2押圧部73においても同様に、凸部73aで第2チューブ60を押圧する。しかし、凸部73aは右旋回の螺旋であるため、凸部73aの押圧部は順次F2方向に移動していき、第2チューブ60内に滞留している液体をF2方向に移動し外部に流出する。
【0066】
従って、前述した実施形態1によれば、チューブ押圧部材70が複数のチューブ(チューブ50,60)に対応する押圧部72,73を備えており、チューブ押圧部材70を回転することにより、駆動系の部材を増加させずに複数のチューブから同時に液体を輸送することができるという効果を有する。
【0067】
また、第1チューブ50を第1押圧部72に設けられる螺旋状の凸部72aで押圧し、第2チューブ60を第2押圧部73に設けられる凸部73aで押圧して液体をリザーバ40から外部に輸送する。第1押圧部72と第2押圧部73それぞれの螺旋状の凸部72a,73aは互いに螺旋方向が異なるため、共通の回転軸Pにて回転させたとき、リザーバ40から第1チューブ50ではF1方向に、第2チューブ60ではF2方向に同時に液体を輸送することができる。
【0068】
また、チューブ押圧部材70は、第1押圧部72と第2押圧部73と連結軸71とを一体で形成していることから、異なる2方向への液体輸送を可能にしながら簡単な構造で、円柱状の小型液体輸送装置、特に径方向が細い小型化を実現することができる。
【0069】
また、リザーバ40は、第1チューブ50と第2チューブ60とが連通された状態でチューブガイド30に保持されている。第1チューブ50と第2チューブ60とを含むチューブガイド30と機枠20とが着脱可能な構造であるため、チューブガイド30を機枠20から取り外せば、使用者によるリザーバ40が第1チューブ50、第2チューブ60付きの状態で交換が容易に行え、液体の補充が容易である。
【0070】
また、本実施形態の液体輸送装置10はチューブをチューブ押圧部材で押圧して輸送するチューブポンプであって、組立てられたときには凸部72a及び凸部73aそれぞれの一部が常に第1チューブ50と第2チューブ60を押圧している。従って、押圧状態で長期間保持した場合には、第1チューブ50、第2チューブ60が永久変形してしまうことが考えられるが、チューブガイド30を機枠20に液体輸送装置10の駆動時にのみ装着すれば、第1チューブ50及び第2チューブ60の永久変形を防ぐことができる。
【0071】
さらに、第1チューブ50と第2チューブ60の断面形状を同じにし、同じ回転速度でチューブ押圧部材70を回転するので、第1チューブ50と第2チューブ60を流動する液体量を同じにすることができる。
【0072】
なお、上述した本実施形態では、第1チューブ50と第2チューブ60の断面形状が同じ場合を例示して説明したが、第1チューブ50と第2チューブ60のお互いの内径または外径、内径と外径とを異なるように設定してもよい。このような構成の場合には、第1押圧部72及び第2押圧部73の外径、凸部72a,73aの最大径とを各チューブを閉塞,開放できる条件に設定することで、第1チューブ50と第2チューブ60を流動する液体量を適宜に変えることができる。
(実施形態2)
【0073】
続いて、実施形態2に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態2は、リザーバが2体構成であることに特徴を有している。相違点を中心に説明し、前述した実施形態1と共通部分は説明を省略し、同じ符号を附している。
図3は、実施形態2に係る液体輸送装置を示す縦断面図である。図3において、リザーバは、第1リザーバ140と第2リザーバ150とから構成されている。本実施形態では、第1リザーバ140と第2リザーバ150とは、回転軸Pに沿って配設されており、第1チューブ50と第2チューブ60は、互いに反対方向に回転軸Pに沿って配設されている。
【0074】
第1リザーバ140には、液体を第1リザーバ140の外部に流動させるための出口部141が設けられ、第1チューブ50が連通されている。一方、第2リザーバ150には、液体を第2リザーバ150の外部に流動させるための出口部151が設けられ、第2チューブ60が連通されている。
【0075】
第1リザーバ140と第2リザーバ150には、同じ種類の液体を収容してもよく、異なる種類の液体を収容してもよい。
また、第1リザーバ140と第2リザーバ150の容積は同じにしても、異なる容積としてもよい。
【0076】
なお、チューブガイド30には、第1リザーバ140と第2リザーバ150との間に仕切り壁37が設けられている。つまり、第1リザーバ140はリザーバ収納部31に、第2リザーバ150は第2リザーバ収納部38に収納され、第1リザーバ140と第2リザーバ150の位置規制と、液体輸送装置10の駆動時に移動することを防いでいる。
【0077】
このような実施形態2では、第1リザーバ140と第2リザーバ150とを備えおり、それぞれに異なる種類の液体を収容しておけば、チューブ押圧部材70を回転することで、同時に2種類の液体を輸送することができる。
この際、第1リザーバ140と第2リザーバ150の容積を同じにしておけば、略同時に液体の流出を完了させることができ、異なる容積とすれば、液体流出完了の時期をずらすことができる。
【0078】
また、第1チューブ50と第2チューブ60のお互いの内径または外径、内径と外径とを各チューブの閉塞と開放が行える範囲で組み合わせて変えて設定すれば、チューブ押圧部材70の同一回転条件下において、収容する液体の種類に応じて輸送量を適宜設定すること、及び流出完了時期をずらすことができる。
【0079】
また、第1チューブ50と第2チューブ60のお互いの内径または外径、内径と外径とを異なるように設定するような構成の場合には、第1押圧部72及び第2押圧部73の外径、凸部72a,73aの最大径とを変えて、各チューブを閉塞,開放できる条件に設定する。こうすることで、第1チューブ50と第2チューブ60を流動する液体量を適宜に変えることができる。
【0080】
さらに、第1リザーバ140と第2リザーバ150とを回転軸Pに沿って配設することによって、細長い管状の液体輸送装置10を実現できる。
(実施形態2の変形例)
【0081】
続いて、実施形態2の変形例について図面を参照して説明する。この変形例は、上述した実施形態2に対して第1リザーバ140と第2リザーバ150とが回転軸P(チューブ押圧部材70)の周囲に配設されていることに特徴を有している。従って、共通部分には同じ符号を附し、実施形態2と異なる部分を中心に説明する。
図4は、実施形態2の変形例に係る液体輸送装置を示し、(a)は、液体輸送装置を平面視する断面図、(b)は、(a)のD−D切断面を示す断面図である。図4(a),(b)において、第2リザーバ150はチューブ押圧部材70を挟んで第1リザーバ140とは反対側に配設されている。従って、第2リザーバ150は、機枠20に設けられる第2リザーバ収納部26内に収納されている。
【0082】
チューブ押圧部材70は、機枠20とチューブガイド30との間に設けられるチューブ押圧部材支持枠180に回転自在に支持されている。
【0083】
チューブ押圧部材支持枠180は板状の枠部材であって、外周部が機枠20とチューブガイド30との間に圧接され、第1リザーバ140と第2リザーバ150の間にリザーバ支持部181,182が突設されており、第1リザーバ140と第2リザーバ150とを支持している(図4(b)、参照)。
【0084】
第2リザーバ150に連通する第2チューブ60は、機枠20に設けられる第2チューブ保持部27を貫通して機枠20の外側に突出されている。
【0085】
このように構成される変形例においても、チューブ押圧部材70を矢印R方向に回転すると、第1チューブ50からは第1リザーバ140に収容される液体がF1方向に輸送され、第2チューブ60からは第2リザーバ150に収容される液体がF2方向に輸送される。
【0086】
図4(b)では、第1リザーバ140及び第2リザーバ150は断面が円形の場合を例示しているが、断面形状は円形に限らず、チューブガイド30のリザーバ収納部31、機枠20の第2リザーバ収納部26それぞれの内壁に沿った形状にしてもよい。また、第1リザーバ140と第2リザーバ150の大きさ(液体容積)を変えてもよい。
【0087】
この際、第1リザーバ140の出口部141と第2リザーバ150の出口部151とは、各リザーバの底部近傍に設けることが好ましい。このようにすることで、液体輸送装置10を駆動したときの各リザーバ内に残留する液体量を少なくすることができる。
【0088】
また、このような変形例では、同じ容積の液体輸送装置であれば、前述した実施形態2(図3、参照)よりも液体収容量が大きいリザーバを用いることができる。
また、第1リザーバ140と第2リザーバ150とが、回転軸P(チューブ押圧部材70)の周囲に配設されることによって、液体の流動方向に対して小型化を実現できる。
【0089】
なお、図4(b)では、液体輸送装置10の外形断面形状が四角形の場合を例示しているが、断面形状は四角形に限らず、リザーバ収納部31または第2リザーバ収納部26の内壁面に沿った形状にすれば、容積効率を高めることができる。
【0090】
また、上述した変形例では、機枠20(チューブ押圧部材支持枠180付き)からチューブガイド30を取り外せば第1リザーバ140の交換ができ、チューブガイド30(チューブ押圧部材支持枠180付き)から機枠20を取り外せば第2リザーバ150の交換ができる。
【0091】
なお、第1リザーバ140と第2リザーバ150の配設方向は、図4(b)に図示する平面方向に限らず、第1チューブ50と第1押圧部72、第2チューブ60と第2押圧部73との距離を一定にすれば、任意の位置(回転軸Pを中心とする回転方向位置)に配設することができる。
(実施形態3)
【0092】
次に、実施形態3に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態3は、チューブ押圧部材の構成に特徴を有しており、他の構成については、前述した実施形態1,2に適合できるので、チューブ押圧部材を図示して説明する。
図5は、実施形態3に係るチューブ押圧部材を示す正面図である。図5において、チューブ押圧部材170は、第1押圧部172と第2押圧部173と、第1押圧部172と第2押圧部173との間を連結する連結軸171と、チューブ押圧部材170の両端部に設けられる支持軸176,177とから構成されている。
【0093】
なお、第1押圧部172、第2押圧部173、連結軸171、支持軸176,177は、共通の回転軸Pの延長上に連結されている。
【0094】
第1押圧部172は、螺旋状の凸部として、円柱状の第1押圧軸174の周囲に巻回される第1コイル160を備える。第1コイル160の両端には、第1押圧軸174に穿設された孔部に挿着される固定部160a,160bが設けられ、第1コイル160の弾性力を利用して第1押圧軸174に固定されている。
【0095】
一方、第2押圧部173は、螺旋状の凸部として、円柱状の第2押圧軸175の周囲に巻回される第2コイル161を備える。第2コイル161の両端には、第2押圧軸175に穿設された孔部に挿着される固定部161a,161bが設けられ、第2コイル161の弾性力を利用して第2押圧軸175に固定されている。
なお、第1コイル160の螺旋方向を左旋回とすると、第2コイル161の螺旋方向は右旋回とする。
【0096】
また、支持軸176,177は、実施形態1(図1、参照)の支持軸74,75に相当し、チューブ押圧部材170は、支持軸176,177を回転軸として回転される。
【0097】
従って、実施形態1と同様に、チューブ押圧部材170を矢印R方向に回転すると、第1押圧部172側では液体はF1方向に流動し、第2押圧部173側では液体はF2側に流動する(図1、参照)。
【0098】
上述したように、螺旋状の凸部を第1コイル160、第2コイル161で形成すれば、ワイヤフォーミング等により成形でき、切削加工等で形成するより容易に螺旋状の凸部を形成することができる。また、コイル原料を断面形状が円形のコイル線とすることにより、第1チューブ50及び第2チューブ60との接触面が滑らかとなり、押圧する際の接触抵抗を減じ、駆動力を小さくできる他、第1チューブ50及び第2チューブ60の耐久性能を向上させることができるという効果がある。
【0099】
なお、第1コイル160、第2コイル161の断面形状は、第1チューブ50及び第2チューブ60との接触面を滑らかな円弧に仕上げれば円形に限らない。
【0100】
さらに、第1コイル160、第2コイル161は、線形や巻き外形を変えることにより、容易に凸部の高さや第1押圧部172及び第2押圧部173の最大径を変えることができ、単位時間あたりの輸送量を調整しやすいという効果もある。
(実施形態4)
【0101】
次に、実施形態4に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態4は、チューブ押圧部材の構成に特徴を有しており、他の構成については、前述した実施形態1,2に適合できるので、チューブ押圧部材を図示して説明する。なお、図1も参照する。
図6は、実施形態4に係るチューブ押圧部材を示す正面図である。図6において、チューブ押圧部材190は、第1押圧部としての第1コイル部191と、第2押圧部としての第2コイル部192と、第1コイル部191と第2コイル部192との間を連結する連結軸193と、第1コイル部191と第2コイル部192それぞれの先端部に設けられる支持軸194,195とから構成されるコイル部材である。
なお、支持軸194、連結軸193、支持軸195は、共通の回転軸Pの延長上に設けられている。
【0102】
第1コイル部191及び第2コイル部192の最外径は、実施形態3(図5、参照)の第1コイル160及び第2コイル161の最外径に相当する。つまり、実施形態1(図1、参照)の螺旋状の凸部72a,73aに相当する。そして、支持軸194,195は、実施形態1(図1、参照)の支持軸74,75に相当し、チューブ押圧部材190は、支持軸194,195を回転軸として回転する。
【0103】
なお、本実施形態では、チューブ押圧部材190はコイル線にて一体成形されているため、連結軸193に十分な剛性が得られないことが考えられる。そこで、機枠20(図1、参照)から突設されるリザーバ保持部24の一部を補強部として設けている。このようにして、第1コイル部191及び第2コイル部192の第1チューブ50と第2チューブ60に対する押圧量と押圧力を確保している。
【0104】
従って、実施形態4は、前述した実施形態3と同様に、チューブ押圧部材190を矢印R方向に回転すると、第1コイル部191側では液体はF1方向に流動し、第2コイル部192側では液体はF2側に流動する(図1、参照)。
【0105】
また、本実施形態のチューブ押圧部材190は、第1コイル部191と第2コイル部192とを一体で形成しているので、より一層、構造を簡単にすることができる。このようなチューブ押圧部材190は、ワイヤフォーミング等の成形手段で形成することができコスト低減を可能にする。また、第1コイル部191及び第2コイル部192は、実施形態3と同様に線形や巻き外形を変えることにより、単位時間あたりの輸送量を調整しやすいという効果もある。
(実施形態5)
【0106】
続いて、実施形態5に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態5は、リザーバをチューブに対して着脱可能な構造にしたことを特徴としている。なお、本実施形態は、前述した実施形態1〜実施形態4に適合可能であるため実施形態1を基本構造として例示し、また、第1チューブ50側及び第2チューブ60側においても同構造であるため、第1チューブ50側を例示して説明する。図1も参照する。
図7は、本実施形態に係る液体輸送装置を示し、(a)は縦断面図の一部、(b)は(a)のE−E切断面を示す断面図である。図7(a),(b)において、第1チューブ50のリザーバ40側の端部には刺挿パイプ130が挿着されている。
【0107】
刺挿パイプ130はL字状に曲げられて形成されており、その一方の端部132が第1チューブ50に挿着されている。他方の先端部の鋭くカットされた刺挿部131がリザーバ40の底部に刺挿され、第1チューブ50とリザーバ40とは刺挿パイプ130を介して連通されている。
【0108】
リザーバ40の底部にはセプタム45が設けられており、刺挿パイプ130の刺挿部131をセプタム45に刺挿することにより連通される。また、リザーバ40を刺挿パイプ130から引き抜くことにより、リザーバ40を液体輸送装置10から取り外すことができる。この際、セプタム45は自身の弾性力により密閉されるため液体がリザーバ40から漏洩することはない。
【0109】
刺挿パイプ130の下部(リザーバ40とは反対側方向)には、機枠20との間に刺挿パイプ保持枠110が設けられている。刺挿パイプ保持枠110には、刺挿パイプ130の位置規制をする溝状の刺挿パイプ案内部112(図7(b)、参照)が設けられ、リザーバ40を挿着する際に第1チューブ50が変形することを防いでいる。また、刺挿パイプ保持枠110の機枠20側には、刺挿パイプ保持枠110がチューブ押圧部材70の連結軸71に接触しない様に凹部111が設けられている。
【0110】
また、図7(b)に示すように、チューブガイド30のリザーバ40の取り出し側(図示上方)には、開閉蓋120が設けられている。開閉蓋120の一方の端部は、チューブガイド30に設けられる蝶番125により開閉自在に装着されている。他方の端部にはフック機構(図示せず)が設けられ、開閉蓋120をチューブガイド30に開閉可能に装着する。
【0111】
従って、開閉蓋120をチューブガイド30から開放することで、リザーバ40が第1チューブ50及び第2チューブ60に対して挿脱可能となり、リザーバ40のみの交換ができ、液体の補充を容易に行うことができる。リザーバ40の交換に伴う第1チューブ50、第2チューブ60及びチューブガイド30は繰り返し使用が可能なため経済的効果も有する。
【0112】
上述したリザーバ交換可能な構造において、開閉蓋120を開けてリザーバ40を交換し、開閉蓋120を閉じれば駆動時のリザーバ40の姿勢を保持しながら外力などからリザーバ40を保護することができる。
(実施形態6)
【0113】
続いて、実施形態6に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態6は、リザーバにチューブを装着した状態で着脱可能な構造にしたことを特徴としている。なお、本実施形態は、前述した実施形態1〜実施形態5それぞれの構成に適合可能であるが、実施形態1(図1、参照)を基本構造として例示し、実施形態1と異なる部分を中心に説明する。
図8は、本実施形態に係る液体輸送装置を示す断面図である。図8において、チューブガイド30には、開閉蓋120が、リザーバ40とチューブガイド30の長さ方向の両端部を残して第1チューブ50と第2チューブ60を支持する一部を含む範囲に設けられている。
【0114】
具体的には、チューブガイド30は、チューブガイド30に設けられる第1チューブ50が貫通孔32に挿通される部分と、第2チューブ60が貫通孔34に挿通される部分を残して開口されており、この開口部を覆うように開閉蓋120が設けられている。
【0115】
図7(b)に示すように、開閉蓋120の一方の端部は、チューブガイド30に設けられる蝶番125により開閉自在に装着されている。他方の端部にはフック機構(図示せず)が設けられ、開閉蓋120をチューブガイド30に対して開閉可能に装着することができる。
【0116】
開閉蓋120には、チューブ保持溝33,35が設けられ、開閉蓋120を閉じたときに、第1チューブ50と第2チューブ60それぞれの位置を規制し、開閉蓋120を開放したときには、第1チューブ50と第2チューブ60それぞれが容易に外れるような形状に形成している。
【0117】
従って、開閉蓋120を開放することで、リザーバ40が第1チューブ50及び第2チューブ60を連通した状態で挿脱可能となり、リザーバ40と第1チューブ50及び第2チューブ60を含んで交換することができ、液体の補充を容易に行うことができる。つまり、液体輸送装置10を駆動する前には、リザーバ40と第1チューブ50及び第2チューブ60とを装着されない状態で保管することができるので、第1チューブ50及び第2チューブ60の押圧による変形を防止することができる。
(実施形態7)
【0118】
続いて、実施形態7について図面を参照して説明する。実施形態7は、前述した実施形態1〜実施形態6に記載の液体輸送装置に対して、より多くのチューブと、これらチューブに対応した押圧部を有するチューブ押圧部材と、を備えていることを特徴としている。
図9は、実施形態7に係る液体輸送装置の1例を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)を先端方向から視認した配置説明図、(c)は変形例を示す配置説明図である。図9(a),(b)において、液体輸送装置10は、複数のリザーバ140,145,150,155が回転軸P(チューブ押圧部材70)に沿って多連配設されると共に、リザーバ140,145,150,155それぞれに対応してチューブ50,55,60,65が連通されている。
【0119】
ここで、チューブ50,60とチューブ55,65とは、互いに逆方向に延在されている。チューブ押圧部材70には、これらチューブ50,55,60,65に対応して回転軸Pの直線上に第1押圧部72、第2押圧部73、第3押圧部76、第4押圧部77とが設けられている。また、リザーバ140,150は、チューブ押圧部材70に対して同一方向に配設される。リザーバ145,155は、図9(b)に示すようにチューブ押圧部材70に対してリザーバ140,150とは反対側に配設されている。
【0120】
第3チューブ55は第1リザーバ140に連通されると共に、第1押圧部72とチューブ保持溝20bとの間に配設され、第1押圧部72によって押圧可能となっているが、第3押圧部76とは接触しないように途中で曲げられている。また、第4チューブ65は第3リザーバ145に連通されると共に、チューブ保持溝30bに保持されて第3押圧部76によって押圧可能な位置に配設されている。
【0121】
一方、第1チューブ50は第2リザーバ150に連通されると共に、第2押圧部73とチューブ保持溝20aとの間に配設され、第2押圧部73によって押圧可能となっているが、第4押圧部77とは接触しないように途中で曲げられている。また、第2チューブ60は第4リザーバ155に連通されると共に、チューブ保持溝30aに保持されて第4押圧部77によって押圧可能な位置に配設されている。
【0122】
ここで、第1押圧部72と第3押圧部76とは共に液体をF1方向に流動するように同じ螺旋方向の凸部を有している。他方の第2押圧部73と第4押圧部77とは共に液体をF2方向に流動するように、第1押圧部72と第3押圧部76とは逆の螺旋方向の凸部を有している。
【0123】
また、第1リザーバ140と第2リザーバ150とは、第1押圧部72と第2押圧部73との間に配設され、第3リザーバ145は第1押圧部72と第3押圧部76との間に、第4リザーバ155は第2押圧部73と第4押圧部77との間に配設されている。このような構成により、図9(b)に示すように、複数のリザーバを備えながら外径の小さい液体輸送装置10を実現している。
【0124】
なお、液体輸送装置10の駆動方法は、前述した実施形態1(図1、参照)または実施形態2(図3、参照)と同じであるため説明を省略する。
【0125】
また、本実施形態では、リザーバの数が4個の場合を例示して説明したが、リザーバ数は、もっと増やすことが可能で、リザーバ数に対応したチューブ数及び押圧部数を備えることができる。
【0126】
従って、本実施形態の構成によれば、一つのチューブ押圧部材70により複数のチューブを押圧して液体を輸送することができ、構成部品数を増加させずに液体の輸送流量を増加させることができるという効果がある。
【0127】
また、チューブ押圧部材70が、螺旋方向が異なる凸部を有する第1押圧部72と第2押圧部73とを備えており、第1チューブ50と第2チューブ60は液体をF2方向に、第3チューブ55と第4チューブ65では液体をF1方向に流動すると共に、前述した実施形態1に比べ、液体の輸送流量を増加することができる。
さらに、複数のリザーバを回転軸P(チューブ押圧部材70の軸方向)に沿って多連配設していることから、複数のリザーバを有しながら特に径方向の小型化を実現できる。
【0128】
なお、複数のリザーバそれぞれに対応するチューブの少なくとも一つが他と異なる方向に連通され、チューブの連通方向(延在方向)に対応して押圧部が互いに逆方向の螺旋方向を有する構造としてもよい。
【0129】
このようにすれば、液体の流動させる方向に対して流動量を変えることができ、使用目的に応じて所望の流動量を設定することができる。
(実施形態7の変形例)
【0130】
次、実施形態7の変形例について図9(c)を参照して説明する。この変形例は、複数のリザーバを回転軸Pの周囲に配設したことを特徴としている。実施形態7と異なる部分を中心に説明する。なお、図9(a)も参照し、同じ機能部位には同じ符号を付している。図9(c)において、第1リザーバ140、第2リザーバ150、第3リザーバ145、第4リザーバ155は、回転軸P(チューブ押圧部材70)の周囲に配設されている。
【0131】
チューブ押圧部材70は、回転軸Pを共通とする第1押圧部72と第2押圧部73とを有し、第1押圧部72と第2押圧部73には互いに螺旋方向が異なる凸部が備えられている。そして、第1押圧部72と第2押圧部73の間に第1リザーバ140、第2リザーバ150、第3リザーバ145、第4リザーバ155が互いに周方向に離間して配設される。
【0132】
第1リザーバ140には第3チューブ55、第2リザーバ150には第1チューブ50、第3リザーバ145には第4チューブ65、第4リザーバ155には第2チューブ60がそれぞれ連通されている。そして、第3チューブ55と第4チューブ65は、第1チューブ50と第2チューブ60に対して回転軸Pに沿って異なる方向に延在されている。
【0133】
第1押圧部72と第2押圧部73には、互いに螺旋方向が異なる凸部が備えられていることから、第1チューブ50と第2チューブ60、第3チューブ55と第4チューブ65では、互いに異なる方向に液体が流動される。
【0134】
上記変形例の構成によれば、第1リザーバ140、第2リザーバ150、第3リザーバ145、第4リザーバ155とを回転軸Pの周囲、且つ第1押圧部72、第2押圧部73の間に配設していることから、特に長さ方向(液体の流動方向)の小型化を実現できる。
【0135】
なお、前述した実施形態7と変形例との技術思想をそれぞれ適合する構成も可能である。例えば、図9(a)に示す第1リザーバ140と軸方向の同じ位置に第3リザーバ145を配設し、第2リザーバ150と軸方向の同じ位置に第4リザーバ155を配設する構造とすることができる。
【0136】
また、前述した実施形態1〜実施形態7では、液体の流動方向が2方向となる構成を例示しているが、複数のリザーバからそれぞれチューブを同一方向に延在して液体を同一方向に流動する構成とすることもできる。例えば、実施形態7(図9(a)、参照)に記載の第2リザーバ150と第1チューブ50、第4リザーバ155と第2チューブ60、第2押圧部73と第4押圧部77とを有するチューブ押圧部材70とを構成要素とする構成である。
【0137】
このような構成にすれば、同一方向に大きな液体流量を有する液体輸送装置を小型サイズで実現することができる。なお、この際、第2リザーバ150と第4リザーバ155とを軸方向の同じ位置に配設してよく、図9(c)に図示するように第1リザーバ140と、第2リザーバ150と、第3リザーバ145と、第4リザーバ155とを回転軸Pの周囲に配設して、同一方向に各チューブを配設して、より多くの液体を一方向に輸送する構成とすることもできる。
(実施形態8)
【0138】
次に、実施形態8に係る液体輸送装置について図面を参照して説明する。実施形態8は、一つのリザーバに複数のチューブを連通し同一方向に延在させていることに特徴を有する。なお、前述した実施形態1(図1、参照)と同じ機能部位には同じ符号を付し説明を省略する。
図10は、実施形態8に係る液体輸送装置を示し、(a)は縦断面図、(b)は先端方向(図示右側)から視認した正面図である。図10(a),(b)において、チューブ押圧部材70の一方の端部に一つのリザーバ156が、配設されると共に、リザーバ156に第1チューブ50、第2チューブ60、第3チューブ55、第4チューブ65が第1押圧部72の周囲に配設されている。
【0139】
第1チューブ50、第2チューブ60、第3チューブ55、第4チューブ65は共に、リザーバ156の一端部に連通し、リザーバ156の反対方向に延在される。従って、各チューブにおける液体の流動方向はF2方向となる。
【0140】
このような構成によれば、リザーバ配設領域を液体輸送装置10の外径近傍までに広げることができることから、リザーバ156の容積を大きくすることができると共に、液体を一方向に大量に流動することができる。
【0141】
また、図10(b)に図示したように第1チューブ50、第2チューブ60、第3チューブ55、第4チューブ65を配設すれば、リザーバ156内の液体が徐々に減少していく過程において、液体流動がチューブ4本の場合、2本の場合、1本の場合に変化し、液体の収容容量に応じて流動量を変化させることができる。
【0142】
また、第1チューブ50、第2チューブ60、第3チューブ55、第4チューブ65をリザーバ156の底部側(図9(b)で示す第2チューブ60側)に配設すれば、リザーバ156中の液体が流出するまで4本のチューブにより液体を流動することができる。
(実施形態8の変形例)
【0143】
次に、実施形態8の変形例について説明する。図示は省略するが図10を参照して説明する。変形例の液体輸送装置10は、チューブ押圧部材70の押圧部が複数多連配設される。そして、複数の押圧部のうち少なくとも一つが他と逆方向の螺旋方向を有する凸部を備えている。この際、各押圧部に押圧対応するチューブは、他の押圧部とは接触しないように曲げられる。例えば、第1チューブ50と第2チューブ60とを一方の螺旋方向(図10(a)に図示する凸部72a)の凸部を有する押圧部で押圧し、第3チューブ55と第4チューブ65とを他方の螺旋方向の凸部を有する押圧部で押圧する構成とすることができる。
【0144】
このような構成によれば、第1チューブ50と第2チューブ60はリザーバ156から液体を流出し、第3チューブ55と第4チューブ65はリザーバ156に液体を流入させる。従って、流出用と流入用のチューブの数を同じにすれば、流出量と流入量とが等しくなる。この際、流入用のチューブを外部の液体収容容器に連通すれば、液体輸送装置を駆動しながら、流出した分だけ液体を補充することができるという効果がある。
(吸引具)
【0145】
続いて、前述した実施形態1〜実施形態7にて説明した液体輸送装置10を用いた吸引具について図面を参照して説明する。なお、本発明の吸引具は、液体を霧化器により微粒子化して吸引する装置であり、香味液体、薬液等、様々な液体を霧化し、電子タバコのような環境及び人体に無害な喫煙具、薬液の経口吸引具として供することを目的とする。ここで、実施の形態としては、吸引具として喫煙具を例示して説明する。
【0146】
図11は、本発明による吸引具の1例の概略構造を示す縦断面図である。なお、実施形態1(図1、参照)に記載の液体輸送装置を用いた構成を例示して説明する。図11において、吸引具200には、下枠210と上枠220により構成された筒状の筐体の長手方向略中央部に液体輸送装置10が配置されている。液体輸送装置10は、図1に示したように、香味液体を収容するリザーバ40、第1チューブ50、第2チューブ60、チューブ押圧部材70とを含んで構成されている。
【0147】
吸引具200には、液体輸送装置10の図示右側方向にチューブ押圧部材70に回転力を与えるモータ250と、第2チューブ60の先端部近傍に配設され第2チューブ60から供給される香味液体を霧化する第2霧化器280とが備えられている。
【0148】
一方、液体輸送装置10の図示左側方向には、制御部260、電源としての電池270と、第1チューブ50の先端部近傍に配設され第1チューブ50から供給される香味液体を霧化する第1霧化器290とが備えられている。
これら吸引具200を構成する各要素は、筐体内に長手方向略直線状に配設され、全体として細長い柱状形状をしている。
【0149】
本実施の形態では、第1霧化器290及び第2霧化器280は弾性表面波素子を用いている。また、制御部260は、第1霧化器290及び第2霧化器280の駆動制御を行う制御回路とモータ250の駆動制御を行う駆動制御回路を含む。電池270は、制御部260に電力を供給する。
【0150】
以上説明した各構成要素は、下枠210に形成された凹部内に載置され、上枠220を下枠210に装着することで固定される。なお、第2霧化器280側には霧化された液体微粒子が流動、吸引するための吸引口231を有する銜え口部230が設けられている。銜え口部230は、先端部が銜えやすいように細く形成され、他端は下枠210と上枠220の端部を挟み込むように装着されている。
【0151】
続いて、上述したように構成される吸引具200の使用方法について図8を参照して説明する。制御部260からの駆動信号によりモータ250が駆動し、液体輸送装置10のチューブ押圧部材70を回転する。チューブ押圧部材70の第1押圧部72及び第2押圧部73により第1チューブ50及び第2チューブ60が押圧されて、リザーバ40内の香味液体が、第1チューブ50及び第2チューブ60からそれぞれ第1霧化器290、第2霧化器280の表面に供給される。
【0152】
第1霧化器290及び第2霧化器280は、制御部260からの駆動信号(励振信号)により表面波を励起して香味液体を液体微粒子化する。第2霧化器280によって霧化された液体微粒子は、第2霧化器280上方の空間281に滞留し、使用者が銜え口部230から吸引することにより、吸引口231から吸引される。
【0153】
なお、上枠220には、空間281と外部とを貫通する空気導通孔221が設けられており、吸引口231からの吸引の際、外部から空気を取り入れて吸引を補助している。
【0154】
ここで、香味液体とは、ニコチン、タール等の健康に有害といわれ一般のタバコの煙に含有される含有物を排除して、タバコの風味、味を楽しめる液体である。本実施の形態における1実施例の喫煙具は、この香味液体を霧化器によって液体微粒子化して吸引するものである。
【0155】
一方、第1霧化器290側では、第1霧化器290によって霧化された液体微粒子は、第1霧化器290上方の空間291に滞留し、上枠220に設けられた貫通孔222(本実施形態では排出口に相当する)から自然排出される。
【0156】
なお、下枠210と上枠220と銜え口部230とは、それらを装着した状態で、筒部材240に挿着されている。筒部材240は、下枠210と上枠220とを密接させ、且つ、挿脱可能に形状設定される。
【0157】
従って、筒部材240と銜え口部230抜き外すことにより、下枠210と上枠220とを分離し、消耗品である電池270と、液体輸送装置10の交換ができる。また、制御部260、モータ250のメンテナンスを行うこともできる。
【0158】
さらに、前述した実施形態5(図7、参照)に係る液体輸送装置10を用いれば、チューブガイド30の開閉蓋120を開放してリザーバ40を単体で交換することができ、香味液体の補充を容易に行うことができる。
【0159】
また、前述した実施形態6(図8、参照)による液体輸送装置10を用いれば、開閉蓋120を開放して、チューブが連通された状態のリザーバ40を交換することができる。
【0160】
従って、上述したような吸引具200によれば、リザーバ40に収容された香味液体を液体輸送装置10にて第2霧化器280及び第1霧化器290まで輸送し、香味液体を霧化することで、液体微粒子化し吸引することができる。
この際、第2霧化器280側に銜え口部230、第1霧化器290側に液体微粒子の貫通孔222(つまり、排出口)を設けることにより、擬似喫煙と、香りと、煙の雰囲気を楽しむことができる。また、霧化量の状態等を確認しながら吸引することができる。
【0161】
また、前述した実施形態2(図3、参照)のような第1リザーバ140と第2リザーバ150とからなる構造にすれば、第1リザーバ140と第2リザーバ150それぞれに異なる種類の香味液体を収容し、異なる種類の風味、香りを楽しむことができる。例えば、第2リザーバ150には擬似喫煙用の香味液体を、第1リザーバ140には、タバコの紫煙風の香味液体を収容すれば、なお、擬似喫煙の雰囲気を楽しむことができる。
【0162】
また、第1霧化器290側、第2霧化器280側の両方に吸引口231を有する銜え口部230を設ければ2方向から液体微粒子を吸引することができ、2個のリザーバを用いる構造にすれば、2箇所の銜え口部から異なる種類の液体微粒子を吸引することができる。
【0163】
また、上枠220と下枠210とを、筒部材240内に挿着しており、上枠220と下枠210との着脱性がよく、筒部材240は、色、表面処理等の多様なデザインを可能にし、使用者の嗜好に合わせたデザインを実現できる。
さらに、本発明の吸引具200は、筒状に構成されているため携帯性がよい。
【0164】
なお、上述した吸引具は、前述した実施形態1(図1、参照)によるリザーバを1個備える液体輸送装置を用いた例をあげて説明したが、実施形態2(図3,4、参照)のようにリザーバを2個備える液体輸送装置を用いることができる。このようにすれば、第1リザーバ140と第2リザーバ150それぞれに異なる種類の香味液体を収容することができる。
【0165】
また、実施形態7(図9、参照)に記載の液体輸送装置10を用いれば、大量の液体微粒子の吸引と排出が可能であり、実施形態8(図10、参照)記載の液体輸送装置10を用いれば、より大量の液体微粒子の吸引を行うことができる。
【0166】
また、上述した吸引具の1例として喫煙具を例示して説明したが、香味液体、薬液等、様々な液体を霧化して吸引する吸引具に適合できる。例えば、薬液を用いる経口投薬に用いる場合には、霧化器の振動周波数を調整すれば、液体微粒子径を変更でき、口腔内対応、気管支対応、肺対応の投薬装置として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】実施形態1に係る液体輸送装置を示す縦断面図。
【図2】図1の横断面図であり、(a)はA−A切断面、(b)は(a)のB−B切断面、(c)は(a)のC−C切断面を示す断面図。
【図3】実施形態2に係る液体輸送装置を示す縦断面図。
【図4】実施形態2の変形例に係る液体輸送装置を示し、(a)は液体輸送装置を平面視する断面図、(b)は(a)のD−D切断面を示す断面図。
【図5】実施形態3に係るチューブ押圧部材を示す正面図。
【図6】実施形態4に係るチューブ押圧部材を示す正面図。
【図7】実施形態5に係る液体輸送装置を示し、(a)は縦断面図の一部、(b)は、(a)のE−E切断面を示す断面図。
【図8】実施形態6に係る液体輸送装置を示す断面図。
【図9】実施形態7に係る液体輸送装置の1例を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)を先端方向から視認した配置説明図、(c)は変形例を示す配置説明図。
【図10】実施形態8に係る液体輸送装置を示し、(a)は縦断面図、(b)は先端方向(図示右側)から視認した正面図。
【図11】本発明による吸引具の1例の概略構造を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0168】
10…液体輸送装置、30…チューブガイド、40…リザーバ、50…第1チューブ、60…第2チューブ、70…チューブ押圧部材、72…第1押圧部、72a…第1押圧部の凸部、73…第2押圧部、73a…第2押圧部の凸部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容するリザーバと、
弾性を有し前記リザーバに連通するとともにチューブガイドによって保持される複数のチューブと、
回転可能に保持された回転軸と、
前記複数のチューブを螺旋状の凸部で押圧する押圧部が前記回転軸に固定されているチューブ押圧部材と、
を有し、
前記回転軸が回転することによって、前記押圧部が、前記複数のチューブを前記リザーバから液体の流出側に向かって順次押圧し、液体を輸送することを特徴とする液体輸送装置。
【請求項2】
液体を収容する1個のリザーバと、
前記リザーバに対して異なる方向に連通した第1チューブ及び第2チューブと、
回転可能に保持された回転軸と、
前記回転軸に固定され前記第1チューブを螺旋状の凸部で押圧する第1押圧部と、前記回転軸に固定され前記第2チューブを前記第1チューブとは反対方向の螺旋状の凸部で押圧する第2押圧部と、を有する押圧部材と、
を有し、
前記回転軸が回転することによって、前記第1押圧部及び前記第2押圧部が前記第1チューブ及び前記第2チューブを前記リザーバから液体の流出側に向かって順次押圧し、異なる2方向に液体を輸送することを特徴とする液体輸送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
複数の前記リザーバが第1リザーバと第2リザーバとからなり、
前記複数のチューブが第1チューブと第2チューブとからなり、
前記押圧部が螺旋状の凸部が互いに異なる螺旋方向を有する第1押圧部と第2押圧部とからなり、
前記第1チューブが前記第1リザーバに連通され、前記第2チューブが、前記第2リザーバに連通されると共に、前記第1チューブと前記第2チューブが互いに異なる方向に延在され、前記第1押圧部と前記第2押圧部のそれぞれが前記第1チューブと前記第2チューブのそれぞれを押圧し、異なる2方向に液体を輸送することを特徴とする液体輸送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液体輸送装置において、
前記第1リザーバと前記第2リザーバとが、前記回転軸に沿って配設されていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項5】
請求項3に記載の液体輸送装置において、
前記第1リザーバと前記第2リザーバとが、前記回転軸の周囲に配設されていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項6】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
複数の前記押圧部それぞれに設けられる螺旋状の凸部が、前記チューブ押圧部材に巻回される互いに螺旋方向の異なるコイルであることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体輸送装置において、
前記チューブ押圧部材が、複数の前記押圧部それぞれの凸部に相当するコイル部と、前記回転軸と、が一体で形成されていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項8】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
前記複数のチューブのうちの少なくとも1本のチューブと他のチューブの内径または外径、内径及び外径が互いに異なり、前記複数のチューブそれぞれに対応して設けられる前記押圧部それぞれの螺旋状の凸部の外径が、前記複数のチューブそれぞれの内径または外径に対応して互いに異なることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項9】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
前記複数のチューブが前記リザーバに連通された状態で前記チューブガイドによって保持され、
前記リザーバ及び前記複数のチューブを含む前記チューブガイドと前記回転軸を保持する機枠とが着脱可能に構成されていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項10】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
前記複数のチューブそれぞれの前記リザーバ側の端部に前記リザーバに連通する刺挿パイプが設けられ、
前記刺挿パイプの先端部を前記リザーバに刺挿して連通させるとともに、前記複数のチューブと、前記リザーバとが挿脱自在であることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項11】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
前記チューブガイドの前記リザーバを覆う部分に開閉蓋が設けられていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項12】
請求項11に記載の液体輸送装置において、
前記開閉蓋が、前記リザーバと前記チューブガイドの長さ方向の両端部を残して前記複数のチューブを支持する一部を含む範囲に設けられていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項13】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
複数の前記リザーバが前記回転軸に沿って多連配設されると共に、
複数の前記リザーバそれぞれに対応して設けられる前記チューブの少なくとも一つが他と異なる方向に連通され、
前記複数のチューブの連通方向に対応して前記押圧部が互いに異なる螺旋方向を有していることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項14】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
複数の前記リザーバが前記回転軸の周囲に配設されると共に、
複数の前記リザーバそれぞれに対応して設けられる前記チューブの少なくとも一つが他と異なる方向に連通され、
前記チューブの連通方向に対応して前記押圧部が互いに異なる螺旋方向を有する凸部を備えていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項15】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
1個の前記リザーバが、前記チューブ押圧部材の一方の端部に配設されると共に、
前記リザーバに前記複数のチューブが前記押圧部の周囲に配設されていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項16】
請求項15に記載の液体輸送装置において、
前記押圧部が複数多連配設され、
複数の前記押圧部のうち少なくとも一つが他と異なる螺旋方向を有する凸部を備えていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項17】
請求項1に記載の液体輸送装置と、
前記複数のチューブのうちの少なくとも1本から供給される液体を霧化する第1霧化器と、
前記複数のチューブのうちの少なくとも他の1本から供給される液体を霧化する第2霧化器と、
前記チューブ押圧部材に回転力を与えるモータと、
前記第1霧化器と前記第2霧化器との制御を行う制御回路と、前記モータの駆動制御を行う駆動制御回路と、を含む制御部と、
前記制御部に電力を供給する電源部と、
が備えられ、
前記電源部と前記制御部と前記第1霧化器と前記液体輸送装置と前記第2霧化器とが、筒状の筐体の内部に前記筐体の長手方向に沿って配設されており、
前記第1霧化器と前記第2霧化器それぞれにて霧化された液体微粒子を排出または吸引するための開口部が設けられていることを特徴とする吸引具。
【請求項18】
請求項17に記載の吸引具において、
前記開口部の一方が霧化された液体微粒子を吸引する吸引口であり、他方が霧化された液体微粒子を排出する排出口であることを特徴とする吸引具。
【請求項19】
請求項17に記載の吸引具において、
前記筐体の長さ方向の両端に霧化された液体微粒子を吸引する前記吸引口が設けられていることを特徴とする吸引具。
【請求項20】
請求項17に記載の吸引具において、
前記筐体が上枠と下枠とからなり、
前記上枠と前記下枠とが着脱可能に構成され、少なくとも前記液体輸送装置と前記電源部とが着脱可能であることを特徴とする吸引具。
【請求項1】
液体を収容するリザーバと、
弾性を有し前記リザーバに連通するとともにチューブガイドによって保持される複数のチューブと、
回転可能に保持された回転軸と、
前記複数のチューブを螺旋状の凸部で押圧する押圧部が前記回転軸に固定されているチューブ押圧部材と、
を有し、
前記回転軸が回転することによって、前記押圧部が、前記複数のチューブを前記リザーバから液体の流出側に向かって順次押圧し、液体を輸送することを特徴とする液体輸送装置。
【請求項2】
液体を収容する1個のリザーバと、
前記リザーバに対して異なる方向に連通した第1チューブ及び第2チューブと、
回転可能に保持された回転軸と、
前記回転軸に固定され前記第1チューブを螺旋状の凸部で押圧する第1押圧部と、前記回転軸に固定され前記第2チューブを前記第1チューブとは反対方向の螺旋状の凸部で押圧する第2押圧部と、を有する押圧部材と、
を有し、
前記回転軸が回転することによって、前記第1押圧部及び前記第2押圧部が前記第1チューブ及び前記第2チューブを前記リザーバから液体の流出側に向かって順次押圧し、異なる2方向に液体を輸送することを特徴とする液体輸送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
複数の前記リザーバが第1リザーバと第2リザーバとからなり、
前記複数のチューブが第1チューブと第2チューブとからなり、
前記押圧部が螺旋状の凸部が互いに異なる螺旋方向を有する第1押圧部と第2押圧部とからなり、
前記第1チューブが前記第1リザーバに連通され、前記第2チューブが、前記第2リザーバに連通されると共に、前記第1チューブと前記第2チューブが互いに異なる方向に延在され、前記第1押圧部と前記第2押圧部のそれぞれが前記第1チューブと前記第2チューブのそれぞれを押圧し、異なる2方向に液体を輸送することを特徴とする液体輸送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液体輸送装置において、
前記第1リザーバと前記第2リザーバとが、前記回転軸に沿って配設されていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項5】
請求項3に記載の液体輸送装置において、
前記第1リザーバと前記第2リザーバとが、前記回転軸の周囲に配設されていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項6】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
複数の前記押圧部それぞれに設けられる螺旋状の凸部が、前記チューブ押圧部材に巻回される互いに螺旋方向の異なるコイルであることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体輸送装置において、
前記チューブ押圧部材が、複数の前記押圧部それぞれの凸部に相当するコイル部と、前記回転軸と、が一体で形成されていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項8】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
前記複数のチューブのうちの少なくとも1本のチューブと他のチューブの内径または外径、内径及び外径が互いに異なり、前記複数のチューブそれぞれに対応して設けられる前記押圧部それぞれの螺旋状の凸部の外径が、前記複数のチューブそれぞれの内径または外径に対応して互いに異なることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項9】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
前記複数のチューブが前記リザーバに連通された状態で前記チューブガイドによって保持され、
前記リザーバ及び前記複数のチューブを含む前記チューブガイドと前記回転軸を保持する機枠とが着脱可能に構成されていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項10】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
前記複数のチューブそれぞれの前記リザーバ側の端部に前記リザーバに連通する刺挿パイプが設けられ、
前記刺挿パイプの先端部を前記リザーバに刺挿して連通させるとともに、前記複数のチューブと、前記リザーバとが挿脱自在であることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項11】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
前記チューブガイドの前記リザーバを覆う部分に開閉蓋が設けられていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項12】
請求項11に記載の液体輸送装置において、
前記開閉蓋が、前記リザーバと前記チューブガイドの長さ方向の両端部を残して前記複数のチューブを支持する一部を含む範囲に設けられていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項13】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
複数の前記リザーバが前記回転軸に沿って多連配設されると共に、
複数の前記リザーバそれぞれに対応して設けられる前記チューブの少なくとも一つが他と異なる方向に連通され、
前記複数のチューブの連通方向に対応して前記押圧部が互いに異なる螺旋方向を有していることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項14】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
複数の前記リザーバが前記回転軸の周囲に配設されると共に、
複数の前記リザーバそれぞれに対応して設けられる前記チューブの少なくとも一つが他と異なる方向に連通され、
前記チューブの連通方向に対応して前記押圧部が互いに異なる螺旋方向を有する凸部を備えていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項15】
請求項1に記載の液体輸送装置において、
1個の前記リザーバが、前記チューブ押圧部材の一方の端部に配設されると共に、
前記リザーバに前記複数のチューブが前記押圧部の周囲に配設されていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項16】
請求項15に記載の液体輸送装置において、
前記押圧部が複数多連配設され、
複数の前記押圧部のうち少なくとも一つが他と異なる螺旋方向を有する凸部を備えていることを特徴とする液体輸送装置。
【請求項17】
請求項1に記載の液体輸送装置と、
前記複数のチューブのうちの少なくとも1本から供給される液体を霧化する第1霧化器と、
前記複数のチューブのうちの少なくとも他の1本から供給される液体を霧化する第2霧化器と、
前記チューブ押圧部材に回転力を与えるモータと、
前記第1霧化器と前記第2霧化器との制御を行う制御回路と、前記モータの駆動制御を行う駆動制御回路と、を含む制御部と、
前記制御部に電力を供給する電源部と、
が備えられ、
前記電源部と前記制御部と前記第1霧化器と前記液体輸送装置と前記第2霧化器とが、筒状の筐体の内部に前記筐体の長手方向に沿って配設されており、
前記第1霧化器と前記第2霧化器それぞれにて霧化された液体微粒子を排出または吸引するための開口部が設けられていることを特徴とする吸引具。
【請求項18】
請求項17に記載の吸引具において、
前記開口部の一方が霧化された液体微粒子を吸引する吸引口であり、他方が霧化された液体微粒子を排出する排出口であることを特徴とする吸引具。
【請求項19】
請求項17に記載の吸引具において、
前記筐体の長さ方向の両端に霧化された液体微粒子を吸引する前記吸引口が設けられていることを特徴とする吸引具。
【請求項20】
請求項17に記載の吸引具において、
前記筐体が上枠と下枠とからなり、
前記上枠と前記下枠とが着脱可能に構成され、少なくとも前記液体輸送装置と前記電源部とが着脱可能であることを特徴とする吸引具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−274924(P2008−274924A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324325(P2007−324325)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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