説明

液圧ブレーキ回路

【課題】小さな設置スペースかつ簡単な構成で液圧式走行用ブレーキ及び液圧式パーキングブレーキを実現しつつ、液圧を供給することによる動力源への負荷を低減する。
【解決手段】作動液供給源たる液圧ポンプ1から作動液の供給を受けて走行用ブレーキ2及びパーキングブレーキ3に作動液を供給するための液圧ブレーキ回路5に、前記走行用ブレーキ2及びパーキングブレーキ3に作動液をそれぞれ供給する共通作動液供給路51と、この共通作動液供給路51内の液圧を検知する液圧センサ52と、この液圧センサ52が検知した液圧に基づき前記液圧を所定値以上に保持すべく液圧ポンプ1と前記共通作動液供給路51とを接続する第1の状態たるON状態と液圧ポンプ1からの作動液を無負荷で還流させる第2の状態たるOFF状態との間で切替可能な切替弁53とを具備する構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用車両に用いられ、作動液供給源から作動液の供給を受けて走行用ブレーキ及びパーキングブレーキに作動液を供給するための液圧ブレーキ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業用車両において、パーキングブレーキとしては、ハンドルからの操作を受け、ワイヤーケーブルを介してハンドルが受けた操作力を伝達して制動状態にする、又は制動状態を解除する構成のものが多く用いられてきている(例えば、特許文献1を参照)。また、液圧供給源から液圧の供給を受けることにより制動状態を解除し、液圧の供給を受けない場合には制動状態となるパーキングブレーキも考えられている(例えば、特許文献2を参照)。
【特許文献1】特開2007−22700号公報
【特許文献2】特開2006−125619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1に示すようなワイヤーケーブルを用いる態様のパーキングブレーキでは、車両の故障時やエンジン停止時には、運転者が前記ハンドルによりパーキングブレーキを操作して制動状態にする必要がある。
【0004】
また、特許文献2に示すような液圧式パーキングブレーキでは、走行用ブレーキの液圧源とは別の液圧源を用い、走行用ブレーキ系及びパーキングブレーキ系それぞれが別個の配管を利用していることが多い。このような態様では、全体としての構造が複雑なものとなる不具合が存在する。また、特許文献2に示すような液圧式パーキングブレーキでは、走行中はパーキングブレーキに液圧を常時供給する必要があるため、車両の走行エンジン等に負荷がかかる不具合も存在する。
【0005】
本発明は、以上に述べた課題を解決すべく構成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る液圧ブレーキ回路は、作動液供給源から作動液の供給を受けて走行用ブレーキ及びパーキングブレーキに作動液を供給するための液圧ブレーキ回路であって、前記走行用ブレーキ及びパーキングブレーキに作動液をそれぞれ供給する共通作動液供給路と、この共通作動液供給路内の液圧を検知する液圧センサと、この液圧センサが検知した液圧に基づき前記液圧を所定値以上に保持すべく作動液供給源と前記共通作動液供給路とを接続する第1の状態と作動液供給源からの作動液を無負荷で還流させる第2の状態との間で切替可能な切替弁とを具備することを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、共通作動液供給路を介して1つの作動液供給源から走行用ブレーキ及びパーキングブレーキに作動液をそれぞれ供給することにより、走行用ブレーキ及びパーキングブレーキにそれぞれ別の作動液供給源から作動液を供給する態様と比較して、装置の小型化や構成の単純化を図ることができる。さらに、共通作動液供給路内の液圧が所定値以上であって前記切替弁が第2の状態であれば作動液供給源からの作動液は無負荷で還流され、作動液供給源を駆動するためにエンジンに負荷をかける必要がなくなるとともに、共通作動液供給路内の液圧を利用して走行用ブレーキを作動させ、その後に液圧低下を受けて切替弁を第1の状態にして作動液を供給させるようにできるので、走行用ブレーキから作動液を環流させるための回路を省略でき、この点からも装置の小型化や構成の単純化を図ることができる。
【0008】
さらに、前記共通作動液供給路と前記パーキングブレーキとの間に設けられ、前記共通作動液供給路と前記パーキングブレーキとを接続する第1の状態と、前記共通作動液供給路と前記パーキングブレーキとを切断し、パーキングブレーキをタンクに接続する第2の状態との間で切替可能な第2切替弁をさらに具備するものであれば、この第2切替弁を第1の状態としない限り前記共通作動液供給路からパーキングブレーキに作動液が供給されないので、例えば車両の運転を行う意志を示す操作が行われない限り第2切替弁を第2の状態として車両の誤作動を防ぐ態様を実現できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る液圧ブレーキ回路の構成によれば、共通作動液供給路を介して1つの作動液供給源から走行用ブレーキ及びパーキングブレーキに作動液をそれぞれ供給することにより、走行用ブレーキ及びパーキングブレーキにそれぞれ別の作動液供給源から作動液を供給する態様と比較して、装置の小型化や構成の単純化を図ることができる。さらに、共通作動液供給路内の液圧が所定値以上であって前記切替弁が第2の状態であれば作動液供給源からの作動液は無負荷で還流され、作動液供給源を駆動するためにエンジンに負荷をかける必要がなくなるとともに、作動液供給源内の液圧を利用して走行用ブレーキを作動させ、その後に液圧低下を受けて切替弁を第1の状態にして作動液を供給させるようにできるので、走行用ブレーキから作動液を環流させるための回路を省略でき、この点からも装置の小型化や構成の単純化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
本実施形態に係る液圧ブレーキ装置は、エンジンEからの動力により走行する産業車両に用いられ、図1に概略を示すように、作動液供給源たる液圧ポンプ1と、この液圧ポンプ1から作動液の供給を受けて作動する走行用ブレーキ2と、前記液圧ポンプ1から作動液の供給を受けて制動状態を解除するパーキングブレーキ3と、前記パーキングブレーキ3の解除を行う操作を受け付けるパーキングスイッチ4と、前記走行用ブレーキ2及び前記パーキングブレーキ3に液圧ポンプ1からの作動液を供給する液圧ブレーキ回路5と、この液圧ブレーキ回路5の制御を行うコントローラ6とを具備する。
【0012】
前記液圧ポンプ1は、エンジンEから動力の供給を受け、作動液を前記液圧ブレーキ回路5に向かい送り出す。
【0013】
前記走行用ブレーキ2は、産業用車両に用いられるものとして従来周知の液圧式走行用ブレーキと同様の構成を有する。
【0014】
前記パーキングブレーキ3も、産業用車両に用いられるものとして従来周知の液圧式走行用ブレーキと略同様の構成を有する。すなわち、このパーキングブレーキ3は、液圧ブレーキ回路5から液圧を受けない状態では制動状態であり、液圧ブレーキ回路5から液圧を受けてはじめて制動状態を解除する構成を有する。
【0015】
前記パーキングスイッチ4は、前記パーキングブレーキ3による制動を行わせる操作、及び該パーキングブレーキ3による制動を解除する操作を受け付ける。具体的には、パーキングブレーキ3により制動させる状態である制動状態と、パーキングブレーキ3による制動を解除させる状態である制動解除状態との間で切替可能である。
【0016】
しかして本実施形態の液圧ブレーキ回路5は、前記走行用ブレーキ2及びパーキングブレーキ3に作動液をそれぞれ供給する共通作動液供給路51と、この共通作動液供給路51内の液圧を検知する液圧センサ52と、この液圧センサ52が検知した液圧に基づき前記液圧を所定値たる作動液圧以上に保持すべく作動液供給源と前記共通作動液供給路とを接続する第1の状態たるON状態と作動液供給源からの作動液を無負荷で還流させる第2の状態たるOFF状態との間で切替可能な切替弁たる第1切替弁53とを具備する。さらに本実施形態では、この液圧ブレーキ回路5は、前記共通作動液供給路51とパーキングブレーキ3とを接続する第1の状態たるON状態と、前記共通作動液供給路51とパーキングブレーキ3とを切断するとともに作動液をタンクTに向け排出すべくパーキングブレーキ3とタンクTに向かう排出路57とを接続する第2の状態たるOFF状態との間で切替可能な第2切替弁55と、前記液圧ポンプ1の吐出口1aと前記第1切替弁53との間の圧力が所定のリリーフ圧以上となった際に前記液圧ポンプ1の吐出口1aと前記排出路57とを連通させるリリーフ弁58とを具備する。
【0017】
前記共通作動液供給路51は、前記切替弁53から分岐51xに達する基部51aと、前記分岐51xからパーキングブレーキ3に向かうパーキングブレーキ流路51bと、前記分岐51xから走行用ブレーキ2に向かう走行用ブレーキ流路51cとを有する。そして、前記パーキングブレーキ流路51b及び走行用ブレーキ流路51cの内部の液圧は同一である。また、前記基部51aには、共通作動液供給路51の圧力を保持すべく逆止弁54を設けている。
【0018】
前記液圧センサ52は、本実施形態では前記走行用ブレーキ流路51cに設けられ、前記共通作動液供給路51内の液圧を検知し対応する液圧信号を制御装置に向け出力する。
【0019】
前記第1切替弁53は、ON状態においては、液圧ポンプ1の吐出口1aと前記共通作動液供給路51とを連通する。一方、OFF状態においては、液圧ポンプ1の吐出口1aとタンクTに向かう排出路56とを連通する。
【0020】
前記第2切替弁55は、本実施形態では、エンジンEが運転中でありかつ前記パーキングスイッチ4が制動解除状態にある場合、すなわち制動状態を解除する操作を受け付けた状態である場合に前記ON状態をとる。一方、エンジンEが運転中でない場合、及びエンジンEが運転中であっても前記パーキングスイッチ4が制動状態である場合には前記OFF状態をとる。
【0021】
前記コントローラ6は、図2に概略を示すように、中央処理装置61と、記憶装置62と、入力インタフェース63と、出力インタフェース64とを具備してなるマイクロコンピュータシステムを主体に構成している。入力インタフェース63は、エンジンEが運転中であるか否かを示す運転状態信号a、パーキングスイッチ4が制動状態であるか制動解除状態であるかを示すパーキングスイッチ信号b、圧力センサ52から検知した液圧を示す液圧信号cの入力を受け付ける。出力インタフェース64からは、第1切替弁53に対してこの第1切替弁53を第1及び第2の状態の間で切り替えるための第1切替信号eを出力するとともに、第2切替弁55に対してこの第2切替弁55を第1及び第2の状態の間で切り替えるための第2切替信号fを出力する。記憶装置62には、車両の運転を行う意志がある場合にのみパーキングブレーキ3による制動を解除可能とすべく、エンジンEが運転中であることを示す運転状態信号aとパーキングスイッチ4が制動解除状態であることを示すパーキングスイッチ信号bとの双方を受けた際に第2切替弁55を第1の状態とすべく第2切替信号fを出力し、その他の状態においては第2切替弁55を第2の状態とすべく第2切替信号fを出力する制御を行うパーキング制御プログラムを内蔵している。また、コントローラ6には、車両の運転中すなわち前記第2切替弁55がON状態である際に作動するプログラムであって、共通作動液供給路51内の液圧を作動液圧以上に保持すべく、前記液圧センサ52からの液圧信号cに対応する液圧が前記作動液圧を下回った場合に前記第1切替弁53をON状態とすべく第1切替信号eを出力し、前記液圧センサ52からの液圧信号cに対応する液圧が前記作動液圧を上回った場合に前記第1切替弁53をOFF状態とすべく第1切替信号eを出力する制御を行う液圧調整プログラムも内蔵している。なお、前記作動液圧は、前記リリーフ圧の近傍かつ該リリーフ圧よりも低圧側に設定している。
【0022】
このコントローラ6が前記パーキング制御プログラムにより行う制御の流れをフローチャートである図3を参照しつつ以下に述べる。
【0023】
まず、エンジンEが運転中であるか否か、すなわちエンジンEが運転中であることを示す運転状態信号aがコントローラ6に出力されているか否かを判定する(ステップS1)。
【0024】
エンジンEが運転中である場合には、次いで、パーキングスイッチ4が制動解除状態にあるか否か、すなわちパーキングスイッチ4が制動解除状態にあることを示すパーキングスイッチ信号bが出力されているか否かを判定する(ステップS2)。
【0025】
エンジンEが運転中であり、かつ、パーキングスイッチ4が制動解除状態にある場合には、第2切替弁55をON状態とする(ステップS3)。
【0026】
一方、エンジンが運転中でない場合、又はエンジンが運転中であってもパーキングスイッチ4が制動状態にある場合には、第2切替弁55をOFF状態とし(ステップS4)、前記ステップS1に戻る。
【0027】
第2切替弁55をON状態とした場合には、続いて液圧調整プログラムによる以下の制御を行う。この制御の流れをフローチャートである図4を参照しつつ以下に述べる。
【0028】
まず、共通作動液供給路51内の液圧が作動液圧を下回っているか否か、具体的には液圧センサ52から出力される液圧信号cに対応する液圧が作動液圧を下回っているか否かを判定する(ステップS5)。
【0029】
共通作動液供給路51内の液圧が作動液圧を下回っている場合には、第1切替弁53をON状態とすべく第1切替信号eを出力する制御を行う(ステップS6)。一方、共通作動液供給路51内の液圧が作動液圧を下回っていない場合には、第1切替弁53をOFF状態とすべく第1切替信号eを出力する制御を行う(ステップS7)。
【0030】
この液圧調整プログラムによる制御を行った後は、再び前記パーキング制御プログラムを実行する。
【0031】
エンジンEの運転中でかつパーキングスイッチが制動解除状態にある間は、この液圧調整プログラムによる制御により、液圧ブレーキ回路5は以下のように作動する。
【0032】
まず、パーキングスイッチ4がON状態に切り替えられた直後は、共通作動液供給路51内の液圧は作動液圧よりも十分低いので、第1切替弁53はON状態となり、共通作動液供給路51を介して走行用ブレーキ2及びパーキングブレーキ3に作動液が供給される。
【0033】
その後、共通作動液供給路51内の液圧が作動液圧を上回ると、第1切替弁53がOFF状態となる。その際、液圧ポンプ1から吐出される作動液は無負荷でタンクTに環流する。その一方で、逆止弁54の作用により、共通作動液供給路51内の液圧の低下は抑制される。
【0034】
その後、走行用ブレーキ2の操作が行われた際等、共通作動液供給路51内の液圧が作動液圧を下回ると、第1切替弁53は再びON状態となり、共通作動液供給路51を介して走行用ブレーキ2及びパーキングブレーキ3に作動液が供給される。すなわち、共通作動液供給路51内の液圧が作動液圧を下回ると上述したように走行用ブレーキ2及びパーキングブレーキ3に作動液が供給されるので、共通作動液供給路51内の液圧は作動液圧以上に保持される。
【0035】
そして、パーキングスイッチ4が制動状態に切り替えられた際、あるいはエンジンEの運転が停止した際、すなわち車両の運転が中止された際には、パーキング制御プログラムによる制御を受けて、第2切替弁55はOFF状態となる。その際、パーキングブレーキ3から作動液が吐出され、パーキングブレーキ3により車両が制動される状態となる。
【0036】
以上に述べたように、本実施形態に係る液圧ブレーキ回路5の構成によれば、共通作動液供給路51を介して1つの液圧ポンプ1から走行用ブレーキ2及びパーキングブレーキ3に作動液をそれぞれ供給することにより、走行用ブレーキ2及びパーキングブレーキ3にそれぞれ別の液圧ポンプから作動液を供給する態様と比較して、装置の小型化や構成の単純化を図ることができる。さらに、共通作動液供給路51内の液圧が作動液圧を上回っている際には、前記第1切替弁53がOFF状態となるので、液圧ポンプ1からの作動液は無負荷でタンクTに還流され、作動液を走行用ブレーキ2及びパーキングブレーキ3に供給するための負荷をエンジンEにかける必要がなくなる。加えて、共通作動液供給路51内の液圧を利用して走行用ブレーキ2を作動させ、その後に液圧低下を受けて切替弁53をON状態にして作動液を供給させるようにできるので、走行用ブレーキ2から作動液を環流させるための回路を省略でき、この点からも装置の小型化や構成の単純化を図ることができる。
【0037】
さらに、前記共通作動液供給路51と前記パーキングブレーキ3との間に設けられ、前記共通作動液供給路51と前記パーキングブレーキ3とを接続するON状態と、前記共通作動液供給路51と前記パーキングブレーキ3とを切断するOFF状態との間で切替可能な第2切替弁55をさらに具備し、エンジンEが運転中であるとともにパーキングスイッチ4が制動解除状態である場合にのみ第2切替弁55を第1の状態とするようにしているので、エンジンEの運転中にパーキングスイッチ4を制動解除状態にしない限り前記共通作動液供給路51からパーキングブレーキ3に作動液が供給されない。従って、車両の運転を行う意志を示す操作が行われない限り第2切替弁55をOFF状態とし、車両の誤作動を防ぐことができる。
【0038】
なお、本発明は以上に述べた実施の形態に限られない。
【0039】
例えば、前述した実施形態に係る第2切替弁を省略し、例えばパーキングブレーキ内に、液圧源から液圧を受けない状態で制動位置側に付勢する付勢手段を設けるとともに、液圧源から液圧を受けると付勢手段による付勢力に抗して制動を解除する構成を採用してもよい。
【0040】
また、余剰の作動液圧を受けた場合に作動液を環流させる作動液環流路を走行ブレーキに接続しても、もちろんよい。
【0041】
そして、前述した実施形態では、共通作動液供給路内の液圧が作動液圧を上回った場合に第1切替弁をOFF状態とし、共通作動液供給路内の液圧が作動液圧を下回った場合に第1切替弁をON状態とする制御を行うようにしているが、以下に述べる制御を行うようにしてもよい。
【0042】
具体的には、第1切替弁がOFF状態である際には上述したような制御、すなわち共通作動液供給路内の液圧が作動液圧を上回った場合には第1切替弁がOFF状態を保つようにし、共通作動液供給路内の液圧が作動液圧を下回った場合に第1切替弁をON状態とする制御を行うようにするとともに、第1切替弁がON状態である際には、共通作動液供給路内の液圧が作動液圧よりも高圧側の上限液圧を上回った場合に第1切替弁をOFF状態とし、共通作動液供給路内の液圧が前記上限液圧を下回った場合に第1切替弁がON状態を保つようにする制御を行うようにしてもよい。
【0043】
このような制御を行えば、第1切替弁がON状態である場合には、共通作動液供給路内の液圧が作動液圧以上であっても、前記上限液圧を上回らない限り第1切替弁がON状態を保つので、より有効に共通作動液供給路内の液圧を作動液圧以上に保持できる。
【0044】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る液圧ブレーキ回路を使用した液圧ブレーキ装置を示す概略図。
【図2】同実施形態に係る液圧ブレーキ装置のコントローラを示す概略図。
【図3】同実施形態に係る液圧ブレーキ装置のコントローラが行う制御を示すフローチャート。
【図4】同実施形態に係る液圧ブレーキ装置のコントローラが行う制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0046】
3…パーキングブレーキ
5…液圧ブレーキ回路
51…共通作動液供給路
52…液圧センサ
53…第1切替弁(切替弁)
55…第2切替弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動液供給源から作動液の供給を受けて走行用ブレーキ及びパーキングブレーキに作動液を供給するための液圧ブレーキ回路であって、
前記走行用ブレーキ及びパーキングブレーキに作動液をそれぞれ供給する共通作動液供給路と、この共通作動液供給路内の液圧を検知する液圧センサと、この液圧センサが検知した液圧に基づき前記液圧を所定値以上に保持すべく作動液供給源と前記共通作動液供給路とを接続する第1の状態と作動液供給源からの作動液を無負荷で還流させる第2の状態との間で切替可能な切替弁とを具備することを特徴とする液圧ブレーキ回路。
【請求項2】
前記共通作動液供給路と前記パーキングブレーキとの間に設けられ、前記共通作動液供給路と前記パーキングブレーキとを接続する第1の状態と、前記共通作動液供給路と前記パーキングブレーキとを切断し、パーキングブレーキをタンクに接続する第2の状態との間で切替可能な第2切替弁をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の液圧ブレーキ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−137470(P2009−137470A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316607(P2007−316607)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】