説明

液晶ディスプレイおよびその駆動方法

【課題】複数の駆動型の利点を採り、駆動型に関連する不利益を被らず、動画、静止画の別なく一貫した最適化された表示品質を提供すること。
【解決手段】光源と、イメージデータの少なくとも1つの参照フレームを記憶する記憶部とを備えるディスプレイ装置において、駆動方法は、イメージデータの現フレームを受け取り、前記イメージデータの現フレームのピクセルと前記イメージデータの参照フレームの対応するピクセルの間でグレーレベルを比較し、前記イメージデータの現フレームと前記イメージデータの参照フレームにおいて異なるグレーレベルを有するピクセルのピクセル量を決定し、かつ前記決定されたピクセル量に基づいて、前記光源の発光負荷時間率と振幅の少なくとも一方を計算し出力するとともに現フレームを表示することを含む。ディスプレイ装置は上記駆動方法を実行する、比較部と光源制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は台湾特許出願第93138544号(2004年12月13日出願)の優先権の主張を伴い、同出願の内容全体が本明細書において参照される。
【0002】
技術分野
本開示内容はディスプレイ装置とその駆動方法に関し、特に液晶ディスプレイ(LCD)およびその駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
背景技術
情報の時代の到来とともに情報提示媒体としてのディスプレイ装置に対する需要がますます増加している。陰極線管(ブラウン管)(CRT)ディスプレイは表示性能がよく、かつ技術的に成熟しており、ここ数十年にわたってディスプレイ市場を席巻してきた。しかしながら、最近開発されたLCDのような最先端技術製品はより薄型化、より小型化される傾向がある。従って、今までよりも表示品質が高く、専有面積が狭く、消費電力が少なく、放射線技術を用いないというような利点を持つLCDが徐々に従来のCRTディスプレイに取って代わり、ディスプレイ市場の主流となりつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の2種類のディスプレイにはともに利点と欠点を有する。CRTディスプレイはインパルス型駆動で発光する電子ビームを使用する。換言すれば、あるフレーム時間(60Hzのリフレッシュ速度(垂直走査周波数ともいう)で約16.7ミリ秒(ms))において、CRTディスプレイのピクセル輝度(ブライトネス)の振幅が経時変化するので、CRTディスプレイは動画フレームを表示するのに適合されている。しかしながら、静止画フレームを表示するときは、そのようなCRTディスプレイはちらつきの問題が生じ易い。そのようなちらつく静止画フレームを長時間視つめていると視聴者の目に不快感が残ることがある。
【0005】
液晶ディスプレイはほとんどが駆動されると一時待機(ホールド)型の発光をする。換言すれば、各フレーム時間において、バックライト光源は動画フレームを表示するときに人間の目の視覚特性によるフレームぶれの問題が生じる。
【0006】
ディスプレイ性能を向上するために、いくつかのLCDディスプレイでは、動画フレームを表示するのにインパルス型バックライト光源が使用されている。そのようなLCDディスプレイは、動画フレームを表示するときには、CRTディスプレイと同等の性能を有するけれども、静止画フレームを表示するときには、残念ながらCRTと同様に性能が低いという難点がある。
【0007】
発明の要約
一態様に従えば、光源と、イメージデータの少なくとも1つの参照フレームを記憶する記憶部とを備えるディスプレイ装置の駆動方法は、イメージデータの現フレームを受け取り、前記イメージデータの現フレームのピクセルと前記イメージデータの参照フレームの対応するピクセルの間でグレーレベルを比較し、前記イメージデータの現フレームと前記イメージデータの参照フレームにおいて異なるグレーレベルを有するピクセルのピクセル量を決定し、かつ前記決定されたピクセル量に基づいて、前記光源の発光負荷時間率と振幅野少なくとも一方を計算し出力するとともに現フレームを表示することを含む。
【0008】
別の態様に従えば、フラットパネルディスプレイは、ディスプレイパネルと、前記フラットパネルディスプレイの背後に配置されたバックライト光源と、前記ディスプレイパネルと前記バックライト光源とに電気的に接続されたデータ制御回路とを備え、前記データ制御回路は、イメージデータの現フレームを受領し、これをイメージデータの参照フレームと比較する比較部と、前記比較部に電気的に接続された、前記比較部に格納されたフレームイメージデータ記憶部であって前記フレームイメージデータ格納部内に格納された前記イメージデータの参照フレームを前記比較部に出力するフレームイメージデータ格納部と、前記バックライト光源と前記比較部とに電気的に接続された光源制御部であって、前記バックライト光源の少なくとも駆動パラメータを前記比較部から受領した比較結果に基づいて制御する光源制御部とを備える。
【0009】
本明細書に開示された実施形態に関連する本発明の目的、特徴および利点はそのような非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明かになるであろう。以下の説明は添付図面を参照してなされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の開示された実施形態並びにその目的および利点は、添付図面を参照した以下の詳細な説明からよく理解されるであろう。添付図面において、類似の参照符号は類似の部材に対して本明細書において一貫して用いられる。
【0011】
本発明の開示されている実施形態について添付図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は多数の異なった形態に具現することが可能であり、本明細書に開示されている実施形態に限定されると解してはならない。これらの実施形態はこの開示内容が完全に、本発明の範囲を当業者に良く知らしめるためのものである。
【0012】
開示された実施形態において、液晶のバックライト光源の駆動が、表示されるべきフレームが静止画であるか、または動画であるかの判断を考慮して行われる。次いで、適切な駆動型が選択され、このようにして液晶ディスプレイの表示品質が改善される。
【0013】
本発明の一実施形態に従う液晶ディスプレイはI×J個のピクセルを有する表示パネルと、バックライト光源と、イメージデータの少なくとも一つのフレームを有するデータ制御回路とを備える。図1は本発明の第1の実施形態に従う駆動方法を示すフローチャートである。
【0014】
図1を参照すると、まず工程S100が処理されてイメージデータのM番目のフレームがデータ制御回路に入力される。この制御回路は、その内部にイメージデータの参照フレーム、例えばM−1番目のフレームを格納してある。しかしながら、−1番目以外の前のフレームを制御回路内に参照フレームとして格納することも本発明の範囲内である。次いで、工程102が処理されてイメージデータのM番目のピクセルのグレーレベルと、イメージデータの参照フレーム、例えばM−1番目のフレームの対応するピクセルのグレーレベルを比較する。次いで、工程S104で示されるように、イメージデータのM番目のフレームが出力されて液晶ディスプレイのディスプレイパネル上に表示される。
【0015】
その後、工程S106が処理されてイメージデータのM番目のフレームとイメージデータのM−1番目のフレームにおける異なるグレーレベルを有するピクセルの量N(M)をカウントする。工程S102とS106のいずれかの工程の前、後または同時に工程S104を処理することは本発明の範囲内である。本発明の開示された実施形態において、ノイズにより引き起こされる不正確な計数が行われないようにするために、閾値グレーレベル差が設定される。例示的な一実施形態では、閾値グレーレベル差が処理すべき8−ビット(256グレーレベル)イメージデータに対して8に設定される。しかしながら、本発明は閾値グレーレベル差をなんらかの特定の値に限定するものではなく、閾値グレーレベル差をアプリケーションや実際上の要請に従って選択することも本発明の範囲内である。一実施形態に従えば、ピクセル量N(M)を計算する式は、例えば、次式(1)の通りである。
【0016】
【数1】

【0017】
ここに、イメージデータのM番目のピクセル(i,j)とイメージデータのM−1番目のフレームの対応するピクセル(i,j)の間のグレースケールレベル差が閾値グレーレベル差に等しいかそれよりも大きいならば、Z(M)(i,j)=1であり;イメージデータのM番目のピクセル(i,j)とイメージデータのM−1番目のフレームの対応するピクセル(i,j)の間のグレースケールレベル差が閾値グレーレベル差よりも小さいならば、Z(M)(i,j)=0である。
【0018】
ピクセル量 N(M)の計数が終了した後、工程S108が処理されて、バックライト光源の発光負荷時間率(または動作周期)Dと発光振幅Aを制御する信号を計算し出力する。この実施形態に従えば、例えば、発光負荷時間率Dはピクセル量N(M)の関数D[N(M)]であり、例えば、発光振幅Aも、また、ピクセル量N(M)の関数A[N(M)]である。発光負荷時間率Dは次式(2)により定義される。
【0019】
【数2】

【0020】
ここに、Dlimit はバックライト光源の閾値発光負荷時間率であり、Nmax は閾値ピクセル量である。
【0021】
バックライト光源からの放射光の輝度Yは発光負荷時間率D[N(M)]と発光振幅A[N(M)]との積で定義され、ここに輝度Yは定数であり、例えばユーザーにより設定される。従って、バックライト光源の発光負荷時間率が小さ過ぎると、輝度Yを一定に保つために比較的大きい発光振幅A[N(M)]が必要になる。少なくともCRTディスプレイ並の動画フレームの表示品質を提供するために、バックライト光源の閾値発光負荷時間率を適切に設定して発光負荷時間率が0に近づくこと、および発光振幅Aが無限大に近づくことを防止する。Dlimit はD[N(M)]とり得る最小値を設定する。この実施形態では、閾値発光負荷時間率Dlimit は、例えば25%の値を持つ。この場合も、本発明は発光負荷時間率Dlimit をいかなる特定値にも限定するものではなく、本発明は発光負荷時間率Dlimit をアプリケーションまたは実際上の要請に従って選択することは本発明の範囲内である。
【0022】
ピクセル量N(M)はI×Jに等しくなることはかならずしも必要ではない。すなわちM番目のフレームは全体として前の、すなわちM−1番目のフレームとグレーレベルが完全に異なっている必要はないが、これはM番目のフレームは動画フレームであると考えられるからである。人間の視覚の特質から、フレームのデータの一部だけが前のフレームの対応するデータから異なっている場合でさえも、フレームは動画フレームであるとみなすことができる。従って、適切な最大閾値ピクセル量Nmax が設定される。N(M)>Nmax であるならば、M番目のフレームは「動画」であり、N(M)>Nmax 以外であるならば、「静止画」である。ここに、本実施形態ではNmax を0.1×I×Jすなわち、液晶ディスプレイの解像度の10%に設定している。換言すると、N(M)>Nmax であるならば、ディスプレイの90%が「移動した」と考えられ、M番目のフレームは「動画」と呼ばれる。さらに、この実施形態に従えば、N(M)がNmax よりも大であるならば、式(2)において、N(M)はNmax に等しいとみなされる。
【0023】
別の実施形態では、Nmax はゼロに設定される。式(1)および式(2)から、液晶ディスプレイが静止画フレームを表示するときは、イメージデータのM番目のフレームのピクセルとイメージデータのM−1番目のフレームの対応するピクセルとの間の生じ得るグレーレベル差はノイズによるもののみである。従って、図2−1に示すように、式(1)により得られる静止画フレームに対するピクセル品質N(M)は0であり、一方、式(2)により得られるバックライト光源の発光負荷時間率D[N(M)]は1である。換言すると、静止画を表示するときは、本発明の開示された実施形態に従う液晶ディスプレイはホールド型の駆動方法を用いてバックライト光源を駆動するので、フレームのちらつきとそれによる視聴者の不快感とが防止される。
【0024】
動画フレームの表示に関しては、イメージデータのM番目のフレームのピクセルとイメージデータのM−1番目のフレームの対応するピクセルとの間でグレーレベルが異なるピクセルの量は式(1)により得ることができる。その後、式(2)を用いてバックライト光源の必要な発光負荷時間率D[N(M)]を得る。図2−2に示すように、動画フレームに対しては1未満である。換言すれば、開示されている実施形態の液晶はインパルス型駆動方法を用いてバックライト光源を駆動して動画フレームをより明瞭に表示している。
【0025】
注意すべきは、バックライト光源の輝度Yは発光負荷時間率D[N(M)]と発光振幅A[N(M)]との積として定義され、ここに、バックライト光源の輝度Yは定数である。換言すれば、図2−2における発光負荷時間率と発光振幅との積は、図2−1における発光負荷時間率と発光振幅との積に等しい。すなわち、Y=D[N(M)]×A[N(M)]=D[N(K)]×A[N(K)]であり、ここに、MおよびKは正の整数であり、かつM≠Kである。例えば、図2−1に示すように、発光負荷時間率D[N(M)]は1であり、発光振幅A[N(K)はAに等しい。従って、発光負荷時間率D[N(K)]が、例えば50%であるならば、図2−2の発光振幅A[N(K)]は2Aに等しい。従って、バックライト光源により出力される輝度Yを本発明に従って決定することが可能である。
【0026】
前述の実施形態ではステップS100において比較すべきであると図示されているのはイメージデータのM番目のフレームとイメージデータのM−1番目のフレームだけであるけれども、本発明の範囲はそのような実施形態に限定されない。以下に、もう一つの実施形態を示して、本発明に従うさらなる駆動方法を説明する。
【0027】
図3は本発明のさらなる実施形態に従う駆動方法を示すフローチャートである。この実施形態に従えば、液晶ディスプレイのデータ制御回路は、例えば、1×RのアレイSを内部に備えており、このアレイSは要素S[1]、S[2]、S[3]...、S[R]を含む。ここに、すべての要素の初期値は0である、すなわち、S[1]=S[2]=S[3]=...S[R]である。換言すれば、液晶ディスプレイが駆動される前は、S[1]=S[2]=...S[R]=0である。
【0028】
図3に示す駆動方法は、図1に示す駆動方法の工程S100〜S106を備えている。図1に示す駆動方法とは異なり、工程S106の後、工程S300が処理されて工程S106で得られたピクセル量N(M)をアレイSに格納する。ここに、アレイSはS=[N(M)、N(M−1)、N(M−1)、N(M−2)...、N(M−(R−1))]のフォーマットを有する。換言すれば、工程S300が実行されて、M番目のフレームと関連するピクセル量N(M)をアレイSの要素S[1]として格納し、M−1番目のフレームと関連するピクセル量N(M−1)をアレイSの要素S[2]の要素として格納する、等々であり、最後にM−(R−1)番目のフレームに関連するピクセル量N(M−(R−1))をアレイSの要素S[R]として格納する。
【0029】
次いで、工程S302が実行されて、アレイSに格納されたピクセル量に従って平均ピクセル量を計算する。重み付き平均ピクセル量N’(M)が、アレイSに格納されたピクセル量に重み付け計算を行うことにより得られる。その計算式は次式(3)である。
【0030】
【数3】

【0031】
ここに、ar はアレイSの要素S[r]の重み付き指数であり、この重み付き指数ar は、例えばar+1 に等しいかそれよりも大きい。換言すれば、時系列において前のフレームがM番目のフレームに近いほど前のフレームに関連するピクセル量Nに大きい重みが与えられる。しかしながら、重み付け指数ar の値のこの構成は本発明の範囲を限定するものではなく、他の構成が排除されるものではない。
【0032】
工程S30が実行されてバックライト光源の発光負荷時間率Dと発光振幅Aを計算し、出力する。発光負荷時間率Dは、例えば、重み付き平均ピクセル量N’(M)の関数D[N’(M)]であり、例えば次式(4)により定義される。
【0033】
【数4】

【0034】
ここに、発光振幅Aは、例えば、重み付き平均ピクセル量N’(M)の関数 A[N’(M)]であり、例えば、バックライト光源の輝度Yをバックライト光源の発光負荷時間率D[N’(M)]で除した値に等しい。
【0035】
この実施形態に従うバックライト光源の発光負荷時間率D[N’(M)]の計算式は図1を参照して説明した実施形態の式(2)と類似している。もっとも重要な差は、単一のフレーム、すなわちM番目のフレームに関連するピクセル量N(M)がM−(R−1)番目のフレームからM番目のフレームまでの複数のフレームに関連する複数のピクセル量の重み付き平均に置き替えられていることである。
【0036】
また、式(3)および式(4)から、この実施形態では、静止画フレームまたは動画フレームのいずれかを表示するときはバックライト光源を駆動するのに、適切な異なる駆動型を選択することが可能であることがわかる。
【0037】
本発明の開示された実施形態に従う駆動型を実行することが可能な液晶ディスプレイを以下に説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0038】
図4は本発明の一実施形態に従う液晶ディスプレイを示す概略ブロック図である。図4を参照すると、本発明の実施形態に従うフラットパネルディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ400である。液晶ディスプレイ400はディスプレイパネル410、バックライト光源420、およびデータ制御回路430を備えている。バックライト光源420はディスプレイパネル410の下方に配置され、バックライトをディスプレイパネル410に供給する。データ制御回路430はディスプレイパネル410とバックライト光源420とに電気的に接続されており、一般に比較部432と、フレームイメージデータ記憶部434と、光源制御部438とを備えている。
【0039】
比較部432は、イメージデータのM−1番目のフレーム(フレームM−1)をフレームイメージデータ記憶部434から受取り、ピクセルのグレーレベルを、イメージデータの記憶されたM−1番目のフレーム(フレームM−1)とイメージデータの入力されたM番目のフレーム(フレームM)の間で比較し、次いでイメージデータのM番目のフレーム(フレームM)をディスプレイパネル410に出力するように構成されている。イメージデータのM−1番目のフレーム(フレームM−1)は、例えば、比較部432に電気的に接続されたフレームイメージデータ記憶部434に記憶される。イメージデータのM番目のフレーム(フレームM)が比較部432に入力されると(図1の工程100)、このフレームはフレームイメージデータ記憶部434にも入力され、そこに記憶され、次のフレーム、すなわちイメージデータのM+1番目のフレーム(フレーム(M+1))と比較される。比較結果N(M)は光源制御回路438に直接出力され、発光負荷時間率Dと発光振幅Aが計算される。構成要素432、434および438を備えたデータ制御回路430のこの構造は、図1を参照して説明した駆動方法を実行するのに十分な構成である。
【0040】
イメージデータのさらに前のフレームを用いて図3を参照して説明した駆動方法を実行するために、データ制御回路430は、さらに、フレームイメージ重み付けフィルター436を備えている。フレームイメージ重み付けフィルター436は比較部432に電気的に接続されており、比較部432から出力された複数の比較結果を受け取る。フレームイメージ重み付けフィルターは内部に1×RのアレイSを備えている。アレイSは要素S[1]、S[2]、S[3]...、S[R]を含み、上述のように、すべての要素の初期値は0である、すなわち、S[1]=S[2]=S[3]=...S[R]である。フレームイメージ重み付けフィルターが比較部432から受け取ったピクセル量はアレイSに格納されるが、アレイSは上述のように、S=[N(M)、N(M−1)、N(M−1)、N(M−2)...、N(M−(R−1))]のフォーマットを有する。上述の比較結果を用いてイメージ重み付けフィルター436は、上述のように、重み付き分布、例えば、重み付き平均ピクセル量N’(M)を計算する。次いで、重み付き平均ピクセル量N’(M)は光源制御回路438に出力される。光源制御回路437は、例えばバックライト光源負荷時間率制御器438aと、バックライト光源振幅制御器438bとを備えている。
【0041】
計算結果、すなわちN’(M)をフレームイメージ重み付けフィルター436から受け取り、要求されたバックライト光源負荷時間率Dと発光振幅Aとを決定した後、光源制御回路438は適切な駆動電圧または電流を出力して、得られた値DおよびAに従ってバックライト光源420を駆動する。従って、液晶ディスプレイ400はディスプレイパネル410に入力されたイメージデータに従ってイメージを表示する。バックライト光源420の発光負荷時間率Dはバックライト光源負荷率制御器438aにより制御され、発光振幅Aはバックライト光源振幅制御器438bにより制御される。バックライト光源負荷率制御器438aとバックライト光源振幅制御器438bは異なるフレームの発光負荷時間率Dと発光振幅Aの積を一定に維持し、そのようにしてバックライト光源の輝度を、ユーザーが調整しない限り、変化しないように維持する。
【0042】
本発明の開示された実施形態はフレームの現状に従って適切な駆動型を選択する駆動方法を提供する。本発明の開示された実施形態は、さらに、動画フレームと静止画フレームの両方を表示する際に最適化された表示品質を提供するように構成された液晶ディスプレイを提供する。本発明の開示された実施形態に従えば、イメージデータの一つのフレームがまず液晶ディスプレイに入力され、次いでイメージデータの現フレームのピクセルとイメージデータの少なくとも前のフレームのピクセルとの間でグレーレベルが比較され、ピクセル量N(M)がカウントされ、このピクセル量現フレームN(M)に従って現フレームが動画状態であるか静止画状態であるかが判定される。この計算結果を用いてバックライト光源負荷時間率が決定される。
【0043】
例えば、Nmax =0のであり、かつ計算結果がゼロでないときは、現フレームは動画であるとみなされ、従って、バックライト光源は(例えば図2−2に示すように)インパルス型で駆動され、現動画フレームが明瞭に表示される。それ以外、すなわち、計算結果が0であるときは、フレームは静止画フレームであるとみなされ、従って、バックライト光源は(例えば、図2−1に示すように)ホールド型で駆動され、ちらつきが防止される。
【0044】
要約すると、本発明の開示された実施形態は適切な駆動型、例えばインパルス型またはホールド型を用いて、表示すべきフレームが動画であるか静止画であるかの決定に従って液晶ディスプレイを駆動している。換言すれば、本発明の開示された実施形態に従う駆動方法で駆動される液晶ディスプレイは、複数の駆動型、例えばインパルス型とホールド型の両方の利点を採り、駆動型に関連する不利益を被ることがない。従って、液晶ディスプレイは、表示されるフレームが静止画であるか動画であるかにかかわらず、一貫した最適化された表示品質を提供する。
【0045】
本発明を例示として開示された実施形態に関して説明したが、本発明はそれらに限定されないことが了解されるべきである。逆に、本発明は種々の変更並びに類似の構成および手順を網羅することを意図したものであり、従って添付の特許請求の範囲はそのような全ての変更および類似の構成および手順を包含するようにもっとも広く解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態に従う駆動方法を示すフローチャートである。
【図2−1】本発明の一実施形態に従う、静止画フレームを表示するバックライト光源の駆動電圧を表示する図である。
【図2−2】本発明の一実施形態に従う、動画フレームを捧持するバックライト光源の駆動電圧を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に従う駆動方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に従う液晶ディスプレイを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0047】
400 液晶ディスプレイ
410 ディスプレイパネル
420 バックライト光源
430 データ制御回路
432 比較部
434 フレームイメージデータ記憶部
438 光源制御部
436 フレームイメージ重み付けフィルター
438a 光源負荷時間率制御器
438b バックライト光源振幅制御器
N(M) ピクセル量
A 発光振幅
A[N(M)] 関数
r 、ar+1 重み付き指数
D 発光負荷時間率
D[N(M)]、D[N’(M)] 関数
limit 閾値発光負荷時間率であり、
max 閾値ピクセル量
N’(M) 重み付き平均ピクセル量
S アレイ
Y 放射光の輝度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、イメージデータの少なくとも1つの参照フレームを記憶する記憶部とを備えるディスプレイ装置の駆動方法であって、
イメージデータの現フレームを受け取り、
前記イメージデータの現フレームのピクセルと前記イメージデータの参照フレームの対応するピクセルの間でグレーレベルを比較し、
前記イメージデータの現フレームと前記イメージデータの参照フレームにおいて異なるグレーレベルを有するピクセルのピクセル量を決定し、
かつ前記決定されたピクセル量に基づいて、前記光源の発光負荷時間率と振幅の少なくとも一方を計算し出力するとともに現フレームを表示する
ことを含む、ディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項2】
前記イメージデータの現フレームはI×Jピクセルを有するM番目のフレームであり、前記イメージデータの現フレームに関連する前記ピクセル量N(M)は、次式
【数1】

(ここに、イメージデータのM番目のピクセル(i,j)とイメージデータのM−1番目のフレームの対応するピクセル(i,j)の間のグレースケールレベル差が閾値グレーレベル差に等しいかそれよりも大きいならば、Z(M)(i,j)=1であり;イメージデータのM番目のピクセル(i,j)とイメージデータのM−1番目のフレームの対応するピクセル(i,j)の間のグレースケールレベル差が閾値グレーレベル差よりも小さいならば、Z(M)(i,j)=0である)により決定されることを特徴とする請求項1に記載の駆動方法。
【請求項3】
前記閾値グレーレベル差は2に等しいかそれより大であることを特徴とする請求項2に記載の駆動方法。
【請求項4】
前記発光負荷時間率Dは前記ピクセル量N(M)の関数D[N(M)]であり、前記光源の振幅Aは前記ピクセル量N(M)の関数A[N(M)]であることを特徴とする、請求項1に記載の駆動方法。
【請求項5】
前記発光負荷時間率Dは次式
【数2】

(ここに、Dlimit は前記光源の閾値発光負荷時間率であり、Nmax は閾値ピクセル量を表す)により定義されることを特徴とする、請求項4に記載の駆動方法。
【請求項6】
前記ピクセル量[N(M)]が前記閾値ピクセル量Nmax よりも大きいならば、前記ピクセル量[N(M)]は前記閾値ピクセル量Nmax に等しいことを特徴とする、請求項5に記載の駆動方法。
【請求項7】
前記バックライト光源の前記閾値発光負荷時間率Dlimit は25%に等しいかまたはそれより大きいことを特徴とする、請求項5に記載の駆動方法。
【請求項8】
前記閾値ピクセル量Nmax は前記表示装置のピクセル解像度の10%に等しいかそれより少ないことを特徴とする、請求項5に記載の駆動方法。
【請求項9】
前記表示装置は、さらに1×RのアレイSを備え、かつ前記方法は、さらに、
前記イメージデータの現フレーム、M番目のフレームと関連する前記ピクセル量N(M)を決定した後に、前記決定されたピクセル量N(M)をアレイSに格納する工程を含み、前記アレイSはS=[N(M)、N(M−1)、N(M−1)、N(M−2)...、N(M−(R−1))]のフォーマットを有し、Rは前記参照フレームの量を表す
ことを特徴とする、請求項1に記載の駆動方法。
【請求項10】
前記光源の前記発光負荷時間率Dと振幅Aを制御する信号を計算し、出力する工程の前に、前記方法は、さらに、
前記アレイSに基づいて平均ピクセル量を計算する工程
を含むことを特徴とする、請求項9に記載の駆動方法。
【請求項11】
前記平均ピクセル量は、重み付き平均ピクセル量N’(M)として計算され、N’(M)は次式
【数3】

(ここに、S[r]はアレイSのr番目の要素であり、r=1、2、...、またはRであり、ar はアレイSの要素S[r]の重み付き指数であり、前記発光負荷時間率Dは前記重み付き平均ピクセル量N’(M)の関数D[N’(M)]であり、前記振幅Aは前記重み付き平均ピクセル量N’(M)の関数A[N’(M)]である)により計算される
ことを特徴とする、請求項10に記載の駆動方法。
【請求項12】
前記アレイSの前記要素S[r]の前記重み付き指数ar は、ar ≧ar+1 ≧0を満たすことを特徴とする、請求項11に記載の駆動方法。
【請求項13】
前記光源の前記発光負荷時間率Dは
【数4】

(ここに、Dlimit は前記光源の閾値発光負荷時間率であり、Nmax は閾値ピクセル量を表す)として定義されることを特徴とする、請求項11に記載の駆動方法。
【請求項14】
前記閾値ピクセル量Nmax は前記表示装置のピクセル解像度の10%に等しいかそれより少ないことを特徴とする、請求項13に記載の駆動方法。
【請求項15】
前記光源の前記閾値発光負荷時間率Dlimit は25%に等しいかまたはそれより大きいことを特徴とする、請求項13に記載の駆動方法。
【請求項16】
ディスプレイパネルと、
前記フラットパネルディスプレイの背後に配置されたバックライト光源と、
前記ディスプレイパネルと前記バックライト光源とに電気的に接続されたデータ制御回路とを備え、
前記データ制御回路は、
イメージデータの現フレームを受領し、これをイメージデータの参照フレームと比較する比較部と、
前記比較部に電気的に接続された、前記比較部に格納されたフレームイメージデータ記憶部であって前記フレームイメージデータ格納部内に格納された前記イメージデータの参照フレームを前記比較部に出力するフレームイメージデータ格納部と、
前記バックライト光源と前記比較部とに電気的に接続された光源制御部であって、前記バックライト光源の少なくとも駆動パラメータを前記比較部から受領した比較結果に基づいて制御する光源制御部とを備える、
ことを特徴とするフラットパネルディスプレイ。
【請求項17】
前記光源制御部は、さらに、バックライト光源発光負荷時間率制御器とバックライト光源振幅制御器とを備え、前記バックライト光源の発光負荷時間率が前記バックライト光源発光負荷時間率制御器により制御され、かつ前記バックライト光源の発光振幅が前記バックライト光源振幅制御器により制御される
ことを特徴とする請求項16に記載のフラットパネルディスプレイ。
【請求項18】
前記データ制御回路は、さらに、前記比較部に電気的に接続され、前記比較部から出力された比較結果を受け取り、前記比較結果の重み付き分布を計算する重み付けフィルターを備えることを特徴とする、請求項16に記載のフラットパネルディスプレイ。
【請求項19】
前記フレームイメージ重み付けフィルターは、さらに、前記フレームイメージ重み付けフィルターが受け取った前の比較結果を格納するアレイ記憶装置を備えることを特徴とする、請求項18に記載のフラットパネルディスプレイ。
【請求項20】
前記フラットパネルディスプレイは液晶ディスプレイであることを特徴とする、請求項16に記載のフラットパネルディスプレイ。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−171737(P2006−171737A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−355915(P2005−355915)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(599142729)奇美電子股▲ふん▼有限公司 (19)
【Fターム(参考)】