説明

液晶表示装置

【課題】コスト上昇を抑えつつ、黒浮きが目立つのを抑制できる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶パネル16と、液晶パネル16に対して光を照射するLEDバックライト18と、LEDバックライト18を駆動するバックライト駆動部19と、を備える液晶表示装置1において、液晶パネル16の表示領域は、複数のサブ表示領域Sに分割され、LEDバックライト18は、複数のサブ表示領域Sの各々に対応する複数の光源Lから成り、バックライト駆動部19は、複数の光源Lの各々に対応して設けられた複数の光源ドライバDを備え、表示領域の端部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズは、当該表示領域の中央部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズよりも小さくなるよう設定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、液晶パネルの背面側からバックライト光を照射することで、液晶パネル上に画像を映出するようになっている。
【0003】
液晶表示装置として、配列された複数のLED(Light Emitting Diode)を光源とするLEDバックライトを用いた液晶表示装置が知られている。このような液晶表示装置においては、複数のサブ表示領域に分割された液晶パネルと、そのサブ表示領域の各々に対応する複数の光源(光源の各々は、複数のLEDを備えている)から成るLEDバックライトと、を備えており、LEDバックライトを光源単位で駆動するようになっている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
LEDバックライトにおいて、各光源の発光輝度は、例えば、対応するサブ表示領域内の画素のうち、最も明るい画素の画像信号(輝度信号)に基づいて決定される。したがって、例えば、サブ表示領域内の画素の中に、光源が出力可能な最大発光輝度が必要な画素(高輝度の画素)が1つでもあれば、他の画素が低輝度であっても、その高輝度の画素を表示するために、光源を最大発光輝度で発光させることになるため、低輝度の部分が黒浮きしてしまうという問題がある。特に室内が暗い場合等、液晶パネルの表示領域の中でも、表示領域の端部の黒浮きが目立つという問題がある。
【0005】
特許文献1においては、黒浮きの発生を防止するために、画像信号に基づいて点灯された分割領域(点灯光源)に隣接する非点灯領域(非点灯光源)の一定幅の隣接領域(隣接光源)を、その点灯された分割領域の発光輝度よりも小さい発光輝度にて点灯させる点灯動作を行うようになっている。
【特許文献1】特開2008−51905号公報
【特許文献2】特開2005−258403号公報
【特許文献3】特開2001−142409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法では、非点灯光源である隣接光源を発光させるため、本来は点灯させる必要のない光源を点灯させることになり、余分な電力を消費してしまうという問題がある。
また、サブ表示領域をより細かく設定すればするほど、各光源の発光輝度をより細かく設定できるため、黒浮きの問題は低減されるが、その場合、各光源を駆動させるドライバの個数が増え、コストアップしてしまうという問題がある。
【0007】
本発明の課題は、コスト上昇を抑えつつ、黒浮きが目立つのを抑制できる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
液晶パネルと、当該液晶パネルに対して光を照射するバックライトと、当該バックライトを駆動するバックライト駆動部と、を備える液晶表示装置において、
前記液晶パネルの表示領域は、複数のサブ表示領域に分割され、
前記バックライトは、前記複数のサブ表示領域の各々に対応する複数の光源から成り、
前記バックライト駆動部は、前記複数の光源の各々に対応して設けられた複数のドライバを備え、
前記表示領域の端部に位置する前記サブ表示領域の領域サイズは、当該表示領域の中央部に位置する前記サブ表示領域の領域サイズよりも小さくなるよう設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記液晶パネルの表示領域の周囲を取り囲む黒色のベゼルを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、
液晶パネルと、当該液晶パネルに対して光を照射するLEDバックライトと、当該LEDバックライトを駆動するバックライト駆動部と、を備える液晶表示装置において、
前記液晶パネルの表示領域の周囲を取り囲む黒色のベゼルを備え、
前記液晶パネルの表示領域は、複数のサブ表示領域に分割され、
前記LEDバックライトは、前記複数のサブ表示領域の各々に対応する複数の光源から成り、
前記バックライト駆動部は、前記複数の光源の各々に対応して設けられた複数のドライバを備え、
前記表示領域の上下左右端部に位置する前記サブ表示領域の領域サイズは、当該表示領域の中央部に位置する前記サブ表示領域の領域サイズよりも小さくなるよう設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、液晶パネルと、当該液晶パネルに対して光を照射するバックライトと、当該バックライトを駆動するバックライト駆動部と、を備える液晶表示装置において、液晶パネルの表示領域は、複数のサブ表示領域に分割され、バックライトは、複数のサブ表示領域の各々に対応する複数の光源から成り、バックライト駆動部は、複数の光源の各々に対応して設けられた複数のドライバを備え、表示領域の端部に位置するサブ表示領域の領域サイズは、当該表示領域の中央部に位置するサブ表示領域の領域サイズよりも小さくなるよう設定されている。
すなわち、表示領域の端部におけるサブ表示領域を、表示領域の中央部におけるサブ表示領域よりも細かく設定しているため、表示領域の全てにおけるサブ表示領域を細かく設定する場合と比較して、各光源を駆動させるドライバの個数が増えるのを抑えることができる。また、表示領域の端部、すなわち、室内が暗い場合に黒浮きが目立つ部分のサブ表示領域を細かく設定しているため、表示領域の端部における各光源の発光輝度をより細かく設定することができる。したがって、コスト上昇を抑えつつ、黒浮きが目立つのを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図を参照して、本発明にかかる液晶表示装置の最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
本実施の形態では、バックライトとしてLEDバックライトを例示して説明することとする。
【0013】
図1は、本実施形態の液晶表示装置の正面図の一例であり、図2は、本実施形態の液晶表示装置の機能的構成を示すブロック図の一例である。
【0014】
本実施形態の液晶表示装置1は、例えば、入力された画像信号に基づく画像を表示する液晶ディスプレイである。
液晶表示装置1の正面側には、例えば、図1に示すように、液晶パネル16と、液晶パネル16の表示領域の周囲を取り囲むベゼル10と、などが配置されている。本実施形態の液晶表示装置1において、ベゼル10の色は、黒色であるとする。
【0015】
液晶表示装置1は、例えば、図2に示すように、信号入力部11と、映像処理部12と、タイミング制御部13と、フレームメモリ14と、輝度算出部15と、液晶パネル16と、液晶駆動部17と、LEDバックライト18と、バックライト駆動部19と、補正部20と、制御部21と、等を備えて構成される。
【0016】
液晶パネル16は、その表示領域を予め定められた分割方法で分割した複数のサブ表示領域S…から構成されている。また、液晶パネル16の背面側に配置され、液晶パネル16に対して光を照射するLEDバックライト18も同様に、各サブ表示領域S…に対応する複数の光源L…から構成されている。
【0017】
図3(a)は、液晶パネル16の表示領域を構成するサブ表示領域Sを説明するための図であり、図3(b)は、LEDバックライト18を構成する光源Lを説明するための図である。
【0018】
図3(a)に示すように、本実施形態の液晶表示装置1では、液晶パネル16の表示領域が、64個のサブ表示領域Sに分割されている。そして、液晶パネル16の表示領域の上下左右端部に位置するサブ表示領域S…の領域サイズは、液晶パネル16の表示領域の上下左右端部以外の部分(液晶パネル16の表示領域の中央部)に位置するサブ表示領域S…の領域サイズよりも小さくなるよう設定されている。
具体的には、例えば、図3(a)に示すように、液晶パネル16の表示領域の中央部(すなわち、図3(a)においてドットで塗りつぶした領域)は、縦4個×横8個のサブ表示領域Sの等分割されている。また、液晶パネル16の表示領域の上下端部における、表示領域の中央部と接する部分は、縦1個×横8個のサブ表示領域Sに等分割されており、この上下端部のサブ表示領域Sの縦の長さは、中央部のサブ表示領域Sの縦の長さの略半分、この上下端部のサブ表示領域Sの横の長さは、中央部のサブ表示領域Sの横の長さと略同一となるように設定されている。また、液晶パネル16の表示領域の4つの角部は、上下端部のサブ表示領域Sと略同一サイズで上下方向に長尺なサブ表示領域Sに分割されており、液晶パネル16の表示領域の左右端部における、4つの角部のサブ表示領域以外の部分は、縦6個×横1個のサブ表示領域Sに等分割されており、この左右端部のサブ表示領域Sの縦の長さは、中央部のサブ表示領域Sの縦の長さの略半分、この左右端部のサブ表示領域Sの横の長さは、中央部のサブ表示領域Sの横の長さの略半分となるように設定されている。
【0019】
また、図3(b)に示すように、本実施形態の液晶表示装置1では、LEDバックライト18が、サブ表示領域Sの各々に対応する64個の光源Lから構成されている。すなわち、液晶パネル16を構成する各サブ表示領域Sと、LEDバックライト18を構成する各光源Lとは、一対一の対応関係にあり、光源Lの正面視サイズは、その光源Lに対応するサブ表示領域Sの領域サイズと同一となるよう設定されている。
後述するように、LEDバックライト18を構成する各光源Lは、対応するサブ表示領域S内の画素の画像信号から算出された発光輝度で発光されるようになっている。また、これらの各光源Lは、複数のLEDを備えており、複数のLEDのうち、制御部21により指定されたLEDのみが発光されるようになっている。
【0020】
信号入力部11は、例えば、テレビジョン放送信号を受信するアンテナ及びチューナや、外部装置からの画像信号を受信する各種映像端子などを備えて構成されており、例えば、入力される画像信号を受信する。
【0021】
映像処理部12は、例えば、A/D変換回路、RGB生成回路、画質調整回路等を備えて構成されており、例えば、信号入力部11により受信された画像信号に基づいて、RGBのデジタル画像信号を生成し、液晶パネル16の画素数に応じたスケーリング処理を行って、1フレーム分の画像信号を生成する。さらに、例えば、1フレーム分の画像信号に対して、制御部21から入力される画質調整信号に基づいて、ブライトネス、コントラスト、色の濃さ、色合い、シャープネス等の各種画質調整を行う。
【0022】
タイミング制御部13は、例えば、信号入力部11により受信された画像信号に基づいて、1ライン期間を示すタイミング信号と、1フレーム期間を示すタイミング信号と、を生成して、液晶表示装置1を構成する各部に供給する。
【0023】
フレームメモリ14は、例えば、映像処理部12により各種画像調整が施された画像信号をフレーム単位で蓄積する。
【0024】
輝度算出部15は、例えば、フレームメモリ14に蓄積された1フレーム分の画像信号に基づいて、サブ表示領域S毎に、サブ表示領域S内の画素の画像信号を構成する輝度信号から、各サブ表示領域Sに対応する各光源Lの発光輝度を算出する。
【0025】
液晶パネル16は、所定の間隔を隔てて配設された一対の基板の間に液晶が封入されて成る。これら一対の基板は、偏光軸が直交した2枚の偏光板で挟まれ、背面側にはLEDバックライト18が配設されている。
一対の基板のうちの一方の基板には、X行の走査線及びY列の信号線が互いに直交するように配列されている。走査線と信号線との各交点(各画素)には画素電極が形成され、画素電極に対向して他方の基板に対向電極が形成されている。また、画素電極と対向電極との対向面にはそれぞれ配向膜が形成されている。
【0026】
液晶駆動部17は、例えば、制御部21から入力される制御信号に従って、液晶パネル16を駆動する。
具体的には、液晶駆動部17は、例えば、タイミング制御部13から供給されるタイミング信号に従って、各走査線を順に選択するとともに、各走査線の走査に同期して、補正部20により補正処理が施された画像信号に応じた電圧を信号線に対して印加することによって、画素電極と対向電極との間に挟持されている液晶の配列方向が変化させる。これにより、液晶は、配向膜や偏光板とともに、LEDバックライト18から照射される光を画素単位で通過或いは遮断させる。
【0027】
LEDバックライト18は、複数のサブ表示領域Sの各々に対応する複数の光源Lから成る。光源Lの各々は、その基板上に複数のLEDを備えている。
ここで、LEDバックライト18において、LEDは、例えば、等間隔で配置されている。したがって、例えば、LEDバックライト18の左右端部に位置する光源Lに縦2個×横2個(合計4個)のLEDが備えられている場合、LEDバックライト18の中央部に位置する光源Lの正面視サイズ(面積)は、左右端部に位置する光源Lの略4倍であるため、中央部に位置する光源Lには、例えば、縦4個×横4個(合計16個)のLEDが備えられている。
【0028】
バックライト駆動部19は、例えば、制御部21から入力される制御信号に従って、LEDバックライト18を駆動する。
具体的には、バックライト駆動部19は、例えば、複数の光源Lの各々に対応して設けられた複数のドライバとしての複数の光源ドライバDを備えている。すなわち、本実施形態の液晶表示装置1において、バックライト駆動部19は、64個の光源ドライバDを備えている。
【0029】
光源ドライバDは、例えば、その光源ドライバDに対応する光源Lに備わる複数のLEDのうち、制御部21から指示されたLEDのみを発光させることによって、その光源Lを、その光源Lと対応関係にあるサブ表示領域S内の画素の画像信号から算出された発光輝度で発光させる。
なお、本実施形態の液晶表示装置1において、バックライト駆動部19が備える光源ドライバDは、全て同一性能を有するドライバであっても良いし、対応する光源Lに応じて異なる性能を有するドライバであっても良い。すなわち、各光源ドライバDが駆動可能なLEDの個数は、対応する光源Lに備わるLEDの個数に関わらず同一であっても良いし、対応する光源Lに備わるLEDの個数に応じて異なっていても良い。
【0030】
ここで、本実施形態の液晶表示装置1の画面サイズは、例えば、40インチ程度であるとする。従来の液晶表示装置において、画面サイズが40インチ程度である場合、液晶パネルの表示領域は、縦8個×横8個のサブ表示領域に等分割されているため、LEDバックライトは64個の光源から構成され、バックライト駆動部は64個の光源ドライバを備えている。
すなわち、本実施形態の液晶表示装置1においては、従来の液晶表示装置であって本実施形態の液晶表示装置1と画面サイズが同一のものと同数の光源ドライバを備えるように、液晶パネル16の表示領域をサブ表示領域Sに分割している。
したがって、従来の液晶表示装置であって本実施形態の液晶表示装置1と画面サイズが同一のものと同数の光源ドライバを備えるように、液晶パネル16の表示領域をサブ表示領域Sに分割しているのであれば、本実施形態の液晶表示装置1の画面サイズは、40インチ程度に限ることはなく任意であり、また、サブ表示領域Sの個数は64個に限ることはなく任意である。
【0031】
補正部20は、例えば、発光させるLEDの配置位置に起因して生じる輝度ムラを補填するように、サブ表示領域S内の画素の輝度を調整する。
【0032】
ここで、例えば、図4に示すように、光源Lに、光源Lの左上角部付近に配置されたLED「La」と、右上角部付近に配置されたLED「Lb」と、左下角部付近に配置されたLED「Lc」と、右下角部付近に配置されたLED「Ld」と、の4個のLEDが分散されて配置されている場合、全てのLEDを発光させずに何れか1〜3個のLEDを発光させると、サブ表示領域Sの画像に輝度ムラが発生してしまう可能性が高い。例えば、左上角部付近に配置されたLED「La」のみを発光させると、対応するサブ表示領域Sの画像において、左上角部付近の領域から離れるほど(特に、右下角部付近に配置されたLED「Ld」に対応する領域において)輝度が不足し、輝度の片寄りが目立つようになる。そこで、補正部20によりサブ表示領域S内の画素の輝度を調整するようになっている。
【0033】
具体的には、補正部20は、例えば、サブ表示領域Sの画像において、光源Lからの光の輝度が、目標の輝度に達していない領域については、その領域内の画素の輝度を高くする補正を、フレームメモリ14に蓄積された画像信号のうちの該当する画像信号に対して行うことで、輝度の不足分を補填する。一方、光源Lからの光の輝度が、目標の輝度を超える領域については、その領域内の画素の輝度を低くする補正を、フレームメモリ14に蓄積された画像信号のうちの該当する画像信号に対して行うことで輝度の過多分を補填する。これにより、LEDをどのように配置しても、また、どのLEDを発光させても、輝度ムラを抑制して各画素の必要な輝度に即した適切な表示を行うことができる。
【0034】
制御部21は、例えば、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)211と、RAM(Random Access Memory)212と、メモリ部213と、記憶部214と、などを備えており、液晶表示装置1を構成する各部を制御する。
【0035】
CPU211は、例えば、記憶部214に記憶された液晶表示装置1用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0036】
RAM212は、例えば、CPU211によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0037】
メモリ部213は、例えば、CPU211から入力される制御信号に従って、所定のデータを記憶したり、消去したりする。
【0038】
記憶部214は、例えば、液晶表示装置1で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU211によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部214に記憶されている。
【0039】
具体的には、記憶部214は、例えば、図2に示すように、液晶駆動制御プログラム214aと、バックライト駆動制御プログラム214bと、補正制御プログラム214cと、などを記憶している。
【0040】
液晶駆動制御プログラム214aは、例えば、液晶駆動部17に制御信号を入力して、補正部20により補正された画像信号に基づいて、液晶パネル16を駆動させる機能を、CPU211に実現させる。
【0041】
バックライト駆動制御プログラム214bは、例えば、バックライト駆動部19に制御信号を入力して、輝度算出部15により算出された発光輝度に基づいて、LEDバックライト18を駆動させる機能を、CPU211に実現させる。
【0042】
具体的には、CPU211は、例えば、輝度算出部15に制御信号を入力して、光源L毎に、対応するサブ表示領域S内の画素の画像信号から、光源Lの発光輝度を算出させる。
より具体的には、CPU211は、例えば、輝度算出部15において、1フレーム分の画像信号を分割した各サブ表示領域S内の画素の画像信号から、光源Lの発光輝度を算出する。
【0043】
次いで、CPU211は、例えば、算出された光源Lの発光輝度を得るために最低限必要なLEDの個数を決定する。
より具体的には、例えば、各LEDが出力可能な最大発光輝度が「50」であり、一のサブ表示領域Sの画像信号から、対応する光源Lの発光輝度として「80」が算出された場合、CPU211は、算出された光源Lの発光輝度を得るために最低限必要なLEDの個数を「2個」と決定する。
算出された光源Lの発光輝度を得るために最低限必要なLEDの個数を決定することによって、発光させるLEDの個数をなるべく少なくすることができる。
【0044】
次いで、CPU211は、例えば、決定した個数分のLEDを、各LEDの累積発光時間の差が小さくなるように、複数のLEDのうちから決定する。すなわち、複数のLEDのうちから発光させるLEDを決定する。
より具体的には、例えば、算出された光源Lの発光輝度を得るために最低限必要なLEDの個数が「2個」と決定された場合、CPU211は、その光源Lが備えるLEDのうち、累積発光時間が最も少ないLEDと、累積発光時間が2番目に少ないLEDと、を発光させるLEDとして決定する。なお、各LEDの累積発光時間は、例えば、メモリ部213に記憶されていることとする。
累積発光時間の差が小さくなるように発光させるLEDを決定することによって、各LEDの累積発光時間に偏りが生じるのを抑えることができるため、LEDバックライト18全体の長寿命化を図ることができる。
【0045】
そして、CPU211は、バックライト駆動部19に制御信号を入力して、発光させるLEDとして決定されたLEDを発光させる。このとき、CPU211は、決定されたLEDを、算出された発光輝度を決定されたLEDの個数で等分割した同一発光輝度で発光させても良いし、或いは、決定されたLEDのうちの累積発光時間が少ないLEDをそのLEDが出力可能な最大発光輝度で発光させて、必要な輝度に達しない分の輝度を累積発光時間が多いLEDで補うように発光させても良い。
【0046】
補正制御プログラム214cは、例えば、補正部20に制御信号を入力して、発光させるLEDの配置位置に起因して生じる輝度ムラを補填するように、サブ表示領域S内の画素の輝度を調整させる機能を、CPU211に実現させる。
【0047】
具体的には、CPU211は、例えば、発光させるLEDとして決定されたLEDの配置位置を特定する。なお、各LEDの配置位置は、例えば、メモリ部213に記憶されていることとする。
次いで、CPU211は、補正部20において、特定した配置位置に基づいて、各サブ表示領域Sにおける各画素の輝度値を、発光するLEDからの距離により生じる輝度の過不足分を補填するように補正する。
【0048】
以上説明した本実施形態の液晶表示装置1によれば、液晶パネル16と、液晶パネル16に対して光を照射するLEDバックライト18と、LEDバックライト18を駆動するバックライト駆動部19と、を備え、液晶パネル16の表示領域は、複数のサブ表示領域Sに分割され、LEDバックライト18は、複数のサブ表示領域Sの各々に対応する複数の光源Lから成り、バックライト駆動部19は、複数の光源Lの各々に対応して設けられた複数の光源ドライバDを備えている。そして、液晶パネル16の表示領域の上下左右端部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズは、液晶パネル16の表示領域の中央部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズよりも小さくなるよう設定されている。
すなわち、表示領域の上下左右端部におけるサブ表示領域Sを、表示領域の中央部におけるサブ表示領域Sよりも細かく設定しているため、表示領域の全てにおけるサブ表示領域を細かく設定する場合と比較して、各光源Lを駆動させる光源ドライバDの個数が増えるのを抑えることができる。また、表示領域の上下左右端部、すなわち、室内が暗い場合に黒浮きが目立つ部分のサブ表示領域Sを細かく設定しているため、表示領域の端部における各光源Lの発光輝度をより細かく設定することができる。したがって、コスト上昇を抑えつつ、黒浮きが目立つのを抑制できる。
【0049】
また、以上説明した本実施形態の液晶表示装置1によれば、液晶パネル16の表示領域の周囲を取り囲む黒色のベゼル10を備えている。
したがって、室内が暗い場合のみならず、ベゼル10の色が黒色の場合にも、液晶パネル16の表示領域の端部の黒浮きが目立つが、この黒浮きが目立つ部分のサブ表示領域Sを細かく設定しているため、好適である。
【0050】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0051】
<変形例>
サブ表示領域Sの分割数及び分割方法は、液晶パネル16の表示領域の端部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズが、液晶パネル16の表示領域の中央部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズよりも小さくなるよう設定されているのであれば任意であり、例えば、図5に示すように分割されていても良いし、図6に示すように分割されていても良い。
無論、サブ表示領域Sの分割数及び分割方法に関わらず、液晶パネル16を構成する各サブ表示領域Sと、LEDバックライト18を構成する各光源Lとは、一対一の対応関係にあり、光源Lの正面視サイズは、その光源Lに対応するサブ表示領域Sの領域サイズと同一となるよう設定される。
【0052】
具体的には、例えば、図5に示す液晶パネル16において、液晶パネル16の表示領域の中央部(すなわち、図5においてドットで塗りつぶした領域)は、縦4個×横8個のサブ表示領域Sの等分割されている。また、液晶パネル16の表示領域の上下端部における、表示領域の中央部と接する部分は、縦1個×横8個のサブ表示領域Sに等分割されており、この上下端部のサブ表示領域Sの縦の長さは、中央部のサブ表示領域Sの縦の長さの略半分、この上下端部のサブ表示領域Sの横の長さは、中央部のサブ表示領域Sの横の長さと略同一となるように設定されている。また、液晶パネル16の表示領域の左右端部(液晶パネル16の表示領域の4つの角部を含む)は、縦10個×横1個のサブ表示領域Sに等分割されており、この左右端部のサブ表示領域Sの縦の長さは、中央部のサブ表示領域Sの縦の長さの略半分、この左右端部のサブ表示領域Sの横の長さは、中央部のサブ表示領域Sの横の長さの略半分となるように設定されている。
【0053】
また、例えば、図6に示す液晶パネル16において、液晶パネル16の表示領域の中央部(すなわち、図5においてドットで塗りつぶした領域)は、縦4個×横8個のサブ表示領域Sの等分割されている。また、液晶パネル16の表示領域の上下端部における、表示領域の中央部と接する部分は、縦1個×横16個のサブ表示領域Sに等分割されており、この上下端部のサブ表示領域Sの縦の長さは、中央部のサブ表示領域Sの縦の長さの略半分、この上下端部のサブ表示領域Sの横の長さは、中央部のサブ表示領域Sの横の長さの略半分となるように設定されている。また、液晶パネル16の表示領域の左右端部(液晶パネル16の表示領域の4つの角部を含む)は、縦10個×横1個のサブ表示領域Sに等分割されており、この左右端部のサブ表示領域Sの縦の長さは、中央部のサブ表示領域Sの縦の長さの略半分、この左右端部のサブ表示領域Sの横の長さは、中央部のサブ表示領域Sの横の長さの略半分となるように設定されている。
【0054】
また、上記実施形態及び変形例では、液晶パネル16の表示領域の上下左右端部以外の部分を液晶パネル16の表示領域の中央部とし、その中央部を等分割して中央部の各サブ表示領域Sの領域サイズを同一としたが、中央部の分割数及び分割方法は、液晶パネル16の表示領域の端部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズが、液晶パネル16の表示領域の中央部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズよりも小さくなるよう設定されているのであれば任意であり、例えば、液晶パネル16の表示領域の端部に近づくにつれて、サブ表示領域Sの領域サイズが小さくなるように分割しても良い。
【0055】
また、上記実施形態及び変形例1では、上下左右端部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズが、中央部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズよりも小さくなるよう設定したが、液晶パネル16の表示領域の上下左右端部のうちの少なくとも一端部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズが、中央部に位置するサブ表示領域Sの領域サイズよりも小さいのであれば、サブ表示領域Sの領域サイズを小さくする端部の位置及び個数は任意である。
【0056】
また、上記実施形態では、ベゼル10の色を黒色としたが、ベゼル10の色は黒色に限ることはなく任意である。
【0057】
また、上記実施形態では、発光させるLEDを、光源Lにおける各LEDの累積発光時間に基づいて決定することとしたが、累積発光時間以外に、LEDの寿命を左右する他の要因(例えば、LEDに印加した電圧値や発光間隔など)に基づいて、発光させるLEDを決定するようにしても良い。
【0058】
また、光源Lに備わるLEDの個数及び配置位置は、上記実施形態の例に限られない。
【0059】
また、上記実施形態では、バックライトとしてLEDバックライト18を挙げたが、バックライトが複数のサブ表示領域Sのおのおのに対応する複数の光源L(面発光体)から成り、バックライト駆動部19が複数の光源Lの各々に対応して設けられた複数の光源ドライバDを備えているのであれば、バックライトは、LEDバックライト18に限ることはなく任意であり、例えば、EL(Electro-Luminescence)バックライト等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態の液晶表示装置の正面図の一例である。
【図2】本実施形態の液晶表示装置の機能的構成を示すブロック図の一例である。
【図3】本実施形態の液晶パネルの表示領域を構成するサブ表示領域を説明するための図(a)であり、本実施形態のLEDバックライトを構成する光源を説明するための図(b)である。
【図4】本実施形態のLEDバックライトを構成する光源の一つを模式的に示す図である。
【図5】変形例の液晶パネルの表示領域を構成するサブ表示領域を説明するための図である。
【図6】変形例の液晶パネルの表示領域を構成するサブ表示領域を説明するための図である。
【符号の説明】
【0061】
1 液晶表示装置
10 ベゼル
16 液晶パネル
18 LEDバックライト(バックライト)
19 バックライト駆動部
D 光源ドライバ(ドライバ)
L 光源
S サブ表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと、当該液晶パネルに対して光を照射するバックライトと、当該バックライトを駆動するバックライト駆動部と、を備える液晶表示装置において、
前記液晶パネルの表示領域は、複数のサブ表示領域に分割され、
前記バックライトは、前記複数のサブ表示領域の各々に対応する複数の光源から成り、
前記バックライト駆動部は、前記複数の光源の各々に対応して設けられた複数のドライバを備え、
前記表示領域の端部に位置する前記サブ表示領域の領域サイズは、当該表示領域の中央部に位置する前記サブ表示領域の領域サイズよりも小さくなるよう設定されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記液晶パネルの表示領域の周囲を取り囲む黒色のベゼルを備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
液晶パネルと、当該液晶パネルに対して光を照射するLEDバックライトと、当該LEDバックライトを駆動するバックライト駆動部と、を備える液晶表示装置において、
前記液晶パネルの表示領域の周囲を取り囲む黒色のベゼルを備え、
前記液晶パネルの表示領域は、複数のサブ表示領域に分割され、
前記LEDバックライトは、前記複数のサブ表示領域の各々に対応する複数の光源から成り、
前記バックライト駆動部は、前記複数の光源の各々に対応して設けられた複数のドライバを備え、
前記表示領域の上下左右端部に位置する前記サブ表示領域の領域サイズは、当該表示領域の中央部に位置する前記サブ表示領域の領域サイズよりも小さくなるよう設定されていることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−54793(P2010−54793A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219477(P2008−219477)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】