説明

液晶表示装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に関し、特に、アクティブマトリクス基板の側に形成したブラックマトリクスのような遮光層の構造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】代表的なフラットパネル型ディスプレイである液晶表示装置においては、図28および図29に示すように、画像信号を供給するデータ線(ソース線)502a、502b・・・および走査信号を伝達するゲート線503a、503b・・・・が格子状に配置されて、各画素領域501aa、501ab・・・が区画形成された一方側の透明基板と、共通電極533が形成された他方側の透明基板530(対向基板)との間に液晶540が封入されており、共通電極533と各画素領域501aa、501ab・・・の画素電極515506との間に薄膜トランジスタ(TFT)508を介して印加される電位を制御して、画素領域501aa、501ab・・・毎の液晶の配向状態を変えるようになっている。このような液晶表示装置においては、たとえば、図2929に示すように、データ線502aと画素電極506との隙間からの光の漏れ(矢印Aで示す。)が表示の品位を低下させてしまうという問題点がある。また、データ線502aと画素電極506との間の電界の影響によって液晶の配向状態が乱れるリバースチルトドメイン領域が画素電極506の外端縁より内側に発生し、その領域に起因して、表示の品位が低下するという問題点もある。このため、画素毎の表示の精彩度を高める目的に、共通電極533が形成された他方側の透明基板530に、画素領域間の境界領域に対応して遮光性のブラックマトリクス531を形成し、この画素領域間の境界領域にブラックマトリクス531が位置するように2枚の透明基板509、530を対向させて表示の品位を確保している。ここで、各画索領域間の境界領域とブラックマトリクス531との間に位置ずれが発生していると、表示の品質が低下するため、ブラックマトリクス531の幅にマージンもたせて上述の位置ずれが発生することを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶表示装置に対しては、画面の大型化と共に、表示の高品質化が要求されている状況下にあって、従来のようにブラックマトリクスの幅をマージンをもつように広げておくことは、画素領域における開口率(表示可能な領域の面積比)の低下を招来し、表示品質の向上を妨げるという問題点がある。そこで、本願発明者は、マトリクスアレイが形成された透明基板の側にブラックマトリクスも形成しておくことによって、画素領域間の境界領域とブラックマトリクスとの位置ずれを防止し、ブラックマトリクスの幅を必要最小限の幅に設定可能とすることを提案するものである。この提案に沿って、本願発明者が最初に案出したものは、図30および図31に比較例として示す液晶表示装置である。これらの図において、透明基板509の表面側にはデータ線502a、502b・・・およびゲート線503a、503b・・・が格子状に配置されて各画素領域501aa、501ab・・・が区画形成されており、これらの各画素領域501aa、501ab・・・の境界領域に沿ってブラックマトリクス517が形成されている。ここで、ブラックマトリクス517は、たとえば、画素領域501bbにおいて、データ線502aが導電接続するソース504、ゲート線503aが導電接続するゲート電極505および画素電極506が導電接続するドレイン507によって構成されたTFT508の表面側に層間絶縁膜513、515を介して形成されており、データ線502a、ゲート線503aおよび画素電極506のいずれとも絶縁分離された状態にある。このような構成の液晶表示装置においては、ブラックマトリクス517の幅に不必要なマージンを設けなくとも、各画素領域とブラックマトリクス517とを高い精度で位置合わせできるので、液晶表示装置の開口率が犠性になることがない。しかしながら、この液晶表示装置においては、以下のような新たな問題がある。ブラックマトリクス517には、いずれの電位も印加されておらず、フローティング状態にあるため、液晶表示装置の動作状態によって、ブラックマトリクス517の電位が変動し、この電位の変動によって画素電極506と他方側の透明基板の共通電極との間に存在する液晶の配向状態が乱れて、表示の品質を低下させてしまう。また、いずれの画素領域501aa、501ab・・・に対するブラックマトリクス517も共通であるため、たとえば、ブラックマトリクス517が画索領域501bbの画素電極506、データ線502a、502bまたはゲート線503a、503bなどと短絡していると、液晶表示装置全体が表示不良になってしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の問題点に鑑みて、本発明においては、マトリクスアレイと同一基板上に形成されたブラックマトリクスの構造を最適化することにより、表示の品質や信頼性などを犠牲とすることなく、開口率を向上可能な液晶表示装置を実現する目的に、液晶表示装置に対して以下の手段を講じてある。
【0005】本発明は、基板上にデータ線と、前記データ線に交差するゲート線と、前記データ線に接続されるソース及び前記ゲート線に接続されるゲート電極とを備えるトランジスタと、前記トランジスタのドレインに接続される第1導電層と、前記第1導電層に接続される画素電極とを有する液晶表示装置であって、前記第1導電層は積み上げ電極層からなり、前記積み上げ電極層の上側の電極層は前記画素電極をパターニングする時のエッチャントに溶解しない材料からなり、且つ前記第1導電層は前記ドレイン上の第1絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記ドレインに接続されるとともに、前記第1導電層上の第2絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2絶縁膜上の前記画素電極に接続され、前記画素電極は前記ドランジスタ上に配置された第2導電層と接続されるように重ねて配置されているとともに前記第2導電層は前記トランジスタのチャネル領域を覆うように配置されていることを特徴とする。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図、図2は、そのI−I線における断面図である。
【0019】本例の液晶表示装置においては、図1に示すように、垂直方向のデータ線102a、102b・・・(信号線)と、水平方向のゲート線103a、103b・・・(走査線)とが格子状に配置され、それらの間に各画素領域101aa、101ab、101ac、101ba、101bb・・・が区画形成されている。
【0020】以下に画素領域101bb(第1の画素領域)を例にとって、その構造を説明する。ここで、画素領域101bbには画素領域101ab、101ba、101cb、101bc(第2の画素領域)が隣接しており、画素領域101bbには、データ線102aが導電接続するソース104、ゲート線103bが導電接続するゲート電極105、および画素電極106が導電接続するドレイン107によってTFTl08が構成されている。ここで、画素電極106は、ITOからなる透明電極であって、画素碩域101bbの略全面にわたって形成されている。
【0021】このTFTl08の断面構造は、図2に示すように、液晶表示装置全体を支持する透明基板109の表面側に多結晶シリコン層110が形成されており、この多結晶シリコン層110には、真性の多結晶シリコン領域であるチャネル領域111を除いて、n型の不純物としてのリンが導入されて、ソース104およびドレイン107が形成されている。ここで、リンの導入は、多結晶シリコン層110の表面側に形成されたゲート電極酸化膜112の上のゲート電極105をマスクとするイオン注入を利用することにより、ソース104およびドレィン107がセルフアラインとなるように行われる。このTFTl08の表面側には、シリコン酸化膜からなる下層側層間絶縁膜113が堆積されており、それには第1の接続孔113aと第2の接続孔113bとが開口されている。そのうちの第1の接続孔113aを介して、低抵抗金属層、たとえばアルミニウム層あるいはアルミニウムを含む合金層からなるデータ線102aがソース104に導電接続している。一方、第2の接続孔113bを介しては、画素電極106がドレイン107に導電接続している。
【0022】さらに、この液晶表示装置においては、透明基板109の表面側に、上層側層間絶縁膜115と、その表面側に形成された遮光性および導電性を備えるクロム層116bb(導電性遮光層)を有する。ここで、クロム層116bbは、画素領域101bbにおいてTFTl08の形成領域と対角の位置、すなわち、画素領域101bbと画素領域101ab、101ac、101bcとが接する側の端部において、上層側層間絶縁膜115の接続孔115aを介して画素電極106に導電接続している。また、クロム層116bbは、その外端縁116xが画素領域101bbと画素領域101ab、101ba、101cb、101bcとの境界領域、すなわち、データ線102a、102bおよびゲート線103a、103bの直上に位置するように形成されており、データ線102a、102bおよびゲート線103a、103bとは層間絶縁膜113115を介して絶縁分離された状態にある。さらに、クロム層116bbのような導電性遮光層は、いずれの画素領域にも同様に形成されているが、いずれも隣接する画素領域のクロム層とは絶縁分離された状態にある。たとえば、クロム層116bbの外端縁116xと、クロム層116ab、116ba、116cb、116bcの外端縁116xとは、データ線102a、102bおよびゲート線103a、103bの直上位置で絶縁分離された状態にある。従って、いずれのクロム層、たとえば、クロム層116bbは画素領域101ab、101ba、101cb、101ccの各画素電極とも絶縁分離された状態にあるため、クロム層116bbには同じ画素領域101bbの画素電極106から電位が印加されることがあっても、他の画素領域の画素電極から電位が印加されない状態にある。加えて、データ線102aの表面側略全体は、層間絶縁膜115とクロム層116bb、116baの端部によって覆われ、データ線102aに印加された電位が、その表面側の液晶に対して影響を及ぼすこともないようになっている。また、クロム層116bbは、前段のゲート線103aの側に広い重なり面積をもって形成され、このクロム層116bbは、画素電極106に導電接続しているため、保持容量を構成している状態にある。
【0023】本例においては、マトリクスアレイに加えてブラックマトリクス116も形成された透明基板109と、カラーフィルタおよび共通電極が形成された他方側の透明基板(図示せず)との間に液晶が封入されて、液晶表示装置が構成される。そして、データ線102a、102b・・・およびゲート線103a、103b・・・によって伝達される信号によって、共通電極と各画素電極106との間に発生する電位を制御して、画素領域毎の液晶の配向状態を変え、情報を表示するようになっている。
【0024】ここで、従来の液晶表示装置においては、共通電極が形成された透明基板には、透明基板109の画素領域の境界領域に対応するブラックマトリクスが形成されているが、本例の液晶表示装置においては、各クロム屑、たとえば、クロム層116bbが画素領域101bbと周囲の画素領域との境界領域に形成されていることを利用して、各クロム層116bb、116ab、116ba、116cb、116cc・・・をブラックマトリクスとして利用するため、共通電極が形成された透明基板の側にはブラックマトリクスを形成しておく必要がない。従って、従来のように、2枚の透明基板を対向させるときに、各画素領域の境界領域とブラックマトリクス116との位置合わせ精度が問題にならないので、ブラックマトリクス116の幅を、各画素領域の境界領域、すなわち、データ線102a、102b・・・およびゲート線103a、103bなどの幅に対応させて、最小限の幅に設定できる。それ故、液晶表示装置の開口率を向上可能である。
【0025】また、クロム層116bbは、データ線102a、102b、ゲート線103a、103bおよび隣接する画素領域101ab、101ba、101cb、101bcの画素電極から絶縁分離されている一方で、同じ画素領域101bbの画素電極106には導電接続しているため、クロム層116bbの電位は、液晶表示装置の動作状態にかかわらず、常に画素電極106と同じ電位が印加された状態にある。それ故、クロム層116bbの電位は、画素領域101bbにおいて、画素電極106と共通電極との間に存在する液晶の配向状態を乱すことがないので、高い表示品質が得られる。また、ブラックマトリクス116は、画素領域101bbなど、画素領域毎に電気的に独立した状態のクロム層116bb・・・によって構成されているため、たとえば、画素領域101bbにおいて、クロム層116bbとデータ線102aとが短絡状態にあっても、この画素領域101bbのみが表示不可能、すなわち、その影響は表示の点欠陥の発生に止まるので、液晶表示装置の信頼性も高い。
【0026】(実施例2)図3は、本発明の実施例2に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図、図4は、そのII−II線における断面図である。ここで、実施例1に係る液晶表示装置の各部分と対応する機能を有する部分については同符号を付して、それらの詳細な説明は省略する。
【0027】この実施例に係る液晶表示装置においても、垂直方向のデータ線102a、102b.・・・と、水平方向のゲート線103a、103b・・・とが格子状に配線されて区画形成された各画素領域101aa、101ab、101ac、101ba、101bb・・・のうち、たとえば、画素領域101bb(第1の画素領域)においては、透明基板109の表面側にTFTl08が形成されており、それらの表面側には、シリコン酸化膜からなる下層側層間絶縁膜113が推積されている。そして、第1の接続孔113aを介して、データ線102aがソース104に導電接続している。さらに、それらの表面側には上層側層間絶縁膜115も形成されており、これらの第1および上層側層間絶縁膜113115を貫通する接続孔115aを介して、遮光性および導電性を有するクロム層116bb(導電性遮光層)がドレイン107に導電接続している。そして、ドレイン107を介して電位が印加されるべき画素電極106は、上層側層間絶縁膜115の表面側に形成されてクロム層116bbに導電接続している。ここで、クロム層116bbは、実施例1と同様に、その外端縁116xが画素領域101bbと、それに隣接する画素領域101ab、101ba101cb、101cb(第2の画素領域)との境界領域、すなわち、データ線102a、102bおよびゲート線103a、103bの形成領域の直上に位置するように形成されており、これらのデータ線102a、102bおよびゲート線103a、103bとは層間絶縁膜113115によって絶縁分離された状態にある。さらに、クロム層116bbのような導電性遮光層は、いずれの画素領域にもクロム層116ab、116ba・・・として形成されているが、いずれのクロム層も隣接する画素領域のクロム層とは絶縁分離された状態にある。たとえば、クロム層116bbは、画素領域101ab、101ba、101bc、101cbの各画素電極106と絶縁分離された状態にある。このため、クロム層116bbには、同じ画素領域101bbの画素電極106を介してのみ電位が印加される状態にある。そして、データ線102aの表面側は、層間絶縁膜115およびクロム層116bb、116baの端部によって覆われ、データ線102aに印加された電位が、その表面側の液晶に影響を及ぼすことがないようになっている。
【0028】このような構成の液晶表示装置においても、実施例1に係る液晶表示装置と同様に、透明基板109の側に、マトリクスアレイに加えて、その各画素領域の境界領域に対応してブラックマトリクス116が形成されているため、ブラックマトリクス116の幅を必要最小限の幅に設定することができるので、液晶表示装置の開口率が高い。また、クロム層116bbは、同じ画素領域101bbの画素電極106のみに導電接続しているため、液晶表示装置の動作状態にかかわらず、クロム層116bbには画素電極106の電位と同じ電位が印加された状態にあり、クロム層116bbの電位が、画素電極106と共通電極との間に存在する液晶の配向状態を乱すことがない。また、いずれのクロム層も画素領域毎に電気的に独立しているため、1つの画素領域101bbにおいて、クロム層とデータ線などとが短絡しても、その影響が表示の点欠陥が発生するに止まるので、液晶表示装置の信頼性が高いままである。
【0029】(実施例3)図5は、本発明の実施例3に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図、図6は、そのIII−III線における断面図である。ここで、実施例1に係る液晶表示装置の各部分と対応する機能を有する部分については同符号を付して、それらの詳細な説明は省略する。
【0030】この実施例に係る液晶表示装置においても、たとえば、画素領域101bb(第1の画素領域)においては、実施例1と同様に、透明基板109の表面側に形成されたTFTl08に対し、データ線102aは下層側層間絶縁膜113の接続孔113aを介してソース104に導電接続している一方、画素電極106は上層側層間絶縁膜113bを介してドレイン107に導電接続している。そして、画素電極106には、上層側層間絶縁膜115の表面側に形成されたクロム層116bbが、接続孔115aを介して導電接続している。
【0031】本例において、クロム層116bbは、その外端縁116xがデータ線102aおよびゲート線103aを越えて、隣接する画素領域101ba、101cbの内側にまで拡張されている。一方、画素領域101bbにおける画素領域101bc、101abとの境界領域側には、クロム層116bbが形成されておらず、クロム層116bbは、隣合う境界領域上でL字状を呈している。そして、画素領域101bbにおける画素領域101bcとの境界領域側には、画素領域101bcに形成されたクロム層116bcの端部がデータ線102bを越えて、画素領域101bbの内側にまで拡張されている。また、画素領域101bbにおける画素領域101abとの境界領域側には、画素領域101abに形成されたクロム層116abの端部がゲート線103bを越えて、画素領域101bbの内側にまで拡張されている。その結果、画素領域101bbは、それ自身に対応して形成されたクロム層116bbと、隣接する画素領域101bc、101abに対応して形成されたクロム層116bc、116abとによって区画形成された状態にある。
【0032】本例においては、これらのクロム層116bb、116bc、116ab・・・が各画素領域101bb・・・を区画形成する状態にあることを利用して、クロム層116bb・・・をブラックマトリクス116として利用する。
【0033】このため、本例の液晶表示装置においては、実施例1と同様に、液晶表示装置の開口率が高められており、また、ブラックマトリクス116がフローティング状態にないので、その電位が液晶の乱れを引き起こさない。さらに、ブラックマトリクス116は画素領域毎に電気的に独立したクロム層116bb、116bc、116ab・・・から構成されているので、クロム層116bb、116bc、116ab・・・の1つの画素領域における短絡の影響は表示の点欠陥に止まる。
【0034】さらに、本例においては、実施例1および実施例2の液晶表示装置と異なり、クロム層116bb、116bc、116ab・・・の端部同士がデータ線102a、102b・・・およびゲート線103a、103b・・・上で広い範囲にわたって近接配置されていない。このため、ブラックマトリクス116を形成するプロセスにおいて、通常の精度をもってクロム層116bb、116bc、116ab・・・を形成しても、それらが互いに短絡することもない。さらに画素領域106は層間絶縁膜113の表面上に形成され、クロム層116bb、116bc、116ab・・・は層間絶縁膜115の表面上に形成されている。すなわち、画素領域106と、隣接する画素領域のクロム層116bb、116bc、116ab・・・とが異なる層上に形成されているため、それらを近接して配置しても、短絡しあうこともない。それ故、画素領域毎に電気的に独立したクロム層116bb、116bc、116ab・・・からなるブラックマトリクス116を容易に形成することができる。
【0035】なお、実施例3においては、隣接する画素領域との境界領域のうち、隣合う2つの境界領域側に導電性遮光層としてのクロム層116bb、116bc、116ab・・・を配置し、このクロム層および他の2つの境界領域側で隣接する画素領域のクロム層によって、画素領域は隣接する各画素領域から区画されている構成であったが、実施例3の変形例として、図7に示すように、ブラックマトリクス116を、隣接する画素領域との境界領域のうち、対向する2つの境界領域側に導電性遮光層としてのクロム層118ab、118bc、119ab、119bc・・・を隣接する画素領域毎に属する方向を変えて形成したものであってもよい。この場合には、各クロム層118ab、118bc、119ab、119bc・・・は、それぞれ図中の「→」で示す方向の画素領域101aa、101ab、101ac・・・の画素電極に導電接続した構造となる。
【0036】ここで、液晶表示装置を構成する各要素の形状、構造、材質などは、製造すべき液晶表示装置のサイズ、用途などによって、所定の条件に設定されるべき性質のものであり、限定のないものである。
【0037】また、いずれの実施例においても、ブラックマトリクスを構成する導電性遮光層にクロム層を用いたが、その材質には限定がなく、導電性および遮光性を有する材料であれば、チタンやアルミニウムといった金属層、シリコン層、モリブデンシリサイドやタングステンシリサイドといったシリサイト化合物などを用いることもできる。
【0038】(実施例4)図8は、本発明の実施例4に係る液晶表示装置に用いたアクティブマトリクス基板の一部を示す概略平面図、図9は、そのIV−IV線における断面図である。
【0039】本例の液晶表示装置においても、実施例1に係る液晶表示装置と同様に、垂直方向のデータ線202a、202b・・・(信号線)と、水平方向のゲート線203a、203b・・・(走査線)とが格子状に配置され、それらの間に各画素領域201aa、201ab、201ac・・・が区画形成されており、以下に画素領域201bb(第1の画素領域)を例にとって、その構造を説明する。ここで、図9に示す対向基板230の側には、カラー表示可能とするためのカラーフィルタ232、共通電極233および対向基板側配向膜234が形成されている。また、対向基板230の側には、対向基板側ブラックマトリクス231が形成されているが、本例の液晶表示装置においては、後述するとおり、アクティブマトリクス基板の側にもブラックマトリクスが形成されており、対向基板側ブラックマトリクス231は、アクティブマトリクス基板の側のブラックマトリクスを補完する目的に設けられている。
【0040】図8に示すように、画素領域201bb(第1の画素領域)には画素領域201ab、201ba、201cb、201bc(第2の画素領域)が隣接しており、画素領域201bbにおいては、データ線202aが導電接続するソース204、ゲート線203bが導電接続するゲート電極205および画素電極206が導電接続するドレイン207によって、TFT208が構成されている。ここで、画素電極206は、導電性および光透過性の材料としてのITOからなる透明電極であって、画素領域201bbの略全面にわたって形成されており、その端部がデータ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上に位置するまで拡張されている。そして、いずれの画素電極206も前段のゲート線203aの側に広い重なり面積を有している。
【0041】このTFT208の断面構造は、図9に示すように、液晶表示装置全体を支持する透明基板209の表面側に多結晶シリコン層210が形成されており、この多結晶シリコン層210には、真性の多結晶シリコン領域であるチャネル領域211を除いて、n型の不純物としてのリンが導入されてソース204およびドレイン207が形成されている。このTFT208の表面側には、シリコン酸化膜からなる下層側層間絶縁膜213が推積されており、それには第1の接続孔213aが開□され、この第1の接続孔213aを介して、アルミニウム層からなるデータ線202aがソース204に導電接続している。
【0042】さらに、本例の液晶表示装置においては、下層側層間絶縁膜213の表面側に、上層側層間絶縁膜215が形成されており、この上層側層間絶縁膜215および下層側層間絶縁膜213には第2の接続孔215aが開口されている。そして、第2の接続孔215aを介して画素電極206がドレイン207に導電接続している。ここで、画素電極206は、画素領域201bbとそれに隣接する画素領域201ab、201ba、201bc、201cbとの境界領域において、その外端縁206xがデータ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上に位置するように形成されている。
【0043】また、本例の液晶表示装置においては、上層側層間絶縁膜215の表面側であって画素電極206の下層側には、遮光性および導電性を備えるモリブデンシリサイド層216bb(導電性遮光層)が形成されており、このモリブデンシリサイド層216bbは、画素領域201bbと、それに隣接する画素領域201ab、201ba、201cb、201bcとの境界領域において、その外端縁216xがデータ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上に位置するように形成されて、しかも、画素電極206の外端縁206xと一致している。ここで、モリブデンシリサイド層216bbのような導電性遮光層は、いずれの画素領域にも同様に形成されているが、隣接する画素領域201ab、201ba、201cb、201bcのいずれのモリブデンシリサイド層216ab、216ba、216cb、216bcの外端縁216xとも、モリブデンシリサイド層216bbは、データ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上位置で絶縁分離された状態にある。従って、モリブデンシリサイド層216bbは、同じ画素領域201bbの画素電極206から電位が印加されることがあっても、他の画素領域の画素電極から電位が印加されない状態にある。加えて、データ線202aの表面側略全体は、層間絶縁膜215、モリブデンシリサイド層216bb、216baの端部および画素電極206の端部によって覆われているため、データ線202aに印加された電位が、その表面側の液晶に対して影響を及ぼすこともないようになっている。
【0044】このような構成をもって、透明基板209の表面側に形成されたアクティブマトリクスには、画素電極206およびモリブデンシリサイド層216bbの表面側に配向側220が形成された状態で、対向基板230との間には液晶が充填されて、液晶の配向を利用した表示が可能になる。
【0045】このような構成の液晶表示装置においては、各モリブデンシリサイド層216bb、216ab、216ba・・・をブラックマトリクス216として利用するため、データ線およびゲート線が遮光性を有していれば対向基板230の側にブラックマトリクスを必要としないか、あるいは、データ線またはゲート線が遮光性を有していなければ、図9に示す対向基板側ブラックマトリクス231のように、補完的に形成するだけでよく、2枚の透明基板を対向させるときの位置合わせ精度を考慮して、ブラックマトリクス216または対向基板側ブラックマトリクス231の幅を不必要に広くする必要がない。ここで、各モリブデンシリサイド層216bb、216ab・‥は、画素領域201bb、201ab‥・と同一の透明基板209の表面側につくり込まれているため、位置関係の精度が高く、データ線202a、202b・・・およびゲート線203a、203bなどの幅に対応させて、最小限の幅に設定できるので、液晶表示装置の開口率を高くすることができる。また、モリブデンシリサイド層216bbの電位は、常に画素電極206と同じ電位が印加される状態にあるため、モリブデンシリサイド層216bbの電位が液晶の配向状態を乱すことがないので、高い表示品質が得られる。
【0046】しかも、画素電極206およびブラックマトリクス216のいずれもが電極として作用しても、画素電極206の外周範囲とブラックマトリクス216の外周範囲とを一致させることができるので、これらの電極からの電位のまわり込むことによって液晶の配向が乱れる領域(リバースチルトドメイン領域)をブラックマトリクス216で確実に覆うことができる。さらに、ブラックマトリクス216は、画素領域毎に電気的に独立した状態のモリブデンシリサイド層216bb・・・によって構成されているため、たとえば、画素領域201bbにおいて、モリブデンシリサイド層216bbとデータ線202aとが短絡状態にあっても、この画素領域201bbの点欠陥のみに止まるので、液晶表示装置の信頼性も高い。
【0047】さらに、液晶表示装置の高精細化に伴って、画素領域201bbは微細化されているため、画素領域201bbにおける表示容量が減少し、オフ抵抗の高いTFT208を構成してリーク電流を小さくしても、ゲート線203bの非選択期間内に表示電圧が低下し、表示の保持特性が低くなりやすい傾向がある。しかしながら、本例の液晶表示装置においては、画素電極206の端部が前段のゲート線203aの上方に位置し、それらの間で電荷蓄積容量を形成している。このため、画素領域201bbの選択期間中は、前段のゲート線203aが非選択期間で、ゲート線203aには基準電位が印加されていることを利用して、電荷蓄積容量に電荷を蓄積し、画素領域201bbの液晶印加電圧の保持特性を向上することもできる。
【0048】つぎに、図10(a)〜(c)に示す領域のうちの左側領域を参照して、本例の液晶表示装置の製造方法の一部を説明する。図10(a)〜(c)は、本例の液晶表示装置の製造方法の一部を示す工程断面図である。
【0049】ここで、図10(a)に示すように、透明基板209の上にTFT208を形成するまでの工程については、周知の方法を採用できるので、それらの説明は省略するが、TFT208を形成した後に、まず、下層側層間絶縁膜213を形成する。つぎに、第1の接続孔213aを形成し、そこにアルミニウム層からなるデータ線202aを形成して、データ線202aをTFT208のソース204に導電接続する。つぎに、下層側層間絶縁膜213の表面側に上層側層間絶縁膜215を形成した後に、この上層側層間絶縁膜215に第2の接続孔215aを形成する。
【0050】つぎに、モリブデンシリサイド層を推積した後に、図10(b)に示すように、それをパターニングして、モリブデンシリサイド層216aを形成する。この状態では、まだ、モリブデンシリサイド層216aは、ブラックマトリクス216を構成するパターンにまでパターニングされた状態にない。
【0051】つぎに、モリブデンシリサイド層216aの表面側にITO層206aを形成した後に、まず、ITO層206aをパターニングして、図10(c)に示すように、画素電極206を形成する。その後に、画素電極206をパターニング形成したときのマスクをそのまま利用して、または、画素電極206自身をマスクとしてモリブデンシリサイド層216aをパターニングして、ブラックマトリスク216を構成すべきモリブデンシリサイド層216bbを形成する。このように、画素電極206およびモリブデンシリサイド層216bbのうちの下層側にある層に対するパターニング工程では、上層側にある層の外端縁または上層側にある層のパターニングに用いたマスクをマスクとしてパターニングを行う。
【0052】その結果、画素電極206の外端縁206xとモリブデンシリサイド層216bbの外端縁216xとは一致し、いずれもデータ線202aの直上位置にある構造となる。なお、以降の工程については、周知の工程を採用できるので、その説明を省略する。
【0053】以上のとおり、本例に係る液晶表示装置の製造方法によれば、画素電極206をパターニング形成するときには、その下層側にはモリブデンシリサイド層216aがあって下層側が保護されている。このため、ITO層206aをパターニングするのに塩素系のエッチャントを使用したときに、上層側層間絶縁膜215にピットなどがあっても、エッチャントによって下層側にあるアルミニウム層で構成されたデータ線202aが侵されることがない。このため、データ線202aに断線などが発生しないので、液晶表示装置の信頼性が向上する。
【0054】なお、図10(a)〜(c)に示す領域のうち、右側領域に示す工程断面図は、上記の製造方法に対する変形例である。
【0055】すなわち、図10(b)に示すように、第2の接続孔215aの内部には、モリブデンシリサイド層216aを残した状態にしてある。このため、図10(c)に示すように、画素電極206を形成した後において、ITO層からなる画素電極206は、モリブデンシリサイド層216bbを介してシリコンからなるドレイン領域207に導電接続することになるため、画素電極206とドレイン領域107とを直接的に接続した場合に比して、そこでの接触抵抗を低減することもでき、表示品質の向上を図ることもできる。
【0056】なお、図13(a)〜(c)の左側領域および右側領域のいずれの側に示す製造方法で形成されたアクティブマトリクス基板も、画素領域206がブラックマトリクス216の上層側にある構造であるが、これに限らず、画素領域206とブラックマトリクス216との上限関係が逆の構造にすることも可能である。
【0057】(実施例5)図11は、本発明の実施例5に係る液晶表示装置に用いたアクティブマトリクス基板の一部を示す槻略平面図、図12は、そのV−V線における断面図である。ここで、図8および図9に示した実施例4に係る液晶表示装置の各部分と対応する機能を有する部分については同符号を付して、それらの詳細な説明は省略する。
【0058】本例の液晶表示装置においても、画素領域201bb(第1の画素領域)には、画素領域201ab、201ba、201cb、201bc(第2の画素領域)が隣接している。ここで、画素領域201bbには、ソース204、ゲート電極205およびドレイン207によって、TFT208が構成されており、このTFT208の表面側には、シリコン酸化膜からなる下層側層間絶縁膜213が堆積されている。この下層側層間絶縁膜213には第1の接続孔213aおよび第2の接続孔213bが開口され、そのうちの第1の接続孔213aを介して、アルミニウム層からなるデータ線202aがソース204に導電接続し、第2の接続孔213bを介してはITO層からなる画素電極206がドレイン207に導電接続している。
【0059】ここで、画素電極206は、画素領域201bbと、それに隣接する画素領域201ab、201ba、201bc、201cbとの境界領域の近傍にまで形成されて、その外端縁206xは、データ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの形成位置から内側にある。また、本例の液晶表示装置においても、画素電極206の表面側に遮光性および導電性を備えるモリブデンシリサイド層216bb(導電性遮光層)を有し、このモリブデンシリサイド層216bbも、画素領域201bbと、それに隣接する画素領域201ab、201ba、201bc、201cbとの境界領域の近傍にまで形成されて、その外端縁216xは、データ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの形成位置から内側にあって、画素電極206の外端縁206xと一致している。ここで、モリブデンシリサイド層216bbの幅については、画素領域201bbにおいて液晶の配向に乱れが生じやすい側の幅を太くし、乱れが生じにくい側の幅を狭くすることが好ましい。そこで、本例の液晶表示装置において、データ線202aの側でデータ線202aの電荷の影響によって液晶の配向が乱れるリバースチルトドメイン領域を遮光する目的に、モリブデンシリサイド層216bbのデータ線202aの側の幅W1は、データ線202bの側の幅W2に比して太くなるように設定し、アライメントずれが発生しても、確実にリバースチルトドメイン領域を覆うことによって、表示の品位を高く維持する一方、開口率の低下を最小限に抑えるようにしてある。
【0060】このような構成の液晶表示装置においても、各モリブデンシリサイド層216bb・・・をブラックマトリクスとして利用するため、透明基板209の側に構成されたアクティブマトリクス基板の側と、対向基板230の側とを対向させるときに、モリブデンシリサイド層216bbが対向基板側ブラックマトリクス231の位置合わせにおけるマージンとなって、位置合わせ精度が問題にならない。また、モリブデンシリサイド層216bbの電位は、画素電極206と同じ電位が印加された状態にあるため、液晶の配向状態を乱すことがないので、高い表示品質が得られる。また、ブラックマトリクス216は、画素毎に電気的に独立した状態のモリブデンシリサイド層216bb・・・によって構成されているため、画素領域201bbにおいて、モリブデンシリサイド層216bbとデータ線202aとが短絡状態にあっても、この画素領域201bbのみの表示の点欠陥に止まるので、液晶表示装置の信頼性も高い。
【0061】つぎに、図13(a)〜(d)に示す領域のうちの左側領域を参照して、本例の液晶表示装置の製造方法の一部を脱明する。図13(a)〜(d)は、本例の液晶表示装置の製造方法の一部を示す工程断面図である。
【0062】ここで、図13(a)に示すように、透明基板209の上にTFT208を形成するまでの工程については、周知の方法を採用できるので、それらの説明は省略するが、TFT208を形成した後には、まず、下層側層間絶縁膜213を推積した後に、下層側層間絶縁膜213に第1の接続孔213aおよび第2の接続孔213bを形成する。つぎに、画素電極206を形成すべきITO層206aをスパッタ形成する。
【0063】つぎに、図13(b)に示すように、モリブデンシリサイド層216aを堆積した後に、モリブデンシリサイド層216aのみをパターニングする。この状態では、まだ、モリブデンシリサイド層216aは、ブラックマトリクス216を構成するパターンにまでパターニングされていない状態である一方、ITO層206aも、画素電極206を構成するパターンにパターニングされていない状態である。
【0064】つぎに、図13(c)に示すように、ITO層206aをパターニングするに先立って、モリブデンシリサイド層216aの端縁をパターニングして、ブラックマトリクスを構成するモリブデンシリサイド層216bbを形成した後に、そのまま同じマスクを利用してITO層206aをパターニングして画素電極206を形成する。ここで、エッチング精度を高く確保する目的に、モリブデンシリサイド層216aに対してはCFガスによってプラズマエッチングを施す一方、ITO層206aに対しては、モリブデンシリサイド層216aに対するプラズマエッチングに引き続いて、CHガスとHガスとの混合ガスを用いて異方性ドライエッチンを施す。その結果、画素電極206およびモリブデンシリサイド層216bbの外端縁206x、216xは、いずれも、画素領域201bbと、それに隣接する画素領域201ab、201ba、201bc、201cbとの境界領域の近傍において一致する構造となる。なお、CFガスによるプラズマエッチングは、モリブデンシリサイド層216aに代えて、モリブデンシリサイド層やタングステンシリサイド層を採用しても同様に行なえる。
【0065】つぎに、データ線202a、202bを構成すべきアルミニウム層を形成した後に、図13(d)に示すように、パターニングを行って、データ線202aを形成する。
【0066】以降の工程については、周知の工程を採用できるので、それらの説明は省略する。
【0067】以上のとおり、本例に係る液晶表示装置の製造方法によれば、画素電極206およびブラックマトリクス216がいずれも電極として作用しても、画素電極206の外周範囲とブラックマトリクス216の外周範囲とを一致させることができるので、これらの電極からの電位が液晶に及ぼす配向の乱れをブラックマトリクス216で確実に覆うことができる。
【0068】なお、図13(a)〜(d)に示す領域のうちの右側領域に示す工程断面図は、上記の製造方法に対する変形例である。
【0069】すなわち、図13(b)に示すように、下層側層間絶縁膜213を形成した後の領域a−1および領域a−2において、下層側層間絶縁膜213の表面側にITO層206aを形成した後に、第1の接続孔213aおよび第2の埠統孔213bを形成する。
【0070】つぎに、図13(b)に示すように、モリブデンシリサイド層216aを形成する。その結果、TFT208のソース204およびドレイン207にモリブデンシリサイド層216aが導電接続する状態になる。
【0071】つぎに、図13(c)に示すように、モリブデンシリサイド層216aをパターニングして、ブラックマトリクス216を構成するモリブデンシリサイド層216bbを形成するとともに、領域c−1、c−2においては、第1の接続孔213a、213bの内部にモリブデンシリサイド層216b、216cを残す。その後に、モリブデンシリサイド層216bbの端部をマスクとして利用し、ITO層206aをパターニングして画素電極206を形成する。その結果、画素電極206およびモリブデンシリサイド層16bbの外端縁206x、216xは、いずれも、画素領域201bbと、それに隣接する画素領域201ab、201ba、201bc、201cbとの境界領域の近傍において一致する構造となる。
【0072】しかる後に、図13(d)に示すように、領域d−1のモリブデンシリサイド層216bの表面側にデータ線202aを形成し、データ線202aがモリブデンシリサイド層216bbを介してソース204に導電接続する構造とする。
【0073】以降の工程については、周知の工程を採用できるので、それらの説明は省略する。
【0074】このような製造方法によれば、アルミニウム層たるデータ線202aは、シリコンからなるソース204に対してモリブデンシリサイド層206bを介して接続するので、アルミニウムとの共晶反応によってシリコンがくわれることを防止できるため、薄いシリコン薄膜からTFT208を形成できるので、そのON/OFF比を向上することができる。
【0075】また、図13(d)における領域d−2においては、ITO層からなる画素電極206とシリコンからなるドレイン207とがモリブデンシリサイド層206aを介して導電接続しているため、画素電極206とドレイン207とを直接的に接続した場合に比してその接触抵抗を低減することもでき、表示品質の向上を図ることもできる。
【0076】なお、図13(a)〜(d)の左側領域および右側領域のいずれの側に示す製造方法においても、画素領域206がブラックマトリクス216の下層側にある場合について説明したが、これに限らず、逆の構造にすることも可能である。
【0077】(実施例6)図14は、本発明の実施例4に係る液晶表示装置に用いたアクティブマトリクス基板の一部を示す概略平面図、図15は、そのVI−VI線における断面図である。
【0078】本例の液晶表示装置は、その基本的な構造が実施例4に係る液晶表示装置と同様であって、アクティブマトリクス基板の側と、対向基板の側との間に充填する液晶の種類のみが異なるため、対応する部分には同符号を付してそれらの詳細な説明は省略する。
【0079】これらの図において、本例の液晶表示装置も、実施例4に係る液晶表示装置と同様に、画素領域201bbには、画素電極206の表面側に遮光性および導電性を備えるモリブデンシリサイド層216bb(導電性遮光層)を有し、このモリブデンシリサイド層216bbは、画素領域201bbと、それに隣接する画素領域201ab、201ba、201bc、201cbとの境界領域にあって、その外端縁216xは、データ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上において、画素電極206の外端縁206xと一致している。
【0080】このような構成のアクティブマトリクス基板に対しては、対向基板230が対向するように配置され、これらの基板の間には液晶241が充填される。ここで、本例の液晶表示装置においては、ポリマー分散型液晶が充填されているので、アクティブマトリクス基板および対向基板230の表面側には配向膜が形成されていない。その他の構成については、実施例4に係る液晶表示装置と同様である。
【0081】本例の液晶表示装置においても、実施例4に係る液晶表示装置と液晶の種類は異なるが、その各モリブデンシリサイド層216bb、216ab、216ba・・・をブラックマトリクス216として利用するため、対向基板230の側にブラックマトリクスを必要としないか、あるいは、図15に示すように、対向基板側ブラックマトリクス231を補完的に形成するだけでよいので、2杖の透明基板を対向させるときの位置合わせ精度が問題にならない。従って、ブラックマトリクス216および対向基板側ブラックマトリクス231の幅に不必要にマージンを設ける必要がないので、液晶表示装置の開口率を高くすることができるなど、実施例4に係る液晶表示装置と同様な効果を奏する。
【0082】(実施例7)図16は、本発明の実施例7に係る液晶表示装置に用いたアクティブマトリクス基板の一部を示す概略平面図、図17は、そのVII−VII線における断面図である。
【0083】本例の液晶表示装置においても、垂直方向のデータ線302a、302b・・・(信号線)と、水平方向のゲート線303a、303b・・・(走査線)とによって区画形成された画素領域のいずれの画素領域においても、画素領域301bb(第1の画素領域)のように、データ線302aが導電接続するソース311a、ゲート線303bが導電接続するゲート電極305、および画素電極306が導電接続するドレイン311bによって、TFT308が構成されている。ここで、TFT308は、機能的には実施例1の液晶表示装置のTFTなどと同様であるが、本例の液晶表示装置においては、いわゆる逆スタガ型TFTとして構成されている。すなわち、液晶表示装置全体を支持する透明基板309の表面側に絶縁膜が形成されており、その表面にゲート電極305が形成されている。さらに、それらの表面側には、ゲート電極絶縁膜305a、ノンドープのアモルファスシリコン層310およびn型不純物が導入されたアモルファスシリコン層(ソース311a、311b)が形成され、このアモルファスシリコン層(ソース311a、311b)に対して、ソース電極304aおよびドレイン電極307aが形成されている。そのうち、ドレイン電極307aに対しては、層間絶縁膜313を介して、画素電極306が導電接続している。
【0084】さらに、本例の液晶表示装置においても、層間絶縁膜313の表面側において、画素電極306の下層側に遮光性および導電性を備えるモリブデンシリサイド層316bb(導電性遮光層)を有し、このモリブデンシリサイド層316bbは、画素領域301bbと、それに隣接する画素領域301ab、301ba、301bc、301cbとの境界領域にあって、その外端縁306xは、データ線302a、302bおよびゲート線303a、303bの直上に位置するように形成されている。ここで、モリブデンシリサイド層316bbのような導電性遮光層は、いずれの画素領域にも同様に形成されているが、いずれも隣接する画素領域の画索電極およびモリブデンシリサイド層とは絶縁分離された状態にある。その他の構成については、実施例4に係る液晶表示装置と同様であるため、対応する部分には同符号を付してそれらの説明は省略する。
【0085】このような構成の液晶表示装置においては、実施例4に係る液晶表示装置と、TFT308の構造の差に起因する構造的な差異はあるものの、その表示の原理は同様であるため、実施例4に係る液晶表示装置と同様な効果を奏する。たとえば、各画素領域301bb‥・に形成されたモリブデンシリサイド層316bb・・・をブラックマトリクス316として利用するため、対向基板330の側にブラックマトリクスを必要としないか、あるいは、図17に示す対向基板側アクティブマトリクス331のように、データ線302a、303aを通過する光のみを遮る補完的なものだけを形成するだけでよく、2杖の透明基板を対向させるときの位置合わせ精度を考慮して、ブラックマトリクス316または対向基板側アクティブマトリクス331の幅を不必要に広くする必要がない。しかも、各モリブデンシリサイド層316bb‥・は、画素領域301bb・・・と同一の透明基板309の表面側につくり込まれているため、位置関係の精度が高く、データ線302a、302b・・・およびゲート線303a、303bなどの幅に対応させて、最小限の幅に設定できるので、液晶表示装置の開口率を高くすることができる。また、モリブデンシリサイド層316bbの電位が液晶の配向状態を乱すことがないので、高い表示品質が得られる。しかも、画素電極306の外周範囲とブラックマトリクス316の外周範囲とを一致させることができるので、これらの電極からの電位が液晶に及ぼす配向の乱れをブラックマトリクス316で確実に覆うことができるなどの効果を奏する。
【0086】(実施例8)図18は、本発明の実施例8に係る液晶表示装置に用いたアクティブマトリクス基板の一部を示す概略平面図、図19は、そのVIII―VIII線における断面図である。ここで、図8および図9R>9に示した実施例4に係る液晶表示装置の各部分と対応する機能を有する部分については同符号を付してある。
【0087】本例の液晶表示装置においても、図18に示すように、画素領域201bb(第1の画素領域)には、データ線202aが導電接続するソース204、ゲート線203bが導電接続するゲート電極205、および画素電極206が導電接続するドレイン207によって、TFT208が構成されている。ここで、画素電極206は、導電性および光透過性の材料としてのITOからなる透明電極であって、画素領域201bbの略全面にわたって形成されており、その端部がデータ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上に位置するまで拡張されている。そして、いずれの画素電極206も前段のゲート線203aの側に広い重なり面積を有している。
【0088】この画素領域201bbの断面構造は、図1919に示すように、液晶表示装置全体を支持する透明基板209の表面側に形成された多結晶シリコン層210に、チャネル領域211を除いて、n型の不純物としてのリンが導入されて、ソース204およびドレイン207が形成されている。このTFT208の表面側には、シリコン酸化膜からなる下層側層間絶縁膜213が推積されており、それには第1の接続孔213aと第2の接続孔213bとが開口されている。そのうちの第1の接続孔213aを介して、アルミニウム層からなるデータ線202aがソース204に導電接続している。
【0089】一方、第2の接続孔213bを介しては、画素電極206と同じく導電性および光透過性の材料としてのITOからなる積み上げ電極層214がドレイン207に導電接続している。ここで、下層側層間絶縁膜213の表面は、TFT208の形状に対応して凹凸が反映されているが、積み上げ電極層214は、TFT208が形成されていない平坦な領域208a上(TFT208の非形成領域上)にまで拡張形成されている。従って、この領域208a上における積み上げ電極層214の表面は平坦になっている。
【0090】さらに、この液晶表示装置においては、透明基板209の表面側に、シリコン酸化膜からなる上層側層間絶縁膜215が形成されており、その表面側に画素電極206が形成されている。ここで、画素電極206は、上層側層間絶縁膜215の接続孔215aを介して積み上げ電極層214に導電接続しており、この接続孔215aは、TFT208が形成されていない平坦な領域208a上に形成されている。このため、画素電極206は積み上げ電極層214の平坦領域に導電接続している。なお、上層側層間絶縁膜215としてはポリイミド層などを用いることなどにより、その表面を平坦化して、液晶の配向性をより高めてもよい。
【0091】本例においては、マトリクスアレイが形成された透明基板209と、カラーフィルタおよび共通電極が形成された他方側の透明基板(図示せず)との間に液晶が封入されて、液晶表示装置が構成される。そして、データ線202a、202b・・・およびゲート線203a、203b・・・によって伝達される信号によって、共通電極と各画素電極206との間に発生する電位を制御して、画素領域毎の液晶の配向状態を変え、情報を表示するようになっている。ここで、画素電極206へは、電位がTFT208のドレイン207および積み上げ電極層215を介して印加される。
【0092】また、本例の液晶表示装置においては、上層側層間絶縁膜215の表面側であって画素電極206の下層側には、遮光性および導電性を備えるモリブデンシリサイド層216bb(導電性遮光層)が形成されており、このモリブデンシリサイド層216bbは、画素領域201bbと、それに隣接する画素領域201ab、201ba、201bc、201cbとの境界領域において、その外端縁216xがデータ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上に位置するように形成されて、しかも、画素電極206の外端縁206xと一致している。ここで、モリブデンシリサイド層216bbのような導電性遮光層は、いずれの画素領域にも同様に形成されているが、隣接する画素領域201ab、201ba、201cb、201bcのいずれのモリブデンシリサイド層216ab、216ba、216bc、216cbの外端縁216xとも、モリブデンシリサイド層216bbは、データ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上位置で絶縁分離された状態にある。
【0093】このような構成の本例の液晶表示装置においては、各モリブデンシリサイド層216bb・・・をブラックマトリクスとして利用するため、図12に示すように、透明基板209の側に構成されたアクティブマトリクス基板の側と、対向基板230の側とを対向させるときに、モリブデンシリサイド層216bbが対向基板側ブラックマトリクス231の位置合わせにおけるマージンとなって、位置合わせ精度が問題にならない。また、モリブデンシリサイド層216bbの電位は、画素電極206と同じ電位が印加された状態にあるため、液晶の配向状態を乱すことがないので、高い表示品質が得られる。また、ブラックマトリクス216は、画素毎に電気的に独立した状態のモリブデンシリサイド層216bb・・・によって構成されているため、画素領域201bbにおいて、モリブデンシリサイド層216bbとデータ線202aとが短絡状態にあっても、この画素領域201bbのみの表示の点欠陥に止まるので、液晶表示装置の信頼性も高い。
【0094】また、本例の液晶表示装置において、データ線202aは下層側層間絶縁膜213上に形成されて、その第1の接続孔213aを介して薄膜トランジスタ208のソース204に導電接続している一方、画素電極206は、パッドとしての積み上げ電極層214に積み上げされた状態で、上層側層間絶縁膜215上に形成されている。すなわち、データ線202aと画素電極206とは、互いに異なる層上に形成されているので、短絡する危険性がない。従って、データ線202aの上方位置にまで画素電極206の端部206xを配置することができるので、データ線202aの近傍も表示部として利用できる。それ故、画素領域201bbの開口率が高い。
【0095】さらに、画素電極206はデータ線202aに対するシールド効果を発揮するので、データ線202aの電位が液晶の配向を乱すことがない。それ故、表示の品質が向上する。さらに、積み上げ電極層214は、導電性を有しているので、マトリクスアレイを構成するのに支障がなく、また、金属層を積み上げ電極層として用いた場合と異なり、ITOからなる積み上げ電極層214は光透過性を有しているので、画素領域206が導電接続しやすいように、積み上げ電極層214を拡張形成しても、画素領域201bbの開口率が犠牲になることがない。加えて、画素電極206は、積み上げ電極層214を介して積み上げされた状態にあるため、下層側および上層側層間絶縁膜213、215の接続孔213b、215aは、いずれもがアスペクト比の低い構造になっているので、接続孔213b、215aの内部における導電接続部の信頼性が高い。
【0096】また、本例においては、積み上げ電極層214に、画素電極206と同じくITOを用いているため、積み上げ電極層214と画素電極206との接続抵抗が低い。それ故、ドレイン207と画素電極206との間の抵抗分は低いレベルを維持できる。さらに、積み上げ電極層214および上層側層間絶縁膜215の表面側は、TFT208の形状が反映されて凹凸を有しているが、上層側層間絶縁膜215の接続孔215aは、TFT208が形成されていない平坦な領域208a上に形成されているので、積み上げ電極層214と画素電極206とのコンタクトの信頼性が高く、そのコンタクト抵抗も低い。また、このような接続構造は、平坦部分を底上げして、画素電極206表面を平坦化させて、液晶の配向状態を改善する効果も発揮する。
【0097】さらに、液晶表示装置の高精細化に伴って、画素領域201bbは微細化されているため、画素領域201bbにおける表示容量が減少し、オフ抵抗の高いTFT208を構成してリーク電流を小さくしても、ゲート線203bの非選択期間内に表示電圧が低下し、表示の保持特性が低くなりやすい傾向がある。しかしながら、本例の液晶表示装置においては、画素電極206の端部が前段のゲート線203aの上方に位置し、それらの間で電荷蓄積容量を形成している。このため、画素領域201bbの選択期間中は、前段のゲート線203aが非選択期間で、ゲート線203aには基準電位が印加されていることを利用して、電荷蓄積容量に電荷を蓄積し、画素領域201bbの液晶印加電圧の保持特性を向上することもできる。しかも、本例においては、画素電極206を前段のゲート電極203aの側に広い重なり面積を有するように形成してあるため、保持特性を向上させる効果が顕著である。
【0098】(実施例9)図20は、本発明の実施例9に係る液晶表示装置に用いたアクティブマトリクス基板の一部を示す概略平面図、図21は、そのIX−IX線における断面図である。ここで、図8および図9に示した実施例4に係る液晶表示装置または図18および図19R>9に示した実施例8に係る液晶表示装置の各部分と対応する機能を有する部分については同符号を付して、それらの詳細な説明を省略する。
【0099】これらの図において、画素領域201bbには、データ線202aが導電接続するソース204、ゲート線203bが導電接続するゲート電極205、および画素電極206が導電接続するドレイン207によって、TFT208が構成されている。ここで、画素電極206は、導電性および光透過性の材料としてのITOからなる透明電極であって、画素領域201bbの略全面にわたって形成されており、その端部がデータ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上に位置するまで拡張されている。そして、いずれの画素電極206も前段のゲート線203aの側に広い重なり面積を有している。
【0100】この画素領域201bbの断面構造は、透明基板209の表面側に形成された多結晶シリコン層210に、チャネル領域211を除いてソース204およびドレイン207が形成されている。このTFT208の表面側には、シリコン酸化膜からなる下層側層間絶縁膜213が推積されており、それには第1の接続孔213aと第2の接続孔213bとが開口されている。そのうちの第1の接続孔213aを介して、アルミニウム層からなるデータ線202aがソース204に導電接続している。
【0101】一方、第2の接続孔213bを介しては、積み上げ電極層214がドレイン207に導電接続している。ここで、下層側層間絶縁膜213の表面は、TFT208の形状に対応して凹凸が反映されているが、積み上げ電極層215は、TFT208が形成されていない平坦な領域208a上(TFT208の非形成領域上)にまで拡張形成されている。従って、この領域208a上における積み上げ電極層214の表面は平坦になっている。また、透明基板209の表面側に、シリコン酸化膜からなる上層側層間絶縁膜215が形成されており、その表面側に画素電極206が形成されている。この画素電極206は、上層側層間絶縁膜215の接続孔215aを介して積み上げ電極層214に導電接続しており、この接続孔215aは、TFT208が形成されていない平坦な領域208a上に形成されている。このため、画素電極206は積み上げ電極層214の平坦領域に導電接続している。
【0102】本例の液晶表示装置においては、データ線202aが、アルミニウム層で構成された下層側の第1のデータ線202aと、モリブデンシリサイド層で構成された上層側の第2のデータ線202aとで構成された冗長配線構造になっている。一方、積み上げ電極層214も、アルミニウム層で構成された下層側の第1の積み上げ電極層214aと、モリブデンシリサイド層で構成された上層側の第2の積み上げ電極層214bとで構成されている。しかも、ソース層202aと積み上げ電極層214とは、同層にあって、第1のデータ線202aと第1の積み上げ電極層214aとは同時形成されたものであって、第2のデータ線202aと第2の積み上げ電極層214bとが同時形成されたものである。なお、第2のデータ線202aおよび第2の積み上げ電極層214bを構成すべき材料としては、画素電極206をパターニングするときのエッチャントに溶解しない材料として、モリブデンシリサイドの他にも、チタンシリサイド、タングステンシリサイド、タンタルシリサイド、チタン、タングステン、タンタル、チタンナイトライドなどを用いることができる。
【0103】また、本例の液晶表示装置においては、上層側層間絶縁膜215の表面側であって画素電極206の下層側には、遮光性および導電性を備えるモリブデンシリサイド層216bb(導電性遮光層)が形成されており、このモリブデンシリサイド層216bbは、画素領域201bbと、それに隣接する画素領域201ab、201ba、201bc、201cbとの境界領域において、その外端縁216xがデータ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上に位置するように形成されて、しかも、画素電極206の外端縁206xと一致している。ここで、モリブデンシリサイド層216bbのような導電性遮光層は、いずれの画素領域にも同様に形成されているが、隣接する画素領域201ab、201ba、201cb、201bcのいずれのモリブデンシリサイド層216ab、216ba、216cb、216bcの外端縁216xとも、モリブデンシリサイド層216bbは、データ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上位置で絶縁分離された状態にある。
【0104】このような構成の本例の液晶表示装置においては、各モリブデンシリサイド層216bb・・・をブラックマトリクスとして利用するため、透明基板209の側に構成されたアクティブマトリクス基板の側と、対向基板の側とを対向させるときに、位置合わせ精度が問題にならない。また、モリブデンシリサイド層216bbの電位は、画素電極206と同じ電位が印加された状態にあるため、液晶の配向状態を乱すことがないので、高い表示品質が得られる。また、ブラックマトリクス216は、画素毎に電気的に独立した状態のモリブデンシリサイド層216bb・・・によって構成されているため、画素領域201bbにおいて、モリブデンシリサイド層216bbとデータ線202aとが短絡状態にあっても、この画素領域201bbのみの表示の点欠陥に止まるので、液晶表示装置の信頼性も高い。
【0105】また、本例の液晶表示装置においては、データ線202aが冗長配線構造になっているので、その信頼性が高い。しかも、積み上げ電極層214も、アルミニウム層で構成された第1の積み上げ電極層214aとモリブデンシリサイド層で構成された第2の積み上げ電極層214bとで構成されて、ITO層からなる画素電極206は、モリブデンシリサイド層で構成された第2の積み上げ電極層214bを介してアルミニウム層で構成された第1の積み上げ電極層214aに導電接続しているため、モリブデンシリサイド層は、ITO層とアルミニウム層とのコンタクト層として機能するので、そこでの接触抵抗を低減する。しかも、モリブデンシリサイドで上層側の第2の積み上げ電極層214bを構成しているため、画素電極206をエッチング形成する時にそのエッチャント、で積み上げ電極層214が侵されない。
【0106】さらに、データ線202aと画素電極206とは、互いに異なる層上に形成されているので、短絡する危険性がない。従って、データ線202aの上方位置にまで画素電極206の端部206xを配置することができるので、可能な限りの開口率を確保できる。また、画素電極206はデータ線202aに対するシールド効果を発揮するので、データ線202aの電位が液晶の配向を乱すことがない。それ故、表示の品質が向上する。
【0107】また、画素電極206は、積み上げ電極層214を介して積み上げされた状態にあるため、下層側および上層側層間絶縁膜213、215の接続孔213b、215aは、いずれもがアスペクト比の低い構造になっているので、接続孔213b、215aの内部における導電接続部の信頼性が高い。しかも、積み上げ電極層214および上層側層間絶縁膜215の表面側は、TFT208の形状が反映されて凹凸を有しているが、上層側層間絶縁膜215の接続孔215aは、TFT208が形成されていない平坦な領域208a上に形成されているので、積み上げ電極層214と画素電極206とのコンタクトの信頼性が高く、そのコンタクト抵抗も低い。また、このような接続構造は、平坦部分を底上げして、画素電極206表面を平坦化させて、液晶の配向状態を改善する効果も発揮する。
【0108】さらに、本例の液晶表示装置においては、画素電極206の端部が前段のゲート線203aの上方に位置し、しかも、画素電極206を前段のゲート電極203aの側に広い重なり面積を有するように形成してあるため、保持特性を向上させる効果が顕著である。
【0109】(実施例10)図22は、本発明の実施例10に係る液晶表示装置に用いたアクティブマトリクス基板の一部を示す概略平面図、図23は、そのX−X線における断面図である。ここで、図1および図2に示した実施例1に係る液晶表示装置と対応する機能を有する部分については同符号を付して、それらの詳細な説明を省略する。
【0110】本例の液晶表示装置においても、垂直方向のデータ線102a、102b・・・(信号線)と、水平方向のゲート線103a、103b・・・(走査線)とが格子状に配置され、それらの間に各画素領域101aa、101ab、101ac、101ba、101bb・・・が区画形成されて、マトリクスアレイが構成されている。そのうち、画素領域101bbにおいては、データ線102aが導電接続するソース104、ゲート線103bが導電接続するゲート電極105、および画素電極106が導電接続するドレイン107によって、TFTl08が構成されている。ここで、画素電極106は、導電性および光透過性の材料としてのITOからなる透明電極であって、画素領域101bbの略全面にわたって形成されている。ここで、TFTl08の表面側には、シリコン酸化膜からなる下層側層間絶縁膜113が推積されており、それには第1の接続孔113aと第2の接続孔113bとが開口されている。そのうちの第1の接続孔113aを介してアルミニウム層からなるデータ線102aがソース104に導電接続している。一方、第2の接続孔113bを介しては、画素電極106がドレイン107に導電接続している。さらに、透明基板109の表面側に、シリコン酸化膜からなる上層側層間絶縁膜115が形成されており、その表面側にモリブデンシリサイド層116bbが形成されている。ここで、モリブデンシリサイド層116bbは、上層側層間絶縁膜115の接続孔115aを介して画素電極106に導電接続しており、この接続孔115aは、TFTl08が形成されていない平坦な領域108aとして、画素領域102bbにおけるTFTl08の形成位置とは対角の位置に形成されている。このため、モリブデンシリサイド層116bbは、画素電極106の平坦領域に導電接続している。
【0111】さらに、本例の液晶表示装置においては、ゲート電極105が、多結晶シリコン層に1×1020/cm以下のリンを拡散した厚さが1500オングストローム以下の下層側ゲート電極層105aと、厚さが2000オングストローム以下のモリブデンシリサイド層で構成された上層側ゲート電極層105bとの2層構造になっている。このような2層構造のゲート電極は、まず、多結晶シリコン膜を1000オングストロームの厚さに形成した後に、それに酸素および窒素雰囲気中でオキシ塩化リンを用いて850°Cの温度条件で拡散して下層側ゲート電極層105aを形成した後に、2000オングストロームのモリブデンシリサイド層をスパッタ形成して上層側ゲート電極層105bを積層したものを、CF−O系のガスを用いてドライエッチングしたものである。ここで、上層側ゲート電極105bを構成するモリブデンシリサイドの組成式をMoSixで表したときに、Xの値については、2.0〜3.5に設定することが好ましく、この範囲よりも大きな値の場合には、抵抗値が大きくなり、2.5近傍であることがクラックの発生を防止するのに適している。なお、モリブデンシリサイドに代えて、タングステンシリサイドやチタンシリサイドも採用できる。
【0112】このような構成の本例の液晶表示装置においては、各モリブデンシリサイド層116bb・・・をブラックマトリクス116として利用するため、透明基板109の側に構成されたアクティブマトリクス基板の側と、対向基板の側とを対向させるときに、モリブデンシリサイド層116bbが対向基板側ブラックマトリクスの位置合わせにおけるマージンとなって、位置合わせ精度が問題にならない。また、モリブデンシリサイド層116bbの電位は、画素電極106と同じ電位が印加された状態にあるため、液晶の配向状態を乱すことがないので、高い表示品質が得られる。また、ブラックマトリクス116は、画素毎に電気的に独立した状態にあるため、画素領域101bbにおいて、モリブデンシリサイド層116bbとデータ線102aとが短絡状態にあっても、表示の点欠陥に止まる。
【0113】また、本例の液晶表示装置においては、ゲート電極105が、多結晶シリコン層にリンを拡散した厚さが1500オングストローム以下の下層側ゲート電極層105aと、厚さが2000オングストローム以下のモリブデンシリサイド層で構成された上層側ゲート電極層105bとのポリサイド構造を採用しながらも、それらの膜厚および不純物導入量を最適化して、クラックの発生を防止しているので、ゲート電極105およびゲート線103a、103bの低抵抗化を実現している。また、下層側層間絶縁膜113および上層側層間絶縁膜115に割れなどが発生することも防止できる。
【0114】また、本例においては、上層側層間絶縁膜115の表面側は、TFTl08の形状が反映されて凹凸を有しているが、上層側層間絶縁膜115の接続孔115aは、TFTl08が形成されていない平坦な領域108aとして、画素領域102bbにおけるTFTl08の形成位置とは対角の位置に形成されているため、モリブデンシリサイド層116bbと画素電極106とのコンタクトの信頼性が高い。
【0115】(実施例11)図24は、本発明の実施例11に係る液晶表示装置に用いたアクティブマトリクス基板の一部を示す概略平面図、図25は、そのXI−XI線における断面図である。ここで、図18および図19R>9に示した実施例8に係る液晶表示装置と対応する槻能を有する部分については同符号を付して、それらの詳細な説明を省略する。
【0116】本例の液晶表示装置においても、画素領域201bbにおいて、透明基板209の表面側に形成された多結晶シリコン層210に、チャネル領域211を除いて、n型の不純物としてのリンが導入されて、ソース204およびドレイン207が形成されている。このTFT208の表面側には、シリコン酸化膜からなる下層側層間絶縁膜213が推積されており、それには第1の接続孔213aと第2の接続孔213bとが開口されている。そのうちの第1の接続孔213aを介してデータ線202aがソース204に導電接続している。
【0117】一方、第2の接続孔213bを介しては、耐酸性を有する金属配線層としてのクロム層からなる積み上げ電極層214がドレイン207に導電接続している。ここで、接続孔213bの形成位置と、接続孔215aの形成位置との関係は、接続孔215aが接続孔213bとゲート電極205との間に位置している。
【0118】また、本例の液晶表示装置においては、上層側層間絶縁膜215の表面側であって画素電極206の下層側には、遮光性および導電性を備えるモリブデンシリサイド層216bb(導電性遮光層)が形成されており、このモリブデンシリサイド層216bbは、画素領域201bbと、それに隣接する画素領域201ab、201ba、201bc、201cbとの境界領域において、その外端縁216xがデータ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上に位置するように形成されて、しかも、画素電極206の外端縁206xと一致している。ここで、モリブデンシリサイド層216bbのような導電性遮光層は、いずれの画素領域にも同様に形成されているが、隣接する画素領域201ab、201ba、201cb、201bcのいずれのモリブデンシリサイド層216ab、216ba、216cb、216bcの外端縁216xとも、モリブデンシリサイド層216bbは、データ線202a、202bおよびゲート線203a、203bの直上位置で絶縁分離された状態にある。
【0119】さらに、本例の液晶表示装置において、透明基板209の表面側には、アクティブマトリクスアレイを駆動するための駆動回路も、図26および図27に示すようなCMOS回路をもって形成されている。ここで、図26は駆動回路のCMOS回路の断面図、図27はその平面図である。
【0120】これらの図において、nチャネル型TFT410およびpチャネル型TFT420は、アクティブマトリクス側と同時形成されていくが、アクティブマトリクス側において、ゲート電極205、データ線202aおよび画素電極206が、それぞれの層間に下層側層間絶縁膜213または上層側層間絶縁膜215を有していることを利用して、駆動回路側にも多層配線構造が構成されている。すなわち、駆動回路側とアクティブマトリクス側とは、駆動回路側ゲート電極441、駆動回路側ゲート電極配線層442および下層側層間絶縁膜213の形成工程までは、それぞれの工程を援用し合って形成し、その後は、駆動回路側のソース線411、421を形成した後に、上層側屠間絶縁膜215を形成する。そして、上層側層間絶縁膜215および下層側層間絶縁膜213に対して接続孔415a、415bを形成し、これらの接続孔415a、415bを介して、アルミニウム配線層430をnチャネル型TFT410およびpチャネル型TFT420のドレイン417、427に導電接続するようにしてある。なお、アルミニウム配線層430の表面側に形成されているのは、表面保護層230である。
【0121】このような構成の本例の液晶表示装置においても、各モリブデンシリサイド層216bb・・・をブラックマトリクスとして利用するため、実施例8に係る液晶表示装置と同様な効果を奏するのに加えて、以下の効果も奏する。すなわち、アクティブマトリクス側において、ゲート電極205、データ線202aおよび画素電極206が、それぞれの層間に下層側層間絶縁膜213または上層側層間絶縁膜215を有していることを利用して、nチャネル型TFT410およびpチャネル型TFT420のドレイン417、427に対するアルミニウム配線層430を多層配線構造をもって形成してあるため、各配線層間での短絡などの問題点が発生しない。また、多層配線構造であるため、nチャネル型TFT410およびpチャネル型TFT420を備えた駆動回路を形成するのに必要な面積も小さくて済み、基板の面積が同じであれば、画素領域を拡張でき、画素側の面積が同じであれば、基板全体、すなわち、液晶表示装置を小型化できる。
【0122】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば下記に述べる如く顕著な効果を奏することができる。
(a)対向基板側に遮光層を形成する場合と比較して、高い精度で位置合わせすることができる。そのため、開口率を向上させることができる。
(b)しかも、第2導電層は画素電極に導電接続されているため、その電位は常に画素電極と同じ電位が印加された状態になる。そのため、第2導電層の電位は液晶の配向状態を乱すことがないので、表示の品質が高い。
(c)画素電極と第2導電層との間に層間絶縁膜を配置することなく重ねて配置されているため、導電層の電位を画素電極の電位に断線の問題もなく安定して印加することができる。
(d)さらに、第2導電層はトランジスタのチャネル領域を覆うように配置されているため、チャネル領域への光の侵入を防ぐことができ、リーク電流によるトランジスタの誤動作を防ぐことができる。
(e)第1導電層は積み上げ電極からなり、しかも積み上げ電極層の上側の電極層は前記画素電極をパターニングする時のエッチャントに溶解しない材料からなるため、画素電極をエンチャント形成する時にそのエッチャントで積み上げ電極が侵されるのを防ぐことができる。
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図2】図1のI−I線における断面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図4】図3のII−II線における断面図である。
【図5】本発明の実施例3に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図6】図5のIII−III線における断面図である。
【図7】本発明の実施例3の変形例に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの平面の摸式図である。
【図8】本発明の実施例4に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図9】図8のIV−IV線における断面図である。
【図10】(a)〜(c)のいずれも、図8に示す液晶表示装置の製造方法の一部を示す工程断面図である。
【図11】本発明の実施例5に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図12】図11のV−V線における断面図である。
【図13】(a)〜(d)のいずれも、図11に示す液晶表示装置の製造方法の一部を示す工程断面図である。
【図14】本発明の実施例6に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図15】図14のVI−VI線における断面図である。
【図16】本発明の実施例7に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一ぶを示す平面図である。
【図17】図16のVII−VII線における断面図である。
【図18】本発明の実施例8に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図19】図18のVIII−VIII線における断面図である。
【図20】本発明の実施例9に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図21】図20のIX−IX線における断面図である。
【図22】本発明の実施例10に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図23】図22のX−X線における断面図である。
【図24】本発明の実施例11に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図25】図24のXI−XI線における断面図である。
【図26】本発明の実施例11に係る液晶表示装置のマトリクスアレイと同一基板上に形成された駆動回路の一部の構成を示す断面図である。
【図27】本発明の実施例11に係る液晶表示装置のマトリクスアレイと同一基板上に形成された駆動回路の一部の構成を示す平面図である。
【図28】従来の液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図29】図28のXII−XII線における断面図である。
【図30】比較例に係る液晶表示装置のマトリクスアレイの一部を示す平面図である。
【図31】図30のXIIII−XIIII線における断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板上にデータ線と、前記データ線に交差するゲート線と、前記データ線に接続されるソース及び前記ゲート線に接続されるゲート電極とを備えるトランジスタと、前記トランジスタのドレインに接続される第1導電層と、前記第1導電層に接続される画素電極とを有する液晶表示装置であって、前記第1導電層は積み上げ電極層からなり、前記積み上げ電極層の上側の電極層は前記画素電極をパターニングする時のエッチャントに溶解しない材料からなり、且つ前記第1導電層は前記ドレイン上の第1絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記ドレインに接続されるとともに、前記第1導電層上の第2絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2絶縁膜上の前記画素電極に接続され、前記画素電極は前記ドランジスタ上に配置された第2導電層と接続されるように重ねて配置されているとともに前記第2導電層は前記トランジスタのチャネル領域を覆うように配置されていることを特徴とする液晶表示装置。

【図2】
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【図4】
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【図1】
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【図3】
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【図6】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図26】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図27】
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【図29】
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【図13】
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【図17】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図28】
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【図30】
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【図31】
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【特許番号】特許第3269472号(P3269472)
【登録日】平成14年1月18日(2002.1.18)
【発行日】平成14年3月25日(2002.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−364619
【分割の表示】特願平5−507995の分割
【出願日】平成4年11月27日(1992.11.27)
【公開番号】特開平11−265001
【公開日】平成11年9月28日(1999.9.28)
【審査請求日】平成11年6月28日(1999.6.28)
【前置審査】 前置審査
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【参考文献】
【文献】特開 平2−245741(JP,A)
【文献】特開 平5−257164(JP,A)
【文献】実開 昭59−194783(JP,U)