説明

液気混合体用ポンプ、制御装置、および冷菓製造装置

【課題】小型の液気混合体用ポンプ、制御装置、および冷菓製造装置を提供する。
【解決手段】液体と気体とをそれぞれ導入し、該導入した液体および気体を吐出する液気混合体用ポンプ10において、液体を導入する液体導入路38、気体を導入する気体導入路39、並びに、該導入した液体および気体を吐出する吐出路40がそれぞれ接続された混合室37を有するシリンダ31と、シリンダ31に摺動自在に嵌入され、上端部34と下端部35との間で往復運動を行うことにより、混合室37の容積を増減させるピストン21と、ピストン21を駆動するステッピングモータ11と、ステッピングモータ11の出力軸の回転運動をピストン21の往復運動に変換する変換手段とを備え、シリンダ31、ピストン21、ステッピングモータ11、および上記変換手段は、一体化されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液気混合体用ポンプ、該液気混合体用ポンプを駆動する制御装置、および該液気混合体用ポンプを備える冷菓製造装置に関するものであり、特に、ソフトアイスクリームやシェイクなどの冷菓原料である液体の冷菓ミックスと空気とをそれぞれ導入し、該導入した冷菓ミックスおよび空気を吐出する液気混合体用ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、アイスクリーム、ソフトアイスクリーム、またはシェイクなどの冷菓を製造する冷菓製造装置があり、多種の冷菓が製造可能となっている。
【0003】
この種の冷菓製造装置では、冷却シリンダにて製造されたソフトアイスクリームやシェイクなどの冷菓が、混合室に形成された取出し口から取り出される。冷却シリンダは、ミックスタンクに貯蔵された冷菓原料である冷菓ミックスを攪拌冷却することにより、冷菓を製造している。
【0004】
ここで、食感を良くするために、ミックスタンクの冷菓ミックスは、空気と一緒に冷却シリンダに供給されている。すなわち、多くの空気を含んだ冷菓ミックスが、冷却シリンダに供給されている。そこで、このような供給の一手段として、規定の比率で空気を混合しながら、冷菓ミックスを冷却シリンダに供給する液気混合体用ポンプが用いられている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0005】
液気混合体用ポンプは、駆動源の駆動によりポンプ動作を行うものであり、ポンプ本体がミックスタンク内に設置され、駆動源がミックスタンク外に設置される。例えば、特許文献1に記載のポンプ200の構成を図8に示す。図8に示すように、ポンプ200は、ポンプ本体であるシリンダ201がタンク250内に設置され、カムを動力源とする駆動源202がタンク250外に設置される。カムの駆動によってシリンダ201内のピストン203が作動することで、ポンプ動作が行われる。
【特許文献1】特開平5−99133号公報(1993年4月20日公開)
【特許文献2】米国特許3628893号明細書(1971年12月21日登録)
【特許文献3】米国特許7048523号明細書(2006年3月23日登録)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の液気混合体用ポンプは大型であるという問題点を有している。つまりは、特許文献1〜3に記載の従来の液気混合体用ポンプでは、該ポンプおよびこれを駆動する駆動源(駆動装置)が、かなり大型で複雑な構造物であるため、ポンプ全体としては大型化しており、広い設置スペースが必要とされる。ひいては、冷菓製造装置の大型化を引き起こしている。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、小型の液気混合体用ポンプ、制御装置、および冷菓製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液気混合体用ポンプは、上記課題を解決するために、液体と気体とをそれぞれ導入し、該導入した液体および気体を吐出する液気混合体用ポンプにおいて、液体を導入する液体導入部、気体を導入する気体導入部、並びに、該導入した液体および気体を吐出する吐出部がそれぞれ接続された混合室を有するシリンダと、上記シリンダに摺動自在に嵌入され、上死点と下死点との間で往復運動を行うことにより、上記混合室の容積を増減させるピストンと、上記ピストンを駆動するモータと、上記モータの出力軸の回転運動を上記ピストンの往復運動に変換する変換手段とを備え、上記シリンダ、上記ピストン、上記モータ、および上記変換手段は、一体化されていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、小型化可能なモータが駆動源として用いられているとともに、シリンダ、ピストン、および変換手段と一体化されている。よって、液気混合体用ポンプを小型化することが可能となる。またこれにより、省スペース化も可能となる。
【0010】
また、本発明の液気混合体用ポンプは、上記変換手段は、上記モータの出力軸により回転駆動される、螺旋溝が外周面に形成された回転軸と、上記螺旋溝と係合するように上記ピストンに形成された係合部とからなることが好ましい。これにより、簡単な構成で、モータの出力軸の回転運動をピストンの往復運動に変換することが可能となる。
【0011】
本発明の制御装置は、上記課題を解決するために、上記液気混合体用ポンプに対し、上記モータの一方の回転方向につき、上記ピストンが上死点と下死点との間を往復するに必要な回転数を、上記モータに発生させることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、ピストンは、上死点と下死点との間のいかなる位置にあっても、上死点および下死点に必ず到達しながら往復運動を行う。よって、ピストンは、可動範囲を最大限に活用して往復運動を行うことが可能となる。またこれにより、液体および気体の吐出量も一定とすることが可能となる。
【0013】
また、本発明の制御装置は、上記液気混合体用ポンプに対し、上記ピストンが上記上死点または下死点に到達したことを検出する検出手段を備え、上記検出手段の検出後、上記モータの一方の回転方向につき、上記ピストンが上死点と下死点との間を往復するに必要な回転数を、上記モータに発生させることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、ピストンは、上死点または下死点から移動を開始するので、上死点および下死点にほぼ到達しながら往復運動を行うことになる。よって、ピストンは、可動範囲を十分に活用して往復運動を行うことが可能となる。またこれにより、液体および気体の吐出量もほぼ一定とすることが可能となる。
【0015】
さらに、上記の構成によれば、ピストンが上死点および下死点に一致して止まるように、モータを回転させている。よって、モータにおける過電流の断続的な発生を抑制することが可能となる。
【0016】
本発明の冷菓製造装置は、上記課題を解決するために、液状の冷菓原料を貯蔵する収容部と、上記冷菓原料と空気とをそれぞれ導入し、該導入した冷菓原料および空気を吐出する導入吐出手段と、上記吐出された冷菓原料および空気を攪拌冷却することにより冷菓を製造する攪拌冷却手段とを備える冷菓製造装置において、上記導入吐出手段は、上記液気混合体用ポンプであることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、小型の液気混合体用ポンプを備えることにより、冷菓製造装置を小型化することが可能となる。
【0018】
また、本発明の冷菓製造装置は、上記液気混合体用ポンプは、該液気混合体用ポンプに対し上記ピストンの往復運動の方向の移動を規制する第1規制手段、および、該液気混合体用ポンプに対し上記モータの回転方向の移動を規制する第2規制手段を用いて、上記収容部内に固定されていることが好ましい。
【0019】
液気混合体用ポンプが収容部内に設置されて用いられる場合、液気混合体用ポンプは、吐出動作時の反力や、モータによる回転振動により、外れる可能性がある。これに対し、上記の構成によれば、液気混合体用ポンプは、第1規制手段および第2規制手段を用いて収容部内に安定かつ確実に固定されているので、動作時において外れることを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の液気混合体用ポンプによれば、小型の液気混合体用ポンプを提供するという効果を奏する。またこれにより、省スペース化も併せて奏する。
【0021】
本発明の制御装置は、上記液気混合体用ポンプにおいて、可動範囲を最大限に活用してピストンに往復運動を行わせることができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明の制御装置は、上記液気混合体用ポンプにおいて、可動範囲を十分に活用してピストンに往復運動を行わせることができるという効果を奏するとともに、モータにおける過電流の断続的な発生を抑制することができるという効果を奏する。
【0023】
本発明の冷菓製造装置は、上記小型の液気混合体用ポンプを備えることで、小型化した冷菓製造装置を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。本発明の液気混合体用ポンプは、液体と気体とをそれぞれ導入し、該導入した液体および気体を吐出するポンプである。この液気混合体用ポンプは、例えば、冷菓製造装置において、ミックスタンクに貯蔵されたソフトアイスクリームやシェイクなどの冷菓原料である液体の冷菓ミックスを、空気と一緒に冷却シリンダに供給するために用いられる。なお、以下では、一例として、液体が冷菓ミックスであり、気体が空気である場合について説明する。
【0025】
(液気混合体用ポンプの構成)
図1〜3は、本実施の形態の液気混合体用ポンプ10の一構成例を示す図である。より詳細には、図1は、ピストン21が上昇しているときの様子を示し、図2は、ピストン21が下降しているときの様子を示している。図3は、液気混合体用ポンプ10の外観を示している。
【0026】
図1〜3に示すように、本実施の形態の液気混合体用ポンプ10は、駆動源となるステッピングモータ11、ステッピングモータ11により駆動されるピストン21、並びに、ステッピングモータ11およびピストン21を内部で保持するシリンダ31を備えている。ステッピングモータ11、ピストン21、およびシリンダ31は、一体化されている。
【0027】
ステッピングモータ11は、外部(後述の制御装置90)からケーブル12を介して供給される電源および制御信号によって駆動する。ステッピングモータ11は、制御装置90から供給される制御信号に基づいて一定の回転数で回転する。また、その制御信号によって、回転数や回転方向を自由に変更することが可能となっている。
【0028】
また、ステッピングモータ11は、その出力軸により回転駆動される回転軸13を有している。回転軸13は、円柱の形状を有しており、ステッピングモータ11本体から突出するように設けられている。回転軸13は、ステッピングモータ11の出力軸の回転に連動して、一定の回転数で回転する。回転軸13には、その突出するように設けられている部分の表面すなわち外周面に、螺旋溝14が形成されている。
【0029】
ピストン21には、ステッピングモータ11の回転軸13を差し込む軸差込部22が形成されている。そして、軸差込部22の表面には、回転軸13の螺旋溝14に係合する凸状の係合部23が形成されている。ピストン21は、螺旋溝14と係合部23とが係合するようにステッピングモータ11の回転軸13が摺動自在に軸差込部22に差し込まれることによって、ステッピングモータ11の回転軸13に取り付けられている。これにより、ステッピングモータ11が駆動し、回転軸13が回転運動を行うことによって、ピストン21は、回転軸13の軸方向に沿った往復運動を行う。
【0030】
また、ピストン21には、シリンダ31のピン36を差し込むピン差込部24が形成されている。これにより、ピストン21が往復運動を行う際のピストン21の回転が防止されている。よって、回転軸13の回転運動を、無駄無くピストン21の往復運動に変換することが可能となっている。
【0031】
シリンダ31は、ステッピングモータ11を保持する空間であるモータ設置室32と、ピストン21を保持する空間であるピストン設置室33とを内部に有している。モータ設置室32とピストン設置室33とは隣接しており、ステッピングモータ11の回転軸13が貫通可能な貫通孔で連通されている。ここで、説明の便宜上、モータ設置室32が配置されている側すなわちステッピングモータ11が保持される側を、液気混合体用ポンプ10の上側とし、ピストン設置室33が配置されている側すなわちピストン21が保持される側を、液気混合体用ポンプ10の下側とする。
【0032】
モータ設置室32では、ステッピングモータ11は、ステッピングモータ11の回転軸13が貫通孔を貫通して、その回転軸13の先端がピストン設置室33内に位置するように固定されている。すなわち、ステッピングモータ11は、回転軸13が下側に向くように、シリンダ31に固定されている。また、シリンダ31には、モータ設置室32と外部とを接続する通路が形成されている。この通路によって、ステッピングモータ11に接続されたケーブル12が、外部へ引き出されている。
【0033】
ピストン設置室33では、ステッピングモータ11の回転軸13に取り付けられたピストン21が、ピストン設置室33内に摺動自在に嵌め入れられている。ここで、ピストン21をステッピングモータ11の回転軸13に取り付けたとき、ステッピングモータ11側すなわち上側に向く面を上面とし、ステッピングモータ11側とは反対側すなわち下側に向く面を下面とする。
【0034】
ピストン設置室33には、上側に上端部34およびピストン21の回転止めとなるピン36が形成され、下側に下端部35が形成されている。摺動するピストン21の上面が上端部34に当たるとき、ピストン21は最も上側に位置し、摺動するピストン21の下面が下端部35に当たるとき、ピストン21は最も下側に位置する。つまりは、上端部34および下端部35は、ピストン21の可動範囲を規定している。なお、上端部34および下端部35は、特許請求の範囲に記載の上死点および下死点にそれぞれ相当させずに、より短い範囲でピストン21を動作させてもよい。
【0035】
また、ピストン設置室33は、冷菓ミックスと空気とを導入する混合室37を有している。混合室37は、ピストン21が上側に移動することにより、ピストン21の下面の下側に形成される空間である。混合室37は、ピストン21が可動範囲で往復運動を行うことによって、容積が増減する。混合室37、詳細にはピストン設置室33の下側には、冷菓ミックスを導入する液体導入路38、空気を導入する気体導入路39、並びに、導入した冷菓ミックスおよび空気を吐出する吐出路40がそれぞれ接続されている。なお、液体導入路38、気体導入路39、および吐出路40が、特許請求の範囲に記載の液体導入部、気体導入部、および吐出部にそれぞれ相当する。
【0036】
さらに、ピストン設置室33には、液体導入路38および気体導入路39との接続を開閉する弁41・42がそれぞれ設けられている。これらの弁41・42は、混合室37側に開くように設けられている。また、弁41・42を一体のものとして形成してもよい。
【0037】
液体導入路38は、外部に接続されている。ここでいう外部とは、液気混合体用ポンプ10の外部であって、冷菓ミックスが満たされている空間である。なお、液体導入路38と外部との接続界面である液体導入口43は、混合室37よりも下側に位置しているが、これに限るものではなく、液気混合体用ポンプ10の設置状態に応じて配置すればよい。
【0038】
気体導入路39は、外部に接続されている。ここでいう外部とは、液気混合体用ポンプ10の外部であって、空気が満たされている空間すなわち大気中である。気体導入路39と外部との接続界面である気体導入口44には、オリフィス45が設けられている。なお、気体導入口44は、液気混合体用ポンプ10の上方に位置しているが、これに限るものではなく、液気混合体用ポンプ10の設置状態に応じて配置すればよい。
【0039】
吐出路40は、下側に向かって伸びている。吐出路40の末端付近の外周面には、外部と接続される吐出口46が形成されている。吐出口46には、外部に開く平たい輪ゴム状の弁47が設けられている。吐出路40を通って押し出されてきた冷菓ミックスおよび空気が弁47を押し開くことにより、冷菓ミックスおよび空気が吐出口46から外部に吐出される。
【0040】
また、シリンダ31には、外表面に、フック48およびピン49が設けられている。フック48は、混合室37よりも下側であって、液体導入路38、気体導入路39、および吐出路40と干渉しない位置に設けられている。ピン49は、ステッピングモータ11がシリンダ31に固定されたときの回転軸13の軸方向と平行な方向に伸びるように設けられている。また、ピン49は、下端が突出するようにシリンダ31の外表面で摺動自在に保持されている。
【0041】
さらに、シリンダ31には、取っ手50が取り付けられている。取っ手50は、上側、すなわち吐出路40および吐出口46が配置されている側とは反対側に、設けられている。取っ手50は、操作者が手で把持可能な形状を有していればよく、その配置も適宜変更可能である。
【0042】
なお、ステッピングモータ11、ピストン21、およびシリンダ31は、上述した機能・構成を有するものであれば、その外形や内部の形状は特に限定されない。特に、シリンダ31の外形は、設置し易いコンパクトな形状で、持ち運びの負担が軽い形状とすることができる。また、冷菓ミックスなどの食品を扱う場合、食品衛生を維持するために、液気混合体用ポンプ10は分解洗浄される。それゆえ、シリンダ31は、分解および組立が容易な、簡単な構成とすることが望ましい。さらに、シリンダ31の内部において、組み立てて一体化した空間に密閉性が必要であれば、適宜Oリングなどを用いても構わない。
【0043】
(液気混合体用ポンプの動作)
次に、図1,2を参照しながら、上記構成を有する液気混合体用ポンプ10の動作について説明する。
【0044】
液気混合体用ポンプ10の駆動は、外部の制御装置90により制御される。制御装置90は、ステッピングモータ11の回転数および回転方向を制御する。制御装置90は、ケーブル12によりステッピングモータ11と電気的に接続されており、ステッピングモータ11に電源を供給するとともに、上記制御情報を含む制御信号を供給する。なお、ユーザによる制御装置90への入力操作により、上記制御情報は適宜設定・変更することができる。
【0045】
制御装置90からステッピングモータ11に電源が投入されると、ステッピングモータ11は、制御信号に基づいて一定の回転数で回転し始める。そして、ステッピングモータ11は、制御信号に基づき、予め定められた時間で回転方向が交互に切り替えられる。一方、このステッピングモータ11の出力軸により駆動されて、回転軸13が回転運動を行う。
【0046】
回転軸13とピストン21とは、螺旋溝14と係合部23とにより係合している。また、ピストン21は、シリンダ31のピン36により回転が防止されている。これにより、回転軸13が回転することで、ピストン21が上側または下側に向かって移動する。回転軸13は、予め定められた時間、またはステッピングモータ11を駆動するパルス数で回転方向が交互に切り替わるように回転するので、ピストン21は、回転軸13の軸方向に沿った往復運動を行う。
【0047】
ピストン21が上側に移動する場合、図1に示すように、ピストン21の下面の下側に、混合室37が形成される。このとき、各弁41・42が開けられ、液体導入路38を通って冷菓ミックスが、気体導入路39を通って空気が、混合室37にそれぞれ導入される。なお、このとき弁47は閉じている。
【0048】
続いて、図2に示すように、ピストン21が下側に移動することにより、混合室37に満たされている冷菓ミックスおよび空気が押し出される。このとき、各弁41・42は閉じるので、冷菓ミックスおよび空気は吐出路40に押し出される。そして、吐出路40を通って押し出されてきた冷菓ミックスおよび空気が弁47を開くことにより、冷菓ミックスおよび空気が吐出口46から外部に吐出される。なお、冷菓ミックスおよび空気は同時に吐出されるが、混合室37への導入状況によってはこれに限らない。
【0049】
続いて、ピストン21が上側に移動することにより、混合室37が形成され、冷菓ミックスと空気とがそれぞれ導入される。このとき、弁47は閉じるので吐出はされない。そして、同様に、ピストン21が下側に移動することにより、冷菓ミックスおよび空気が吐出口46から外部に吐出される。
【0050】
このように、液気混合体用ポンプ10では、ステッピングモータ11の駆動により、回転軸が時計回りと反時計回りとで交互に回転することで、ピストン21が往復運動を行う。そして、このピストン21の往復運動によって、混合室37の容積が増減し、冷菓ミックスおよび空気の導入と、予め定められた体積比で空気が混合された冷菓ミックスの吐出とが、一定の間隔で交互に行われる。
【0051】
ここで、電源投入時などの停止時からの動作開始時点(初期時点)では、ピストン21は、前回停止したときの位置にある。このため、ステッピングモータ11の回転方向の切替が適切に行われなければ、ピストン21は可動範囲を十分に活用して往復運動を行うことができない。また、吐出量も変動または減少する。よって、ピストン21が可動範囲を十分に活用して往復運動を行うように、制御装置90は、ステッピングモータ11の回転制御を行っている。
【0052】
例えば、ステッピングモータ11がある一定の回転数で回転する場合、ピストン21が可動範囲の端から端まで(すなわち、上端部34から下端部35まで、および、下端部35から上端部34まで)を1秒で移動するとする。この場合、制御装置90は、ステッピングモータ11の回転方向が1.1秒間で交互に切り替わるように、ステッピングモータ11を駆動する。すなわち、一方の回転方向につき、ピストン21が一定の回転数で可動範囲の端から端まで到達するのに必要な時間(回転数分)+α、ステッピングモータ11を駆動させる。
【0053】
これにより、ピストン21が可動範囲の端から端までを1秒で移動することから、1.1秒間ステッピングモータ11を駆動すれば、ピストン21がどの位置にいても、上端部34または下端部35に必ず到達させることが可能となる。
【0054】
言い換えると、ステッピングモータ11の回転方向を一定の時間で交互に切り替える場合、ピストン21が可動範囲の端から端までを移動するための回転速度がA〔rpm〕必要とする。この場合、制御装置90は、一方の回転方向につき、A〔rpm〕よりも高い回転速度で、ステッピングモータ11を駆動させる。これにより、ピストン21がどの位置にいても、上端部34または下端部35に必ず到達させることが可能となる。
【0055】
なお、この制御方法では、ピストン21を、シリンダ31内の上端部34および下端部35のいずれにもぶつけて、押し当てた状態で止めている。それゆえ、ピストン21を動かしている間、ステッピングモータ11に過電流が発生し、ステッピングモータ11が加熱しても壊れない程度に、+αの時間を決めることが好ましい。
【0056】
このように、制御装置90によるステッピングモータ11の回転制御により回転軸13が回転運動を行うことによって、ピストン21は、可動範囲のいかなる位置にあっても、上端部34と下端部35との間で必ず各端部に到達するように往復運動を行う。よって、ピストン21は、可動範囲を最大限に活用して往復運動を行うことが可能となる。またこれにより、冷菓ミックスおよび空気の吐出量も一定とすることが可能となる。
【0057】
また、周知のとおり、一般的に、ステッピングモータ11は、これに印加される駆動用パルスに同期して出力軸が回転する。すなわち、出力回転軸の回転速度、およびある期間の総回転数は、印加されるパルスの周波数、およびパルス数により決定しうるという特徴がある。この特徴は、出力軸が所定回転速度で回転中に、適切に駆動用パルスが印加されていることを条件としている。
【0058】
なお、回転停止時からの回転起動時は、所定時間などのパラメータになどにより、駆動用パルスと出力回転軸とが同期するまで、駆動用パルスの周波数を低くしておくことは、すでに一般になされている手法である。
【0059】
このことは、逆に、ステッピングモータ11に機械的衝撃などが印加された場合、ステッピングモータ11本体と出力軸との回転が瞬時的に位相がずれた場合には、以降、出力軸の正常な回転が得られなくなる場合があるという欠点がある。この場合には、回転異常を何らかの方法で検出し、ステッピングモータ11のある相入力にのみ電圧印加をすることにより、ステッピングモータ11の出力回転軸を停止し、上記の「回転停止時からの回転起動時」により再度回転を開始させることとなる。
【0060】
以上のように、液気混合体用ポンプ10は、冷菓ミックスを導入する液体導入路38、空気を導入する気体導入路39、並びに、該導入した冷菓ミックスおよび空気を吐出する吐出路40がそれぞれ接続された混合室37を有するシリンダ31と、シリンダ31に摺動自在に嵌入され、上端部34と下端部35との間で往復運動を行うことにより、混合室37の容積を増減させるピストン21と、ピストン21を駆動するステッピングモータ11と、ステッピングモータ11の出力軸の回転運動をピストン21の往復運動に変換する変換手段とを備え、シリンダ31、ピストン21、ステッピングモータ11、および上記変換手段は、一体化されている構成を有する。
【0061】
これによれば、小型化可能なステッピングモータ11が駆動源として用いられているとともに、シリンダ31、ピストン21、および変換手段と一体化されている。よって、液気混合体用ポンプ10を小型化することが可能となる。またこれにより、省スペース化も可能となる。
【0062】
また、ステッピングモータ11の出力軸により回転駆動される、螺旋溝14が外周面に形成された回転軸13と、螺旋溝14と係合するようにピストン21に形成された係合部23とが、上記変換手段を構成している。よって、簡単な構成で、ステッピングモータ11の出力軸の回転運動をピストン21の往復運動に変換することが可能となる。
【0063】
なお、液気混合体用ポンプ10では、制御装置90によるステッピングモータ11の回転制御は、上述した制御方法に限るわけではない。例えば、制御装置90は、ピストン21が上端部34または下端部35に到達したことを検出する検出手段を備えていてもよい。また、検出手段を備えず、ピストン21が上端部34または下端部35に当接した状態を、予め定められた時間範囲で放置してもよい。この検出手段の検出を利用して、ステッピングモータ11の回転制御を行うことができる。
【0064】
ステッピングモータ11がある一定の回転数で回転する場合、ピストン21が可動範囲の端から端までを1秒で移動するとする。この場合、制御装置90は、まず、1秒間ステッピングモータ11を駆動する。これにより、ピストン21は上端部34または下端部35に必ず到達する。このとき、ステッピングモータ11の駆動が継続していても、ピストン21はこれ以上移動することはできないため、ステッピングモータ11は減速または停止する。つまり、ステッピングモータ11はロックし、過電流が発生する。
【0065】
検出手段は、この過電流を検出することにより、ステッピングモータ11の減速または停止を検出するとともに、ピストン21が上端部34または下端部35に到達したことを検出することができる。そして、この検出手段の検出後、制御装置90は、ステッピングモータ11を、回転方向が1秒間で交互に切り替わるように回転させる。すなわち、一方の回転方向につき、ピストン21が一定の回転数で可動範囲の端から端まで到達するのに必要な時間(回転数分)、ステッピングモータ11を駆動させる。
【0066】
これにより、ピストン21が可動範囲の端から端までを1秒で移動することから、1秒間ステッピングモータ11を駆動すれば、ピストン21がどの位置にいても、上端部34または下端部35にほぼ到達させることが可能となる。よって、ピストン21は、可動範囲を十分に活用して往復運動を行うことが可能となる。またこれにより、冷菓ミックスおよび空気の吐出量もほぼ一定とすることが可能となる。
【0067】
また、この制御方法では、ピストン21を、一旦上端部34または下端部35に到達させてから、ピストン21が上端部34および下端部35に一致して止まるように、ステッピングモータ11を回転させている。よって、ステッピングモータ11における過電流の断続的な発生を抑制することが可能となる。
【0068】
なお、上述したように、ステッピングモータ11は、負荷の急激な変動に弱い。このため、何らかの衝撃やピストン21の意図しない激突などにより、ステッピングモータ11は停止する可能性がある。これに対し、液気混合体用ポンプ10は、そのような停止が発生した場合であっても、再起動することが可能となっている。つまりは、制御装置90の検出手段が、上記停止を検出することにより、液気混合体用ポンプ10は、初期起動から動作を開始することができる。また、制御装置90の検出手段は、ピストン21の位置を検出する機能を有していてもよい。
【0069】
また、本実施例においては、ステッピングモータ11を一定の回転速度で回転させ、回転している時間により、ピストン21を作動させていた。これに代えて、ステッピングモータ11に印加するパルス数でステッピングモータ11の回転数を制御し、ステッピングモータ11が一定ではない回転数でピストン21を作動させてもよい。
【0070】
上記液気混合体用ポンプ10の詳細実施例においては、ピストン21の駆動源として、ステッピングモータ11を用いたが、他の種類のモータを用いてもよい。例えば、回転数検出手段を備えたDCモータを用いてもよい。
【0071】
また、出力回転軸の回転速度が不安定なモータの場合は、上述した時間制御に代えて、ピストン21が上死点または下死点に到達した時の回転停止時の電流値の変化の検出、あるいは、ピストン21の位置を検出する位置検出手段からの情報をもとに、モータを駆動してもよい。
【0072】
(冷菓製造装置の構成)
上述した液気混合体用ポンプ10は、例えば、図4に示すような冷菓製造装置100に備えられる。
【0073】
図4は、液気混合体用ポンプ10を備える冷菓製造装置100の一構成例を示す図である。また、図5に、冷菓製造装置100における、ミックスタンク101および液気混合体用ポンプ10の構成を示す。なお、冷菓製造装置100では本発明に関連する構成を主に挙げ、冷菓製造装置100にて特に説明しない構成は従来の一般的な構成で実現可能であり、その説明は適宜省略する。
【0074】
冷菓製造装置100は、冷菓ミックスを貯蔵するミックスタンク101と、空気とミックスタンク101内の冷菓ミックスとをそれぞれ導入し、該導入した冷菓ミックスおよび空気を吐出する液気混合体用ポンプ10と、液気混合体用ポンプ10から吐出された空気を含む冷菓ミックスを攪拌冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダ103とを備えている。ミックスタンク101と冷却シリンダ103とは連結パイプ102で接続されている。なお、ミックスタンク101、液気混合体用ポンプ10、および冷却シリンダ103が、特許請求の範囲に記載の収容部、導入吐出手段、および攪拌冷却手段にそれぞれ相当する。
【0075】
液気混合体用ポンプ10は、操作者が取っ手50を手で持って、連結パイプ102に挿抜される。この取っ手50により、操作者は、液気混合体用ポンプ10を連結パイプ102に容易に挿入することができる。また、取っ手50によって、操作者は、液気混合体用ポンプ10を、連結パイプ102から容易に抜くことができる。
【0076】
ミックスタンク101は、その底面に連結パイプ102が接続されている。ミックスタンク101の底面には、連結パイプ102に液気混合体用ポンプ10が差し込まれたときに、液気混合体用ポンプ10のフック48に引っ掛かるとともに、液気混合体用ポンプ10のピン49によって液気混合体用ポンプ10を固定する突起部104が設けられている。突起部104は、断面H型の形状を有している。
【0077】
液気混合体用ポンプ10は、吐出口46の部分が下側に向くように、ミックスタンク101内に取り付けられる。詳細には、液気混合体用ポンプ10の吐出口46の部分が、ミックスタンク101の内側から連結パイプ102に差し込まれ、液気混合体用ポンプ10のフック48とミックスタンク101の突起部104とが引っ掛かるとともに、液気混合体用ポンプ10のピン49が突起部104の側方に当接されることにより、液気混合体用ポンプ10は、ミックスタンク101内に固定されている。
【0078】
図6および図7に、液気混合体用ポンプ10の設置前後の状態を示す。図6は、液気混合体用ポンプ10をミックスタンク101内に固定する前の状態を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。液気混合体用ポンプ10を連結パイプ102に差し込む際は、突起部104の上にピン49が位置する方向でしか液気混合体用ポンプ10を連結パイプ102に挿入できない形状とし、挿入方向の制限を設けてある。図7は、液気混合体用ポンプ10をミックスタンク101内に固定した後の状態を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。図7に示すように、液気混合体用ポンプ10を連結パイプ102に挿入後、回転させることによって、図8に示すように、突起部104はフック48に引っ掛けられている。また、突起部104をフック48に引っ掛けた後、ピン49はさらに下方(突起部104の側方)に差し込まれる。
【0079】
通常、液気混合体用ポンプ10は、空気を含んだ冷菓ミックスを吐出する際、その反力でもって連結パイプ102から抜けようとする。また、液気混合体用ポンプ10は、ステッピングモータ11を備えていることから回転方向に力が働く。このため、液気混合体用ポンプ10は、連結パイプ102から抜けたり、外れたりする可能性がある。
【0080】
これに対し、液気混合体用ポンプ10は、連結パイプ102に差し込まれるとともに、フック48と突起部104とによって固定されているので、抜け方向、すなわちピストン21の往復運動の方向への移動が規制されている。また、液気混合体用ポンプ10は、ピン49と突起部104とによって固定されているので、回転方向、すなわちステッピングモータ11の回転方向への移動が規制されている。よって、液気混合体用ポンプ10は、ミックスタンク101内に安定かつ確実に固定されているので、動作時における連結パイプ102から抜けたり、外れたりすることを防止することが可能となる。
【0081】
また、液気混合体用ポンプ10の固定手段は、突起部104に限るわけではない。つまりは、液気混合体用ポンプ10がミックスタンク101内に設置されたとき、液気混合体用ポンプ10に対しピストン21の往復運動の方向の移動を規制する直線規制機能と、液気混合体用ポンプ10に対しステッピングモータ11の回転方向の移動を規制する回転規制機能とを有する部材であればよい。また、各機能を有する部材をそれぞれ設けてもよい。例えば、ピン49を固定するために、突起部104を用いずに、ミックスタンク101の底面に形成された穴を用いることができる。なお、突起部104のうち上記直線規制機能を有する部分および上記回転規制機能を有する部分が、特許請求の範囲に記載の第1規制手段および第2規制手段にそれぞれ相当する。
【0082】
なお、ミックスタンク101に貯蔵された冷菓ミックスが、直接冷却シリンダ103に漏れてしまうことを防止するために、液気混合体用ポンプ10における連結パイプ102に差し込む差込部分は、連結パイプ102と密着するような径であることが望ましい。差込部分の径よりも連結パイプ102の径が大きい場合は、隙間を埋めるような補助部材などを適宜用いてもよい。
【0083】
液気混合体用ポンプ10が、ミックスタンク101内に取り付けられたとき、液体導入口43は、冷菓ミックスが貯蔵されているミックスタンク101の底部側に位置し、気体導入口44は、大気中に位置する。これにより、ピストン21が上昇し、混合室37が形成されるにつれて、圧力差によって、冷菓ミックスが、液体導入口43から液体導入路38を通り、弁41を押し開けて、混合室37に導入される。また同時に、空気が、オリフィス45および気体導入口44から気体導入路39を通り、弁42を押し開けて、混合室37に導入される。よって、液気混合体用ポンプ10を備える冷菓製造装置100では、空気や冷菓ミックスを供給する機械構造物などを、特別に備える必要はない。
【0084】
なお、ミックスタンク101の大きさは、少なくとも、冷菓ミックスを所望量貯蔵し、かつ液気混合体用ポンプ10を設置可能な大きさであればよい。ミックスタンク101の横方向の自由度は高いので、貯蔵したい冷菓ミックスの量に応じて、ミックスタンク101の容量は増やすことが可能である。
【0085】
また、上述した冷菓製造装置100では、液気混合体用ポンプ10を縦向きにミックスタンク101内に設置し使用する例について説明したが、液気混合体用ポンプ10の設置は、上述した設置に限るものではない。例えば、液気混合体用ポンプ10は、ミックスタンク101内に横向きに設置してもよし、ミックスタンク101外に設置してもよい。ミックスタンク101外に設置する場合は、ミックスタンク101内の冷菓ミックスを、液気混合体用ポンプ10に供給するパイプや、冷菓ミックスと空気との混合体を供給するパイプなどを用いることで、液気混合体用ポンプ10を用いることができる。また、液気混合体用ポンプ10の設置の向きや設置場所、およびミックスタンク101の形状に応じて、液体導入路38や気体導入路39の形状および配置は好適に決定することができる。
【0086】
冷菓製造装置100では、液気混合体用ポンプ10をどのように設置しても、液気混合体用ポンプ10は、従来と比べて小型化されているので、小型化を実現することが可能となる。
【0087】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、液体と気体とをそれぞれ導入し、該液体および気体を吐出する液気混合体用ポンプに関する分野に好適に用いることができるだけでなく、液気混合体用ポンプの製造に関する分野、例えば、部品の製造に関する分野に好適に用いることができ、さらには、液気混合体用ポンプを制御する制御装置およびその制御方法や、液気混合体用ポンプを備える冷菓製造装置およびその製造方法の分野にも広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明における液気混合体用ポンプの実施の一形態を示すものであり、ピストンが上昇しているときの様子を示す断面図である。
【図2】上記液気混合体用ポンプにおいて、ピストンが下降しているときの様子を示す断面図である。
【図3】上記液気混合体用ポンプの外観を示す斜視図である。
【図4】本発明における冷菓製造装置の実施の一形態を示す側面図である。
【図5】上記冷菓製造装置における、ミックスタンクおよび液気混合体用ポンプの一構成例を示す側面図である。
【図6】上記液気混合体用ポンプをミックスタンク内に固定する前の状態を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【図7】上記液気混合体用ポンプをミックスタンク内に固定した後の状態を示す、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【図8】従来の液気混合体用ポンプの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0090】
10 液気混合体用ポンプ
11 ステッピングモータ
12 ケーブル
13 回転軸
14 螺旋溝
21 ピストン
22 軸差込部
23 係合部
24 ピン差込部
31 シリンダ
32 モータ設置室
33 ピストン設置室
34 上端部
35 下端部
36 ピン
37 混合室
38 液体導入路
39 気体導入路
40 吐出路
41,42 弁
43 液体導入口
44 気体導入口
45 オリフィス
46 吐出口
47 弁
48 フック
49 ピン
50 取っ手
90 制御装置
100 冷菓製造装置
101 ミックスタンク
102 連結パイプ
103 冷却シリンダ
104 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と気体とをそれぞれ導入し、該導入した液体および気体を吐出する液気混合体用ポンプにおいて、
液体を導入する液体導入部、気体を導入する気体導入部、並びに、該導入した液体および気体を吐出する吐出部がそれぞれ接続された混合室を有するシリンダと、
上記シリンダに摺動自在に嵌入され、上死点と下死点との間で往復運動を行うことにより、上記混合室の容積を増減させるピストンと、
上記ピストンを駆動するモータと、
上記モータの出力軸の回転運動を上記ピストンの往復運動に変換する変換手段とを備え、
上記シリンダ、上記ピストン、上記モータ、および上記変換手段は、一体化されていることを特徴とする液気混合体用ポンプ。
【請求項2】
上記変換手段は、
上記モータの出力軸により回転駆動される、螺旋溝が外周面に形成された回転軸と、
上記螺旋溝と係合するように上記ピストンに形成された係合部とからなることを特徴とする請求項1に記載の液気混合体用ポンプ。
【請求項3】
液気混合体用ポンプを駆動する制御装置であって、
上記液気混合体用ポンプは、請求項1に記載の液気混合体用ポンプであり、
上記モータの一方の回転方向につき、上記ピストンが上死点と下死点との間を往復するに必要な回転数を、上記モータに発生させることを特徴とする制御装置。
【請求項4】
液気混合体用ポンプを駆動する制御装置であって、
上記液気混合体用ポンプは、請求項1に記載の液気混合体用ポンプであり、
上記ピストンが上記上死点または下死点に到達したことを検出する検出手段を備え、
上記検出手段の検出後、上記モータの一方の回転方向につき、上記ピストンが上死点と下死点との間を往復するに必要な回転数を、上記モータに発生させることを特徴とする制御装置。
【請求項5】
液状の冷菓原料を貯蔵する収容部と、
上記冷菓原料と空気とをそれぞれ導入し、該導入した冷菓原料および空気を吐出する導入吐出手段と、
上記吐出された冷菓原料および空気を攪拌冷却することにより冷菓を製造する攪拌冷却手段とを備える冷菓製造装置において、
上記導入吐出手段は、請求項1に記載の液気混合体用ポンプであることを特徴とする冷菓製造装置。
【請求項6】
上記液気混合体用ポンプは、該液気混合体用ポンプに対し上記ピストンの往復運動の方向の移動を規制する第1規制手段、および、該液気混合体用ポンプに対し上記モータの回転方向の移動を規制する第2規制手段を用いて、上記収容部内に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の冷菓製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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