説明

液面レベル測定装置

【課題】液中に先端部を浸漬させる検出管に接続される加圧気体供給源と、検出管に接続される圧力センサとを備え、加圧気体供給源から検出管への加圧気体供給後の加圧気体供給停止状態で圧力センサの検出値に基づいて液面レベルを測定する液面レベル測定装置において、検出管の流通抵抗変化や加圧気体供給源側の経時変化があっても、液面レベルを正確に測定する。
【解決手段】加圧気体供給源2Aからの加圧気体供給停止後に、圧力センサ5の検出値の変化に基づいて検出管3内の圧力が安定したと圧力安定化判断手段12が判断するのに応じて、演算手段14が圧力センサ5の検出値に基づいて液面レベルを演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液面レベルの測定対象である液中に先端部を浸漬させる検出管と、該検出管の先端から加圧気体を漏出させるべく前記検出管に接続される加圧気体供給源と、前記検出管内の圧力を検出するようにして前記検出管に接続される圧力センサとを備え、前記加圧気体供給源から前記検出管への加圧気体供給後の加圧気体供給停止状態で前記圧力センサの検出値に基づいて液面レベルを測定する液面レベル測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
測定対象である液中に検出管の先端部を浸漬せしめ、一定周期毎に駆動されるポンプからの加圧気体を検出管の先端から漏出させ、ポンプの作動停止後に所定時間が経過したときに、検出管内の圧力が安定化したものとして前記圧力を検出し、その圧力に基づいて液面レベルを測定するようにしたものが、特許文献1によって既に知られている。
【特許文献1】特開2007−78413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記特許文献1で開示されるように、ポンプの作動停止後に所定時間が経過したときに検出管内の圧力を検出するようにしたものでは、加圧気体供給源から検出管の先端までの距離が変化したり、検出管にくびれや潰れが生じることによって検出管の流通抵抗が変化したときには、ポンプの作動停止後の所定時間経過時に検出管内の圧力が未だ不安定状態にあることもあり、そのような状態で圧力センサの検出値に基づいて液面レベルを測定したのでは測定値が不正確となる。
【0004】
またポンプからの吐出量のばらつきや、フィルタの詰まり等による経時劣化によって、加圧気体供給源から供給される加圧気体の流量が低下し、検出管の先端から加圧気体を漏出させるまでに長時間を要する場合にも、所定時間内に検出管内の加圧気体の置換を完了することができず、測定値が不正確になってしまう。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、検出管の流通抵抗変化や加圧気体供給源側の経時変化があっても、液面レベルを正確に測定し得るようにした液面レベル測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、液面レベルの測定対象である液中に先端部を浸漬させる検出管と、該検出管の先端から加圧気体を漏出させるべく前記検出管に接続される加圧気体供給源と、前記検出管内の圧力を検出するようにして前記検出管に接続される圧力センサとを備え、前記加圧気体供給源から前記検出管への加圧気体供給後の加圧気体供給停止状態で前記圧力センサの検出値に基づいて液面レベルを測定する液面レベル測定装置において、前記圧力センサの検出値の変化に基づいて前記検出管内の圧力が安定したか否かを判断する圧力安定化判断手段と、前記加圧気体供給源からの加圧気体供給停止後に前記検出管内の圧力が安定したと前記圧力安定化判断手段が判断するのに応じて前記圧力センサの検出値に基づいて液面レベルを演算する演算手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、所定時間間隔で前記加圧気体供給源からの加圧気体供給を開始させるようにして前記加圧気体供給源からの加圧気体供給開始タイミングを制御する供給開始タイミング制御手段と、前記加圧気体供給源からの加圧気体供給開始後に前記検出管内の圧力が安定したと前記圧力安定化判断手段が判断するのに応じて前記加圧気体供給源からの加圧気体供給を停止するようにして前記加圧気体供給源からの加圧気体供給停止タイミングを制御する供給停止タイミング制御手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
なお第1実施例のポンプ2Aが本発明の加圧気体供給源に対応する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、加圧気体供給源からの加圧気体供給停止後に圧力センサの検出値の変化に基づいて圧力安定化判断手段が検出管内の圧力が安定したと判断したときに、圧力センサの検出値に基づいて液面レベルを演算するようにしているので、検出管内の圧力が液面レベルに対応した安定値となった状態で液面レベルを測定するようにして、加圧気体供給源から検出管の先端までの距離が変化したり、検出管にくびれや潰れが生じることによって検出管の流通抵抗が変化したり、加圧気体供給源側の経時劣化があったとしても、液面レベルを正確に測定することができる。
【0010】
また請求項2記載の発明によれば、加圧気体供給源の無駄な作動を防止し、測定時間の短縮および省エネルギー化に寄与することができる。すなわち加圧気体供給源からの加圧気体の供給を開始すると、検出管内の圧力は増大し、加圧気体供給源からの加圧気体供給量と、検出管の先端からの加圧気体漏出量とが均衡することで検出管内の圧力はピーク値となるのであるが、加圧気体供給源から検出管の先端までの距離や、検出管の途中のくびれや潰れ等による流通抵抗の変化によっては、加圧気体供給源からの加圧気体供給開始後に、検出管内の圧力がピーク値となるまでの時間は変化する。しかるに加圧気体供給源からの加圧気体供給開始後に圧力安定化判断手段が検出管内の圧力が安定したと判断したときに検出管内の圧力がピーク値に達したと判断して加圧気体供給源からの加圧気体供給を停止するようにしているので、検出管の流通抵抗の大小にかかわらず、検出管内に充分な量の加圧気体が存在する状態で加圧気体供給源からの加圧気体供給を適切に停止するようにして、加圧気体供給源の無駄な作動を防止し、測定時間の短縮を図りつつ省エネルギー化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図7は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は液面測定装置の構成を示す図、図2は制御盤の構成を示すブロック図、図3は制御ユニットの構成を示すブロック図、図4は液面レベルの測定手順を示すフローチャート、図5は検出管内の圧力変化の一例を示す図、図6は第1および第2圧力閾値の設定状況を示す図、図7は長さの異なる2種類の検出管での圧力変化を示す図である。
【0013】
先ず図1において、タンク1には、液面レベルの測定対象である液体が貯留されており、そのタンク1内の液面レベルLを測定するために、検出管3がその先端をタンク1の底部1aに近接する位置まで挿入され、検出管3の先端部は液中に浸漬される。
【0014】
一方、タンク1の外には、加圧気体供給源であるポンプ2Aが固定配置されており、このポンプ2Aが該ポンプ2A側への逆流を阻止する逆止弁4を介して前記検出管3に接続される。また前記逆止弁4よりも下流側で検出管3から分岐した分岐管3aには検出管3内の圧力を検出する圧力センサ5が接続される。
【0015】
図2を併せて参照して、前記ポンプ2Aの作動は制御盤6で制御されるものであり、この制御盤6には前記圧力センサ5の検出値も入力される。而して前記制御盤6は、マイクロコンピュータから成る制御ユニット7と、該制御ユニット7に接続されるキーボード8および表示器9と、ポンプ2Aを駆動するようにして制御ユニット7に接続される駆動回路10とを備える。
【0016】
図3において、前記制御ユニット7は、前記キーボード8で設定される第1の所定時間T1毎にポンプ2Aからの加圧気体の供給を開始するように加圧気体の供給開始タイミングを定めて駆動回路10に駆動信号を入力する供給開始タイミング制御手段11と、前記キーボード8で設定される第2の所定時間T2を相互間にあけた前後での前記圧力センサ5の検出値の変化に基づいて前記検出管3内の圧力が安定したか否かを判断する圧力安定化判断手段12と、前記ポンプ2Aからの加圧気体供給開始後に前記検出管3内の圧力が安定したと前記圧力安定化判断手段11が判断するのに応じて前記ポンプ2Aからの加圧気体供給を停止するように前記ポンプ2Aからの加圧気体供給停止タイミングを定めて駆動回路10に駆動停止信号を入力する供給停止タイミング制御手段13と、前記ポンプ2Aからの加圧気体供給停止後に前記検出管3内の圧力が安定したと前記圧力安定化判断手段12が判断するのに応じて前記圧力センサ5の検出値に基づいて液面レベルを演算する演算手段14と、前記キーボード8で設定される第3および第4の所定時間T3,T4、第1および第2圧力閾値h1,h2、前記供給開始タイミング制御手段11による加圧気体の供給開始タイミング判定ならびに前記圧力安定化判断手段12による圧力安定判断結果に基づいて前記ポンプ2Aもしくは検出管3の異常を判断する異常判断手段15とを含む。
【0017】
このような制御ユニット7は、図4で示す手順に従って液面レベルLを測定するものであり、ステップS1では測定を停止し、次のステップS2で、供給開始タイミング制御手段11から駆動回路10に駆動信号を入力することによってポンプ2Aの駆動を開始し、ステップS3ではポンプ2Aの作動開始後に第3の所定時間T3たとえば1分を経過したか否かを判断する。
【0018】
而してポンプ2Aの作動開始後の経過時間が第3の所定時間T3以下であるとステップS3で判断した後のステップS4で、圧力安定化判断手段12が、第2の所定時間T2たとえば0.5秒を相互間にあけた前後での圧力センサ5の検出値の変化に基づいて検出管3内の圧力が安定したか否かを判断する。すなわち前回の圧力センサ5の検出値PAと、前回から第2の所定時間T2が経過した後の今回の圧力センサ5の検出値PBとが等しいか否かをステップS4で判断するものであり、PA=PBであるときにはステップS4からステップS5に進み、PA≠PBであるときにはステップS4からステップS2に戻る。なおステップS4の判断にあっては、|PA−PB|が所定範囲内にあるときにはPA=PBであるものとする。
【0019】
ステップS4でPA=PBであると判断したとき、すなわち圧力安定化判断手段12が検出管3内の圧力が安定したと判断したときには、ステップS5において、供給停止タイミング制御手段13が駆動回路10に駆動停止信号を入力してポンプ2Aが停止し、ポンプ2Aからの加圧気体供給を停止することになる。
【0020】
ポンプ2Aを停止した後のステップS6では、ポンプ2Aの作動停止後に第4の所定時間T4たとえば1分が経過したか否かを判断し、ポンプ2Aの作動停止後の経過時間が第4の所定時間T4以下であるとステップS6で判断した後のステップS7で、圧力安定化判断手段12が、第2の所定時間T2を相互間にあけた前後での圧力センサ5の検出値の変化に基づいて検出管3内の圧力が安定したか否かを判断することになり、圧力安定化判断手段12が検出管3内の圧力が安定したと判断したときには、ステップS7からステップS8に進む。なおステップS7でPA=PBであると判断してからステップS8に進む際に所定の時間経過を必要とするようにしてもよい。
【0021】
ステップS8では、圧力センサ5の検出圧が第1圧力閾値h1未満であるか否かを判断し、検出圧が第1圧力閾値h1以上であるとステップS8で判断したときには、ステップS9に進み、圧力センサ5の検出圧が第1圧力閾値h1よりも大きな第2圧力閾値h2を超える否かを判断する。
【0022】
ステップS9において検出圧が第2圧力閾値h2以下であると判断したときには、ステップS10に進み、演算手段14が圧力センサ5の検出値に基づいて液面レベルLを演算することで測定を開始することになる。而してポンプ2Aの停止状態で検出管3内の圧力が安定している状態では、検出管3内の圧力は、検出管3の先端から液面Lまでの水頭圧hに対応した値となっている。したがって圧力センサ5は、水頭圧hすなわち液面Lに応じた圧力を検出することができ、演算手段14は圧力センサ5の検出値に応じた液面Lを演算することができ、その液面レベルLが表示器9に表示されることになる。
【0023】
次のステップS11では、間欠時間すなわちポンプ2Aの駆動が開始されてから第1の所定時間T1が経過したか否かを判断し、経過したと判断したときにステップS1に戻って再びポンプ2Aの駆動を開始することになる。
【0024】
このようなステップS1〜ステップS11の処理を実行することにより、図5で示すように、ポンプ2Aの駆動開始から検出管3内の圧力が増加する過程では、時刻t1から第2の所定時間T2が経過した時刻t2ではポンプ2Aの駆動が停止されることはなく、検出管3内の圧力がピークに達した時刻t3から第2の所定時間T2が経過した時刻t4で、検出管3内の圧力が安定化したとしてポンプ2Aが停止することになる。その後、ポンプ2Aの停止によって検出管3内の圧力が減少する過程では、時刻t5から第2の所定時間T2が経過した時刻t6で測定が開始されることはなく、検出管3内の圧力が水頭圧hまで低下した状態での時刻t7から第2の所定時間T2が経過した時刻t8で液面レベルLの測定が開始されることになる。
【0025】
異常判断手段15は、ポンプ2Aの作動開始からの経過時間が第3の所定時間T3を超えるとステップS3で判断したときには、ポンプ2Aもしくは検出管3で異常が生じていると判断してステップS3からステップS12に進んで表示器9にエラー表示をし、ステップS13でポンプ2Aの駆動を強制的に停止するための信号を駆動回路10に入力し、さらにステップS14で測定を停止する。
【0026】
また異常判断手段15は、ポンプ2Aの作動停止からの経過時間が第4の所定時間T4を超えるとステップS6で判断したときには、検出管3で閉塞が生じていると判断してステップS6からステップS15に進んで表示器9にエラー表示をし、ステップS16でポンプ2Aの駆動を強制的に停止するための信号を駆動回路10に入力し、ステップS17で測定を停止する。
【0027】
さらに異常判断手段15は、ポンプ2Aの作動停止後に検出管3内の圧力が安定したと圧力安定化判断手段12が判断した状態でのステップS8で、圧力センサ5の検出圧が第1圧力閾値h1未満であると判断したときには、検出管3から漏れが生じていると判断してステップS8からステップS18に進んで表示器9にエラー表示をし、ステップS19でポンプ2Aの駆動を強制的に停止するための信号を駆動回路10に入力し、ステップS20で測定を停止する。
【0028】
ここでポンプ2Aおよび検出管3のいずれにも異常がない状態で圧力センサ5の検出圧が図6の曲線Aで示すように変化するものであるとすると、第1圧力閾値h1は、タンク1内の液面レベルLの最低値よりも低いレベルに対応した圧力として設定されており、検出管3から漏れが生じている状態では、曲線Bで示すように、ポンプ2Aの停止後に第1圧力閾値h1未満まで圧力センサ5の検出値が低下するので、検出管3で漏れが生じていると判断することが可能となる。
【0029】
また第2圧力閾値h2は、タンク1内の液面レベルLの最高値よりも高いレベルに対応した圧力として設定されており、異常判断手段15は、ポンプ2Aの作動停止後に検出管3内の圧力が安定したと圧力安定化判断手段12が判断した状態でのステップS9で、圧力センサ5の検出圧が第2圧力閾値h2を超えると判断したときには、検出管3で閉塞が生じていると判断してステップS9からステップS21に進んで表示器9にエラー表示をし、ステップS22でポンプ2Aの駆動を強制的に停止するための信号を駆動回路10に入力し、さらにステップS23で測定を停止する。
【0030】
これにより図6の曲線Cで示すように、検出管3で閉塞が生じているときには、ポンプ2Aの停止後に第2圧力閾値h2を超える値まで圧力センサ5の検出値が上昇するので、検出管3で閉塞が生じていると判断することが可能となる。
【0031】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、ポンプ2Aからの加圧気体供給停止後に圧力センサ5の検出値の変化に基づいて検出管3内の圧力が安定したと圧力安定化判断手段12が判断したときに、圧力センサ5の検出値に基づいて液面レベルLを演算するようにしているので、検出管3内の圧力が液面レベルLに対応した安定値となった状態で液面レベルLを測定するようにして、ポンプ2Aから検出管3の先端までの距離が変化したり、検出管3にくびれや潰れが生じることによって検出管3の流通抵抗が変化したとしても、またポンプ2A側で経時劣化があったとしても、液面レベルLを正確に測定することができる。
【0032】
ところでポンプ2Aからの加圧気体の供給を開始すると、検出管3内の圧力は増大し、ポンプ2Aからの加圧気体供給量と、検出管3の先端からの加圧気体漏出量とが均衡することで検出管3内の圧力はピーク値となるのであるが、ポンプ2Aから検出管3の先端までの距離や、検出管3の途中のくびれや潰れ等による流通抵抗の変化によっては、ポンプ2Aからの加圧気体供給開始後に、検出管3内の圧力がピーク値となるまでの時間は変化する。しかるにポンプ2Aからは第1の所定時間T1の間隔で検出管3内に加圧気体が供給され、ポンプ2Aからの加圧気体供給開始後に圧力センサ5の検出値の変化に基づいて圧力安定化判断手段12が検出管3内の圧力が安定したと判断したときに、検出管3内の圧力がピーク値に達したと判断してポンプ2Aからの加圧気体供給を停止するようにしているので、ポンプ2Aから検出管3の先端までの距離が大きく変化したり、検出管3にくびれや潰れが生じることによって検出管3の流通抵抗が変化したとしても、検出管3内に充分な量の加圧気体が存在する状態でポンプ2Aからの加圧気体供給を適切に停止することができる。すなわち検出管3の流通抵抗の大小にかかわらず、検出管3内に充分な量の加圧気体が存在する状態でポンプ2Aからの加圧気体供給を適切に停止するようにして、ポンプ2Aの無駄な作動を防止し、測定時間の短縮を図りつつ省エネルギー化を図ることができる。
【0033】
ここで、長さが異なる2種類の検出管3を用いたときの検出管3内の圧力は図7で示すように変化するものであり、短い長さLAの検出管3を用いたときに時刻t9でポンプ2Aの駆動が停止されるのに対して、長い長さLBの検出管3を用いたときには、ポンプ2Aの開始時刻が同じであるにもかかわらず前記時刻t9よりも遅い時刻t10でポンプ2Aの駆動が停止されることになり、ポンプ2Aから検出管3の先端までの距離が大きく変化しても、検出管3内に充分な量の加圧気体が存在する状態でポンプ2Aからの加圧気体供給を適切に停止することが可能となる。
【0034】
図8および図9は本発明の第2実施例を示すものであり、図8は液面測定装置の構成を示す図、図9は液面レベルの測定手順を示すフローチャートである。
【0035】
先ず図8において、タンク1の外に配置される加圧気体供給源2Bは、ポンプ16と、該ポンプ16に直列に接続されるバッファタンク17とで構成されており、この加圧気体供給源2Bが、該加圧気体供給源2Bからの加圧気体の供給圧力を一定に調整するための圧力調整弁18、絞り19および電磁弁20を介して検出管3に接続され、電磁弁20よりも下流側で検出管3から分岐した分岐管3aには検出管3内の圧力を検出する圧力センサ5が接続される。
【0036】
前記電磁弁20の開閉作動は制御盤6で制御され、この制御盤6には前記圧力センサ5の検出値も入力される。また加圧気体供給源2Bにおけるポンプ16は、前記バッファタンク17内の圧力が所定の範囲内の値となるように、バッファタンク17に付設された圧力スイッチ(図示せず)のオン・オフによって間欠駆動される。
【0037】
而して前記制御盤6が備える制御ユニット7(第1実施例参照)によって、図9で示す手順に従って液面レベルLが測定されるものであり、ステップS31では測定を停止し、ステップS32で電磁弁20を開弁する。次のステップS33では、検出管3に加圧気体が供給されてから検出管3内の圧力がピーク値に達すると想定される時間として予め設定された測定開始時間が経過したか否かを判断し、測定開始時間が経過したと判断したときにステップS34に進んで電磁弁20を閉弁し、検出管3への加圧気体の供給を停止する。
【0038】
検出管3への加圧気体の供給を停止した後のステップS35では、加圧気体の供給停止後に第4の所定時間T4たとえば1分が経過したか否かを判断し、加圧気体供給源2Bからの加圧気体供給停止後の経過時間が第4の所定時間T4以下であるとステップS35で判断した後のステップS36で、第2の所定時間T2たとえば0.5秒を相互間にあけた前後での圧力センサ5の検出値の変化に基づいて検出管3内の圧力が安定したか否かを判断することになり、検出管3内の圧力が安定したと判断したときには、ステップS36からステップS37に進む。
【0039】
ステップS37では、圧力センサ5の検出圧が第1圧力閾値h1未満であるか否かを判断し、検出圧が第1圧力閾値h1以上であるとステップS37で判断したときには、ステップS38に進み、圧力センサ5の検出圧が第1圧力閾値h1よりも大きな第2圧力閾値h2を超える否かを判断する。
【0040】
ステップS38において検出圧が第2圧力閾値h2以下であると判断したときには、ステップS39に進んで測定を開始する。而して検出管3内の圧力がピーク値に達した後に検出管3への加圧気体供給を停止してから検出管3内の圧力が安定している状態では、検出管3内の圧力は、検出管3の先端から液面Lまでの水頭圧hに対応した値となっている。したがって圧力センサ5は、水頭圧hすなわち液面Lに応じた圧力を検出することができ、その圧力センサ5の検出値に基づいて液面Lを演算することができる。
【0041】
ステップS39で測定開始した後のステップS40では、測定開始時間間隔として予め設定された所定時間が経過したか否かを確認し、所定時間の経過を確認したときにステップS31に戻る。また検出管3内への加圧気体の供給停止後の経過時間が第4の所定時間T4を超えるとステップS35で判断したときには、検出管3で閉塞が生じていると判断してステップS35からステップS41に進んでエラー表示をし、ステップS42で測定を停止する。
【0042】
また検出管3内への加圧気体の供給停止後に検出管3内の圧力が安定したと判断した状態でのステップS37で、圧力センサ5の検出圧が第1圧力閾値h1未満であると判断したときには、検出管3から漏れが生じていると判断してステップS37からステップS43に進んでエラー表示をし、ステップS44で測定を停止する。
【0043】
さらに検出管3内への加圧気体の供給停止後に検出管3内の圧力が安定したと判断した状態でのステップS38で、圧力センサ5の検出圧が第2圧力閾値h2を超えると判断したときには、検出管3で閉塞が生じていると判断してステップS38からステップS45に進んでエラー表示をし、ステップS46で測定を停止する。
【0044】
この第2実施例によっても、電磁弁20を閉弁することで加圧気体供給源2Bからの加圧気体供給停止後に検出管内の圧力が安定したと判断したときに、圧力センサ5の検出値に基づいて液面レベルLを演算するようにしているので、検出管3内の圧力が液面レベルLに対応した安定値となった状態で液面レベルLを測定するようにして、加圧気体供給源2Bから検出管3の先端までの距離が変化したり、検出管3にくびれや潰れが生じることによって検出管3の流通抵抗が変化したとしても、また加圧気体供給源2B側で経時劣化があったとしても、液面レベルLを正確に測定することができる。
【0045】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0046】
たとえば前記加圧気体供給源として加圧ボンベを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1実施例の液面測定装置の構成を示す図である。
【図2】制御盤の構成を示すブロック図である。
【図3】制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図4】液面レベルの測定手順を示すフローチャートである。
【図5】検出管内の圧力変化の一例を示す図である。
【図6】第1および第2圧力閾値の設定状況を示す図である。
【図7】長さの異なる2種類の検出管での圧力変化を示す図である。
【図8】第2実施例の液面測定装置の構成を示す図である。
【図9】液面レベルの測定手順を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
2A・・・加圧気体供給源であるポンプ
2B・・・加圧気体供給源
3・・・検出管
5・・・圧力センサ
11・・・供給開始タイミング制御手段
12・・・圧力安定化判断手段
13・・・供給停止タイミング制御手段
14・・・演算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液面レベルの測定対象である液中に先端部を浸漬させる検出管(3)と、該検出管(3)の先端から加圧気体を漏出させるべく前記検出管(3)に接続される加圧気体供給源(2A,2B)と、前記検出管(3)内の圧力を検出するようにして前記検出管(3)に接続される圧力センサ(5)とを備え、前記加圧気体供給源(2A,2B)から前記検出管(3)への加圧気体供給後の加圧気体供給停止状態で前記圧力センサ(5)の検出値に基づいて液面レベルを測定する液面レベル測定装置において、前記圧力センサ(5)の検出値の変化に基づいて前記検出管(3)内の圧力が安定したか否かを判断する圧力安定化判断手段(12)と、前記加圧気体供給源(2A,2B)からの加圧気体供給停止後に前記検出管(3)内の圧力が安定したと前記圧力安定化判断手段(12)が判断するのに応じて前記圧力センサ(5)の検出値に基づいて液面レベルを演算する演算手段(14)とを含むことを特徴とする液面レベル測定装置。
【請求項2】
所定時間間隔で前記加圧気体供給源(2A)からの加圧気体供給を開始させるようにして前記加圧気体供給源(2A)からの加圧気体供給開始タイミングを制御する供給開始タイミング制御手段(11)と、前記加圧気体供給源(2A)からの加圧気体供給開始後に前記検出管(3)内の圧力が安定したと前記圧力安定化判断手段(12)が判断するのに応じて前記加圧気体供給源(2A)からの加圧気体供給を停止するようにして前記加圧気体供給源(2A)からの加圧気体供給停止タイミングを制御する供給停止タイミング制御手段(13)とを含むことを特徴とする請求項1記載の液面レベル測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−54260(P2010−54260A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217660(P2008−217660)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000112635)フジコントロールズ株式会社 (11)
【Fターム(参考)】