説明

液面レベル計測装置

【課題】液面センサの出力方式の変更に柔軟に対応できる液面レベル計測装置の提供。
【解決手段】燃料の液面高さを検出する液面センサが複数種類設定され、互いに出力方式の異なるこれら複数種類の液面センサのうちの一種類と接続されることにより、液面高さを計測する液面レベル計測装置100である。液面レベル計測装置100は、出力方式の対応する液面センサの出力に基づいて検出電圧を生成する複数の出力生成手段40,50を備えている。各出力生成回路40,50は、複数種類の液面センサの各出力方式に個々に対応している。制御回路60は、液面レベル計測装置100に接続されている液面センサの種類を識別する。そして、制御回路60は、識別に基づいて接続されている液面センサに対応する出力生成回路を選択し、当該出力生成回路によって生成される検出電圧に基づいて、液面高さを演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に貯留されている液体の液面高さを検出する液面センサと接続されることにより、液面高さを計測する液面レベル計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体の液面高さを計測する装置として、例えば特許文献1に開示されるような液面検出装置が知られている。特許文献1に開示の液面検出装置は、液体の液面高さを検出するための磁電感応素子、コンデンサ及び抵抗器等からなる回路、及び演算のためのICを備えている(特許文献1 図3参照)。この液面検出装置では、磁電感応素子の出力は、回路に入力される。そして、回路によって検出電圧が生成される。ICは、回路から取得する検出電圧に基づいて、液面高さを演算する。
【0003】
このような液体の液面高さを検出する液面センサとして、出力方式の異なるものが種々開発されている。例えば、上述した特許文献1の液面検出装置では、液面センサに磁電感応素子が用いられている。この液面検出装置では、容器に貯留されている液体の液面高さに応じて、磁電感応素子の出力端子及びグラウンド端子間の電位差が変動する。また、特許文献2に開示の液面検出装置では、液面センサに電気抵抗体が用いられている。この液面検出装置では、容器に貯留されている液体の液面高さに応じて、一対のターミナル間の電気抵抗値が変動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−236797号公報
【特許文献2】特許2010−78320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、特許文献2に開示の電気抵抗体を用いる液面センサは、特許文献1に開示の磁電感応素子を用いる液面センサよりも、一般に低コストである。しかし、電気抵抗体を用いる液面センサは、磁電感応素子を用いる液面センサよりも、液体に混入する異物によって検出の精度が低下し易い。以上の理由等から、液面センサの出力方式を、液面高さを検出する液体の条件に応じて、柔軟に変更したいという強い要望がある。
【0006】
しかし、特許文献1の液面検出装置において、検出電圧を生成する回路は、磁電感応素子を用いた液面センサの出力方式に対応するよう構成されている。故に、磁電感応素子を用いた液面センサを、特許文献2のような電気抵抗体を用いた液面センサに変更した場合、電気抵抗体を用いた液面センサの出力方式に回路が対応していないことに起因して、検出電圧は、正しく生成されなくなる。故に、ICは正しい液面高さを演算できなくなってしまう。以上により、液面センサの出力方式の変更は、検出電圧を生成する回路の変更を伴うこととなるので、容易には実施できなかった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、液面センサの出力方式の変更に柔軟に対応できる液面レベル計測装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、容器に貯留されている液体の液面高さを検出する液面センサが複数種類設定され、互いに出力方式の異なるこれら複数種類の液面センサのうちの一種類と接続されることにより、液面高さを計測する液面レベル計測装置であって、液面レベル計測装置に接続されている液面センサの出力に基づいて生成される検出電圧から、液面高さを演算する演算手段と、複数種類の液面センサの各出力方式に個々に対応するように設けられる複数の出力生成手段であって、出力方式の対応する液面センサの出力に基づいて検出電圧を生成する複数の出力生成手段と、液面レベル計測装置に接続されている液面センサが、接続を想定されている複数種類のうちのいずれの種類であるかを識別するセンサ識別手段と、センサ識別手段による識別に基づいて、複数の出力生成手段の中から、液面センサに対応する出力生成手段を選択し、当該出力生成手段によって生成される検出電圧を演算手段に取得させる選択手段と、を備える液面レベル計測装置とする。
【0009】
この発明によれば、複数種類のうちの一種類の液面センサが液面レベル計測装置に接続されている場合、液面レベル計測装置に接続されている液面センサが接続を想定されている複数種類のうちのいずれの種類であるかを、センサ識別手段は識別する。そして、選択手段は、センサ識別手段による識別に基づいて、液面レベル計測装置に接続されている液面センサの出力方式に対応する出力生成手段を、複数設けられた出力生成手段の中から選択する。故に、演算手段は、液面レベル計測装置に接続されている液面センサの出力方式に対応する出力生成手段によって生成される検出電圧に基づいて、液面高さを演算することができる。
【0010】
以上の構成では、液面レベル計測装置に接続される液面センサの出力方式が変更されても、センサ識別手段及び選択手段の機能により、変更後の液面センサの出力方式に対応した出力生成手段が、検出電圧を生成する。故に、演算手段は、正しい検出電圧から液面高さを演算することができる。したがって、液面レベル計測装置は、液面センサの出力方式の変更に柔軟に対応できる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、複数種類の液面センサは、液面レベル計測装置に接続されるための共通した形状の接続部をそれぞれ有しており、液面レベル計測装置は、接続部と嵌合することにより、液面センサの出力を出力生成手段に供給する嵌合部、をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、複数種類の液面センサは、液面レベル計測装置に接続されるための共通した形状の接続部をそれぞれ有する。故に、液面センサを出力方式の異なるものに変更しても、変更後の液面センサの接続部を嵌合部に嵌合させることにより、液面レベル計測装置は、液面レベルの計測を開始できる。以上のように、複数種類の液面センサに共有した形状の接続部を設けることにより、液面レベル計測装置は、液面センサの出力方式の変更にさらに柔軟に対応できるようになる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、液面レベル計測装置は、予め規定された定電流を液面センサに印加する定電流印加手段と、定電流印加手段により印加される定電流によって、液面センサの電気抵抗値を計測する抵抗値計測手段と、をさらに備え、センサ識別手段は、抵抗値計測手段によって計測された電気抵抗値に基づいて、当該液面センサが接続を想定されている複数種類のうちのいずれの種類であるかを識別することを特徴とする。
【0014】
一般に、出力方式の異なる液面センサは、内部の電気抵抗値も互いに異なっている。故に、定電流印加部によって予め規定された定電流を液面センサに印加することにより、抵抗値計測手段によって計測される液面センサの電気抵抗値は、当該液面センサの出力方式に対応した値となる。以上により、センサ識別手段は、電気抵抗値に基づくことにより、液面センサが接続を想定されている複数種類のうちのいずれの種類であるかを、正確に識別できるようになる。
【0015】
以上の構成では、液面レベル計測装置に接続される液面センサの出力方式が変更されても、変更後の液面センサの出力方式に正しく対応した出力生成手段が、検出電圧を生成する。故に、演算手段は、正しい検出電圧から液面高さを演算することができる。したがって、液面レベル計測装置は、液面センサの出力方式の変更に正確且つ柔軟に対応できる。
【0016】
請求項4に記載の発明では、液面レベル計測装置は、液面高さを検出するための電力を液面センサに供給する電力供給手段と、定電流印加手段によって液面センサに定電流が印加されているとき、電力供給手段による液面センサへの電力の供給を停止する停止手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
この発明のように、液体の液面高さを検出するためには、液面レベル計測装置に接続されている液面センサに電力を供給するための電力供給手段が必要である。しかし、電力供給手段から液面センサに電力を供給している状態下で、電力供給手段とは別の定電流印加手段から液面センサに識別のための定電流を印加してしまうと、抵抗値計測手段は、液面センサの内部の電気抵抗値を正しく計測できなくなるおそれがある。
【0018】
そこで、定電流印加手段によって液面センサに定電流が印加されているとき、電力供給手段による電力供給は、停止手段によって停止される。これにより、抵抗値計測手段は、液面センサの内部の電気抵抗値を正しく計測し得る。故に、センサ識別手段は、液面センサの種類を正確に識別できるようになる。以上により、液面センサの出力方式が変更されても、変更後の液面センサの出力方式に正しく対応した出力生成手段が検出電圧を生成するようになる。故に、演算手段は、液面高さを正しく演算することができる。したがって、液面レベル計測装置は、液面センサの出力方式の変更に正確且つ柔軟に対応できる。
【0019】
請求項5に記載の発明では、複数種類の液面センサのうちの一種類として、液面高さに応じて回転する回転体の回転角度を、磁電変換素子により検出する磁電変換式の液面センサが想定され、複数種類の液面センサのうちの別の一種類として、液面高さに応じて回転する回転体の回転角度を、可変抵抗器により検出する電気抵抗式の液面センサが想定され、センサ識別手段は、抵抗値計測手段によって計測された液面センサの電気抵抗値が予め設定された閾値よりも高い場合、当該液面センサが磁電変換式の液面センサであると識別することを特徴とする。
【0020】
一般に、液面高さに応じて回転する回転体の回転角度を、磁電変換素子により検出する磁電変換式の液面センサの電気抵抗値は、回転体の回転角度を可変抵抗器により検出する電気抵抗式の液面センサの電気抵抗値よりも大きい。故に、抵抗値計測手段によって計測された液面センサの電気抵抗値が予め設定された閾値よりも高い場合、液面レベル計測装置に接続されている液面センサは、電気抵抗式の液面センサではなく、磁電変換式の液面センサである蓋然性が高い。故に、磁電変換式及び電気抵抗式の液面センサが複数種類の液面センサとして想定されている場合には、電気抵抗値に基づくことにより、センサ識別手段は、液面センサの種類を正しく識別することができる。以上により、液面センサの出力方式が変更されても、変更後の液面センサの出力方式に正しく対応した出力生成手段が検出電圧を生成するようになる。故に、演算手段は、液面高さを正しく演算することができる。したがって、液面レベル計測装置は、液面センサの出力方式の変更に正確且つ柔軟に対応できる。
【0021】
請求項6に記載の発明では、複数種類の液面センサのうちの一種類として、予め設定された基準電圧よりも高い電圧が印加された場合に、液面高さについての出力を停止する第一液面センサが想定され、複数種類の液面センサのうちの別の一種類として、基準電圧よりも高い電圧が印加されることにより、液面高さの検出結果を出力する第二液面センサが想定され、液面レベル計測装置は、液面レベル計測装置に接続されている液面センサに、基準電圧よりも高い電圧を印加する高電圧印加手段、をさらに備え、センサ識別手段は、高電圧印加手段により基準電圧よりも高い電圧が印加されているとき、液面センサからの出力が無い場合に、当該液面センサが第一液面センサであると識別することを特徴とする。
【0022】
この発明のように、基準電圧よりも高い電圧にて検出結果を出力する第二液面センサが液面レベル計測装置に接続されている場合、高電圧印加手段による電圧の印加によって、第二液面センサは、液面高さの検出結果を出力する。一方で、複数種類の液面センサのうちの一種類である第一液面センサは、予め設定された基準電圧よりも高い電圧が印加された場合に、液面高さについての出力を停止する。故に、液面レベル計測装置に第一液面センサが接続されている場合、高電圧印加手段による基準電圧よりも高い電圧の印加によって、第一液面センサは、液面高さについての出力を停止する。これらにより、基準電圧よりも高い電圧が印加されているときの、液面センサからの出力の有無に基づくことで、接続されている液面センサが第一液面センサであるか否かを、センサ識別手段は正確に識別し得る。
【0023】
以上のように、複数種類の液面センサにおいて、液面高さを出力するために印加されるべき電圧が互いに異なる場合、第一液面センサは、基準電圧よりも高い電圧の印加によって出力を停止する構成とされるのがよい。この構成により、センサ識別手段は、正確に液面センサの種類を識別できるようになる。以上により、液面センサの出力方式が変更されても、変更後の液面センサの出力方式に正しく対応した出力生成手段が検出電圧を生成するようになる。故に、演算手段は、液面高さを正しく演算することができる。したがって、液面レベル計測装置は、液面センサの出力方式の変更に正確且つ柔軟に対応できる。
したがって、液面レベル計測装置は、液面センサの出力方式の変更に正確且つ柔軟に対応できる。
【0024】
請求項7に記載の発明では、液面レベル計測装置は、基準電圧よりも低い電圧を液面センサに印加する低電圧印加手段と、センサ識別手段によって液面センサが第一液面センサであると識別されることにより、高電圧印加手段による液面センサへの電圧の印加を停止すると共に、低電圧印加手段によって液面センサに電圧を印加する低電圧印加状態に切り換える切換手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、液面センサが第一液面センサであると識別されることにより、切換手段は、高電圧印加手段による第一液面センサへの電圧の印加を停止させると共に、低電圧印加手段によって液面センサに電圧を印加する低電圧印加状態に切り換える。第一液面センサは、基準電圧よりも低い電圧の印加によって、液面高さの検出結果を出力し得る。そして、第一液面センサの出力方式に対応する出力生成手段により生成される検出電圧から、演算手段は、液面高さを演算することができる。
【0026】
以上の構成では、接続の想定されている複数種類の液面センサに印加されるべき電圧が互いに異なる場合でも、切換手段は、各液面センサに対応する電圧が印加されるように切り換える。故に、各液面センサは、検出結果を確実に出力し得る。以上により、液面センサの出力方式が変更されても、演算手段は、変更後の液面センサからの出力に基づいて液面高さを演算できる。したがって、液面レベル計測装置は、液面センサの出力方式の変更にさらに柔軟に対応できる。
【0027】
請求項8に記載の発明では、第一液面センサは、液面高さに応じて回転する回転体の回転角度を、磁電変換素子により検出する磁電変換式の液面センサであり、第二液面センサは、液面高さに応じて回転する回転体の回転角度を、可変抵抗器により検出する電気抵抗式の液面センサであることを特徴とする。
【0028】
この発明のような、液面高さに応じて回転する回転体の回転角度を磁電変換素子により検出する磁電変換式の液面センサ、及び回転体の回転角度を可変抵抗器により検出する電気抵抗式の液面センサが普及している。これらの液面センサを想定する場合、一般に電気抵抗式の液面センサよりも磁電変換素式の液面センサの方が、低い電圧の印加によって液面高さを検出できるように構成されている。故に、磁電変換式の液面センサを第一液面センサとすると共に、電気抵抗式の液面センサを第二液面センサとするのがよい。
【0029】
請求項9に記載の発明では、選択手段は、センサ識別手段による液面センサの識別が開始されてから完了するまでの間、電気抵抗式の液面センサに対応する出力生成手段を選択することを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、センサ識別手段による液面センサの識別が開始されてから完了するまでの間、選択手段は、電気抵抗式の液面センサに対応する出力生成手段を選択する。一般に、液面レベル計測装置に接続されている液面センサは、低コストである電気抵抗式の液面センサであることが多い。故に、予め電気抵抗式の液面センサに対応する出力生成手段が選択されていることにより、当該出力生成手段は、液面センサからの出力に基づく検出電圧の生成を円滑に開始することができる。したがって、液面レベル計測装置は、出力方式の変更に柔軟に対応しつつ、液面高さの計測を円滑に開始できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第一実施形態による液面レベル計測装置の電気的構成を示す図である。
【図2】液面センサの構成を説明するための図であって、(a)は、電気抵抗式の液面センサの機械的構成を示す図であり、(b)は、磁電変換式の液面センサの機械的構成を示す図である。
【図3】本発明の第一実施形態による液面レベル計測装置において、制御回路が液面センサを識別し、液面高さの演算を開始する処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第二実施形態による液面レベル計測装置の電気的構成を示す図である。
【図5】本発明の第二実施形態による液面レベル計測装置において、制御回路が液面センサを識別し、液面高さの演算を開始する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0033】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による液面レベル計測装置100の電気的構成を示す図である。液面レベル計測装置100は、燃料タンク90に貯留されている液体の液面高さを計測するために、液面高さを検出する液面センサと接続される。液面レベル計測装置100に接続の想定されている液面センサは、複数種類設定されている。液面レベル計測装置100は、複数種類の液面センサのうちの一種類と接続されることにより、液面高さを計測する。液面レベル計測装置100は、コンビネーションメータ等の一部として構成されている。液面レベル計測装置100による液面高さの計測結果は、例えばコンビネーションメータ内に設けられている燃料計80に表示される。
【0034】
図2(a)には、電気抵抗式の液面センサ20が示されている。液面センサ20は、複数種類の液面センサのうちの一種類として、液面レベル計測装置100への接続が想定されている。液面センサ20は、フロート21、フロートアーム22、アームホルダ23、可変抵抗器24、ハウジング25、及びプラグ部27(図1参照)を有している。
【0035】
フロート21は、例えば発泡させたエボナイト等の燃料よりも比重の小さい材料によって形成されている。フロート21は、燃料の液面に浮揚可能である。フロートアーム22は、ステンレス鋼等の金属材料からなる丸棒状の心材によって形成されている。フロートアーム22の両端部のうち、一方の端部には、フロート21が保持されている。またフロートアーム22の他方の端部は、アームホルダ23によって保持されている。アームホルダ23は、耐油性、耐溶剤性、及び機械的性質に優れる、例えばポリアセタール(POM)樹脂等によって形成されている。アームホルダ23は、軸受け部を有しており、当該軸受部によってハウジング25に回転自在に支持されている。
【0036】
可変抵抗器24は、抵抗パターン24b及び摺動接点24a等によって構成されている。抵抗パターン24bは、ハウジング25に収容される回路基板に一対形成されている。抵抗パターン24bは、アームホルダ23の回転中心周りに円弧状に並べられた抵抗素子である。摺動接点24aは、アームホルダ23に取り付けられている。摺動接点24aは、アームホルダ23の回転により、一対の抵抗パターン24bとの接触状態を維持しつつ、抵抗パターン24bに対して摺動する。摺動接点24aと抵抗パターン24bとの接触位置の移動により、可変抵抗器24の電気抵抗値は変動する。
【0037】
ハウジング25は、燃料のような有機溶剤に侵され難いPOM樹脂等によって成形されている。ハウジング25は、燃料ポンプモジュール(図示しない)等の壁面に取り付けられており、液面センサ20を燃料タンク90に対して固定している。プラグ部27(図1参照)は、液面レベル計測装置100の後述するソケット部93(図1参照)に接続される接続部である。プラグ部27は、可撓性の樹脂材料によって形成されており、ソケット部93に嵌合する。プラグ部27を通じて、可変抵抗器24の電気抵抗値は、液面レベル計測装置100に向けて出力される。
【0038】
以上の構成による電気抵抗式の液面センサ20では、燃料の液面に追従して上下移動するフロート21の往復動作が、フロートアーム22によって回転運動に変換されて、アームホルダ23に伝達される。これにより、アームホルダ23は、燃料タンク90に貯留される燃料の液面に追従し、ハウジング25に対して相対回転する。液面高さに応じて回転するアームホルダ23の回転角度を、可変抵抗器24を用いて検出することにより、液面センサ20は、液面高さに応じた電気抵抗値を検出結果として出力する。
【0039】
図2(b)には、磁電変換式の液面センサ30が示されている。液面センサ30は、複数種類の液面センサのうちの別の一種類として、液面レベル計測装置100への接続が想定されている。液面センサ30は、フロート31、フロートアーム32、マグネットホルダ33、磁電変換素子34、ハウジング35、及びプラグ部37を有している。
【0040】
フロート31及びフロートアーム32は、液面センサ20のフロート21及びフロートアーム22に相当する構成である。マグネットホルダ33は、POM樹脂等によって形成されている。マグネットホルダ33は、軸受け部を有しており、当該軸受部によってハウジング35に回転自在に支持されている。マグネットホルダ33は、フロートアーム32の両端部のうち、フロート31を保持している端部とは反対側の端部を保持している。マグネットホルダ33の内部には、強磁性を示す一対のマグネット33aが収容されている。マグネット33aは、磁電変換素子34を挟むように配置されており、磁電変換素子34を貫通する磁界を形成する。
【0041】
磁電変換素子34は、ホール素子であって、当該磁電変換素子34を貫通する磁束の密度に応じた電圧値を出力する。磁電変換素子34は、一対のマグネット33aによって形成される磁界の中に位置している。マグネットホルダ33と共にマグネット33aが回転することにより、磁電変換素子34を貫通する磁界の密度は変化する。これにより、磁電変換素子34から出力される電圧値は、変動する。
【0042】
ハウジング35は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等によって成形されている。ハウジング35は、燃料ポンプモジュール(図示しない)等の壁面に取り付けられており、液面センサ30を燃料タンク90に対して固定している。ハウジング35は、マグネットホルダ33の軸部を回転自在に保持する軸部を有している。この軸部の中に、磁電変換素子34は配置されている。プラグ部37(図1参照)は、液面センサ20のプラグ部27と共通した形状の接続部である。プラグ部37は、可撓性の樹脂材料によって形成されており、後述するソケット部93(図1参照)に嵌合する。プラグ部37を通じて、磁電変換素子34の電圧値は、液面レベル計測装置100に向けて出力される。
【0043】
以上の構成による磁電変換式の液面センサ30では、燃料の液面に追従して上下移動するフロート31の往復動作が、フロートアーム32によって回転運動に変換されて、マグネットホルダ33に伝達される。これにより、マグネットホルダ33は、燃料タンク90に貯留される燃料の液面に追従し、ハウジング35に対して相対回転する。液面高さに応じて回転するマグネットホルダ33の回転角度を、磁電変換素子34を用いて検出することにより、液面センサ30は、液面高さに応じた電圧値を検出結果として出力する。
【0044】
次に、液面レベル計測装置100の構成を、図1に基づいて詳しく説明する。液面レベル計測装置100は、ソケット部93、メータ電源回路10、グラウンド回路70、出力生成回路40及び出力生成回路50、並びに制御回路60を備えている。
【0045】
ソケット部93は、液面センサ20のプラグ部27及び液面センサ30のプラグ部37と嵌合自在である。ソケット部93は、燃料タンク90(図2参照)内に設置される燃料ポンプモジュールの一部として構成されており、燃料タンク90内にてプラグ部27及びプラグ部37のいずれかと接続される。
【0046】
メータ電源回路10は、車両に搭載されたバッテリ等と接続されている。メータ電源回路10には、主にバッテリから電力が供給される。メータ電源回路10は、バッテリから供給された電力を変換することにより、液面高さを検出するための電力を液面レベル計測装置100に接続されている液面センサに供給する。メータ電源回路10から液面センサには、例えば5ボルト(V)の電圧を有する電力が印加される。
【0047】
メータ電源回路10は、液面レベル計測装置100に接続されている液面センサに電力を供給するために、配線61及び配線68によってソケット部93と接続されている。配線61は、コンビネーションメータ内に設けられる配線68と、燃料タンク90(図2参照)に設けられるソケット部93とを接続している。配線68は、配線61とメータ電源回路10とを接続している。配線68には、電源スイッチ66及び抵抗器69が設けられている。電源スイッチ66は、制御回路60からの制御信号に基づいて、メータ電源回路10による液面センサへの電力供給のON状態及びOFF状態を切り換える。抵抗器69は、所定の電気抵抗を備える受動素子であって、メータ電源回路10から液面センサに印加される電圧を安定化させる。
【0048】
グラウンド回路70は、例えば車両のボディ等に接地されている。グラウンド回路70は、配線71及び配線72、並びに出力生成回路40,50を通じて、液面センサに接地電圧を印加する。配線71は、コンビネーションメータ内に設けられる出力生成回路40,50と、燃料タンク90(図2参照)に設けられるソケット部93とを接続している。配線72は、出力生成回路40,50と、グラウンド回路70とを接続している。
【0049】
出力生成回路40は、液面センサ20の出力に基づいて、検出電圧を生成するための回路である。出力生成回路40は、電気抵抗式の液面センサ20の出力方式に対応するように設けられている。出力生成回路40は、出力用の配線41、接地用の配線42、抵抗器44,45,46、及びコンデンサ47を備えている。配線41は、液面センサ20による出力を制御回路60に伝達するための配線であって、後述する出力スイッチ63及び出力スイッチ64間を接続している。配線42は、接地電圧を液面センサ20に印加するための配線であって、配線72及び配線71間を接続している。各抵抗器44,45,46は、それぞれ所定の電気抵抗を備える受動素子である。抵抗器44及び抵抗器45は、配線41に直列で配置されている。抵抗器46は、配線41において抵抗器44及び抵抗器45間と、配線42とを接続する配線に配置されている。コンデンサ47は、所定の静電容量を備える受動素子である。コンデンサ47は、配線41において抵抗器45及び出力スイッチ64間と、配線42とを接続する配線に設けられている。抵抗器45及びコンデンサ47によって、ローパスフィルタ回路が構成されている。
【0050】
出力生成回路50は、液面センサ30の出力に基づいて、検出電圧を生成するための回路である。出力生成回路50は、磁電変換式の液面センサ30の出力方式に対応するように設けられている。出力生成回路50は、出力用の配線51、接地用の配線52、抵抗器55,56、及びコンデンサ57を備えている。配線51は、液面センサ30による出力を制御回路60に伝達するための配線であって、後述する出力スイッチ63及び出力スイッチ64間を接続している。配線52は、接地電圧を液面センサ30に印加するための配線であって、配線72及び配線71間を接続している。各抵抗器55,56は、それぞれ所定の電気抵抗を備える受動素子である。抵抗器55は、配線51に配置されている。抵抗器56は、配線51において出力スイッチ63及び抵抗器55間と、配線52とを接続する配線に配置されている。コンデンサ57は、所定の静電容量を備える受動素子である。コンデンサ57は、配線51において抵抗器55及び出力スイッチ64間と、配線52とを接続する配線に設けられている。抵抗器55及びコンデンサ57によって、ローパスフィルタ回路が構成されている。
【0051】
制御回路60は、各種のプログラムに基づいた演算を行うためのマイコン等によって構成されている。制御回路60は、配線62によって、出力スイッチ64と接続されている。加えて制御回路60は、検出電圧を生成する回路を出力生成回路40と出力生成回路50との間で切り換えるための制御信号を、出力スイッチ63,64に出力する。出力スイッチ63,64は、出力生成回路40及び出力生成回路50のいずれかによって生成される検出電圧を、配線62を通じて制御回路60に取得させる。また制御回路60は、ソケット部93に接続された液面センサへの電力供給のON状態とOFF状態とを切り換えるための制御信号を、電源スイッチ66に出力する。さらに、制御回路60は、配線68において抵抗器69よりも配線61側の部分と、配線65によって接続されている。
【0052】
制御回路60は、配線65等を通じて、予め規定された定電流をソケット部93に接続されている液面センサに印加する。このとき、制御回路60は、電源スイッチ66をOFF状態に制御することにより、液面センサへの電力供給を停止させている。加えて、制御回路60は、出力生成回路40を選択するように出力スイッチ63及び出力スイッチ64を制御する。制御回路60は、定電流によって出力生成回路40に生成される電圧を取得することにより、ソケット部93に接続されている液面センサの内部の電気抵抗値を計測する。制御回路60は、液面センサを識別するために予め設定された閾値Rxを記憶している。閾値Rxは、一般に電気抵抗式の液面センサ20の内部の電気抵抗値が500〜800オーム(Ω)程度であることから、例えば1キロΩに設定されている。制御回路60は、計測された電気抵抗値及び閾値Rxに基づいて、ソケット部93に接続されている液面センサが複数種類のうちのいずれの種類であるかを識別する。そして、制御回路60は、識別に基づいて、出力生成回路40及び出力生成回路50から液面センサの出力方式に対応する回路を選択するため、出力スイッチ63,64に制御信号を出力する。
【0053】
具体的に、電気抵抗式の液面センサ20がソケット部93に接続されていると識別した場合、制御回路60は、液面センサ20による出力が配線41に入力されるように、出力スイッチ63,64を切り換える。以上により、出力生成回路40は、電気抵抗式の液面センサ20の出力に基づいて、検出電圧を生成する。一方、磁電変換式の液面センサ30がソケット部93に接続されていると識別した場合、制御回路60は、液面センサ30からの出力が配線51に入力されるように、出力スイッチ63,64を切り換える。以上により、出力生成回路50は、磁電変換式の液面センサ30の出力に基づいて、検出電圧を生成する。制御回路60は、液面センサ20及び液面センサ30のいずれか一方からの出力に基づいて生成される検出電圧から、液面高さを演算する。
【0054】
次に、以上の構成による液面レベル計測装置100に液面センサが接続されている場合において、制御回路60が液面センサの種類を識別し、液面高さの演算を開始する処理について、図1及び図3に基づいて詳細に説明する。図3に示されるのは、制御回路60によって実施される処理を示したフローチャートである。図3に示される処理は、車両のイグニッションをON状態にする操作に基づいて、液面レベル計測装置100を含むコンビネーションメータの作動が開始されることにより、制御回路60によって実施される。
【0055】
S101では、出力スイッチ63,64に制御信号を出力することにより、検出電圧を生成する回路として、電気抵抗式の液面センサ20に対応する出力生成回路40を選択し、S102に進む。S102では、電源スイッチ66に制御信号を出力することにより、液面センサへの電力供給をOFF状態に設定し、S103に進む。
【0056】
S103では、ソケット部93に接続されている液面センサに、定電流を印加して、S104に進む。S104では、S103にて印加した定電流によって、出力生成回路40に生成される電圧を取得する。そして、出力生成回路40に生成された電圧に基づくことにより、ソケット部93に接続されている液面センサの電気抵抗値を計測し、S105に進む。
【0057】
S105では、S104にて計測された液面センサの電気抵抗値と、閾値Rxとを比較することにより、液面レベル計測装置100に接続されている液面センサが接続を想定されている複数種類のうちのいずれの種類であるかを識別する。具体的に、S104にて計測された電気抵抗値が閾値Rx以下である場合、ソケット部93に接続されている液面センサが電気抵抗式の液面センサ20であると識別し、S107に進む。一方、S104にて計測された電気抵抗値が閾値Rxよりも高い場合、ソケット部93に接続されている液面センサが磁電変換式の液面センサ30であると識別し、S106に進む。
【0058】
S106では、出力スイッチ63,64に制御信号を出力することにより、検出電圧を生成する回路を、磁電変換式の液面センサ30に対応する出力生成回路50に切り換え、S107に進む。これらS105及びS106によって、液面レベル計測装置100に接続されている液面センサの出力方式に対応する出力生成回路が、複数設けられた出力生成回路40,50の中から選択される。S107では、電源スイッチ66に制御信号を出力することにより、液面センサへの電力供給をOFF状態からON状態に切り換え、S108に進む。
【0059】
S108では、液面センサの出力に基づいて、出力生成回路40及び出力生成回路50のいずれか一方によって生成される検出電圧を取得する。そして、液面レベル計測装置100に接続されている液面センサの出力方式に対応する出力生成回路によって生成された検出電圧に基づいて、液面高さの演算を開始し、識別のための処理を終了する。制御回路60により演算された液面高さは、燃料計80に取得されることにより、当該燃料計80によって表示される。また、制御回路60による液面高さの演算は、車両のイグニッションをOFF状態にする操作に基づいて、コンビネーションメータの作動が停止されるまで継続される。
【0060】
ここまで説明した第一実施形態によれば、液面レベル計測装置100に接続される液面センサの出力方式が変更されても、制御回路60の機能により、変更後の液面センサの出力方式に対応した出力生成回路が、検出電圧を生成する。故に、制御回路60は、正しい検出電圧から液面高さを演算することができる。したがって、液面レベル計測装置100は、液面センサの出力方式の変更に柔軟に対応できる。
【0061】
加えて第一実施形態によれば、互いに出力方式の異なる液面センサ20,30は、内部の電気抵抗値も互いに異なっている。故に、予め規定された定電流を液面センサに印加することにより、制御回路60によって計測される液面センサの電気抵抗値は、各液面センサの出力方式に対応した値となる。このように、制御回路60は、電気抵抗値に基づくことにより、液面センサの種類を正確に識別できるようになる。
【0062】
具体的には、磁電変換式の液面センサ30の電気抵抗値は、電気抵抗式の液面センサ20の電気抵抗値よりも大きい。故に、制御回路60によって計測された液面センサの電気抵抗値が予め設定された閾値よりも高い場合、液面レベル計測装置100に接続されている液面センサは、電気抵抗式の液面センサ20ではなく、磁電変換式の液面センサ30である蓋然性が高い。故に、磁電変換式の液面センサ30及び電気抵抗式の液面センサ20が複数種類の液面センサとして想定されている場合には、電気抵抗値に基づくことにより、制御回路60は、液面センサの種類を正しく識別することができる。
【0063】
さらに第一実施形態のように、液面レベル計測装置100に接続された液面センサに電力を供給するためのメータ電源回路10が必要である。しかし、メータ電源回路10から液面センサに電力を供給している状態下で、メータ電源回路10とは別の制御回路60から液面センサに定電流を印加してしまうと、制御回路60は、液面センサの内部の電気抵抗値を正しく計測できなくなるおそれがある。
【0064】
そこで、制御回路60によって液面センサに定電流が印加されているとき、メータ電源回路10による電力供給は、制御回路60からの制御信号に基づく電源スイッチ66の作動によって停止される。これにより、制御回路60は、液面センサの内部の電気抵抗値を正しく計測し得る。故に、制御回路60は、液面センサの種類を正確に識別できるようになる。
【0065】
これらにより、液面センサの出力方式が変更されても、変更後の液面センサの出力方式に正しく対応した出力生成回路40及び出力生成回路50のいずれかが検出電圧を生成するようになる。故に、制御回路60は、液面高さを正しく演算することができる。したがって、液面レベル計測装置100は、液面センサの出力方式の変更に正確且つ柔軟に対応できる。
【0066】
また加えて第一実施形態によれば、液面センサ20及び液面センサ30は、液面レベル計測装置100に接続されるための共通した形状のプラグ部27,37をそれぞれ有している。故に、液面センサを出力方式の異なるものに変更しても、変更後の液面センサのプラグ部27又はプラグ部37をソケット部93に嵌合させることにより、液面レベル計測装置100は、液面レベルの計測を開始できる。以上のように、複数種類の液面センサ20,30に共有した形状のプラグ部27,37を設けることにより、液面レベル計測装置100は、液面センサの出力方式の変更にさらに柔軟に対応できるようになる。
【0067】
さらに加えて第一実施形態では、制御回路60による液面センサの識別が開始されてから完了するまでの間、出力スイッチ63,64によって、電気抵抗式の液面センサ20に対応する出力生成回路40が選択されている。一般に、液面レベル計測装置100に接続されている液面センサは、低コストである電気抵抗式の液面センサ20であることが多い。故に、電気抵抗式の液面センサ20に対応する出力生成回路40が予め選択されていることにより、出力生成回路40は、液面センサ20からの出力に基づく検出電圧の生成を円滑に開始することができる。したがって、液面レベル計測装置100は、出力方式の変更に柔軟に対応しつつ、液面高さの計測を円滑に開始できる。
【0068】
尚、第一実施形態において、メータ電源回路10が特許請求の範囲に記載の「電力供給手段」に相当し、アームホルダ23及びマグネットホルダ33が特許請求の範囲に記載の「回転体」に相当し、プラグ部27,37が特許請求の範囲に記載の「接続部」に相当し、出力生成回路40及び出力生成回路50が特許請求の範囲に記載の「出力生成手段」に相当し、制御回路60が特許請求の範囲に記載の「演算手段」,「センサ識別手段」,「定電流印加手段」,及び「抵抗値計測手段」に相当し、制御回路60及び出力スイッチ63,64が特許請求の範囲に記載の「選択手段」に相当し、制御回路60及び電源スイッチ66特許請求の範囲に記載の「停止手段」に相当し、ソケット部93が特許請求の範囲に記載の「嵌合部」に相当し、燃料タンク90が特許請求の範囲に記載の「容器」に相当し、燃料が特許請求の範囲に記載の「液体」に相当する。
【0069】
(第二実施形態)
図4及び図5に示される本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。この第二実施形態による液面レベル計測装置200は、第一実施形態による液面レベル計測装置100とは異なる方法により、ソケット部93に接続された液面センサの種類を識別する。以下、図4及び図5に基づき、第二実施形態による液面レベル計測装置200について詳細に説明する。
【0070】
第二実施形態では、液面レベル計測装置200に接続の想定されている液面センサとして、電気抵抗式の液面センサ220及び磁電変換式の液面センサ230が設定されている。第一実施形態における液面センサ20,30(図1参照)は、共にメータ電源回路10によって5Vの電圧が印加されることにより、液面高さの検出結果を出力する構成であった。一方、第二実施形態による液面センサ220,230は、液面高さの検出結果を出力するために印加されるべき電圧が互いに異なっている。まず、液面センサ220,230について、以下詳細に説明する。
【0071】
電気抵抗式の液面センサ220は、第一実施形態の液面センサ20(図1参照)に相当する液面センサである。液面センサ220は、5Vよりも高い電圧、例えば約13.5Vの電圧が印加されることにより、液面高さの検出結果を出力する。液面センサ220は、ソケット部93に接続されるプラグ部27を有している。
【0072】
磁電変換式の液面センサ230は、第一実施形態の液面センサ30(図1参照)に相当する液面センサである。液面センサ230は、第一実施形態による液面センサ30と同様に、約5Vの電圧が印加されることにより、液面高さの検出結果を出力する。加えて、液面センサ230は、予め設定された基準電圧(例えば、約7V)よりも高い電圧が印加された場合に、液面高さについての出力を停止するよう構成されている。また、液面センサ230は、ソケット部93に接続されるプラグ部37を有している。
【0073】
次に、液面レベル計測装置200の構成を、詳しく説明する。液面レベル計測装置200は、イグニッション電源回路210a及びメータ電源回路210b、並びに制御回路260と、第一実施形態と実質的に同一のソケット部93、出力生成回路40及び出力生成回路50、並びにグラウンド回路70とを備えている。
【0074】
イグニッション電源回路210a及びメータ電源回路210bは、車両に搭載されたバッテリ等と接続されている。イグニッション電源回路210a及びメータ電源回路210bには、主にバッテリから電力が供給される。
【0075】
イグニッション電源回路210aは、バッテリからの電力を、液面レベル計測装置200に接続されている液面センサに供給する。具体的に、イグニッション電源回路210aから液面センサには、例えば13.5Vの電圧を有する電力が供給される。イグニッション電源回路210aは、液面センサに電力を供給するために、配線61及び配線243によってソケット部93と接続されている。配線61は、コンビネーションメータ内に設けられる配線243と、燃料タンク90(図2参照)に設けられるソケット部93とを接続している。配線243は、配線61とイグニッション電源回路210aとを接続している。配線243には、高圧電源スイッチ266及び抵抗器248が設けられている。高圧電源スイッチ266は、制御回路260からの制御信号に基づいて、イグニッション電源回路210aによる液面センサへの電力供給のON状態及びOFF状態を切り換える。抵抗器248は、所定の電気抵抗を備える受動素子であって、イグニッション電源回路210aから液面センサに印加される電圧を安定化させる。
【0076】
メータ電源回路210bは、第一実施形態のメータ電源回路10と実質的に同一の構成であって、バッテリから供給された電力を変換することにより、液面高さを検出するための電力を、液面レベル計測装置200に接続されている液面センサに供給する。メータ電源回路210bから液面センサには、例えば約5Vの電圧を有する電力が供給される。メータ電源回路210bは、液面センサに電力を供給するために、配線253及び配線61によってソケット部93と接続されている。配線253は、配線61とイグニッション電源回路210aとを接続している。配線253には、低圧電源スイッチ267及び抵抗器258が設けられている。低圧電源スイッチ267は、制御回路260からの制御信号に基づいて、メータ電源回路210bによる液面センサへの電力供給のON状態及びOFF状態を切り換える。抵抗器258は、所定の電気抵抗を備える受動素子であって、メータ電源回路210bから液面センサに印加される電圧を安定化させる。
【0077】
制御回路260は、第一実施形態の制御回路60(図1参照)に相当する構成であって、液面センサ220及び液面センサ230のいずれか一方からの出力に基づいて生成される検出電圧から、液面高さを演算する。制御回路260は、各種のプログラムに基づいた演算を行うためのマイコン等によって構成されている。制御回路260は、配線262によって、出力スイッチ264と接続されている。加えて制御回路260は、検出電圧を生成する回路を出力生成回路40と出力生成回路50との間で切り換えるための制御信号を、出力スイッチ263,264に出力する。出力スイッチ263,264は、出力生成回路40及び出力生成回路50のいずれかによって生成される検出電圧を、配線262を通じて制御回路260に取得させる。
【0078】
制御回路260は、ソケット部93に接続された液面センサ220,230への電力供給を、停止状態、高電圧印加状態、及び低電圧印加状態のうちで切り換えるための制御信号を、高圧電源スイッチ266及び低圧電源スイッチ267に出力する。電力供給の停止状態では、高圧電源スイッチ266及び低圧電源スイッチ267は、共にOFF状態にされる。これにより、イグニッション電源回路210a及びメータ電源回路210bによる電力供給は、共に停止された状態になる。高電圧印加状態では、高圧電源スイッチ266がON状態にされると共に、低圧電源スイッチ267がOFF状態にされる。これにより、メータ電源回路210bからの電圧の印加が停止されると共に、イグニッション電源回路210aによって液面センサに基準電圧よりも高い電圧が印加される。低電圧印加状態では、低圧電源スイッチ267がON状態にされると共に、高圧電源スイッチ266がOFF状態にされる。これにより、イグニッション電源回路210aからの電圧の印加が停止されると共に、メータ電源回路210bによって液面センサに基準電圧よりも低い電圧が印加される。
【0079】
制御回路260は、液面センサの種類を識別するために、高圧電源スイッチ266及び低圧電源スイッチ267を制御することにより、高電圧印加状態にする。加えて、制御回路260は、出力スイッチ263及び出力スイッチ264を制御することにより、出力生成回路40を選択する。基準電圧よりも高い電圧にて検出結果を出力する電気抵抗式の液面センサ220が液面レベル計測装置200に接続されている場合、高電圧印加状態では、液面センサ220は、液面高さの検出結果を出力する。一方で、磁電変換式の液面センサ230が液面レベル計測装置200に接続されている場合、高電圧印加状態では、液面センサ230は、液面高さの検出結果の出力を停止する。故に、制御回路260は、高電圧印加状態のとき、出力生成回路40によって生成される検出電圧の有無により、ソケット部93に接続されている液面センサを識別することができる。そして、制御回路260は、識別に基づいて、出力生成回路40及び出力生成回路50から液面センサの出力方式に対応する回路を選択するため、出力スイッチ263,264に制御信号を出力する。
【0080】
次に、以上の構成による液面レベル計測装置200に液面センサが接続されている場合において、制御回路260が液面センサの種類を識別し、液面高さの演算を開始する処理について詳細に説明する。図5に示されるのは、制御回路260によって実施される処理を示したフローチャートである。図5に示される処理は、車両のイグニッションをON状態にする使用者等の操作に基づいて、液面レベル計測装置200を含むコンビネーションメータの作動が開始されることにより、制御回路260によって実施される。
【0081】
S201では、出力スイッチ263,264に制御信号を出力することにより、検出電圧を生成する回路として、電気抵抗式の液面センサ220に対応する出力生成回路40を選択し、S202に進む。S202では、高圧電源スイッチ266及び低圧電源スイッチ267に制御信号を出力することにより、液面センサへの電力供給を高電圧印加状態に設定し、S203に進む。
【0082】
S203では、出力生成回路40に検出電圧が生成されているか否かを判定する。これにより、液面レベル計測装置200に接続されている液面センサが接続を想定されている複数種類のうちのいずれの種類であるかを識別する。具体的に、S203にて出力生成回路40から検出電圧を取得できた場合、ソケット部93に接続されている液面センサが電気抵抗式の液面センサ220であると識別し、S206に進む。一方、S203にて出力生成回路40から検出電圧を取得できない場合、ソケット部93に接続されている液面センサが磁電変換式の液面センサ230であると識別し、S204に進む。
【0083】
S204では、出力スイッチ263,264に制御信号を出力することにより、検出電圧を生成する回路を、磁電変換式の液面センサ230に対応する出力生成回路50に切り換え、S205に進む。S205では、液面センサの種類を識別したS203の判定に基づいて、液面センサ230への電力供給を低電圧印加状態に切り換えるための制御信号を、高圧電源スイッチ266及び低圧電源スイッチ267に出力し、S206に進む。
【0084】
S206では、液面センサの出力に基づいて、出力生成回路40及び出力生成回路50のいずれか一方によって生成される検出電圧を取得する。そして、液面レベル計測装置200に接続されている液面センサの出力方式に対応する出力生成回路によって生成された検出電圧に基づいて、液面高さの演算を開始し、識別のための処理を終了する。制御回路260により演算された液面高さは、燃料計80に取得されることにより、当該燃料計80によって表示される。また、制御回路260による液面高さの演算は、車両のイグニッションをOFF状態にする操作に基づいて、コンビネーションメータの作動が停止されるまで継続される。
【0085】
ここまで説明した第二実施形態でも、液面センサの出力方式が変更された場合、制御回路260の機能により、変更後の液面センサの出力方式に対応した出力生成回路が、検出電圧を生成する。故に、制御回路260は、正しい検出電圧から液面高さを演算することができる。したがって、液面レベル計測装置200は、液面センサの出力方式の変更に柔軟に対応できる。
【0086】
加えて第二実施形態では、磁電変換式の液面センサ230は、基準電圧よりも高い電圧の印加によって出力を停止する。これにより、高電圧印加状態における検出電圧の有無に基づいて、制御回路260は、正確に液面センサの種類を識別できるようになる。以上により、液面センサの出力方式が変更されても、変更後の液面センサの出力方式に正しく対応した出力生成回路が検出電圧を生成するようになる。故に、制御回路260は、液面高さを正しく演算することができる。したがって、液面レベル計測装置200は、液面センサの出力方式の変更に正確且つ柔軟に対応できる。
【0087】
また第二実施形態では、接続の想定されている液面センサ220,230に印加されるべき電圧が互いに異なる。しかし、制御回路260は、高圧電源スイッチ266及び低圧電源スイッチ267を制御することにより、各液面センサ220,230に対応する電圧が印加されるように、電力の供給状態を切り換えることができる。故に、各液面センサ220,230は、検出結果を確実に出力し得る。以上により、液面センサの出力方式が変更されても、制御回路260は、変更後の液面センサからの出力に基づいて液面高さを演算できる。したがって、液面レベル計測装置200は、液面センサの出力方式の変更にさらに柔軟に対応できる。
【0088】
さらに、液面高さを検出する液面センサとして、磁電変換式の液面センサ230及び電気抵抗式の液面センサ220が普及している。一般に電気抵抗式の液面センサ220よりも磁電変換素式の液面センサ230の方が、低い電圧の印加によって液面高さの検出結果を出力するように構成されている。故に、複数種類の液面センサにおいて印加するべき電圧が互いに異なる場合には、磁電変換式の液面センサ230を基準電圧よりも低い電圧にて作動する液面センサとし、電気抵抗式の液面センサ220を基準電圧よりも高い電圧にて作動する液面センサとするのがよい。
【0089】
尚、第二実施形態において、イグニッション電源回路210aが特許請求の範囲に記載の「高電圧印加手段」に相当し、メータ電源回路210bが特許請求の範囲に記載の「低電圧印加手段」に相当し、電気抵抗式の液面センサ220が特許請求の範囲に記載の「第二液面センサ」に相当し、磁電変換式の液面センサ230が特許請求の範囲に記載の「第一液面センサ」に相当し、制御回路260が特許請求の範囲に記載の「演算手段」及び「センサ識別手段」に相当し、制御回路260及び出力スイッチ263,264が特許請求の範囲に記載の「選択手段」に相当し、制御回路260及び高圧電源スイッチ266及び低圧電源スイッチ267が特許請求の範囲に記載の「切換手段」に相当する。
【0090】
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0091】
上記実施形態において、複数種類設定される液面センサ20,30は、共通した形状のプラグ部27,37を有していた。しかし、各液面センサは、互いに異なる形状のプラグ部を有していてもよい。この形態では、液面レベル計測装置は、各液面センサの各プラグ部の形状に個々に対応する複数のソケット部を有する。このような形態の場合、プラグ部の接続されているソケット部93を判別することにより、制御回路は、接続されている液面センサを識別することができる。以上のように、液面レベル計測装置に接続されている液面センサを識別する方法は、上記実施形態にて示した方法に限定されない。
【0092】
上記実施形態では、液面レベル計測装置に接続が想定されている液面センサとして、電気抵抗式の液面センサと、磁電変換式の液面センサとが示されていた。しかし、例えば、これら以外の出力方式の液面センサが、液面レベル計測装置への接続を想定されてもよい。例えば、超音波式の液面センサが、液面レベル計測装置に接続される液面センサの一種類として設定されていてもよい。超音波方式の液面センサは、燃料タンク90の天井面に設置され、液面に向けて出射する超音波によって、当該天井面から液面センサまでの距離を計測する液面センサである。
【0093】
上記第一実施形態では、制御回路60は、液面センサに定電流を印加しているとき、電源スイッチ66を制御することで液面センサへの電力供給を停止していた。しかし、メータ電源回路から液面センサに電力供給がなされている状態下においても、液面センサの内部の電気抵抗値を正しく計測できることができるのであれば、制御回路60は、定電流の印加時において、液面センサへの電力供給を停止しなくてもよい。
【0094】
上記第一実施形態では、計測された液面センサの内部抵抗値が閾値Rxよりも高い場合、制御回路は、当該液面センサが磁電変換式の液面センサであると識別していた。しかし、電気抵抗値に基づいて液面センサの種類を識別する形態では、識別のための条件は、接続の想定されている各液面センサの電気抵抗値に基づいて、適宜設定されるのがよい。例えば、磁電変換式の液面センサの電気抵抗値よりも電気抵抗式の液面センサの電気抵抗値が高い場合には、制御回路は、閾値よりも高い電気抵抗値を計測した場合に、電気抵抗式の液面センサが接続されていると識別する。また、識別のための閾値も、接続の想定されている各液面センサの内部の電気抵抗値に基づいて、適宜設定されるのがよい。
【0095】
上記第二実施形態では、磁電変換式の液面センサ230が、基準電圧よりも高い電圧の印加により、検出結果の出力を停止するように構成されていた。しかし、磁電変換式の液面センサよりも電気抵抗式の液面センサが、作動のために高い電圧を印加しなければならない場合がある。この場合、制御回路による液面センサの識別を容易にするためには、電気抵抗式の液面センサは、基準電圧よりも高い電圧の印加により、検出結果の出力を停止するように構成されるのがよい。
【0096】
上記実施形態では、複数の抵抗器、及びコンデンサを組み合わせた出力生成回路40,50が示されていた。しかし、各出力方式に個々に対応する出力生成回路は、上記実施形態の構成に限定されない。例えば、出力生成手段は、特定の液面センサが識別された場合、抵抗等を介することなく、当該液面センサの出力が直接的に制御回路に入力されるような構成であってもよい。又は、上記実施形態の出力生成回路40,50よりも、さらに複雑な回路が、出力生成手段として液面レベル計測装置に設けられていてもよい。
【0097】
上記実施形態では、出力生成回路40,50は、一対の出力スイッチ63,64の作動により、切り換えられていた。しかし、制御回路60が適切な検出電圧を取得できるのであれば、例えば、各出力生成回路40,50と制御回路60との間に、出力生成回路を切り換えるための出力スイッチが一つだけ設けられる構成であってもよい。
【0098】
上記実施形態では、液面レベル計測装置に接続された液面センサが識別されるまでの初期状態において、制御回路は、電気抵抗式の液面センサに対応する出力生成回路40を選択していた。しかし、制御回路は、液面センサが識別されるまでの初期状態において、磁電変換式の液面センサに対応する出力生成回路50を選択していてもよい。又は、液面センサが識別されるまでの初期状態において、ソケット部と制御回路とを接続する回路が、出力生成回路40,50とは別に液面レベル計測装置に設けられていてもよい。
【0099】
上記第一実施形態においては、所定のプログラムを実施する制御回路60によって、特許請求の範囲に記載の「演算手段」,「センサ識別手段」,「選択手段」,「定電流印加手段」,「抵抗値計測手段」,及び「停止手段」に相当する機能が果たされていた。また、上記第二実施形態においては、所定のプログラムを実施する制御回路260によって、特許請求の範囲に記載の「演算手段」,「センサ識別手段」,「選択手段」,及び「切換手段」に相当する機能が果たされていた。しかし、これら各手段の少なくとも一部の機能を果たす回路が、制御回路とは別に、液面レベル計測装置に個別に設けられていてもよい。各回路は、プログラムを実施するためのマイコンを主体としたデジタル回路であってもよく、又は、プログラムによらない専用のアナログ回路であってもよい。
【0100】
以上、本発明を車両の燃料タンク90に貯留された燃料の液面高さを計測する液面レベル計測装置に適用した例に基づいて説明したが、本発明の適用対象は、燃料の液面高さの計測に限られない。車両に搭載される他の液体、例えばブレーキフルード、エンジン冷却水、エンジンオイル等の容器内の液面を計測する計測装置に本発明が適用されてもよい。さらに、車両用に限らず、各種民生用機器、各種輸送機械が備える容器内の液面レベルの計測装置に、本発明は適用されてもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 メータ電源回路(電力供給手段)、210a イグニッション電源回路(高電圧印加手段)、210b メータ電源回路(低電圧印加手段)、20 電気抵抗式の液面センサ、220 電気抵抗式の液面センサ(第二液面センサ)、21 フロート、22 フロートアーム、23 アームホルダ(回転体)、24 可変抵抗器、24a 摺動接点、24b 抵抗パターン、25 ハウジング、27 プラグ部(接続部)、30 磁電変換式の液面センサ、230 磁電変換式の液面センサ(第一液面センサ)、31 フロート、32 フロートアーム、33 マグネットホルダ(回転体)、33a マグネット、34 磁電変換素子、35 ハウジング、37 プラグ部(接続部)、40 出力生成回路(出力生成手段)、41,42 配線、44,45,46 抵抗器、47 コンデンサ、243 配線、248 抵抗器、50 出力生成回路(出力生成手段)、51,52 配線、55,56 抵抗器、57 コンデンサ、253 配線、258 抵抗器、60 制御回路(演算手段,センサ識別手段,選択手段,定電流印加手段,抵抗値計測手段,停止手段)、260 制御回路(演算手段,センサ識別手段,選択手段,切換手段)、61,62,65,68,262 配線、63,64,263,264 出力スイッチ(選択手段)、66 電源スイッチ(停止手段)、266 高圧電源スイッチ(切換手段)、267 低圧電源スイッチ(切換手段)、69 抵抗器、70 グラウンド回路、71,72 配線、80 燃料計、90 燃料タンク(容器)、93 ソケット部(嵌合部)、100,200 液面レベル計測装置、Rx 閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に貯留されている液体の液面高さを検出する液面センサが複数種類設定され、互いに出力方式の異なるこれら複数種類の液面センサのうちの一種類と接続されることにより、前記液面高さを計測する液面レベル計測装置であって、
前記液面レベル計測装置に接続されている前記液面センサの出力に基づいて生成される検出電圧から、前記液面高さを演算する演算手段と、
前記複数種類の液面センサの各出力方式に個々に対応するように設けられる複数の出力生成手段であって、出力方式の対応する前記液面センサの出力に基づいて、前記検出電圧を生成する複数の出力生成手段と、
前記液面レベル計測装置に接続されている前記液面センサが、接続を想定されている複数種類のうちのいずれの種類であるかを識別するセンサ識別手段と、
前記センサ識別手段による識別に基づいて、前記複数の出力生成手段の中から、前記液面センサに対応する前記出力生成手段を選択し、当該出力生成手段によって生成される前記検出電圧を前記演算手段に取得させる選択手段と、
を備えることを特徴とする液面レベル計測装置。
【請求項2】
前記複数種類の液面センサは、前記液面レベル計測装置に接続されるための共通した形状の接続部をそれぞれ有し、
前記接続部と嵌合することにより、前記液面センサの出力を前記出力生成手段に供給する嵌合部、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の液面レベル計測装置。
【請求項3】
予め規定された定電流を前記液面センサに印加する定電流印加手段と、
前記定電流印加手段により印加される定電流によって、前記液面センサの電気抵抗値を計測する抵抗値計測手段と、をさらに備え、
前記センサ識別手段は、前記抵抗値計測手段によって計測された前記電気抵抗値に基づいて、当該液面センサが接続を想定されている複数種類のうちのいずれの種類であるかを識別することを特徴とする請求項1又は2に記載の液面レベル計測装置。
【請求項4】
前記液面高さを検出するための電力を前記液面センサに供給する電力供給手段と、
前記定電流印加手段によって前記液面センサに定電流が印加されているとき、前記電力供給手段による前記液面センサへの電力の供給を停止する停止手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の液面レベル計測装置。
【請求項5】
前記複数種類の液面センサのうちの一種類として、前記液面高さに応じて回転する回転体の回転角度を、磁電変換素子により検出する磁電変換式の液面センサが想定され、
前記複数種類の液面センサのうちの別の一種類として、前記液面高さに応じて回転する回転体の回転角度を、可変抵抗器により検出する電気抵抗式の液面センサが想定され、
前記センサ識別手段は、前記抵抗値計測手段によって計測された前記液面センサの電気抵抗値が予め設定された閾値よりも高い場合、当該液面センサが前記磁電変換式の液面センサであると識別することを特徴とする請求項3又は4に記載の液面レベル計測装置。
【請求項6】
前記複数種類の液面センサのうちの一種類として、予め設定された基準電圧よりも高い電圧が印加された場合に、前記液面高さについての出力を停止する第一液面センサが想定され、
前記複数種類の液面センサのうちの別の一種類として、前記基準電圧よりも高い電圧が印加されることにより、前記液面高さの検出結果を出力する第二液面センサが想定され、
前記液面レベル計測装置に接続されている前記液面センサに、前記基準電圧よりも高い電圧を印加する高電圧印加手段、をさらに備え、
前記センサ識別手段は、前記高電圧印加手段により前記基準電圧よりも高い電圧が印加されているとき、前記液面センサからの出力が無い場合に、当該液面センサが前記第一液面センサであると識別することを特徴とする請求項1又は2に記載の液面レベル計測装置。
【請求項7】
前記基準電圧よりも低い電圧を前記液面センサに印加する低電圧印加手段と、
前記センサ識別手段によって前記液面センサが前記第一液面センサであると識別されることにより、前記高電圧印加手段による前記液面センサへの電圧の印加を停止すると共に、前記低電圧印加手段によって前記液面センサに電圧を印加する低電圧印加状態に切り換える切換手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の液面レベル計測装置。
【請求項8】
前記第一液面センサは、前記液面高さに応じて回転する回転体の回転角度を、磁電変換素子により検出する磁電変換式の液面センサであり、
前記第二液面センサは、前記液面高さに応じて回転する回転体の回転角度を、可変抵抗器により検出する電気抵抗式の液面センサであることを特徴とする請求項6又は7に記載の液面レベル計測装置。
【請求項9】
前記選択手段は、前記センサ識別手段による前記液面センサの識別が開始されてから完了するまでの間、前記電気抵抗式の液面センサに対応する前記出力生成手段を選択することを特徴とする請求項5又は8に記載の液面レベル計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−145385(P2012−145385A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2619(P2011−2619)
【出願日】平成23年1月10日(2011.1.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】