説明

混合物を変性することにより該混合物からドライクリーニング溶媒を回収する方法

使用済みのドライクリーニング溶媒と、洗濯汚れや布地処理剤などの汚染物質とを含有する混合物からドライクリーニング溶媒を回収する方法。特に、浄化剤を前記混合物に添加して、汚染物質が該混合物に溶解し難くなって、ドライクリーニング溶媒から容易に分離できるように、該混合物に変化を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みのドライクリーニング溶媒と、洗濯汚れや布地処理剤などの汚染物質とを含有する混合物からドライクリーニング溶媒を回収する方法に関する。特に浄化剤は、前記混合物に添加されると、汚染物質が該混合物に溶解し難くなってドライクリーニング溶媒から容易に分離できるように該混合物に変化を与える。
【背景技術】
【0002】
一般に、布地物品を洗浄及び清涼化する(例えば、悪臭を除去する)従来の洗濯技術は、水性系洗浄技術及び「ドライクリーニング」技術に分類することができる。前者は、主に水を含む溶液に布地物品を浸漬させることを伴い、洗浄機能を向上させるために洗剤又は石鹸を添加してよい。通常後者は、洗浄及びリフレッシュ用の剤として非水性流体を使用することを伴う。
【0003】
通常、洗濯処理に使用された後の水及びドライクリーニング溶媒は染料、水及び/又は界面活性剤などの汚染物質を含む。ドライクリーニング溶媒は水よりも高価なので、ドライクリーニング溶媒を2回以上の処理に再循環/再使用する必要がある。従来のドライクリーニング溶媒は、汚染物質をいくらか除去するために蒸留法に付される。しかし、蒸留法を実施するための機器及び条件はきわめて厄介で、エネルギー消費量が多く、また消費者の家庭で使用するには実用的でない。それ故に、蒸留せずにドライクリーニング溶媒から汚染物質を除去する必要がある。蒸留法を用いる代表的な系は、欧州特許出願第543,665号及び米国特許第5,942,007号、同第6,056,789号、同第6,059,845号及び同第6,086,635号に開示されている。
【0004】
このような非蒸留法への1つの試みは、市販のクリーンライト(KleenRite)(登録商標)フィルタの使用に認められる。クリーンライト(KleenRite)(登録商標)フィルタは、粘土吸収剤及び活性炭吸着剤から製造される。炭素及び粘土吸着物質を含有する代表的なフィルタは、米国特許第4,277,336号及び同第3,658,459号に開示されている。しかし、このようなフィルタは、フィルタ内の粘土吸収剤のパーセンテージが高いので、寿命がかなり限られている。粘土吸収剤は、水などの汚染物質を吸収する能力に限界があり、その最大能力に達したら、フィルタを新しいフィルタに交換しなければならない。粘土吸収剤に関する限界に加えて、活性炭吸着剤にも限界がある。活性炭吸着材料の粒径及び/又は孔径によっては、多くの汚染物質が活性炭吸着材料から流れ出るのでフィルタの効果がなくなる。さらに、従来の使用では、使用済みの汚染されたドライクリーニング溶媒は、粘土吸収剤及び/又は活性炭吸着剤が汚染物質を有効に除去できないような速度でフィルタを通過して送り出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、浄化した溶媒が再循環/再使用できるように、ドライクリーニング溶媒から汚染物質を効率よく除去する方法が必要である。
【0006】
また、経済的且つエネルギー効率の良い方式でドライクリーニング溶媒を浄化可能な方法をもつことも望ましい。それに加えて、浄化方法は安全であることが望ましい。従って、汚染物質をドライクリーニング溶媒から低温及び周囲圧力で除去する非蒸留法が必要である。
【0007】
前記混合物の特性を変えて、それによって、汚染物質が混合物から容易に分離できるように汚染物質を混合物に溶解し難くさせる方法を有することも更に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、汚染物質を含有するドライクリーニング溶媒を浄化する方法であって、以下の工程:
a.親油性流体と少なくとも1の汚染物質とを含む混合物を入手する工程;
b.前記混合物を浄化剤と接触させ、それによって汚染物質の混合物への溶解性を変化させる工程;及び
c.汚染物質を親油性流体から分離する工程、を含む方法に関する。
【0009】
本発明はまた、使用済みの、汚染された親油性流体を浄化する方法であって、以下の工程:
a.洗濯汚れを含有する布地物品を親油性流体と布地処理剤とを含む組成物に接触させ、それによって親油性流体、洗剤汚れと布地処理剤とを含む混合物を生成する工程;
b.混合物の少なくとも一部を布地物品から抽出する工程;
c.該混合物を浄化剤と接触させ、それによって汚染物質の混合物への溶解性を変化させる工程;及び
d.布地処理剤及び/又は洗濯汚れを親油性流体から分離する工程、を含む方法に関する。
【0010】
本発明の一態様では、浄化剤は、混合物にイオン強度変化又はpH変化を生じさせて(changes)、それによって汚染物質の混合物への溶解性を低下させる。
【0011】
本発明のもう一つの態様では、浄化剤は、混合物中で汚染物質の凝集を生じさせ、それによって汚染物質の混合物への溶解性を低下させる凝集剤である。
【0012】
本発明のまた別の態様では、浄化剤は、混合物に粘度変化を生じさせ、それによって汚染物質の混合物への溶解性を低下させるゲル化剤である。
【0013】
本発明の更に別の態様において、浄化剤は非相溶性液体であり、これを混合物に添加することによって汚染物質を混合物からこの非相溶性液体へ優先的に抽出させるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(定義)
本明細書で使用する時、用語「布地物品」とは、従来の洗濯プロセス又は洗浄プロセスで通常洗浄されるいかなる物品をも意味する。したがって、このような用語は、衣類、亜麻布、カーテン及び衣類付属品物品を含む。この用語は、また、手提げバッグ、家具カバー、防水布等など、全体又は一部が布地で作製された他の品目も含む。
【0015】
本明細書で使用する時、用語「吸収性材料」又は「吸収性ポリマー」は、ドライクリーニング溶媒を取り込むことなく、水及び/又は含水液体を選択的に取り込む(すなわち、吸収又は吸着する)ことが可能ないかなる物質をも意味する。換言すれば、吸収性材料又は吸収性ポリマーは、当該技術分野において「ゲル」、「ポリマーゲル」、及び「超吸収性ポリマー」と呼ばれる吸水剤を含む。
【0016】
本明細書で使用する時、用語「布地処理組成物」若しくは「布地を処理する組成物」は、洗浄すべき布地物品と直接接触するドライクリーニング溶媒含有組成物を意味する。前記組成物はまた、コンディショニング、サイジング、及びその他の布地ケア処理などの洗浄以外の用途も提供し得ると解される。ゆえに、それを用語「布地ケア組成物」と交換可能に使用してよい。さらに、任意の洗浄助剤(例えば、追加の洗浄性界面活性剤、漂白剤、香料など)及び他の布地ケア剤を組成物に添加してもよい。用語「布地処理剤/添加物」又は「布地ケア剤/添加物」は、洗浄助剤及び仕上げ又は布地ケア添加物を含むものと解される。
【0017】
本明細書で使用する時、用語「ドライクリーニング」若しくは「非水性洗浄」は、布地物品を洗浄するためのドライクリーニング溶媒として非水性流体が使用されることを意味する。ただし、補助洗浄剤として、水を「ドライクリーニング」法に加えることができる。「ドライクリーニング」プロセスでは、水の量は、ドライクリーニング溶媒又は洗浄組成物の約25重量%まで含むことができる。非水性流体は、「親油性流体」若しくは「ドライクリーニング溶媒」と呼ばれる。
【0018】
本明細書で使用する時、用語「汚れ」若しくは「洗濯汚れ」は、洗浄プロセスによる除去の対象である、布地物品上のいかなる望ましくない外部物質をも意味する。用語「水ベースの」若しくは「親水性の」汚れとは、汚れが最初に布地物品と接触した時点で、汚れが水を含んでいたか、又は汚れが布地物品上で一定の量の水を保持していることを意味する。水ベースの汚れの例としては、これらに限定するものではないが、飲物、多くの食品汚れ、水溶性染料、汗、尿若しくは血液などの体液、草の染み及び泥などの戸外の汚れが挙げられる。一方、本明細書で使用する時、用語「親油性」の汚れは、汚れが親油性流体中で高い溶解性を有すること、又は汚れが親油性流体に対して高い親和性を有することを意味する。親油性の汚れの例としては、これらに限定するものではないが、モノ−、ジ−、及びトリ−グリセリド、飽和及び不飽和脂肪酸、非極性炭化水素、ワックス及びろうエステル類(wax esters)、脂質などの、身体の汚れ;ならびに非イオン性界面活性剤などの洗濯物質;ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0019】
本明細書で使用する時、「不溶性」という用語は、物質が液体媒体に添加された後24時間以内に液体媒体(ドライクリーニング溶媒又は水)から物理的に分離(すなわち、沈殿、凝縮、浮揚)することを意味し、それに対して「可溶性」という用語は、物質が添加後24時間以内に液体媒体から物理的に分離しないことを意味する。
【0020】
(親油性流体)
本明細書で使用する時、「親油性流体」は、水の20重量%までにおいては水と混和しない、いかなる液体又は液体の混合物をも意味する。一般に、好適な親油性流体は、周囲温度及び周囲圧力において完全に液体であることができ、容易に融解する固体、例えば、約0℃〜約60℃の範囲内の温度で液体になるものであることができ、又は周囲温度及び周囲圧力、例えば、25℃、圧力101kPa(1気圧)において、液相と蒸気相との混合物を含むことが可能である。
【0021】
前記の好適な親油性流体は、不燃性である、あるいは、従来の公知のドライクリーニング流体の特性に等しい、又は好ましくはそれを上回る、比較的高い引火点及び/又は低いVOC特性を有することが好ましく、ここでこれらの用語は、ドライクリーニング業界で使用される従来の意味を有する。
【0022】
好適な親油性流体物質の非限定例としては、シロキサン類、他のシリコーン類、炭化水素、グリコールエーテル類、グリセリンエーテルなどのグリセリン誘導体、ペルフルオロアミン類、ペルフルオロ及びハイドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性の非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、環境に優しいその他の溶媒、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0023】
本明細書で使用する時、「シロキサン」は、非極性で、水中又は低級アルコール中で不溶性であるシリコーン流体を意味する。線状シロキサン(例えば、米国特許第5,443,747号及び同第5,977,040号参照)及び環状シロキサンは、本明細書で有用であり、後者には、オクタメチルシクロテトラシロキサン(テトラマー)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(ヘキサマー)、デカメチルシクロペンタシロキサン(ペンタマー、一般に「D5」と呼ばれる)及びこれらの混合物から成る群より選択される環状シロキサンが含まれる。好適なシロキサンは、約50%を超える環状シロキサンペンタマー、又は約75%を超える環状シロキサンペンタマー、あるいは少なくとも約90%の環状シロキサンペンタマーを含んでもよい。また、少なくとも約90%(好ましくは少なくとも約95%)のペンタマーならびに約10%未満(好ましくは約5%未満)のテトラマー及び/又はヘキサマーを有する環状シロキサンの混合物であるシロキサン類も本明細書での使用に適している。
【0024】
親油性流体には、ドライクリーニング溶媒、特にフッ素化溶媒又はペルフルオロアミン類を含むより新しい種類の任意部分を含むことができる。ペルフルオロトリブチルアミン類などの一部のペルフルオロアミン類は、親油性流体として使用するには適していないが、親油性流体を含有する組成物中に存在し得る多くの補助剤の1つとして存在してよい。
【0025】
他の好適な親油性流体としては、これらに限定するものではないが、ジオール溶媒系、例えば、C若しくはC又はより高級なジオールなどの高級ジオール、環式及び非環式の両方のタイプを含むオルガノシリコーン溶媒等、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
低揮発性の非フッ素化有機溶媒の非限定例としては、例えば、オレアン(OLEAN)(登録商標)及び他のポリオールエステル、又は特定の比較的非揮発性の生分解性中鎖分枝状石油留分が挙げられる。
【0027】
グリコールエーテル類の非限定例としては、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールt−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルが挙げられる。
【0028】
シロキサン類に加えて、他のシリコーン溶媒の非限定例が文献で周知であり(例えば、カーク・オスマー(Kirk Othmer)の「化学工学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)」参照)、GEシリコーンズ社(GE Silicones)、東芝シリコーン社(Toshiba Silicone)、バイエル社(Bayer)、及びダウ・コーニング社(Dow Corning)を含む多数の市場供給源から入手可能である。例えば、好適なシリコーン溶媒の1つは、GEシリコーンズ社(GE Silicones)から入手可能なSF−1528である。
【0029】
好適なグリセリン誘導体溶媒の非限定例としては、次の構造を有する物質が挙げられる:
【化1】

上式において、R、R及びRはそれぞれ独立して、H;分枝状又は線状の、置換又は非置換の、C〜C30アルキル、C〜C30アルケニル、C〜C30アルコキシカルボニル、C〜C30アルキレンオキシアルキル、C〜C30アシルオキシ及びC〜C30アルキレンアリール;C〜C30シクロアルキル;C〜C30アリール、ならびにこれらの混合物から選択される。前記R、R及びRのうち2つ以上が相まって、C〜Cの、芳香族又は非芳香族系の、複素環式又は非複素環式の環を形成することができる。
【0030】
好適なグリセリン誘導体溶媒の非限定例としては、2,3−ビス(1,1−ジメチルエトキシ)−1−プロパノール;2,3−ジメトキシ−1−プロパノール;3−メトキシ−2−シクロペントキシ−1−プロパノール;3−メトキシ−1−シクロペントキシ−2−プロパノール;炭酸(2−ヒドロキシ−1−メトキシメチル)エチルエステルメチルエステル;グリセロールカーボネート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0031】
環境に優しい他の溶媒の非限定例としては、オゾン形成能が約0〜約0.31の親油性流体、蒸気圧が0〜約13Pa(約0〜約0.1mmHg)の親油性流体、及び/又は、蒸気圧が13Pa(0.1mmHg)より高く、ただしオゾン生成能が約0〜約0.31である親油性流体が挙げられる。ここまでに記載していないこのような親油性流体の非限定例としては、カーボネート溶媒(すなわち、メチルカーボネート、エチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネート)及び/又はサクシネート溶媒(すなわち、ジメチルサクシネート)が挙げられる。
【0032】
本明細書で使用する時、「オゾン反応性」は、VOCが大気中でオゾンを形成する能力の指標である。それは、揮発性有機物1グラム当たりで形成されるオゾンのグラム数として測定される。オゾン反応性の測定手順は、W.P.L.カーター(W.P.L.Carter)著、「揮発性有機化合物のオゾン反応性基準の開発(Development of Ozone Reactivity Scales of Volatile Organic Compounds)」、大気及び廃棄物管理協会誌(Journal of the Air & Waste Management Association)、第44巻、881〜899頁、1994年に更に論じられている。使用される「蒸気圧」は、カリフォルニア大気資源局(California Air Resources Board)の方法310で定義される技術によって測定することができる。
【0033】
一つの実施形態において、親油性流体は、当該親油性流体の50重量%を超える、シクロペンタシロキサン(「D5」)、及び/又は、ほぼ同様の揮発性を有し、所望により他のシリコーン溶媒によって補完された、線状類縁体を含む。
【0034】
親油性流体の濃度は、本発明の前記処理組成物中に存在する時には、当該処理組成物の約50重量%超過〜約99.99重量%、又は約60重量%〜約95重量%、あるいは約70重量%〜約90重量%である。
【0035】
(布地ケア組成物)
布地物品を処理/洗浄する際に使用するための布地処理組成物は、親油性流体、1以上の官能基部分を有する布地処理剤、ならびに、任意に、水、極性溶媒、洗浄助剤、及び/又は布地処理剤を含んでよい。
【0036】
前記組成物中に存在する場合、ある布地処理剤は、典型的には該組成物の約0.01重量%〜約80重量%、又は約0.5重量%〜約60重量%、あるいは約1重量%〜約50重量%までで含まれる。(複数の)布地処理剤が、同じ濃度で存在する必要はない。例えば酵素は、洗浄性界面活性剤濃度の約1/10〜約1/100の濃度で存在することがある。
【0037】
洗浄溶液を調製するために組成物が親油性流体で希釈される時には、ある布地処理剤は通常、洗浄溶液の約0.0001重量%〜約50重量%、又は約0.01重量%〜約30重量%、あるいは約1重量%〜約20重量%で含まれる。
【0038】
一部の実施形態では、任意選択的に極性溶媒を同様に洗浄溶液に組み込んでもよい。極性溶媒は、布地処理組成物の一構成成分として、又は洗浄溶液中の親油性流体の共溶媒として添加されてよい。極性溶媒は水であることができ、また任意選択的に、線状又は分枝状のC1〜C6アルコール、C1〜C4グリコール、及びこれらの混合物も含む。
【0039】
含まれる場合、極性溶媒は、当該組成物の約99重量%〜約1重量%、又は約5重量%〜約40重量%の範囲であり、そして洗浄助剤は、当該組成物の約0.01重量%〜約50重量%、又は約5重量%〜約30重量%の範囲である。
【0040】
(汚染物質)
布地物品処理プロセスの間にドライクリーニング溶媒に入り込む可能性のある汚染物質としては、通常、非イオン性界面活性剤、飽和及び不飽和脂肪酸、モノ−グリセリド、ジ−グリセリド、及びトリ−グリセリド、非極性炭化水素、ワックス及びろうエステル、脂質、ならびにこれらの混合物などの洗濯汚れ、特に親油性の洗濯汚れが挙げられる。
【0041】
汚染物質は、前記組成物中の布地処理剤に由来することもあり、これには、汚れ放出ポリマー、洗浄性界面活性剤、漂白剤、酵素、香料、柔軟剤、仕上げポリマー、染料、移染防止剤、染料定着剤、繊維再構成剤、しわ低減及び/又は除去剤、繊維矯正剤、香料放出及び/又は輸送剤、形状保持剤、布地及び/又は汚れ標的剤(fabric and/or soil targeting agents)、抗菌剤、変色防止剤(anti-discoloring agent)、疎水性仕上げ剤、UV遮断剤、光沢剤、顔料(例えば、Al、TiO)、毛玉防止剤、温度調節剤、皮膚ケアローション(湿潤剤、保湿剤、粘度調整剤、芳香剤などを含む)、防虫剤、難燃剤、ならびにこれらの混合物が包含されるが、これらに限定されない。
【0042】
(方法)
布地物品処理プロセスの間に、ドライクリーニング溶媒及び/又は組成物は、通常、以上で開示したものなど汚染物質で汚染される。本発明は、親油性溶媒と汚染物質との混合物である、使用済みの汚染されたドライクリーニング溶媒から汚染物質を除去する方法を対象とする。特に、この方法は、汚染物質を前記混合物に溶解し難くして汚染物質と溶媒の分離を促進するような方法で、前記混合物に変化を与えることを伴う。
【0043】
前記混合物の変性は、混合物を浄化剤と接触させることによって行うことができ、これには、例えば、イオン強度変性剤(an ionic strength modifier)、pH調整剤(a pH modifier)、凝集剤、ゲル化剤、生物剤、液体抽出剤及びこれらの混合物が挙げられる。混合物が本発明の浄化剤によって変性されると、汚染物質は変性された混合物に溶解し難くなって、汚染物質がバルク溶媒から分離し始めることがあり、これは混濁や沈殿の形成などによって示される。
【0044】
本明細書で使用される場合、用語「溶解し難い」又は「相溶し難い」とは、ドライクリーニング溶媒と汚染物質とのハンセン(Hansen)溶解度パラメータの差が、汚染物質の変性時により大きくなることを意味する。ハンセン溶解度パラメータは、水素結合と、極性と、分散との効果の和に基づくことが知られており、これは分子構造によって求められる。
【0045】
本発明の溶媒浄化法は、従来の蒸留による溶媒回収方法に比べて様々な利点を与える。第一に、溶媒/汚染物質混合物への変性は、非熱的な(すなわち、蒸留を伴わない)、低温及び周囲圧力条件で行うことができる。第二に、汚染物質を溶解し難くすることにより、汚染物質が溶媒から沈殿することがあるため、デカンテーション、濾過、遠心分離などの公知技術によって容易に除去できる(removed be known techniques)。
【0046】
このように浄化されたドライクリーニング溶媒は、その後の布地物品洗浄サイクルで作用溶媒として使用できる。本方法は、ドライクリーニング組成物を浄化又は再循環するのにも適用できると認識され、前記組成物は、ドライクリーニング溶媒と水とのエマルションを含むことがあり、任意選択的に、洗浄助剤や洗濯汚れなどの種々の汚染物質を含むことがある。
【0047】
本明細書での使用に適した浄化装置は、その後の布地物品処理プロセスにおける作用溶媒として使用されるか又は作用組成物として(前記プロセスで除去されたかもしれない洗浄助剤を補充することによって)再配合される時に、浄化される溶媒又は組成物中での汚染物質の濃度がその性能を損なわないような、十分な汚染物質をドライクリーニング溶媒又は組成物から除去する。浄化プロセスにおける汚染物質の除去は、汚染物質の100%除去が可能であるが、100%除去しなくてもよい。使用済みの、汚染された溶媒又は組成物中に含まれる汚染物質の約50%〜約100%の除去で十分でありうる。布地物品の種類、汚染物質の種類、汚染の程度などは、洗浄性能を損なわずに浄化された溶媒又は組成物中に残存できる汚染物質濃度を左右する要因である。すなわち、浄化された溶媒又は組成物は、ある種の汚染物質を他のものよりも高濃度で含んでいてもよい。例えば、染料の濃度は、作用溶媒の約0.0001重量%〜約0.1重量%、又は約0.00001重量%〜約0.1重量%、あるいは約0重量%〜約0.01重量%で存在してよい。他方で、浄化された溶媒中の水の濃度は、約0.001%〜約20%、又は約0.0001%〜約5%、あるいは約0%〜約1%であってよい。
【0048】
本発明の一態様では、浄化されたドライクリーニング溶媒又は組成物は、本発明の方法で浄化される必要がある前に、回収及び/又は再配合されて、それぞれ別の布地洗浄サイクルで速やかに再使用できる。本発明の別の態様では、浄化されたドライクリーニング溶媒又は組成物は、洗浄システムから取り出され、貯蔵され、後で別のシステム又は別の布地洗浄サイクルで作用溶媒又は組成物として使用することができる。
【0049】
さらに、本発明の方法は、洗浄システムの一体的な(例えば、インライン)構成要素を介して、又は洗浄システムの付属の(例えば、後洗浄サイクル)構成要素として、前記溶媒又は組成物に適用されてもよい。
【0050】
当該方法は、ドライクリーニング溶媒と少なくとも1つの汚染物質との混合物を提供する第1の工程を含む。前記混合物は、布地物品をドライクリーニング溶媒、又はドライクリーニング溶媒と水又は界面活性剤などの他の洗浄助剤とを含む洗浄組成物に暴露することによって生じることがある。別法として、この洗浄工程で水を別個の供給源から布地物品に適用してもよい。その後、ドライクリーニング溶媒と水エマルションの形態の、使用済みの及び/又は汚染されたドライクリーニング溶媒又は洗浄組成物は通常、回収されて、本方法での浄化に必要な混合物として使用できる。
【0051】
汚染された溶媒又は組成物を提供するための前記洗浄方法としては、従来の浸漬型洗浄方法、ならびに米国特許公開第20020133886A1号及び同第20020133885A1号に開示されている非浸漬方洗浄方法が挙げられる。
【0052】
(浄化剤)
本発明の一態様において、浄化剤は、一価のアルカリ金属カチオン又は二価のアルカリ土類金属カチオンあるいは二価若しくは多価の遷移金属カチオンなどの、イオン強度変性剤であってよい。非限定的な例としては、Na、K、Li、Cs、Zn、Mg、Mn、Ni、Ba、Fe、La、Ce、Zr、Ca、Ce、Al、Cu、Feのカチオン、これらのカチオン荷電形態、これらの磁化可能な形態、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
浄化剤は、NH及び四級アンモニウムカチオンなどの、非置換又は置換アンモニウムカチオンも含み得る。四級アンモニウム系界面活性剤は、当該技術分野で説明されている。これら界面活性剤の特性は、これらが含有する置換基の種類に非常に強く影響される。鎖長、飽和度、分枝、又はヒドロキシ酸(hydroxylic)基若しくはエトキシ基の存在及び数は、前記界面活性剤の特性を決定するいくつかの因子である。典型的な織物製品コンディショニング作用は、長アルキル鎖を2つ有するカチオン性界面活性剤によって実施されるが、長アルキル鎖を1つだけ有するカチオン性界面活性剤は、洗濯洗剤における洗浄性能を改善すると報告されている。浄化剤として本明細書で使用するのに適した四級アンモニウム化合物の非限定的な例は、米国特許第3,123,640号及び同第3,141,905号に開示されており、この両方の特許には、カチオン活性で界面活性な化合物が記載されている。カチオン活性な化合物は、低級モノアルキルジアルカノールアミン類に由来する四級アンモニウム化合物である。カチオン活性な化合物には、a)ジ脂肪族系ジアルコキシル化四級アンモニウム化合物、及びb)モノ脂肪族系トリアルコキシル化四級アンモニウム化合物も包含される。別の例としては、これらに限定するものではないが、デシルトリメチルアンモニウム化合物、オクチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム化合物などが挙げられる。
【0054】
これらカチオンは、塩の形態で、汚染された溶媒又は混合物に適用されてよく、これらは、ハライドのアニオン種(F、Cl、Br、I)、水酸化物のアニオン種(OH)、カルボン酸塩のアニオン種(CO)、硫酸塩のアニオン種(SO)、亜硫酸塩のアニオン種(SO)、硝酸塩のアニオン種(NO)、亜硝酸塩のアニオン種(NO)、リン酸塩のアニオン種(PO)及びこれらの混合物を含有する。
【0055】
金属カチオン、NH(4級アンモニウムカチオン)、及びこれらの混合物をベースとする浄化剤は、通常、キャリア溶媒中の溶液として、該キャリア溶媒の約0.1重量%〜約1重量%の濃度で調製される。キャリア溶媒は、カチオンをその塩の形態から解離させ得る溶媒である。キャリア溶媒の非限定的な例としては、水又はpH調整された水が挙げられる。これらのカチオン性剤は、通常、汚染物質中のアニオン種と相互作用し、得られる化合物を、濾過、遠心分離、デカンテーション、及びそれらの組み合わせなどの従来の技術によって、ドライクリーニング溶媒から容易に沈殿させて分離することができる。
【0056】
回収された沈殿剤を低いpH(約2〜4)の媒質に暴露することによって、該沈殿剤は、カチオン性剤及びアニオン性汚染物質に溶解され得る。カチオン性剤は、溶解された沈殿剤を含有する溶液をカチオン交換カラムに通過させることによって再生できる。
【0057】
別法として、金属カチオンは磁化可能な形態であってもよいことから、磁場をかけてドライクリーニング溶媒から沈殿剤を引き出すこともできる。ドライクリーニング溶媒から沈殿剤が除去されたら、磁場を反転させて沈殿剤を低いpHの媒質へと放出して、カチオン性剤を前述のように再生及び再循環させることができる。
【0058】
本発明の溶媒浄化方法では廃棄を必要とする追加の物質が生成されないので、カチオン性剤を再循環又は再生させる能力は、大きな利点をもたらす。
【0059】
本発明のもう一つの態様では、浄化剤は、鉱酸又は有機酸から選択されるpH調整剤であってよい。鉱酸としては、これらに限定するものではないが、HCl、HBr、HI、硫酸、スルホン酸、硝酸、リン酸、カルボン酸が挙げられる。これらpH調整剤は、1個、2個又は3個の分離可能なプロトンを有していてよい。有機酸は、前記の鉱酸の1個以上のプロトンを線状、分枝状又は環式の、飽和又は不飽和アルキル基で置き換えたものに言及される。
【0060】
本発明のまた別の態様では、浄化剤は、水又はポリマーなどの凝集剤であってよい。例えば、水は、非極性溶媒中に、1つの凝集体につき2以上の界面活性剤分子を含有することがある界面活性剤の凝集体の形成を誘発することが周知である。従って、前記凝集体は、本明細書に開示した分離技術によって混合物からより容易に分離されるのに十分に大きくなることがある。凝集剤としては、これらに限定するものではないが、ジアリルジメチルなどのカチオン性又はアニオン性ポリマー、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(メタクリレート)及びポリ(アクリル酸)などの凝集剤が挙げられる。
【0061】
追加の凝集剤は、凝集剤を分散するため、及び凝集して凝集体化するように汚染物質分子を誘発する機械的エネルギーを加えるために、攪拌(混合)及び/又は超音波処理などの処理と組み合わされてもよい。
【0062】
本発明の更に別の態様では、浄化剤は、ソルビトール誘導体、金属脂肪酸エステル石鹸、ケイ酸カルシウム及び処理済ケイ酸カルシウム、ヒマシ油の有機誘導体、セルロース誘導体、レシチン、キサンタンガム、アルギネート、ならびにこれらの混合物など、ゲル化剤であってもよい。
【0063】
ある種のソルビトール誘導体は、本発明ではゲル化剤として使用できる。例えば、1,2:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール(DBS)は、水素結合を介して、本明細書で使用される親油性溶媒を包含する広く様々な有機溶媒中で凝集化構造を形成することがある。ソルビトール系ゲル化剤を前記混合物に添加すると、ソルビトールゲル化剤と、水素結合を形成し得る汚染物質との間で凝集体が形成されることがある。こうして得られる凝集体は、親油性流体から容易に分離できる。
【0064】
金属エステル石鹸は、ゲル化剤として使用して、親油性流体からの汚染物質の分離を更に促進することができる。金属エステル石鹸は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛及びリチウムなどの金属イオンと、一般式:R(CO)Oで表されるエステルとを含む。ここで、前記式中、Rは、飽和又は不飽和の、線状、分枝状又は環式のC1〜C30アルキル鎖でありうる。例えば、好適な金属脂肪酸エステル類は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛又はリチウムから選択される金属イオンと、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、ラウリン酸エステル及びパルミチン酸エステルなどの、炭素原子数が10〜28、又は炭素原子数が12〜22の鎖長を有する脂肪酸エステルとを含んでいてよい。ステアリン酸アルミニウム/マグネシウムヒドロキシドは、ジュリーニ社(Giulini Corporation)(ニュージャージー州バウンドブルック(Bound Brook,NJ)から一般名称ジュルーゲル(Gilugel)(登録商標)として市販されている。
【0065】
金属エステル石鹸中のカチオンはイオン強度変性剤としても機能し得ると考えられる。
【0066】
ケイ酸カルシウムと処理済ケイ酸カルシウムは、本発明ではゲル化剤としても使用できる。ケイ酸カルシウムの共通の形態には、CaSiO、CaSiO(OH)、CaSiO(OH)が包含される。ケイ酸カルシウムは、広く様々な非極性有機化合物で処理されて、該物質をより疎水性よりでかつより低い反応性にすることができる。市販されている有用なケイ酸カルシウムとしては、以下のものが挙げられる:ヒューバーソーブ(Hubersorb)(登録商標)ヒューバー社((Huber Corp.)、メリーランド州ハーブ・ド・グレース(Harve de Grace,MD))、及びマイクロ−セル(Micro-Cel)(登録商標)(セライト社((Celite Corp.)、コロラド州デンバー(Denver,CO))。ケイ酸マグネシウム又はケイ酸マグネシウム/アルミニウムなどの他のケイ酸塩も本明細書では有用である。
【0067】
ヒマシ油の種々の有機誘導体、例えばチクシン(Thixcin)(登録商標)R、チキサトロール(Thixatrol)(登録商標)STなども、本明細書でゲル化剤として使用するのに好適である。これらヒマシ油誘導体の原則的な構成要素は、グリセリルトリス−12−ヒドロキシステアレートである。ヒマシ油の種々の無機誘導体も、本明細書では有用であり、例えば、チクシン(Thixcin)(登録商標)GR、チキサトロール(Thixatrol)(登録商標)GST、チクスシール(Thixseal)(登録商標)1084などが挙げられる。これらヒマシ油誘導体又はこれらの混合物はすべて、レオックス社((Rheox,Inc.)、ニュージャージー州ハイスタウン(Hightstown,NJ.))から入手可能である。
【0068】
本発明でゲル化剤として有用な代表的なセルロース誘導体としては、酢酸セルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース及び他の変性セルロースが挙げられる。
【0069】
他の好適なゲル化剤は、天然起源のもの、例えば、キサンタンガム、レシチン、アルギネートなどであってよい。
【0070】
親油性流体と不混和性の液体は、液体抽出剤として使用できる。不混和性液体などの液体抽出剤は、前記混合物に添加すると第二の相を提供することができ、そして(1つ又は複数の)汚染物質は、親油性流体又は前記混合物からこの第二の相又は不混和性液体へ優先的に移動することができる。推進力は、各液体中の(1つ又は複数の)汚染物質の分配係数に基づいている。
【0071】
親油性流体から第二の相を作り出すことができる抽出流体が、本明細書で使用するのに適している。液体抽出剤の非限定的な例としては、これらに限定するものではないが、水;線状又は分枝状の、環式、非環式又は芳香族系アルコール;線状又は分枝状の、環式、非環式又は芳香族系ジオール;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0072】
(分離技術)
汚染物質と親油性流体との混合物を前述のような浄化剤で処理した後、いくつかの周知の技術を用いて親油性流体又は混合物から汚染物質を分離することができる。前記技術としては、例えば、沈殿;沈降;遠心分離;デカンテーション;微粒子濾過;膜濾過;吸収剤、吸着剤、光触媒又はこれらの混合物への暴露;磁性分離;温度変化;液−液抽出;及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0073】
前記混合物に不溶性になる汚染物質は、密度及び/又は重力に基づく技術、例えば沈殿、沈降、デカンテーション、遠心分離によって、ドライクリーニング溶媒又は混合物から分離できる。
【0074】
沈殿は、固体の形成をもたらす相分離によって開始される。その後、1〜48時間以内に重力によってバルク溶媒から固体が分離される。加えて、沈殿の形成は、バルク溶媒における光学変化を引き起こし、その結果、バルク溶媒が濁りを帯び(hazy)、又は混濁(cloudy)する。
【0075】
沈降は、重力沈殿による液体の流れからの懸濁固体粒子の分離である。また、沈降を使用して、沈殿速度の差に基づいて固体粒子を分離することもできる。
【0076】
「デカンテーション」及び「密度グラデーション」は重力型の分離方法である。「デカンタ」は、重力を用いて流れを連続的に2つの液相に分離するために使用される容器として定義される。ストークスの法則を利用して、連続相中の液滴の沈殿速度を導き出し、それに応じてデカンタを設計することができる。
【0077】
遠心分離は、密度差に基づいて物質を分離する技術であり、その分離速度は、逓増的な回転力を加えることによって増幅される。この力は、遠心力と呼ばれ、回転力を提供する装置は、遠心分離器と呼ばれる。遠心分離を沈殿又は沈降と組み合わせて使用して、分離を向上且つ加速させることができる。
【0078】
浄化剤が、アルカリ土類金属カチオン若しくは遷移金属カチオンを主体とするカチオン性剤を含有する時、又は磁化可能な形態でカチオン性剤を含有する時には、磁化を使用して、溶媒から変性汚染物質(すなわち沈殿剤)を除去することができる。
【0079】
加えて、混合物の温度下降などの温度変化は、混合物からの汚染物質の分離をさらに向上させることもある。例えば、溶媒又は混合物中の汚染物質の相溶性又は溶解性を、温度下降と共に低下させることができる。他の例では、汚染物質が相変化(結晶化など)を起こし、溶媒又は混合物から沈殿することもある。
【0080】
液体からの固体微粒子、凝集体、又は沈殿剤の除去には、微粒子濾過を使用することができる。例えば、固体含有量の少ない液体を、光学的に透明な液体になるように濾過することができる。カートリッジは、通常は円筒状の形体であるが、他の形状も許容可能である。カートリッジ内部の濾過材は、プリーツ状又は非プリーツ状、使い捨て又は洗浄/再生可能なもののいずれかであることができる。濾過材は、通常、プラスチック若しくは金属製品によって支持され、及び/又はそれらに一体に結合される。
【0081】
膜濾過は、膜を横切る推進力としての、膜を通過する溶質の移動、又は膜を通過する溶媒の移動を包含する。透析及び浸透は、膜濾過技術の実施形態である。微粒子濾過と対照的に、膜濾過は、膜を横断する濃度勾配や、任意選択的に、圧力勾配によって推進されて膜を通過することにより、溶液から低分子量の溶質分子又はイオンを除去するのに有効である。
【0082】
本明細書で使用するのに好適な膜は、アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化ケイ素(silicium carbide)、及びこれらの混合物などの多孔質無機物質を含んでよい。本明細書で使用するのに好適な膜は、また、ポリテトラフルオロエチレン;ポリ(フッ化ビニリデン);ポリプロピレン;ポリエチレン;セルロースエステル;ポリカーボネート;ポリスルホン/ポリ(エーテルスルホン);ポリイミド/ポリ(エーテルイミド);脂肪族ポリアミド;ポリエーテルエーテルケトン;架橋ポリアルキルシロキサン及びこれらの混合物などの有機物質も含んでよい。好適な膜は、GEAフィルトレーション社(GEA Filtration)又はGEオスモニクス社((GE Osmonics Inc.)、ミネソタ州ミネトカ(Minnetoka,MN))から市販されている。
【0083】
低分子量の溶質が、膜を通過するのではなく膜上又は膜内で保持される一実施形態では、溶質分子で塩及び他の微細種を交換することによって、溶質を溶媒又は水で洗い流すことができる。ゆえに、膜を再生させることができる。新たな溶媒を繰り返して又は連続的に添加することで、低分子量の溶質が効率よくかつ迅速に洗い流される。
【0084】
変性された汚染物質は、前記混合物を吸収性材料、吸着材料、光触媒又はこれらの混合物と接触させることによってもドライクリーニング溶媒又は組成物から除去できる。これらの物質は、固体微粒子/粉末として混合物に添加することができ、又はカートリッジ若しくは同様の容器内に収容されることができる。
【0085】
好適な吸着材料としては、これらに限定するものではないが、活性炭、粘土、極性剤、非極性剤、荷電剤、ゼオライト、ナノ粒子、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0086】
本明細書で吸着材料として使用するのに好適な極性剤は、次式で表される:
(Y−O)X
式中、YはSi、Al、Ti、Pであり;aは約1〜約5の整数であり;bは約1〜約10の整数であり;Xは金属である。一実施形態では、本明細書で吸着材料として使用するのに好適な極性剤は、シリカ、珪藻土、アルミノケイ酸塩、ポリアミド樹脂、アルミナ、ゼオライト、及びこれらの混合物から成る群より選択される。一実施形態では、極性剤はシリカであり、より具体的にはシリカゲルである。好適な極性剤としては、日本化学工業株式会社(Nippon Chemical Industries Co.)(日本、東京)から入手可能なシルファム(Silfam)(登録商標)シリカゲル;及びW.R.グレース社(W.R.Grace)(メリーランド州コロンビア)から入手可能なダヴィシル(Davisil)(登録商標)646シリカゲルが挙げられる。
【0087】
本明細書で吸着材料として使用するのに好適な非極性剤は、以下のもののうち、1つ以上を含む:ポリスチレン、ポリエチレン、及び/又はジビニルベンゼン。非極性剤は、織布又は不織布ウェブなどの繊維性構造の形態であってもよい。好適な非極性剤としては、ローム・アンド・ハース社(Rohm & Haas)(ペンシルバニア州フィラデルフィア)から入手可能なアンバーライト(Amberlite)(登録商標)XAD−16及びXAD−4が挙げられる。
【0088】
本明細書で使用するのに好適な荷電剤は、アニオン性物質、カチオン性物質、双極性物質、及びこれらの混合物から成る群より選択される。一実施形態では、荷電剤は、次式で表される:
(W−Z)T
式中、WはSi、Al、Ti、P又はポリマー主鎖であり;Zは荷電置換基であり、そしてTはアルカリ、アルカリ土類金属、及びこれらの混合物から選択される対イオンである。例えば、Tは、以下であることができる:ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム誘導体、水素イオン;塩化物、水酸化物、フッ化物、ヨウ化物、カルボキシレート等。前記W部分は、通常、荷電剤の約1重量%〜約15重量%の荷電剤を構成する。ポリマー主鎖は、通常、以下から成る群から選択される物質を含む:ポリスチレン、ポリエチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、多糖類、ポリビニルアルコール、これらのコポリマー、及びこれらの混合物。荷電置換基は、通常、スルホネート、ホスフェート、四級アンモニウム塩、及びこれらの混合物を含む。荷電置換基は、アルコール、ジオール、カルボン酸塩、一級及び二級アミン塩、ならびにこれらの混合物を含んでもよい。好適な荷電剤は、ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)(ペンシルバニア州フィラデルフィア)から名称IRC−50として入手可能である。
【0089】
好適な吸収性材料としては、これらに限定するものではないが、ヒドロゲル形成吸収性材料、又は吸収性ゲル材料(AGM:absorbent gelling material)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0090】
ヒドロゲル形成吸収性ポリマーは、また、一般に「ヒドロコロイド」とも呼ばれており、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースなどの多糖類;ポリビニルアルコール及びポリビニルエーテルなどの非イオン型;ポリビニルピリジン、ポリビニルモルホリニオン(polyvinyl morpholinione)、ならびにN,N−ジメチルアミノエチル−若しくはN,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート−及びメタクリレートのようなカチオン型、ならびにこれらそれぞれの四級塩を挙げることができる。それらのコポリマーは、部分的に中和されていてもよく、わずかに網状に架橋していてもよく、又はその両方であってもよい。通常、ヒドロゲル形成吸収性ポリマーは、多数のアニオン性又はカチオン性官能基を有する。これらのポリマーは、単独で、又は2以上の異なるポリマーの混合物で使用することができる。これらのポリマー材料の例は、米国特許第3,661,875号;同第4,076,663号;同第4,093,776号;同第4,666,983号、及び同第4,734,478号に開示されている。
【0091】
また、他のヒドロゲル形成材料も、本明細書で吸収性材料として使用するのに好適である。本明細書で使用するのに好適なこれらのゲルの非限定例は、アクリルアミド、アクリレート、アクリロニトリル、ジアリルアンモニウムクロリド、ジアルキルアンモニウムクロリド、及びその他のモノマーを主体とするものであってよい。好適なゲルの一部は、米国特許第4,555,344号、同第4,828,710号、及び欧州特許出願第648,521A2号に開示される。
【0092】
ヒドロゲル形成ポリマー構成成分は、また、カチオン交換ヒドロゲル形成吸収性ポリマーとアニオン交換ヒドロゲル形成吸収性ポリマーとを含む、混床イオン交換組成物の形態であってもよい。このような混床イオン交換組成物は、例えば、米国特許出願第09/130,321号(アシュラフ(Ashraf)ら、1998年1月7日出願)(P&G事件番号6976R);及び米国特許第6,121,509号に記載されている。
【0093】
(洗浄システム及び洗浄装置)
本発明には、また、前述の方法で使用するのに好適な洗浄システム及び洗浄装置も含まれる。洗浄システムは、布地物品処理容器と、ドライクリーニング溶媒リザーバと、任意選択的にドライクリーニング溶媒中の汚染物質の濃度を監視するセンサとを含む。汚染物質濃度がいくつかの予め定められた値を超えると、ドライクリーニング溶媒が最大汚染物質保持許容範囲に達しており、浄化する必要があることを示す。更に、本発明の浄化方法を行うことが可能な調整処理ユニットを含む溶媒浄化/回収装置も、前記システム/装置の一体成形された部品として提供されてよいが、そうである必要はない。溶媒浄化/回収ユニットは、独立した装置であって、ドライクリーニングシステムから分離できる。
【0094】
当業者に公知のいかなる好適な布地物品処理容器も、使用することができる。布地物品処理容器は、洗浄システムの動作の間、処理すべき布地物品を受け取り、保持する。換言すれば、布地物品処理容器は、布地物品がドライクリーニング溶媒と接触している間、布地物品を保持する。好適な布地物品処理容器の非限定例としては、商業用クリーニング設備、屋内用、家庭用の洗濯機、及び衣類乾燥機が挙げられる。
【0095】
本発明の方法及びシステムは、クリーニングサービス、おむつサービス、制服クリーニングサービスなどのサービス、又はコインランドリー;ドライクリーニング店;ホテル、レストラン、コンベンションセンター、空港、観光船、港湾施設、カジノの一部のリネンサービスなどの営利事業で使用してもよく、あるいは家庭で使用してもよい。
【0096】
本発明の方法は、改造された既存装置であって、また関連方法に加えて本発明の方法を実施するような形で改良された装置において実施されてよい。
【0097】
本発明の方法は、また、本発明及び関連方法を実施するために特別に構築された装置で実施されてもよい。
【0098】
さらに、本発明の方法は、ドライクリーニング溶媒処理システムの一部として別の装置に追加されてもよい。これには、化学物質及び水の供給源、ならびに廃棄洗浄流体用の下水設備への連結などの、関連した配管すべてが含まれる。
【0099】
本発明の方法は、また、「デュアルモード」機能が可能な装置で実施されてもよい。「デュアルモード」装置は、同じ容器(すなわちドラム)内で布地の洗浄及び乾燥の両方を実施可能なものである。水性洗濯プロセス用のデュアルモード装置は、特に欧州で市販されている。さらに、本発明の方法は、また、「バイモード(bi-modal)式」洗浄機能を実施可能な装置で実施されてもよい。「バイモード式」装置は、同じ容器で非水性洗浄及び水性洗浄の両方が実施可能なものであり、2つの洗浄モードを、順次洗浄サイクル又は複合洗浄サイクルで実施することができる。加えて、バイモード式機械は、衣類を別個の機械に移動させる必要なしに当該衣類を完全に乾燥させることが可能である。すなわち、ある機械は、バイモード機能ならびにデュアルモード機能を持つことができる。
【0100】
本発明で使用するのに好適な装置は、通常、「スマートコントロールシステム」などの電気的システム、ならびにより従来的な電気機械的システムを包含する、何らかのタイプの制御システムを含む。制御システムによって、ユーザーは、洗浄すべき布地洗濯物の大きさ、汚れの種類、汚れの程度、洗浄サイクルの時間を選択可能になる。あるいは、制御システムは、ユーザーが装置にプログラムする様々な確認可能なパラメータに基づいて、予め設定された洗浄及び/若しくはリフレッシュサイクルを提供し、又はサイクル長の制御を行う。例えば、ドライクリーニング溶媒の回収速度が安定した速度に達した時に、装置は、一定期間後に自動的に停止するか、又はドライクリーニング溶媒に関わる別のサイクルを開始することができる。
【0101】
電気的制御システムの場合、1つの選択肢は、制御デバイスを、いわゆる「スマートデバイス」にすることである。これは、自己診断;洗濯物の種類及びサイクルの選択;ユーザーが装置を遠隔操作で始動できるようにし、装置が布地物品を洗浄し終えた時にユーザーに通知し、又は装置が正常に機能しない場合に供給元が遠隔操作で不具合を診断できるようにするインターネットリンクなどのスマート機能を提供する。更に、本発明の装置は、洗浄システム、いわゆる「スマートシステム」の一部であってもよく、この場合、本装置は、残りの洗浄プロセスの必要なものをすべて満たす(洗濯機又は乾燥機など)補足的な(complimentary)操作を行うもう一つの選択装置との通信機能を有する。
【0102】
(試験方法)
(薄層クロマトグラフィー)
親油性流体から除去される汚染物質の(濃度)百分率は、薄層クロマトグラフィー(TLC)で求めることができる。
【0103】
100gの親油性液体と、0.1gの人工的な身体汚れ(エンピリカル・マニュファクチャリング社(Empirical Manufacturing Company Inc.)(オハイオ州シンシナティ(Cincinnati,OH))から入手可能)と、0.1gのネオドール(Neodol)91−2.5界面活性剤(シェル・ケミカル社(Shell Chemical Co.)(テキサス州ヒューストン(Houston,TX))から入手可能)との混合物が入ったバイアル瓶を準備する;この試験の目的では、人工的な身体汚れと界面活性剤の両方を汚染物質と見なす。
【0104】
本方法で前記混合物を浄化する前後に、前記混合物から試料2μl(マイクロリットル)を採取する。これら両方の試料を、シリカゲルGプレート(Silica Gel G plates)(無機結合剤、商品番号01011、20cm×20cm、アナルテック社((Analtech,Inc.)、デラウェア州ニューアーク(Newark,DE))から入手可能)でTLC分析を行う。
【0105】
3つの展開溶媒をTLC分析で使用した:(1)100%ヘプタン;(2)体積比が160:40のトルエン:ヘキサン;及び(3)体積比が160:40:2のヘキサン:ジエチルエーテル:酢酸;すべての溶媒は、バーディック・アンド・ジャクソン社(Burdick & Jackson)から購入した。第1溶媒系をTLCプレートの上部の水平線(17.5cm)まで移動させるが、それには通常約30分かかる。TLCプレートを20分間乾燥させる。第2溶媒系をプレートの上方16.5cmまで移動させるが、それには通常約26分かかる。TLCプレートを30分間乾燥させる。第3溶媒系をプレートの上方9.5cmまで移動させるが、それには通常約9分かかる。TLCプレートを30分間乾燥させる。乾燥したTLCプレートに5〜7mlの25%硫酸を均一にスプレーし、250℃〜260℃に加熱されたホットプレート上に置き、セラミックテープで覆う。完全に炭化するまで(10〜30分間)当該プレートをホットプレート上に維持する。炭化時間は、試験される化合物によって変わる。(破損を防ぐために)加熱したスパチュラを用いてホットプレートからプレートを取り除き、ガラス布パッド上に置いて冷却する。炭化したプレート(charred plated)を、カマスキャナ(Camag Scanner)3濃度計(スイス、カマ社(Camag)製)を用いてスキャンする。
【0106】
TLCスペクトルを、濃度計によって表示された曲線下の面積として測定した。次式を用いて、混合物から除去された汚染物質総量を計算した:
【数1】

前記式中、MR=除去された汚染物質の質量;
S=混合物に添加された汚染物質の質量;
A=本方法によって浄化された混合物から得られるTLC面積;
B=浄化プロセス前の混合物から得られるTLC面積。
【実施例】
【0107】
実施例:基本抽出:
D5と洗濯汚れ(例えば、トリグリセリド、オレイン酸)を併せて混合して、ほぼ均一な溶液を調製することにより、1回以上の洗濯サイクルで生じる、汚れた、使用済みのドライクリーニング溶媒を模擬するための混合物を調製する。水とアルカリ土類金属塩(水酸化ナトリウム)を予め混合し、次いでこれを、D5と洗濯汚れを含有する前記混合物へ添加して、以下の割合に従って浄化混合物を生成する。浄化混合物を一緒に、エアーミキサーを用いて207kPa(30psi)の圧力で1時間混合した後、浄化したD5を回収する。浄化したD5中の残留汚れ含有量は、TLCで求めることができる。
【表1】

【0108】
本発明の特定の実施形態を例示し説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくその他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【0109】
特に指定がない限り、本明細書で特定される百分率はすべて重量に基づく。本明細書全体を通じて記載されるすべての最大数値限定は、それより小さいいかなる数値限定をも、そのより小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含むことを理解すべきである。本明細書全体を通じて記載されるすべての最小数値限定は、それより大きいいかなる数値限定をも、そのより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載されるすべての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いいかなる数値範囲をも、そのより狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0110】
引用された文書はすべて、関連部分において本明細書に参考として組み込まれ、いかなる文書の引用も、それが本発明に関して先行技術であるということの承認として解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質を含有する親油性流体の浄化方法であって、以下の工程:
a.親油性流体と少なくとも1つの汚染物質とを含む混合物を入手する工程;
b.前記混合物を浄化剤と接触させることにより、汚染物質の該混合物への溶解性を変化させる工程;及び
c.前記親油性流体から前記汚染物質を分離する工程、
を含む方法。
【請求項2】
以下の工程:
a.洗濯汚れを含む布地物品を親油性流体、及び布地処理剤を含む組成物に接触させることにより、前記親油性流体、前記洗濯汚れ及び前記布地処理剤を含む混合物を生成する工程;
b.前記混合物の少なくとも一部を布地物品から抽出する工程、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記浄化剤が、イオン強度変性剤、pH調整剤、凝集剤、ゲル化剤、液体抽出剤、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記浄化剤が、Na;K;Li;Cs;Zn;Mg;Mn;Ni;Ba:Fe;La;Ce;Zr;Ca;Ce;Al;Cu;Feから成る群より選択されるアルカリカチオン、アルカリ土類カチオン又は遷移金属カチオン;これらの磁化可能な形、これらの塩の形、及びこれらの混合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記浄化剤が、NH、アルキル置換NH、四級アンモニウムカチオン、これらの塩、及びこれらの混合物から成る群より選択されるカチオンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記浄化剤が、鉱酸、有機酸及びこれらの混合物から成る群より選択されるpH調整剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記pH調整剤が、HCl、HBr、HI、硫酸、スルホン酸、硝酸、リン酸、カルボン酸、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記浄化剤が、ジアリルジメチル、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、及びこれらの混合物から成る群より選択されるポリマーである凝集剤である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記浄化剤が、ソルビトールゲル化剤、金属脂肪酸エステル石鹸、ケイ酸カルシウム及び処理済ケイ酸カルシウム、ヒマシ油の有機誘導体、セルロース誘導体、レシチン、キサンタンガム、アルギネート、及びこれらの混合物から成る群より選択されるゲル化剤である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記浄化剤が、前記親油性流体に不混和性の抽出流体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記抽出流体が、水;線状又は分枝状の、環式、非環式若しくは芳香族系アルコール;線状又は分枝状の、環式、非環式若しくは芳香族系ジオール;及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記工程(c)が、前記混合物に磁場をかけることによって、前記親油性流体から前記汚染物質を沈殿させることを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記工程(c)が、沈殿;沈降;遠心分離;デカンテーション;微粒子濾過;膜濾過;吸収剤、吸着剤、光触媒又はこれらの混合物への暴露;磁気分離:温度変化;液−液抽出;及びこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記工程(c)が、前記親油性流体を膜に通過させることによって、前記親油性流体が汚染物質を実質上含まなくなることを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記膜が、アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化ケイ素、及びこれらの混合物から成る群より選択される多孔質無機物質を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記膜が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロースエステル類、ポリカーボネート、ポリスルホン/ポリ(エーテルスルホン)、ポリイミド/ポリ(エーテルイミド)、脂肪族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、架橋ポリアルキルシロキサン、及びこれらの混合物から成る群より選択されるポリマー材料を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記汚染物質が、モノ−、ジ−、及びトリ−グリセリド類、飽和及び不飽和脂肪酸類、非極性の炭化水素、ワックス類及びろうエステル類、脂質、非イオン性界面活性剤、ならびにこれらの混合物から成る群より選択される親油性汚れである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記汚染物質が、汚れ放出ポリマー、追加的な洗浄性界面活性剤、漂白剤、酵素、香料、柔軟剤、仕上げポリマー、染料、移染防止剤、染料定着剤、繊維再構成剤、しわ低減及び/又は除去剤、繊維矯正剤、香料放出及び/又は輸送剤、形状保持剤、布地及び/又は汚れ標的剤、抗菌剤、変色防止剤、疎水性仕上げ剤、UV遮断剤、光沢剤、顔料、毛玉防止剤、温度調節剤、皮膚ケアローション、防虫剤、難燃剤、ならびにこれらの混合物から成る群より選択される布地処理剤を更に含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記親油性流体が、シロキサン類、炭水化物、フルオロカーボン類、グリコールエーテル類、グリセリンエーテル類、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記親油性流体が、デカメチルシクロペンタシロキサンを含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2007−526352(P2007−526352A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517713(P2006−517713)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/020610
【国際公開番号】WO2005/003441
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】