渋滞情報提供装置、渋滞情報表示装置及びそのためのプログラム
【課題】渋滞データを提供する装置であって、渋滞データ量を効果的に低減させるとともに、使用しやすいインタフェースを提供する。
【解決手段】渋滞データは、1時間間隔などの長時間間隔で取得され、長期間渋滞データとしてデータ記憶手段に記憶される。また、渋滞データは、例えば10分間隔などの短時間間隔で取得され、短期間渋滞データとして記憶手段に記憶される。短時間間隔で記憶した短期間渋滞データは数が多いため、保存しておくとデータ量が膨大となる。そこで、差分データ生成手段は、長期間渋滞データと短期間渋滞データとの差分データを生成し、短期間渋滞データの代わりに差分データを保存する。
【解決手段】渋滞データは、1時間間隔などの長時間間隔で取得され、長期間渋滞データとしてデータ記憶手段に記憶される。また、渋滞データは、例えば10分間隔などの短時間間隔で取得され、短期間渋滞データとして記憶手段に記憶される。短時間間隔で記憶した短期間渋滞データは数が多いため、保存しておくとデータ量が膨大となる。そこで、差分データ生成手段は、長期間渋滞データと短期間渋滞データとの差分データを生成し、短期間渋滞データの代わりに差分データを保存する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の渋滞情報を提供する装置及びそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路の渋滞データなどを含む道路交通情報を提供するシステムとして、VICS(Vehicle Information and Communication System)が知られている。また、VICSを利用して、渋滞データをリアルタイムで道路地図上に表示することが可能なカーナビゲーションシステムなどが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ナビゲーション装置において、10分、30分などの所定時間間隔毎に取得した渋滞データに基づき、渋滞状況の変化を経時的に表示する手法が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ナビゲーション装置において、VICSなどにより取得した渋滞データに基づいて、渋滞の推移を示す画像を生成して連続的に表示するものが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−361211号公報
【特許文献2】特開2003−222528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように渋滞状況の時間的な変化や推移を表示するためには、その時間間隔毎に渋滞データを取得し、蓄積する必要がある。例えば、10分間隔で渋滞データの変化を表示するためには、10分毎に渋滞データを取得し、それを蓄積しておく必要がある。よって、蓄積すべき情報量が多くなるという問題がある。
【0007】
また、上記文献のような渋滞データの表示方法は、主として数時間又は数分前から現在までの渋滞状況の推移を示すものであるが、これに対して、例えば数ヶ月前、1年前という期間で過去のある時点での渋滞データを表示したいというニーズもある。よって、現在から数分前という短い期間での渋滞データの提供と、現在から数ヶ月又は1年前という長い期間での渋滞データの提供とを両立させるためには、非常に膨大な量の渋滞データを蓄積する必要が生じる。
【0008】
さらに、長い期間での渋滞データを提供する際には、ユーザは月日、時間などの複数の条件を指定する必要があるため、ユーザにとって直感的に操作しやすいインタフェースが要求される。
【0009】
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、現在から過去にわたる渋滞データを提供する装置であって、蓄積すべき渋滞データ量を効果的に低減させるとともに、ユーザが使用しやすいインタフェースを有する装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、渋滞情報提供装置であって、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段と、前記長期間渋滞データと前記短期間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段と、前記差分データを記憶する差分データ記憶手段と、生成された差分データに対応する短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段と、前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、コンピュータ上で実行される渋滞情報提供プログラムであって、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段、前記長期間渋滞データと前記短期間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段、前記差分データを記憶する差分データ記憶手段、生成された差分データに対応する前記短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段、前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、渋滞情報表示装置であって、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段と、を備え、前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における前記渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、コンピュータ上で実行される渋滞情報表示プログラムであって、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、及び、取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における前記渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の1つの観点では、渋滞情報提供装置は、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段と、前記長期間渋滞データと前記短期間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段と、前記差分データを記憶する差分データ記憶手段と、生成された差分データに対応する短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段と、前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段と、備える。
【0015】
上記の渋滞情報提供装置は、ユーザが使用する端末装置と例えばネットワークを介して接続され、ユーザの要求に応じて渋滞情報を提供する。渋滞情報提供装置は、例えばVICS受信装置などの渋滞データ取得手段により渋滞データを取得する。渋滞データは、例えば1時間間隔などの長時間間隔で取得され、長期間渋滞データとして長期間渋滞データ記憶手段に記憶される。また、渋滞データは、例えば10分間隔などの短時間間隔で取得され、短期間渋滞データとして短期間渋滞データ記憶手段に記憶される。これにより、出力手段は、長時間間隔と単時間間隔の両方で渋滞データをユーザに提供することができる。
【0016】
短時間間隔で記憶した短期間渋滞データは数が多いため、ずっと保存しておくとデータ量が膨大となる。そこで、差分データ生成手段は、長期間渋滞データと短期間渋滞データとの差分データを生成し、短期間渋滞データの代わりに差分データを保存する。差分データが生成され、保存された後、元の短期間渋滞データは削除される。差分データは短期間渋滞データと比較してデータ量が大幅に小さいので、渋滞データの保存に要する記憶容量を大幅に低減することができる。
【0017】
上記の渋滞情報提供装置の一態様では、前記記憶情報制御手段は、取得時刻から所定の保存時間を経過した短期間渋滞データを削除する。短期間渋滞データに関しては、所定の保存期間を設定し、それを経過したものから順に差分データを保存した上で削除する。通常、現在時刻から数時間前の短期間渋滞データが最も利用頻度が高いので、例えば保存期間を2時間程度に設定し、それを超えたら自動的に差分データを保存するのが好ましい。
【0018】
上記の渋滞情報提供装置の他の一態様では、前記差分データ生成手段は、前記短期間渋滞データと、当該短期間渋滞データの取得時刻に最も近い過去の時刻において取得された前記長期間渋滞データとの差分を前記差分データとして生成する。差分データは、長期間渋滞データとの差分であるので、最も近い過去の長期間渋滞データとの差分を差分データとするのが好ましい。例えば長期間渋滞データが1時間間隔で取得され、短期間渋滞データが10分間隔で取得される場合、16:10〜16:50の10分間隔の短期間渋滞データから、それぞれ16:00の長期間渋滞データとの差分データが生成され、保存される。
【0019】
上記の渋滞情報提供装置の他の一態様では、時刻の指定を含む短期間渋滞データの表示指示を受け取る手段を備え、前記出力手段は、前記表示指示により指定された時刻における短期間渋滞データを、前記長期間渋滞データ及び前記差分データから生成し、出力する。既に保存期間が経過した日時及び時刻に対応する短期間渋滞データが要求された場合には、長期間渋滞データと差分データから元の短期間渋滞データを生成し、出力する。よって、差分データが保存されている限り、それに基づいて短期間渋滞データを生成し、出力することが可能となる。
【0020】
本発明の他の観点では、コンピュータ上で実行される渋滞情報提供プログラムは、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段、前記長期間渋滞データと前記時間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段、前記差分データを記憶する差分データ記憶手段、生成された差分データに対応する前記短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段、前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0021】
上記の渋滞情報提供プログラムを、ネットワークを介して端末装置と接続されたサーバなどで実行することにより、上記の渋滞情報提供装置を実現することができる。
【0022】
本発明の他の観点では、渋滞情報表示装置は、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段と、を備え、前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における前記渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得することを特徴とする。
【0023】
上記の渋滞情報表示装置は、例えばネットワークを介してサーバに接続された端末装置により構成される。渋滞情報取得手段はサーバなどから渋滞情報を取得し、表示制御手段は端末装置に付属するCRT、LCDなどの表示装置上に渋滞データ表示画面を表示する。ここで、渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における前記渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有する。よって、ユーザはこれらの入力エリアを操作し、渋滞情報を取得した月日及び時刻を決定することができる。渋滞データ取得手段は、そうして決定された月日及び時刻に対応する渋滞データを取得する。これにより、ユーザは希望する月日及び時刻の渋滞情報を容易に取得し、表示装置上で見ることができる。
【0024】
上記の渋滞情報表示装置の好適な例では、前記月日入力エリアは、カレンダー表示と、前記カレンダー表示上を移動しユーザにより操作されるカーソルとを含む。カレンダー表示により、ユーザは月日を容易に指定することができる。
【0025】
本発明の他の観点では、コンピュータ上で実行される渋滞情報表示プログラムは、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、及び、取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における前記渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得する。
【0026】
この渋滞情報表示プログラムを端末装置上で実行することにより、上記の渋滞情報表示装置を実現することができる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【0028】
[システム構成]
図1に、本発明の実施例に係る渋滞情報提供システムの概略構成を示す。図1に示すように、渋滞情報提供システムでは、ユーザが使用する端末装置1と、サーバ10とがネットワーク5を介して通信可能に接続されている。端末装置1は、例えばパーソナルコンピュータなどの端末装置である。ネットワーク5の典型的な例はインターネットであるが、それ以外のネットワークでも構わない。
【0029】
サーバ10は、渋滞情報データベース(以下、「データベース」を「DB」とも記す)12及びVICS情報受信装置11に接続されている。VICS情報受信装置11は、所定時間毎にVICS情報を受信し、サーバ10へ出力する。サーバ10は、VICS情報から渋滞データを抽出し、渋滞情報DB12へ蓄積する。
【0030】
また、サーバ10は、端末装置1を通じたユーザからの要求に応じて、ネットワーク5を介して渋滞データを端末装置1へ送信し、端末装置1の表示部上に表示させる。これにより、ユーザ1はサーバ10から所望の渋滞データを取得することができる。
【0031】
[渋滞データ記憶処理]
図2に、渋滞情報DB12の構成を模式的に示す。渋滞情報DB12は、大別して、長期間渋滞データ記憶部13と、短期間渋滞データ記憶部14と、差分データ記憶部15とを備える。本発明では、数ヶ月前又は数年前という長い期間にわたる渋滞データを長期間渋滞データと呼ぶ。また、これに対し、数分、数十分という短い期間にわたる渋滞データを短期間渋滞データと呼ぶ。
【0032】
本実施例では、長期間渋滞データとして、1時間間隔の渋滞データを長期間渋滞データ記憶部13に1年分保存する。また、短期間渋滞データとして、10分間隔の渋滞データを短期間渋滞データ記憶部14に2時間分保存する。即ち、短期間渋滞データの保存期間は2時間であり、2時間を経過した短期間渋滞データは削除される。その際、サーバ10は、長期間渋滞データと短期間渋滞データから差分データを生成し、差分データ記憶部15に保存する。このように、短期間渋滞データを長期間(例えば1年間)にわたってそのまま保存するのではなく、差分データとして保存することにより、保存すべき情報量を低減することができる。なお、上記の長期間渋滞データ及び短期間渋滞データの間隔及び保存期間は単なる一例であり、本発明の適用がそれらに限定されるものではない。
【0033】
差分データの生成方法について、図3を参照して具体的に説明する。前述のように、長期間渋滞データは1時間間隔の渋滞データであり、短期間渋滞データは10分間隔の渋滞データである。図3に示すように、ある日の16:00〜17:00の間には、サーバ10は、16:00及び17:00の長期間渋滞データを取得して長期間渋滞データ記憶部13に記憶するとともに、16:10、16:20、16:30、16:40、16:50の短期間渋滞データを取得して短期間渋滞データ記憶部14に記憶する。ここで、16:10の短期間渋滞データの保存期間が経過したとき、即ち、時刻が18::10になったとき、16:10の短期間渋滞データを削除する必要がある。その際、サーバ10は、16:00の長期間渋滞データと、16:10の短期間渋滞データの差分を計算して16:10の差分データを生成し、差分データ記憶部15に記憶した後、短期間渋滞データ記憶部14内に記憶されている16:10の短期間渋滞データを削除する。
【0034】
同様に、時刻が18::20になると、サーバ10は、16:00の長期間渋滞データと、16:20の短期間渋滞データの差分を計算して16:20の差分データを生成し、差分データ記憶部15に記憶した後、短期間渋滞データ記憶部14内に記憶されている16:20の短期間渋滞データを削除する。16:30以降の短期間渋滞データに関しても、保存期間が経過するたびに同様の処理が行われる。
【0035】
こうして、19:00の時点では、短期間渋滞データ記憶部14内の16:10〜16:50の短期間渋滞データは全て削除されており、代わりに差分データ記憶部15内には16:10〜16:50の差分データが保存されていることになる。差分データは、短期間渋滞データよりデータ量が大幅に小さいので、保存すべきデータ量を大幅に低減することができる。
【0036】
その後、ユーザの要求により10分間隔の短期間渋滞情報が必要となったときには、サーバ10は長期間渋滞データと差分データから短期間渋滞データを生成することができる。例えば、18:10以降に16:10の短期間渋滞データの要求があった場合、サーバ10は、長期間渋滞データ記憶部13に記憶されている16:00の長期間渋滞データと、差分データ記憶部15に記憶されている16:10の差分データとを加算して、16:10の渋滞データを生成し、ユーザに提供する。
【0037】
以上のように、サーバ10は、渋滞データ取得手段、差分データ生成手段、記憶情報制御手段及び出力手段として機能する。
【0038】
次に、渋滞データ記憶処理について図4のフローチャートを参照して説明する。図4に示す渋滞データ記憶処理は、サーバ10が所定のプログラムを実行することにより所定時間毎に繰り返し実行される。
【0039】
まず、サーバ10は、VICS情報受信装置11を利用して渋滞データを取得する(ステップS1)。
【0040】
次に、サーバ10は、渋滞データの記憶タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS2)。前述のように本実施例では、長期間渋滞データが1時間間隔の渋滞データ、短期間渋滞データが10分間隔の渋滞データであるので、渋滞データの記憶タイミングは10分間隔で到来する(図3を参照)。渋滞データ記憶タイミングになると、サーバ10は渋滞データを記憶する(ステップS3)。例えば、図3において、16:00には、取得した渋滞データを16:00の長期間渋滞データとして長期間渋滞データ記憶部13に記憶する。また、16:10には、取得した渋滞データを16:10の短期間渋滞データとして短期間渋滞データ記憶部14に記憶する。
【0041】
次に、サーバ10は、短期間渋滞データの保存期間が経過したか否かを判定する(ステップS4)。本実施例では、前述のように短期間渋滞データの保存期間を2時間としているので、例えば16:10の短期間渋滞データの保存期間は18:10に経過する。よって、サーバ10は、18:10を経過すると(ステップS4:Yes)、前述のように16:00の長期間渋滞データと16:10の短期間渋滞データから16:10の差分データを生成し、差分データ記憶部15へ記憶する(ステップS5)。こうして、渋滞データ記憶処理が終了する。
【0042】
なお、上記の例では、ある短期間渋滞データと、その短期間渋滞データの取得時刻に最も近い過去の時刻において取得された長期間渋滞データとの差分を差分データとして生成している。その代わりに、ある短期間データと、それと時間的に最も近い長期間渋滞データとの差分を差分データとして保存することとしてもよい。この方法を利用した場合、例えば16:40及び16:50の差分データは、16:40及び16:50の短期間渋滞データと、17:00の長期間渋滞データとの差分演算によりそれぞれ生成される。
【0043】
[渋滞データ配信処理]
次に、ユーザの要求に対して渋滞データを配信する渋滞データ配信処理について説明する。図5は、渋滞データ配信処理のフローチャートである。渋滞データ配信処理はサーバ10が実行する。
【0044】
まず、サーバ10は端末装置1から送信されるユーザの要求を受信する(ステップS1
1)。そして、サーバ10は、渋滞データ記憶部12から、要求に対応する長期間渋滞データ又は短期間渋滞データを読み出し(ステップS12)、要求元の端末装置1へ送信する(ステップS13)。なお、ユーザが現在時刻から2時間以上前の10分単位の渋滞データを要求した場合、対応する短期間渋滞データは既に短期間渋滞データ記憶部14からは削除されていることになる。よって、サーバ10は、前述のように長期間渋滞データと差分データに基づいて対応する時刻の渋滞データを生成し、ユーザの端末装置1へ送信する。こうして、ユーザが要求した渋滞データが端末装置1へ送信される。端末装置1では、受信した渋滞データを表示装置上に表示する。
【0045】
[渋滞データの表示方法]
次に、端末装置1における渋滞情報の表示方法について説明する。まず、短期間渋滞データの表示方法について説明する。なお、以下の渋滞情報の表示は、端末装置1内のコンピュータにより実行される。即ち、端末装置1は渋滞データ取得手段及び表示制御手段として機能する。
【0046】
図6及び図7に、短期間渋滞データの表示画面例を示す。図6及び図7において、表示画面30には短期間渋滞データが表示されている。図6(a)を参照すると、画面30は大別して時間指定エリア31と、渋滞表示エリア35とを有する。
【0047】
時間指定エリア31には、現在時刻から30分前の時刻までタイムライン表示32が含まれる。タイムライン表示32は、10分毎の時刻を示すポイント33aと、表示対象時刻マーク33bとが含まれる。図6(a)の例は、ある日の16:30の短期間渋滞データを表示している例である。
【0048】
渋滞表示エリア35には、道路36と、その道路の渋滞状況を示す矢印形状の渋滞マーク37a、37bとが表示される。渋滞マーク37a、37bは、その長さが渋滞区間の長さに対応している。つまり、図6(a)の例では、渋滞マーク37aに対応する渋滞区間が渋滞マーク37bに対応する渋滞区間より長い。
【0049】
本実施例では、図6(a)、(b)、図7(a)、7(b)に示す各時刻の短期間渋滞データが、連続的に繰り返し表示される。即ち、17:00の時点では、図6(a)→図6(b)→図7(a)→図7(b)→図6(a)の順に、各短期間渋滞データが表示される。これにより、ユーザは渋滞状況の変化、推移を視覚的に容易に把握することができる。なお、図6及び図7の例では、16:30〜17:00にかけて、徐々に渋滞マーク37aが示す渋滞が減少し、渋滞マーク37bが示す渋滞が増加している。
【0050】
次に、このような短期間渋滞データの表示処理について説明する。図8に短期間渋滞データ表示処理のフローチャートを示す。この表示処理は、端末装置1を構成するコンピュータが、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0051】
まず、端末装置1は地図データを取得する(ステップS31)。具体的には、端末装置1は、端末装置1内部の記憶装置(ハードディスクなど)又は端末装置1に接続された記録媒体(DVD−ROMなど)に記憶されている地図データを取得してもよいし、ネットワークを通じて地図情報を提供するサーバなどから地図データを取得してもよい。
【0052】
次に、端末装置1は、前述のようにサーバ10に対して要求した短期間渋滞データを受信し(ステップS32)、図6及び図7に例示するように短期間渋滞データを表示部上に表示する(ステップS33)。そして、端末装置1はユーザの入力を監視し(ステップS34)、ユーザの入力があった場合にはそれに応じて表示を変更する(ステップS35)。ここで、表示の変更とは、例えば図6及び図7に例示した表示態様以外に短期間渋滞データを表示する態様がある場合には、その表示態様に変更することを含む。例えば、上述の例のように30分前から現在時刻までの渋滞データを自動的に繰り返し表示するのではなく、ユーザが指示を入力する毎に、次の時刻の渋滞データに切り替えて表示する表示態様がある場合に、その表示態様に変更することを含む。
【0053】
そして、端末装置1はユーザにより短期間渋滞データの表示終了指示があったか否かを監視し(ステップS36)、終了指示があった場合に処理を終了する。
【0054】
次に、長期間渋滞データの表示方法について説明する。図9に長期間渋滞データの表示例を示す。図9において、長期間渋滞データの表示画面40は、大別して月日入力エリア41と、時刻入力エリア44と、渋滞表示エリア35とを備える。なお、渋滞表示エリア35は図6及び図7に示した短期間渋滞データの表示画面30の場合と同様であるので説明を省略する。
【0055】
月日入力エリア41は、月日を入力するためのカレンダー表示42を有する。カレンダー表示42内には、日を指定するためのカーソル43が表示される。カーソル43は、ユーザが端末装置1に付属するマウスやキーボードなどの入力装置を操作することにより、カレンダー表示42上を移動する。また、月日入力エリア41には、カレンダー表示42の対象となる月を選択するための矢印47が表示される。ユーザは矢印47を選択することにより、カレンダー表示42の対象となる月を変更することができる。
【0056】
時刻入力エリア44は、時刻を示すタイムライン45と、その上に表示されるカーソル46とを含む。カーソル46は、ユーザがマウスなどの入力装置を操作することにより、タイムライン45上を左右に移動する。
【0057】
ユーザは、マウスなどの入力装置を操作し、月日入力エリア41内の矢印47を選択して希望の月のカレンダーを表示させ、さらにカーソル43を移動させて希望の日を選択する。次に、ユーザは、時刻入力エリア44内のカーソル46を移動させて希望の時刻を選択する。これらの操作により、月日及び時刻が決定される。端末装置1は、そのようにして決定された月日及び時刻の長期間渋滞データをサーバ10へ要求し、サーバ10から受信した長期間渋滞データを渋滞表示エリア35に表示する。こうして、ユーザは過去の希望の月日及び時刻における渋滞状況を知ることができる。
【0058】
次に、長期間渋滞データの表示処理について説明する。図10は長期間渋滞データ表示処理のフローチャートである。この処理は、端末装置1を構成するコンピュータなどが、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0059】
まず、端末装置1は、地図データを取得する(ステップS41)。前述の短期間渋滞データ表示処理の場合と同様に、この地図データは端末装置1に接続された記憶装置や記憶媒体から取得してもよいし、ネットワーク5を介して地図データの提供サーバなどから取得してもよい。
【0060】
次に、端末装置1は、ユーザが指定した月日及び時刻に対応する長期間渋滞データをサーバ10へ要求し、対応する長期間渋滞データを受信する(ステップS42)。そして、端末装置1は、図9に例示したように、地図データ上に渋滞状況を表示する(ステップS43)。そして、ユーザの入力があると(ステップS44)、それに応じて表示を変更する(ステップS45)。例えば、ユーザが月日入力エリア41及び/又は時刻入力エリア44に対して、表示の対象となる月日又は時刻を変更する入力を行った場合、端末装置1は変更後の長期間渋滞データを表示する。なお、その際、必要であれば端末装置1は変更後の月日及び時刻に対応する長期間渋滞データをサーバ10から取得する。
【0061】
そして、ユーザが表示の終了指示を入力すると(ステップS46;Yes)、長期間渋滞データ表示処理が終了する。
【0062】
次に、時刻表示エリアの他の表示例について説明する。図11(a)〜(c)に時刻表示エリア44の他の例を示す。図11(a)の例は、1時間単位での時刻変更が可能な数字表示部を用いる例である。ユーザがマウスなどを操作してボタン51、52を押すことにより時刻が増減し、ボタン51、52を押し続けることにより時刻が連続的に増減する。
【0063】
図11(b)の例は、1時間単位での時刻変更が可能な時計型表示部を用いる例である。なお、時計型表示は24時間計である。ユーザがマウスなどを操作し、針53を移動することにより時刻が変更される。また、針53を移動し続けることにより時刻が連続的に変更される。
【0064】
図11(c)の例は、1時間単位での時刻変更が可能な時計型表示部を用いる他の例であり、時計型表示は24時間計である。ユーザがマウスなどを操作し、外枠Rを回転移動することにより針54が移動し、時刻が変更される。また、外枠Rを移動し続けることにより時刻が連続的に変更される。
【0065】
以上のように、長期間渋滞データの表示画面における時刻入力部では、いずれの場合もユーザは時刻変更のために文字入力を行う必要がなく、マウスなどを利用したスライド操作、押し操作、移動操作などの手感触操作により時刻変更を行うことができる。よって、ユーザは時刻入力中に常に渋滞表示部を見ていることができ、渋滞状況の変化を確実に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施例に係る渋滞情報提供システムの概略ブロック図である。
【図2】渋滞情報DBの内部構成を示すブロック図である。
【図3】差分データの生成方法を説明する図である。
【図4】渋滞データ記憶処理のフローチャートである。
【図5】渋滞データ配信処理のフローチャートである。
【図6】短期間渋滞データの表示画面例である。
【図7】短期間渋滞データの表示画面例である。
【図8】短期間渋滞データ表示処理のフローチャートである。
【図9】長期間渋滞データの表示画面例である。
【図10】長期間渋滞データ表示処理のフローチャートである。
【図11】長期間渋滞データの表示画面中の時刻入力部の他の例である。
【符号の説明】
【0067】
1 端末装置
5 ネットワーク
10 サーバ
11 VICS情報受信装置
12 渋滞情報DB
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の渋滞情報を提供する装置及びそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路の渋滞データなどを含む道路交通情報を提供するシステムとして、VICS(Vehicle Information and Communication System)が知られている。また、VICSを利用して、渋滞データをリアルタイムで道路地図上に表示することが可能なカーナビゲーションシステムなどが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ナビゲーション装置において、10分、30分などの所定時間間隔毎に取得した渋滞データに基づき、渋滞状況の変化を経時的に表示する手法が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ナビゲーション装置において、VICSなどにより取得した渋滞データに基づいて、渋滞の推移を示す画像を生成して連続的に表示するものが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−361211号公報
【特許文献2】特開2003−222528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように渋滞状況の時間的な変化や推移を表示するためには、その時間間隔毎に渋滞データを取得し、蓄積する必要がある。例えば、10分間隔で渋滞データの変化を表示するためには、10分毎に渋滞データを取得し、それを蓄積しておく必要がある。よって、蓄積すべき情報量が多くなるという問題がある。
【0007】
また、上記文献のような渋滞データの表示方法は、主として数時間又は数分前から現在までの渋滞状況の推移を示すものであるが、これに対して、例えば数ヶ月前、1年前という期間で過去のある時点での渋滞データを表示したいというニーズもある。よって、現在から数分前という短い期間での渋滞データの提供と、現在から数ヶ月又は1年前という長い期間での渋滞データの提供とを両立させるためには、非常に膨大な量の渋滞データを蓄積する必要が生じる。
【0008】
さらに、長い期間での渋滞データを提供する際には、ユーザは月日、時間などの複数の条件を指定する必要があるため、ユーザにとって直感的に操作しやすいインタフェースが要求される。
【0009】
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、現在から過去にわたる渋滞データを提供する装置であって、蓄積すべき渋滞データ量を効果的に低減させるとともに、ユーザが使用しやすいインタフェースを有する装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、渋滞情報提供装置であって、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段と、前記長期間渋滞データと前記短期間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段と、前記差分データを記憶する差分データ記憶手段と、生成された差分データに対応する短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段と、前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、コンピュータ上で実行される渋滞情報提供プログラムであって、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段、前記長期間渋滞データと前記短期間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段、前記差分データを記憶する差分データ記憶手段、生成された差分データに対応する前記短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段、前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、渋滞情報表示装置であって、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段と、を備え、前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における前記渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、コンピュータ上で実行される渋滞情報表示プログラムであって、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、及び、取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における前記渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の1つの観点では、渋滞情報提供装置は、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段と、前記長期間渋滞データと前記短期間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段と、前記差分データを記憶する差分データ記憶手段と、生成された差分データに対応する短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段と、前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段と、備える。
【0015】
上記の渋滞情報提供装置は、ユーザが使用する端末装置と例えばネットワークを介して接続され、ユーザの要求に応じて渋滞情報を提供する。渋滞情報提供装置は、例えばVICS受信装置などの渋滞データ取得手段により渋滞データを取得する。渋滞データは、例えば1時間間隔などの長時間間隔で取得され、長期間渋滞データとして長期間渋滞データ記憶手段に記憶される。また、渋滞データは、例えば10分間隔などの短時間間隔で取得され、短期間渋滞データとして短期間渋滞データ記憶手段に記憶される。これにより、出力手段は、長時間間隔と単時間間隔の両方で渋滞データをユーザに提供することができる。
【0016】
短時間間隔で記憶した短期間渋滞データは数が多いため、ずっと保存しておくとデータ量が膨大となる。そこで、差分データ生成手段は、長期間渋滞データと短期間渋滞データとの差分データを生成し、短期間渋滞データの代わりに差分データを保存する。差分データが生成され、保存された後、元の短期間渋滞データは削除される。差分データは短期間渋滞データと比較してデータ量が大幅に小さいので、渋滞データの保存に要する記憶容量を大幅に低減することができる。
【0017】
上記の渋滞情報提供装置の一態様では、前記記憶情報制御手段は、取得時刻から所定の保存時間を経過した短期間渋滞データを削除する。短期間渋滞データに関しては、所定の保存期間を設定し、それを経過したものから順に差分データを保存した上で削除する。通常、現在時刻から数時間前の短期間渋滞データが最も利用頻度が高いので、例えば保存期間を2時間程度に設定し、それを超えたら自動的に差分データを保存するのが好ましい。
【0018】
上記の渋滞情報提供装置の他の一態様では、前記差分データ生成手段は、前記短期間渋滞データと、当該短期間渋滞データの取得時刻に最も近い過去の時刻において取得された前記長期間渋滞データとの差分を前記差分データとして生成する。差分データは、長期間渋滞データとの差分であるので、最も近い過去の長期間渋滞データとの差分を差分データとするのが好ましい。例えば長期間渋滞データが1時間間隔で取得され、短期間渋滞データが10分間隔で取得される場合、16:10〜16:50の10分間隔の短期間渋滞データから、それぞれ16:00の長期間渋滞データとの差分データが生成され、保存される。
【0019】
上記の渋滞情報提供装置の他の一態様では、時刻の指定を含む短期間渋滞データの表示指示を受け取る手段を備え、前記出力手段は、前記表示指示により指定された時刻における短期間渋滞データを、前記長期間渋滞データ及び前記差分データから生成し、出力する。既に保存期間が経過した日時及び時刻に対応する短期間渋滞データが要求された場合には、長期間渋滞データと差分データから元の短期間渋滞データを生成し、出力する。よって、差分データが保存されている限り、それに基づいて短期間渋滞データを生成し、出力することが可能となる。
【0020】
本発明の他の観点では、コンピュータ上で実行される渋滞情報提供プログラムは、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段、前記長期間渋滞データと前記時間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段、前記差分データを記憶する差分データ記憶手段、生成された差分データに対応する前記短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段、前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0021】
上記の渋滞情報提供プログラムを、ネットワークを介して端末装置と接続されたサーバなどで実行することにより、上記の渋滞情報提供装置を実現することができる。
【0022】
本発明の他の観点では、渋滞情報表示装置は、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段と、を備え、前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における前記渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得することを特徴とする。
【0023】
上記の渋滞情報表示装置は、例えばネットワークを介してサーバに接続された端末装置により構成される。渋滞情報取得手段はサーバなどから渋滞情報を取得し、表示制御手段は端末装置に付属するCRT、LCDなどの表示装置上に渋滞データ表示画面を表示する。ここで、渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における前記渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有する。よって、ユーザはこれらの入力エリアを操作し、渋滞情報を取得した月日及び時刻を決定することができる。渋滞データ取得手段は、そうして決定された月日及び時刻に対応する渋滞データを取得する。これにより、ユーザは希望する月日及び時刻の渋滞情報を容易に取得し、表示装置上で見ることができる。
【0024】
上記の渋滞情報表示装置の好適な例では、前記月日入力エリアは、カレンダー表示と、前記カレンダー表示上を移動しユーザにより操作されるカーソルとを含む。カレンダー表示により、ユーザは月日を容易に指定することができる。
【0025】
本発明の他の観点では、コンピュータ上で実行される渋滞情報表示プログラムは、渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、及び、取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における前記渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得する。
【0026】
この渋滞情報表示プログラムを端末装置上で実行することにより、上記の渋滞情報表示装置を実現することができる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【0028】
[システム構成]
図1に、本発明の実施例に係る渋滞情報提供システムの概略構成を示す。図1に示すように、渋滞情報提供システムでは、ユーザが使用する端末装置1と、サーバ10とがネットワーク5を介して通信可能に接続されている。端末装置1は、例えばパーソナルコンピュータなどの端末装置である。ネットワーク5の典型的な例はインターネットであるが、それ以外のネットワークでも構わない。
【0029】
サーバ10は、渋滞情報データベース(以下、「データベース」を「DB」とも記す)12及びVICS情報受信装置11に接続されている。VICS情報受信装置11は、所定時間毎にVICS情報を受信し、サーバ10へ出力する。サーバ10は、VICS情報から渋滞データを抽出し、渋滞情報DB12へ蓄積する。
【0030】
また、サーバ10は、端末装置1を通じたユーザからの要求に応じて、ネットワーク5を介して渋滞データを端末装置1へ送信し、端末装置1の表示部上に表示させる。これにより、ユーザ1はサーバ10から所望の渋滞データを取得することができる。
【0031】
[渋滞データ記憶処理]
図2に、渋滞情報DB12の構成を模式的に示す。渋滞情報DB12は、大別して、長期間渋滞データ記憶部13と、短期間渋滞データ記憶部14と、差分データ記憶部15とを備える。本発明では、数ヶ月前又は数年前という長い期間にわたる渋滞データを長期間渋滞データと呼ぶ。また、これに対し、数分、数十分という短い期間にわたる渋滞データを短期間渋滞データと呼ぶ。
【0032】
本実施例では、長期間渋滞データとして、1時間間隔の渋滞データを長期間渋滞データ記憶部13に1年分保存する。また、短期間渋滞データとして、10分間隔の渋滞データを短期間渋滞データ記憶部14に2時間分保存する。即ち、短期間渋滞データの保存期間は2時間であり、2時間を経過した短期間渋滞データは削除される。その際、サーバ10は、長期間渋滞データと短期間渋滞データから差分データを生成し、差分データ記憶部15に保存する。このように、短期間渋滞データを長期間(例えば1年間)にわたってそのまま保存するのではなく、差分データとして保存することにより、保存すべき情報量を低減することができる。なお、上記の長期間渋滞データ及び短期間渋滞データの間隔及び保存期間は単なる一例であり、本発明の適用がそれらに限定されるものではない。
【0033】
差分データの生成方法について、図3を参照して具体的に説明する。前述のように、長期間渋滞データは1時間間隔の渋滞データであり、短期間渋滞データは10分間隔の渋滞データである。図3に示すように、ある日の16:00〜17:00の間には、サーバ10は、16:00及び17:00の長期間渋滞データを取得して長期間渋滞データ記憶部13に記憶するとともに、16:10、16:20、16:30、16:40、16:50の短期間渋滞データを取得して短期間渋滞データ記憶部14に記憶する。ここで、16:10の短期間渋滞データの保存期間が経過したとき、即ち、時刻が18::10になったとき、16:10の短期間渋滞データを削除する必要がある。その際、サーバ10は、16:00の長期間渋滞データと、16:10の短期間渋滞データの差分を計算して16:10の差分データを生成し、差分データ記憶部15に記憶した後、短期間渋滞データ記憶部14内に記憶されている16:10の短期間渋滞データを削除する。
【0034】
同様に、時刻が18::20になると、サーバ10は、16:00の長期間渋滞データと、16:20の短期間渋滞データの差分を計算して16:20の差分データを生成し、差分データ記憶部15に記憶した後、短期間渋滞データ記憶部14内に記憶されている16:20の短期間渋滞データを削除する。16:30以降の短期間渋滞データに関しても、保存期間が経過するたびに同様の処理が行われる。
【0035】
こうして、19:00の時点では、短期間渋滞データ記憶部14内の16:10〜16:50の短期間渋滞データは全て削除されており、代わりに差分データ記憶部15内には16:10〜16:50の差分データが保存されていることになる。差分データは、短期間渋滞データよりデータ量が大幅に小さいので、保存すべきデータ量を大幅に低減することができる。
【0036】
その後、ユーザの要求により10分間隔の短期間渋滞情報が必要となったときには、サーバ10は長期間渋滞データと差分データから短期間渋滞データを生成することができる。例えば、18:10以降に16:10の短期間渋滞データの要求があった場合、サーバ10は、長期間渋滞データ記憶部13に記憶されている16:00の長期間渋滞データと、差分データ記憶部15に記憶されている16:10の差分データとを加算して、16:10の渋滞データを生成し、ユーザに提供する。
【0037】
以上のように、サーバ10は、渋滞データ取得手段、差分データ生成手段、記憶情報制御手段及び出力手段として機能する。
【0038】
次に、渋滞データ記憶処理について図4のフローチャートを参照して説明する。図4に示す渋滞データ記憶処理は、サーバ10が所定のプログラムを実行することにより所定時間毎に繰り返し実行される。
【0039】
まず、サーバ10は、VICS情報受信装置11を利用して渋滞データを取得する(ステップS1)。
【0040】
次に、サーバ10は、渋滞データの記憶タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS2)。前述のように本実施例では、長期間渋滞データが1時間間隔の渋滞データ、短期間渋滞データが10分間隔の渋滞データであるので、渋滞データの記憶タイミングは10分間隔で到来する(図3を参照)。渋滞データ記憶タイミングになると、サーバ10は渋滞データを記憶する(ステップS3)。例えば、図3において、16:00には、取得した渋滞データを16:00の長期間渋滞データとして長期間渋滞データ記憶部13に記憶する。また、16:10には、取得した渋滞データを16:10の短期間渋滞データとして短期間渋滞データ記憶部14に記憶する。
【0041】
次に、サーバ10は、短期間渋滞データの保存期間が経過したか否かを判定する(ステップS4)。本実施例では、前述のように短期間渋滞データの保存期間を2時間としているので、例えば16:10の短期間渋滞データの保存期間は18:10に経過する。よって、サーバ10は、18:10を経過すると(ステップS4:Yes)、前述のように16:00の長期間渋滞データと16:10の短期間渋滞データから16:10の差分データを生成し、差分データ記憶部15へ記憶する(ステップS5)。こうして、渋滞データ記憶処理が終了する。
【0042】
なお、上記の例では、ある短期間渋滞データと、その短期間渋滞データの取得時刻に最も近い過去の時刻において取得された長期間渋滞データとの差分を差分データとして生成している。その代わりに、ある短期間データと、それと時間的に最も近い長期間渋滞データとの差分を差分データとして保存することとしてもよい。この方法を利用した場合、例えば16:40及び16:50の差分データは、16:40及び16:50の短期間渋滞データと、17:00の長期間渋滞データとの差分演算によりそれぞれ生成される。
【0043】
[渋滞データ配信処理]
次に、ユーザの要求に対して渋滞データを配信する渋滞データ配信処理について説明する。図5は、渋滞データ配信処理のフローチャートである。渋滞データ配信処理はサーバ10が実行する。
【0044】
まず、サーバ10は端末装置1から送信されるユーザの要求を受信する(ステップS1
1)。そして、サーバ10は、渋滞データ記憶部12から、要求に対応する長期間渋滞データ又は短期間渋滞データを読み出し(ステップS12)、要求元の端末装置1へ送信する(ステップS13)。なお、ユーザが現在時刻から2時間以上前の10分単位の渋滞データを要求した場合、対応する短期間渋滞データは既に短期間渋滞データ記憶部14からは削除されていることになる。よって、サーバ10は、前述のように長期間渋滞データと差分データに基づいて対応する時刻の渋滞データを生成し、ユーザの端末装置1へ送信する。こうして、ユーザが要求した渋滞データが端末装置1へ送信される。端末装置1では、受信した渋滞データを表示装置上に表示する。
【0045】
[渋滞データの表示方法]
次に、端末装置1における渋滞情報の表示方法について説明する。まず、短期間渋滞データの表示方法について説明する。なお、以下の渋滞情報の表示は、端末装置1内のコンピュータにより実行される。即ち、端末装置1は渋滞データ取得手段及び表示制御手段として機能する。
【0046】
図6及び図7に、短期間渋滞データの表示画面例を示す。図6及び図7において、表示画面30には短期間渋滞データが表示されている。図6(a)を参照すると、画面30は大別して時間指定エリア31と、渋滞表示エリア35とを有する。
【0047】
時間指定エリア31には、現在時刻から30分前の時刻までタイムライン表示32が含まれる。タイムライン表示32は、10分毎の時刻を示すポイント33aと、表示対象時刻マーク33bとが含まれる。図6(a)の例は、ある日の16:30の短期間渋滞データを表示している例である。
【0048】
渋滞表示エリア35には、道路36と、その道路の渋滞状況を示す矢印形状の渋滞マーク37a、37bとが表示される。渋滞マーク37a、37bは、その長さが渋滞区間の長さに対応している。つまり、図6(a)の例では、渋滞マーク37aに対応する渋滞区間が渋滞マーク37bに対応する渋滞区間より長い。
【0049】
本実施例では、図6(a)、(b)、図7(a)、7(b)に示す各時刻の短期間渋滞データが、連続的に繰り返し表示される。即ち、17:00の時点では、図6(a)→図6(b)→図7(a)→図7(b)→図6(a)の順に、各短期間渋滞データが表示される。これにより、ユーザは渋滞状況の変化、推移を視覚的に容易に把握することができる。なお、図6及び図7の例では、16:30〜17:00にかけて、徐々に渋滞マーク37aが示す渋滞が減少し、渋滞マーク37bが示す渋滞が増加している。
【0050】
次に、このような短期間渋滞データの表示処理について説明する。図8に短期間渋滞データ表示処理のフローチャートを示す。この表示処理は、端末装置1を構成するコンピュータが、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0051】
まず、端末装置1は地図データを取得する(ステップS31)。具体的には、端末装置1は、端末装置1内部の記憶装置(ハードディスクなど)又は端末装置1に接続された記録媒体(DVD−ROMなど)に記憶されている地図データを取得してもよいし、ネットワークを通じて地図情報を提供するサーバなどから地図データを取得してもよい。
【0052】
次に、端末装置1は、前述のようにサーバ10に対して要求した短期間渋滞データを受信し(ステップS32)、図6及び図7に例示するように短期間渋滞データを表示部上に表示する(ステップS33)。そして、端末装置1はユーザの入力を監視し(ステップS34)、ユーザの入力があった場合にはそれに応じて表示を変更する(ステップS35)。ここで、表示の変更とは、例えば図6及び図7に例示した表示態様以外に短期間渋滞データを表示する態様がある場合には、その表示態様に変更することを含む。例えば、上述の例のように30分前から現在時刻までの渋滞データを自動的に繰り返し表示するのではなく、ユーザが指示を入力する毎に、次の時刻の渋滞データに切り替えて表示する表示態様がある場合に、その表示態様に変更することを含む。
【0053】
そして、端末装置1はユーザにより短期間渋滞データの表示終了指示があったか否かを監視し(ステップS36)、終了指示があった場合に処理を終了する。
【0054】
次に、長期間渋滞データの表示方法について説明する。図9に長期間渋滞データの表示例を示す。図9において、長期間渋滞データの表示画面40は、大別して月日入力エリア41と、時刻入力エリア44と、渋滞表示エリア35とを備える。なお、渋滞表示エリア35は図6及び図7に示した短期間渋滞データの表示画面30の場合と同様であるので説明を省略する。
【0055】
月日入力エリア41は、月日を入力するためのカレンダー表示42を有する。カレンダー表示42内には、日を指定するためのカーソル43が表示される。カーソル43は、ユーザが端末装置1に付属するマウスやキーボードなどの入力装置を操作することにより、カレンダー表示42上を移動する。また、月日入力エリア41には、カレンダー表示42の対象となる月を選択するための矢印47が表示される。ユーザは矢印47を選択することにより、カレンダー表示42の対象となる月を変更することができる。
【0056】
時刻入力エリア44は、時刻を示すタイムライン45と、その上に表示されるカーソル46とを含む。カーソル46は、ユーザがマウスなどの入力装置を操作することにより、タイムライン45上を左右に移動する。
【0057】
ユーザは、マウスなどの入力装置を操作し、月日入力エリア41内の矢印47を選択して希望の月のカレンダーを表示させ、さらにカーソル43を移動させて希望の日を選択する。次に、ユーザは、時刻入力エリア44内のカーソル46を移動させて希望の時刻を選択する。これらの操作により、月日及び時刻が決定される。端末装置1は、そのようにして決定された月日及び時刻の長期間渋滞データをサーバ10へ要求し、サーバ10から受信した長期間渋滞データを渋滞表示エリア35に表示する。こうして、ユーザは過去の希望の月日及び時刻における渋滞状況を知ることができる。
【0058】
次に、長期間渋滞データの表示処理について説明する。図10は長期間渋滞データ表示処理のフローチャートである。この処理は、端末装置1を構成するコンピュータなどが、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0059】
まず、端末装置1は、地図データを取得する(ステップS41)。前述の短期間渋滞データ表示処理の場合と同様に、この地図データは端末装置1に接続された記憶装置や記憶媒体から取得してもよいし、ネットワーク5を介して地図データの提供サーバなどから取得してもよい。
【0060】
次に、端末装置1は、ユーザが指定した月日及び時刻に対応する長期間渋滞データをサーバ10へ要求し、対応する長期間渋滞データを受信する(ステップS42)。そして、端末装置1は、図9に例示したように、地図データ上に渋滞状況を表示する(ステップS43)。そして、ユーザの入力があると(ステップS44)、それに応じて表示を変更する(ステップS45)。例えば、ユーザが月日入力エリア41及び/又は時刻入力エリア44に対して、表示の対象となる月日又は時刻を変更する入力を行った場合、端末装置1は変更後の長期間渋滞データを表示する。なお、その際、必要であれば端末装置1は変更後の月日及び時刻に対応する長期間渋滞データをサーバ10から取得する。
【0061】
そして、ユーザが表示の終了指示を入力すると(ステップS46;Yes)、長期間渋滞データ表示処理が終了する。
【0062】
次に、時刻表示エリアの他の表示例について説明する。図11(a)〜(c)に時刻表示エリア44の他の例を示す。図11(a)の例は、1時間単位での時刻変更が可能な数字表示部を用いる例である。ユーザがマウスなどを操作してボタン51、52を押すことにより時刻が増減し、ボタン51、52を押し続けることにより時刻が連続的に増減する。
【0063】
図11(b)の例は、1時間単位での時刻変更が可能な時計型表示部を用いる例である。なお、時計型表示は24時間計である。ユーザがマウスなどを操作し、針53を移動することにより時刻が変更される。また、針53を移動し続けることにより時刻が連続的に変更される。
【0064】
図11(c)の例は、1時間単位での時刻変更が可能な時計型表示部を用いる他の例であり、時計型表示は24時間計である。ユーザがマウスなどを操作し、外枠Rを回転移動することにより針54が移動し、時刻が変更される。また、外枠Rを移動し続けることにより時刻が連続的に変更される。
【0065】
以上のように、長期間渋滞データの表示画面における時刻入力部では、いずれの場合もユーザは時刻変更のために文字入力を行う必要がなく、マウスなどを利用したスライド操作、押し操作、移動操作などの手感触操作により時刻変更を行うことができる。よって、ユーザは時刻入力中に常に渋滞表示部を見ていることができ、渋滞状況の変化を確実に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施例に係る渋滞情報提供システムの概略ブロック図である。
【図2】渋滞情報DBの内部構成を示すブロック図である。
【図3】差分データの生成方法を説明する図である。
【図4】渋滞データ記憶処理のフローチャートである。
【図5】渋滞データ配信処理のフローチャートである。
【図6】短期間渋滞データの表示画面例である。
【図7】短期間渋滞データの表示画面例である。
【図8】短期間渋滞データ表示処理のフローチャートである。
【図9】長期間渋滞データの表示画面例である。
【図10】長期間渋滞データ表示処理のフローチャートである。
【図11】長期間渋滞データの表示画面中の時刻入力部の他の例である。
【符号の説明】
【0067】
1 端末装置
5 ネットワーク
10 サーバ
11 VICS情報受信装置
12 渋滞情報DB
【特許請求の範囲】
【請求項1】
渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、
所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、
前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段と、
前記長期間渋滞データと前記短期間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段と、
前記差分データを記憶する差分データ記憶手段と、
生成された差分データに対応する短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段と、
前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする渋滞情報提供装置。
【請求項2】
前記記憶情報制御手段は、取得時刻から所定の保存時間を経過した短期間渋滞データを削除することを特徴とする請求項1に記載の渋滞情報提供装置。
【請求項3】
前記差分データ生成手段は、前記短期間渋滞データと、当該短期間渋滞データの取得時刻に最も近い過去の時刻において取得された前記長期間渋滞データとの差分を前記差分データとして生成することを特徴とする請求項2に記載の渋滞情報提供装置。
【請求項4】
時刻の指定を含む短期間渋滞データの表示指示を受け取る手段を備え、
前記出力手段は、前記表示指示により指定された時刻における短期間渋滞データを、前記長期間渋滞データ及び前記差分データから生成し、出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の渋滞情報提供装置。
【請求項5】
コンピュータ上で実行される渋滞情報提供プログラムであって、
渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、
所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、
前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段、
前記長期間渋滞データと前記短期間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段、
前記差分データを記憶する差分データ記憶手段、
生成された差分データに対応する前記短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段、
前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする渋滞情報提供プログラム。
【請求項6】
渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、
取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段と、を備え、
前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、
前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得することを特徴とする渋滞情報表示装置。
【請求項7】
前記月日入力エリアは、カレンダー表示と、前記カレンダー表示上を移動しユーザにより操作されるカーソルとを含むことを特徴とする請求項6に記載の渋滞情報表示装置。
【請求項8】
コンピュータ上で実行される渋滞情報表示プログラムであって、
渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、及び、
取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、
前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、
前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得することを特徴とする渋滞情報表示プログラム。
【請求項1】
渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、
所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、
前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段と、
前記長期間渋滞データと前記短期間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段と、
前記差分データを記憶する差分データ記憶手段と、
生成された差分データに対応する短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段と、
前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする渋滞情報提供装置。
【請求項2】
前記記憶情報制御手段は、取得時刻から所定の保存時間を経過した短期間渋滞データを削除することを特徴とする請求項1に記載の渋滞情報提供装置。
【請求項3】
前記差分データ生成手段は、前記短期間渋滞データと、当該短期間渋滞データの取得時刻に最も近い過去の時刻において取得された前記長期間渋滞データとの差分を前記差分データとして生成することを特徴とする請求項2に記載の渋滞情報提供装置。
【請求項4】
時刻の指定を含む短期間渋滞データの表示指示を受け取る手段を備え、
前記出力手段は、前記表示指示により指定された時刻における短期間渋滞データを、前記長期間渋滞データ及び前記差分データから生成し、出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の渋滞情報提供装置。
【請求項5】
コンピュータ上で実行される渋滞情報提供プログラムであって、
渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、
所定の長時間間隔で取得した長期間渋滞データを記憶する長期間渋滞データ記憶手段と、
前記所定の長時間間隔よりも短い短時間間隔で取得した短期間渋滞データを記憶する短期間渋滞データ記憶手段、
前記長期間渋滞データと前記短期間渋滞データの差分を生成する差分データ生成手段、
前記差分データを記憶する差分データ記憶手段、
生成された差分データに対応する前記短期間渋滞データを削除する記憶情報制御手段、
前記長期間渋滞データ及び前記短期間渋滞データを出力する出力手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする渋滞情報提供プログラム。
【請求項6】
渋滞データを取得する渋滞データ取得手段と、
取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段と、を備え、
前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、
前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得することを特徴とする渋滞情報表示装置。
【請求項7】
前記月日入力エリアは、カレンダー表示と、前記カレンダー表示上を移動しユーザにより操作されるカーソルとを含むことを特徴とする請求項6に記載の渋滞情報表示装置。
【請求項8】
コンピュータ上で実行される渋滞情報表示プログラムであって、
渋滞データを取得する渋滞データ取得手段、及び、
取得された前記渋滞データに基づいて、渋滞データ表示画面を表示装置に表示する表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、
前記渋滞データ表示画面は、ユーザにより月日が入力される月日入力エリアと、ユーザにより時刻が入力される時刻入力エリアと、ユーザにより入力された月日及び時刻における渋滞データを表示する渋滞表示エリアを有し、
前記渋滞データ取得手段は、前記月日入力エリアに入力された月日及び前記時刻入力エリアに入力された時刻に対応する渋滞データを取得することを特徴とする渋滞情報表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−122397(P2007−122397A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313503(P2005−313503)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】
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