説明

減圧弁

【課題】 オリフィスに付着する異物を自動的に排除できる減圧弁を提供する。
【解決手段】 上面と下面を連通するオリフィス27を開けたピストン7の上面に設定圧力と二次側圧力との偏差に基づいて一次側流体を導入することによりピストン7を変位せしめてピストン7に連結した主弁6を開閉操作する。ピストン7上方のピストン室9の頂壁に異物排除部材28をねじ結合する。異物排除部材28はピストン室9を垂下して設けられ、ピストン7の上方への変位によりオリフィス27内に進入してオリフィス27に付着した異物を下方の出口3側に排除する。これにより、オリフィス27に付着する異物を自動的に排除できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気や圧縮空気や液体等の流体配管系に取り付けて、弁の出口側すなわち弁の二次側の流体圧力を一定の設定圧力に保つ減圧弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の減圧弁は、例えば特許文献1に開示されている。これは、上面と下面を連通するオリフィスを開けたピストンの上面に設定圧力と二次側圧力との偏差に基づいて一次側流体を導入することによりピストンを変位せしめてピストンに連結した主弁を開閉操作するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−8623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の減圧弁においては、オリフィスの開口面積が比較的小さいために、オリフィスを流下する流体中のゴミ、錆、スケール等の遺脱がオリフィスに付着し易く次第に堆積して比較的短期間にオリフィスが詰まってしまう問題点があった。
【0005】
したがって本発明が解決しようとする課題は、オリフィスに付着する異物を自動的に排除できる減圧弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の減圧弁は、上面と下面を連通するオリフィスを開けたピストンの上面に設定圧力と二次側圧力との偏差に基づいて一次側流体を導入することによりピストンを変位せしめてピストンに連結した主弁を開閉操作するものにおいて、ピストン上方のピストン室から異物排除部材を垂下させて設け、ピストンの上方への変位により異物排除部材がオリフィス内に進入してオリフィスに付着した異物を排除することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ピストン上方のピストン室から異物排除部材を垂下させて設け、ピストンの上方への変位により異物排除部材がオリフィス内に進入してオリフィスに付着した異物を排除することにより、オリフィスに付着する異物を自動的に排除できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係わる減圧弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。弁ケーシング1に入口2と出口3を形成し、弁ケーシング1にねじ結合した弁座部材4に弁口5を形成する。弁口5を開閉する主弁6をコイルバネ17で閉弁方向に付勢して配置する。主弁6の上端をピストン7の接続棒8と当接させる。ピストン7の上方のピストン室9を連通路13を介してパイロット弁室14と接続する。パイロット弁室14は入口圧連通路32を介して入口2と接続する。ピストン7の外周に環状の溝を設けてシリンダ29との間の気密を保つシール部材としてのピストンリング26を配置する。ピストン7にその上面と下面を連通するオリフィス27を開ける。ピストン7上方のピストン室9の頂壁に異物排除部材28をねじ結合する。異物排除部材28はピストン室9を垂下して設けられ、ピストン7の上方への変位によりオリフィス27内に進入してオリフィス27に付着した異物を下方の出口3側に排除する。
【0010】
入口圧連通路32と連通路13の間のパイロット弁室14に入口圧連通路32と連通路13とを連通遮断するパイロット弁12を配置する。パイロット弁12の上端は受圧応動部としてのダイヤフラム21の下面中央部に当接する。ダイヤフラム21の上下動に応じてパイロット弁12を開閉して入口圧連通路32と連通路13とを連通遮断する。ダイヤフラム21の一面にはダイヤフラム押え22を介して圧力設定バネ23の弾性力が作用している。圧力設定バネ23の上端には鋼球25を介して圧力調節ねじ24を取り付ける。ダイヤフラム21の他面の下面室30には弁口5の二次側から連通する二次圧検出通路31からの二次側圧力が作用している。
【0011】
上記の減圧弁の動作は次の通りである。出口3側の圧力が圧力設定バネ23で設定した設定圧力よりも低下すると、圧力設定バネ23のバネ力によりダイヤフラム21を介してパイロット弁12が開弁され、入口2側の高圧流体が連通路32,13を通ってピストン7の上面に作用してピストン7が下方へ変位する。ピストン7の変位により主弁6が弁座部材4から離座し弁口5を開口して出口3側に入口2側の高圧流体を補給することにより、出口3側の圧力が設定圧力まで上昇する。設定圧力に達するとダイヤフラム21を上方へ押し上げる荷重と、圧力設定バネ23による押し下げ荷重がバランスしてパイロット弁12が閉弁し、ピストン室9の高圧流体がオリフィス27から出口3側に抜けてピストン7が上方へ変位する。このとき、異物排除部材28がオリフィス27内に進入してオリフィス27に付着した異物を下方の出口3側に排除する。ピストン7の変位により主弁6が弁座部材4に着座して弁口5を閉止する。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明は、流体配管系に取り付けて、弁の出口側すなわち弁の二次側の流体圧力を一定の設定圧力に保つ減圧弁に利用することができる。
【符号の説明】
【0013】
1 弁ケーシング
2 入口
3 出口
4 弁座部材
5 弁口
6 主弁
7 ピストン
12 パイロット弁
17 コイルバネ
21 ダイヤフラム
23 圧力設定バネ
24 圧力調節ねじ
27 オリフィス
28 異物排除部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と下面を連通するオリフィスを開けたピストンの上面に設定圧力と二次側圧力との偏差に基づいて一次側流体を導入することによりピストンを変位せしめてピストンに連結した主弁を開閉操作するものにおいて、ピストン上方のピストン室から異物排除部材を垂下させて設け、ピストンの上方への変位により異物排除部材がオリフィス内に進入してオリフィスに付着した異物を排除することを特徴とする減圧弁。

【図1】
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【公開番号】特開2013−2552(P2013−2552A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134233(P2011−134233)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000133733)株式会社テイエルブイ (913)
【Fターム(参考)】