説明

温度センサーモジュール

【課題】校正されやすく、低製造コスト、省エネルギーという長所を持つ温度センサーモジュールを提供する。
【解決手段】環境の温度をセンサーするための第一温度センサー、及び鼓膜の温度をセンサーするための第二温度センサーが設けられており、前記第一温度センサーは熱ダイオードで、第二温度センサーは、サーモパイル型の熱センサー又は相補型金属酸化物半導体の製造工程技術により作られた赤外線温度センサーであり、両者は共に半導体材料で作られているため、物理的特性が一致しており、違った温度の環境に同時に出入りしても、両者の温度の昇降速度が同じである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線耳式体温計に適用する温度センター部品に関わり、特に二温度センター部品を整合した温度センサーモジュールを提供することである。
【背景技術】
【0002】
赤外線センサーは主に二種類に分かれるが、一つは熱型センサーで、もう一つは光型センサーであり、その中、熱型センサーは赤外線耳式体温計の広く採用されるタイプであり、現在の熱型センサーは主に、サーモパイル(thermopile)、焦電型(pyroelectric)及びボロメータ(bolometer)の三種類がある。 温度を有する各物体は赤外線の熱放射を放出するので、赤外線耳式体温計で鼓膜の温度を測るとき、環境の温度は、耳式体温計の測定結果の正確さに影響を及ぼしやすいため、測定結果の正確さを保つように、赤外線耳式体温計の製造メーカーが設計製造する赤外線耳式体温計は、環境温度に応じて自動的に補償する必要があるが、一般的に言えば、赤外線耳式体温計は二温度センターの部品が設けられており、その中の一つは、鼓膜の温度をセンサーするのに用いられ、もう一つは環境の温度をセンサーするのに用いられるものであり、その両者がセンサーして得た温度値は、補償計算をしてから、正確な鼓膜の温度が得られるが、例えば、許可取得の米国特許第5,024.533号“Radiation clinical thermometer”には類似した技術が掲示されている。
【0003】
現在、鼓膜の温度を測るためのセンサーは、サーモパイル型温度センサーが主であるが、環境の温度を測るためのセンサーはサーミスター(thermistor)が多く使われており、この二温度センサーの物理的特性及び構成は同じではなく、特に耳式体温計のプローブは、室温の環境で耳の穴に入られたとき、二温度センサーの温度の昇降速度が違うため、温度センターの誤差が生じやすくなっており、この二温度センサーは正確な校正や補償をしたとしても、誤差の発生は完全に避けられないものである。 一方、環境温度を測るための従来のサーミスターは、製造コストが比較的に高く、エネルギーがかかるものであり、そして、サーミスターは電圧の測定により、温度が測られるものであり、干渉抵抗の能力も比較的に悪いのである。
【0004】
サーモパイルの出力電圧は、測定待ち対象及びサーモパイル自身の温度差と関わっており、測定待ち対象の温度を正確に測るために、サーモパイル自身の温度値を同時に知らなければならないが、通常、サーモパイルの中にサーミスター(thermistor)を入れ、サーミスターの温度及び抵抗値との関わりにより、サーモパイル自身の温度値を得るようになっている。公開した台湾発明特許第00528862號の“赤外線耳式体温計及びその温度補償方法”に当該技術が提出されており、この発明技術に使用された三温度センサーは、鼓膜の温度を測るための赤外線センサー、前記赤外線センサーの基板温度を測るための参考温度センサー、前記二センサーの近くに設けられ、環境温度の変化を測るための環境温度センサーがあるが、しかし、この特許技術の参考温度センサーは、独立したセンターであり、それに、赤外線センサーと共に金属缶(metal can)にパッキングされており、両者の物理的特性が異なり、違った温度の環境に同時に出入りする問題を解決できず、両者の温度の昇降速度の違いにより生じる問題点が残される。
【特許文献1】米国特許第5,024.533号
【特許文献2】台湾発明特許第00528862號
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の問題点を解決するための赤外線耳式体温計に適用する温度センサーモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明に掲示された好適な実施形態である温度センサーモジュールは、環境の温度をセンサーするための第一温度センサー、鼓膜の温度をセンサーするための第二温度センサーが設けられている。 前記第一温度センサーは熱ダイオード(Thermal Diode)で、第二温度センサーは、サーモパイル型(thermopile)の熱センサー又は相補型金属酸化物半導体の製造工程技術により作られた赤外線温度センサー(CMOS−IR Detector)であり、両者は共に半導体材料で作られたため、物理的特性が一致しており、違った温度の環境に同時に出入りしても、両者の温度の昇降速度が同じであり、校正されやすく、温度測量から発生する誤差が避けられる。 一方、熱ダイオードの製造コストは、従来のサーミスターのより安くて、省エネルギーであり、それに、熱ダイオードは電流の測定により温度が測られるものであり、干渉抵抗の能力も比較的によいのである。
【0007】
本発明のもう一つの好適な実施例では、第二温度センサーを検知する参考温度を提供するために、更に参考温度センサーが設けられており、この参考温度センサーも熱ダイオード(Thermal Diode)が採用されたもので、半導体製造工程技術により、参考温度センサー以及第二温度センサーの二つがシングルチップに整合されるのである。
【0008】
本発明の詳しい特徴及び好適な実施例は、図面を合わせながら以下のように詳しく説明するが、その内容に関して、関連分野が分かる人は、本発明の技術内容を理解し、それに基づいて実施し、それに本説明書に掲示された内容及び図面により行えば、本発明関連の目的や長所を簡単に理解することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明における以下に挙げられる実施例は、本発明の目的及び好適な実施例を説明するために用いられるものだけであり、本発明の範囲を制限するために用いられるものではない。
【0010】
まず、図1は、本発明が提出する温度センサーモジュールの好適な実施例であるが、その構造は、
環境の温度をセンサーするための第一温度センサー10が設けられており、前記第一温度センサー10は、半導体製造工程技術により作られた熱ダイオード(Thermal Diode)である。 そして、測定待ち対象(例えば、鼓膜)の温度をセンサーするための第二温度センサー20は設けられており、前記第二温度センサー20は、サーモパイル型(thermopile)の熱センサー、又は相補型金属酸化物半導体の製造工程技術により作られた赤外線温度センサー(CMOS−IR Detector)である。
【0011】
前記第一温度センサー10及び第二温度センサー20は、共に半導体材料で作られたもので、物理的特性が一致しており、違った温度の環境に同時に出入りしても、両者の温度の昇降速度が同じであり、校正されやすく、温度測量から発生する誤差が避けられる。
【0012】
図2に示すように、本発明のもう一つの好適な実施例では、更に参考温度センサー30は設けられ、第二温度センサー20の温度をセンターして参考温度を提供するためのものであり、特に第二温度センサー20はサーモパイル型温度センサーが採用されたとき、第二温度センサー20の出力電圧は、測定待ち対象及びサーモパイル自身の温度差と関わっており、測定待ち対象の温度を正確に測るために、サーモパイル自身の温度値を同時に知らなければならない。 前記参考温度センサー30も熱ダイオード(Thermal Diode)が採用されたもので、半導体製造工程技術により作られた参考温度センサー30であり、そして、好適な実施例は、更に半導体製造工程技術により、第二温度センサー20及び参考温度センサー30の二つを同じ基板40に整合し、シングルチップ型の温度センサーモジュール60に設けることができる。
【0013】
それから、図3は本発明の温度センサーモジュールを耳式体温計に応用した好適な実施例のシステム仕組みであるが、導波管50は設けられ、鼓膜へ赤外線放射を導入するためのものである。
【0014】
温度センサーモジュール60は設けられており、一緒に整合された第二温度センサー20及び参考温度センサー30が含まれるが、導波管50が導入した赤外線輻射をセンサーし、温度に対応した電信号を発生させるものである。
【0015】
信号処理器70は設けられており、温度センサーモジュール60の第二温度センサー20及び参考温度センサー30のセンサーで得た温度、及び第一温度センサー10が測定して得た環境信号により、補償計算システムを通して、測定待ち対象又は鼓膜の正確な温度が算出される。
ディスプレイ80(例えば、液晶ディスプレイ又はLEDディスプレイ)は設けられ、前記信号処理器70と通信を行い、鼓膜の正確な温度を使用者に表示するためのものである。
【0016】
上述の技術内容から分かるように、本発明に掲示された温度センサーモジュールは、熱ダイオードが採用された第一温度センサー10及び 第二温度センサー20は、何れも半導体材料で作られたもので、両者の物理的特性が一致しており、違った温度の環境に同時に出入りしても、両者の温度の昇降速度が同じであり、校正されやすく、温度測量から発生する誤差が避けられる。一方、熱ダイオードの製造コストは、従来のサーミスターのより安くて、省エネルギーであり、それに、熱ダイオードは電流の測定により温度が測られるものであり、干渉抵抗の能力も比較的によいのである。
【0017】
本発明の好適な実施例は上述のように掲示されているが、それを持って本発明を限定するためではなく、この技術分野がよく分かる者は、本発明のコンセプトと範囲内で、それを変更、改造などしても、すべて本発明の請求範囲に含まれるものとし、従って、本発明の請求範囲は、本説明書に添付した請求内容に準拠することである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の温度センサーモジュールの第一実施例構造である。
【図2】本発明の温度センサーモジュールの第二実施例構造である。
【図3】本発明の温度センサーモジュールを応用した耳式体温計の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0019】
10 第一温度センター
20 第二温度センター
30 参考温度センサー
40 基板
50 導波管
60 温度センサーモジュール
70 信号処理器
80 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境の温度をセンサーするための第一温度センサー、及び鼓膜の温度をセンサーするための第二温度センサーが設けられており、前記第一温度センサーは熱ダイオード(Thermal Diode)で、前記第二温度センサーはサーモパイル型(thermopile)の熱センサーであることを特徴とする温度センサーモジュール。
【請求項2】
前記第二温度センサーは、相補型金属酸化物半導体の製造工程技術により作られた赤外線温度センサー(CMOS−IR Detector)であることを特徴とする請求項1に記載の温度センサーモジュール。
【請求項3】
参考温度センサーは設けられており、前記第二温度センサーの温度をセンサーするのに用いられるもので、前記参考温度センサーは熱ダイオード(Thermal Diode)であることを特徴とする請求項1に記載の温度センサーモジュール。
【請求項4】
前記参考温度センサー及び前記第二温度センサーは、半導体製造工程技術により同じ基板に整合され、シングルチップ型温度センサーモジュールに設けられることを特徴とする請求項3に記載の温度センサーモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−189784(P2009−189784A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106476(P2008−106476)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(508116942)富晶電子股▲ふん▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】