説明

温度検出のための回路及び方法

【課題】温度検出のための回路及び方法を提供する。
【解決手段】温度検出回路は、センサー、集積回路(IC)チップ、および抵抗器を具備している。前記センサーは、温度を検出可能である。前記ICチップは、温度状態を判定するために前記温度を示している検出電圧と温度しきい値を示しているしきい値電圧とを比較可能である。前記ICチップは、ほぼ一定であるパラメータを有している。前記抵抗器は、外部で前記ICチップと接続されている。前記ICチップは、前記センサーを通って流れている第1電流と、前記抵抗器を通って流れている第2電流との比を含む電流比を前記ほぼ一定であるパラメータと等しくなるように維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度の過熱を検出する回路及び方法に関する。
【0002】
本出願は、2009年4月14日に出願された“Circuits and Methods for Temperature Protection”と題される米国仮特許出願第61/169,015号の優先権を主張する。この米国仮特許出願は、全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
バッテリーなどのエネルギー貯蔵素子は、過熱状態下において劣化する。図1は、従来型の過熱検出回路100の回路図を示している。従来型の過熱検出回路100は、集積回路(IC)チップ110と、専用のアナログNTCピンを介して前記チップ110と外部に接続されている負温度係数(NTC)サーミスタ130と、を具備している。前記チップ110は、コンパレータ120と、多数の内部の抵抗器、例えば、抵抗器112、抵抗器114、抵抗器116、および抵抗器118と、を具備しうる。例えば、前記内部の抵抗器は、前記ICチップ110上に組み込まれている。前記サーミスタ130は、例えばバッテリーパックの温度を感知可能であり、前記温度が変化すると、前記サーミスタ130の抵抗が変化する。前記抵抗器118、抵抗器112、および前記サーミスタ130により構成されている分圧器は、ノード122における温度検出電圧を提供する。前記抵抗器118、前記抵抗器114、および前記抵抗器116により構成されている他の分圧器は、ノード124における温度しきい値を示している基準しきい値電圧を提供する。前記コンパレータ120は、前記温度検出電圧を前記基準しきい値電圧と比較し、前記温度検出電圧が前記基準しきい値電圧を下回る場合には、過熱検出信号OTAを生成する。したがって、前記温度が、前記温度しきい値に達する場合には、前記サーミスタ130の前記抵抗は、内部の抵抗器、例えば、前記抵抗器112,114,116の前記抵抗によって決まる。
【0004】
前記内部の抵抗器は、シリコンチップ上のドープ領域により作られうる。したがって、前記内部の抵抗器の抵抗は、異なるチップまたは、同一チップの異なるドープ領域により変化し、前記温度検出回路100の精度精度に影響を与えうる。加えて、前記抵抗器118の抵抗は、電流消費を減少させるために比較的高く設定される。これは、前記チップサイズを増加させるとともに、前記過熱検出回路100の費用を増加させる。
【0005】
図2は、他の従来型過熱検出回路200の回路図を例示している。図1と同じ符号が付されている要素は、同様の機能を有している。前記過熱検出回路200は、前記内部の抵抗器の抵抗変化による誤差を調整するための、前記サーミスタ130および前記ICチップ110に接続されている外部の可変抵抗器210を具備している。しかし、チップサイズが問題として残っている。
【0006】
図3は、他の従来型過熱検出回路300の回路図を例示している。図1および図2と同じ符号が付されている要素は、同様の機能を有している。前記過熱検出回路300は、前記サーミスタ130と直列である外部の抵抗器312を具備している。したがって、ノード302における温度検出電圧は、外部の抵抗器312および前記サーミスタ130を具備する分圧器によりにより提供され、ノード304における基準しきい値電圧は、抵抗器116および114を具備する分圧器により提供される。しかし、漏れ電流は、前記ICチップ310の電源が切れていても、前記抵抗器312および前記サーミスタ130を通って流れうるため、電力消費を増加させてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来型の過熱検出回路100,200、および300に組み込まれている抵抗器の抵抗、例えば、前記内部の抵抗器118および前記外部の抵抗器312の抵抗は、前記電力消費を減少させるために増加されうる。その結果、前記サーミスタ130を通って流れる前記電流は減少する。したがって、前記温度が変化した場合には、ノード302または122における前記温度検出電圧の対応する電圧変化が減少する。例として、前記温度が前記温度しきい値に達するとする。前記温度検出電圧は、その後前記しきい値電圧と等しくなる。前記温度が上昇した場合には、前記温度検出電圧は、前記しきい値電圧よりも減少しうる。状況によっては、前記温度検出電圧の前記電圧変化は、前記コンパレータ120のオフセット電圧よりも低くなり、または前記温度検出電圧の比較的小さな電圧変化では、前記コンパレータ120の結合雑音により影響を受ける。したがって、前記検出信号OTA、例えば高電気レベルは、前記過熱状態を示すために生成されない。したがって、前記過熱検出回路100,200および300の精度精度が低下しうる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一構成において、温度検出回路は、センサーと、集積回路(IC)チップと、抵抗器と、を具備している。前記センサーは、温度の検出が可能である。前記ICチップは、温度状態を判定するために、前記温度を示している前記検出電圧を、温度しきい値を示しているしきい値電圧と比較可能である。前記ICチップは、ほぼ一定であるパラメータを有している。前記抵抗器は、外部前記ICチップと接続されている。前記ICチップは、前記センサーを通って流れている第1電流と、前記抵抗器を通って流れている第2電流との比で構成されている電流比を、前記ほぼ一定であるパラメータと等しくなるように維持する。
【0009】
本発明における実施形態の特徴及び利点は、以下の詳細な説明および重要な部分に符号が付されている図面を参照することにより明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来の過熱保護回路の回路図である。
【図2】従来の過熱保護回路の回路図である。
【図3】従来の過熱保護回路の回路図である。
【図4】本発明の一実施形態における電子装置のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態における温度検出回路の図の例である。
【図6】本発明の一実施形態におけるバイアス回路の例である。
【図7】本発明の一実施形態におけるバイアス回路の他の例である。
【図8】本発明の一実施形態における温度検出回路の図の他の例である。
【図9】本発明の一実施形態における温度検出回路の図の他の例である。
【図10】本発明の一実施形態における温度検出回路の図の他の例である。
【図11】本発明の一実施形態における温度検出回路により実行される工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態を参照して詳細に説明する。本発明は、これらの実施形態とともに説明されているが、これらの実施形態に限定する趣旨ではないことは理解されよう。それどころか、本発明は、添付された特許請求の範囲に定められている本発明の精神および範囲に含まれている代替物、修正物、および均等をカバーすることを目的としている。
【0012】
さらに、以下の発明を実施するための形態において、多数の特定の細部が、本発明の深い理解を提供するために説明されている。しかし、本発明は、これらの特定の細部がなくても実行しうることは通常の当業者にとって理解されよう。他の実施例において、既知の方法、手順、構成要素、および回路は、本発明の特徴を不必要に不明確にするため、詳細には記載していない。
【0013】
本開示に従った実施形態は、温度検出回路を提供する。前記温度検出回路は、外部の抵抗器、例えばサーミスタといったセンサー、および集積回路(IC)チップを具備している。前記センサーは、例えば電源などの温度を検出する。前記センサーに接続されている前記ICチップは、温度状態を判定するために、前記温度を示している検出電圧と、温度しきい値を示しているしきい値電圧とを比較する。前記外部の抵抗器は、外部で前記ICチップと接続されている。前記ICチップは、ほぼ一定であるパラメータKを有し、前記センサーを通って流れている電流と、前記外部の抵抗器を通って流れている電流との電流比を含む電流比を前記ほぼ一定であるパラメータKと等しくなるように維持可能である。
【0014】
有利には、例えば前記電源の前記温度状態は、前記サーミスタと前記外部の抵抗器との抵抗関係により判定される。例えば、前記温度が、前記温度しきい値に達した場合には、前記サーミスタの抵抗は、前記外部の抵抗器の前記抵抗(R_external)と前記ほぼ一定であるパラメータKに依存する(例えば、前記温度しきい値において、前記サーミスタの抵抗は、R_external/Kと等しいなど)。動作中、前記温度状態を判定するために、前記サーミスタの抵抗は、R_external/Kと比較される。前記外部の抵抗器は、前記ICチップ上に組み込まれている前記内部の抵抗器よりも、抵抗変動が少ない。したがって、前記外部の抵抗器の前記抵抗と前記ほぼ一定であるパラメータKの双方は、比較的正確であるため、前記比較結果の精度を改善しうる。したがって、前記温度検出回路の全体としての正確性は、さらに改善される。
【0015】
図4は、本発明の一実施形態にしたがう電子装置400のブロック図を示している。一実施形態において、前記電子装置400は、電源404、負荷406、および温度検出回路402を具備している。前記電源404と接続されている前記負荷406は、前記電源404から電力を受け取ることができる。前記電源404と接続されている前記温度検出回路402は、前記電源404の温度を検出可能であり、前記電源404が通常の温度状態であるか異常な温度状態、例えば、過熱(over-temperature)状態または温度不足(under-temperature)状態などであるかを示すVOピンにおける温度検出信号TAを生成可能である。前記温度検出信号TAが前記電源404の前記温度が前記異常な温度状態になったと示したならば、前記電源404は、過熱保護(OTP)または温度不足保護(UTP)を遂行する。例えば、前記電源404は、バッテリーパックである。前記温度検出回路402からの前記温度検出信号TAが、前記バッテリーパックの温度が異常だと示す場合には、前記温度検出信号TAは、前記バッテリーの充電または放電を中止するために使用され、前記バッテリーパックは、前記異常温度状態から保護される。前記温度検出回路402は、他の電子装置におけるデバイスの温度の検出に使用することもでき、図4の実施例に限定されない。
【0016】
図4の実施例において、前記温度検出回路402は、集積回路(IC)チップ410と、センサー430および外部の抵抗器440を含む前記ICチップ410の周辺要素と、を具備している。前記センサー430は、前記チップ410とNTCピン(例えば、専用のアナログピンなど)を介して外部に接続されており、温度の検出に使用される。一実施形態において、前記センサー430は、本体の温度上昇にさらされると、電気抵抗の減少を示す、接地されている負温度係数(NTC)サーミスタ432を具備している。一実施形態において、前記ICチップ410は、電流411を前記NTCサーミスタ432に提供する。前記NTCサーミスタ432を通って前記電流411が流れることで、前記NTCサーミスタ432にかかる電圧434が生成される。これとは別に、前記ICチップ410が前記NTCピンにおける基準電圧、例えばバンドギャップ電圧を提供しても良い。前記基準電圧が前記サーミスタ432に印加されるため、前記NTCサーミスタ432を通る前記電流411が生成される。前記センサー430は、正温度係数(PTC)サーミスタ、熱伝対、抵抗温度検出器(RTD)、またはIC温度センサーなどの他の構成要素を含んでも良く、図4の実施例に限定されない。
【0017】
前記外部の抵抗器440は、RSTピン(例えば、専用のアナログピンまたはコンポジットアナログピンなど)を経由して前記ICチップ410と外部に接続され、接地されている。一実施形態において、前記ICチップ410は、前記外部の抵抗器440を通って流れる電流413を提供し、前記RSTピンにおける電圧444が生成される。これとは別に、前記外部の抵抗器440を通る前記電流413を生成するように、前記ICチップ410が前記RSTピンにおける基準電圧、例えばバンドギャップ電圧を提供してもよい。
【0018】
一実施形態において、前記ICチップ410は、ほぼ一定であるパラメータKを有する。前記ICチップ410は、前記電流411と前記電流413の電流比を、前記ほぼ一定であるパラメータKと等しくなるように維持しうる。ここで使用されるように、前記用語“ほぼ一定である(substantially constant)”とは、前記Kの値は変化しうるが、範囲内にとどまり、前記電圧434と前記電圧444の精度は前記電流413および前記電流411の変化により影響を受けない、ということを意味している。このことは、図5、図6および図7に関してさらに説明される。より具体的に言うと、前記サーミスタ432を通って流れている前記電流411は、前記パラメータKと前記外部の抵抗器440を通って流れている前記電流413とにより決定される。一実施形態において、前記電流411は、前記電流413に比例し、前記電流411と前記電流413の電流比は、前記ほぼ一定であるパラメータKと等しい。また、前記ICチップ410は、前記検出された温度を示している(例えば温度に比例する)検出電圧V_sensingと、例えば過熱しきい値または温度不足しきい値といった温度しきい値を示しているしきい値電圧VTHと、を比較し、前記比較結果に従って前記温度検出信号TAを出力する。一実施形態において、前記サーミスタ432により提供された前記電圧434は、前記検出電圧V_sensingとして使用される。この状況において、前記しきい値電圧VTHは、前記外部の抵抗器440にかかる前記電圧444または基準電圧源により生成される基準電圧V_refでありうる。これとは別に、前記しきい値電圧VTHは、前記基準電圧V_refであってもよく、これは前記サーミスタ432にかかる前記電圧434でもある。この状況において、前記電圧444は、前記検出された温度を示している前記検出電圧V_sensingとして使用される。前記検出電圧V_sensingおよび前記しきい値電圧VTHの働き(operation)は図5−10に関連してさらに説明される。
【0019】
有利には、前記電流413に比例する前記電流411を提供することにより、前記温度検出信号TAは、前記外部の抵抗器440およびほぼ一定の値(例えば、前記ほぼ一定の値は、KまたはM*Kであってよい)により決定される。ほぼ一定の値については図5−10に関連してさらに説明される。前記温度検出回路402における前記温度検出に関連する前記抵抗器(例えば、前記外部の抵抗器440)は、前記ICチップ410の外部に備えられており、前記外部の抵抗器の抵抗変動は、前記内部の抵抗器(例えば、図1における前記抵抗器112)のそれよりも小さい。したがって、前記温度検出信号TAの精度は、より信頼できる温度保護を提供するために改善されうる。
【0020】
図5は、本発明の一実施形態に従う前記温度検出回路402の図の例を示している。図4と同じ符号が付されている要素は、同様の機能を有している。図5は、図4と組みあわせて説明される。図5の例において、前記外部の抵抗器440にかかる前記電圧444は、前記温度しきい値を示す前記しきい値電圧VTHとしても働き、前記サーミスタ432にかかる前記電圧434は、前記検出された温度を示す前記検出電圧V_sensingとしても働く。したがって、図5−7に関する以下の説明において、前記検出電圧V_sensingは、前記検出電圧434であり、前記しきい値電圧VTHは、前記しきい値電圧444である。
【0021】
一実施形態において、前記ICチップ410は、コンパレータ520と、バイアス回路550と、を具備する。前記NTCピンと前記RSTピンに接続されている前記バイアス回路550は、前記NTCサーミスタ432を通って流れている前記電流411を生成可能であり、前記NTCピンにおける前記検出電圧434を生成する。一実施形態において、前記バイアス回路550は、前記外部の抵抗器440を通る前記電流413も生成し、それに応じて前記RSTピンにおける前記しきい値電圧444を生成する。これとは別に、前記バイアス回路550は、前記RSTピンにおける前記しきい値電圧444を直接生成してもよい。前記しきい値電圧444が提供されることで、前記外部の抵抗器440は、前記電流413を提供しうる。
【0022】
一実施形態において、前記ICチップ410により提供される前記電流411は、前記電流413に比例している。前記電流411と前記電流413の前記電流比は、前記ほぼ一定の値、例えば前記ICチップ410の前記パラメータKであってよい。上述したように、“ほぼ一定である”とは、値は変化しうるが、範囲内にとどまっており、前記検出電圧434と前記しきい値電圧444の精度は、前記電流411および前記電流413の変化によって影響されないということを意味している。
【0023】
一実施形態において、前記コンパレータ520は、前記NTCピンと接続されている1つの端子と、前記RSTピンと接続されている他の端子を備えている。前記コンパレータ520は、前記温度検出信号TAを出力するために、前記検出電圧434を前記しきい値電圧444と比較可能である。一実施形態において、前記コンパレータ520は、ヒステリシスコンパレータである。より具体的には、一実施形態において、前記検出電圧434が、所定の過熱しきい値を示している前記しきい値電圧444よりも小さい場合、例えば前記温度が所定の過熱しきい値以上に上昇した場合などには、前記温度検出信号TA(例えばハイレベル電気信号)が過熱状態を示すために生成される。同様に、前記検出電圧434が、所定の温度不足しきい値を示している前記しきい値電圧444よりも大きい場合、例えば前記温度前記所定の温度不足しきい値よりも下がった場合には、前記温度検出信号TA(例えば、ローレベル電気信号)が温度不足状態を示すために生成される。
【0024】
前記電流411と前記電流413の前記電流比は、前記パラメータKであり、前記検出電圧434のレベルは以下の式で与えられる。
【0025】
V_sensing = K * I_external * R_thermistor (1)
【0026】
ここで、V_sensingは、前記検出電圧434のレベル、I_externalは、前記電流413のレベル、そしてR_thermistorは、前記NTCサーミスタ432の抵抗をそれぞれ表している。有利には、前記電流411は、前記電流413のK倍である。したがって、前記温度が変化した場合には、前記検出電圧434の電圧変化は、比較的高く調整しうる。例えばユーザは前記ほぼ一定であるパラメータKにセット可能である。したがって、前記オフセット電圧の前記コンパレータ520の前記動作と結合雑音による影響は減少し、この場合に前記温度検出回路402の精度が改善される。
【0027】
一実施形態において、前記温度が前記温度しきい値に達する場合には、前記検出電圧434は、前記しきい値電圧444と等しくなり、前記温度しきい値は、以下の式にしたがって示される。
【0028】
V_threshold = I_external * R_external = K * I_external * R_thermistor_T (2)
【0029】
ここで、R_thermistor_Tは、前記温度しきい値における前記NTCサーミスタ432の抵抗を、そしてR_externalは、前記外部の抵抗器440の抵抗を表している。したがって、前記温度しきい値(例えば、過熱しきい値または温度不足しきい値)における前記NTCサーミスタ432の抵抗は、以下の式で与えられる。
【0030】
R_thermistor_T = R_external / K (3)
【0031】
したがって、前記温度状態は、式(3)にしたがって前記NTCサーミスタ432と前記外部の抵抗器440の間の抵抗関係により示される。それは、前記温度検出信号TAが、前記サーミスタ432の抵抗と前記外部の抵抗器440の前記抵抗および前記パラメータKの関数との比較により、決定されるということである。例えば、一実施形態において、R_thermistorがR_external/Kよりも小さい場合、例えば、前記温度が前記過熱しきい値より上昇した場合には、過熱状態を示すために前記温度検出信号TA(例えば、ハイレベル電気信号)が生成される。同様に、R_thermistorがR_external/Kよりも大きい場合、例えば、前記温度が前記温度不足しきい値よりも低下した場合には、温度不足状態を示すために、前記温度検出信号TA(例えば、ローレベル電気信号)が生成される。
【0032】
有利には、前記温度検出信号TAは、前記外部の抵抗器440の前記抵抗と前記パラメータKに依存している。前記外部の抵抗器440は、前記ICチップ上に組み込まれている前記内部の抵抗器よりも抵抗変動が少なく、そして前記ICチップ410の前記パラメータKはほぼ一定であるため、R_externalおよびKの双方は、比較的精確である。したがって、前記比較結果の精度は改善され、前記温度検出回路402の全体の精度はさらに改善される。さらに、式(3)に基づき、前記外部の抵抗器440の前記抵抗は、いろいろな温度しきい値における前記温度検出のために、例えばユーザにより調整されうる。したがって、前記温度検出回路402の柔軟性も改善される。
【0033】
図6は、本発明の一実施形態に従う、図5の前記バイアス回路550の例を示している。図6は、図4および図5と組み合わせて説明される。図6の例において、前記バイアス回路550は、前記電流411と前記電流413をそれぞれ生成するための電流源611および電流源612を具備している。前記電流411は、前記電流413に比例している。前記電流411と前記電流413の前記電流比は、図5に関連して説明したように、前記ほぼ一定であるパラメータKである。
【0034】
一実施形態において、前記バイアス回路550は、スイッチング回路620と、スイッチコントローラ616と、を更に具備する。前記スイッチング回路620は、前記電流源611と前記電流源612にそれぞれ接続されている、スイッチ622およびスイッチ624を具備している。前記スイッチ622および前記スイッチ624は、前記電流411および前記電流413の電流路を使用可能または使用不能に動作可能である。
【0035】
前記スイッチコントローラ616は、前記スイッチ622および前記スイッチ624の状態を制御するための制御信号630、例えば、パルス幅変調(PWM)信号を生成可能である。一実施形態において、前記スイッチコントローラ616は、発振(OSC)回路628と、ロジック回路626と、を具備しうる。前記発信回路628は、振動信号、例えば周期的なパルス信号を生成する。前記ロジック回路626は、前記振動信号を受信可能であるとともに、前記制御信号630、例えばPWM信号を生成可能である。これとは別に、前記スイッチコントローラ616は、他の構成要素を含んでも良く、図6の例に限定されない。
【0036】
結果として、前記スイッチング回路620は、前記電流411および413のための前記電流路を交互に使用可能と使用不能にする。より具体的には、一実施形態において、前記PWM信号がハイの場合には、前記スイッチ622および前記スイッチ624は、前記電流411および前記電流413を使用可能にするためにそれぞれスイッチが入る。前記NTCサーミスタ432は、前記電流411を受けるとともに、前記電流411に基づいて前記検出電圧434を提供する。前記外部の抵抗器440は、前記電流413を受けるとともに、前記電流413に基づいて前記しきい値電圧444を提供する。図4および図5に関し説明したように、前記コンパレータ520は、前記検出電圧434を前記しきい値電圧444と比較し、そして前記比較結果に基づき、前記温度検出信号TAを出力する。
【0037】
図6の実施例において、前記電流源611および612により生成される前記電流411および413は、前記ICチップ410の温度が変化した場合には、変化しうる。有利には、前記電流411と前記電流413との比は、前記ほぼ一定であるパラメータKに維持されている。例として、前記電流413が増加した場合には、前記しきい値電圧444および前記検出電圧434は、それに応じて両方とも増加する。それは、前記温度しきい値における前記検出電圧434および前記しきい値電圧444の両方とも、式(2)にしたがう同量で自動的に調整され、式(3)が、いつでも満たされている。したがって、前記検出電圧434および前記しきい値電圧444に基づいて生成された前記検出信号TAの精度が上がる。言い換えれば、前記温度検出回路402上の前記電流413の変動を原因とする前記検出誤差の影響は、減少/除去され、前記温度検出回路402の全体としての精度を改善しうる。
【0038】
前記PWM信号がローの場合には、前記スイッチ622および前記スイッチ624は、スイッチが切られ、前記電流411および前記電流413は停止させられる。有利には、前記スイッチ622および前記スイッチ624が切られている場合には、前記NTCサーミスタ432および前記外部の抵抗器440は、エネルギーを消費しない。したがって、前記温度は、要求に応じて検出でき、前記温度検出回路402の前記電力消費を減少可能となる。
【0039】
図7は、本発明の一実施形態に従う、図5の前記バイアス回路550の他の例を示している。図7は、図4、図5および図6と組み合わせて説明される。図4および図6と同じ符号が付されている要素は、同様の機能を有している。
【0040】
図7の前記例において、前記バイアス回路550は、電流ミラー710、基準電圧源712、スイッチコントローラ616、およびスイッチ622およびスイッチ624を備えているスイッチング回路620を具備している。前記基準電圧源712は、前記しきい値電圧444を生成するために使用されており、バンドギャップ回路714および電圧フォロワ716を具備している。前記バンドギャップ回路714は、前記温度が変動した場合にもほぼ一定に維持されるバンドギャップ基準電圧を生成する。前記電圧フォロワ716は、演算増幅器(オペアンプ)を具備するとともに、前記バンドギャップ基準電圧を受けることができる。前記電圧フォロワ716は、前記バンドギャップ基準電圧をフォローし、前記バンドギャップ基準電圧にほぼ等しい前記しきい値電圧444を出力する。これとは別に、前記基準電圧源712は、他の要素を具備しても良く、図7の前記例に限定されない。
【0041】
前記スイッチング回路620は、前記電流411および前記電流413の電流路を交互に使用可能と使用不能にする。一実施形態において、前記スイッチ622および前記スイッチ624が入れられた場合には、前記外部の抵抗器440は、前記基準電圧源712から前記しきい値電圧444を受け、前記しきい値電圧444に基づいて前記電流413を提供する。前記しきい値電圧444が前記温度により大きく変動しないバンドギャップ電圧であるため、前記外部の抵抗器440を通って流れている前記電流413もまた、前記温度には依存しない。したがって、前記電流413の変動を原因とする誤差は、除去または無視しうる。
【0042】
一実施形態において、前記電流ミラー710は、前記電流413を受けるとともに、前記電流413をミラーすることにより前記電流413のK倍である前記電流411を生成可能である。前記NTCサーミスタ432は、前記電流411を受けるとともに、前記電流411に基づいて、前記検出電圧434を生成可能である。したがって、前記コンパレータ520は、前記検出電圧434を前記基準電圧444と比較し、前記比較結果に基づいて、前記温度検出信号TAを生成する。
【0043】
前記スイッチ622および前記スイッチ624が切られている場合には、前記NTCサーミスタ432および前記外部の抵抗器440は、電気エネルギーを消費しない。有利には、前記温度が要求に応じて検出できるため、前記温度検出回路402の前記電力消費が、減少可能である。前記バイアス回路550は、他の構成要素で構成しても良く、図6および図7の前記例に限定されない。
【0044】
有利には、前記内部の抵抗器(例えば、図1の前記抵抗器112、前記抵抗器114、前記抵抗器116、および前記抵抗器118)は、図6または図7の前記バイアス回路550および前記外部の抵抗器440と、置き換えてもよく、前記チップサイズおよび前記温度検出回路402の費用を削減しうる。
【0045】
図8は、本発明の一実施形態に従う、温度検出回路402の図の他の例を示している。図8は、図4、図5、および図7と組み合わせて説明される。図4−図7と同じ符号が付されている要素は、同様の機能を有している。
【0046】
一実施形態において、前記ICチップ410は、前記コンパレータ520と、前記バイアス回路550と、を具備している。前記バイアス回路550は、先に開示した図7における構成を用いている。図8の前記実施例において、前記電流413を提供するために前記外部の抵抗器440により印加される前記基準電圧源712は、前記基準電圧444を生成する。同様に、前記基準電圧源712は、前記温度しきい値を示している前記しきい値電圧VTHも生成する。前記基準電圧444および前記しきい値電圧VTHの両方とも、バンドギャップ電圧でありうる。前記電流ミラー710は、前記電流413をミラーすることにより、前記電流413に比例する前記電流411を生成する。前記電流411と前記電流413の前記電流比は、前記ほぼ一定の値Kでありうる。前記NTCサーミスタ432は、前記電流411を受けるとともに、前記電流411に基づいて、前記検出電圧434を生成する。
【0047】
したがって、前記温度が前記所定の温度しきい値に達する場合には、前記検出電圧434は、式(2)にしたがって、前記しきい値電圧VTHと等しくなる。I_externalは、前記基準電圧444(例えば、V_ref)の電圧レベルを前記外部の抵抗器440の前記抵抗で除したものと等しい、例えば、I_external = V_ref / R_external、ので、式(2)は、以下のように書き換えられる。
【0048】
R_thermistor_T = V_threshold * R_external / (V_ref * K) (4)
【0049】
式(4)に示されているように、R_thermistor_Tは、前記基準電圧444、前記外部の抵抗器440の前記抵抗、前記しきい値電圧VTH、および前記ほぼ一定であるパラメータKの関数と等しい。
【0050】
V_thresholdとV_refの両方ともバンドギャップ電圧(例えば、前記バンドギャップ電圧は、前記温度が変動しても、ほぼ一定に維持される)であるため、V_refとV_thresholdとの比(例えば、V_ref / V_threshold)は、ほぼ一定の値Mに置換しうる。したがって、式(4)により以下の式(5)が得られる。
【0051】
R_thermistor_T = R_external / (M * K) (5)
【0052】
式(5)に示されているように、R_thermistor_Tは、前記外部の抵抗器440の前記抵抗および前記ほぼ一定の値M * Kの関数と等しい。
【0053】
有利には、例えば、前記電源404の前記温度状態は、式(5)にしたがって、前記NTCサーミスタ432と前記外部の抵抗器440との間の抵抗関係により判定される。例えば、前記温度検出信号TAは、前記サーミスタ432の前記抵抗と、R_externalおよびK * Mの前記関数との比較により判定される。R_externalおよびK * Mの両方とも、比較的正確であるので、前記比較結果の精度は改善され、前記温度検出回路402の全体としての精度もさらに改善される。
【0054】
図9は、本発明の一実施形態に従う前記温度検出回路402の図の他の例を示している。図9は、図4−図8と組み合わせて説明される。図4および図5と同じ符号が付されている要素は、同様の機能を有している。図9の前記実施例において、前記温度検出回路402は、多数の異なる温度しきい値にしたがって、例えば、前記電源404の前記温度状態を判定する。
【0055】
一実施形態において、前記温度検出回路402は、前記NTCサーミスタ432、ICチップ910、および前記外部の抵抗器440を具備している。前記ICチップ910は、前記バイアス回路550、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)930、および多数のコンパレータ920_1−920_Nを具備しても良い。簡潔さと、明確さのために、すべての前記コンパレータ920_1−920_Nを図9に示しているわけではない。前記バイアス回路550は、上で開示された図7または図8における構成を用いても良く、前記電流413に比例する前記電流411を生成可能である。前記電流411と前記電流413の前記電流比は、前記ほぼ一定の値Kであってよい。前記バイアス回路550は、前記基準電圧444を提供するために、バンドギャップ電圧も生成する。前記NTCサーミスタ432は、前記電流411を受けるとともに、前記電流411に基づいて、前記検出電圧434を生成する。一実施形態において、多数のしきい値電圧VTH1_1−VTH_Nは、1つまたは複数の基準電圧源により生成される。例えば、VTH1_1−VTH_Nは、前記基準電圧源712により生成されるバンドギャップ電圧である。前記多数のしきい値電圧VTH1_1−VTH_Nは、多数の所定の温度しきい値を示している。
【0056】
一実施形態において、それぞれのコンパレータ920_1−920_Nは、前記検出電圧434と、対応する基準しきい値電圧VTH1_1−VTH_Nを受ける。例えば、前記コンパレータ920_1は、前記検出電圧434と基準しきい値電圧VTH_1とを受け、前記コンパレータ920_2は、前記検出電圧434と基準しきい値電圧VTH_2とを受け、そして前記コンパレータ920_Nは、前記検出電圧434と、基準しきい値電圧VTH_Nとを受ける。有利には、前記コンパレータ920_1−920_Nは、異なる温度しきい値に対応する多数の温度検出信号TA1−TANを生成する。結果として、前記温度検出回路402は、異なる温度しきい値の同時の温度検出を実現しうる。
【0057】
一実施形態において、前記ADC930は、前記検出電圧434をデジタル検出信号954に変換可能である。前記デジタル検出信号954は、他のアプリケーションに使用されうる。例えば、前記デジタル検出信号954は、コンピュータの記憶媒体(例えばメモリなど)に格納され、コンピュータ画面上に前記温度レベルを表示するように使用されうる。
【0058】
図10は、本発明の一実施形態に従う前記温度検出回路402の図の他の例を示している。図10は、図4−図7と組み合わせて説明される。図4−図7と同じ符号が付されている要素は、同様の機能を有している。
【0059】
図10の前記実施例において、前記ICチップ410は、バイアス回路1050と、前記コンパレータ520と、を具備している。前記バイアス回路1050は、図7の前記バイアス回路550における前記RSTピンのかわりに、例えばバンドギャップ電圧である前記NTCピンにおける前記基準電圧V_refを生成可能な前記基準電圧源712を具備している。前記基準電圧V_refが、前記サーミスタ432に印加されているため、前記基準電圧V_refは、図10の実施例における前記基準電圧434としてみなされる。前記スイッチ622および624がオンになった場合には、前記基準電圧434は、前記電流411を生成するために前記サーミスタ432に印加される。この実施形態において、前記基準電圧434は、以下の式で与えられる前記しきい値電圧VTHとして働く。
【0060】
VTH = V_ref (6)
【0061】
前記バイアス回路1050は、前記電流413を生成するために前記電流411のミラーリングが可能である前記電流ミラー710をさらに具備している。前記電流411と前記電流413の前記電流比は、前記ほぼ一定であるパラメータKと等しい。前記電流413は、前記電圧444を提供するために、前記外部の抵抗器440に適用される。
【0062】
前記電圧434は、前記基準電圧源712により提供される基準電圧であるため、前記電流411は、前記サーミスタ432の抵抗変動により、前記温度にしたがって変動し、これにより、前記電圧444をさらに変動させうる。したがって、図10の実施例において、前記電圧444は、前記検出された温度を示している前記検出電圧V_sensingとして働く。それゆえ、この実施形態において、前記検出電圧V_sensingは、前記検出電圧444としてもみなされる。前記温度が前記温度しきい値に達する場合には、前記検出電圧444は、以下の式(7)で表わされる。
【0063】
V_sensing = (V_ref / R_thermistor_T) * K * R_external (7)
【0064】
前記コンパレータ520は、前記検出電圧444を前記しきい値電圧434と比較し、そして前記比較結果にしたがって前記温度状態を判定する。前記温度が前記温度しきい値に達する場合には、前記検出電圧444は、前記しきい値電圧434と等しくなる。式(6)および式(7)に基づいて、前記温度しきい値における前記サーミスタ432の前記抵抗は、以下の式で与えられる。
【0065】
R_thermistor_T = K * R_external (8)
【0066】
図5に関する式(3)においての検討と同様に、前記温度状態は、前記NTCサーミスタ432と前記外部の抵抗器440との抵抗関係により式(8)にしたがって示される。言い換えると、前記サーミスタ432の前記抵抗は、前記温度状態を判定するために前記ほぼ一定であるパラメータKおよび前記外部の抵抗器440の前記抵抗の関数と比較される。前記外部の抵抗器440の前記抵抗および前記パラメータKの両方とも、比較的正確であるので、前記温度検出回路402の全体としての精度も改善される。
【0067】
図11は、本発明の一実施形態に従う、例えば前記温度検出回路402である温度検出回路により実行される処理のフローチャート1100である。図11は、図4−図10と組み合わせて説明される。図11に特定のステップが開示されているが、これらのステップは例示である。本発明は、種々の他のステップまたは図11に開示されているステップの変形を実行するのに適している。
【0068】
ブロック1102において、例えば、前記サーミスタ432であるセンサーを通って流れている第1電流、例えば前記電流411と、抵抗器、例えば前記外部の抵抗器440を通って流れている第2電流、例えば前記電流413との電流比は、ICチップ、例えば前記ICチップ410のほぼ一定であるパラメータ、例えば前記パラメータKと等しくなるように維持されている。前記抵抗器は、前記ICチップと外部に接続されている。
【0069】
ブロック1104において、温度を示している検出電圧は、温度しきい値を示しているしきい値電圧と比較される。
【0070】
ブロック1106において、前記温度状態を示している温度検出信号は、前記比較結果に基づいて生成される。一実施形態において、前記抵抗器にかかる電圧は、前記しきい値電圧として使用され、前記検出電圧は、前記センサーにより提供される。この状況において、前記温度検出信号は、前記センサーの前記抵抗と、前記ほぼ一定であるパラメータおよび前記抵抗器の前記抵抗の関数との比較により判定される。他の実施形態において、基準電圧は、基準電圧源により生成される。前記基準電圧は、前記第2電流を生成するために前記抵抗器に印加される。前記第2電流は、前記ほぼ一定であるパラメータにしたがって前記第1電流を生成するためにミラーされる。前記検出電圧は、前記第1電流に基づいて前記センサーにより提供される。この状況において、前記温度検出信号は、前記センサーの前記抵抗と、前記しきい値電圧、前記基準電圧、前記ほぼ一定であるパラメータ、および前記抵抗器の前記抵抗の関数との比較により判定される。他の実施形態において、前記しきい値電圧は、基準電圧源により生成される。前記しきい値電圧は、前記第1電流を生成するために前記センサーに印加される。前記第1電流は、前記ほぼ一定であるパラメータにしたがって、前記第2電流を生成するためにミラーされる。前記抵抗器にかかる前記電圧は、前記検出電圧として使用される。この状況において、前記温度検出信号は、前記センサーの前記抵抗と、前記ほぼ一定であるパラメータおよび前記抵抗器の前記抵抗との比較により判定される。
【0071】
ブロック1108において、第1電流および第2電流の電流路は、使用可能または使用不能にされる。
【0072】
ブロック1110において、前記検出電圧は、デジタル信号、例えば、前記デジタル信号954に変換される。
【0073】
上述した説明および図面は、本発明の実施形態を示しているが、それらに対し、種々の付加、修正、および代替が、添付の特許請求の範囲に定められている本発明の原理の精神および範囲を逸脱することなく作成しうることは、理解されよう。当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境および作業者の要求に特に適応される本発明の実行において、本発明が、形状、構造、配置、比率、材質、要素、および構成材やその他に対する多くの改良が使用しうることは理解される。ここで開示された実施形態は、したがって、あらゆる点で、例示であり限定されるものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的な均等により示されており、先に説明したものに限定されない。
【符号の説明】
【0074】
400 電子装置
402 温度検出回路
404 電源
406 負荷
410 集積回路(IC)チップ
430 センサー
432 負温度係数(NTC)サーミスタ
434 検出電圧
440 外部の抵抗器
444 しきい値電圧
520 コンパレータ
550 バイアス回路
611,612 電流源
616 スイッチコントローラ
620 スイッチング回路
622,624 スイッチ
626 ロジック回路
628 発振(OSC)回路
710 電流ミラー
712 基準電圧源
714 バンドギャップ回路
716 電圧フォロワ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度検出回路であって、
温度検出に使用されるセンサーと、
前記センサーと接続されるとともに、温度状態を判定するために、前記温度を示している検出電圧と、温度しきい値を示しているしきい値電圧と、を比較することが可能な集積回路(IC)チップと、
前記ICチップに外部に接続されている抵抗器と、
を具備し、
前記ICチップは、ほぼ一定であるパラメータを備え、
前記ICチップは、電流比が前記ほぼ一定であるパラメータと等しくなるように維持し、
前記電流比は、前記センサーを通って流れている第1電流と、前記抵抗器を通って流れている第2電流との比で構成されていることを特徴とする温度検出回路。
【請求項2】
前記ICチップは、
前記センサーに接続されるととともに、前記第1電流を提供可能な第1電流源と、
前記抵抗器に接続されるとともに、前記第2電流を提供可能な第2電流源と、
を更に具備し、
前記センサーは、前記第1電流に基づいて前記検出電圧を提供することを特徴とする請求項1に記載の温度検出回路。
【請求項3】
前記ICチップは、前記第1電流源および第2電流源と接続されるとともに、前記第1電流および第2電流の電流路を使用可能および使用不能に動作可能なスイッチング回路をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の温度検出回路。
【請求項4】
前記ICチップは、
前記抵抗器に接続されるとともに、前記第2電流を生成するために前記抵抗器に印加する基準電圧を生成可能な基準電圧源と、
前記センサーおよび前記抵抗器と接続されるとともに、前記ほぼ一定のパラメータにしたがって前記第1電流を生成するために前記第2電流をミラー可能な電流ミラーと、
をさらに具備し、
前記センサーは、前記第1電流に基づいて前記検出電圧を提供することを特徴とする請求項1に記載の温度検出回路。
【請求項5】
前記ICチップは、前記電流ミラーと接続されるとともに、前記第1電流および第2電流の電流路を使用可能および使用不能に動作可能なスイッチング回路をさらに具備することを特徴とする請求項4に記載の温度検出回路。
【請求項6】
前記基準電圧源は、複数の温度しきい値を示している複数のしきい値電圧を提供可能であることを特徴とする請求項4に記載の温度検出回路。
【請求項7】
前記ICチップは、前記しきい値電圧と前記検出電圧とを比較することが可能な複数のコンパレータをさらに具備することを特徴とする請求項6に記載の温度検出回路。
【請求項8】
前記温度状態は、前記センサーの前記抵抗と、前記基準電圧、前記しきい値電圧、前記ほぼ一定のパラメータ、および前記抵抗器の抵抗の関数と、の比較により判定されることを特徴とする請求項4に記載の温度検出回路。
【請求項9】
前記抵抗器にかかる基準電圧は、前記しきい値電圧として使用され、
前記センサーの電圧は、前記検出電圧として使用されることを特徴とする請求項1に記載の温度検出回路。
【請求項10】
前記温度状態は、前記センサーの抵抗と、前記ほぼ一定のパラメータおよび前記抵抗器の抵抗の関数と、の比較により判定されることを特徴とする請求項9に記載の温度検出回路。
【請求項11】
前記ICチップは、
前記センサーに接続されるとともに、前記第1電流を生成するために前記センサーに印加される前記しきい値電圧を生成することが可能な基準電圧源と、
前記センサーおよび前記抵抗器と接続されるとともに、前記ほぼ一定のパラメータにしたがって前記第2電流を生成するために前記第1電流をミラー可能な電流ミラーと、
をさらに具備し、
前記抵抗器は、前記第2電流に基づいて前記検出電圧を提供することを特徴とする請求項1に記載の温度検出回路。
【請求項12】
前記温度状態は、前記センサーの抵抗と、前記ほぼ一定のパラメータおよび前記抵抗器の抵抗の関数と、の比較により判定されることを特徴とする請求項11に記載の温度検出回路。
【請求項13】
前記ICチップは、前記電流ミラーと接続されるとともに、前記第1電流および第2電流の電流路を使用可能および使用不能に動作可能なスイッチング回路をさらに具備することを特徴とする請求項11に記載の温度検出回路。
【請求項14】
前記ICチップは、前記検出電圧をデジタル信号へ変換可能なアナログ−デジタルコンバータ(ADC)をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の温度検出回路。
【請求項15】
方法であって、
センサーを通って流れている第1電流と、抵抗器を通って流れている第2電流と、の電流比を集積回路(IC)チップのほぼ一定であるパラメータと等しくなるように維持するステップと、
温度を示している検出電圧と、温度しきい値を示しているしきい値電圧と、を比較するステップと、
前記比較結果に従って、温度状態を示している温度検出信号を生成するステップと、
を具備し、
前記抵抗器は、前記ICチップと外部に接続されていることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記しきい値電圧として前記抵抗器にかかる電圧を使用するステップと、
前記センサーにより、前記検出電圧を提供するステップと、
を更に具備することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記温度検出信号は、前記センサーの抵抗と、前記ほぼ一定のパラメータおよび前記抵抗器の抵抗の関数との比較により判定されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
基準電圧源により基準電圧を生成するステップと、
前記抵抗器により、前記第2電流を生成するために前記基準電圧を印加するステップと、
前記ほぼ一定のパラメータにしたがって前記第1電流を生成するために前記第2電流をミラーするステップと、
前記センサーにより前記第1電流に基づいて前記検出電圧を提供するステップと、
をさらに具備することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記温度検出信号は、前記センサーの抵抗と、前記しきい値電圧、前記基準電圧、前記ほぼ一定のパラメータ、および前記抵抗器の抵抗の関数との比較により判定されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1電流および第2電流の電流路を使用可能および使用不可能にするステップをさらに具備することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記検出電圧をデジタル信号に変換するステップをさらに具備することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項22】
基準電圧源により前記しきい値電圧を生成するステップと、
前記センサーにより前記第1電流を生成するために前記しきい値電圧を印加するステップと、
前記ほぼ一定のパラメータにしたがって前記第2電流を生成するために前記第1電流をミラーするステップと、
前記抵抗器にかかる電圧を前記検出電圧として使用するステップと、
をさらに具備することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記温度検出信号は、前記センサーの電圧と、前記ほぼ一定のパラメータおよび前記抵抗器の抵抗の関数との比較により判定されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
電子装置であって、
電源と、
前記電源と接続されるとともに、前記電源から電力を受取り可能な負荷と、
前記電源と接続されるとともに、前記電源の温度を検出可能な温度検出回路と、
を具備し、
前記温度検出回路は、
ICチップと、
センサーおよび抵抗器を含む前記ICチップの周辺要素と、
を具備し、
前記ICチップは、前記センサーを通って流れている電流と、前記抵抗器を通って流れている電流との電流比をほぼ一定であるパラメータと等しくなるように維持し、
前記電源の前記温度が温度しきい値に達する場合には、前記センサーの抵抗は、前記抵抗器の抵抗および前記ほぼ一定のパラメータにより決定される関数と等しいことを特徴とする電子装置。
【請求項25】
前記ICチップは、前記抵抗器にかかる基準電圧および前記温度しきい値を示しているしきい値電圧を生成可能な基準電圧源を具備し、
前記関数は、前記基準電圧および前記しきい値電圧によりさらに決定されることを特徴とする請求項24に記載の電子装置。
【請求項26】
前記温度検出回路は、通常状態、過熱状態、温度不足状態からなるグループから選択される温度状態を示している温度検出信号を提供可能であることを特徴とする請求項24に記載の電子装置。
【請求項27】
前記センサーは、負温度係数(NTC)サーミスタ、正温度係数(PTC)サーミスタ、熱伝対、抵抗温度検出器(RTD)、およびIC温度センサーからなるグループから選択される構成要素を具備することを特徴とする請求項24に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−249817(P2010−249817A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−92237(P2010−92237)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】