説明

温感ゲル状化粧料

【課題】良好なゲルにより温感効果がマッサージ中ずっと持続し、しかも安全性が良好な温感ゲル状化粧料の提供。
【解決手段】平均重合度が4〜30のポリエチレングリコールを15〜25質量%と、グリセリンを60〜85質量%を含有する、温感ゲル状化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平均重合度が4〜30のポリエチレングリコールを15〜25質量%と、グリセリンを60〜85質量%を含有する、温感ゲル状化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から化粧品に広く使われている多価アルコールの中でもグリセリンは、水に接する
と水和熱により温感を生じる事が知られており、マッサージ料やパック料等のゲル状化粧
料として広く用いられている(特許文献1参照)。
しかしながら、グリセリンの水和反応熱のみを利用した上記方法では、発熱量が不十分であった。そこで、ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル等の水と反応して発熱する水和発熱性無機粉体(特許文献2参照)、水和する際発熱する性質を有する無機塩の粒体(特許文献3参照)等の発熱剤を併用したり、発熱剤及び温感剤を含有する皮膚化粧料(特許文献4参照)等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−12126号公報
【特許文献2】特開2009−67721号公報
【特許文献3】特開2001−122722号公報
【特許文献4】特開平11−60460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発熱剤による温度上昇効果は短時間で終わってしまうという問題点があった。また唐辛子エキス、センブリエキスに代表される温感剤は、皮膚刺激性の原因となり安全性悪化の原因となり得る、という問題点があった。
そこで、本発明においては、良好なゲルにより温感効果がマッサージ中ずっと持続し、しかも安全性が良好な温感ゲル状化粧料を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、平均重合度が4〜30のポリエチレングリコールを15〜25質量%と、グリセリンを60〜85質量%を含有する、温感ゲル状化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の温感ゲル状化粧料は、良好なゲルにより温感効果がマッサージ中ずっと持続し、しかも安全性が良好であるという効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0008】
本発明の温感ゲル状化粧料は、平均重合度が4〜30のポリエチレングリコールを15〜25質量%と、グリセリンを60〜85質量%を含有する。
【0009】
本発明において用いるポリエチレングリコールとしては、通常化粧料に配合しうるポリエチレングリコールであれば特に限定されない。ポリエチレングリコールの平均重合度は、4〜30の範囲、特に7〜20の範囲が好ましい。平均重合度が4未満では良好なゲルを得ることが困難になり、マッサージ効果が得られにくくなる。平均重合度が30を超えると温感が得にくくなり、またゲルの硬度が高くなりすぎてマッサージに向かなくなる。本発明においてはかかる平均重合度が4〜30のポリエチレングリコールを15〜25質量%配合する。配合量が15質量%未満の場合、温感効果が得にくくなる。25質量%を超えて配合するとゲルの硬度が低くなり、マッサージ効果を得ることが困難になる。
【0010】
本発明において用いるグリセリンとしては、通常化粧料に配合しうるグリセリンであれば特に限定されない。グリセリンの配合量が60〜80質量%が最適である。
【0011】
本発明のゲル状化粧料において、平均重合度が4〜30のポリエチレングリコールとグリセリンの配合量の和は、90質量%以上であることが好ましい。90質量%未満の場合、良好な温感効果を得ることが困難になる。
【0012】
本発明の温感ゲル状化粧料には、発熱剤を配合しないことが好ましい。発熱剤を配合すると、温感の持続性が劣り肌の上で急激な温度上昇と温度降下が生じ、使用感情好ましくない影響を与える場合がある。また発熱剤に配合により高温での安定性に問題を生じる場合がある。
【0013】
本発明のゲル状化粧料には、必要に応じてゲル化剤を配合する。かかるゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。かかるゲル化剤は、ゲル状化粧料全量に対し、0.01〜1質量%配合することができる。
【0014】
本発明のゲル状化粧料には、上記必須成分のほかに、通常化粧料に用いられる成分として、温感剤、着色剤、抗炎症剤、保湿剤、防腐剤、界面活性剤、金属封鎖剤、香料、酸化防止剤、美容剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【実施例】
【0015】
以下に本発明を実施例を用いて説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0016】
表1に示した処方にて、温感ゲル状化粧料を定法により調製し、使用感の評価を行った。
【0017】
【表1】

【0018】
表1に示したとおり、本発明の実施例は、マッサージに適したゲル特性を有し、良好な温感がマッサージのはじめから終わりまで持続していた。また、ヒト24時間閉塞パッチテスト、スティンギング刺激テストともに良好な結果であった。これに対し、平均重合度が3のポリエチレングリコールを用いた比較例1においては、温感は認められたが、良好なゲルを形成することができなかった。平均重合度が32のポリエチレングリコールを用いた比較例2はゲルの性状は良好であったが、温感が認められなかった。ポリエチレングリコールの配合量が10質量%の比較例3においては、ゲルの性状は良好であったが、温感が認められなかった。ポリエチレングリコールの配合量が30質量%の比較例4においては温感は認められたもののゲルの硬度が硬すぎてマッサージに適さなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均重合度が4〜30のポリエチレングリコールを15〜25質量%と、グリセリンを60〜85質量%を含有する、温感ゲル状化粧料。

【公開番号】特開2011−116726(P2011−116726A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277868(P2009−277868)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】