説明

温水システムと熱媒注入具との組み合わせ、および温水システム用の熱媒注入具

【課題】熱媒循環経路への熱媒注入作業時に、熱媒循環経路内の空気が熱媒注入具内に進行する不具合や、熱媒が液位センサにかかって誤検出を生じるといった不具合を適切に防止し得る温水システムと熱媒注入具との組み合わせを提供する。
【解決手段】熱媒循環経路4に気液分離タンク3が設けられ、かつ液位センサ6を利用して検出される熱媒の液位に基づいて熱媒循環用のポンプPの駆動が制御されるように構成された温水システムSと、容器50に栓体部52が設けられた管部51が接続され、かつ容器50内の熱媒を熱媒注入口32から気液分離タンク3内に管部51を利用して注入するための熱媒注入具5と、を具備しており、熱媒注入具5は、栓体部52が熱媒注入口32に装着されたときに、管部51が気液分離タンク3内の底部近傍まで延び、管部51の先端51’が、液位センサ6よりも低い配置となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不凍液などの液体の熱媒を一定経路で循環させるように構成された太陽熱温水システムなどの温水システムの熱媒循環経路に、熱媒を適切に注入するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
熱媒循環経路を有する温水システムを設置した後に、このシステムを実際に稼動させるには、熱媒循環経路に熱媒を充填する必要がある。このための手段の具体例として、特許文献1に記載された手段がある。
同文献に記載された手段においては、熱媒注入具を利用して、熱媒循環経路の気液分離タンク内に熱媒を注入する。熱媒注入具は、熱媒を貯留する容器にホースが接続され、かつこのホースには栓体部が設けられた構成を有している。栓体部は、気液分離タンクの上部に設けられている熱媒注入口に装着するためのものである。栓体部を熱媒注入口に装着した状態において、容器に熱媒を入れると、この熱媒はホース内を通過して気液分離タンク内に流れ込む。温水システムには、熱媒循環用のポンプが設けられており、このポンプを駆動させることにより、気液分離タンクに注入された熱媒を熱媒循環経路の各部に送り込むことが可能である。
【0003】
しかしながら、前記従来技術においては、熱媒注入具を用いて気液分離タンクに熱媒を注入する際に、熱媒注入具のホースの下端先端が気液分離タンク内の上部のかなり高い位置にある。このため、次に述べるような不具合を生じる虞があった。
【0004】
第1に、気液分離タンク内に熱媒を注入しつつ、ポンプを駆動させて前記熱媒を熱媒循環経路の各部に送り込んでいると、熱媒循環経路中に存在していた空気が気液分離タンク内に流入する。すると、この空気が熱媒注入具のホース内に進入する虞がある。このようにホース内に空気が進入したのでは、熱媒注入具から気液分離タンク内への熱媒の注入を円滑に行なうことが困難となる。また、ホース内に比較的多くの空気が勢いよく進入した際には、この空気が熱媒注入具内の容器内まで上昇し、この容器内の熱媒が外部に噴き出す可能性もある。
【0005】
第2に、特許文献1には記載されていないが、前記したような温水システムにおいては、気液分離タンク内に液位センサを設け、気液分離タンク内に注入された熱媒が所定の液位まで上昇すると、その時点で熱媒循環用のポンプを駆動させる手段を採用する場合がある(特許文献2を参照)。従来において、このような手段を採用すると、熱媒注入具のホースから気液分離タンク内に注入される熱媒が、液位センサにかかってしまい、液位センサが誤検出を生じる虞がある。このような誤検出を生じたのでは、熱媒循環用のポンプが不当に駆動することとなり、適切ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−133573号公報
【特許文献2】特開2010−156503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、熱媒循環経路への
熱媒注入作業時に、熱媒循環経路内の空気が熱媒注入具の内部に進行する不具合や、熱媒が液位センサにかかって誤検出を生じるといった不具合を適切に防止し、熱媒注入作業を的確に行なうことが可能な温水システムと熱媒注入具との組み合わせ、および温水システム用の熱媒注入具を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面により提供される温水システムと熱媒注入具との組み合わせは、液体の熱媒が一定経路で循環する熱媒循環経路に気液分離タンクが設けられ、かつこの気液分離タンク内に設けられた液位センサを利用して検出される熱媒の液位に基づいて熱媒循環用のポンプの駆動が制御されるように構成された温水システムと、熱媒を貯留可能な容器に栓体部が設けられた管部が接続され、かつ前記容器内の熱媒を前記気液分離タンクの上部に設けられている熱媒注入口から前記気液分離タンク内に前記管部を利用して注入するための熱媒注入具と、を具備している、温水システムと熱媒注入具との組み合わせであって、前記熱媒注入具は、前記栓体部が前記熱媒注入口に装着されたときに、前記管部が前記気液分離タンク内の底部近傍まで延び、前記管部の先端が、前記液位センサよりも低い配置となるように構成されていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、熱媒注入具を利用して気液分離タンク内に熱媒を注入する際には、熱媒注入具の管部の先端は、気液分離タンク内の底部近傍のかなり低い高さに配置されているために、この管部の先端を熱媒の液位よりも低い配置に維持することができる。このようにすると、ポンプを駆動させて熱媒循環経路の熱媒を循環させている際に、熱媒循環経路中の空気が気液分離タンク内に流入する現象を生じても、従来技術とは異なり、前記空気が熱媒注入具の管部に進入することはない。その結果、熱媒注入具の管部に空気が進入することに起因して熱媒の注入作業が困難となったり、あるいは熱媒注入具の容器内の熱媒が噴出するといった不具合を生じないようにすることができる。
第2に、熱媒注入具の管部の先端が液位センサよりも低い位置にあるために、従来技術とは異なり、管部の先端から流出する熱媒が液位センサにかかることがなく、液位センサが誤検出を生じないようにすることができる。したがって、液位センサの誤検出に起因して熱媒循環用のポンプが不当なタイミングで駆動されるといった不具合も適切に解消することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、前記熱媒注入具は、前記栓体部が前記熱媒注入口に装着されたときに、前記管部の前記栓体部よりも先端寄り部分が前記気液分離タンクの上下方向に延びる中心軸に対して傾斜した姿勢となるように設定され、前記管部の先端寄り部分を前記中心軸からオフセットさせて前記液位センサとの接触を回避することが可能な構成とされている。
【0012】
このような構成によれば、熱媒注入具の管部を気液分離タンク内に挿入させる際に、この管部が液位センサに不当に接触しないようにし、液位センサの誤検出あるいは損傷などを防止するのに好ましい。
【0013】
本発明において、好ましくは、前記熱媒注入具は、前記容器を吊り下げるための掛止手段を備えており、前記温水システムは、前記容器が前記気液分離タンクよりも低位置に吊り下げられて前記容器から前記気液分離タンクへの熱媒注入が阻止されるように、前記掛止手段を掛止可能な第1の掛止対象部位と、前記容器が前記気液分離タンクよりも高位置に吊り下げられて前記容器から前記気液分離タンクへの熱媒注入が行なわれるように、前記掛止手段を掛止可能な第2の掛止対象部位と、を備えている。
【0014】
このような構成によれば、熱媒注入具の容器に熱媒を補給する際には、容器を低い高さに吊り下げておけばよく、容器内に補給された熱媒を気液分離タンクに注入させる際には、容器を高い高さに吊り下げればよいこととなる。したがって、熱媒注入作業の容易化を図ることができる。
【0015】
本発明の第2の側面により提供される温水システム用の熱媒注入具は、液体の熱媒が一定経路で循環する熱媒循環経路に気液分離タンクが設けられ、かつこの気液分離タンク内に設けられた液位センサを利用して検出される熱媒の液位に基づいて熱媒循環用のポンプの駆動が制御されるように構成された温水システムを使用対象とする熱媒注入具であり、熱媒を貯留可能な容器と、この容器に接続された管部と、この管部に取り付けられ、かつ前記気液分離タンクの上部の熱媒注入口に装着可能な栓体部と、を具備している熱媒注入具であって、前記栓体部が前記熱媒注入口に装着されたときに、前記管部が前記気液分離タンク内の底部近傍まで延び、前記管部の先端が、前記液位センサよりも低い配置となるように構成されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供される温水システムと熱媒注入具との組み合わせについて述べたのと同様な効果が得られる。
【0017】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る温水システムと熱媒注入具との組み合わせの一例を模式的に示す説明図である。
【図2】図1に示す温水システムの気液分離タンクに熱媒を注入する状態を示す要部説明図である。
【図3】本発明の他の例を示す要部説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
図1に示す本発明の実施形態においては、温水システムSと、熱媒注入具5とが組み合わされている。
温水システムSは、たとえば太陽熱温水システムであり、太陽光を受けて熱媒を加熱する集熱パネル1と、この集熱パネル1に配管部40a,40bを介して接続された温水ユニットUとを備えている。温水ユニットUは、貯湯タンク20、熱交換器21、気液分離タンク3、熱媒循環用のポンプP、リザーブタンク22、および制御部23を具備しており、かつこれらが集約されて外装ケース24内に収容された構成である。集熱パネル1、熱交換器21、気液分離タンク3、およびポンプPは、一連に配管接続されており、ポンプPの駆動により熱媒を一定経路で循環させる熱媒循環経路4が構成されている。熱媒としては、たとえば不凍液が用いられている。この温水システムSにおいては、集熱パネル1によって熱媒が加熱され、かつ熱交換器21において熱媒と貯湯タンク20内の湯水との間で熱交換が行なわれ、前記湯水の加熱がなされる。
【0021】
気液分離タンク3は、いわゆる半密閉型と称されるタイプであり、熱媒の蒸発を抑制するのに好ましい構造である。より具体的には、気液分離タンク3は、熱交換器21を通過した熱媒を気液分離タンク3内に流入させるための熱媒流入口30、底部に設けられた熱媒流出口31、上部に設けられて通常時には蓋が閉められている熱媒注入口32、気液分離タンク3の上部に設けられた逃がし口33を有している。この逃がし口33は、気液分
離タンク3内の空気または熱媒を管体部34を介してリザーブタンク22側に逃がすための部分である。
【0022】
気液分離タンク3には、液位センサ6が取り付けられている。この液位センサ6は、たとえば電極を用いて構成されており、気液分離タンク3内に存在する熱媒の液位が所定レベルLV以上になると、その旨の信号が制御部23に入力するように構成されている。制御部23は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されており、前記信号の入力の有無に基づいてポンプPの駆動を制御する。
【0023】
図2によく表われているように、熱媒注入具5は、容器50、管部51、および栓体部52を有している。容器50は、たとえば可撓性を有する合成樹脂製の袋であり、上部の開口部50aからその内部に熱媒を入れて収容させることが可能である。容器50には、吊り下げ用の紐状または線状の掛止部材53が連結されている。掛止部材53は、本発明でいう掛止手段の一例に相当する。温水システムSには、図1に示すように、容器50を吊り下げるように掛止部材53を掛止することが可能な第1および第2の掛止対象部位26a,26bが設けられている。これら第1および第2の掛止対象部位26a,26bについては後述する。栓体部52は、合成樹脂製またはゴム製などであり、気液分離タンク3の熱媒注入口32を閉塞するようにこの熱媒注入口32に嵌合装着可能である。
【0024】
熱媒注入具5の管部51は、容器50内に収容された熱媒を気液分離タンク3内に導いて注入させるための部分であり、容器50の下部と栓体部52の上部に設けられた短管部51a,51b、これらの間を繋ぐ合成樹脂製のホース51c、および栓体部52の下部に設けられた短管部51dに接続された合成樹脂製のホース51eにより構成されている。管部51のうち、栓体部52よりも先端寄り部分51A(ホース51eの部分)は、比較的長い寸法に形成されており、栓体部52が熱媒注入口32に装着されたときには、気液分離タンク3内の底部近傍まで延びて、その先端51’が液位センサ6よりも低い高さとなるように構成されている。
【0025】
管部51の先端寄り部分51Aは、栓体部52を熱媒注入口32に装着した際に、気液分離タンク3の上下方向に延びる中心軸Cに対して、適当な角度αだけ傾斜した姿勢となるように構成されている。このことにより、先端寄り部分51Aを中心軸Cからオフセットさせて、液位センサ6に接触することを回避することが可能である。先端寄り部分51Aを前記したように傾斜させるための手段としては、たとえば短管部51dを傾斜させておく手段を採用することができる。
【0026】
次に、前記した温水システムSと熱媒注入具5との組み合わせの作用について説明する。
【0027】
温水システムSを設置して使用する場合、熱媒循環経路4内に熱媒を予め充填しておく必要がある。この作業を行なうには、図2に示したように、熱媒注入具5の栓体部52を熱媒注入口32に装着し、管部51の先端寄り部分51Aを気液分離タンク3内に挿入させる。管部51の先端寄り部分51Aは、既述したように、気液分離タンク3の中心軸Cからオフセットされているために、先端寄り部分51Aと液位センサ6との干渉を適切に回避することが可能である。容器50内には、熱媒を予め入れておく必要があるが、その際には、掛止部材53を第1の掛止対象部位26aに掛止させ、容器50を気液分離タンク3よりも低い位置に吊り下げておけばよい(図示省略)。このことにより、容器50内に熱媒を入れる作業が容易となる。容器50内に熱媒を入れた後には、掛止部材53を第2の掛止対象部位26bに掛止させ、容器50を気液分離タンク3よりも高い位置に吊り下げる。このことにより、気液分離タンク3への熱媒の注入が開始される。なお、第1および第2の掛止対象部位26a,26bは、容器50を吊り下げるための専用の部材(た
とえば、フック状などの部材)を用いて構成してもよいが、必ずしもそのような専用部材を用いて構成されていなくてもよい。
【0028】
管部51の先端51’は、液位センサ6よりも低い位置にあるために、この先端51’から流出する熱媒が液位センサ6に直接かかることはない。したがって、液位センサ6に熱媒が直接かかることに起因して熱媒の液位が誤検出されることは適切に防止される。その結果、熱媒の液位が所定のレベルLVに達していないにも拘わらず、ポンプPの駆動が開始される不具合はない。
【0029】
熱媒の液位が所定のレベルLVに達すると、ポンプPの駆動が開始し、気液分離タンク3内の熱媒が熱媒循環経路4の各部に送られていく。その際、熱媒循環経路4内の空気が熱媒流入口30から気液分離タンク3内に流入する。これに対し、管部51の先端51’は、気液分離タンク3の底部近傍に位置しており、注入作業開始直後の時期を除き、それ以降は常時気液分離タンク3内の熱媒の液面よりも下方にある。このため、前記の空気が管部51内に進入することはない。その結果、管部51内に進入した空気の存在に起因して気液分離タンク3内への熱媒の注入作業に支障を生じるといった不具合も適切に防止される。なお、前記の空気は、逃がし口33から気液分離タンク3の外部に適切に逃がすことができる。
【0030】
気液分離タンク3内が熱媒により満たされた後には、余剰分の熱媒を逃がし口33からリザーブタンク22に送り込んで貯留させることが可能である。栓体部52は、管部51の取り付け状態を安定させる役割を果たすが、熱媒注入口32がこの栓体部52によって塞がれているために、熱媒注入口32から余剰分の熱媒が溢れ出ることも適切に防止される。
【0031】
図3は、本発明の他の実施形態を示している。同図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
【0032】
図3に示す実施形態においては、熱媒注入具5の栓体部52に、補助管部55が貫通して設けられている。この補助管部55は、たとえばその全体または略全体を合成樹脂製のホースとして構成されており、その一端55aは、気液分離タンク3内の上部に位置している。他端55bについては、リザーブタンク22内またはその上方に配置させることが可能である。
【0033】
本実施形態においては、気液分離タンク3の逃がし口33に対する管体接続作業が未だ完了しておらず、逃がし口33が閉塞状態にあったとしても、補助管部55を利用して気液分離タンク3内の空気を逃がすことができる。また、気液分離タンク3内に熱媒が充満した後には、余剰の熱媒をリザーブタンク22内に適切に流入させることが可能である。
【0034】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明が適用される温水システムおよび熱媒注入具の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0035】
本発明に係る熱媒注入具の容器は、必ずしも軟質な合成樹脂製の袋でなくてもよく、たとえば比較的硬質の部材からなる容器であってもよい。熱媒注入具の管部は、栓体部が気液分離タンクの熱媒注入口に装着されたときに、気液分離タンク内の底部近傍まで延びて、その先端が液位センサよりも低い配置となる構成であればよい。複数のホースなどが連結された構成に代えて、単一部材(たとえば、1本のホース)で構成することもできる。上述した実施形態では、管部の先端寄り部分は、気液分離タンクの中心軸に対して適当な角度αだけ傾斜しているが、このような傾斜が無い構成とすることもできることは勿論である。栓体部は、気液分離タンクの熱媒注入口に装着可能であればよく、やはりその具体
的な材質や形状などは限定されない。
【0036】
本発明でいう温水システムは、太陽熱温水システムに限定されず、たとえばバーナにより発生された燃焼ガスを利用して熱媒を加熱するタイプの温水システム、あるいは燃料電池やガスエンジンなどから排出される高温の排ガスを利用して熱媒を加熱する温水システムとして構成することもできる。また、貯湯タンクを有しないものとして構成することもできる。本発明における熱媒は、液体であるが、その具体的な種類は問わず、不凍液の他に、たとえば水道水などの水を用いることもできる。
【符号の説明】
【0037】
S 温水システム
P 熱媒循環用のポンプ
C 中心軸(気液分離タンクの)
3 気液分離タンク
5 熱媒注入具
6 液位センサ
26a,26b 第1および第2の掛止対象部位
32 熱媒注入口
50 容器(熱媒注入具の)
51 管部(熱媒注入具の)
51’先端(管部の)
52 栓体部(熱媒注入具の)
53 掛止部材(熱媒注入具の掛止手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の熱媒が一定経路で循環する熱媒循環経路に気液分離タンクが設けられ、かつこの気液分離タンク内に設けられた液位センサを利用して検出される熱媒の液位に基づいて熱媒循環用のポンプの駆動が制御されるように構成された温水システムと、
熱媒を貯留可能な容器に栓体部が設けられた管部が接続され、かつ前記容器内の熱媒を前記気液分離タンクの上部に設けられている熱媒注入口から前記気液分離タンク内に前記管部を利用して注入するための熱媒注入具と、
を具備している、温水システムと熱媒注入具との組み合わせであって、
前記熱媒注入具は、前記栓体部が前記熱媒注入口に装着されたときに、前記管部が前記気液分離タンク内の底部近傍まで延び、前記管部の先端が、前記液位センサよりも低い配置となるように構成されていることを特徴とする、温水システムと熱媒注入具との組み合わせ。
【請求項2】
前記熱媒注入具は、前記栓体部が前記熱媒注入口に装着されたときに、前記管部の前記栓体部よりも先端寄り部分が前記気液分離タンクの上下方向に延びる中心軸に対して傾斜した姿勢となるように設定され、前記管部の先端寄り部分を前記中心軸からオフセットさせて前記液位センサとの接触を回避することが可能な構成とされている、請求項1に記載の温水システムと熱媒注入具との組み合わせ。
【請求項3】
前記熱媒注入具は、前記容器を吊り下げるための掛止手段を備えており、
前記温水システムは、前記容器が前記気液分離タンクよりも低位置に吊り下げられて前記容器から前記気液分離タンクへの熱媒注入が阻止されるように、前記掛止手段を掛止可能な第1の掛止対象部位と、前記容器が前記気液分離タンクよりも高位置に吊り下げられて前記容器から前記気液分離タンクへの熱媒注入が行なわれるように、前記掛止手段を掛止可能な第2の掛止対象部位と、を備えている、請求項1または2に記載の温水システムと熱媒注入具との組み合わせ。
【請求項4】
液体の熱媒が一定経路で循環する熱媒循環経路に気液分離タンクが設けられ、かつこの気液分離タンク内に設けられた液位センサを利用して検出される熱媒の液位に基づいて熱媒循環用のポンプの駆動が制御されるように構成された温水システムを使用対象とする熱媒注入具であり、
熱媒を貯留可能な容器と、この容器に接続された管部と、この管部に取り付けられ、かつ前記気液分離タンクの上部の熱媒注入口に装着可能な栓体部と、を具備している熱媒注入具であって、
前記栓体部が前記熱媒注入口に装着されたときに、前記管部が前記気液分離タンク内の底部近傍まで延び、前記管部の先端が、前記液位センサよりも低い配置となるように構成されていることを特徴とする、熱媒注入具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−73005(P2012−73005A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219900(P2010−219900)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】