説明

温水供給装置接続ユニット

【課題】
安定した温度で給湯が可能な温水供給装置接続ユニットを提供する。
【解決手段】
太陽熱温水器1から供給される温水と上水から供給される冷水を任意の混合比で混合して混合水を生成する混合弁331を備えて、前記混合水を給湯器4に供給する温水供給装置接続ユニット3において、前記温水の温度を検出する温水用サーミスタ322と、前記冷水の温度を検出する冷水用サーミスタ313と、前記混合水の温度を検出する給湯用サーミスタ333と、混合弁331から流出する前記混合水の流量を検出する流量センサ332と、温水用サーミスタ322の検出温度と冷水用サーミスタ313の検出温度と給湯用サーミスタ333の検出温度と流量センサ332の検出流量に基づいて混合弁331の混合比を調節する制御基板34を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽熱温水器等の温水供給装置から供給される温水を冷水と混合して、補助熱源機に送出する温水供給装置接続ユニット、特に温水供給装置から供給される温水の有効利用と補助熱源機に送出する混合水の温度調整に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽熱を利用する太陽熱温水器あるいは熱機関や空調機器の排熱を利用する温水器等の温水供給装置は、従来捨てられていたエネルギーを有効利用するものであり、省エネルギーに役立つので、民生用産業用を問わず、多くの施設に普及している。しかしながら、太陽熱の量は季節や天候によって変動するので、太陽熱だけでは必要とする温度と量の温水を得られない場合がある。また、熱機関等の排熱も、熱機関等自体の負荷の大小によって変動するので、排熱だけでは必要とする温度と量の温水を得られない場合がある。そこで、温水供給装置をガス、灯油あるいは電熱等を利用する補助熱源機に接続して、太陽熱や排熱だけで必要な熱量を賄えない場合に、不足する熱量をガス等の燃焼熱あるいは電熱によって補って、必要とする温度と量の温水を供給することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には太陽熱温水器から供給される温水と、給水回路から供給される冷水を混合した混合水を給湯器に供給する湯水混合器と、前記給湯器から流出する温水の温度を所望の温度に設定する湯温設定器を備え、前記混合水の温度が前記湯温設定器の設定温度に等しくなるように、前記湯水混合器における温水と冷水の混合割合を調整する給湯器用温水供給装置接続ユニットが開示されている
【特許文献1】特許第3219364号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された給湯器用温水供給装置接続ユニットは、給湯器から流出する温水と等しい温度の混合水を給湯器に供給するので、給湯器での加温が不要(つまり、燃料を焚かない)であり、省エネ性に優れているが、混合水の温度をフィードバックして温水と冷水の混合比を調整するので、混合水の温度の変化と混合比を調整の間にタイムラグがあり、そのため、混合水の温度が安定しないという問題があった。特に、給湯開始直後は配管内の比較的低温の温水が流れ、その後に太陽熱温水器本体の高温の温水が流れるが、このような急激な温度変化に給湯器用温水供給装置接続ユニットおよび給湯器による温度調節機能が追い付かないので、使用者がやけどを負う等の危険があった。
【0005】
また、給湯器の湯温設定器の設定温度に等しい温度に調整された混合水が給湯器へ供給されるため、給湯器により更に加熱されて高温の温水を供給する危険性を孕んでいた。さらに、温水供給装置接続ユニットに接続される給湯器は、当該温水供給装置接続ユニットに接続されることを前提に設計されたものである必要があったので、既設の給湯器と温水供給装置接続ユニットを自由に組み合わせることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、温水供給装置が供給する温水を有効に利用して、燃料、電力の節減を図るとともに、補助熱源機による給湯温度を安定化できる温水供給装置接続ユニットを提供することを目的とする。また、温水供給装置および補助熱源機の機種を問わずに自由に組み合わせることができる温水供給装置接続ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の温水供給装置接続ユニットの第1の構成は、温水供給装置から供給される温水と上水から供給される冷水を混合して必要な混合割合の混合水を送出する混合弁を備え、前記混合水を補助熱源機に供給する温水供給装置接続ユニットにおいて、前記温水の温度を検出する温水温度センサと、前記冷水の温度を検出する冷水温度センサと、前記混合水の温度を検出する混合水温度センサと、前記混合弁から送出する前記混合水の流量を検出する混合水流量センサと、前記温水温度センサの検出温度と前記冷水温度センサの検出温度と前記混合水温度センサの検出温度と前記混合水流量センサの検出流量に基づいて前記温水と前記上水の混合割合を調節して、前記混合水が前記補助熱源機に供給する熱量が要求される目標熱量になるように制御する制御部を備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成により、温水供給装置から供給される温水の温度と、上水から供給される冷水の温度と、前記温水と前記冷水を混合した混合水の流量に基づいて、前記混合水が補助熱源機に供給する熱量を求め、前記熱量が要求される目標熱量になるように、温水と上水の混合割合を調節する。これにより、温水供給装置接続ユニットは補助熱源機が必要とする熱量を過不足なく供給することができる。また、温水及び冷水の温度変化、混合水の流量変化に対して迅速なフィードバックが可能となるので、補助熱源機に供給する混合水の温度が安定する。なお、ここで、温水供給装置とは、太陽熱を利用する太陽熱温水器あるいは熱機関や空調機器等の排熱を利用する温水器などである。また、補助熱源機とは、太陽熱温水器等から供給される温水を更に加熱して所定の温度に調整する装置であって、具体的には、ガス給湯器、石油給湯器、電熱給湯器等の中から任意に選ぶことができる。
【0009】
本発明の温水供給装置接続ユニットの第2の構成は、前記第1の構成において、前記制御部は、前記補助熱源機から外部に送出される温水の温度であって使用者が設定する温度(以下、「設定温度」という。)と前記混合水流量センサの検出流量及び前記冷水温度センサの検出温度に基づいて、前記補助熱源機に供給すべき熱量(以下、「追加熱量」という。)を算出する追加熱量算出手段と、前記補助熱源機が供給することが可能な最低熱量(以下、「最低供給熱量」という。)を前記追加熱量から減算することにより、前記補助熱源機に供給すべき必要供給熱量を算出する必要供給熱量算出手段と、前記温水温度センサの検出温度と前記冷水温度センサの検出温度と前記混合水温度センサの検出温度と前記混合水流量センサの検出流量に基づいて、前記混合水が前記補助熱源機に供給する熱量が前記必要供給熱量となるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する目標熱量制御手段を
備えたことを特徴とする。
【0010】
この構成により、補助熱源機の設定温度と混合水流量及び冷水温度に基づいて、補助熱源機に供給すべき追加熱量を算出し、補助熱源機の最低供給熱量を前記追加熱量から減算して必要供給熱量を算出し、混合水が前記補助熱源機に供給する熱量が前記必要供給熱量となるように温水と上水の混合割合を調節する。これにより、混合水が補助熱源機に供給する熱量は、常に追加熱量に対して補助熱源機の最低供給熱量の分だけ小さいので、補助熱源機を最低供給熱量近傍で燃焼させて正確な温度調節を行える。このため、太陽熱等を最大限に利用しつつ、正確な温度調節が可能になる。
【0011】
本発明の温水供給装置接続ユニットの第3の構成は、前記第2の構成において、前記制御部は、前記補助熱源機から外部に送出される温水の温度であって使用者が設定する温度(以下、「設定温度」という。)と前記混合水流量センサの検出流量及び前記冷水温度センサの検出温度に基づいて、前記補助熱源機に供給すべき熱量(以下、「追加熱量」という。)を算出する追加熱量算出手段と、前記追加熱量に所定の消耗熱量を加算することにより、前記補助熱源機に供給すべき熱量(以下、「必要供給熱量」という。)を算出する必要供給熱量算出手段と、前記温水温度センサの検出温度と前記冷水温度センサの検出温度と前記混合水温度センサの検出温度と前記混合水流量センサの検出流量に基づいて、前記混合水が前記補助熱源機に供給する熱量が前記必要供給熱量となるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する目標熱量制御手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
この構成により、追加熱量に所定の消耗熱量を加算した必要供給熱量に等しい熱量が、温水供給装置接続ユニットから補助熱源機に供給される。これにより、補助熱源機で燃料を焚くことなしに、設定温度の温水を外部に供給することができる。ここで、所定の消耗熱量とは、(停止状態の)補助熱源機の内部で放熱されて、混合水が失う熱量をいう。
【0013】
本発明の温水供給装置接続ユニットの第4の構成は、前記第2の構成において、前記制御部は、前記補助熱源機のリモコン端子に接続されて、前記リモコンの操作信号を傍受する通信傍受手段と、前記リモコンの操作信号に基づいて前記補助熱源機の設定温度を検出する設定温度検出手段を備えることを特徴とする。
【0014】
この構成により、通信傍受手段が傍受する補助熱源機のリモコンの操作信号から検出した前記補助熱源機の前記設定温度に基づいて、前記追加熱量を算出することができる。これにより、設定温度をマニュアル入力する必要がなくなり、温水供給装置接続ユニットの操作性が向上する。また、通信傍受手段は補助熱源機のリモコンの操作信号を傍受するものなので、補助熱源機のリモコンを通信傍受手段の仕様に合わせて設計する必要がなく、補助熱源機あるいはリモコンの機種に関わらず、通信傍受手段とリモコンを接続して、設定温度を検出することができる。
【0015】
本発明の温水供給装置接続ユニットの第5の構成は、前記第4の構成において、前記制御部は、前記リモコンの操作信号の形式に基づいて前記補助熱源機の機種を判別する機種判別手段を備え、前記目標熱量制御手段は前記補助熱源機の機種に応じた制御目標を設定することを特徴とする。
【0016】
この構成により、通信傍受手段が傍受する補助熱源機のリモコンの操作信号から判別した前記補助熱源機の機種に応じた制御目標を設定することができる。これにより、機種に応じた制御目標の選択が自動化される。
【0017】
本発明の温水供給装置接続ユニットの第6の構成は、前記第5の構成において、前記目標熱量制御手段は、前記リモコンの操作信号の形式が、前記機種判別手段が記憶する何れの機種にも該当しないと前記機種判別手段が判定した場合に、前記混合水の温度が前記制御部に予め設定された温度になるように前記混合弁の制御を行うことを特徴とする。
【0018】
この構成により、前記機種判別手段が補助熱源機の機種を判別できない場合に、前記混合弁から送出される混合水の温度が制御部に予め設定された温度になるように前記混合弁の制御を行う。これにより、本発明の温水供給装置接続ユニットは補助熱源機の機種を問わず接続することができる。また、補助熱源機の機種の判別が不可能な状態においても、制御不能に陥ることがない。
【0019】
本発明の温水供給装置接続ユニットの第7の構成は、前記第2の構成において、前記制御部は、前記補助熱源機のリモコン端子に接続されて、前記リモコンの操作信号を傍受する通信傍受手段と、前記リモコンの操作信号に基づいて前記補助熱源機の設定温度を検出する設定温度検出手段と、前記リモコンの操作信号から前記補助熱源機が運転状態にあるか停止状態にあるかを検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段が、前記補助熱源機が運転状態から停止状態に変化したことを検出した時に、その直前の前記補助熱源機の設定温度を記憶する設定温度記憶手段を備え、前記運転状態検出手段が、前記補助熱源機が停止状態にあることを検出した場合に、前記追加熱量算出手段は、前記設定温度記憶手段に記憶された設定温度、又はその温度に所定のロス温度を加算した温度と前記混合水流量センサの検出流量及び前記冷水温度センサの検出温度に基づいて前記追加熱量を算出し、前記必要供給熱量算出手段は、前記最低供給熱量を0として必要供給熱量を算出することを特徴とする。
【0020】
この構成により、通信傍受手段で傍受される前記補助熱源機のリモコンの操作信号から前記補助熱源機が運転状態にあるか停止状態にあるかを検出し、前記補助熱源機が停止状態にあることを検出した場合には、前記設定温度記憶手段に記憶された停止直前の設定温度に基づいて、必要供給熱量を算出する。これにより、補助熱源機が停止状態にあっても、停止直前の設定温度で制御されるので、予期しない高温の給湯がなされる心配がなくなる。また、補助熱源機が停止したまま(補助熱源機による加温なしで)、設定温度の温水を供給することができる。
【0021】
本発明の温水供給装置接続ユニットの第8の構成は、前記第2の構成において、前記制御部は、温度設定スイッチを備え、前記温度設定スイッチは、前記混合水が供給する熱量が前記必要供給熱量となるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する第1の制御モード、前記混合水が供給する熱量が前記制御部に予め設定された温度に相当する熱量から前記最低供給熱量を減算した熱量になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する第2の制御モード、前記混合水が供給する熱量が前記制御部に予め設定された温度に相当する熱量になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する第3の制御モード、前記混合水が供給する熱量が前記追加熱量になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する第4の制御モード、の何れかを選択して実行することを特徴とする。
【0022】
この構成により、温度設定スイッチの操作により第1ないし第4の制御モードを自由に選べるので、使用目的に応じた最適な制御が行える。
【0023】
本発明の温水供給装置接続ユニットの第9の構成は、前記第2の構成において、前記制御部は、前記補助熱源機のリモコン端子に接続されて、前記リモコンの操作信号を傍受する通信傍受手段と、前記リモコンの操作信号に基づいて前記補助熱源機の設定温度を検出する設定温度検出手段を備え、前記目標熱量制御手段は、前記補助熱源機の設定温度が所定の閾値より高い場合は、前記混合弁から送出される前記混合水の温度が前記設定温度または前記設定温度に所定のロス温度を加算した温度になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する制御を行い、前記補助熱源機の設定温度が前記閾値より低い場合は、前記温水温度センサの検出温度と前記冷水温度センサの検出温度と前記混合水温度センサの検出温度と前記混合水流量センサの検出流量に基づいて、前記混合水が前記補助熱源機に供給する熱量が前記必要供給熱量となるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する制御を行うことを特徴とする。
【0024】
この構成により、前記設定温度が所定の閾値より高い場合は、混合水の温度が前記設定温度または前記設定温度に所定のロス温度を加算した温度になるように前記混合弁の混合割合を調節する制御を行い、前記設定温度が前記閾値より低い場合は、前記混合水が前記補助熱源機に供給する熱量が前記必要供給熱量となるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する制御を行う。これにより、補助熱源機の設定温度が正確な温度調整の必要性が低い高温領域に有るときは、補助熱源機を消火して燃料を節約する制御を行う一方、正確な温度調整が求められる低温領域においては、補助熱源機を燃焼させて正確な温度調整を行うので、省エネ性と正確な温度調整を両立することができる。
【0025】
本発明の温水供給装置接続ユニットの第10の構成は、前記第2の構成において、前記制御部は、前記補助熱源機のリモコン端子に接続されて、前記リモコンの操作信号を傍受する通信傍受手段と、前記通信傍受手段で傍受される前記リモコンの操作信号から、前記給湯器の動作を「給湯」、「湯張り、足し湯」、「追いだき給湯同時」、「ぬるめ、残水パージ、浴槽洗浄」の何れかに設定する信号(以下、「動作設定信号」という。)を検出する動作設定検出手段を備え、前記目標熱量制御手段は前記動作設定検出手段で検出した前記動作設定信号に応じた制御目標を設定することを特徴とする。
【0026】
この構成により、目標熱量制御手段は動作設定検出手段で検出した動作設定信号に応じた制御目標を設定するので、補助熱源機の動作設定に応じて、合目的的な制御を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明の温水供給装置接続ユニットは、給湯器の設定温度に応じた最適な温度の混合水を給湯器に供給できるので、安定した温度での給湯が可能になる。また、給湯器の形式、機種、状態に応じた制御目標を選択できるので、給湯器の機種等を問わずに使用できる。このように、本発明は温水供給装置接続ユニットの実用性を向上する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0029】
図1は本発明の実施例を示す給湯システムの構成図である。この給湯システムは、太陽熱温水器1を温水供給装置とし、ガスまたは灯油を燃料として利用する給湯器4を補助熱源機とするシステムであり、太陽熱温水器1から供給される温水と、上水に接続された給水管2から供給される冷水を温水供給装置接続ユニット3で混合して給湯器4に供給し、給湯器4で所望の温度に調整して、蛇口5および浴槽6に供給する。
【0030】
温水供給装置接続ユニット3は、冷水用逆止弁311、減圧弁312、冷水用サーミスタ313、高温出湯防止弁314、温水用逆止弁321、温水用サーミスタ322、混合弁331、混合水用流量センサ332、混合水用サーミスタ333、ポンプ334、過圧逃し弁335およびこれらを制御する制御基板34を備えている。なお、制御基板34の詳細な構成については、後述する。
【0031】
給水管2から温水供給装置接続ユニット3に供給された冷水は、冷水用逆止弁311および減圧弁312を通って、混合弁331に流入する。太陽熱温水器1から温水供給装置接続ユニット3に供給される温水は、温水用逆止弁321を通って混合弁331に流入し、前記冷水と混合されて混合水になり、ポンプ334によって、給湯器4に送出される。
【0032】
前記冷水の温度は冷水用サーミスタ313で、前記温水の温度は温水用サーミスタ322で、それぞれ計測される。また混合弁331を出た混合水の温度(以下、「混合水温度」という。)は混合水用サーミスタ333で計測される。制御基板34は、冷水用サーミスタ313、温水用サーミスタ322および混合水用サーミスタ333の出力をモニターして、混合水温度が所定の値になるように混合弁331を操作して、前記冷水と前記温水の混合割合を調節する。
【0033】
高温出湯防止弁314は、混合弁331をバイパスして冷水をポンプ334に流す弁であり、例えば、太陽熱温水器1から供給される温水の温度が急に上昇して、混合弁331の動作がそれに追随できないような場合に、予期しない高温の混合水が給湯器4に流れるのを防ぐ安全装置である。
【0034】
過圧逃し弁335はポンプ334と給湯器4の間にあって、混合水の圧力が過大になった時に開いて、ポンプ334の破損を防止する安全弁である。
【0035】
給湯器4には、リモコン端子台41を介して、リモコン42が接続されている。リモコン42は、給湯器4の入切、温度の設定(以下、リモコン42で使用者が設定した温度を単に設定温度と言うことにする)、浴槽6の湯張り、追い焚き等を指示する操作器である。リモコン端子台41は温水供給装置接続ユニット3の制御基板34とも接続され、リモコン42から給湯器4に送られる操作信号は制御基板34で傍受される。
【0036】
また、給湯器4は、温水供給装置接続ユニット3から供給される混合水をリモコン42で設定された温度まで加温して蛇口5から吐出する第1の管系と、前記混合水を加温して浴槽6に供給(湯張り)するとともに、浴槽内の湯を再加温(追い焚き)する第2の管系の2管系を備えている。以下では、蛇口5から吐出する湯の温度を給湯温度と言うことにする。
【0037】
なお、リモコン42は、給湯器4に固有の操作器であり、太陽熱温水器1あるいは温水供給装置接続ユニット3を直接に操作するものではない。既設の給湯器4に後付された温水供給装置接続ユニット3を制御するために、制御基板34がリモコン42の操作信号を「傍受」していると言うべきものである。
【0038】
図2は、制御基板34の入出力を説明する模式図である。制御基板34は商用電源(AC100V 50/60Hz)を動力に、給湯器4のリモコン端子台41から入力されるリモコン42の操作信号、混合水用流量センサ332、冷水用サーミスタ313の出力信号、温水用サーミスタ322の出力信号および混合水用サーミスタ333の出力信号の入力を受けて、混合弁331の操作信号、高温出湯防止弁314の操作信号、ポンプ334の動力および凍結防止ヒータ351の動力を出力する。
【0039】
また、制御基板34には温度設定スイッチ352が備えられている。温度設定スイッチ352の具体的な機能については後述する。
【0040】
図3は、制御基板34の構成を示すブロック図である。制御基板は、通信傍受手段341、設定温度検出手段342、運転状態検出手段343、機種判別手段344、動作設定検出手段345、追加熱量算出手段346、設定温度記憶手段347、必要供給熱量算出手段348及び目標熱量制御手段349から構成されている。
【0041】
通信傍受手段341は、給湯器4のリモコン端子台41からリモコン42の操作信号を傍受して、設定温度検出手段342、運転状態検出手段343、機種判別手段344、動作設定検出手段345に、前記操作信号を分配する制御モジュールである。
【0042】
設定温度検出手段342は、通信傍受手段341から分配された前記操作信号に基づいて、給湯器4の設定温度、つまり、使用者がリモコン42で設定した給湯温度を検出して、追加熱量算出手段346及び設定温度記憶手段347に出力する制御モジュールである。なお、設定温度検出手段342は機種判別手段344が検出する機種情報に基づいて、リモコン42の操作信号のフォーマットを知って、前記操作信号から前記設定温度に関する情報を抽出する。
【0043】
運転状態検出手段343は、通信傍受手段341から分配された前記操作信号に基づいて、給湯器4の運転状態、つまり給湯器4が運転(燃焼)状態にあるか、停止(消化)状態にあるかを検出する制御モジュールである。また、給湯器4が運転状態から停止状態に変化することを運転状態検出手段343が検出すると、運転状態検出手段343は設定温度検出手段342に信号を送信する。前記信号を受けた設定温度検出手段342は、運転状態から停止状態に変化する直前の設定温度を設定温度記憶手段347に送信する。
【0044】
機種判別手段344は、通信傍受手段341から分配された前記操作信号のサイズやフォーマットを、その内部に記憶した各種の補助熱源機の操作信号の仕様に関する情報と照合して、給湯器4の機種を判別して、その結果(機種情報)を必要供給熱量算出手段348に送信する制御モジュールである。
【0045】
動作設定検出手段345は、通信傍受手段341から分配された前記操作信号に基づいて、使用者がリモコン42で設定した給湯器4の動作設定信号(「給湯」、「湯張り、足し湯」、「追いだき給湯同時」、「ぬるめ、残水パージ、浴槽洗浄」の4種)を判別して、その結果を必要供給熱量算出手段348に送信する制御モジュールである。なお、動作設定検出手段345も、機種判別手段344が検出する機種情報に基づいて、リモコン42の操作信号のフォーマットを知って、前記操作信号から前記動作設定信号を抽出する。
【0046】
追加熱量算出手段346は、設定温度検出手段342又は設定温度記憶手段347から入力された設定温度と、混合水用流量センサ332から入力された混合水の流量及び冷水用サーミスタ313から入力された冷水温度に基づいて、太陽熱温水器1が給水管2から供給される冷水に追加して給湯器4に供給すべき熱量(追加熱量)を算出して、必要供給熱量算出手段348に出力する制御モジュールである。なお、追加熱量の算出方法は後述する。
【0047】
設定温度記憶手段347は、給湯器4が運転状態から停止状態に変化した場合に、その直前の設定温度を記憶して、給湯器4が停止状態にある間は、前記直前の設定温度を追加熱量算出手段346に出力する手段である。
【0048】
必要供給熱量算出手段348は、追加熱量算出手段346で算出した追加熱量と機種判別手段344で判別された機種情報および動作設定検出手段345で検出した動作設定信号に基づいて、必要供給熱量を算出して、目標熱量制御手段349に出力する制御モジュールである。なお、必要供給熱量の算出方法は後述する。
【0049】
目標熱量制御手段349は、必要供給熱量算出手段348で算出した必要供給熱量、混合水用流量センサ332から入力された混合水の流量、混合水用サーミスタ333から入力された混合水温度、冷水用サーミスタ313から入力された冷水温度、温水用サーミスタ322から入力された温水温度及び温度設定スイッチ352の設定に基づいて、混合弁331の混合比を調節する制御モジュールである。また、目標熱量制御手段349は高温出湯防止弁314、ポンプ334及び凍結防止ヒータ351の制御も行う。なお、目標熱量制御手段349による制御の詳細は後述する。
【0050】
次に、制御基板34によって実行される温水供給装置接続ユニット3の制御の詳細を、温度設定スイッチ352の設定毎に場合分けして説明する。温度設定スイッチ352は
「0」から「9」までの10通りの設定をすることができ、大きく、次の4通りの制御モードに分けられる。
【0051】
(第1の制御モード)前記混合水が供給する熱量が前記必要供給熱量となるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する制御モードであり、温度設定スイッチ352を「0」に設定した場合がこれに該当する。
【0052】
(第2の制御モード)前記混合水が供給する熱量が前記制御部に予め設定された温度に相当する熱量から前記最低供給熱量を減算した熱量になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する制御モードであり、温度設定スイッチ352を「1」〜「4」に設定した場合がこれに該当する。
【0053】
(第3の制御モード)前記混合水が供給する熱量が前記制御部に予め設定された温度に相当する熱量になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する制御モードであり、温度設定スイッチ352を「5」〜「7」に設定した場合がこれに該当する。
【0054】
(第4の制御モード)前記混合水が供給する熱量が前記追加熱量になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する制御モードであり、温度設定スイッチ352を「8」または「9」に設定した場合がこれに該当する。
【0055】
(温度設定スイッチ352を「0」に設定した場合)
表1は、温度設定スイッチ352を「0」に設定した場合のリモコン42の設定と混合水温度の関係を給湯器4の機種別にまとめたものである。このように混合水の制御目標は、機種判別手段344で判別した給湯器4の機種と、動作設定検出手段345で検出した動作設定信号の内容及び設定温度検出手段342で検出された設定温度に基づいて、決定される。
【0056】
なお、機種判別手段344が給湯器4の機種を判別できない場合、つまり機種判別手段344が読み込んだリモコン42の操作信号のサイズやフォーマットが、機種判別手段344の内部に記憶した各種の補助熱源機の操作信号の仕様に関する情報のいずれとも合致しない場合は、設定温度検出手段342が設定温度を検出できないので、温度設定スイッチ352を「5」に設定した場合と同じ制御に切り替えられる。つまり混合水の温度が目標熱量制御手段349に予め設定された温度(=36℃)になるような制御がなされる。
【0057】
【表1】

【0058】
ここで、表1に示す温度と目標熱量の関係を説明する。
「設定温度−4号」:ガス給湯器Aに対して、「設定温度50℃以上で給湯」および「設定温度50℃未満で給湯」の動作設定を選んだ場合、又はガス給湯器Bに対して、「設定温度50℃未満で給湯」の動作設定を選んだ場合の目標温度である。「号」とは給湯器の能力を表示する単位であり、1リットルの水を1分間に25℃昇温させる能力である。したがって、4号とは4リットルの水を1分間に25℃昇温させる能力、すなわち7.0kW(100kcal/分)の発熱量を意味する。したがって、この目標温度の元では、給湯器4が給水管2から供給される冷水に追加すべき熱量(追加熱量)がおよび温水供給装置接続ユニット3が前記冷水に追加して給湯器4に供給すべき熱量(必要供給熱量)は下式で与えられる。この必要供給熱量が制御基板34による熱量制御の目標熱量になり、制御基板34は混合弁331から送出される混合水の供給熱量が必要供給熱量になるように混合弁331の冷水と温水の混合割合を調節する。
【0059】
add=4.2G(Tset−Tcold) (式1)
nec=Qadd−7.0 (式2)
ただし
set:設定温度(℃)
cold:冷水温度(℃)(冷水用サーミスタ313の検出温度)
G:混合水の流量(リットル/秒)(混合水用流量センサ332の検出流量)
add:追加熱量(kW)
nec:必要供給熱量(kW)
【0060】
なお、4号は給湯器4の最低燃焼号数(給湯器4が燃焼を行える最低の号数)であり、給湯器4の最低供給熱量(給湯器4が供給可能な最小の熱量)に相当する号数である。「設定温度−4号」は給湯器4の燃焼によって給湯温度を制御できるように、混合水温度を設定温度から4号相当分の温度だけ低温になるように設定するものである。
【0061】
「設定温度+0.5℃」:ガス給湯器B又は石油給湯器に対して、「設定温度50℃以上で給湯」の動作設定を選んだ場合の目標温度であり、給湯器4を焚かないで、設定温度の給湯を行うための目標温度である。0.5℃は給湯器4の内部で失われる消耗熱量を補うためのマージンである。この時の必要供給熱量は下式で与えられる。
【0062】
nec=4.2G(Tset+0.5−Tcold) (式3)
ただし
set:設定温度(℃)
cold:冷水温度(℃)(冷水用サーミスタ313の検出温度)
G:混合水の流量(リットル/秒)(混合水用流量センサ332の検出流量)
nec:必要供給熱量(kW)
【0063】
「設定温度−10.5kW」:石油給湯器に対して、「設定温度50℃未満で給湯」の動作設定を選んだ場合の目標温度であり、「設定温度−4号」と同様に給湯器4の燃焼によって給湯温度を制御するための目標温度である。10.5kW(9000kcal/h)は石油給湯器の最低供給熱量である。「設定温度−10.5kW」に相当する必要供給熱量は下式で与えられる。なお、このときの追加熱量は前述の(式1)で得られる。
【0064】
nec=Qadd−10.5 (式4)
ただし
add:追加熱量(kW)
nec:必要供給熱量(kW)
【0065】
「設定温度−7℃」:「追い焚き、給湯同時」の動作設定を選んだ時の目標温度であり、必要供給熱量は下式で与えられる。
【0066】
nec=4.2G(Tset−7−Tcold) (式5)
ただし
set:設定温度(℃)
cold:冷水温度(℃)(冷水用サーミスタ313の検出温度)
G:混合水の流量(リットル/秒)(混合水用流量センサ332の検出流量)
nec:必要供給熱量(kW)
【0067】
「冷水100%」:「ぬるめ、残水パージ浴槽洗浄」の動作設定を選んだ場合は、太陽熱温水器1の温水を使用せず、給水管2の冷水だけを給湯器4に供給する。
【0068】
「リモコン運転スイッチオフ直前の設定温度+0.5℃」:リモコン42の運転スイッチが切られ、電源が遮断された状態では、リモコン42の操作信号が温水供給装置接続ユニット3に入力されないので、設定温度記憶手段347に記憶された運転スイッチを切る直前の設定温度を基準に混合水の必要供給熱量を決定する。なお、0.5℃は給湯器4の内部での消耗熱量を補うためのマージンである。
【0069】
(温度設定スイッチ352を「1」、「2」に設定する場合)
温度設定スイッチ352を「1」に設定すると、リモコン42の操作信号に関係なく、混合水温度の制御目標は、「40℃−4号」になり、「2」に設定すると、混合水温度の制御目標は、「42℃−4号」になる。これらはガス給湯器用の制御目標である。「40℃−4号」および「42℃−4号」に相当する追加熱量は下式で与えられる。なお、このときの必要供給熱量は前述の(式2)で与えられる。
【0070】
add=4.2G(40−Tcold) (式6)
add=4.2G(42−Tcold) (式7)
ただし
cold:冷水温度(℃)(冷水用サーミスタ313の検出温度)
G:混合水の流量(リットル/秒)(混合水用流量センサ332の検出流量)
add:追加熱量(kW)
【0071】
(温度設定スイッチ352を「3」、「4」に設定する場合)
温度設定スイッチ352を「3」に設定すると、リモコン42の操作信号に関係なく、混合水温度の制御目標は、「40℃−10.5kW」になり、「4」に設定すると、混合水温度の制御目標は、「42℃−10.5kW」になる。これらは石油給湯器用の制御目標である。「40℃−10.5kW」および「42℃−10.5kW」に相当する追加熱量は(式6)および(式7)で与えられ、必要供給熱量は(式4)で与えられる。
【0072】
(温度設定スイッチ352を「5」、「6」、「7」に設定する場合)
温度設定スイッチ352を「5」に設定すると、リモコン42の操作信号に関係なく、混合水温度の制御目標は、36℃になり、「6」に設定すると、混合水温度の制御目標は、40℃になる。「7」に設定すると、混合水温度の制御目標は、44℃になる。このときの追加熱量および必要供給熱量は下式で与えられる。
【0073】
(36℃) Qadd=Qnec=4.2G(36−Tcold) (式8)
(40℃) Qadd=Qnec=4.2G(40−Tcold) (式9)
(44℃) Qadd=Qnec=4.2G(44−Tcold) (式10)
ただし
cold:冷水温度(℃)(冷水用サーミスタ313の検出温度)
G:混合水の流量(リットル/秒)(混合水用流量センサ332の検出流量)
add:追加熱量(kW)
【0074】
(温度設定スイッチ352を「8」、「9」に設定する場合)
温度設定スイッチ352を「8、9」に設定すると、リモコン42の操作信号に応じて、表2に示すような混合水温度の制御目標が設定される。ただし、給湯開始時は温度設定スイッチ352が「0」の場合と同じ制御目標が設定され(低温モード)、太陽熱温水器1から供給される温水の温度が設定温度より10℃以上高い状態を10秒間連続して検知すると、表2に示す制御目標(高温モード)に切り替えられる。
また、高温モード運転中に混合水温度が設定温度より低い状態を10秒間連続して検知すると、低温モードに切り替えられる。
【0075】
【表2】

【0076】
以上のようにして、制御目標が決まると、目標熱量制御手段349は次のようなフローで混合弁331の混合割合を調整する。
【0077】
図4は、混合弁331の混合割合の調整方法を説明するフローチャートである。以下、この調整方法をステップ番号を引用して説明する。
【0078】
(ステップ1)
警報(冷水用サーミスタ異常、温水用サーミスタ異常、給湯用サーミスタ異常、高温出湯異常、リモコン通信異常および混合弁異常を検出した場合に発せられる)の有無を確認し、警報が出ていれば、混合弁331を供給熱量最小位置(冷水100%、温水0%)のポジションへ高速で移動させ、警報が無ければ、ステップ2に進む。何らかの異常が有った場合には、太陽熱温水器1からの温水の供給をカットして、予期しない高温の混合水の発生を防止するためである。
【0079】
(ステップ2)
混合水用流量センサ332の出力をチェックして、混合水が温水供給装置接続ユニット3から給湯器4に流れていなければ、混合弁331は初期待機位置(冷水と温水の混合割合が1:1のポジション)を維持して待機する。混合水が流れていれば、ステップ3に進む。
【0080】
(ステップ3)
後述する温水熱量急上昇フラグが立っていれば、混合弁331のポジションを供給熱量小方向(冷水の割合を大きくする方向)へ高速で移動し、前記フラグが立っていなければ、ステップ4に進む。
【0081】
(ステップ4)
供給熱量と目標熱量を比較して、供給熱量が目標熱量を超えていれば、混合弁331のポジションを供給熱量小方向(冷水の割合を大きくする方向)へ中速で移動し、供給熱量が目標以下ならば、ステップ5に進む。
【0082】
(ステップ5)
後述する温水熱量上昇フラグが立っていれば、混合弁331は現状のポジションを維持して待機する。前記フラグが立っていなければ、ステップ6に進む。
【0083】
(ステップ6)
供給熱量と目標熱量を比較して、供給熱量が目標熱量を下回っていれば、ステップ7に進み、供給熱量が目標熱量以上ならば、混合弁331は現状のポジションを維持して待機する。
【0084】
(ステップ7)
温水熱量が0.2kWを超えていれば、混合弁331のポジションを供給熱量大方向(温水の割合を大きくする方向)へ低速で移動し、そうでなければ、混合弁331のポジションを待機位置(冷水と温水の割合が等しくなる位置)へ中速で移動する。
【0085】
なお、温水熱量は、「単位時間に、混合弁331から給湯器4に向けて、混合水と共に送出される熱量」であり、ここでは給水管2から供給される冷水の熱量を基準(冷水の熱量=0)とする次の式で定義される。
【0086】
hot=4.2G(Thot−Tcold) (式11)
ただし
hot:温水熱量(kW)
G:混合水の流量(リットル/秒)(混合水用流量センサ332の検出流量)
hot:混合水温度(℃)(混合水用サーミスタ333の検出温度)
cold:冷水温度(℃) (冷水用サーミスタ313の検出温度)
【0087】
図5は、前述の温水熱量急上昇フラグおよび温水熱量上昇フラグの上げ下げを示すフローチャートである。以下にステップ番号を引用して説明する。
【0088】
(ステップ11)
混合水用流量センサ332の出力をチェックして、混合水が温水供給装置接続ユニット3から給湯器4に流れていなければ、ステップ12に進み、混合水が流れていれば、ステップ13に進む。
【0089】
(ステップ12)
タイマをリセットして0に戻し、その時の温水熱量の値を温水熱量ログに記録してフローの先頭に戻る。
【0090】
(ステップ13)
前記タイマが200msを経過していれば、ステップ14に進み、経過していなければ、フローチャートの先頭に戻る。温水熱量急上昇フラグおよび温水熱量上昇フラグの上げ下げを200msごとに行うための処理である。
【0091】
(ステップ14)
タイマをリセットして0に戻し、ステップ15に進む。
【0092】
(ステップ15)
この時の温水熱量と温水熱量ログにセットされた温水熱量(つまり、200ms前の温水熱量)の差が0.7kWより高ければ(つまり200ms当たりの温水熱量の増加が0.7kWを超えていれば)ステップ16に進み、そうでなければステップ17に進む。
【0093】
(ステップ16)
温水熱量急上昇フラグを上げて、ステップ21に進む。
【0094】
(ステップ17)
温水熱量急上昇フラグを下げて、ステップ18に進む。
【0095】
(ステップ18)
この時の温水熱量と温水熱量ログにセットされた温度熱量(つまり、200ms前の温水熱量)の差が0.2kWより高ければ(つまり200ms当たりの温水熱量の増加が0.2kWを超えていれば)ステップ19に進み、そうでなければステップ20に進む。
【0096】
(ステップ19)
温水熱量上昇フラグを上げて、ステップ21に進む。
【0097】
(ステップ20)
温水熱量上昇フラグを下げて、ステップ21に進む。
【0098】
(ステップ21)
この時の温水熱量を温水熱量ログにセットする。
【0099】
なお、本実施例では温水、冷水および混合水の温度を検出するセンサとしてサーミスタを用いたが、温度センサがサーミスタに限られないのは言うまでもない。
また、制御基板34は各制御モジュールをハードウェア的に表現して説明したが、制御基板34は、各制御モジュールを専用のハードウェアで構成した物に限られず、各制御モジュールの機能をソフトウェアで実現した物であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の実施例を示す給湯システムの構成図である。
【図2】制御基板の入出力を説明する模式図である。
【図3】制御基板の構成を示すブロック図である。
【図4】混合弁の混合割合の調整方法を説明するフローチャートである。
【図5】温水熱量急上昇フラグおよび温水熱量上昇フラグの上げ下げを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
1 太陽熱温水器
2 給水管
3 温水供給装置接続ユニット
311 冷水用逆止弁
312 減圧弁
313 冷水用サーミスタ
314 高温出湯防止弁
321 温水用逆止弁
322 温水用サーミスタ
331 混合弁
332 混合水用流量センサ
333 混合水用サーミスタ
334 ポンプ
335 過圧逃し弁
34 制御基板
341 通信傍受手段
342 設定温度検出手段
343 運転状態検出手段
344 機種判別手段
345 動作設定検出手段
346 追加熱量算出手段
347 設定温度記憶手段
348 必要供給熱量算出手段
349 目標熱量制御手段
351 凍結防止ヒータ
352 温度設定スイッチ
4 給湯器
41 リモコン端子台
42 リモコン
5 蛇口
6 浴槽



【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水供給装置から供給される温水と上水から供給される冷水を混合して必要な混合割合の混合水を送出する混合弁を備え、前記混合水を補助熱源機に供給する温水供給装置接続ユニットにおいて、
前記温水の温度を検出する温水温度センサと、
前記冷水の温度を検出する冷水温度センサと、
前記混合水の温度を検出する混合水温度センサと、
前記混合弁から送出する前記混合水の流量を検出する混合水流量センサと、
前記温水温度センサの検出温度と前記冷水温度センサの検出温度と前記混合水温度センサの検出温度と前記混合水流量センサの検出流量に基づいて前記温水と前記上水の混合割合を調節して、前記混合水が前記補助熱源機に供給する熱量が要求される目標熱量になるように制御する制御部を備えたこと
を特徴とする温水供給装置接続ユニット。
【請求項2】
前記制御部は、
前記補助熱源機から外部に送出される温水の温度であって使用者が設定する温度(以下、「設定温度」という。)と前記混合水流量センサの検出流量及び前記冷水温度センサの検出温度に基づいて、前記補助熱源機に供給すべき熱量(以下、「追加熱量」という。)を算出する追加熱量算出手段と、
前記補助熱源機が供給することが可能な最低熱量(以下、「最低供給熱量」という。)を前記追加熱量から減算することにより、前記補助熱源機に供給すべき必要供給熱量を算出する必要供給熱量算出手段と、
前記温水温度センサの検出温度と前記冷水温度センサの検出温度と前記混合水温度センサの検出温度と前記混合水流量センサの検出流量に基づいて、前記混合水が前記補助熱源機に供給する熱量が前記必要供給熱量となるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する目標熱量制御手段を
備えたことを特徴とする請求項1に記載の温水供給装置接続ユニット。
【請求項3】
前記制御部は、
前記補助熱源機から外部に送出される温水の温度であって使用者が設定する温度(以下、「設定温度」という。)と前記混合水流量センサの検出流量及び前記冷水温度センサの検出温度に基づいて、前記補助熱源機に供給すべき熱量(以下、「追加熱量」という。)を算出する追加熱量算出手段と、
前記追加熱量に所定の消耗熱量を加算することにより、前記補助熱源機に供給すべき熱量(以下、「必要供給熱量」という。)を算出する必要供給熱量算出手段と、
前記温水温度センサの検出温度と前記冷水温度センサの検出温度と前記混合水温度センサの検出温度と前記混合水流量センサの検出流量に基づいて、前記混合水が前記補助熱源機に供給する熱量が前記必要供給熱量となるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する目標熱量制御手段を
備えたことを特徴とする請求項1に記載の温水供給装置接続ユニット。
【請求項4】
前記制御部は、
前記補助熱源機のリモコン端子に接続されて、前記リモコンの操作信号を傍受する通信傍受手段と、
前記リモコンの操作信号に基づいて前記補助熱源機の設定温度を検出する設定温度検出手段を備えること
を特徴とする請求項2に記載の温水供給装置接続ユニット。
【請求項5】
前記制御部は、
前記リモコンの操作信号の形式に基づいて前記補助熱源機の機種を判別する機種判別手段を備え、
前記目標熱量制御手段は前記補助熱源機の機種に応じた制御目標を設定すること
を特徴とする請求項4に記載の温水供給装置接続ユニット。
【請求項6】
前記目標熱量制御手段は、
前記リモコンの操作信号の形式が、前記機種判別手段が記憶する何れの機種にも該当しないと前記機種判別手段が判定した場合に、前記混合水の温度が前記制御部に予め設定された温度になるように前記混合弁の制御を行うこと
を特徴とする請求項5に記載の温水供給装置接続ユニット。
【請求項7】
前記制御部は
前記補助熱源機のリモコン端子に接続されて、前記リモコンの操作信号を傍受する通信傍受手段と、
前記リモコンの操作信号に基づいて前記補助熱源機の設定温度を検出する設定温度検出手段と、
前記リモコンの操作信号から前記補助熱源機が運転状態にあるか停止状態にあるかを検出する運転状態検出手段と、
前記運転状態検出手段が、前記補助熱源機が運転状態から停止状態に変化したことを検出した時に、その直前の前記補助熱源機の設定温度を記憶する設定温度記憶手段を備え、
前記運転状態検出手段が、前記補助熱源機が停止状態にあることを検出した場合に、
前記追加熱量算出手段は、前記設定温度記憶手段に記憶された設定温度、又はその温度に所定のロス温度を加算した温度と前記混合水流量センサの検出流量及び前記冷水温度センサの検出温度に基づいて前記追加熱量を算出し、
前記必要供給熱量算出手段は、前記最低供給熱量を0として必要供給熱量を算出すること
を特徴とする請求項2に記載の温水供給装置接続ユニット。
【請求項8】
前記制御部は、温度設定スイッチを備え、
前記温度設定スイッチは、
前記混合水が供給する熱量が前記必要供給熱量となるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する第1の制御モード、
前記混合水が供給する熱量が前記制御部に予め設定された温度に相当する熱量から前記最低供給熱量を減算した熱量になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する第2の制御モード、
前記混合水が供給する熱量が前記制御部に予め設定された温度に相当する熱量になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する第3の制御モード、
前記混合水が供給する熱量が前記追加熱量になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する第4の制御モード、
の何れかを選択して実行すること
を特徴とする請求項2に記載の温水供給装置接続ユニット。
【請求項9】
前記制御部は
前記補助熱源機のリモコン端子に接続されて、前記リモコンの操作信号を傍受する通信傍受手段と、
前記リモコンの操作信号に基づいて前記補助熱源機の設定温度を検出する設定温度検出手段を備え、
前記目標熱量制御手段は、
前記補助熱源機の設定温度が所定の閾値より高い場合は、前記混合弁から送出される前記混合水の温度が前記設定温度または前記設定温度に所定のロス温度を加算した温度になるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する制御を行い、
前記補助熱源機の設定温度が前記閾値より低い場合は、前記温水温度センサの検出温度と前記冷水温度センサの検出温度と前記混合水温度センサの検出温度と前記混合水流量センサの検出流量に基づいて、前記混合水が前記補助熱源機に供給する熱量が前記必要供給熱量となるように前記温水と前記上水の混合割合を調節する制御を行うこと
を特徴とする請求項2に記載の温水供給装置接続ユニット。
【請求項10】
前記制御部は、
前記補助熱源機のリモコン端子に接続されて、前記リモコンの操作信号を傍受する通信傍受手段と、
前記通信傍受手段で傍受される前記リモコンの操作信号から、前記給湯器の動作を「給湯」、「湯張り、足し湯」、「追いだき給湯同時」、「ぬるめ、残水パージ、浴槽洗浄」の何れかに設定する信号(以下、「動作設定信号」という。)を検出する動作設定検出手段を備え、
前記目標熱量制御手段は前記動作設定検出手段で検出した前記動作設定信号に応じた制御目標を設定すること
を特徴とする請求項2に記載の温水供給装置接続ユニット。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−145157(P2006−145157A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338461(P2004−338461)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(390002886)株式会社長府製作所 (197)
【Fターム(参考)】