温水式床暖房装置の施工法及びその装置
【課題】既存のフローリング床の上に温水式床暖房装置を施工しても12mm床が高くなるだけの施工法を提供する。
【解決手段】ヘッダーパネルとUターンパネル4及び折り返しパネルを間隔を空けて配置することにより、各パネル間に温水パイプ6の露出部を形成すると共に各パネルの端面4b、の放熱シート9に温水パイプ6に沿ってスリットを設けて露出部側が浮上できるように形成する。施工に際しては、木質下地22上の既存のフローリング床20をカットして各パネルの落し込み部を形成し、ここに各パネルを落し込んで嵌合することにより温水パイプ6を既存のフローリング床20の上に浮上させて載せる。その上で裏面に温水パイプ6の収容溝12を形成した新規のフローリング床材11を被せるようにして溝12内に温水パイプ6を収容する。
【解決手段】ヘッダーパネルとUターンパネル4及び折り返しパネルを間隔を空けて配置することにより、各パネル間に温水パイプ6の露出部を形成すると共に各パネルの端面4b、の放熱シート9に温水パイプ6に沿ってスリットを設けて露出部側が浮上できるように形成する。施工に際しては、木質下地22上の既存のフローリング床20をカットして各パネルの落し込み部を形成し、ここに各パネルを落し込んで嵌合することにより温水パイプ6を既存のフローリング床20の上に浮上させて載せる。その上で裏面に温水パイプ6の収容溝12を形成した新規のフローリング床材11を被せるようにして溝12内に温水パイプ6を収容する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水式床暖房装置の施工法及びその装置に関し、更に詳しくは、温水式床暖房装置の無い部屋を温水式床暖房装置付にリフォームしたり、温水式床暖房装置を新規に施工する施工法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の住宅に設備されている温水式床暖房装置とは、温水パイプを蛇行配管した発泡ポリスチレン製の温水マットを木質下地上に敷設し、この温水マットの周囲と壁際の空間部には温水マットの高さに合わせたダミー合板を施工し、その上でフローリング床材に代表される床材を部屋の床全体に施工し、前記温水マットの前記温水パイプ内に熱源機で発生した約60℃の温水を循環させることにより床を温め、かつ室内を暖房する内容である。
【0003】
そして、前記温水マットには、床材を支持するための小根太と称される木製の支持材を一定の間隔で挿入しておき、この支持材上に例えば床材としてのフローリング床材を釘打ちで固定するタイプのものと、前記小根太を挿入しないで温水マットの上に直接カーペット等を施工するネダレスタイプのものとがある。
【0004】
また、従来の温水マットの場合、温水パイプを配管した表面には、放熱率の向上と均一化のためにアルミニュウムシート(以下「放熱シート」という。)が全面に貼り付けられている。
【0005】
このような構成の温水マットの場合、その厚さは通常12mmあり、この温水マットを戸建て住宅の場合は木質下地の上に敷き、集合住宅の場合にはスラブ上に直接敷き、更にこの温水マットとダミー合板の上に通常は12mmのフローリング床材を施工していることから、従来の温水式床暖房装置を施工する場合には、木質下地又はスラブ上に合計で約24mmのスペース(高さ)が必要となっている。
【0006】
また、前記木質下地及びダミー合板並びにフローリング床材の施工は内装工事の一環である大工工事となっており、温水マットの施工業者が行う訳ではない。
【0007】
このように、温水式床暖房装置の施工に際しては、床の高さの制約と、大工工事の問題があるため、例えば既存のフローリング床を温水式床暖房装置付のフローリング床にリフォームする場合には、一旦既存のフローリング床材を剥しとって木質下地を露出させ、この上に温水マットの施工業者が温水マットを敷設し、次に大工工事でダミー合板とフローリング床材を施工していることから、リフォームで温水式床暖房装置を取り付ける場合には、手間と工期及びコストが嵩むという問題がある。
【0008】
この問題の一つの解決法としては、既存のフローリング床には手をかけず、この既存のフローリング床の上に直接温水マットを敷き更にこの上に新規にフローリング床を施工する方法がある。
【0009】
しかし、この方法の場合、既存のフローリング床の上に12mm厚の温水マットを敷き、更にこの上に12mm厚のフローリング床材を施工するため、床の高さは従来より24mm高となり、この高さでは殆どの場合ドアーの開閉に支障を来し、採用できない場合が多い。
【0010】
そこで、温水マット及びフローリング床材を12mm以下の、それぞれ例えば7mm厚に成形したものを用いる提案もあるが、このように薄肉化すると床強度が低下してしまい、実用的には問題がある。このようなことから、従来のリフォーム工事にあっては、既存のフローリング床材を剥しとり、既存の木質下地を露出させ、この上に温水マットを敷き、この上に新規にフローリング床材を施工することにより、既存のフローリング床よりも12mm高くなる程度に抑える工法を採用している。
【0011】
しかし、この工法の場合、リフォームコストが嵩むという問題がある。
【0012】
このような要求を満す一つのアイデアとして、従来の温水マットを廃し、温水パイプを基材シート上に配管したものをフローリング床の上に敷き、この上に配管収容溝を裏面に形成したフローリング床材を施工する内容のものが特許文献1〜4に紹介されている。
【0013】
この施工によると、既存のフローリング床よりも12mm床が高くなるだけである。
【0014】
しかし、この公知例の場合、次のような問題がある。
1.温水パイプは基材シート上に蛇行配管され、この上にフローリング床材の裏面に形成した逆U字状の配管収容溝内に収容するため、温水パイプと溝との間において位置合わせを行う必要があり、これに手間がかかると共に専門業者の施工となる。
【0015】
2.上記位置合わせに際し、フローリング床材側の配管収容溝には自由度がないことから、一旦固定した基材シート上の温水パイプを無理に変位させてフローリング床材側の配管溝内に収容するため、温水パイプに無理な応力が発生し、耐久性に悪影響が出る。
【0016】
3.フローリング床材には雄実と雌実が形成されていて、この雄実と雌実を係合し、反対側の雄実を用いて釘留めして順次フロア材を固定しているため、(特許文献1段落[0023])フロア材の施工に手間と時間がかかり、釘打ち箇所が指定されているため釘打ちリスクの問題がある。
【0017】
4.フローリング床材は、温水パイプがUターンする部分の配管形態が多様なため、この形態ごとに多種類を用意する必要があり、製作及び施工並びに保管等にコストがかかる。
【0018】
5.基材シートに対する温水パイプの蛇行配管には精度が要求されるため、製作に手間とコストがかかる。
【0019】
6.ヘッダーを基材シート上に設けておくことができないため、別途ヘッダーの取付工事が必要となり、手間とコストがかかる。
【0020】
7.フローリング床材の裏面に形成する温水パイプの収容溝は、ある程度余裕を持たせるために幅広く形成する必要があるため、強度が低下する。
【0021】
8.基材シート自体は柔軟性を有するが、温水パイプは固定されているため、運搬や格納時に折り畳みはできず、仮に丸めたとしても温水パイプに応力が発生し、座屈などの心配があることから、運搬や格納を考えると小型の基材シートを組み合わせて使用しなければならず、施工に手間がかかり、また温水パイプのジョイント部分の数が増してこの分水漏れリスクが増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2004−257079号公報
【特許文献2】特開2003−21345号公報
【特許文献3】特開2005−18889号公報
【特許文献4】特開2005−282931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は叙上の如き問題点に鑑みて提供されるものであって、第1の課題は、既存のフローリング床の一部を繰り抜きカットするだけでこの既存のフローリグ床の上に直接温水式暖房装置を施工し、更に新規にフローリング床材を施工しても床の高さが12mm増すだけの施工法とその装置を提供することである。
【0024】
更に、第2の課題は、木質下地が施工されている部屋の場合において温水式床暖房装置付のフローリング床にリフォームする場合、あるいは新設する場合に、既存の床と同じ高さの床に施工することができる施工法とその装置を提供することである。
【0025】
更に、第3の課題は、施工に手間とコストがかからず、公知文献で指摘した専門業者を必要とせず、特にリフォームに適した温水式床暖房装置の施工法とその装置を提供することである。
【0026】
更に、第4の課題は、温水パイプに無理がかからず、フローリング床の施工が簡単で釘打ちリスクの無い温水式床暖房装置の施工法とその装置を提供することである。
【0027】
更に、第5の課題は、同一の現場で使用するフローリング床材を一種類で済むようにして施工性を高め、かつコストの低減を可能にする温水式床暖房装置の施工法とその装置を提供することである。
【0028】
更に、第6の課題は、あらかじめヘッダーをパネル内に収納して施工性を高め、かつコストの低減を可能にする温水式床暖房装置の施工法とその装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、a.温水式床暖房装置において、フローリング床材の下に敷設して用いられる放熱ユニットであって、この放熱ユニットは、
b.ヘッダーを組み付けたヘッダーパネル及び折り返しパネルと、このヘッダーパネル及び折り返しパネルとの間に間隔を空けて対向するように配置されたUターンパネルから成ると共に前記ヘッダーパネルと折り返しパネル及びUターンパネル間に配管されている温水パイプは、露出した状態で対向する各パネル間を結ぶように配管されていること、
c.温水パイプを配管した前記各パネルの上面にはアルミ箔製の放熱シートが貼り合わされていると共にこの放熱シートには、前記露出している温水パイプが各パネル内に入った所定の区間だけ温水パイプの浮上を許容するパイプ浮上手段が形成されていること、
d.前記放熱ユニットを既存のフローリング床又は木質下地上に敷設した上に施工される新規のフローリング床材の下面には、前記浮上した部分の温水パイプを収容する温水パイプ収容溝が形成されていること、を特徴とするものである。
【0030】
この発明によると、既存のフローリング床の上に温水式床暖房装置付のフローリング床に仕上げたとしても約12mm床面が高くなるだけで済む。また、ヘッダーをヘッダーパネル内にあらかじめ組み付けておくことができる。
【0031】
更に、請求項2に記載の発明では、前記露出した部分の温水パイプには、それぞれ放熱手段が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0032】
この発明により、放熱効率を向上させることができる。
【0033】
更に、請求項3に記載の発明では、前記フローリング床材に形成した温水パイプ収容溝又はこの溝を含むフローリング床材の裏面の一部又は全部にはアルミ箔製の放熱シートが張り付けられていることを特徴とするものである。
【0034】
この発明によると、温水パイプに放熱フィンを取り付ける場合に比較してコストの低減が可能である。
【0035】
更に、請求項4に記載の発明では、前記各パネルに形成されたパイプ浮上手段として、各パネルの表面に張り付けられた放熱シートにおいて、温水パイプが各パネルに侵入する部分に温水パイプの浮上を許容するスリット又はコ字状の切り欠き又は放熱シートを張り付けない領域のパイプ浮上手段が形成されていることを特徴とするものである。
【0036】
この発明によると、露出した部分の温水パイプに下方から力がかかると、スムーズに温水パイプが浮上する。
【0037】
更に、請求項5に記載の発明では、前記各パネルは、発泡樹脂板又は木質板又は発泡樹脂板と木質板の併合板で構成されていることを特徴とするものである。
【0038】
更に、請求項6に記載の発明では、前記フローリング床材の周囲の端面には、雄実と雌実又は段違いの係合手段が形成されていて、フローリング床材の施工に際してはこの係合手段でフローリング床材を突き合わせ、釘打ちはこの係合手段部において行うように構成されていることを特徴とするものである。
【0039】
更に、請求項7に記載の発明では、前記フローリング床材の裏面には、前記温水パイプの露出部のピッチに合せたピッチで温水パイプ収容溝が横又は縦方向に形成されていることを特徴とするものである。
【0040】
この発明によると、フローリング床材は2種類で済み、施工が簡単であると共に製作コストの低減及び商品管理がしやすくなる。
【0041】
更に、請求項8に記載の発明では、a.請求項1に記載の温水式床暖房装置をリフォームのために既存のフローリング床上に施工する場合には、
b.前記ヘッダーパネルと折り返しパネル及びUターンパネルが位置する部分の既存のフローリング床を各パネルの大きさに合わせてカットすることによりこのカットした部分に木質下地を露出させる、
c.次に、カットして露出した前記木質下地上に前記各パネルをそれぞれ落し込んで既存のフローリング床面と各パネルの上面を面一に固定すると共に、この時各パネルのパイプ浮上手段の作用で既存のフローリング床の上に温水パイプの露出部分を浮上させる、
d.次に、新規のフローリング床材の前記収容溝を浮上した部分の温水パイプに合わせて上方から押え込むことにより温水パイプを収容溝内に収容させて新規のフローリング床材を敷設し、その上で新規のフローリング床材を既存のフローリング床及び各パネルに釘又は接着剤を用いて固定する、ことを特徴とするものである。
【0042】
この発明によると既存のフローリング床の上に温水式床暖房装置と新規のフローリング床を施工しても床は約12mm高くなるだけのため、多くの場合ドアーの開閉に支障を来さない。
【0043】
更に、請求項9に記載の発明では、a.請求項1に記載の放熱ユニットを用いて木質下地が施工されている部屋に床暖房装置をリフォーム又は新設で施工する場合には、
b.前記木質下地を各パネルの大きさに合わせてカットするかあらかじめ木質下地をカットしておく、
c.次に、このカットした部分に前記放熱ユニットの各パネルを落し込んで木質下地の上面と各パネルの上面を面一に固定することにより、各パネル間の露出した部分の温水パイプを木質下地の上面に浮上させる、
d.次に、新規のフローリング床材の前記収容溝を浮上した部分の温水パイプに合わせて上方から押え込むことにより温水パイプを収容溝内に収容させてフローリング床材を施工し、その上でフローリング床材を木質下地及び各パネルに釘又は接着剤で固定する、ことを特徴とするものである。
【0044】
この発明によると、温水式床暖房装置を施工しても床の高さを全く増さないで済む。
【0045】
更に、請求項10に記載の発明では、前記木質下地をカットして出来た開口部分に露出した根太材の上に各パネルを載せ、釘又は接着剤を用いて各パネルを根太材に固定することを特徴とするものである。
【0046】
この発明によると、各パネル部分における床強度の低下を防ぐことができる。
【0047】
更に、請求項11に記載の発明では、前記各パネルには木質合板が用いられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0048】
請求項8に記載した発明によると、既存のフローリング床の一部を繰り抜きカットするだけで床暖房装置付のフローリング床にリフォームすることができるため、床の高さは約12mm高くなるだけであると共に工事が簡単となり、コストもかからない。
【0049】
また、請求項9に記載した発明によると、従前のフローリング床と同一の高さに施工することができるため、床の高さに関係する障害は一切なくなる。
【0050】
また、請求項7に記載の発明によると、フローリング床材は溝方向の違う2種類だけで済み、フローリング床材の加工コスト及び多種類を用意しておくための製作コスト等の低減と商品管理がしやすくなる。
【0051】
また、本発明は、既存のフローリング床の上に施工するため、床強度を高めることができる。
【0052】
また、ダミー合板及びこの施工工事を必要としないため、大幅なコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る放熱ユニットの説明図。
【図2】パネルにおける温水パイプの出入り部分の説明図。
【図3】パネルからの出入り部分で温水パイプが浮上した状態の説明図。
【図4】温水パイプに設けた放熱フィンの説明図。
【図5】長手方向に対して直角方向に温水パイプ収容溝を形成し、実の図示を省略したフローリング床材の裏面の説明図。
【図6】フローリング床材の断面図。
【図7】既存のフローリング床をカットした状態の説明図。
【図8】放熱ユニットをカットした床の上に組み付ける直前の説明図。
【図9】放熱ユニットの組み付けが終了した状態の説明図。
【図10】A−A’線断面図。
【図11】放熱ユニットの上に新規のフローリング床材を組み付ける直前の説明図。
【図12】フローリング床材の組み付けが終了した状態の説明図。
【図13】温水パイプが既存のフローリング床の上に乗り上げた状態の説明図。
【図14】床暖房装置の施工終了状態の説明図。
【図15】放熱ユニットを一部重ね合わせた状態の説明図。
【図16】施工面積の大きい放熱ユニットの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明に係る温水式床暖房装置の施工法とその装置について、その実施の形態を添付の図に基づいて詳細に説明する。
【実施形態1】
【0055】
本実施形態1は、請求項1乃至7に記載した温水式床暖房装置に関するもので、図1〜図6に基づいてその構造を詳細に説明する。
【0056】
図1は放熱ユニットを示し、この放熱ユニット1は、ヘッダー2を組み付けたヘッダーパネル3と、このヘッダーパネル3から離れた位置に対向するようにして配置されたUターンパネル4と、ヘッダーパネル3に並べ、Uターンパネル4に対向するようにして配置された折り返しパネル5から成り、ヘッダー2から延長された温水パイプ6はヘッダーパネル3とUターンパネル4及びこのUターンパネル4と折り返しパネル5間においては露出して平行に配管されていると共にこの露出部分の温水パイプ6には、図2乃至図4に示すようにアルミ箔製のフィン7と固定テープ8が取り付けられている。
【0057】
本実施形態1では、温水パイプ6にフィン7を取り付けているが、後述するフローリング床材11側に形成した収容溝12内とこの周囲の一部又は収容溝12を含むフローリング床材11の裏面全体に放熱シートを貼り付けて前記フィン7に換えるように構成しても良い。なお、フィン7の厚さは任意であるが薄すぎると製作が面倒になるため、フィンとしての保形性を確保するための強度(厚さ)は必要である。
【0058】
前記ヘッダーパネル3とUターンパネル4、折り返しパネル5においては、温水パイプ6のパイプ収容溝3a、4a、5aが形成されていると共に上面にはアルミ箔製の放熱シート9が貼り付けられている。
【0059】
そして、この放熱シート9において、各パネル3、4、5から温水パイプ6が露出する端面3b、4b、5bの部分には、図2に示すように温水パイプ6の両サイドに沿ってカットした10〜50mm長さのスリット(浮上手段)10が形成されていて、図3に示すように温水パイプ6の露出部に浮上の力が作用すると、温水パイプ6は放熱シート9にスリット10が設けてあるため、各パネル3、4、5の端面3b、4b、5bのところで斜めに変形しながら浮上する。但し、上記スリット10の長さは施工条件に合わせて10〜50mm以上又は以下に形成される場合もある。
【0060】
なお、温水パイプ6の浮上を助長するため、端面3b、4b、5bから少し入った位置までの収容溝12の横幅を他より少し幅広に形成して温水パイプ6の自由度を高めるようにしても良い。
なお、スリット10は、本実施形態1では平行に2本形成されているが、温水パイプ6の中心上に1本形成するだけでも同じように温水パイプ6の変形を可能にするので、実施形態としてはこの1本のスリット10を形成する場合も含まれる。
【0061】
また、前記スリット10ではなくコ字状にカットするか、スリット10の部分においては、横一列に一定の幅で温水パイプ6と各パネル3、4、5が露出するように放熱シート9を帯状にカットしてパイプ浮上手段を形成しても良い。
【0062】
次に、上記放熱ユニット1の上に施工されるフローリング床材の構成を図5〜図6に示す。この図5、図6において、フローリング床材11は、その裏面に前記放熱ユニット1の露出した部分の温水パイプ6が収容される温水パイプ収容溝12が温水パイプ6のピッチと同一ピッチで形成されている。
【0063】
本実施形態1において、フローリング床材11に形成された温水パイプ収容溝12は図5、図6に示すようにフローリング床材11を横断する方向に形成されているが、長手方向に形成し、露出した部分の温水パイプ6と平行となるように施工しても良い。
【0064】
本実施形態1において用いられている床材としてフローリング床材11の場合を説明したが、その他の床暖房用床材としてはコルクタイル等の床仕上げ材の場合もあり、これらも同様に裏面に温水パイプ収容溝12が形成される。
【0065】
なお、本実施形態1では、図1に示したパネルと配管構成の放熱ユニット1を説明したが、敷設面積が広い部屋用としては図16に示すような形態のパネルと配管構成の放熱ユニット1を考えることもでき、この形態については特に限定されない。
【0066】
図15はヘッダーパネル3と折り返しパネル5側を重ねることにより、運送とか格納時に便利なように放熱ユニットを折り畳んだ状態の一例の説明図である。
【実施形態2】
【0067】
本実施形態2は、請求項8に記した発明の実施形態(リフォーム)(施工法)であって、図7〜図14に基づいて詳細に説明する。
【0068】
図7は既存のフローリング床20の上に床暖房装置付のフローリング床を施工する場合である。この場合には図7に示すように先ずカッター(図示せず)を用いて既存のフローリング床20をカットして木質下地22のところまで切り込み21を入れることにより、ヘッダーパネル3、Uターンパネル4、折り返しパネル5を落し込んで嵌合できるカット部23を形成する。
【0069】
次に図8から図9に示すようにこのカット部23に前記放熱ユニット1のヘッダーパネル3、Uターンパネル4、折り返しパネル5を落し込んで既存のフローリング床20の上面と各パネル3、4、5の上面を面一に固定する。この時図9、図10に示すように既存のフローリング床20の上面に温水パイプ6の露出部分6aが載るようなかたちとなって露出部分6aの温水パイプ6が図13に示すように浮上することにより露出した部分の温水パイプ6と各パネル3、4、5の上面との間に段差が生じる。
【0070】
次に、図11に示すように、下面に配管溝12を形成した新規のフローリング床材11の前記配管溝12を浮上した部分の温水パイプ6に合わせて上方から押し込むことにより、図12〜図13に示すように温水パイプ6を収容溝12内に収容し、併せて新規のフローリング床材11を前記各パネル3、4、5の上面と既存のフローリング床20の上面に載せて新規のフローリング床材11を施工し、その上で新規のフローリング床材を既存のフローリング床及び各パネル3、4、5に釘又は接着剤で固定する。
【0071】
なお、本実施形態2に用いられた新規のフローリング床材11には、従前と同様に雄実と雌実が形成されていて、釘打ちは従前の例と同一であるが、この雄実と雌実形態ではなく、フローリング床材11の継ぎ目に段差を形成し、この段差部分を重ねるようにしてフローリング床材11を敷き詰めて行くようにしても良い。また、両端に位置するフローリング床材11には図11、12に示すように収容溝12の無いタイプのものを用いることもできる。
【実施形態3】
【0072】
本実施形態3は、リフォーム又は新設で温水式床暖房装置を施工する例であって、請求項9乃至11に対応するもので、木質下地22に実施形態2と同じようにカット部23を形成して放熱ユニット1の各パネル3、4、5を落し込んで施工することにより、木質下地22からの高さを12mmに抑えて行うリフォーム又は新設の実施形態である。
【0073】
なお、前記した実施形態2において説明した既存のフローリング床20を木質下地22に云い換えた以外は、実施形態2と同一手順でリフォーム又は新設工事を行うことになる。
【0074】
先ず、木質下地22において、ヘッダーパネル3、Uターンパネル4、折り返しパネル5が位置する部位をカッターを用いてカットすることにより、カット部23を形成する。新設の場合は空間としておく。
【0075】
次にこのカット部23に前記ヘッダーパネル3、Uターンパネル4、折り返しパネル5を落し込んで木質下地22の面と各パネル3、4、5の上面を面一に固定する。この時木質下地22の面に温水パイプ6の露出部分6aが載るようなかたちとなって露出部分6aの温水パイプ6が浮上することにより露出した部分の温水パイプ6と各パネル3、4、5の上面との間に段差を生じさせる。
【0076】
次に、下面に配管溝12を形成した新規のフローリング床材11の前記配管溝12を浮上した部分の温水パイプ6に合わせて上方から押し込むことにより温水パイプ6を配管溝12内に収容し、併せて新規のフローリング床材11を前記各パネル3、4、5の上面と木質下地22の上面に載せて新規のフローリング床材11を施工し、その上で新規のフローリング床材11を木質下地22及び各パネル3、4、5及びカット部23に釘又は接着剤で固定する。
【0077】
以上が既存の木質下地22の上に温水式床暖房装置をリフォームで敷設する場合と、新設する場合の施工例である。
【産業上の利用分野】
【0078】
本発明は、既存のフローリング床を温水式床暖房装置付のフローリング床にリフォームする場合、及び既存の木質下地の上に又は新設により温水式床暖房装置を施工する場合に適用できる。
【符号の説明】
【0079】
1 放熱ユニット
2 ヘッダー
3 ヘッダーパネル
4 Uターンパネル
5 折り返しパネル
6 温水パイプ
7 フィン
8 固定テープ
9 放熱シート
10 スリット
11 新規のフローリング床材
12 温水パイプ収容溝
20 既存のフローリング床
21 切り込み
22 木質下地
23 カット部
24 ダミー合板
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水式床暖房装置の施工法及びその装置に関し、更に詳しくは、温水式床暖房装置の無い部屋を温水式床暖房装置付にリフォームしたり、温水式床暖房装置を新規に施工する施工法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の住宅に設備されている温水式床暖房装置とは、温水パイプを蛇行配管した発泡ポリスチレン製の温水マットを木質下地上に敷設し、この温水マットの周囲と壁際の空間部には温水マットの高さに合わせたダミー合板を施工し、その上でフローリング床材に代表される床材を部屋の床全体に施工し、前記温水マットの前記温水パイプ内に熱源機で発生した約60℃の温水を循環させることにより床を温め、かつ室内を暖房する内容である。
【0003】
そして、前記温水マットには、床材を支持するための小根太と称される木製の支持材を一定の間隔で挿入しておき、この支持材上に例えば床材としてのフローリング床材を釘打ちで固定するタイプのものと、前記小根太を挿入しないで温水マットの上に直接カーペット等を施工するネダレスタイプのものとがある。
【0004】
また、従来の温水マットの場合、温水パイプを配管した表面には、放熱率の向上と均一化のためにアルミニュウムシート(以下「放熱シート」という。)が全面に貼り付けられている。
【0005】
このような構成の温水マットの場合、その厚さは通常12mmあり、この温水マットを戸建て住宅の場合は木質下地の上に敷き、集合住宅の場合にはスラブ上に直接敷き、更にこの温水マットとダミー合板の上に通常は12mmのフローリング床材を施工していることから、従来の温水式床暖房装置を施工する場合には、木質下地又はスラブ上に合計で約24mmのスペース(高さ)が必要となっている。
【0006】
また、前記木質下地及びダミー合板並びにフローリング床材の施工は内装工事の一環である大工工事となっており、温水マットの施工業者が行う訳ではない。
【0007】
このように、温水式床暖房装置の施工に際しては、床の高さの制約と、大工工事の問題があるため、例えば既存のフローリング床を温水式床暖房装置付のフローリング床にリフォームする場合には、一旦既存のフローリング床材を剥しとって木質下地を露出させ、この上に温水マットの施工業者が温水マットを敷設し、次に大工工事でダミー合板とフローリング床材を施工していることから、リフォームで温水式床暖房装置を取り付ける場合には、手間と工期及びコストが嵩むという問題がある。
【0008】
この問題の一つの解決法としては、既存のフローリング床には手をかけず、この既存のフローリング床の上に直接温水マットを敷き更にこの上に新規にフローリング床を施工する方法がある。
【0009】
しかし、この方法の場合、既存のフローリング床の上に12mm厚の温水マットを敷き、更にこの上に12mm厚のフローリング床材を施工するため、床の高さは従来より24mm高となり、この高さでは殆どの場合ドアーの開閉に支障を来し、採用できない場合が多い。
【0010】
そこで、温水マット及びフローリング床材を12mm以下の、それぞれ例えば7mm厚に成形したものを用いる提案もあるが、このように薄肉化すると床強度が低下してしまい、実用的には問題がある。このようなことから、従来のリフォーム工事にあっては、既存のフローリング床材を剥しとり、既存の木質下地を露出させ、この上に温水マットを敷き、この上に新規にフローリング床材を施工することにより、既存のフローリング床よりも12mm高くなる程度に抑える工法を採用している。
【0011】
しかし、この工法の場合、リフォームコストが嵩むという問題がある。
【0012】
このような要求を満す一つのアイデアとして、従来の温水マットを廃し、温水パイプを基材シート上に配管したものをフローリング床の上に敷き、この上に配管収容溝を裏面に形成したフローリング床材を施工する内容のものが特許文献1〜4に紹介されている。
【0013】
この施工によると、既存のフローリング床よりも12mm床が高くなるだけである。
【0014】
しかし、この公知例の場合、次のような問題がある。
1.温水パイプは基材シート上に蛇行配管され、この上にフローリング床材の裏面に形成した逆U字状の配管収容溝内に収容するため、温水パイプと溝との間において位置合わせを行う必要があり、これに手間がかかると共に専門業者の施工となる。
【0015】
2.上記位置合わせに際し、フローリング床材側の配管収容溝には自由度がないことから、一旦固定した基材シート上の温水パイプを無理に変位させてフローリング床材側の配管溝内に収容するため、温水パイプに無理な応力が発生し、耐久性に悪影響が出る。
【0016】
3.フローリング床材には雄実と雌実が形成されていて、この雄実と雌実を係合し、反対側の雄実を用いて釘留めして順次フロア材を固定しているため、(特許文献1段落[0023])フロア材の施工に手間と時間がかかり、釘打ち箇所が指定されているため釘打ちリスクの問題がある。
【0017】
4.フローリング床材は、温水パイプがUターンする部分の配管形態が多様なため、この形態ごとに多種類を用意する必要があり、製作及び施工並びに保管等にコストがかかる。
【0018】
5.基材シートに対する温水パイプの蛇行配管には精度が要求されるため、製作に手間とコストがかかる。
【0019】
6.ヘッダーを基材シート上に設けておくことができないため、別途ヘッダーの取付工事が必要となり、手間とコストがかかる。
【0020】
7.フローリング床材の裏面に形成する温水パイプの収容溝は、ある程度余裕を持たせるために幅広く形成する必要があるため、強度が低下する。
【0021】
8.基材シート自体は柔軟性を有するが、温水パイプは固定されているため、運搬や格納時に折り畳みはできず、仮に丸めたとしても温水パイプに応力が発生し、座屈などの心配があることから、運搬や格納を考えると小型の基材シートを組み合わせて使用しなければならず、施工に手間がかかり、また温水パイプのジョイント部分の数が増してこの分水漏れリスクが増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2004−257079号公報
【特許文献2】特開2003−21345号公報
【特許文献3】特開2005−18889号公報
【特許文献4】特開2005−282931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は叙上の如き問題点に鑑みて提供されるものであって、第1の課題は、既存のフローリング床の一部を繰り抜きカットするだけでこの既存のフローリグ床の上に直接温水式暖房装置を施工し、更に新規にフローリング床材を施工しても床の高さが12mm増すだけの施工法とその装置を提供することである。
【0024】
更に、第2の課題は、木質下地が施工されている部屋の場合において温水式床暖房装置付のフローリング床にリフォームする場合、あるいは新設する場合に、既存の床と同じ高さの床に施工することができる施工法とその装置を提供することである。
【0025】
更に、第3の課題は、施工に手間とコストがかからず、公知文献で指摘した専門業者を必要とせず、特にリフォームに適した温水式床暖房装置の施工法とその装置を提供することである。
【0026】
更に、第4の課題は、温水パイプに無理がかからず、フローリング床の施工が簡単で釘打ちリスクの無い温水式床暖房装置の施工法とその装置を提供することである。
【0027】
更に、第5の課題は、同一の現場で使用するフローリング床材を一種類で済むようにして施工性を高め、かつコストの低減を可能にする温水式床暖房装置の施工法とその装置を提供することである。
【0028】
更に、第6の課題は、あらかじめヘッダーをパネル内に収納して施工性を高め、かつコストの低減を可能にする温水式床暖房装置の施工法とその装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、a.温水式床暖房装置において、フローリング床材の下に敷設して用いられる放熱ユニットであって、この放熱ユニットは、
b.ヘッダーを組み付けたヘッダーパネル及び折り返しパネルと、このヘッダーパネル及び折り返しパネルとの間に間隔を空けて対向するように配置されたUターンパネルから成ると共に前記ヘッダーパネルと折り返しパネル及びUターンパネル間に配管されている温水パイプは、露出した状態で対向する各パネル間を結ぶように配管されていること、
c.温水パイプを配管した前記各パネルの上面にはアルミ箔製の放熱シートが貼り合わされていると共にこの放熱シートには、前記露出している温水パイプが各パネル内に入った所定の区間だけ温水パイプの浮上を許容するパイプ浮上手段が形成されていること、
d.前記放熱ユニットを既存のフローリング床又は木質下地上に敷設した上に施工される新規のフローリング床材の下面には、前記浮上した部分の温水パイプを収容する温水パイプ収容溝が形成されていること、を特徴とするものである。
【0030】
この発明によると、既存のフローリング床の上に温水式床暖房装置付のフローリング床に仕上げたとしても約12mm床面が高くなるだけで済む。また、ヘッダーをヘッダーパネル内にあらかじめ組み付けておくことができる。
【0031】
更に、請求項2に記載の発明では、前記露出した部分の温水パイプには、それぞれ放熱手段が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0032】
この発明により、放熱効率を向上させることができる。
【0033】
更に、請求項3に記載の発明では、前記フローリング床材に形成した温水パイプ収容溝又はこの溝を含むフローリング床材の裏面の一部又は全部にはアルミ箔製の放熱シートが張り付けられていることを特徴とするものである。
【0034】
この発明によると、温水パイプに放熱フィンを取り付ける場合に比較してコストの低減が可能である。
【0035】
更に、請求項4に記載の発明では、前記各パネルに形成されたパイプ浮上手段として、各パネルの表面に張り付けられた放熱シートにおいて、温水パイプが各パネルに侵入する部分に温水パイプの浮上を許容するスリット又はコ字状の切り欠き又は放熱シートを張り付けない領域のパイプ浮上手段が形成されていることを特徴とするものである。
【0036】
この発明によると、露出した部分の温水パイプに下方から力がかかると、スムーズに温水パイプが浮上する。
【0037】
更に、請求項5に記載の発明では、前記各パネルは、発泡樹脂板又は木質板又は発泡樹脂板と木質板の併合板で構成されていることを特徴とするものである。
【0038】
更に、請求項6に記載の発明では、前記フローリング床材の周囲の端面には、雄実と雌実又は段違いの係合手段が形成されていて、フローリング床材の施工に際してはこの係合手段でフローリング床材を突き合わせ、釘打ちはこの係合手段部において行うように構成されていることを特徴とするものである。
【0039】
更に、請求項7に記載の発明では、前記フローリング床材の裏面には、前記温水パイプの露出部のピッチに合せたピッチで温水パイプ収容溝が横又は縦方向に形成されていることを特徴とするものである。
【0040】
この発明によると、フローリング床材は2種類で済み、施工が簡単であると共に製作コストの低減及び商品管理がしやすくなる。
【0041】
更に、請求項8に記載の発明では、a.請求項1に記載の温水式床暖房装置をリフォームのために既存のフローリング床上に施工する場合には、
b.前記ヘッダーパネルと折り返しパネル及びUターンパネルが位置する部分の既存のフローリング床を各パネルの大きさに合わせてカットすることによりこのカットした部分に木質下地を露出させる、
c.次に、カットして露出した前記木質下地上に前記各パネルをそれぞれ落し込んで既存のフローリング床面と各パネルの上面を面一に固定すると共に、この時各パネルのパイプ浮上手段の作用で既存のフローリング床の上に温水パイプの露出部分を浮上させる、
d.次に、新規のフローリング床材の前記収容溝を浮上した部分の温水パイプに合わせて上方から押え込むことにより温水パイプを収容溝内に収容させて新規のフローリング床材を敷設し、その上で新規のフローリング床材を既存のフローリング床及び各パネルに釘又は接着剤を用いて固定する、ことを特徴とするものである。
【0042】
この発明によると既存のフローリング床の上に温水式床暖房装置と新規のフローリング床を施工しても床は約12mm高くなるだけのため、多くの場合ドアーの開閉に支障を来さない。
【0043】
更に、請求項9に記載の発明では、a.請求項1に記載の放熱ユニットを用いて木質下地が施工されている部屋に床暖房装置をリフォーム又は新設で施工する場合には、
b.前記木質下地を各パネルの大きさに合わせてカットするかあらかじめ木質下地をカットしておく、
c.次に、このカットした部分に前記放熱ユニットの各パネルを落し込んで木質下地の上面と各パネルの上面を面一に固定することにより、各パネル間の露出した部分の温水パイプを木質下地の上面に浮上させる、
d.次に、新規のフローリング床材の前記収容溝を浮上した部分の温水パイプに合わせて上方から押え込むことにより温水パイプを収容溝内に収容させてフローリング床材を施工し、その上でフローリング床材を木質下地及び各パネルに釘又は接着剤で固定する、ことを特徴とするものである。
【0044】
この発明によると、温水式床暖房装置を施工しても床の高さを全く増さないで済む。
【0045】
更に、請求項10に記載の発明では、前記木質下地をカットして出来た開口部分に露出した根太材の上に各パネルを載せ、釘又は接着剤を用いて各パネルを根太材に固定することを特徴とするものである。
【0046】
この発明によると、各パネル部分における床強度の低下を防ぐことができる。
【0047】
更に、請求項11に記載の発明では、前記各パネルには木質合板が用いられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0048】
請求項8に記載した発明によると、既存のフローリング床の一部を繰り抜きカットするだけで床暖房装置付のフローリング床にリフォームすることができるため、床の高さは約12mm高くなるだけであると共に工事が簡単となり、コストもかからない。
【0049】
また、請求項9に記載した発明によると、従前のフローリング床と同一の高さに施工することができるため、床の高さに関係する障害は一切なくなる。
【0050】
また、請求項7に記載の発明によると、フローリング床材は溝方向の違う2種類だけで済み、フローリング床材の加工コスト及び多種類を用意しておくための製作コスト等の低減と商品管理がしやすくなる。
【0051】
また、本発明は、既存のフローリング床の上に施工するため、床強度を高めることができる。
【0052】
また、ダミー合板及びこの施工工事を必要としないため、大幅なコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る放熱ユニットの説明図。
【図2】パネルにおける温水パイプの出入り部分の説明図。
【図3】パネルからの出入り部分で温水パイプが浮上した状態の説明図。
【図4】温水パイプに設けた放熱フィンの説明図。
【図5】長手方向に対して直角方向に温水パイプ収容溝を形成し、実の図示を省略したフローリング床材の裏面の説明図。
【図6】フローリング床材の断面図。
【図7】既存のフローリング床をカットした状態の説明図。
【図8】放熱ユニットをカットした床の上に組み付ける直前の説明図。
【図9】放熱ユニットの組み付けが終了した状態の説明図。
【図10】A−A’線断面図。
【図11】放熱ユニットの上に新規のフローリング床材を組み付ける直前の説明図。
【図12】フローリング床材の組み付けが終了した状態の説明図。
【図13】温水パイプが既存のフローリング床の上に乗り上げた状態の説明図。
【図14】床暖房装置の施工終了状態の説明図。
【図15】放熱ユニットを一部重ね合わせた状態の説明図。
【図16】施工面積の大きい放熱ユニットの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明に係る温水式床暖房装置の施工法とその装置について、その実施の形態を添付の図に基づいて詳細に説明する。
【実施形態1】
【0055】
本実施形態1は、請求項1乃至7に記載した温水式床暖房装置に関するもので、図1〜図6に基づいてその構造を詳細に説明する。
【0056】
図1は放熱ユニットを示し、この放熱ユニット1は、ヘッダー2を組み付けたヘッダーパネル3と、このヘッダーパネル3から離れた位置に対向するようにして配置されたUターンパネル4と、ヘッダーパネル3に並べ、Uターンパネル4に対向するようにして配置された折り返しパネル5から成り、ヘッダー2から延長された温水パイプ6はヘッダーパネル3とUターンパネル4及びこのUターンパネル4と折り返しパネル5間においては露出して平行に配管されていると共にこの露出部分の温水パイプ6には、図2乃至図4に示すようにアルミ箔製のフィン7と固定テープ8が取り付けられている。
【0057】
本実施形態1では、温水パイプ6にフィン7を取り付けているが、後述するフローリング床材11側に形成した収容溝12内とこの周囲の一部又は収容溝12を含むフローリング床材11の裏面全体に放熱シートを貼り付けて前記フィン7に換えるように構成しても良い。なお、フィン7の厚さは任意であるが薄すぎると製作が面倒になるため、フィンとしての保形性を確保するための強度(厚さ)は必要である。
【0058】
前記ヘッダーパネル3とUターンパネル4、折り返しパネル5においては、温水パイプ6のパイプ収容溝3a、4a、5aが形成されていると共に上面にはアルミ箔製の放熱シート9が貼り付けられている。
【0059】
そして、この放熱シート9において、各パネル3、4、5から温水パイプ6が露出する端面3b、4b、5bの部分には、図2に示すように温水パイプ6の両サイドに沿ってカットした10〜50mm長さのスリット(浮上手段)10が形成されていて、図3に示すように温水パイプ6の露出部に浮上の力が作用すると、温水パイプ6は放熱シート9にスリット10が設けてあるため、各パネル3、4、5の端面3b、4b、5bのところで斜めに変形しながら浮上する。但し、上記スリット10の長さは施工条件に合わせて10〜50mm以上又は以下に形成される場合もある。
【0060】
なお、温水パイプ6の浮上を助長するため、端面3b、4b、5bから少し入った位置までの収容溝12の横幅を他より少し幅広に形成して温水パイプ6の自由度を高めるようにしても良い。
なお、スリット10は、本実施形態1では平行に2本形成されているが、温水パイプ6の中心上に1本形成するだけでも同じように温水パイプ6の変形を可能にするので、実施形態としてはこの1本のスリット10を形成する場合も含まれる。
【0061】
また、前記スリット10ではなくコ字状にカットするか、スリット10の部分においては、横一列に一定の幅で温水パイプ6と各パネル3、4、5が露出するように放熱シート9を帯状にカットしてパイプ浮上手段を形成しても良い。
【0062】
次に、上記放熱ユニット1の上に施工されるフローリング床材の構成を図5〜図6に示す。この図5、図6において、フローリング床材11は、その裏面に前記放熱ユニット1の露出した部分の温水パイプ6が収容される温水パイプ収容溝12が温水パイプ6のピッチと同一ピッチで形成されている。
【0063】
本実施形態1において、フローリング床材11に形成された温水パイプ収容溝12は図5、図6に示すようにフローリング床材11を横断する方向に形成されているが、長手方向に形成し、露出した部分の温水パイプ6と平行となるように施工しても良い。
【0064】
本実施形態1において用いられている床材としてフローリング床材11の場合を説明したが、その他の床暖房用床材としてはコルクタイル等の床仕上げ材の場合もあり、これらも同様に裏面に温水パイプ収容溝12が形成される。
【0065】
なお、本実施形態1では、図1に示したパネルと配管構成の放熱ユニット1を説明したが、敷設面積が広い部屋用としては図16に示すような形態のパネルと配管構成の放熱ユニット1を考えることもでき、この形態については特に限定されない。
【0066】
図15はヘッダーパネル3と折り返しパネル5側を重ねることにより、運送とか格納時に便利なように放熱ユニットを折り畳んだ状態の一例の説明図である。
【実施形態2】
【0067】
本実施形態2は、請求項8に記した発明の実施形態(リフォーム)(施工法)であって、図7〜図14に基づいて詳細に説明する。
【0068】
図7は既存のフローリング床20の上に床暖房装置付のフローリング床を施工する場合である。この場合には図7に示すように先ずカッター(図示せず)を用いて既存のフローリング床20をカットして木質下地22のところまで切り込み21を入れることにより、ヘッダーパネル3、Uターンパネル4、折り返しパネル5を落し込んで嵌合できるカット部23を形成する。
【0069】
次に図8から図9に示すようにこのカット部23に前記放熱ユニット1のヘッダーパネル3、Uターンパネル4、折り返しパネル5を落し込んで既存のフローリング床20の上面と各パネル3、4、5の上面を面一に固定する。この時図9、図10に示すように既存のフローリング床20の上面に温水パイプ6の露出部分6aが載るようなかたちとなって露出部分6aの温水パイプ6が図13に示すように浮上することにより露出した部分の温水パイプ6と各パネル3、4、5の上面との間に段差が生じる。
【0070】
次に、図11に示すように、下面に配管溝12を形成した新規のフローリング床材11の前記配管溝12を浮上した部分の温水パイプ6に合わせて上方から押し込むことにより、図12〜図13に示すように温水パイプ6を収容溝12内に収容し、併せて新規のフローリング床材11を前記各パネル3、4、5の上面と既存のフローリング床20の上面に載せて新規のフローリング床材11を施工し、その上で新規のフローリング床材を既存のフローリング床及び各パネル3、4、5に釘又は接着剤で固定する。
【0071】
なお、本実施形態2に用いられた新規のフローリング床材11には、従前と同様に雄実と雌実が形成されていて、釘打ちは従前の例と同一であるが、この雄実と雌実形態ではなく、フローリング床材11の継ぎ目に段差を形成し、この段差部分を重ねるようにしてフローリング床材11を敷き詰めて行くようにしても良い。また、両端に位置するフローリング床材11には図11、12に示すように収容溝12の無いタイプのものを用いることもできる。
【実施形態3】
【0072】
本実施形態3は、リフォーム又は新設で温水式床暖房装置を施工する例であって、請求項9乃至11に対応するもので、木質下地22に実施形態2と同じようにカット部23を形成して放熱ユニット1の各パネル3、4、5を落し込んで施工することにより、木質下地22からの高さを12mmに抑えて行うリフォーム又は新設の実施形態である。
【0073】
なお、前記した実施形態2において説明した既存のフローリング床20を木質下地22に云い換えた以外は、実施形態2と同一手順でリフォーム又は新設工事を行うことになる。
【0074】
先ず、木質下地22において、ヘッダーパネル3、Uターンパネル4、折り返しパネル5が位置する部位をカッターを用いてカットすることにより、カット部23を形成する。新設の場合は空間としておく。
【0075】
次にこのカット部23に前記ヘッダーパネル3、Uターンパネル4、折り返しパネル5を落し込んで木質下地22の面と各パネル3、4、5の上面を面一に固定する。この時木質下地22の面に温水パイプ6の露出部分6aが載るようなかたちとなって露出部分6aの温水パイプ6が浮上することにより露出した部分の温水パイプ6と各パネル3、4、5の上面との間に段差を生じさせる。
【0076】
次に、下面に配管溝12を形成した新規のフローリング床材11の前記配管溝12を浮上した部分の温水パイプ6に合わせて上方から押し込むことにより温水パイプ6を配管溝12内に収容し、併せて新規のフローリング床材11を前記各パネル3、4、5の上面と木質下地22の上面に載せて新規のフローリング床材11を施工し、その上で新規のフローリング床材11を木質下地22及び各パネル3、4、5及びカット部23に釘又は接着剤で固定する。
【0077】
以上が既存の木質下地22の上に温水式床暖房装置をリフォームで敷設する場合と、新設する場合の施工例である。
【産業上の利用分野】
【0078】
本発明は、既存のフローリング床を温水式床暖房装置付のフローリング床にリフォームする場合、及び既存の木質下地の上に又は新設により温水式床暖房装置を施工する場合に適用できる。
【符号の説明】
【0079】
1 放熱ユニット
2 ヘッダー
3 ヘッダーパネル
4 Uターンパネル
5 折り返しパネル
6 温水パイプ
7 フィン
8 固定テープ
9 放熱シート
10 スリット
11 新規のフローリング床材
12 温水パイプ収容溝
20 既存のフローリング床
21 切り込み
22 木質下地
23 カット部
24 ダミー合板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.温水式床暖房装置において、フローリング床材の下に敷設して用いられる放熱ユニットであって、この放熱ユニットは、
b.ヘッダーを組み付けたヘッダーパネル及び折り返しパネルと、このヘッダーパネル及び折り返しパネルとの間に間隔を空けて対向するように配置されたUターンパネルから成ると共に前記ヘッダーパネルと折り返しパネル及びUターンパネル間に配管されている温水パイプは、露出した状態で対向する各パネル間を結ぶように配管されていること、
c.温水パイプを配管した前記各パネルの上面にはアルミ箔製の放熱シートが貼り合わされていると共にこの放熱シートには、前記露出している温水パイプが各パネル内に入った所定の区間だけ温水パイプの浮上を許容するパイプ浮上手段が形成されていること、
d.前記放熱ユニットを既存のフローリング床又は木質下地上に敷設した上に施工される新規のフローリング床材の下面には、前記浮上した部分の温水パイプを収容する温水パイプ収容溝が形成されていること、
e.を特徴とする温水式床暖房装置。
【請求項2】
前記露出した部分の温水パイプには、それぞれ放熱手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項3】
前記フローリング床材に形成した温水パイプ収容溝又はこの溝を含むフローリング床材の裏面の一部又は全部にはアルミ箔製の放熱シートが張り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項4】
前記各パネルに形成されたパイプ浮上手段として、各パネルの表面に張り付けられた放熱シートにおいて、温水パイプが各パネルに侵入する部分に温水パイプの浮上を許容するスリット又はコ字状の切り欠き又は放熱シートを張り付けない領域から成るパイプ浮上手段が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項5】
前記各パネルは、発泡樹脂板又は木質板又は発泡樹脂板と木質板の併合板で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項6】
前記フローリング床材の周囲の端面には、雄実と雌実又は段違いの係合手段が形成されていて、フローリング床材の施工に際してはこの係合手段でフローリング床材を突き合わせ、釘打ちはこの係合手段部において行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項7】
前記フローリング床材の裏面には、前記温水パイプの露出部のピッチに合せたピッチで温水パイプ収容溝が横又は縦方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項8】
a.請求項1に記載の温水式床暖房装置をリフォームのために既存のフローリング床上に施工する場合には、
b.前記ヘッダーパネルと折り返しパネル及びUターンパネルが位置する部分の既存のフローリング床を各パネルの大きさに合わせてカットすることによりこのカットした部分に木質下地を露出させる、
c.次に、カットして露出した前記木質下地上に前記各パネルをそれぞれ落し込んで既存のフローリング床面と各パネルの上面を面一に固定すると共に、この時各パネルのパイプ浮上手段の作用で既存のフローリング床の上に温水パイプの露出部分を浮上させる、
d.次に、新規のフローリング床材の前記収容溝を浮上した部分の温水パイプに合わせて上方から押え込むことにより温水パイプを収容溝内に収容させて新規のフローリング床材を敷設し、その上で新規のフローリング床材を既存のフローリング床及び各パネルに釘又は接着剤を用いて固定する、
e.ことを特徴とする温水式床暖房装置の施工法。
【請求項9】
a.請求項1に記載の放熱ユニットを用いて木質下地が施工されている部屋に床暖房装置をリフォーム又は新設で施工する場合には、
b.前記木質下地を各パネルの大きさに合わせてカットするかあらかじめ木質下地をカットしておく、
c.次に、このカットした部分に前記放熱ユニットの各パネルを落し込んで木質下地の上面と各パネルの上面を面一に固定することにより、各パネル間の露出した部分の温水パイプを木質下地の上面に浮上させる、
d.次に、新規のフローリング床材の前記収容溝を浮上した部分の温水パイプに合わせて上方から押え込むことにより温水パイプを収容溝内に収容させてフローリング床材を施工し、その上でフローリング床材を木質下地及び各パネルに釘又は接着剤で固定する、
e.ことを特徴とする温水式床暖房装置の施工法。
【請求項10】
前記木質下地をカットして出来た開口部分に露出した根太材の上に各パネルを載せ、釘又は接着剤を用いて各パネルを根太材に固定する請求項9に記載の温水式床暖房装置の施工法。
【請求項11】
前記各パネルには木質合板が用いられていることを特徴とする請求項9に記載の温水式床暖房装置の施工法。
【請求項1】
a.温水式床暖房装置において、フローリング床材の下に敷設して用いられる放熱ユニットであって、この放熱ユニットは、
b.ヘッダーを組み付けたヘッダーパネル及び折り返しパネルと、このヘッダーパネル及び折り返しパネルとの間に間隔を空けて対向するように配置されたUターンパネルから成ると共に前記ヘッダーパネルと折り返しパネル及びUターンパネル間に配管されている温水パイプは、露出した状態で対向する各パネル間を結ぶように配管されていること、
c.温水パイプを配管した前記各パネルの上面にはアルミ箔製の放熱シートが貼り合わされていると共にこの放熱シートには、前記露出している温水パイプが各パネル内に入った所定の区間だけ温水パイプの浮上を許容するパイプ浮上手段が形成されていること、
d.前記放熱ユニットを既存のフローリング床又は木質下地上に敷設した上に施工される新規のフローリング床材の下面には、前記浮上した部分の温水パイプを収容する温水パイプ収容溝が形成されていること、
e.を特徴とする温水式床暖房装置。
【請求項2】
前記露出した部分の温水パイプには、それぞれ放熱手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項3】
前記フローリング床材に形成した温水パイプ収容溝又はこの溝を含むフローリング床材の裏面の一部又は全部にはアルミ箔製の放熱シートが張り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項4】
前記各パネルに形成されたパイプ浮上手段として、各パネルの表面に張り付けられた放熱シートにおいて、温水パイプが各パネルに侵入する部分に温水パイプの浮上を許容するスリット又はコ字状の切り欠き又は放熱シートを張り付けない領域から成るパイプ浮上手段が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項5】
前記各パネルは、発泡樹脂板又は木質板又は発泡樹脂板と木質板の併合板で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項6】
前記フローリング床材の周囲の端面には、雄実と雌実又は段違いの係合手段が形成されていて、フローリング床材の施工に際してはこの係合手段でフローリング床材を突き合わせ、釘打ちはこの係合手段部において行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項7】
前記フローリング床材の裏面には、前記温水パイプの露出部のピッチに合せたピッチで温水パイプ収容溝が横又は縦方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房装置。
【請求項8】
a.請求項1に記載の温水式床暖房装置をリフォームのために既存のフローリング床上に施工する場合には、
b.前記ヘッダーパネルと折り返しパネル及びUターンパネルが位置する部分の既存のフローリング床を各パネルの大きさに合わせてカットすることによりこのカットした部分に木質下地を露出させる、
c.次に、カットして露出した前記木質下地上に前記各パネルをそれぞれ落し込んで既存のフローリング床面と各パネルの上面を面一に固定すると共に、この時各パネルのパイプ浮上手段の作用で既存のフローリング床の上に温水パイプの露出部分を浮上させる、
d.次に、新規のフローリング床材の前記収容溝を浮上した部分の温水パイプに合わせて上方から押え込むことにより温水パイプを収容溝内に収容させて新規のフローリング床材を敷設し、その上で新規のフローリング床材を既存のフローリング床及び各パネルに釘又は接着剤を用いて固定する、
e.ことを特徴とする温水式床暖房装置の施工法。
【請求項9】
a.請求項1に記載の放熱ユニットを用いて木質下地が施工されている部屋に床暖房装置をリフォーム又は新設で施工する場合には、
b.前記木質下地を各パネルの大きさに合わせてカットするかあらかじめ木質下地をカットしておく、
c.次に、このカットした部分に前記放熱ユニットの各パネルを落し込んで木質下地の上面と各パネルの上面を面一に固定することにより、各パネル間の露出した部分の温水パイプを木質下地の上面に浮上させる、
d.次に、新規のフローリング床材の前記収容溝を浮上した部分の温水パイプに合わせて上方から押え込むことにより温水パイプを収容溝内に収容させてフローリング床材を施工し、その上でフローリング床材を木質下地及び各パネルに釘又は接着剤で固定する、
e.ことを特徴とする温水式床暖房装置の施工法。
【請求項10】
前記木質下地をカットして出来た開口部分に露出した根太材の上に各パネルを載せ、釘又は接着剤を用いて各パネルを根太材に固定する請求項9に記載の温水式床暖房装置の施工法。
【請求項11】
前記各パネルには木質合板が用いられていることを特徴とする請求項9に記載の温水式床暖房装置の施工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図5】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−2423(P2012−2423A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137266(P2010−137266)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(510167992)株式会社プラン・ドゥー (2)
【出願人】(000183071)住商メタレックス株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(510167992)株式会社プラン・ドゥー (2)
【出願人】(000183071)住商メタレックス株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
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