説明

温熱ユニット

【課題】本発明は、玉砂利がシート内で不均一にならず、設置が容易で重量の軽い温熱ユニットを提供することを目的とする。また、本発明は、平置きのみならず縦置きが可能な温熱ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】
上記目的を達成させるために、本発明に係る温熱ユニットは、所定の数量の玉砂利を2枚の布の間に整列配置し、2枚の布を個別の玉砂利ごとにその周囲で縫着することにより、収納室が多数形成された温熱ユニットであって、温熱ユニットの一方の面に面状発熱体を積層することにより、玉砂利が所要の温度に加熱されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に対する温熱効果を奏する温熱ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より温熱効果を利用した健康設備が種々提供されている。近年、特に岩盤浴は、岩盤及び石板が温められた床面の上に仰臥し汗をかくサウナ形式の浴場であり、発汗作用によって新陳代謝を高め、美容と健康の増進を図るものとして一般に広く利用されている。しかし、上記のような岩盤浴は、大がかりな設備を要するため、一般家庭で設置することは容易でない。
【0003】
そこで、本件出願人は、実用新案登録第3133510号に係る健康マットを考案した。図9を参照すると、この発明は、マット基材102の上に面状ヒーター103を配置し、この面状ヒーター103の上に袋106に詰めた玉砂利104を配置し、これらマット基材102、面状ヒーター103及び袋詰め玉砂利104をカバー107で被包したもので、面状ヒーター103によって玉砂利104を所要温度に加熱するようにしたものである。すなわち、本件出願人は、一般家庭においても簡単に設置できかつ手軽に使用でき、しかも十分な温熱効果を奏することができる健康マットを考案したものである。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3133510号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の健康マットには以下の問題があった。
【0006】
第1の問題は、使用者が上述健康マットを使用するとき、使用者の体に当たる部分の玉砂利を均一にする手間を必要とすることである。図9に示すように、玉砂利は扁平なメッシュ状の袋に詰め込まれ、袋内で2〜3段位に積み重ねられているが、袋内に仕切りがないため、玉砂利の詰め込まれた袋を面状ヒーターの上に配置するとき、袋内において玉砂利のばらつきが生じることが多い。そのため使用者が上述健康マットを使用するとき、使用者の体に当たる部分の玉砂利を均一にならす必要が生じてしまう。もし、袋内における玉砂利のばらつきを生じにくくするため玉砂利をできるだけ多く袋に詰め込んだ場合、袋の重量が重くなってしまい、使用者が健康マットに玉砂利の入った袋を設置する際、作業に負担を生じることとなる。
【0007】
第2の問題は、上述健康マットは平置きにはできるものの、縦置きにはできないことである。すなわち、袋に詰め込まれた玉砂利を縦置きにすると玉砂利は重力に従いすべて下方向に移動するため形が大きく変形してしまい、例えば、使用者が座った姿勢において、肩や背中に上述健康マットを縦置きで使用することはできなかった。
【0008】
上記問題点に鑑み、本発明は、玉砂利が袋内で不均一にならず、設置が容易で重量の軽い温熱ユニットを提供することを目的とする。また、本発明は、平置きのみならず縦置きが可能な温熱ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成させるために、本発明に係る温熱ユニットは、所定の数量の玉砂利を2枚の布の間に整列配置し、前記2枚の布を個別の前記玉砂利ごとにその周囲で縫着することにより、収納室が多数形成された玉砂利保持体と、前記玉砂利保持体の一方の面に積層される面状発熱体とを備える温熱ユニットであって、前記玉砂利が前記面状発熱体によって所要の温度に加熱されることを特徴とする。
【0010】
なお、玉砂利保持体に係る2枚の布の一方と玉砂利との間に遠赤外線機能体を配置してよい。
【0011】
また上述の玉砂利は那智石が好適であるが、これに限定されない。
【0012】
さらに、上述の遠赤外線機能体は炭化綿とすることができるが、遠赤外線を放射するものであればよい。
【0013】
さらにまた、上述の布は不織布であってよいが、特に限定するものではない。
【0014】
また、本発明に係る人体装着型の温熱装置は、上述の本発明に係る温熱ユニットと、該温熱ユニットを収納するポケットと、該ポケットを人体に装着する装着機構とを備えることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係るベッド型の温熱装置は、利用者が横臥して利用する温熱装置であって、ベッド基台と、ベッド基台に載置した断熱基材と、断熱基材の上に載置した上述の本発明に係る温熱ユニットとを備えることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明に係る腰掛け装着型の温熱装置は、利用者が座って利用する温熱装置であって、上述の本発明に係る温熱ユニットと、該温熱ユニットを収納するポケットと、利用者の腰部、肩部、臀部または足裏が接する腰掛けの面に該ポケットを装着する装着機構とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の温熱ユニットによれば、玉砂利が個別に布の収納室に格納されるため、玉砂利が袋内で不均一になることがない。また、使用する玉砂利の数量は従来の使用量よりも少量で済むため、軽量化が可能となり、かつ材料費用も安価とすることができる。
【0018】
さらに、本発明の温熱ユニットによれば、平置きのみならず縦置きにも使用できる。
【0019】
またさらに、例えば炭化綿のような遠赤外線機能体を布と玉砂利との間に配設することにより、遠赤外線効果を高め、じんわりと体を温めることができる。また、炭化綿を備えることにより、消臭・脱臭効果や抗菌・防湿効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る温熱ユニットを模式的に示す図である。
【図2】実施例1に係る本発明の温熱ユニットの構成要素である玉砂利保持体を模式的に示す図であり、(a)は、玉砂利保持体の斜視図であり、(b)は玉砂利保持体の一部の拡大図である。
【図3】実施例1に係る本発明の温熱ユニットの構成要素である玉砂利保持体の製造工程と内部構造を簡単に説明する図である。(a)は2枚の布により縫着される前の玉砂利の状態を示す縦断面図であり、(b)は2枚の布により縫着された後の玉砂利の状態を示す縦断面図であり、(c)は、(b)の平面図である。
【図4】実施例2に係る本発明の温熱ユニットの構成要素である玉砂利保持体の製造工程と内部構造を簡単に説明する図である。(a)は2枚の布により縫着される前の玉砂利の状態を示す縦断面図であり、(b)は2枚の布により縫着された後の玉砂利の状態を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係る温熱ユニットを備える人体装着型の温熱装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は横断面図である。
【図6】本発明に係る温熱ユニットを備えるベッド型の温熱装置を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は長手方向の縦断面図、(d)は短手方向の縦断面図である。
【図7】図6に係る温熱装置について使用の状況を示す長手方向の断面図である。
【図8】本発明に係る温熱ユニットを備える腰掛け装着型の温熱装置の使用の状況を模式的に示す図である。
【図9】従来の温熱マットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。各図において、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は、本発明を理解するために誇張して表現している場合もあり、必ずしも縮尺どおり精緻に表したものではないことに留意されたい。なお、本発明は下記に示される実施の形態に限られるものではない。
【実施例1】
【0022】
実施例1を図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明に係る温熱ユニット1を模式的に示す図である。図1によると、温熱ユニット1は平置きされており、温熱ユニット1は、後述する玉砂利が縫着されて多数の収納室を備える玉砂利保持体2と、該玉砂利保持体2の一方の面に積層される面状発熱体3から構成されている。図1においては、平置きされた面状発熱体3の上に玉砂利保持体2が配設されて示されているが、玉砂利保持体2の上に面状発熱体3が積層されてもよい。また、温熱ユニット1は縦置きにすることもできる。
【0024】
次に図2を参照する。図2は、実施例1に係る温熱ユニット1の構成要素である玉砂利保持体2を模式的に示す図であり、(a)は、玉砂利保持体2の斜視図であり、(b)は玉砂利保持体2の一部の拡大図である。図2(a)によると、玉砂利保持体2は、矩形の外周を有し、2枚の布4a、4bに玉砂利5(図に示されない)が整列配置された状態で重ね合わされ、個別の玉砂利5ごとに縫着されている。図2(b)は、1枚の布4bの上に玉砂利5を整列配置した状態を示しており、所定の数量の玉砂利5が整列配置された後、その上にもう1枚の布4a(図に示されない)が重ね合わされ縫着される。
【0025】
図3を参照する。図3は、実施例1に係る本発明の温熱ユニット1の構成要素である玉砂利保持体2の製造工程と内部構造を簡単に説明する図である。(a)は2枚の布4a、4bにより縫着される前の玉砂利5の状態を示す縦断面図であり、(b)は2枚の布4a、4bにより縫着された後の玉砂利5の状態を示す縦断面図であり、(c)は、(b)の平面図である。
【0026】
実施例1に係る温熱ユニット1の構成要素である玉砂利保持体2の製造は、まず、図3(a)に示すように、所定の数量の玉砂利5を2枚の布4a、4bの間に所定間隔にて整列配置する。次に、図3(b)に示すように、個別の玉砂利5ごとにその周囲で2枚の布4a、4bを縫着することにより、収納室6を多数形成する。なお、図3において、縫着する部分は符号Sで示している。例えば、2枚の布4a、4bは機械縫いまたは手縫いにより縫い糸で縫着され、各玉砂利5の周囲が縫着されている。なお、図3(b)の例では、縫着強度を高めるため二重縫いがなされているが、二重に限定されず、一重でもよいしまたは多重に縫着されてよい。また、布4a、4bは不織布が好適であるが、限定されない。また、温熱効果を増すために、遠赤外線効果を有する炭化物が練り込まれた布でもよい。なお、人体に接する面は、2枚の布4a、4bのいずれの面でもよい。
【0027】
図3(c)は玉砂利5が布4a,4bにより縫着されている様子を平面から示した図であるが、玉砂利5の輪郭に沿って布4a,4bが縫着されていることが分かる。なお、内部の玉砂利5の輪郭は略楕円形であり、点線で示されている。
【0028】
さらに、収納室6のそれぞれの大きさは、1個の玉砂利5が収納室6に収納される大きさであればよく、玉砂利5を密封する必要はない。すなわち、収納室6の中で玉砂利5が上下左右に動くことがあってもよい。
【0029】
なお、実施例1において、玉砂利5は、天然産のもの、例えば和歌山県那智産の那智石、通称「那智黒」と呼ばれるものを使用するが、玉砂利5の大きさが直径2〜4cm程度の扁平のものであればよく、那智石に限定されない。玉砂利5は加熱されると、遠赤外線を放射し、遠赤外線の有するエネルギーは、皮膚表面から約200μmの深さで、ほとんど吸収されて熱に変換される。この熱は血液等により体の芯まで効率よく伝わり体を温める。また、玉砂利5の扁平球の形状は、人の体重がかかると皮膚を傷つけずに適度に押圧する形状であるため体の芯に近いところで熱を発することができる上、一定の指圧効果を奏する。
【実施例2】
【0030】
次に、実施例2を図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図4を参照する。図4は、実施例2に係る本発明の温熱ユニットの構成要素である玉砂利保持体12の製造工程と内部構造を簡単に説明する図である。(a)は2枚の布14a、14bにより縫着される前の玉砂利15の状態を示す縦断面図であり、(b)は2枚の布14a、14bにより縫着された後の玉砂利15の状態を示す縦断面図である。
【0032】
図4(a)は、2枚の布14a、14bに整列配置された玉砂利15と、布14aとの間に、遠赤外線機能体17が配設され、玉砂利15とともに縫着される前の状態を示している。一方、図4(b)は、縫着された状態を示している。なお、符号Sは縫着する部分を示している。
【0033】
実施例2に係る温熱ユニットの構成要素である玉砂利保持体12の製造は、図4(a)に示すように、2枚の布14a、14bの間に遠赤外線機能体17を配設し、所定の数量の玉砂利15を遠赤外線機能体17と布14bの間に所定間隔にて整列配置する。次に、図4(b)に示すように、個別の玉砂利15ごとにその周囲で2枚の布14a、14bを縫着することにより、収納室16を多数形成する。なお、図4において、縫着する部分は符号Sで示している。
【0034】
遠赤外線機能体17は炭化綿が好ましいが、遠赤外線効果を有する布状のものであればよい。なお、使用にあたっては、遠赤外線機能体17が配設されている側の面が人体に接するように使用する。遠赤外線機能体17から放射される遠赤外線が効率的に人体に到達するし、温熱効果が高くなるからである。
【実施例3】
【0035】
実施例3を図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
図5は、本発明に係る温熱ユニット21を備える人体装着型の温熱装置20を示す図であり、(a)は平面図、(b)は横断面図である。
【0037】
図5(a)に示すように、人体装着型の温熱装置20は、温熱ユニット21と、温熱ユニット21を配置する本体部27と、装着機構29a、29bとから構成される。本体部27には温熱ユニット21を着脱可能に収納できるポケット24が備えられており、温熱ユニット21を着脱することができる。図5(a)に示すように、ポケット24は玉砂利保持体22を収納している状態であるが、面状発熱体23が矢印の方向にポケット24内に挿入されて玉砂利保持体22の上に積層される。装着機構29a、29bは、例えば面ファスナー等で互いに固定することができる。
【0038】
玉砂利保持体22は、縦2列、横4列の玉砂利25が配置されており、幅12cm〜13cm、長さ20cm〜22cmであるが、これに限定されることはなく、変更は可能である。
【0039】
図5(b)を参照すると、図5(a)において、温熱ユニット21がポケット24に収納された状態を示している。実施例3において、面状発熱体23は、面内で均一に発熱するものであれば好適であり、電気的に発熱するものに限定されず、化学的に発熱するものでもよい。例えば、使い捨てカイロのような発熱体でもよい。なお、難燃性断熱材(図に示されない)は、玉砂利保持体22が積層される面状発熱体23の面とは他方の面に積層されて、ポケット24内に収納されてもよい。
【0040】
図5に示されるとおり、人体装着型の温熱装置20は、温熱ユニット21が着脱可能で軽量であるため、携帯に便利であるとともに、人体装着型の温熱装置20自体の洗濯が容易となる。
【実施例4】
【0041】
実施例4を図6及び図7を用いて説明する。
【0042】
実施例4は、本発明に係る温熱ユニット31を備えるベッド型の温熱装置30に関するものである。図6は、本発明に係る温熱ユニット31を備えるベッド型の温熱装置30を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は長手方向の縦断面図、(d)は短手方向の縦断面図である。
【0043】
図6(a)に示すように、ベッド型の温熱装置30は、ベッド基台39と、ベッド基台39の略中央部に矩形に配置された温熱ユニット31と、ベッド基台39を支持する4本の脚36(うち1本は図に示されない)と、後述する温熱ユニット30の構成要素である面状発熱体33に電気的に接続されるコントローラ35を示している。
【0044】
図6(b)に示すように、温熱ユニット31は、ベッド基台39の略中央部に矩形に配置されているが、配置される大きさは、人が仰臥したときに、肩から腰、太腿にかけて温熱できうる範囲の大きさであるものが好ましい。実施例4において、温熱ユニット31は、幅40cm〜50cm、長さ136cm〜140cmであるが、これに限定されることはなく、変更は可能である。また、実施例4に使用される温熱ユニット31について、玉砂利(図に示されない)は、大きさが直径2〜4cm程度の扁平のものを、幅方向に8列かつ長さ方向に22列配置されるが、配置される玉砂利の個数は、種々変更することができる。
【0045】
図6(c)の長手方向の縦断面図には、上述した温熱ユニット31が配置されるベッド基台39の略中央部のベッド基台内部の構造が示されている。すなわち、ベッド基台39の略中央部に矩形に上面開口した空間があり、底部に難燃性断熱材38が配置され、その上に温熱ユニット31が配置される。すなわち、温熱ユニット31の構成要素である面状発熱体33が難燃性断熱材38の上に積層され、さらにその上に玉砂利保持体32が配置されている。また、ベッド基台39を支持する脚36と、面状発熱体33に電気的に接続されるコントローラ35が示されている。図6(d)は短手方向の縦断面図であるが、その構造は、図6(c)の長手方向の縦断面図と同様であり説明は省略する。
【0046】
面状発熱体33は、面内で均一に発熱するものであれば好適であり、電気的に発熱するものに限定されず、化学的に発熱するものでもよい。実施例4の構成例では、面状発熱体33は、電気不良導体の基板上に炭素粉末、又はこの粉末とポリエチレン粉末等の結合剤と混合した粉末を塗布・溶融して所要の電気抵抗を有する抵抗膜を形成し、発熱体とするとともに、両端に導線を取り付けて通電可能とした構造となっている。また、必要に応じて表面に電気不良導体の耐熱被膜を施して一体としたものでも良い。図6(c)に示されるとおりコントローラ35が設けられており、コントローラ35を操作することにより、面状発熱体33に通電する電気量を制御して所要の温度を設定することができる。
【0047】
実施例4において、難燃性断熱材38はウレタンが使用されるが、断熱効果が得られる部材、例えばポリエステル等の合成樹脂でもよい。
【0048】
図7は、図6に係るベッド型の温熱装置30について使用の状況を示す長手方向の断面図である。図7によると、人体Bが仰臥すると、人体Bの肩から腰ならびに太腿にいたる範囲が玉砂利保持体32に接し、この範囲が温熱により温められるとともに、玉砂利保持体32に含有される玉砂利(図に示されない)の石の厚みが、人体Bの体重により肌に食い込むことにより熱が体の奥まで伝達できるとともに、指圧効果を奏する。
【実施例5】
【0049】
最後に、実施例5を図8を用いて説明する。
【0050】
実施例5は、本発明に係る温熱ユニットを備える腰掛け装着型の温熱装置40に関するものである。図8は、本発明に係る温熱ユニットを備える腰掛け装着型の温熱装置40の使用の状況を模式的に示す図である。なお、図中の一点鎖線の矢印は、腰掛け装着型の温熱装置40が腰掛け50に配置される使用の状況を例示的に示している。
【0051】
図8で示すように、腰掛け装着型の温熱装置40は、図5において説明した実施例3に係る人体装着型の温熱装置20と同じ構造のものである。したがって、ここでは詳細な説明は省略する。すなわち、上述人体装着型の温熱装置20は必ずしも人体に取り付ける必要はなく、人が利用する装置側に取り付けることも可能である。
【0052】
例えば、図8に示すように、腰かけ50において、人体の腰部が接する部分51、肩部が接する部分52a、52b、臀部が接する部分53、または足裏が接する部分54等に、ポケット44が位置するように装着機構49a、49bを着脱可能に取り付けて使用する腰掛け装着型の温熱装置40とすることができる。なお、腰掛け50において、ポケット44は人体の腰部等に接する部分に位置するように説明しているが、例えば、人体の背面全体に接するポケット44を有する腰掛け装着型の温熱装置40であってもよい。
【0053】
以上、本発明に係る温熱ユニットにおける好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の温熱ユニットは、公知の発熱体を積層することにより、ベッド、理容・美容用いす、人体装着型の温熱装置等に上下左右縦横自在に配置することができる。また軽量であるため携帯が可能であり、家庭用ならびに業務用に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1、21、31 温熱ユニット
2、12、22,32 玉砂利保持体
3、23、33 面状発熱体
4a、4b、14a、14b 布
5、15、25 玉砂利
6、16 収納室
17 遠赤外線機能体
20 人体装着型の温熱装置
24、44 ポケット
29a、29b、49a、49b 装着機構
30 ベッド型の温熱装置
38 難燃性断熱材
39 ベッド基台
40 腰掛け装着型の温熱装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の数量の玉砂利を2枚の布の間に整列配置し、前記2枚の布を個別の前記玉砂利ごとにその周囲で縫着することにより、収納室が多数形成された玉砂利保持体と、
前記玉砂利保持体の一方の面に積層される面状発熱体とを備え、
前記玉砂利が前記面状発熱体によって所要の温度に加熱される温熱ユニット。
【請求項2】
前記2枚の布の一方と前記玉砂利との間に遠赤外線機能体を配置することを特徴とする請求項1に記載の温熱ユニット。
【請求項3】
前記玉砂利は那智石であることを特徴とする請求項1または2に記載の温熱ユニット。
【請求項4】
前記遠赤外線機能体は炭化綿であることを特徴とする請求項2または3に記載の温熱ユニット。
【請求項5】
前記布は不織布であることを特徴とする請求項1ないし4に記載の温熱ユニット。
【請求項6】
請求項1ないし5に記載の温熱ユニットと、
前記温熱ユニットを収納するポケットと、
前記ポケットを人体に装着する装着機構と、
を備えた人体装着型の温熱装置。
【請求項7】
利用者が横臥して利用する温熱装置であって、
ベッド基台と、
前記ベッド基台に載置した断熱基材と、
前記断熱基材の上に載置した請求項1ないし5に記載の温熱ユニットと、
を備えたベッド型の温熱装置。
【請求項8】
利用者が座って利用する温熱装置であって、
請求項1ないし5に記載の温熱ユニットと、
前記温熱ユニットを収納するポケットと、
利用者の腰部、肩部、臀部または足裏が接する腰掛けの面に前記ポケットを装着する装着機構と、
を備えた腰掛け装着型の温熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−40212(P2012−40212A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184498(P2010−184498)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(510226381)
【Fターム(参考)】