温調マット
【課題】温調マット上にフローリング材を敷設する際のフローリング材の位置合わせを容易に行うことができる温調マットを提供する。
【解決手段】床暖房マット1は、分割マットA〜Dを配列してなる。各分割マットA〜Dは、長方形状の基板10〜18と、小根太30A,30Bとを交互に配列してなる。小根太30A,30Bは、それぞれ、小小根太31A,31Bと、該小小根太31A,31Bよりも長い長小根太32A,32Bとからなる。全ての小根太30A,30Bにおいて、各小小根太31A,31Bは、各基板10〜18の同一の短辺側に配置されている。
【解決手段】床暖房マット1は、分割マットA〜Dを配列してなる。各分割マットA〜Dは、長方形状の基板10〜18と、小根太30A,30Bとを交互に配列してなる。小根太30A,30Bは、それぞれ、小小根太31A,31Bと、該小小根太31A,31Bよりも長い長小根太32A,32Bとからなる。全ての小根太30A,30Bにおいて、各小小根太31A,31Bは、各基板10〜18の同一の短辺側に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床上に敷設される温調マットに係り、特に、温調マットの各基板間に小根太が配置されている温調マットに関する。さらに詳しくは、本発明は、フローリング材がこれらの小根太に跨って配材されて小根太に釘留めされるように施工される温調マットに関する。
【背景技術】
【0002】
基板の上面に温水配管を引き回してなる温水マットを床上に配置し、その上にフローリング材を敷設した暖房床がある。
【0003】
この温水マットとして、フローリング材を固定するための小根太を備えたものが特開2006−226604号公報に記載されている。
【0004】
第9図は同号公報の図1の温水マットを示す平面図である。なお、同図では均熱シートの図示が省略されている。
【0005】
この温水マットは、複数枚の長方形の基板70と、各基板70の長辺同士の間に配置された小根太とを有している。各基板70の上面には溝が設けられ、温水配管71が該溝を通って引き回されている。1つの基板70(70A)の短辺からは小さい方形の切欠状のヘッダ設置部72が設けられ、このヘッダ設置部72内にヘッダが設けられている。
【0006】
この小根太は、短い小小根太81と、長い長小根太82とからなり、小小根太81と長小根太82との間には温水配管71を引き通すためのスペース83があいている。
【0007】
第10図は第9図の温水マットの基板70の一方の短辺側と他方の短辺側との拡大図である。
【0008】
第10図の通り、この温水マットにあっては、小小根太81が基板70の一方の短辺側に配置された小根太と、小小根太81が基板70の他方の短辺側に配置された小根太とが、基板70一枚毎に交互に配列されている。
【0009】
温水配管71は、各基板70の一方の短辺側のスペース83と他方の短辺側のスペース83とを交互に引き通されて各基板70上をジグザグに引き回されている。
【0010】
この温水マットを床下地の上面に敷設した後、長方形板状のフローリング材90を、該フローリング材90の長手方向が基板70の長手方向と直交方向となるように敷設し、釘打ちして小根太に固定する。なお、このフローリング材90は、一般に、短手幅が303mm(一尺)である。
【0011】
この釘打ちは、フローリング材90の長側辺に沿って行なわれるが、釘が温水配管71を貫くことがないようにするために、基板70の一方の短辺側及び他方の短辺側において、それぞれ、該基板70の長辺方向における各スペース83の位置を同一としている。即ち、基板70の一方の短辺側及び他方の短辺側において、それぞれ、各スペース83を結ぶ直線は、基板70の長手方向と直交方向となっている。
【0012】
このようにスペース83の位置を揃えるために、各小根太は小小根太81と長小根太82とで構成されている。
【0013】
このスペース83上に配材されるフローリング材90は、第9図の通り、その両長側辺がそれぞれスペース83の両側の小小根太81と長小根太82とに重ね合わされ、これらの小小根太81及び長小根太82にそれぞれ釘打ちされる。
【0014】
第11図は、第9図の温水マットを複数枚敷設した場合の該温水マット同士の突き合わせ部付近の平面図である。
【0015】
第9図の温水マットを複数枚、各々の基板70の短辺同士を突き合わせるようにして敷設した場合には、各温水マットにおける基板70の一方の短辺側及び他方の短辺側の双方のスペース83と、これらの温水マット同士の突き合わせ部T0とにそれぞれフローリング材90の長側辺が重ならないように、フローリング材90を配材する必要がある。
【0016】
第11図に、この温水マット同士の突き合わせ部T0付近におけるフローリング材90の配置の一例を二点鎖線にて示す。
【0017】
この突き合わせ部T0の双方の温水マット側には、それぞれ、小小根太81を介してスペース83が隣接している。そのため、この突き合わせ部T0付近に配材されるフローリング材90は、第11図の通り、該突き合わせ部T0を跨ぎ、且つその両長側辺が該突き合わせ部T0の両側のスペース83の外側に位置する長小根太82にそれぞれ重なるように配置され、該両長側辺がそれぞれ各長小根太82に釘打ちされる。
【特許文献1】特開2006−226604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記特開2006−226604号公報の温水マットにあっては、基板の一方の短辺側及び他方の短辺側に、それぞれ釘打ちできないスペース83が存在しているので、温水マット上にフローリング材90を敷設する際には、基板70の該一方の短辺側及び他方の短辺側の双方において、フローリング材90の長側辺がこのスペース83に重ならないようにフローリング材90を配材する必要があるため、フローリング材90の位置合わせが面倒である。
【0019】
また、第11図のように、この温水マットを複数枚、各々の基板70の短辺同士を突き合わせるようにして敷設した場合には、これらの温水マット上にフローリング材90を敷設するに際しては、各温水マットにおける基板70の一方の短辺側及び他方の短辺側の双方スペース83と、これらの温水マット同士の突き合わせ部T0とにフローリング材90の長側辺が重ならないようにフローリング材90を配材する必要があるため、フローリング材90の位置合わせが非常に面倒なものとなる。
【0020】
本発明は、このような問題点を解消し、温調マット上にフローリング材を敷設する際のフローリング材の位置合わせを容易に行うことができる温調マットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
請求項1の温調マットは、床上に敷設される略方形の平面視形状を有した温調マットであって、互いに所定の間隔をおいて配列された複数本の小根太と、該小根太同士の間にそれぞれ配材された、小根太長手方向に延在する1対の第1の端辺及び該小根太と交叉方向に延在する1対の第2の端辺を有する略方形の複数枚の基板と、該基板の上面に設けられた配管収容用の溝と、該溝に収容された温調配管と、各基板の上面を覆うように配置された均熱シートとを有し、該小根太は、小小根太と、該小小根太とスペースをあけて配置された、該小小根太よりも長い長小根太とからなり、該小小根太と長小根太との間のスペースに前記温調配管が引き通されている温調マットにおいて、全ての小根太において、各小小根太が前記基板の同一の第2の端辺側に配置されていることを特徴とするものである。
【0022】
請求項2の温調マットは、請求項1において、前記小小根太として、第1の規定長さL1を有した第1の小小根太と、該第1の小小根太よりも長い第2の規定長さL2を有した第2の小小根太とが設けられており、該第1の小小根太を有した小根太と、該第2の小小根太を有した小根太とが、前記基板所定枚数毎に交互に配列されていることを特徴とするものである。
【0023】
請求項3の温調マットは、請求項2において、前記第1の小小根太を有する小根太は、規定長さM1の第1の長小根太を有しており、前記第2の小小根太を有する小根太は、該規定長さM1よりも短い規定長さM2の第2の長小根太を有しており、該第1の小小根太の該第1の長小根太側の端部と、該第2の長小根太の該第2の小小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が実質的に303mmよりも小さいことを特徴とするものである。
【0024】
請求項4の温調マットは、請求項3において、該第1の小小根太の該第1の長小根太側の端部と、該第2の長小根太の該第2の小小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が実質的に151.5mmよりも小さいことを特徴とするものである。
【0025】
請求項5の温調マットは、請求項2ないし4のいずれか1項において、該第2の小小根太の該第2の長小根太側の端部は、該第1の長小根太の該第1の小小根太側の端部よりも前記第2の端辺から離隔した位置まで延在していることを特徴とするものである。
【0026】
請求項6の温調マットは、請求項5において、該第1の長小根太の該第1の小小根太側の端部と、該第2の小小根太の該第2の長小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が10〜100mmであることを特徴とするものである。
【0027】
請求項7の温調マットは、請求項1ないし6のいずれか1項において、各小根太の前記スペースの小根太長手方向の幅が実質的に303mmよりも小さいことを特徴とするものである。
【0028】
請求項8の温調マットは、請求項7において、各小根太の前記スペースの小根太長手方向の幅が実質的に151.5mmよりも小さいことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明の温調マットにあっては、全ての小根太において、小小根太が基板の同一の第2の端辺側に配置されている。即ち、この温調マットにあっては、該小小根太と長小根太との間の釘打ちできないスペースは、全ての小根太において、基板の一方の第2の端辺側にのみ存在している。そのため、温調マット上にフローリング材を敷設する際には、該基板の一方の第2の端辺側においてのみ、フローリング材の長側辺がこのスペースに重ならないようにフローリング材を配材すればよいので、フローリング材の位置合わせを容易に行うことができる。
【0030】
また、この温調マットを複数枚、各々の基板の第2の端辺同士を突き合わせるようにして敷設した場合には、これらの温調マット上にフローリング材を敷設するに際しては、これらの温調マット同士の突き合わせ部と、各温調マットの基板の一方の第2の端辺側にのみ存在するスペースとにそれぞれフローリング材の長側辺が重ならないようにフローリング材を配材すればよい。そのため、このように温調マットを複数枚、各々の基板の第2の端辺同士を突き合わせるようにして敷設した場合でも、フローリング材の位置合わせを容易に行うことができる。
【0031】
請求項2のように、比較的短い第1の小小根太を有した小根太と、それよりも長い第2の小小根太を有した小根太とを交互に配列することにより、フローリング材を配材したときにこのフローリング材の長側辺が該第1の小小根太から若干はみ出しても、このフローリング材の長側辺を第2の小小根太に重ねて釘打ちすることが可能となる。
【0032】
請求項3,4のように、この第1の小小根太の第1の長小根太側の端部と、第2の長小根太の該第2の小小根太側の端部との小根太長手方向の間隔は、実質的に303mmよりも小さいことが好ましく、特に、実質的に151.5mmよりも小さいことが好ましい。このように構成することにより、フローリング材を、その長側辺がいずれの小根太のスペースにも重ならないように配置して、該第1の小小根太と第2の長小根太とに釘打ちすることが可能となる。
【0033】
請求項5のように、第2の小小根太の第2の長小根太側の端部を、第1の長小根太の第1の小小根太側の端部よりも基板の第2の端辺から離隔した位置まで延在させることにより、フローリング材の長側辺を必ず該第2の小小根太及び第1の長小根太の少なくとも一方に釘打ちすることが可能である。
【0034】
この場合、請求項6のように、第1の長小根太の第1の小小根太側の端部と、第2の小小根太の第2の長小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が10〜100mmであることが好ましく、特に好ましくは30〜50mmである。このように構成することにより、フローリング材の長側辺を該第2の小小根太と第1の長小根太の双方に交互に重ねて釘打ちすることが可能となる。
【0035】
本発明においては、請求項7,8のように、各小根太のスペースの小根太長手方向の幅は、実質的に303mmよりも小さいことが好ましく、特に、実質的に151.5mmよりも小さいことが好ましい。このように構成することにより、フローリング材の両長側辺をこれらのスペースの両側の小小根太と長小根太とに重ねて釘打ちすることが可能となる。
【0036】
なお、前述の通り、一般的に流通している規格品のフローリング材は、通常、短手幅が303mmとなっている。本発明では、実質的に303mmとは、302.5〜303.5mmの範囲にあることを表し、実質的に151.5mmとは、151.0〜152.0mmの範囲にあることを表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。以下の各実施の形態は、床暖房マットへの本発明の適用例である。なお、以下の各実施の形態は本発明の一例であり、本発明は以下の各実施の形態以外の形態をもとりうる。
【0038】
以下の各実施の形態においては、床暖房マットを構成する基板はいずれも長方形状のものであり、各基板は長辺方向を小根太長手方向として配材されている。即ち、以下の各実施の形態においては、各基板の長辺が小根太長手方向の第1の端辺に相当し、短辺が小根太と交叉方向の第2の端辺に相当する。ただし、基板の形状や向きはこれに限定されるものではなく、本発明は、例えば各基板が短辺方向を小根太長手方向として配材された温調マットにも適用可能である。この場合、各基板の短辺が小根太長手方向の第1の端辺に相当し、長辺が小根太と交叉方向の第2の端辺に相当する。もちろん、本発明は、各基板の第1の端辺と第2の端辺の長さが同等、即ち各基板が正方形状の温調マットにも適用可能である。
【0039】
[第1の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1]
第1図は第1の実施の形態に係る温調床マットとしての床暖房マット1の平面図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図、第3図は小根太の構成を示す、床暖房マット1の概略的な平面図、第4〜6図は、それぞれフローリング材の配置の一例を示す、この床暖房マット1の小小根太側の端部付近の平面図である。
【0040】
なお、第1図及び第3〜6図では、均熱シート5の図示が省略されている。また、第3図においては、温水配管及び配管収容用溝の図示も省略されている。
【0041】
この床暖房マット1は、略長方形の4枚の分割マットA〜Dと、各分割マットA〜Dの上面に設けられた配管収容用の溝4(第2図)に収容されて該基板A〜Dの上面に引き回された温調配管としての温水配管3と、各分割マットA〜Dの上面を覆う均熱シート5と、該温水配管3が連なるヘッダ6等を有している。
【0042】
第1図の通り、分割マットA〜Dがこの順に一列に配列されている。この実施の形態では、該分割マットA〜Dは、各々の長辺方向の幅が略同一寸法となっており、互いの長辺同士を突き合わせるように配置されている。なお、この実施の形態では、分割マットB,C同士が略同一の形状及び大きさとなっている。
【0043】
符号T1は分割マットA,B間の突き合わせ部を示し、T2は分割マットB,C間の突き合わせ部を示し、T3は分割マットC,D間の突き合わせ部を示している。
【0044】
これらの分割マットA〜Dを配列してなる床暖房マット1は、第1図の通り、全体として略長方形の平面視形状を有している。この実施の形態では、分割マットA〜Dの配列方向即ち各分割マットA〜Dの短辺方向が床暖房マット1の長辺方向となっている。各分割マットA〜Dの長辺方向の幅及び短辺方向の幅は、それぞれ、実質的に303mm(1尺)の整数倍であることが好ましい。
【0045】
この実施の形態では、分割マットA,B間、分割マットB,C間及び分割マットC,D間においてそれぞれ各突き合わせ部T1〜T3を跨いで一方の分割マットから他方の分割マットに連続して温水配管3が引き回されており、この温水配管3により、分割マットA,B同士、分割マットB,C同士及び分割マットC,D同士が連結されている。
【0046】
この実施の形態では、床暖房マット1は、これらの分割マットA,B間、B,C間及びC,D間をそれぞれ各突き合わせ部T1〜T3に沿って谷折り(折り目が床暖房マット1の下面側に凸となるように折ること)又は山折り(折り目が床暖房マット1の上面側に凸となるように折ること)することにより、小さく折り畳むことが可能である。
【0047】
この実施の形態では、分割マットAは、3枚の帯板状(細長い長方形状)の基板10〜12と、2本の小根太30とを、各々の長手方向を該分割マットAの長辺方向として、該分割マットAの短辺方向に交互に配列した如き構成となっている。
【0048】
また、分割マットB,Cは、それぞれ、4枚の帯板状の基板13〜16と、3本の小根太30とを、各々の長手方向を各分割マットB,Cの長辺方向として、各分割マットB,Cの短辺方向に交互に配列した如き構成となっている。
【0049】
分割マットDは、2枚の基板17,18と1本の小根太30とを、各々の長手方向を分割マットDの長辺方向として、該分割マットDの短辺方向に交互に配列した如き構成となっている。
【0050】
各基板10〜18は、各々の長側辺を隣接する小根太30に突き合わせるようにして配置されている。各基板10〜18の長さは、各分割マットA〜Dの長辺方向の幅と略等しい。隣り合う小根太30,30は、各々の幅方向(長手方向と交叉方向)の中間(芯)同士の間隔が実質的に303mmとなるように配列されていることが好ましい。
【0051】
分割マットAは、基板12を分割マットBの基板13に突き合わせるようにして配置され、分割マットBは、基板16を分割マットCの基板13に突き合わせるようにして配置され、分割マットCは、基板16を分割マットDの基板17に突き合わせるようにして配置されている。
【0052】
以下、分割マットA〜Dの列の各小根太30を、それぞれ、第1図において最も左側に配置された小根太30から順に1列目の小根太30、2列目の小根太30、3列目の小根太30、4列目の小根太30、5列目の小根太30、6列目の小根太30、7列目の小根太30、8列目の小根太30及び9列目の小根太30と称することがある。
【0053】
第1図の通り、この温調マットにおいては、偶数列目の小根太30(30A)は、第1の規定長さL1を有する第1の小小根太31Aと、該小小根太31Aとスペースをあけて配置された、該第1の小小根太31Aよりも長い規定長さM1を有する第1の長小根太32Aとからなる。また、3列目以降の奇数列目の小根太30(30B)は、該第2の規定長さL2を有する第2の小小根太31Bと、該第2の小小根太31Bとスペースをあけて配置された、該第2の小小根太31Bよりも長い第2の長小根太32Bとからなる。該第2の規定長さL2(第2の小小根太31B)は第1の規定長さL1(第1の小小根太31A)よりも長い。また、該規定長さM2(第2の長小根太32B)は、規定長さM1(第1の長小根太32A)よりも長い。
【0054】
小根太30A,30Bを挟んで隣り合う基板11,12同士、13,14同士、14,15同士、15,16同士、17,18同士は、それぞれ、これらの小小根太31Aと長小根太32Aとの間及び小小根太31Bと長小根太32Bとの間の各スペースを横切るように形成された連結部33によって連結されている。
【0055】
第1列目の小根太30(30’)も、小小根太31’と、該小小根太31’と間隔をあけて配置された、該小小根太31’よりも長い長小根太32’とからなる。この実施の形態では、この1列目の小小根太31’は、偶数列目の小小根太31Aと略同じ長さを有しており、長小根太32’は、3列目以降の奇数列目の長小根太32Bと略同じ長さとなっている。
【0056】
第1図の通り、この温調マット1においては、全ての小根太30A,30B,30’において、各小小根太31A,31B,31’は、各基板10〜18の同一の短辺側に配置されている。
【0057】
なお、各小小根太31A,31B,31’は、各々の長小根太32A,32B,32’と反対側の端部(以下、各小小根太31A,31B,31’の外側端部ということがある。)を各基板10〜18の該同一の短辺(以下、各基板10〜18の小小根太側短辺ということがある。)に揃えて配置されている。また、全ての小根太30A,30B,30’において、各長小根太32A,32B,32’は、各々の小小根太31A,31B,31’と反対側端部(以下、長小根太32A,32B,32’の外側端部ということがある。)を各基板10〜18の小小根太側短辺と反対側の短辺(以下、各基板10〜18の長小根太側短辺ということがある。)に揃えて配置されている。
【0058】
第3図のように、本発明においては、各基板10〜18の長辺方向における第1の小小根太31Aと第1の長小根太32Aとの間及び第2の小小根太31Bと第2の長小根太32Bとの間の各スペース(連結部33)の幅Wは、実質的に303mmよりも小さいことが好ましく、特に、実質的に151.5mmよりも小さいことが好ましい。
【0059】
第1の小小根太31Aの規定長さL1と第2の小小根太31Bの規定長さL2との差ΔLは、10〜100mm、特に30〜50mmであることが好ましい。
【0060】
各基板10〜18の長辺方向における、第1の小小根太31Aの第1の長小根太32A側の端部(以下、小小根太31Aの内側端部ということがある。)と、第2の長小根太32Bの第2の小小根太31B側の端部(以下、第2の長小根太32Bの内側端部ということがある。)との間隔Y1は、実質的に303mmよりも小さいことが好ましく、特に、実質的に151.5mmよりも小さいことが好ましい。
【0061】
第2の小小根太31Bの第2の長小根太32B側の端部(以下、第2の小小根太31Bの内側端部ということがある。)は、第1の長小根太31Aの第1の小小根太31A側の端部(以下、第1の長小根太32Aの内側端部ということがある。)よりも各基板10〜18の小小根太側短辺から離隔した位置まで延在していることが好ましい。この第2の小小根太31Bの内側端部と、第1の長小根太32Aの内側端部との距離Y2は、一般的な釘打ち可能な最小幅よりも大きいことが好ましく、具体的には10〜100mm、特に30〜50mm程度であることが好ましい。
【0062】
この実施の形態では、分割マットAの基板10に前記ヘッダ6が配置されている。この基板10には、その小小根太31’側の短辺から方形の切欠状のヘッダ設置部10aが形成されており、このヘッダ設置部10a内にヘッダ6が設置されている。
【0063】
小根太30’の小小根太31’と長小根太32’との間のスペース33’は、このヘッダ設置部10aの該小根太30’側の側辺に臨んでいる。
【0064】
この実施の形態では、各基板10〜18の上面に、それぞれ、各基板10〜16の長辺方向に延在する4条の配管収容用の溝4が延設されている。
【0065】
連結部33によって連結された基板11,12同士の間、13〜16同士の間及び17,18同士の間においては、これらの溝4同士は該連結部33を通って連続している。
【0066】
この実施の形態では、分割マットAの基板12及び分割マットBの基板13においては、各溝4の端部がこれらの基板A,B同士の突き合わせ部T1に臨んでいる。床暖房マット1を展開した状態においては、突き合わせ部T1を挟んで該分割マットAの基板12と分割マットBの基板13との各溝4の端部同士が対面する。これにより、これらの溝4が該突き合わせ部T1を横切って分割マットAの基板12から分割マットBの基板13に連続して延在したものとなる。
【0067】
詳しい図示は省略するが、この分割マットAの基板12から分割マットBの基板13に連続する各溝4は、これらの基板12,13の突き合わせ部T1側の長側辺付近でそれぞれ円弧状に湾曲している。この溝4の分割マットA側と、分割マットB側とは、互いに反対側に向って凸となる円弧形状を呈するように湾曲している。従って、床暖房マット1を展開した状態においては、この溝4は、分割マットAから分割マットBにかけて略S字形に延在したものとなる。
【0068】
また、この実施の形態では、分割マットB,C間の基板16,13同士の間及び分割マットC,D間の基板16,17同士の間においても、上記の分割マットA,B間と同様に、各溝4は、突き合わせ部T2,T3を横切って一方の基板から他方の基板に連続し、且つ該一方の基板から他方の基板にかけて略S字形に延在するように延設されている。
【0069】
温水配管3は、各溝4に収容され、各連結部33を通って各基板11,12、13〜16及び17,18にそれぞれ連続して引き回されると共に、分割マットA,B間、B,C間及びC,D間においては、これらの突き合わせ部T1〜T3を横切って、分割マットAからB、BからC、及びCからDにそれぞれ連続して引き回されている。この温水配管3は、各突き合わせ部T1〜T3付近においてそれぞれ各溝4に沿ってS字形に蛇行し、各突き合わせ部T1〜T3に重なる部分は各突き合わせ部T1〜T3に沿って延在したものとなっている。
【0070】
この実施の形態では、ヘッダ6から小根太30’側及びこれと反対側にそれぞれ2系統の温水配管3が引き回されている。
【0071】
ヘッダ6から小根太30’側に引き回された2系統の温水配管3は、それぞれ、一端がヘッダ6に接続され、次いで、該小根太30’の小小根太31’と長小根太32’との間のスペース33’を通って分割マットAの基板10から基板11に引き回され、次いで、この分割マットAの基板11から各連結部33及び該分割マットAの基板12、分割マットBの基板13〜16、分割マットCの基板13〜16及び分割マットDの基板17を通って該分割マットDの基板18まで引き回され、次いで、この分割マットDの基板18でUターンし、再び各連結部33及び該分割マットDの基板17、分割マットCの基板16〜13、分割マットBの基板16〜13、分割マットAの基板12を通って該分割マットAの基板11まで戻り、その後、前記スペース33’を通って該分割マットAの基板11から基板10に引き回され、他端がヘッダ6に接続されている。
【0072】
ヘッダ6から小根太30’と反対側に引き回された2系統の温水配管3は、それぞれ、一端がヘッダ6に接続され、分割マットAの基板10内において、該基板10のヘッダ設置部10a側からこれと反対側へ引き回され、次いでUターンして該ヘッダ設置部10a側へ戻り、他端がヘッダ6に接続されている。
【0073】
温水配管3を溝4に収容しつつ上記の配管ルートで引き回した後、分割マットA〜Dの上面を覆うように均熱シート材5が配置され、この均熱シート材5が各分割マットA〜Dの上面に接着剤等により貼り付けられている。
【0074】
このように構成された床暖房マット1を用いて暖房床を構築する手順について次に説明する。
【0075】
まず、室の床下地のうち床暖房マット配置予定領域を取り囲むようにダミー材(図示略)を配置し、次いで、床暖房マット1を展開してこの床暖房マット配置領域に敷き、この室内に配設された給湯管及び排湯管をそれぞれヘッダ6の給湯口及び排湯口(いずれも図示略)に接続する。
【0076】
次に、室の端から、順次、このダミー材と床暖房マット1との上にフローリング材40(第4〜6図)を敷設する。この際、各フローリング材40を、その長手方向が床暖房マット1の各小根太30の延在方向と略直交方向となるように配材する。
【0077】
フローリング材40は、床暖房マット1上においては、複数の小根太30に跨って配置される。この際、各フローリング材40の短辺を小根太30に重ねるようにする。そして、各フローリング材40を釘(図示略)で各小根太30に留め付ける。
【0078】
なお、このフローリング材40は、一般的に流通している規格品のフローリング材であり、短手幅が実質的に303mmであり、長手幅が実質的に303mmの整数倍となっている。この床暖房マット1は、隣り合う小根太30,30の芯同士の間隔が303mmとなっているので、フローリング材40の一方の短辺を小根太30に重ねると、このフローリング材40の他方の短辺も別の小根太30に重なるようになる。
【0079】
フローリング材40を各連結部33及びスペース33’上に配材する場合には、該フローリング材40の長側辺が各小根太30A,30B,30’において小小根太31A,31B,31’及び長小根太32A,32B,32’の少なくとも一方にそれぞれ重なるように配置し、釘打ちする。
【0080】
この実施の形態では、第2の小小根太31Bの内側端部が第1の長小根太32Aの内側端部よりも各基板10〜18の小小根太側短辺から離隔した位置まで延在しているので、第4〜6図のように、フローリング材40の長側辺を必ず該第2の小小根太31B及び第1の長小根太32Aの少なくとも一方に釘打ちすることが可能である。
【0081】
第4図においては、フローリング材40の長側辺を該第2の小小根太31Bと第1の長小根太32Aの双方に交互に重ね、これらの小小根太31B及び長小根太32Aの双方にフローリング材40を釘留めしている。第5図においては、フローリング材40の長側辺を第1の長小根太32Aにのみ重ね、この長小根太32Aにフローリング材40を釘留めしている。第6図においては、フローリング材40の長側辺を第2の小小根太31Bにのみ重ね、この小小根太31Bにフローリング材40を釘留めしている。
【0082】
なお、この実施の形態では、各基板10〜18の長辺方向における該第1の長小根太32Aの内側端部と第2の小小根太31Bの内側端部との間隔が30〜50mmとなっているので、フローリング材40の長側辺を該第2の小小根太31Bと第1の長小根太32Aの双方に交互に重ねた後、余裕を持ってこれらの小小根太31B及び長小根太32Aに釘打ちすることが可能である。
【0083】
図示は省略するが、フローリング材40を小根太30Aの連結部33と小根太30Bの連結部33の双方に重ね、その長側辺を該小根太30Bの第2の長小根太32B上に配置するようにしてもよい。
【0084】
この温調マット1にあっては、全ての小根太30A,30B,30’において、小小根太31A,31B,31’が各基板10〜18の同一の短辺側に配置されている。即ち、この温調マット1にあっては、該小小根太31A,31B,31’と長小根太32A,32B,32’との間の釘打ちできない連結部33及びスペース33’は、全ての小根太30A,30B,30’において、各基板10〜18の一方の短辺側にのみ存在している。そのため、温調マット1上にフローリング材40を敷設する際には、該基板10〜18の一方の短辺側においてのみ、フローリング材40の長側辺がこの連結部33及びスペース33’に重ならないようにフローリング材40を配材すればよいので、フローリング材40の位置合わせを容易に行うことができる。
【0085】
[第2の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1A]
第7図は第2の実施の形態に係る温調床マットとしての床暖房マット1Aの平面図、第8図はこの床暖房マット1A上へのフローリング材の配置の一例を示す、この床暖房マット1Aの分割マット同士の突き合わせ部付近の平面図である。
【0086】
なお、第7図及び第8図では、均熱シート5の図示が省略されている。
【0087】
この実施の形態床暖房マット1Aは、略長方形の8枚の分割マットE〜Lを配列してなる。
【0088】
この実施の形態では、分割マットE,I同士、F,G,J,K同士及びH,L同士がそれぞれ略同一の形状及び大きさとなっており、互いの長辺の長さ及び互いの短辺の長さがそれぞれ略等しいものとなっている。なお、この実施の形態では、各分割マットE〜Lは、各々の長辺の長さが略同一寸法となっている。
【0089】
第1図の通り、分割マットE〜Hがこの順に一列に配列され、分割マットI〜Lがこの順に、且つ該分割マットE〜Hに隣接するように一列に配列されている。
【0090】
分割マットE〜H及びI〜Lは、それぞれ、互いの長辺同士を突き合わせるように配置されている。また、分割マットE〜Hの列と分割マットI〜Lの列との間では、分割マットE,I同士、分割マットF,J同士、分割マットG,K同士及び分割マットH,L同士がそれぞれ互いの短辺同士を突き合わせるようにして隣接している。
【0091】
符号T4は分割マットE,F間及びI,J間の突き合わせ部を示し、T5は分割マットF,G間及びJ,K間の突き合わせ部を示し、T6は分割マットG,H間及びK,L間の突き合わせ部を示し、T7は分割マットE〜Hの列とI〜Lの列との間の突き合わせ部を示している。
【0092】
これらの分割マットE〜Lを配列してなる床暖房マット1Aも、第7図の通り、全体として略長方形の平面視形状を有している。この実施の形態でも、分割マットE〜H及びI〜Lの配列方向即ち各分割マットE〜Lの短辺方向が床暖房マット1Aの長辺方向となっている。この床暖房マット1Aにおいても、各分割マットE〜Lの長辺方向の幅及び短辺方向の幅は、それぞれ、実質的に303mm(1尺)の整数倍であることが好ましい。
【0093】
この実施の形態では、分割マットE,F間、分割マットF,G間、分割マットG,H間、分割マットI,J間、分割マットJ,K間、分割マットK,L間及び分割マットE,I間においてそれぞれ各突き合わせ部T4〜T7を跨いで一方の分割マットから他方の分割マットに連続して温水配管3が引き回されており、この温水配管3により、分割マットE,F同士、分割マットF,G同士、分割マットG,H同士、分割マットI,J同士、分割マットJ,K同士、分割マットK,L同士及び分割マットE,I同士が連結されている。
【0094】
この実施の形態では、床暖房マット1Aは、これらの分割マットE,F間、分割マットF,G間、分割マットG,H間、分割マットI,J間、分割マットJ,K間、分割マットK,L間及び分割マットE,I間をそれぞれ各突き合わせ部T4〜T7に沿って谷折り又は山折りすることにより、小さく折り畳むことが可能である。
【0095】
この実施の形態では、分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列は、それぞれ、前述の第1〜6図の床暖房マット1において、分割マットDの分割マットCと反対側に小根太30Aを挟んで基板19を追加した如き構成となっている。即ち、これらの分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列において、それぞれ、分割マットE,Iは床暖房マット1の分割マットAに相当し、分割マットF,Jは分割マットBに相当し、分割マットG,Kは分割マットCに相当し、分割マットH,Lは分割マットDに小根太30A及び基板19を追加したものに相当する。
【0096】
該分割マットH,Lの基板18,19間においては、それぞれ、小根太30Aの第1の小小根太31Aと長小根太32Aとの間の連結部33を通って該基板18から基板19に温水配管3が連続して引き回されている。
【0097】
なお、この床暖房マット1Aでは、分割マットIの基板10にのみヘッダ6が設置されており、分割マットEの基板10にはヘッダ6は設置されていない。該分割マットEの基板10,11間には、小根太30’の代わりに小根太30Bが設置されている。
【0098】
該ヘッダ6から分割マットIの基板10側に引き回された温水配管3は、該分割マットIの基板10から突き合わせ部T7を横切って分割マットEの基板10に引き回され、次いで、この分割マットEの基板10から、各連結部33及び該分割マットEの基板11,12、分割マットFの基板13〜16、分割マットGの基板13〜16、分割マットHの基板17,18を通って該分割マットHの基板19まで引き回され、次いで、この分割マットHの基板19でUターンし、再び各連結部33及び該分割マットHの基板18,17、分割マットGの基板16〜13、分割マットFの基板16〜13、分割マットEの基板12,11を通って該分割マットEの基板10に戻り、その後、突き合わせ部T7を横切って分割マットIの基板10に引き回され、他端がヘッダ6に接続されている。
【0099】
この実施の形態では、分割マットE,I間の基板10,10同士の間においても、上記の床暖房マット1の分割マットA,B間と同様に、双方の基板10,10の上面に設けられた配管収容用の各溝4は、突き合わせ部T7を横切って該分割マットIの基板10から分割マットEの基板10に連続し、且つ該分割マットIから分割マットEにかけて略S字形に延在するように延設されている。そして、温水配管3は、この溝4に収容されて、該突き合わせ部T7付近においてS字形に蛇行しつつ分割マットIから分割マットEに連続して引き回されている。
【0100】
第7図の通り、分割マットE〜Hの列では、全ての小根太30A,30Bにおいて、各小小根太31A,31Bは、各基板10〜19の同一の短辺側、即ちこの実施の形態では突き合わせ部T7に沿う短辺(以下、この突き合わせ部T7に沿う短辺を内側辺ということがある)側に配置されている。
【0101】
また、分割マットI〜Lの列では、全ての小根太30A,30B,30’において、各小小根太31A,31B,31’は、各基板10〜19の同一の短辺側、即ちこの実施の形態では突き合わせ部T7と反対の短辺(以下、この突き合わせ部T7と反対の短辺を外側辺ということがある)側に配置されている。
【0102】
この床暖房マット1Aにおける分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列のその他の構成は、前述の床暖房マット1と同様であり、第7,8図において第1〜6図と同一符号は同一部分を示している。
【0103】
この床暖房マット1Aにあっては、分割マットE〜Hの列では、各基板10〜19の内側辺側にのみ、釘打ちできない連結部33が存在しており、分割マットI〜Lの列では、各基板10〜19の外側辺側にのみ、釘打ちできない連結部33及びスペース33’が存在しているので、この床暖房マット1A上にフローリング材40を敷設するに際しては、該分割マットE〜Hの列と分割マットI〜Lの列との突き合わせ部T7と、該分割マットE〜Hの列の各基板10〜19の内側辺側並びに該分割マットI〜Lの列の各基板10〜19の外側辺側にのみ存在する各連結部33及びスペース33’にそれぞれフローリング材40の長側辺が重ならないようにフローリング材40を配材すればよい。そのため、このように分割マットE〜Hの列と分割マットI〜Lの列とを突き合わせるように配置してなる床暖房マット1Aにあっても、フローリング材40の位置合わせを容易に行うことができる。
【0104】
なお、この実施の形態では、分割マットE〜Hの列では、各小小根太31A,31Bは各基板10〜19の内側辺側に配置され、分割マットI〜Lの列では、各小小根太31A,31B,31’は各基板10〜19の外側辺側に配置されているが、分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列における各小小根太31A,31B,31’の配置はこれに限定されるものではない。例えば、分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列の双方において、各小小根太31A,31B,31’が各基板10〜19の内側辺側に配置されてもよく、分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列の双方において、各小小根太31A,31B,31’が各基板10〜19の外側辺側に配置されてもよい。
[材質等]
上記各部材の材質の一例として次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0105】
温調マットを構成する基板の材質としては、例えば発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂のほか、木材等を用いることができる。発泡合成樹脂としては、断熱性の点から、内部の気泡が独立気泡となっているものが好ましい。
【0106】
小根太としては、木材や、釘打ち可能な合成木材又は合成樹脂が好ましい。
【0107】
均熱シート材としては、アルミ又は銅の金属箔が好ましい。
【0108】
温水配管としては、一般的には架橋ポリエチレン製パイプが用いられるが、温水配管の材質はこれに限定されるものではなく、例えば他の合成樹脂製パイプや、銅パイプ等の金属パイプなどが用いられてもよい。
【0109】
[その他の構成]
上記の実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の構成に限定されない。
【0110】
例えば、上記の第1の実施の形態では4枚の略長方形状の分割マットA〜Dを集合状に配列して床暖房マット1を構成し、第2の実施の形態では8枚の略長方形状の分割マットE〜Lを集合状に配列して床暖房マット1Aを構成しているが、床暖房マットを構成する分割マットの枚数及び形状はこれに限定されない。また、各分割マットを構成する基板及び小根太の本数や形状なども、図示の構成に限定されない。本発明の床暖房マットは、複数の分割マットに分割されていない、単体のマットにより構成されていてもよい。
【0111】
温水配管3の配管ルートは図示のルートに限定されるものではない。
【0112】
上記の実施の形態では温水配管3が直に各溝4内に収容されているが、各溝4の内面から各分割マットの上面にかけて熱伝導部材を配材し、温水配管3を、この熱伝導部材に接するように溝4内に収容するよう構成してもよい。このように構成することにより、温水配管3からの熱を、この熱伝導部材を介してより効率よく均熱シート材5に伝えることができる。
【0113】
上記の実施の形態は、床暖房マットに関するものであるが、本発明の温調マットは、壁や天井等に配置されてもよい。また、温水ではなく、冷水を配管に通水して冷房するようにしてもよい。水以外のオイル、不凍液等の熱媒体を流通させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1の実施の形態に係る温調床マットとしての床暖房マット1の平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】小根太の構成を示す、床暖房マット1の概略的な平面図である。
【図4】フローリング材の配置の一例を示す、床暖房マット1の小小根太側の端部付近の平面図である。
【図5】フローリング材の配置の一例を示す、床暖房マット1の小小根太側の端部付近の平面図である。
【図6】フローリング材の配置の一例を示す、床暖房マット1の小小根太側の端部付近の平面図である。
【図7】第2の実施の形態に係る温調床マットとしての床暖房マット1Aの平面図である。
【図8】フローリング材の配置の一例を示す、床暖房マット1Aの分割マット同士の突き合わせ部付近の平面図である。
【図9】従来例に係る温水マットの平面図である。
【図10】図9の温水マットの基板70の一方の短辺側と他方の短辺側との拡大図である。
【図11】図9の温水マットを複数枚敷設した場合の該温水マット同士の突き合わせ部付近の平面図である。
【符号の説明】
【0115】
A〜L 分割マット
1 床暖房マット
3 温水配管
4 溝
6 ヘッダ
5 均熱シート材
10〜19 基板
30,30A,30B,30’ 小根太
31A 第1の小小根太
31B 第2の小小根太
32A 第1の長小根太
32B 第2の長小根太
40 フローリング材
【技術分野】
【0001】
本発明は、床上に敷設される温調マットに係り、特に、温調マットの各基板間に小根太が配置されている温調マットに関する。さらに詳しくは、本発明は、フローリング材がこれらの小根太に跨って配材されて小根太に釘留めされるように施工される温調マットに関する。
【背景技術】
【0002】
基板の上面に温水配管を引き回してなる温水マットを床上に配置し、その上にフローリング材を敷設した暖房床がある。
【0003】
この温水マットとして、フローリング材を固定するための小根太を備えたものが特開2006−226604号公報に記載されている。
【0004】
第9図は同号公報の図1の温水マットを示す平面図である。なお、同図では均熱シートの図示が省略されている。
【0005】
この温水マットは、複数枚の長方形の基板70と、各基板70の長辺同士の間に配置された小根太とを有している。各基板70の上面には溝が設けられ、温水配管71が該溝を通って引き回されている。1つの基板70(70A)の短辺からは小さい方形の切欠状のヘッダ設置部72が設けられ、このヘッダ設置部72内にヘッダが設けられている。
【0006】
この小根太は、短い小小根太81と、長い長小根太82とからなり、小小根太81と長小根太82との間には温水配管71を引き通すためのスペース83があいている。
【0007】
第10図は第9図の温水マットの基板70の一方の短辺側と他方の短辺側との拡大図である。
【0008】
第10図の通り、この温水マットにあっては、小小根太81が基板70の一方の短辺側に配置された小根太と、小小根太81が基板70の他方の短辺側に配置された小根太とが、基板70一枚毎に交互に配列されている。
【0009】
温水配管71は、各基板70の一方の短辺側のスペース83と他方の短辺側のスペース83とを交互に引き通されて各基板70上をジグザグに引き回されている。
【0010】
この温水マットを床下地の上面に敷設した後、長方形板状のフローリング材90を、該フローリング材90の長手方向が基板70の長手方向と直交方向となるように敷設し、釘打ちして小根太に固定する。なお、このフローリング材90は、一般に、短手幅が303mm(一尺)である。
【0011】
この釘打ちは、フローリング材90の長側辺に沿って行なわれるが、釘が温水配管71を貫くことがないようにするために、基板70の一方の短辺側及び他方の短辺側において、それぞれ、該基板70の長辺方向における各スペース83の位置を同一としている。即ち、基板70の一方の短辺側及び他方の短辺側において、それぞれ、各スペース83を結ぶ直線は、基板70の長手方向と直交方向となっている。
【0012】
このようにスペース83の位置を揃えるために、各小根太は小小根太81と長小根太82とで構成されている。
【0013】
このスペース83上に配材されるフローリング材90は、第9図の通り、その両長側辺がそれぞれスペース83の両側の小小根太81と長小根太82とに重ね合わされ、これらの小小根太81及び長小根太82にそれぞれ釘打ちされる。
【0014】
第11図は、第9図の温水マットを複数枚敷設した場合の該温水マット同士の突き合わせ部付近の平面図である。
【0015】
第9図の温水マットを複数枚、各々の基板70の短辺同士を突き合わせるようにして敷設した場合には、各温水マットにおける基板70の一方の短辺側及び他方の短辺側の双方のスペース83と、これらの温水マット同士の突き合わせ部T0とにそれぞれフローリング材90の長側辺が重ならないように、フローリング材90を配材する必要がある。
【0016】
第11図に、この温水マット同士の突き合わせ部T0付近におけるフローリング材90の配置の一例を二点鎖線にて示す。
【0017】
この突き合わせ部T0の双方の温水マット側には、それぞれ、小小根太81を介してスペース83が隣接している。そのため、この突き合わせ部T0付近に配材されるフローリング材90は、第11図の通り、該突き合わせ部T0を跨ぎ、且つその両長側辺が該突き合わせ部T0の両側のスペース83の外側に位置する長小根太82にそれぞれ重なるように配置され、該両長側辺がそれぞれ各長小根太82に釘打ちされる。
【特許文献1】特開2006−226604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記特開2006−226604号公報の温水マットにあっては、基板の一方の短辺側及び他方の短辺側に、それぞれ釘打ちできないスペース83が存在しているので、温水マット上にフローリング材90を敷設する際には、基板70の該一方の短辺側及び他方の短辺側の双方において、フローリング材90の長側辺がこのスペース83に重ならないようにフローリング材90を配材する必要があるため、フローリング材90の位置合わせが面倒である。
【0019】
また、第11図のように、この温水マットを複数枚、各々の基板70の短辺同士を突き合わせるようにして敷設した場合には、これらの温水マット上にフローリング材90を敷設するに際しては、各温水マットにおける基板70の一方の短辺側及び他方の短辺側の双方スペース83と、これらの温水マット同士の突き合わせ部T0とにフローリング材90の長側辺が重ならないようにフローリング材90を配材する必要があるため、フローリング材90の位置合わせが非常に面倒なものとなる。
【0020】
本発明は、このような問題点を解消し、温調マット上にフローリング材を敷設する際のフローリング材の位置合わせを容易に行うことができる温調マットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
請求項1の温調マットは、床上に敷設される略方形の平面視形状を有した温調マットであって、互いに所定の間隔をおいて配列された複数本の小根太と、該小根太同士の間にそれぞれ配材された、小根太長手方向に延在する1対の第1の端辺及び該小根太と交叉方向に延在する1対の第2の端辺を有する略方形の複数枚の基板と、該基板の上面に設けられた配管収容用の溝と、該溝に収容された温調配管と、各基板の上面を覆うように配置された均熱シートとを有し、該小根太は、小小根太と、該小小根太とスペースをあけて配置された、該小小根太よりも長い長小根太とからなり、該小小根太と長小根太との間のスペースに前記温調配管が引き通されている温調マットにおいて、全ての小根太において、各小小根太が前記基板の同一の第2の端辺側に配置されていることを特徴とするものである。
【0022】
請求項2の温調マットは、請求項1において、前記小小根太として、第1の規定長さL1を有した第1の小小根太と、該第1の小小根太よりも長い第2の規定長さL2を有した第2の小小根太とが設けられており、該第1の小小根太を有した小根太と、該第2の小小根太を有した小根太とが、前記基板所定枚数毎に交互に配列されていることを特徴とするものである。
【0023】
請求項3の温調マットは、請求項2において、前記第1の小小根太を有する小根太は、規定長さM1の第1の長小根太を有しており、前記第2の小小根太を有する小根太は、該規定長さM1よりも短い規定長さM2の第2の長小根太を有しており、該第1の小小根太の該第1の長小根太側の端部と、該第2の長小根太の該第2の小小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が実質的に303mmよりも小さいことを特徴とするものである。
【0024】
請求項4の温調マットは、請求項3において、該第1の小小根太の該第1の長小根太側の端部と、該第2の長小根太の該第2の小小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が実質的に151.5mmよりも小さいことを特徴とするものである。
【0025】
請求項5の温調マットは、請求項2ないし4のいずれか1項において、該第2の小小根太の該第2の長小根太側の端部は、該第1の長小根太の該第1の小小根太側の端部よりも前記第2の端辺から離隔した位置まで延在していることを特徴とするものである。
【0026】
請求項6の温調マットは、請求項5において、該第1の長小根太の該第1の小小根太側の端部と、該第2の小小根太の該第2の長小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が10〜100mmであることを特徴とするものである。
【0027】
請求項7の温調マットは、請求項1ないし6のいずれか1項において、各小根太の前記スペースの小根太長手方向の幅が実質的に303mmよりも小さいことを特徴とするものである。
【0028】
請求項8の温調マットは、請求項7において、各小根太の前記スペースの小根太長手方向の幅が実質的に151.5mmよりも小さいことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明の温調マットにあっては、全ての小根太において、小小根太が基板の同一の第2の端辺側に配置されている。即ち、この温調マットにあっては、該小小根太と長小根太との間の釘打ちできないスペースは、全ての小根太において、基板の一方の第2の端辺側にのみ存在している。そのため、温調マット上にフローリング材を敷設する際には、該基板の一方の第2の端辺側においてのみ、フローリング材の長側辺がこのスペースに重ならないようにフローリング材を配材すればよいので、フローリング材の位置合わせを容易に行うことができる。
【0030】
また、この温調マットを複数枚、各々の基板の第2の端辺同士を突き合わせるようにして敷設した場合には、これらの温調マット上にフローリング材を敷設するに際しては、これらの温調マット同士の突き合わせ部と、各温調マットの基板の一方の第2の端辺側にのみ存在するスペースとにそれぞれフローリング材の長側辺が重ならないようにフローリング材を配材すればよい。そのため、このように温調マットを複数枚、各々の基板の第2の端辺同士を突き合わせるようにして敷設した場合でも、フローリング材の位置合わせを容易に行うことができる。
【0031】
請求項2のように、比較的短い第1の小小根太を有した小根太と、それよりも長い第2の小小根太を有した小根太とを交互に配列することにより、フローリング材を配材したときにこのフローリング材の長側辺が該第1の小小根太から若干はみ出しても、このフローリング材の長側辺を第2の小小根太に重ねて釘打ちすることが可能となる。
【0032】
請求項3,4のように、この第1の小小根太の第1の長小根太側の端部と、第2の長小根太の該第2の小小根太側の端部との小根太長手方向の間隔は、実質的に303mmよりも小さいことが好ましく、特に、実質的に151.5mmよりも小さいことが好ましい。このように構成することにより、フローリング材を、その長側辺がいずれの小根太のスペースにも重ならないように配置して、該第1の小小根太と第2の長小根太とに釘打ちすることが可能となる。
【0033】
請求項5のように、第2の小小根太の第2の長小根太側の端部を、第1の長小根太の第1の小小根太側の端部よりも基板の第2の端辺から離隔した位置まで延在させることにより、フローリング材の長側辺を必ず該第2の小小根太及び第1の長小根太の少なくとも一方に釘打ちすることが可能である。
【0034】
この場合、請求項6のように、第1の長小根太の第1の小小根太側の端部と、第2の小小根太の第2の長小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が10〜100mmであることが好ましく、特に好ましくは30〜50mmである。このように構成することにより、フローリング材の長側辺を該第2の小小根太と第1の長小根太の双方に交互に重ねて釘打ちすることが可能となる。
【0035】
本発明においては、請求項7,8のように、各小根太のスペースの小根太長手方向の幅は、実質的に303mmよりも小さいことが好ましく、特に、実質的に151.5mmよりも小さいことが好ましい。このように構成することにより、フローリング材の両長側辺をこれらのスペースの両側の小小根太と長小根太とに重ねて釘打ちすることが可能となる。
【0036】
なお、前述の通り、一般的に流通している規格品のフローリング材は、通常、短手幅が303mmとなっている。本発明では、実質的に303mmとは、302.5〜303.5mmの範囲にあることを表し、実質的に151.5mmとは、151.0〜152.0mmの範囲にあることを表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。以下の各実施の形態は、床暖房マットへの本発明の適用例である。なお、以下の各実施の形態は本発明の一例であり、本発明は以下の各実施の形態以外の形態をもとりうる。
【0038】
以下の各実施の形態においては、床暖房マットを構成する基板はいずれも長方形状のものであり、各基板は長辺方向を小根太長手方向として配材されている。即ち、以下の各実施の形態においては、各基板の長辺が小根太長手方向の第1の端辺に相当し、短辺が小根太と交叉方向の第2の端辺に相当する。ただし、基板の形状や向きはこれに限定されるものではなく、本発明は、例えば各基板が短辺方向を小根太長手方向として配材された温調マットにも適用可能である。この場合、各基板の短辺が小根太長手方向の第1の端辺に相当し、長辺が小根太と交叉方向の第2の端辺に相当する。もちろん、本発明は、各基板の第1の端辺と第2の端辺の長さが同等、即ち各基板が正方形状の温調マットにも適用可能である。
【0039】
[第1の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1]
第1図は第1の実施の形態に係る温調床マットとしての床暖房マット1の平面図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図、第3図は小根太の構成を示す、床暖房マット1の概略的な平面図、第4〜6図は、それぞれフローリング材の配置の一例を示す、この床暖房マット1の小小根太側の端部付近の平面図である。
【0040】
なお、第1図及び第3〜6図では、均熱シート5の図示が省略されている。また、第3図においては、温水配管及び配管収容用溝の図示も省略されている。
【0041】
この床暖房マット1は、略長方形の4枚の分割マットA〜Dと、各分割マットA〜Dの上面に設けられた配管収容用の溝4(第2図)に収容されて該基板A〜Dの上面に引き回された温調配管としての温水配管3と、各分割マットA〜Dの上面を覆う均熱シート5と、該温水配管3が連なるヘッダ6等を有している。
【0042】
第1図の通り、分割マットA〜Dがこの順に一列に配列されている。この実施の形態では、該分割マットA〜Dは、各々の長辺方向の幅が略同一寸法となっており、互いの長辺同士を突き合わせるように配置されている。なお、この実施の形態では、分割マットB,C同士が略同一の形状及び大きさとなっている。
【0043】
符号T1は分割マットA,B間の突き合わせ部を示し、T2は分割マットB,C間の突き合わせ部を示し、T3は分割マットC,D間の突き合わせ部を示している。
【0044】
これらの分割マットA〜Dを配列してなる床暖房マット1は、第1図の通り、全体として略長方形の平面視形状を有している。この実施の形態では、分割マットA〜Dの配列方向即ち各分割マットA〜Dの短辺方向が床暖房マット1の長辺方向となっている。各分割マットA〜Dの長辺方向の幅及び短辺方向の幅は、それぞれ、実質的に303mm(1尺)の整数倍であることが好ましい。
【0045】
この実施の形態では、分割マットA,B間、分割マットB,C間及び分割マットC,D間においてそれぞれ各突き合わせ部T1〜T3を跨いで一方の分割マットから他方の分割マットに連続して温水配管3が引き回されており、この温水配管3により、分割マットA,B同士、分割マットB,C同士及び分割マットC,D同士が連結されている。
【0046】
この実施の形態では、床暖房マット1は、これらの分割マットA,B間、B,C間及びC,D間をそれぞれ各突き合わせ部T1〜T3に沿って谷折り(折り目が床暖房マット1の下面側に凸となるように折ること)又は山折り(折り目が床暖房マット1の上面側に凸となるように折ること)することにより、小さく折り畳むことが可能である。
【0047】
この実施の形態では、分割マットAは、3枚の帯板状(細長い長方形状)の基板10〜12と、2本の小根太30とを、各々の長手方向を該分割マットAの長辺方向として、該分割マットAの短辺方向に交互に配列した如き構成となっている。
【0048】
また、分割マットB,Cは、それぞれ、4枚の帯板状の基板13〜16と、3本の小根太30とを、各々の長手方向を各分割マットB,Cの長辺方向として、各分割マットB,Cの短辺方向に交互に配列した如き構成となっている。
【0049】
分割マットDは、2枚の基板17,18と1本の小根太30とを、各々の長手方向を分割マットDの長辺方向として、該分割マットDの短辺方向に交互に配列した如き構成となっている。
【0050】
各基板10〜18は、各々の長側辺を隣接する小根太30に突き合わせるようにして配置されている。各基板10〜18の長さは、各分割マットA〜Dの長辺方向の幅と略等しい。隣り合う小根太30,30は、各々の幅方向(長手方向と交叉方向)の中間(芯)同士の間隔が実質的に303mmとなるように配列されていることが好ましい。
【0051】
分割マットAは、基板12を分割マットBの基板13に突き合わせるようにして配置され、分割マットBは、基板16を分割マットCの基板13に突き合わせるようにして配置され、分割マットCは、基板16を分割マットDの基板17に突き合わせるようにして配置されている。
【0052】
以下、分割マットA〜Dの列の各小根太30を、それぞれ、第1図において最も左側に配置された小根太30から順に1列目の小根太30、2列目の小根太30、3列目の小根太30、4列目の小根太30、5列目の小根太30、6列目の小根太30、7列目の小根太30、8列目の小根太30及び9列目の小根太30と称することがある。
【0053】
第1図の通り、この温調マットにおいては、偶数列目の小根太30(30A)は、第1の規定長さL1を有する第1の小小根太31Aと、該小小根太31Aとスペースをあけて配置された、該第1の小小根太31Aよりも長い規定長さM1を有する第1の長小根太32Aとからなる。また、3列目以降の奇数列目の小根太30(30B)は、該第2の規定長さL2を有する第2の小小根太31Bと、該第2の小小根太31Bとスペースをあけて配置された、該第2の小小根太31Bよりも長い第2の長小根太32Bとからなる。該第2の規定長さL2(第2の小小根太31B)は第1の規定長さL1(第1の小小根太31A)よりも長い。また、該規定長さM2(第2の長小根太32B)は、規定長さM1(第1の長小根太32A)よりも長い。
【0054】
小根太30A,30Bを挟んで隣り合う基板11,12同士、13,14同士、14,15同士、15,16同士、17,18同士は、それぞれ、これらの小小根太31Aと長小根太32Aとの間及び小小根太31Bと長小根太32Bとの間の各スペースを横切るように形成された連結部33によって連結されている。
【0055】
第1列目の小根太30(30’)も、小小根太31’と、該小小根太31’と間隔をあけて配置された、該小小根太31’よりも長い長小根太32’とからなる。この実施の形態では、この1列目の小小根太31’は、偶数列目の小小根太31Aと略同じ長さを有しており、長小根太32’は、3列目以降の奇数列目の長小根太32Bと略同じ長さとなっている。
【0056】
第1図の通り、この温調マット1においては、全ての小根太30A,30B,30’において、各小小根太31A,31B,31’は、各基板10〜18の同一の短辺側に配置されている。
【0057】
なお、各小小根太31A,31B,31’は、各々の長小根太32A,32B,32’と反対側の端部(以下、各小小根太31A,31B,31’の外側端部ということがある。)を各基板10〜18の該同一の短辺(以下、各基板10〜18の小小根太側短辺ということがある。)に揃えて配置されている。また、全ての小根太30A,30B,30’において、各長小根太32A,32B,32’は、各々の小小根太31A,31B,31’と反対側端部(以下、長小根太32A,32B,32’の外側端部ということがある。)を各基板10〜18の小小根太側短辺と反対側の短辺(以下、各基板10〜18の長小根太側短辺ということがある。)に揃えて配置されている。
【0058】
第3図のように、本発明においては、各基板10〜18の長辺方向における第1の小小根太31Aと第1の長小根太32Aとの間及び第2の小小根太31Bと第2の長小根太32Bとの間の各スペース(連結部33)の幅Wは、実質的に303mmよりも小さいことが好ましく、特に、実質的に151.5mmよりも小さいことが好ましい。
【0059】
第1の小小根太31Aの規定長さL1と第2の小小根太31Bの規定長さL2との差ΔLは、10〜100mm、特に30〜50mmであることが好ましい。
【0060】
各基板10〜18の長辺方向における、第1の小小根太31Aの第1の長小根太32A側の端部(以下、小小根太31Aの内側端部ということがある。)と、第2の長小根太32Bの第2の小小根太31B側の端部(以下、第2の長小根太32Bの内側端部ということがある。)との間隔Y1は、実質的に303mmよりも小さいことが好ましく、特に、実質的に151.5mmよりも小さいことが好ましい。
【0061】
第2の小小根太31Bの第2の長小根太32B側の端部(以下、第2の小小根太31Bの内側端部ということがある。)は、第1の長小根太31Aの第1の小小根太31A側の端部(以下、第1の長小根太32Aの内側端部ということがある。)よりも各基板10〜18の小小根太側短辺から離隔した位置まで延在していることが好ましい。この第2の小小根太31Bの内側端部と、第1の長小根太32Aの内側端部との距離Y2は、一般的な釘打ち可能な最小幅よりも大きいことが好ましく、具体的には10〜100mm、特に30〜50mm程度であることが好ましい。
【0062】
この実施の形態では、分割マットAの基板10に前記ヘッダ6が配置されている。この基板10には、その小小根太31’側の短辺から方形の切欠状のヘッダ設置部10aが形成されており、このヘッダ設置部10a内にヘッダ6が設置されている。
【0063】
小根太30’の小小根太31’と長小根太32’との間のスペース33’は、このヘッダ設置部10aの該小根太30’側の側辺に臨んでいる。
【0064】
この実施の形態では、各基板10〜18の上面に、それぞれ、各基板10〜16の長辺方向に延在する4条の配管収容用の溝4が延設されている。
【0065】
連結部33によって連結された基板11,12同士の間、13〜16同士の間及び17,18同士の間においては、これらの溝4同士は該連結部33を通って連続している。
【0066】
この実施の形態では、分割マットAの基板12及び分割マットBの基板13においては、各溝4の端部がこれらの基板A,B同士の突き合わせ部T1に臨んでいる。床暖房マット1を展開した状態においては、突き合わせ部T1を挟んで該分割マットAの基板12と分割マットBの基板13との各溝4の端部同士が対面する。これにより、これらの溝4が該突き合わせ部T1を横切って分割マットAの基板12から分割マットBの基板13に連続して延在したものとなる。
【0067】
詳しい図示は省略するが、この分割マットAの基板12から分割マットBの基板13に連続する各溝4は、これらの基板12,13の突き合わせ部T1側の長側辺付近でそれぞれ円弧状に湾曲している。この溝4の分割マットA側と、分割マットB側とは、互いに反対側に向って凸となる円弧形状を呈するように湾曲している。従って、床暖房マット1を展開した状態においては、この溝4は、分割マットAから分割マットBにかけて略S字形に延在したものとなる。
【0068】
また、この実施の形態では、分割マットB,C間の基板16,13同士の間及び分割マットC,D間の基板16,17同士の間においても、上記の分割マットA,B間と同様に、各溝4は、突き合わせ部T2,T3を横切って一方の基板から他方の基板に連続し、且つ該一方の基板から他方の基板にかけて略S字形に延在するように延設されている。
【0069】
温水配管3は、各溝4に収容され、各連結部33を通って各基板11,12、13〜16及び17,18にそれぞれ連続して引き回されると共に、分割マットA,B間、B,C間及びC,D間においては、これらの突き合わせ部T1〜T3を横切って、分割マットAからB、BからC、及びCからDにそれぞれ連続して引き回されている。この温水配管3は、各突き合わせ部T1〜T3付近においてそれぞれ各溝4に沿ってS字形に蛇行し、各突き合わせ部T1〜T3に重なる部分は各突き合わせ部T1〜T3に沿って延在したものとなっている。
【0070】
この実施の形態では、ヘッダ6から小根太30’側及びこれと反対側にそれぞれ2系統の温水配管3が引き回されている。
【0071】
ヘッダ6から小根太30’側に引き回された2系統の温水配管3は、それぞれ、一端がヘッダ6に接続され、次いで、該小根太30’の小小根太31’と長小根太32’との間のスペース33’を通って分割マットAの基板10から基板11に引き回され、次いで、この分割マットAの基板11から各連結部33及び該分割マットAの基板12、分割マットBの基板13〜16、分割マットCの基板13〜16及び分割マットDの基板17を通って該分割マットDの基板18まで引き回され、次いで、この分割マットDの基板18でUターンし、再び各連結部33及び該分割マットDの基板17、分割マットCの基板16〜13、分割マットBの基板16〜13、分割マットAの基板12を通って該分割マットAの基板11まで戻り、その後、前記スペース33’を通って該分割マットAの基板11から基板10に引き回され、他端がヘッダ6に接続されている。
【0072】
ヘッダ6から小根太30’と反対側に引き回された2系統の温水配管3は、それぞれ、一端がヘッダ6に接続され、分割マットAの基板10内において、該基板10のヘッダ設置部10a側からこれと反対側へ引き回され、次いでUターンして該ヘッダ設置部10a側へ戻り、他端がヘッダ6に接続されている。
【0073】
温水配管3を溝4に収容しつつ上記の配管ルートで引き回した後、分割マットA〜Dの上面を覆うように均熱シート材5が配置され、この均熱シート材5が各分割マットA〜Dの上面に接着剤等により貼り付けられている。
【0074】
このように構成された床暖房マット1を用いて暖房床を構築する手順について次に説明する。
【0075】
まず、室の床下地のうち床暖房マット配置予定領域を取り囲むようにダミー材(図示略)を配置し、次いで、床暖房マット1を展開してこの床暖房マット配置領域に敷き、この室内に配設された給湯管及び排湯管をそれぞれヘッダ6の給湯口及び排湯口(いずれも図示略)に接続する。
【0076】
次に、室の端から、順次、このダミー材と床暖房マット1との上にフローリング材40(第4〜6図)を敷設する。この際、各フローリング材40を、その長手方向が床暖房マット1の各小根太30の延在方向と略直交方向となるように配材する。
【0077】
フローリング材40は、床暖房マット1上においては、複数の小根太30に跨って配置される。この際、各フローリング材40の短辺を小根太30に重ねるようにする。そして、各フローリング材40を釘(図示略)で各小根太30に留め付ける。
【0078】
なお、このフローリング材40は、一般的に流通している規格品のフローリング材であり、短手幅が実質的に303mmであり、長手幅が実質的に303mmの整数倍となっている。この床暖房マット1は、隣り合う小根太30,30の芯同士の間隔が303mmとなっているので、フローリング材40の一方の短辺を小根太30に重ねると、このフローリング材40の他方の短辺も別の小根太30に重なるようになる。
【0079】
フローリング材40を各連結部33及びスペース33’上に配材する場合には、該フローリング材40の長側辺が各小根太30A,30B,30’において小小根太31A,31B,31’及び長小根太32A,32B,32’の少なくとも一方にそれぞれ重なるように配置し、釘打ちする。
【0080】
この実施の形態では、第2の小小根太31Bの内側端部が第1の長小根太32Aの内側端部よりも各基板10〜18の小小根太側短辺から離隔した位置まで延在しているので、第4〜6図のように、フローリング材40の長側辺を必ず該第2の小小根太31B及び第1の長小根太32Aの少なくとも一方に釘打ちすることが可能である。
【0081】
第4図においては、フローリング材40の長側辺を該第2の小小根太31Bと第1の長小根太32Aの双方に交互に重ね、これらの小小根太31B及び長小根太32Aの双方にフローリング材40を釘留めしている。第5図においては、フローリング材40の長側辺を第1の長小根太32Aにのみ重ね、この長小根太32Aにフローリング材40を釘留めしている。第6図においては、フローリング材40の長側辺を第2の小小根太31Bにのみ重ね、この小小根太31Bにフローリング材40を釘留めしている。
【0082】
なお、この実施の形態では、各基板10〜18の長辺方向における該第1の長小根太32Aの内側端部と第2の小小根太31Bの内側端部との間隔が30〜50mmとなっているので、フローリング材40の長側辺を該第2の小小根太31Bと第1の長小根太32Aの双方に交互に重ねた後、余裕を持ってこれらの小小根太31B及び長小根太32Aに釘打ちすることが可能である。
【0083】
図示は省略するが、フローリング材40を小根太30Aの連結部33と小根太30Bの連結部33の双方に重ね、その長側辺を該小根太30Bの第2の長小根太32B上に配置するようにしてもよい。
【0084】
この温調マット1にあっては、全ての小根太30A,30B,30’において、小小根太31A,31B,31’が各基板10〜18の同一の短辺側に配置されている。即ち、この温調マット1にあっては、該小小根太31A,31B,31’と長小根太32A,32B,32’との間の釘打ちできない連結部33及びスペース33’は、全ての小根太30A,30B,30’において、各基板10〜18の一方の短辺側にのみ存在している。そのため、温調マット1上にフローリング材40を敷設する際には、該基板10〜18の一方の短辺側においてのみ、フローリング材40の長側辺がこの連結部33及びスペース33’に重ならないようにフローリング材40を配材すればよいので、フローリング材40の位置合わせを容易に行うことができる。
【0085】
[第2の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1A]
第7図は第2の実施の形態に係る温調床マットとしての床暖房マット1Aの平面図、第8図はこの床暖房マット1A上へのフローリング材の配置の一例を示す、この床暖房マット1Aの分割マット同士の突き合わせ部付近の平面図である。
【0086】
なお、第7図及び第8図では、均熱シート5の図示が省略されている。
【0087】
この実施の形態床暖房マット1Aは、略長方形の8枚の分割マットE〜Lを配列してなる。
【0088】
この実施の形態では、分割マットE,I同士、F,G,J,K同士及びH,L同士がそれぞれ略同一の形状及び大きさとなっており、互いの長辺の長さ及び互いの短辺の長さがそれぞれ略等しいものとなっている。なお、この実施の形態では、各分割マットE〜Lは、各々の長辺の長さが略同一寸法となっている。
【0089】
第1図の通り、分割マットE〜Hがこの順に一列に配列され、分割マットI〜Lがこの順に、且つ該分割マットE〜Hに隣接するように一列に配列されている。
【0090】
分割マットE〜H及びI〜Lは、それぞれ、互いの長辺同士を突き合わせるように配置されている。また、分割マットE〜Hの列と分割マットI〜Lの列との間では、分割マットE,I同士、分割マットF,J同士、分割マットG,K同士及び分割マットH,L同士がそれぞれ互いの短辺同士を突き合わせるようにして隣接している。
【0091】
符号T4は分割マットE,F間及びI,J間の突き合わせ部を示し、T5は分割マットF,G間及びJ,K間の突き合わせ部を示し、T6は分割マットG,H間及びK,L間の突き合わせ部を示し、T7は分割マットE〜Hの列とI〜Lの列との間の突き合わせ部を示している。
【0092】
これらの分割マットE〜Lを配列してなる床暖房マット1Aも、第7図の通り、全体として略長方形の平面視形状を有している。この実施の形態でも、分割マットE〜H及びI〜Lの配列方向即ち各分割マットE〜Lの短辺方向が床暖房マット1Aの長辺方向となっている。この床暖房マット1Aにおいても、各分割マットE〜Lの長辺方向の幅及び短辺方向の幅は、それぞれ、実質的に303mm(1尺)の整数倍であることが好ましい。
【0093】
この実施の形態では、分割マットE,F間、分割マットF,G間、分割マットG,H間、分割マットI,J間、分割マットJ,K間、分割マットK,L間及び分割マットE,I間においてそれぞれ各突き合わせ部T4〜T7を跨いで一方の分割マットから他方の分割マットに連続して温水配管3が引き回されており、この温水配管3により、分割マットE,F同士、分割マットF,G同士、分割マットG,H同士、分割マットI,J同士、分割マットJ,K同士、分割マットK,L同士及び分割マットE,I同士が連結されている。
【0094】
この実施の形態では、床暖房マット1Aは、これらの分割マットE,F間、分割マットF,G間、分割マットG,H間、分割マットI,J間、分割マットJ,K間、分割マットK,L間及び分割マットE,I間をそれぞれ各突き合わせ部T4〜T7に沿って谷折り又は山折りすることにより、小さく折り畳むことが可能である。
【0095】
この実施の形態では、分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列は、それぞれ、前述の第1〜6図の床暖房マット1において、分割マットDの分割マットCと反対側に小根太30Aを挟んで基板19を追加した如き構成となっている。即ち、これらの分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列において、それぞれ、分割マットE,Iは床暖房マット1の分割マットAに相当し、分割マットF,Jは分割マットBに相当し、分割マットG,Kは分割マットCに相当し、分割マットH,Lは分割マットDに小根太30A及び基板19を追加したものに相当する。
【0096】
該分割マットH,Lの基板18,19間においては、それぞれ、小根太30Aの第1の小小根太31Aと長小根太32Aとの間の連結部33を通って該基板18から基板19に温水配管3が連続して引き回されている。
【0097】
なお、この床暖房マット1Aでは、分割マットIの基板10にのみヘッダ6が設置されており、分割マットEの基板10にはヘッダ6は設置されていない。該分割マットEの基板10,11間には、小根太30’の代わりに小根太30Bが設置されている。
【0098】
該ヘッダ6から分割マットIの基板10側に引き回された温水配管3は、該分割マットIの基板10から突き合わせ部T7を横切って分割マットEの基板10に引き回され、次いで、この分割マットEの基板10から、各連結部33及び該分割マットEの基板11,12、分割マットFの基板13〜16、分割マットGの基板13〜16、分割マットHの基板17,18を通って該分割マットHの基板19まで引き回され、次いで、この分割マットHの基板19でUターンし、再び各連結部33及び該分割マットHの基板18,17、分割マットGの基板16〜13、分割マットFの基板16〜13、分割マットEの基板12,11を通って該分割マットEの基板10に戻り、その後、突き合わせ部T7を横切って分割マットIの基板10に引き回され、他端がヘッダ6に接続されている。
【0099】
この実施の形態では、分割マットE,I間の基板10,10同士の間においても、上記の床暖房マット1の分割マットA,B間と同様に、双方の基板10,10の上面に設けられた配管収容用の各溝4は、突き合わせ部T7を横切って該分割マットIの基板10から分割マットEの基板10に連続し、且つ該分割マットIから分割マットEにかけて略S字形に延在するように延設されている。そして、温水配管3は、この溝4に収容されて、該突き合わせ部T7付近においてS字形に蛇行しつつ分割マットIから分割マットEに連続して引き回されている。
【0100】
第7図の通り、分割マットE〜Hの列では、全ての小根太30A,30Bにおいて、各小小根太31A,31Bは、各基板10〜19の同一の短辺側、即ちこの実施の形態では突き合わせ部T7に沿う短辺(以下、この突き合わせ部T7に沿う短辺を内側辺ということがある)側に配置されている。
【0101】
また、分割マットI〜Lの列では、全ての小根太30A,30B,30’において、各小小根太31A,31B,31’は、各基板10〜19の同一の短辺側、即ちこの実施の形態では突き合わせ部T7と反対の短辺(以下、この突き合わせ部T7と反対の短辺を外側辺ということがある)側に配置されている。
【0102】
この床暖房マット1Aにおける分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列のその他の構成は、前述の床暖房マット1と同様であり、第7,8図において第1〜6図と同一符号は同一部分を示している。
【0103】
この床暖房マット1Aにあっては、分割マットE〜Hの列では、各基板10〜19の内側辺側にのみ、釘打ちできない連結部33が存在しており、分割マットI〜Lの列では、各基板10〜19の外側辺側にのみ、釘打ちできない連結部33及びスペース33’が存在しているので、この床暖房マット1A上にフローリング材40を敷設するに際しては、該分割マットE〜Hの列と分割マットI〜Lの列との突き合わせ部T7と、該分割マットE〜Hの列の各基板10〜19の内側辺側並びに該分割マットI〜Lの列の各基板10〜19の外側辺側にのみ存在する各連結部33及びスペース33’にそれぞれフローリング材40の長側辺が重ならないようにフローリング材40を配材すればよい。そのため、このように分割マットE〜Hの列と分割マットI〜Lの列とを突き合わせるように配置してなる床暖房マット1Aにあっても、フローリング材40の位置合わせを容易に行うことができる。
【0104】
なお、この実施の形態では、分割マットE〜Hの列では、各小小根太31A,31Bは各基板10〜19の内側辺側に配置され、分割マットI〜Lの列では、各小小根太31A,31B,31’は各基板10〜19の外側辺側に配置されているが、分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列における各小小根太31A,31B,31’の配置はこれに限定されるものではない。例えば、分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列の双方において、各小小根太31A,31B,31’が各基板10〜19の内側辺側に配置されてもよく、分割マットE〜Hの列及び分割マットI〜Lの列の双方において、各小小根太31A,31B,31’が各基板10〜19の外側辺側に配置されてもよい。
[材質等]
上記各部材の材質の一例として次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0105】
温調マットを構成する基板の材質としては、例えば発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂のほか、木材等を用いることができる。発泡合成樹脂としては、断熱性の点から、内部の気泡が独立気泡となっているものが好ましい。
【0106】
小根太としては、木材や、釘打ち可能な合成木材又は合成樹脂が好ましい。
【0107】
均熱シート材としては、アルミ又は銅の金属箔が好ましい。
【0108】
温水配管としては、一般的には架橋ポリエチレン製パイプが用いられるが、温水配管の材質はこれに限定されるものではなく、例えば他の合成樹脂製パイプや、銅パイプ等の金属パイプなどが用いられてもよい。
【0109】
[その他の構成]
上記の実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の構成に限定されない。
【0110】
例えば、上記の第1の実施の形態では4枚の略長方形状の分割マットA〜Dを集合状に配列して床暖房マット1を構成し、第2の実施の形態では8枚の略長方形状の分割マットE〜Lを集合状に配列して床暖房マット1Aを構成しているが、床暖房マットを構成する分割マットの枚数及び形状はこれに限定されない。また、各分割マットを構成する基板及び小根太の本数や形状なども、図示の構成に限定されない。本発明の床暖房マットは、複数の分割マットに分割されていない、単体のマットにより構成されていてもよい。
【0111】
温水配管3の配管ルートは図示のルートに限定されるものではない。
【0112】
上記の実施の形態では温水配管3が直に各溝4内に収容されているが、各溝4の内面から各分割マットの上面にかけて熱伝導部材を配材し、温水配管3を、この熱伝導部材に接するように溝4内に収容するよう構成してもよい。このように構成することにより、温水配管3からの熱を、この熱伝導部材を介してより効率よく均熱シート材5に伝えることができる。
【0113】
上記の実施の形態は、床暖房マットに関するものであるが、本発明の温調マットは、壁や天井等に配置されてもよい。また、温水ではなく、冷水を配管に通水して冷房するようにしてもよい。水以外のオイル、不凍液等の熱媒体を流通させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1の実施の形態に係る温調床マットとしての床暖房マット1の平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】小根太の構成を示す、床暖房マット1の概略的な平面図である。
【図4】フローリング材の配置の一例を示す、床暖房マット1の小小根太側の端部付近の平面図である。
【図5】フローリング材の配置の一例を示す、床暖房マット1の小小根太側の端部付近の平面図である。
【図6】フローリング材の配置の一例を示す、床暖房マット1の小小根太側の端部付近の平面図である。
【図7】第2の実施の形態に係る温調床マットとしての床暖房マット1Aの平面図である。
【図8】フローリング材の配置の一例を示す、床暖房マット1Aの分割マット同士の突き合わせ部付近の平面図である。
【図9】従来例に係る温水マットの平面図である。
【図10】図9の温水マットの基板70の一方の短辺側と他方の短辺側との拡大図である。
【図11】図9の温水マットを複数枚敷設した場合の該温水マット同士の突き合わせ部付近の平面図である。
【符号の説明】
【0115】
A〜L 分割マット
1 床暖房マット
3 温水配管
4 溝
6 ヘッダ
5 均熱シート材
10〜19 基板
30,30A,30B,30’ 小根太
31A 第1の小小根太
31B 第2の小小根太
32A 第1の長小根太
32B 第2の長小根太
40 フローリング材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床上に敷設される略方形の平面視形状を有した温調マットであって、
互いに所定の間隔をおいて配列された複数本の小根太と、
該小根太同士の間にそれぞれ配材された、小根太長手方向に延在する1対の第1の端辺及び該小根太と交叉方向に延在する1対の第2の端辺を有する略方形の複数枚の基板と、
該基板の上面に設けられた配管収容用の溝と、
該溝に収容された温調配管と、
各基板の上面を覆うように配置された均熱シートと
を有し、
該小根太は、小小根太と、該小小根太とスペースをあけて配置された、該小小根太よりも長い長小根太とからなり、
該小小根太と長小根太との間のスペースに前記温調配管が引き通されている温調マットにおいて、
全ての小根太において、各小小根太が前記基板の同一の第2の端辺側に配置されていることを特徴とする温調マット。
【請求項2】
請求項1において、前記小小根太として、第1の規定長さL1を有した第1の小小根太と、該第1の小小根太よりも長い第2の規定長さL2を有した第2の小小根太とが設けられており、
該第1の小小根太を有した小根太と、該第2の小小根太を有した小根太とが、前記基板所定枚数毎に交互に配列されていることを特徴とする温調マット。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1の小小根太を有する小根太は、規定長さM1の第1の長小根太を有しており、
前記第2の小小根太を有する小根太は、該規定長さM1よりも短い規定長さM2の第2の長小根太を有しており、
該第1の小小根太の該第1の長小根太側の端部と、該第2の長小根太の該第2の小小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が実質的に303mmよりも小さいことを特徴とする温調マット。
【請求項4】
請求項3において、該第1の小小根太の該第1の長小根太側の端部と、該第2の長小根太の該第2の小小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が実質的に151.5mmよりも小さいことを特徴とする温調マット。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか1項において、該第2の小小根太の該第2の長小根太側の端部は、該第1の長小根太の該第1の小小根太側の端部よりも前記第2の端辺から離隔した位置まで延在していることを特徴とする温調マット。
【請求項6】
請求項5において、該第1の長小根太の該第1の小小根太側の端部と、該第2の小小根太の該第2の長小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が10〜100mmであることを特徴とする温調マット。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、各小根太の前記スペースの小根太長手方向の幅が実質的に303mmよりも小さいことを特徴とする温調マット。
【請求項8】
請求項7において、各小根太の前記スペースの小根太長手方向の幅が実質的に151.5mmよりも小さいことを特徴とする温調マット。
【請求項1】
床上に敷設される略方形の平面視形状を有した温調マットであって、
互いに所定の間隔をおいて配列された複数本の小根太と、
該小根太同士の間にそれぞれ配材された、小根太長手方向に延在する1対の第1の端辺及び該小根太と交叉方向に延在する1対の第2の端辺を有する略方形の複数枚の基板と、
該基板の上面に設けられた配管収容用の溝と、
該溝に収容された温調配管と、
各基板の上面を覆うように配置された均熱シートと
を有し、
該小根太は、小小根太と、該小小根太とスペースをあけて配置された、該小小根太よりも長い長小根太とからなり、
該小小根太と長小根太との間のスペースに前記温調配管が引き通されている温調マットにおいて、
全ての小根太において、各小小根太が前記基板の同一の第2の端辺側に配置されていることを特徴とする温調マット。
【請求項2】
請求項1において、前記小小根太として、第1の規定長さL1を有した第1の小小根太と、該第1の小小根太よりも長い第2の規定長さL2を有した第2の小小根太とが設けられており、
該第1の小小根太を有した小根太と、該第2の小小根太を有した小根太とが、前記基板所定枚数毎に交互に配列されていることを特徴とする温調マット。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1の小小根太を有する小根太は、規定長さM1の第1の長小根太を有しており、
前記第2の小小根太を有する小根太は、該規定長さM1よりも短い規定長さM2の第2の長小根太を有しており、
該第1の小小根太の該第1の長小根太側の端部と、該第2の長小根太の該第2の小小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が実質的に303mmよりも小さいことを特徴とする温調マット。
【請求項4】
請求項3において、該第1の小小根太の該第1の長小根太側の端部と、該第2の長小根太の該第2の小小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が実質的に151.5mmよりも小さいことを特徴とする温調マット。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか1項において、該第2の小小根太の該第2の長小根太側の端部は、該第1の長小根太の該第1の小小根太側の端部よりも前記第2の端辺から離隔した位置まで延在していることを特徴とする温調マット。
【請求項6】
請求項5において、該第1の長小根太の該第1の小小根太側の端部と、該第2の小小根太の該第2の長小根太側の端部との小根太長手方向の間隔が10〜100mmであることを特徴とする温調マット。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、各小根太の前記スペースの小根太長手方向の幅が実質的に303mmよりも小さいことを特徴とする温調マット。
【請求項8】
請求項7において、各小根太の前記スペースの小根太長手方向の幅が実質的に151.5mmよりも小さいことを特徴とする温調マット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−168402(P2009−168402A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9478(P2008−9478)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】
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