説明

測位信号捕捉支援ウィンドウ評価のための方法およびシステム

【課題】測位信号捕捉支援ウィンドウ評価のための方法およびシステムの提供。
【解決手段】アシスト位置探索システムの測位信号捕捉支援ウィンドウの品質を検査する。捕捉支援ウィンドウの適合性は実観測に基づく移動局10からの特定の位置測定の実観測に基づく知識あるいは仮想位置測定の知識を使用して検査される。基地局アルマナック管理装置BSAは移動局測定データを捕捉支援ウィンドウ・データと比較し、ウィンドウ品質値(W)、或いは、ウィンドウ品質値の範囲を含む、比較に基づく結果を記録する。捕捉支援ウィンドウの生成に使用されるソース・データはウィンドウ品質値に従って調整される。

【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は2004年10月21日出願の米国特許仮出願番号第60/621,388号に優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
開示される方法および装置は無線通信に係わり、そして特に、選択された信号を捕捉するに際し受信機を補助するために信号捕捉支援ウィンドウ(signal acquisition assistance window)・データを利用する無線システムに関わる。
【背景技術】
【0003】
通信分野は、セルラ電話、個人向け通信システム(personal communication system)(PCS)装置、及びその他の利用者装置(user equipment)(UE)、のような移動局(mobile station)(MS)のために、多くの事例において、精確な位置情報必要とする。全地球測位システム(Global Positioning Systems)(GPS)は無線MS位置決定を実現することへのアプローチを提供する。これ等のシステムは地球を周回する軌道内の人工衛星(satellite vehicles)(SVs)を用いる。GPS利用者は、SVから得られる情報を介して、3次元位置、速度、時刻を含む精確な航法情報を抽出することが出来る。
【0004】
GPSを利用する位置測定は、軌道運動するSVからGPS受信機へ放送される、GPS信号の伝搬遅延時間の測定に基づいている。GPSシステムの精度は、衛星のクロックと軌道パラメータを絶えず監視して補正する追跡局と連携し、それぞれの衛星のための衛星上の原子時計を使用して維持される。
【0005】
それぞれのGPS SVは2つの直接拡散符号スペクトル拡散信号をL帯中に送信する。1msec毎に送信されるそれぞれのSVのための符号周期当たり、1023ビットの固有の擬似雑音(pseudo-noise)(PN)符号、或いは、“チップ(chips)”が、GPS受信機にどの衛星が所定のコードを送信しているかを判定させることが出来る。航法計算に有用な、システム状態情報と衛星軌道パラメータを含む50ビット/秒のデータ・ストリームもまたそれぞれの搬送波上で変調されている。
【0006】
GPS受信機は、それぞれの信号に、時間整合性がありローカルに生成された該符号の複製を掛け合わせることによって、それぞれの信号からPN符号変調の拡散効果を取り除く。これは逆拡散と呼ばれる。適切な時間整合、若しくは“コード位相”、(実質的にSV信号の到着時間)は受信機の立ち上げ時には知られていない可能性が高いので、それは、GPS受信機動作の初期の“捕捉”期間中に探査することによって決定されなければならない。
【0007】
逆拡散が実行されると、それぞれの信号は中間搬送周波数において50ビット/秒位相偏移変調された(phase shift keyed)(PSK)信号から構成される。このPSK信号の正確な周波数は、衛星とMSの間の相対運動によって引き起こされるドップラー効果により、及び、ローカル受信機のGPSクロック参照誤差により、不確定である。ドップラー周波数は信号の捕捉以前には通常未知なので、ドップラー周波数に対する探査は初期信号捕捉期間に実行されなければならない。コード位相オフセットに対する探査も、ドップラー周波数に対する探査に類似して、1023チップ・ウィンドウ内部で行われる。
【0008】
ビット同期ループはデータ・ビット・タイミングを抽出し、そして結局はデータ・ストリームが検出される。一旦、少なくとも4個の衛星からの信号が捕捉されそして自動追尾されるようになり、コード位相測定が行われ、そして、十分な数のデータ・ビット(GPS時間基準および軌道パラメータを決定するのに十分な)が受信されると、位置計算が実行されることが可能になる。もし十分多いドップラー測定も利用可能であれば、速度計算が行われることが可能である。
【0009】
信号の捕捉は大量の時間及び/又はハードウェア原資を必要とするという不利益を蒙る。GPS受信機は、SV信号を探し出すために、全ての衛星のPN系列、全てのコード位相仮定、及び、全てのドップラー周波数偏移に亘って探査しなければならない。このことは最大32個のSV、1023個のコード仮定、及び、10kHzの周波数偏移に及び調べ上げることを意味する。系統的に調べられると、信号捕捉は数分要することがある。信号捕捉時間を低減する1つの方法は、より高い費用、サイズ、及び、電力消費を費やして、並列信号捕捉ハードウェアを使用することである。
【0010】
信号捕捉遅延を低減するために、SV信号を捕捉するに際して受信機を補助するための情報が提供されることが出来る。このような捕捉支援(acquisition assistance)(AA)情報は、受信機が信号を探すために探査されなければならない空間を狭めることを可能にする。このAAデータは、一般に、予期されるドップラー情報および予期されるコード位相情報から構成される。ドップラー値は可能なMSの運動に応じて変化する、従って、それぞれのSVに対する予想ドップラー値は所定の位置に対して極めて正確に決定されることが出来るけれども、一般に、ドップラー不確定ウィンドウは可能なMSの運動の範囲についての前提によってセットされ、そして、それと比較してMS位置の知識にはほとんど頼らない。予期されるコード位相情報は一般に、それぞれのSVに対する予期されるコード位相および固定サイズのコード位相ウィンドウ、MSは該ウィンドウ上で探査すると期待される、から構成される。
【0011】
システム内部の別の情報源から提供される情報の支援を用いて、SV GPS信号のような、受信機が要求に応じて位置探索のために測距信号を調べるシステムは、一般に、“無線アシスト位置探索(wireless assisted position location)”システムと呼ばれる。無線アシスト位置探索システムの1例はGPS受信機を備え、基幹通信回線網と通信する1又は複数の基地局(base station)(BS)と通信する、MSである。該MSは信号AAデータを該MSに提供する位置決定モジュール(position determination module)(PDM)とも通信する。
【0012】
AAデータ・コード位相とドップラー・ウィンドウを用いてもなお、MSはSV信号を必ずしも常に捕捉出来るとは限らない。このことは、SV信号があまりにも微弱であったか、若しくは、雑音により損壊を受けたために、生ずることがある。PDMにより提供されるAAデータ・ウィンドウが時間(コード位相)及び/又は周波数を誤って設定された、ということもあり得る。例えば、PDMにより提供されるコード位相ウィンドウが、全1023チップ・コードの誤った部分でSV信号を探査するようMSに命令した可能性がある。AAデータ・ウィンドウがあまりにも小さすぎたことによって、MSは正しい時間及び/又は周波数で探査することが出来なかった可能性がある。それに代わって、AAデータ・ウィンドウがあまりにも大きすぎたことによって、大量の調査時間を要した可能性がある。その例では、MSが探査のために許された割り当て時間はSV信号を捕捉する前に切れたことがあり得る。
【0013】
一般的な無線アシスト位置探索システムは測定レベルでのAAデータの品質をモニタしない、その代わり、解空間における全体的な無線システムの動作を見る。AAデータの品質、特に、PDMによってMSに提供される捕捉支援ウィンドウの適合性、をモニタするシステム及び方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0014】
本明細書で説明されるシステムと方法は、アシスト位置探索システムのために、測位信号捕捉支援ウィンドウ品質を評価する。1つの方法では、移動局の位置測定データが提供され、次いで、捕捉支援ウィンドウ(acquisition assistance window)と比較される。位置測定データは、移動局からの実測測定データ、若しくは、仮想測定データ(hypothetical measurement data)の何れかである。移動局によって提供される位置測定データは、距離測定データ、タイミング・データ、ドップラー周波数、及び/又は全地球測位システム測定データを含む。位置測定データを捕捉支援ウィンドウと比較すると、捕捉支援ウィンドウが移動局に送信された時間と移動局の測定が決定された時間との間の送信機伝播が明らかにされる。
【0015】
位置測定データと捕捉支援ウィンドウとの間の比較は、該測定が該ウィンドウの中に入るのか或いは外に外れるのか、を判断することを含む、そして、ウィンドウ品質値(window quality value)が該比較に基づいて該ウィンドウに割り当てられる。好都合なことに、これ等の結果はウィンドウ生成で使用されるソース・データを調整する際の使用のために記録される。
【0016】
移動局の位置測定データと捕捉支援ウィンドウとの間の比較は、測定毎を基準として、セクタ若しくはセクタのグループ上で、通信システムを基準として、或いは、任意の地理的領域(geographic region)を基準として、実行されることが出来る。ウィンドウ品質の評価、及び、ウィンドウ生成に際し使用されるソース・データに対する調整は、同様に、測定毎に、セクタ若しくはセクタのグループ上で、通信システム上で、或いは、任意の地理的領域で、実行されることが出来る。
【0017】
仮想測定が捕捉支援ウィンドウと比較されると、仮想に関連する不確定さが考慮される。従って、該不確定さによるウィンドウ品質値の範囲が生成される。ウィンドウ品質値の該範囲および比較によるその他の結果は記録され、そして、捕捉支援ウィンドウを生成するのに使用されたソース・データはそれに応じて調整される。
【0018】
別の方法は、実測移動局位置測定データを捕捉支援ウィンドウと比較すること、及び、仮想移動局位置測定データを捕捉支援ウィンドウと比較すること、を含む。ウィンドウ品質値はそれぞれの比較に基づいて決定される。2つのウィンドウ品質値の間の大きな差は測距誤差を示す。
【0019】
本明細書で説明されるシステムは、送信機、移動局受信機、送信機信号捕捉支援データの生成で使用される送信機情報のアルマナック(almanac)を有する位置決定モジュール、及び、移動局の測定と位置情報の実観測に基づく知識(a posteriori knowledge)に従って位置決定モジュールのアルマナックを管理および更新するためのコンピュータを含む。該コンピュータは、捕捉支援ウィンドウの内部および外部への移動局受信機の成功および失敗した送信機信号捕捉と同様に、移動局位置測定データと捕捉支援ウィンドウの比較に基づく捕捉支援ウィンドウ品質値を記録する。
【0020】
本明細書で説明される別の方法は、実観測に基づく移動局位置測定データを測位信号捕捉支援ウィンドウと比較することによって、測位信号送信機および移動局測位信号受信機を有するアシスト位置探索システムのために、捕捉支援ウィンドウ品質値を評価すること、及び、該比較に基づく結果を記録すること、を含む。該比較に基づく結果を記録することは、捕捉支援ウィンドウの内部および外部への移動局受信機による送信機信号捕捉の成功および失敗を記録すること、及び/又は、該比較に基づいて捕捉支援ウィンドウ品質値生成すること、を含む。捕捉支援ウィンドウを生成する際に使用されるソース・データは該比較に基づいて調整される。
【0021】
開示される方法及び装置の実施形態は下記の図面で示される。該図面において同じ参照番号及び名称は同じ若しくは同様のパーツを指している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1はサービスする基地局および人工衛星と通信する移動局の位置不確定範囲を決定するための簡単化された略図を図示する。
【図2】図2は捕捉支援ウィンドウ品質値(W)を割り当てる方法を図示する。
【図3】図3は、コード位相捕捉支援ウィンドウ品質値(WQCP)を決定するための、実測又は仮想位置測定データと捕捉支援ウィンドウ・データとの比較の概要を示す。
【図4】図4は、ドップラー周波数捕捉支援ウィンドウ品質値(WQD)を決定するための、実測又は仮想位置測定データと捕捉支援ウィンドウ・データとの比較の概要を示す。
【図5】図5は、実測位置測定データから決定されたウィンドウ品質値(WQ−a)と仮想データから決定されたウィンドウ品質値(WQ−h)との比較の概要を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書で説明される方法およびシステムは、信号を捕捉するに際して受信機を補助するために捕捉支援データを利用する、無線アシスト位置探索システムのような、システムに対して適用可能である。多くの無線アシスト位置探索システムは全地球測位システム(GPS)人工衛星(SV)信号を捕捉および利用することが出来る。しかしながら、本明細書で説明される方法およびシステムは、捕捉支援情報を利用する、任意の位置探索システムに適用可能である、ということは当業者等には理解される。任意の通信無線インタフェースも又利用されることが可能なことは当業者等には理解される。測距或いは計時目的のために捕捉されることを必要とする信号はCDMA或いはGSM(登録商標)に限定されることはなく、その他の型を含むことが可能である。
【0024】
測距信号もまたGPS SV信号には限定されない。例えば、基地局(BS)信号は通常測距のために使用され、そして、測距信号は通信信号である必要はない。信号は他の衛星、例えばグロナスやガリレオ衛星航法システム、の測距システムからも送信されることが出来る。任意の送信機は、SVが本明細書中で処理されるのと同様に、その様な送信機からの信号の捕捉を補助するために抽出され、獲得されそして処理される捕捉支援情報を用いて、処理されることが出来る。
【0025】
信号捕捉と測距目的双方のために、選択された通信信号のタイミングに関する情報は有益である。所与の信号の認識可能な特徴の到着を期待できる時を確かめることは有益で、その結果、該信号のための探査は限定された時間しか要しない、そして、様々な信号の到着時間を互いに関して出来る限り正確に決定することも又有益である。この後者の情報は測距目的のために使用されることが出来る。これ等のタイミング問題は共に信号の認識可能な特徴の“到着時間”に関わる。
【0026】
通信システムに関する専門家は、このような到着時間情報は多くの場合信号の“コード位相”と同等であることを理解する。該“コード位相”は受信されたコードと参照時間で開始する同じコードとの間の位相偏移によって到着信号のタイミングを説明する。従って、信号の“コード位相”を識別することは実効的に信号の“到着時間”を識別することであって、到着時間を得るためにはコード位相に信号の周波数を乗算することを求めるのみである。これ等2つは極めて密接にそして単純に関連しているので、“到着時間”は殆ど “コード位相”に置き換えられる。“到着時間”という用語はしばしば位置探索システムで使用され、特に、通信システムのコードの側面を共有しないシステムで使用される。
【0027】
当業者等は、適切なクロックおよび位置情報が与えられれば、“擬似距離(pseudorange)”、或いは衛星または他の送信機までの距離、がコード位相から導出されることが出来る、或いはコード位相が擬似距離から導出される、こともまた理解する。従って、“擬似距離”と“コード位相”も同様にしばしば交換して使用される。コード位相、擬似距離、到着時間およびドップラー周波数を決定する方法は当業者等には周知である。本明細書で説明される方法およびシステムは、これ等の値を決定するためのどのような特定の方法にも限定されることはない。
【0028】
更に、用語“コンピュータ”は本明細書では、一般に、プログラム可能な装置またはプログラム可能な装置と通信する端末、移動局のようなプログラム可能な無線ハンドヘルド、或いは、PDMのようなサーバ、のことを指し、それ等は、当業者には周知のように、プロセッサ又はその他の同等のハードウェアを有する。本明細書中で言及される、それぞれの“コンピュータ”、“ハンドヘルド装置”若しくは“サーバ”は、本明細書中で説明される機能を実行するために必要な“コンピュータ可読”媒体を含むか、若しくは、必要なコンピュータ可読媒体と通信する。用語“コンピュータ可読媒体”はプロセッサに実行のための命令を与えるに際して関与する任意の媒体を指す。本明細書で使用されるように、用語“コンピュータ命令”はプロセッサに通信されることが出来る命令のセットを指す。
【0029】
“コンピュータ可読媒体”は多くの形態をとることが出来て、“不揮発性媒体”、“揮発性媒体”、及び“伝送媒体”を含むがこれ等に限定されない。“不揮発性媒体”は、例えば、記憶媒体のために使用されるような、光学若しくは磁気ディスク、を含む。“揮発性媒体”はダイナミック・メモリを含む。“コンピュータ可読媒体”の通常の形式は、フロッピー(登録商標)・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープ、その他磁気媒体、CD−ROM或いはその他の光学媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEPROM、及び、その他のメモリ・チップ又はカートリッジ、搬送波、或いは、コンピュータ又はプロセッサが読み出すことが出来る任意の媒体、それ等の用語は当業者には公知である、を含む。データベース、データ、及び/又は記録は、コンピュータ可読媒体上に記録または記憶されることが出来る。本明細書で使用される用語“データ”は情報を指す。例えば、測定“データ”は測定に関連付けられる、測定から導出される、或いは、測定に関係する、任意の情報を指す。
【0030】
本明細書で方法およびシステム、及び、関連する背景を説明するに際し、下記の記号が使用される。
【0031】
* RはMS位置の不確定範囲の半径である
* bSVはSVのクロック・バイアスである
* bMSはMSのクロック・バイアスである
* bMSは推定されたMSのクロック・バイアスである
* bMSはMSのクロック・バイアスの不確定である
* ΔfMSは推定されたMS周波数偏移である
* ΔfMSは推定されたMS周波数偏移における不確定である
* fSVはSVのドップラーである
* αはSVの仰角である
* cは光の速さである
* fはチップ・レート(GPS C/Aコードに対しては1.023MHz)である
* rBS_SVはBSからSVを指すベクトルである
* rMS_SVはMSからSVを指すベクトルである。
【0032】
一般的な無線アシスト位置探索システム、例えば、アシストGPS(AGPS)システム、では、衛星GPS信号のためのAAデータはPDMによって移動局に提供される。AAデータを作るための情報は、PDMの中の、しばしば“基地局アルマナック(base station almanac)”(BSA)と呼ばれる、ローカル実時間データベースの中に記憶される。該PDMはサービスするセルの識別符号およびMSによって提供されるその他の情報に基づいてAAデータをMSに提供する。基地局アルマナック管理装置は所定の通信回路網の全てのPDMのために該BSAを保持しそして更新する。
【0033】
SV信号を捕捉するに際しGPS受信機を支援するために、コード位相ウィンドウ、ドップラー周波数ウィンドウを含む、様々なAA情報がMSに伝達されることが出来る。この情報は、どの時間および周波数でSV信号を“探査”すべきなのか、そして又、どの信号を探査すべきなのか、をMSに報せる。AAデータをPDMからMSに提供するための手順は種々の位置探索シグナリング標準に明示されており、ここでは議論されない。
【0034】
一般的には、AAデータは、該MSが現在何処に所在するか、そして、その時点でのMSのクロック状態、に関するPDMの最良の知識から抽出される。PDMがMSのために所在地評価を決定する1つの方法はネットワークを基礎にする距離測定を介する。パイロット位相測定(pilot phase measurements)(PPMs)としても知られる、ネットワークを基礎にする距離測定、或いは、IS−95及びIS−2000通信回路網におけるアドバンスト・フォワード・リンク・トリラテレーション(advanced forward link trilateration)(AFLT)測定、はセルの塔アンテナまでの距離測定である。パイロット位相測定はMSに対する程好く精確な位置およびクロック状態を決定するのに有用である。一旦この状態が知られると、PDMは信号捕捉探査ウィンドウ・サイズを劇的に縮小することが出来る、従って、探査時間を低減しそしてより精確な解を提供する。たとえPPMのセットがMSに対する航法解を生成するのに十分でないとしても、AAデータは一般的には該PDMが所在する既知のセクタに対するカバレージ・エリアの情報に基づいている。この情報に基づき、予測されるコード位相、関連するコード位相ウィンドウ、予測されるドップラー周波数、及び、関連するドップラー周波数ウィンドウ、を含むAAデータがPDMによってMSに提供される。
【0035】
図1を参照すると、簡単化された略図は無線アシスト位置探索システムの例を示す。MS10はサービスするBS、或いは基地送信局(base transmitting station)(BTS)、12のカバレージ・エリア内に所在し、そして、BS12と通信する。BS12は基幹通信回線網のPDM14と通信する。PDM14は、PDM14と通信するBSA管理装置15によって管理および更新されるBSAのローカル・コピーを記憶する。PDM14とBSA管理装置15は共にコンピュータ又はサーバである。MS10は、例えばこれ等に限定されるものではないが、UMTS、CDMA、或いはGSMモデム、のような双方向通信のための適切なハードウェア、例えばこれ等に限定されるものではないが、GPS受信機およびGPSクロックのような位置探索システム、及び、例えばこれ等に限定されるものではないが、中央演算処理装置、コンピュータ可読媒体、及び、適切なコンピュータ命令、のようなプログラム制御、を含む。
【0036】
通信路内に中継所がない場合のように、サービング・アンテナはサービスする基地局から直接作動すると仮定すると、BS12のカバレージ・エリアの近似的な第1概算は、BSアンテナに中心を置かれた円18内部の領域16である。MS10の所在地探査のための不確定領域はこのカバレージ・エリア16と一致する。SV20のアンテナとMS10のアンテナとの間で通信される信号に対して予測されるコード位相は、当業者等には公知の技術によって、幾何学的に計算されることが出来る。
【0037】
例えば、最大コード位相22はSV20からサービスするセル16の最遠地点までの距離に対応する、他方、最小コード位相24はSV14からサービスするセル16の最近接地点までの距離に対応する。最大コード位相と最小コード位相との間の差はPDM14によってMS10に提供されるコード位相ウィンドウであることが出来る。従って、コード位相AAウィンドウのサイズ、或いは、コード位相予測の不確定さ、はSV20の仰角を考慮に入れると、図1aのBSのサービング・アンテナ12のカバレージ・エリア16の直径に対応する。予測されるコード位相はこのコード位相ウィンドウの中心にある。同様に、ドップラー・ウィンドウのサイズはサービング・アンテナのカバレージ・エリア16に対応する、その理由は静止しているMSに対するドップラー周波数はカバレージ・エリア内の様々な地点で変化するからである。MSが利用するドップラー・ウィンドウ・サイズはMS10とSV14の相対運動に基づく、そして、MSの運動単独によるウィンドウ・サイズの部分はしばしばより大きな構成部分である。
【0038】
CDMAシステムにおいて、例えば、MSはコード位相Pを観測する。Pは一般に次式のように表されることが出来る。
【数1】

【0039】
予測されるコード位相、P、は次式のように表されることが出来る。
【数2】

【0040】
そして、ウィンドウ・サイズ、W、は次式のように表されることが出来る。
【数3】

【0041】
コード位相ウィンドウWを表す値はPDM14からMS10へと送信され、通信回線網のプロトコルに対する標準的なメッセージ・フォーマットで、総探査ウィンドウ・サイズを表す。予測されるコード位相、P及びウィンドウ・サイズ、W、は他の方法或いは公式によって決定される又は計算されることが出来ることは当業者等によって理解される。これ等のパラメータは上記で説明された例および公式による計算結果には限定されない。2001年7月20日出願の“無線通信回路網におけるGPS衛星信号捕捉支援システム及び方法”と題する米国特許出願番号第09/910,361号は衛星信号捕捉支援に関する更なる説明と背景を提供し、そして、本明細書中に参照として組み込まれる。
【0042】
PDM14によってMS10に提供されるAAドップラー探査ウィンドウはSV信号のドップラー周波数偏移に対する探査を狭める。予測されるドップラー、D、は次式のように導かれることが出来る。
【数4】

【0043】
そして、ドップラー探査ウィンドウ、W、は次式のように計算されることが出来る。
【数5】

【0044】
ここに、qは所在地不確定を原因とする因子である。一般的にはq=10−3Hz/mが使用される。予測されるドップラー、及び、ウィンドウ・サイズ、W、は他の方法或いは公式によって決定される又は計算されることが出来ることは当業者等によって理解される。これ等のパラメータは上記で説明された公式による計算結果には限定されない。2001年7月20日出願の“無線通信回路網におけるGPS衛星信号捕捉支援システム及び方法”と題する米国特許出願番号第09/910,361号、も参照されたい。
【0045】
前述のように、一般的なアシスト位置探索システムはMSに提供されるAAデータの品質をモニタしない。AAウィンドウが余りにも小さく或いは余りにも大きく、誤って配置されたために、意味のある或いは効率的なSV信号捕獲支援を提供できないことがある。本明細書で説明されるGPS AAウィンドウ評価のための方法及びシステムは、特定の又は仮想的な測定及び位置情報の実観測に基づく知識(a posteriori knowledge)を利用してAAウィンドウの適合性を調査する。この評価から得られる情報はBSA管理を助けそしてAAデータ生成を改善する。BSA管理装置15はMSの測定データをAAウィンドウ・データと比較し、例えばAAデータ・ウィンドウの内部なのか或いは外部なのか信号捕捉の成功および失敗というような比較に基づく結果、該結果に関連付けられる不確定さ、及び、AAウィンドウ品質値(W)を記録する。ここで使用されたように、用語“ウィンドウ”は、それがAAウィンドウであれ、若しくは、測定された又は仮想されたデータとAAウィンドウとの間の比較を実行するために必要であるとして該ウィンドウから抽出されるデータであれ、何れのウィンドウをも指す。BSA管理装置は、ウィンドウ品質値に基づいてAAウィンドウの生成の際使用される、ソース・データの調整も行う。
【0046】
図2は、コード位相あるいはドップラー周波数のためのAAウィンドウに、ウィンドウ品質値(W)を割り当てる例を図示する。AAウィンドウ、例えば、コード位相ウィンドウあるいはドップラー・ウィンドウ、は中央値又は予測値xを有し、x−wとx+wの範囲を張る。ウィンドウの中心xは0と指定される、他方、ウィンドウの最小値は−100と指定され、そして、ウィンドウの最大値は100と指定される、その間の全ての値は整数を直線的に割り当てられる。値は、100超および−100未満に、同様に直線的に連続する。
【0047】
位置測定データとAAウィンドウの間の相関はAAウィンドウの精度或いは品質を決定する。もし、MS又は他の方法で決定された、位置測定データがウィンドウの内部に入るならば、その場合、−100<W<100.もし位置測定データがウィンドウの外部に外れるならば、その場合、|W|∃100。|W|が大きいほどウィンドウ品質は低下する。位置測定データとクロック状態が信頼できるとすれば、その場合、ウィンドウ品質も又信頼できると考えられる。多数の様々な番号付法またはその他の方法論が位置測定データに基づいてAAウィンドウにウィンドウ品質値(W)を割り当てるために使用されることが出来ることは当業者等によって認識されている。図2に表されたWに値を割り当てる方法はどの特別なスキームにも限定されない。
【0048】
AAウィンドウの品質を評価するための第1の方法では、実測GPSコード位相、又は擬似距離が、SV信号の捕捉を介して、MSにとって利用可能である。この例では、実測の、既知のコード位相と過去にMSに供給されたAAコード位相ウィンドウとの間の比較が行われ、そして、ウィンドウ品質値(W)が該比較を表すために生成される。(図3参照。)
AAウィンドウの品質を評価するための第2の方法では、実測GPSコード位相、又は擬似距離、はMSにとって利用可能ではない。この例では、仮想GPSコード位相が決定され、そして、MSに提供されるAAコード位相ウィンドウと比較される、そして、ウィンドウ品質値(W)が該比較を表すために生成される。(再び図3参照。)第1或いは第2いずれかの方法で、ドップラー周波数ウィンドウ品質値も又生成される。(図4参照。)測距誤差は、実測GPS測定データと仮想GPSデータの双方が、互いとの比較又はAAウィンドウとの比較の何れかによって、考慮される、ハイブリッド法を介して検出されることが出来る。(図5参照。)
図3を参照すると、略図はコード位相AAウィンドウ・データ品質を評価する方法の概要を表す。GPSコード位相ウィンドウ・データ、擬似距離ウィンドウ・データ、或いは到着時間ウィンドウ・データのような、捕捉支援ウィンドウ・データ30は、MSによって提供される実測位置測定データ32と共に、コンピュータ34に入力されて両者を比較する。MSによって提供される測定データ32は、AFLT又はPPMデータのような地上の距離測定、コード位相、擬似距離、又は到着時間のようなGPS測定、ドップラー周波数データ、或いはこれ等の任意の組合せ、を含む。ここで使用されたように、用語“測定データ”はMSによって提供されたデータから導出されたデータと同様にMSによって提供されたデータを含む。測定データは実測であって良いし、予測される又は仮想されても良い。例えば、コード位相はMSによって提供される擬似距離或いは到着時間からコンピュータによって決定されることが出来る。比較を実行するコンピュータ34はBSA管理装置15(図1参照)のような任意の適切なコンピュータ或いはサーバ、PDM、或いはその他のコンピュータである。
【0049】
もしそれぞれのSVに対するGPS実測データがMSから入手可能であるならば36−というのはAAウィンドウ・データ及びMS測定データは一般にSVのグループに関して送られるからである−、コード位相ウィンドウ品質値(WQCP)は該測定データをAAコード位相ウィンドウと比較することによって決定される38。(例えば図2参照。)もし実測値が該ウィンドウの内部に入るならば、その場合、ウィンドウは、測定値と予測値との間の相関に従い、−100と+100の間の何処かにウィンドウ品質値(WQCP)を割り当てられる。もし実測値が該ウィンドウの外部に外れるならば、その場合、ウィンドウは、測定値と予測値との間の相関に従い、−100未満または+100超の間の何処かにウィンドウ品質値(WQCP)を割り当てられる。
【0050】
QCPを決めるために、測定された、又は、実測GPSコード位相をAAコード位相と比較する場合、SV伝搬が考慮される。例えば、時刻tに捕獲支援はMSに次式で定義される特別なコード位相ウィンドウ内で探査することを命ずることが出来る。
【0051】
W=x+/−w,
(6)
該コード位相はドップラーdx/dtを有し、dx/dtは、SVの移動がコード位相に時間に関する変化を誘起するが故の、xの変化率である。従って、システムは時刻tとtとの間のSVの伝搬を考慮しなければならない、ここに、tはMSがコード位相yを実際に測定する時刻である。時刻tにおいてMSで測定されたコード位相yを、時刻tにおいてMSに送られたAAコード位相ウィンドウと比較するために、システムは、時刻tにおいて測定されたコード位相yを、伝搬されたAAコード位相ウィンドウ(W)と比較する。ここで、
=x+/−w,
(7)
ここに、x=x+dx/dt(t−t
(8)
MSで測定されたコード位相yと伝搬されたAAコード位相ウィンドウWとの比較は、AAコード位相ウィンドウがMSに送信された時刻とMSが受信されたコード位相を測定した時刻との間に生じた、SVの伝搬を考慮に入れている。この比較はウィンドウ品質値(WQCP)を決める38ために使用される。
【0052】
もし実測コード位相がAAコード位相ウィンドウの中に入るならば40、その場合、“ウィンドウ内成功(succeeded in window)”(SICP)の記録がWQCP値と共に行われる42。これは、AAコード位相ウィンドウが十分に精確であって、AAコード位相ウィンドウの生成で使用されるソース・データに対して調整がなされる必要がない、ということを示す。
【0053】
もし実測コード位相がAAコード位相ウィンドウの外に外れるならば44、その場合、 “ウィンドウ外成功(succeeded outside window)”(SOCP)の記録がWQCP値と共に行われる46。これは、MSはAAコード位相ウィンドウの外でSV信号を探査した、しかしそれにもかかわらず該信号を捕捉した、ということを示す。もしそうであるならば、AAウィンドウは余りに小さすぎたか或いは誤った配置にあったかの何れかであったはずである。例えば、AAコード位相ウィンドウはチップ・コードの誤った部分に配置されていた可能性がある。これが生ずる場合、AAウィンドウは精度を評価されるべきであり、そして、AAウィンドウの生成で使用されたソース・データは必要なものとして修正されるべきである47。SICP、SOCP、及びWQCP値の記録は適切なコンピュータ可読媒体上で行われる。
【0054】
特定の衛星に対する実測GPS測定データが、例えば、これに限定されるわけではないが、MSによって衛星信号が殆ど検出されない場合のように、入手できない場合48があり得る。その場合、システムは該特定の衛星に対して仮想コード位相を決定する50。例えば、8個以上の衛星が地平線上にあり従ってそれ等は潜在的にはMSにとって利用可能であるけれども、MSはただ4個の衛星からの信号を捕捉できるとする。MS位置は4個の利用可能な衛星から受信された信号に基づき行列代数を使用して計算されることが出来る、そして次に、他の4個の衛星のそれぞれに対する仮想擬似距離と対応するコード位相がMSの位置決定、MSのクロック・バイアス、及び、既知のSV位置と既知のSVクロック・バイアス、に基づいて決定されることが出来る。
【0055】
GPSデータがMSにとって入手され得ない別の例では、MSに対する真の位置が、例えば測量または地図のような、代替情報源を介して得られることがある。その場合、MS位置は、1又は複数のSVから実測して得られるGPS測定単独で可能なよりも、更により精確に知られることが出来る。少なくとも1つのGPS距離測定またはネットワーク距離測定と併せて、MSクロック・バイアス推定にとって必要とされるそのような真実の位置は、次に、擬似距離を仮想するために、そして、検出されない全てのGPS SV信号の関連コード位相を仮想するために、使用されることが出来る。
【0056】
AFLT若しくはPPMのような地上における距離測定も又MS位置を提供する。MSに対する最終的な位置決定は、地上における距離測定、BTSカバレージ・エリア情報、GPS測定、或いは、これ等の組合せを介して、判断されることが出来る。一旦最終的なMS位置が決定されそしてMSのクロック・バイアスが知られると、選択されたSVへの擬似距離および関連するコード位相を仮想することが出来る。
【0057】
最終的なMS位置の誤差或いはMSクロック・バイアス或いは双方による不確定さは、SVへの擬似距離とコード位相を仮想する場合に、明らかにされる。例えば、位置又はクロック・バイアスにおいて、100m或いはそれ以上の誤差があったとする。この場合、仮想擬似距離は同様な量だけ不精確である。仮想コード位相の不確定さはウィンドウ品質値の範囲を作るAAコード位相ウィンドウとの比較を不明瞭にする。仮想コード位相の不確定さは、位置決定の実観測に基づく共分散行列から計算され、関心のあるSVの方向に投影される。該実観測に基づく共分散行列は単位分散によるアプリオリ共分散を伸縮することによって計算されることが出来る。両方の測定基準は共にGPS航法の専門家達には周知である。
【0058】
QCP値の範囲52は、位置又はクロック・バイアス誤差による仮想コード位相の不確定さを考慮して、仮想コード位相をAAコード位相ウィンドウと比較することによって決定される。AAコード位相ウィンドウがMSに送信される時刻と仮想コード位相が決定される時刻との間に生ずるSV伝搬も又考慮に入れられる。
【0059】
もし仮想コード位相の範囲がAAコード位相ウィンドウの内部に入るならば54、その場合、“ウィンドウ内失敗(failed in window)”(FICP)の記録がWQCP値の範囲と共に行われる56。最終的な測位誤差又はクロック・バイアス、又は双方、による仮想コード位相の不確定さも同様に記録される。“ウィンドウ内失敗”は、衛星信号が、低い信号強度、過剰な雑音、低い移動受信機の感度、及び/又はその他の因子により、アクセス不能であったことを示すことが出来る。或いはそれに代わり、AAコード位相ウィンドウ内失敗は、AAコード位相ウィンドウが余りにも大きすぎたこと、そして、該ウィンドウ内で信号を探査するためにMSに割り当てられる時間が信号を捕捉する前に終了したこと、を示すことが出来る。この場合、AAウィンドウの生成に使用されたソース・データは調整を要求することが出来る62。
【0060】
仮想コード位相がAAコード位相ウィンドウの外部に外れる場合58、“ウィンドウ外失敗(failed outside window)”(FOCP)の記録がWQCP値の範囲と共に行われる60。最終的な測位誤差又はクロック・バイアス、又は双方、による仮想コード位相の不確定さも同様に記録される。“ウィンドウ外失敗”はAAウィンドウが余りにも小さすぎる、或いは、誤って配置されていること、従って、MSはウィンドウの内部で信号を捕捉出来ないこと、を示すことが出来る。この場合、AAウィンドウは精度を評価されるべきであり、そして、AAウィンドウの生成に使用されたソース・データは必要なものとして修正されるべきである62。もしAAウィンドウ・データが特定のセル・セクタの大きさと位置に基づいているならば、その場合、BSAに記憶されている、該セクタのカバレージ・エリアは疑問があり得る。セクタのカバレージ・エリア半径を決めるための方法は公知であり、従って、ここでは議論されない。もしAAウィンドウ・データが過去の測位に基づいているならば、その場合、誤差評価、或いは、誤差評価の利用法、も又疑問があり得る。
【0061】
仮想測定における不確定さのために、結果生じるウィンドウ品質値の範囲は、部分的にAAコード位相ウィンドウの内部に入りそして部分的に外部に外れる(FPCP)、ことがあり得る66。その場合、失敗の記録が、WQCP値の範囲、及び、最終的な位置測定誤差又はクロック・バイアス、又は双方による仮想コード位相の不確定さ、と共に行われる。
【0062】
FICP、FOCP、FPCP及びWQCP値の記録は適切なコンピュータ可読媒体上で行われる。最終的な測位誤差又はクロック・バイアス、又は双方、による仮想コード位相の不確定さも適切なコンピュータ可読媒体上に同様に記録される。
【0063】
図4を参照すると、略図はドップラー周波数AAウィンドウ・データ品質を評価する方法の概要を表す。ドップラー周波数捕捉支援ウィンドウ・データ70は、MSによって提供される実測位置測定データ72と共に、コンピュータ34に入力されて両者を比較する。MSによって提供される測定データ32は、AFLT又はPPMデータ、コード位相、擬似距離、又は到着時間のようなGPS測定、ドップラー周波数データ、或いはこれ等の任意の組合せ、のような地上の距離測定を含む。
【0064】
ドップラー周波数は、当業者等によって理解されるように、MSおよび関心のあるSVのそれぞれの位置と速度が与えられれば、MSの速度を明らかにすることによって予測されることが出来る76。式4も参照。予測されたドップラー周波数は、ドップラー・ウィンドウ品質値(WQD)を決めるために、AAドップラー周波数ウィンドウと比較される78。(例えば図2参照。)もし該ドップラー値がウィンドウの中に入るならば、その場合、該ウィンドウは、−100と+100の間の何処かにウィンドウ品質値(WQD)を割り当てられる。もし該ドップラー値がウィンドウ外部に外れるならば、その場合、ウィンドウは、−100未満または+100超の間の何処かにウィンドウ品質値(WQD)を割り当てられる。
【0065】
もし該ドップラー値がAAドップラー・ウィンドウの中に入るならば80、その場合、 “ウィンドウ内成功(succeeded in window)”(SI)の記録がWQD値と共に行われる82。これは、AAドップラー・ウィンドウが十分に精確であって、AAウィンドウの生成で使用されるソース・データに対して調整がなされる必要がない、ということを示す。
【0066】
もし該ドップラー値がAAコード位相ウィンドウの外に外れるならば84、その場合、 “ウィンドウ外成功(succeeded outside window)”(SO)の記録がWQD値と共に行われる86。これは、MSはAAドップラー・ウィンドウの外でSV信号を探査した、しかしそれにもかかわらず信号を捕捉した、ということを示す。もしそうであるならば、AAドップラー・ウィンドウは余りに小さすぎたか或いは誤った配置にあったかの何れかであったはずである。これが生ずる場合、AAウィンドウは精度を評価されるべきであり、そして、AAウィンドウの生成で使用されたソース・データは必要なものとして修正されるべきである88。SI、SO、及びWQD値の記録は適切なコンピュータ可読媒体上で行われる。
【0067】
特定の衛星に対する実測GPS測定データが入手できない場合90、ドップラー周波数および関連する不確定さは、当業者等によって理解されるように、MSおよび関心のあるSVのそれぞれの位置と速度が与えられれば、MSの速度を明らかにすることによって予測される92。仮想の、予測されたドップラー周波数および関連する不確定さとAAドップラー・ウィンドウとの比較結果はWQD値の範囲を与える94。
【0068】
もし仮想の、予測されたドップラー範囲がAAドップラー・ウィンドウの内部に入るならば96、その場合、“ウィンドウ内失敗(failed in window)”(FI)の記録がWQD値の範囲と共に行われる98。最終的な測位誤差又はクロック・バイアス、又は双方、による仮想コード位相の不確定さも同様に記録される。“ウィンドウ内失敗”は、衛星信号が、低い信号強度、過剰な雑音、低い移動受信機の感度、及び/又はその他の因子により、アクセス不能であったことを示すことが出来る。或いはそれに代わり、AAウィンドウ内失敗は、AAドップラー・ウィンドウが余りにも大きすぎたこと、そして、該ウィンドウ内で信号を探査するためにMSに割り当てられる時間が信号を捕捉する前に終了したこと、を示すことが出来る。この場合、AAウィンドウの生成に使用されたソース・データは調整を必要とする可能性がある100。
【0069】
仮想の、予測されたドップラー範囲がAAドップラー・ウィンドウの外部に外れる場合102、“ウィンドウ外失敗(failed outside window)”(FO)の記録がWQD値の範囲と共に行われる104。最終的な測位誤差又はクロック・バイアス、又は双方、による仮想コード位相の不確定さも同様に記録される。“ウィンドウ外失敗”はAAウィンドウが余りにも小さすぎる、或いは、誤って配置されていること、従って、MSはドップラー・ウィンドウの内部で信号を捕捉出来ないこと、を示すことが出来る。この場合、AAドップラー・ウィンドウは精度を評価されるべきであり、そして、AAウィンドウの生成に使用されたソース・データは必要なものとして修正されるべきである100。もしAAウィンドウ・データが特定のセル・セクタの大きさと位置に基づいているならば、その場合、BSAに記憶されている、該セクタのカバレージ・エリアは疑問があり得る。セクタのカバレージ・エリア半径を決めるための方法は公知であり、従って、ここでは議論されない。もしAAドップラー・ウィンドウ・データが過去の測位に基づいているならば、その場合、誤差評価、或いは、誤差評価の利用法、も又疑問があり得る。
【0070】
仮想コード位相の不確定さのために、結果として生じるドップラー・ウィンドウ品質値の範囲は、部分的にAAドップラー・ウィンドウの内部に入りそして部分的に外部に外れる(FP)、ことがあり得る106。その場合、失敗の記録が、WQD値の範囲、及び、最終的な測位誤差又はクロック・バイアス、又は双方による、仮想コード位相の不確定さ、と共に行われる。FI、FO、FP及びWQD値の記録、及び、最終的な測位誤差又はクロック・バイアス、又は双方、による仮想コード位相の不確定さ、の記録は適切なコンピュータ可読媒体上で行われる。
【0071】
AAデータ・ウィンドウの品質を評価するためのハイブリッド法では、システムは、実測の測定データ−MS又はその他によって決定されるような−とAAウィンドウとの比較、及び、コード位相又はドップラー周波数のような仮想データとAAウィンドウとの比較、を両方とも行う。図5はこの方法の概要図である。AAウィンドウ・データとMS測定データはコンピュータ34に供給される。実測データがMSから入手可能であるとすれば、AAウィンドウ品質値(WQ−a)が実測GPS測定データから決定される。更に、AAウィンドウ品質値(WQ−h)が、仮想コード位相または予測ドップラー周波数のような、仮想データから決定される110。2つのウィンドウ品質値(WQ−a)と(WQ−h)は、それ等が同じような値であるかどうかを決定するために、比較される112。この方法は、実測および仮想コード位相が大きく分かれて大きな測距誤差がある場合に有効である。仮想データから決定されるウィンドウ品質値と実測定データから決定されるウィンドウ品質値との間の大きな差は測距誤差を示す114。図5で表されるハイブリッド法を実行するためにはウィンドウ品質値は必ずしも計算される必要がない、ということは当業者等には明らかである。その代わり、両者を比較するために、実測データは仮想あるいは予測データと直接比較されることが出来る。
【0072】
信号捕捉の失敗と成功及びウィンドウ品質値を追跡することは、AAウィンドウ・データの品質についての価値ある情報を提供する。ウィンドウ品質は、測定毎にを基準として、通信システム・レベルで、地理的領域レベルで、或いは、その他1又は複数のセクタによるようなグルーピングを基準として、評価されることが出来る。システム基準レベル、領域基準レベル或いはグルーピング基準レベルにおいて、AAデータの総合的な健全性は、ウィンドウ内測定に対するウィンドウ外にあったらしい全ての失敗測定の割合、をチェックすることによって評価されることが出来る。
【0073】
成功と失敗に関するウィンドウ品質統計の任意の組合せは捕捉補助を評価し、そして、AAウィンドウの生成で使用されるソース・データを調整するのに有効である。例えば、成功に対する高い失敗の割合は一般に低いGPS捕捉を示す。FO/SIの比較的高い割合はAAウィンドウが一般に不正確または小さすぎることを示す。他方、低いFO/SIの割合はウィンドウが一般に大きすぎることを示すことがあり得る。更に、もし割合(FO/FI)/(SO/SI)−これはAAウィンドウ外測定がウィンドウ内測定よりも失敗する可能性が著しく高いかどうかの洞察を提供する−が統計的信頼性を持って予め決められた閾値を超えるならば、その場合、総合的なAAの健全性は疑問を持たれる可能性がある。
【0074】
システム基準レベル、領域基準レベル、或いはその他グルーピング基準レベルで、AAウィンドウの全体的な適用範囲がモニタされることできて、従って、AAの生成に使用されるソース・データが調整されることが出来る。調整は、セクタ毎を基準として、セクタの一定の集合により決められたローカル領域の内部で、システム全体に亘り、或いは、他の任意の領域上で、行われることが出来る。例えば、セクタに特定のAAスケール因子が保持されることが出来る、或いは、“最大アンテナ範囲(maximum antenna range)”(MAR)がセクタを基準とする捕捉支援の場合に調整されることが出来る。AAウィンドウ・ソース・データに対する調整は実時間で、非周期的に、或いは基地局アルマナック管理装置或いはその他適切なコンピュータ又はサーバによるバッチ処理モードにおいて、周期的に、行われることが出来る。そのような調整はネットワークの状態を記述するために使用されるBSAの中に記憶されることが出来る。
【0075】
AAコード位相ウィンドウとドップラー周波数ウィンドウは、本明細書では、AAウィンドウ・データ品質を評価するための方法およびシステムを明示するために使用されたけれども、AAウィンドウ品質の同様な評価が他の型のAAデータ、例えば、これ等に限定されるわけではないが、信号到着時間および擬似距離、に対して行われることが出来ることは、当業者等にとって明白である。
【0076】
前述の説明は、測位信号捕捉支援ウィンドウ評価のための方法およびシステムの、具体例としての実行、及び、その新規性、を説明する。本方法およびシステムには多くの態様がある、その理由は、それが通信システムの無数の構成要素の間の相互作用を含むことが出来るからである。本方法およびシステムの代替法の使用と実装のために何かの示唆が与えられるからといって、そのような代替法をリスト或いは説明し尽くすことは無論実用的ではない。従って、本方法およびシステムの範囲は添付された請求項を参照することによってのみ決められるべきであり、そして、該範囲はその他、限定が添付された請求項に記載されるような場合を除いては、本明細書で説明された特徴によって限定されるべきではない。
【0077】
上述の説明は開示された方法およびシステムの新規性を指摘してきたけれども、当業者は、説明された方法およびシステムの形態と詳細における様々な省略、置き換え、及び、変更が、本発明の範囲を逸脱することなく、行われることが可能である、ことを理解する。例えば、当業者は、本明細書で説明された詳細を、広範囲の変調技術、送信機と受信機のアーキテクチャ、及び一般に任意の数の異なるフォーマットを有する通信システムに適応させることが出来る。任意の送信機は、SVが本明細書で扱われるのと同様に、該送信機からの信号の捕捉を支援するために引き出され、獲得されそして利用される捕捉支援情報を用いて、扱われることが出来る。
【0078】
本明細書で上述に説明された諸構成要素のそれぞれの実用的なそして新しい組合せ、及び、そのような構成要素と同等な物のそれぞれ実用的な組合せ、は本発明の実施形態と考えられる。一部は、本明細書で明確に列挙されることが常識的に出来るよりも遥かに多くの要素の組合せが本発明の実施形態として考えられるが故に、本発明の範囲は前述の説明によるよりも添付された請求項によって適切に規定される。更に、上述で説明された特徴の任意の機能的な可能な組合せが、本明細書で明白そして明確に説明されたのと同様に考えられるはずである。様々な請求項の諸要素の同等物の意味および範囲に入る全ての変更は、対応する請求項の範囲内に含まれる。この目的のために、それぞれの請求項においてそれぞれ説明される要素は可能な限り広く解釈されるべきであり、そして、更に該要素の任意の同等物を、先行技術を包含せずに可能な限り、包含すると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0079】
10…移動局、12…基地局、16…基地局アンテナを中心とする円の内部、18…基地局アンテナを中心とする円、20…人工衛星、22…最大コード位相、24…最小コード位相、BSA…基地局アルマナック、PDM…位置決定モジュール、x…中央値又は予測値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機と移動局受信機を具備するアシスト位置探索システムのために捕捉支援ウィンドウ品質を評価する方法であって、
移動局位置測定データを提供すること、及び
移動局位置測定データを捕捉支援ウィンドウと比較すること
を具備する方法。
【請求項2】
移動局位置測定データは、実測測定データと仮想測定データから構成されるグループから選択される、少なくとも1つの型のデータを具備する、請求項1の方法。
【請求項3】
仮想移動局位置測定データは、コード位相データ、擬似距離データ、到着時間データ、或いは、ドップラー周波数データから構成されるグループから選択される、少なくとも1つの型の仮想データを具備する、請求項2の方法。
【請求項4】
移動局位置測定データを提供することは、地上における距離測定データ、タイミング・データ、ドップラー周波数、及び、全地球測位システム測定データから構成されるグループから選択される、少なくとも1つの型のデータを提供することを具備する、請求項2の方法。
【請求項5】
前記全地球測位システム測定データは、コード位相データ、擬似距離データ、到着時間データ、或いは、ドップラー周波数データから構成されるグループから選択される、少なくとも1つの型のデータを具備する、請求項4の方法。
【請求項6】
移動局位置測定データを捕捉支援ウィンドウと比較することは、捕捉支援ウィンドウが移動局に送信される時刻と移動局の測定が決定される時刻との間の送信機伝播を明らかにすることを更に具備する、請求項2の方法。
【請求項7】
移動局位置測定データを捕捉支援ウィンドウと比較することは、該測定データが捕捉支援ウィンドウの中に入るかどうかを判断することを具備する、請求項2の方法。
【請求項8】
該比較のステップに基づいてウィンドウ品質値を決定することを更に具備する、請求項2の方法。
【請求項9】
該比較のステップに基づいてウィンドウ品質値を決定することは、捕捉支援ウィンドウ内の測定データに対して第1整数値と第2整数値との間の値を割り当てることを具備する、請求項8の方法。
【請求項10】
該ウィンドウ品質値を記録することを更に具備する、請求項8の方法。
【請求項11】
該比較に基づく結果を記録することを更に具備する、請求項2の方法。
【請求項12】
該捕捉支援ウィンドウの生成に使用されるソース・データを調整することを更に具備する、請求項11の方法。
【請求項13】
移動局位置測定データを提供すること、及び、移動局位置測定データを捕捉支援ウィンドウと比較することは、測定毎基準、セクタ基準、セクタのグルーピング基準、通信システム基準、及び、地理的領域基準、から構成されるグループから選択される基準上で実行される、請求項2の方法。
【請求項14】
捕捉支援ウィンドウ・データを、比較のステップに従い、セクタ基準、セクタのグルーピング基準、通信システム基準、及び、地理的領域基準、から構成されるグループから選択される基準上で、評価することを更に具備する、請求項13の方法。
【請求項15】
測定毎基準、セクタ基準、セクタのグルーピング基準、通信システム基準、及び、地理的領域基準、から構成されるグループから選択される基準上で、捕捉支援ウィンドウを生成する際に使用されるソース・データを調整することを更に具備する、請求項13の方法。
【請求項16】
仮想位置測定データに関連付けられる不確定さを決定することを更に具備する、請求項2の方法。
【請求項17】
該比較のステップ及び仮想位置測定データに関連付けられる不確定さに基づいてウィンドウ品質値の範囲を決定することを更に具備する、請求項16の方法。
【請求項18】
ウィンドウ品質値の範囲を記録することを更に具備する、請求項17の方法。
【請求項19】
比較に基づく結果を記録することを更に具備する、請求項17の方法。
【請求項20】
捕捉支援ウィンドウを生成する際に使用されるソース・データを調整することを更に具備する、請求項19の方法。
【請求項21】
捕捉支援ウィンドウを生成する際に使用されるソース・データを調整することは、測定毎基準、セクタ基準、セクタのグルーピング基準、通信システム基準、及び、地理的領域基準、から構成されるグループから選択される基準上で実行される、請求項20の方法。
【請求項22】
移動局位置測定データを捕捉支援ウィンドウと比較することは、
実測移動局位置測定データを捕捉支援ウィンドウと比較すること、及び
仮想移動局位置測定データを捕捉支援ウィンドウと比較すること
を具備する、請求項8の方法。
【請求項23】
該比較のステップに基づいてウィンドウ品質値を決定することは、実測移動局位置測定の比較に基づくウィンドウ品質値、及び、仮想移動局位置測定の比較に基づくウィンドウ品質値、を決定することを具備する、請求項22の方法。
【請求項24】
2つのウィンドウ品質値の間の差に基づいて測距誤差を決定することを更に具備する、請求項23の方法。
【請求項25】
アシスト位置探索システムの捕捉支援ウィンドウ品質を評価するためのシステムであって、
送信機、
移動局受信機、
送信機信号捕捉支援データの生成で使用されるアルマナックを具備する位置決定モジュール、及び
移動局の測定と位置情報の実観測に基づく知識に従って該位置決定モジュールのアルマナックを管理および更新するためのコンピュータ
を具備するシステム。
【請求項26】
該コンピュータは、移動局位置測定データと捕捉支援ウィンドウの比較に基づく捕捉支援ウィンドウ品質値の記録のためのコンピュータ可読媒体を具備する、請求項25のシステム。
【請求項27】
該コンピュータは、捕捉支援ウィンドウの内部および外部への移動局受信機の成功および失敗した送信機信号捕捉の記録のためのコンピュータ可読媒体を具備する、請求項25のシステム。
【請求項28】
測位信号送信機および移動局測位信号受信機を具備するアシスト位置探索システムのための捕捉支援ウィンドウ品質を評価する方法であって、
実観測に基づく移動局位置測定データを測位信号捕捉支援ウィンドウと比較すること、及び
該比較に基づく結果を記録すること
を具備する方法。
【請求項29】
該比較に基づく結果を記録することは、捕捉支援ウィンドウの内部および外部への該移動局受信機による送信機信号捕捉の成功および失敗を記録することを具備する、請求項28の方法。
【請求項30】
該比較に基づく結果を記録することは、該比較に基づく捕捉支援ウィンドウ品質値を生成することを具備する、請求項28の方法。
【請求項31】
該比較に基づいて未来の捕捉支援ウィンドウの生成を調整することを更に具備する、請求項28の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−15527(P2013−15527A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−181128(P2012−181128)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【分割の表示】特願2007−538104(P2007−538104)の分割
【原出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】