説明

測位装置、通信端末装置、測位システム、測位方法、プログラム

【課題】通信トラヒック負荷の増大や、それに伴う通信費用の増大や、消費電力の増大を抑えながら、測位に用いる補助情報を利用できる測位装置、通信端末装置、測位システム、測位方法、プログラムを提供する。
【解決手段】測位装置110は、人工衛星から衛星信号を受信するGPS受信アンテナ111bと、アシストデータを記憶するアシストデータキャッシュ部113と、アシストデータキャッシュ部113に有効期間内のアシストデータが記憶されているか否かを確認するアシストデータ管理部118と、アシストデータ管理部118による確認の結果、アシストデータキャッシュ部113に有効期間内のアシストデータが記憶されているときに、GPS受信アンテナ111bが受信する衛星信号とアシストデータキャッシュ部113に記憶されているアシストデータとを用いて測位演算処理を行うGPS信号処理部111aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工衛星を利用した測位装置、通信端末装置、測位システム、測位方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を利用した測位においては、GPS受信機を搭載した端末が複数のGPS衛星からの信号を受信して復号し、測位演算をすることにより自端末の位置を算出する。端末がGPS衛星からの信号のみを受信して測位する自律測位方式では、測位に必要となる情報をGPS衛星からすべて受信するため、測位時間が長くなる。さらにそれによって、端末の消費電力が大きくなるといった問題がある。
【0003】
これに対して、測位に必要となるGPS衛星の航法メッセージをネットワーク側からアシストデータとして端末へ配信して測位演算を行うAssisted-GPS測位方式(例えば、非特許文献1)がある。これにより高速かつ低消費電力での測位が可能となる利点がある反面、測位時にネットワーク側と回線接続されていることが不可欠といった制約がある。GPS受信機の搭載が普及しつつある携帯電話機については、上記Assisted-GPSの利点を享受できる。
【0004】
一方、近年、デジタルカメラ等の各種機器に対してもGPS受信機を搭載する機器が増加しつつあり、位置情報と連携させた利用が可能となりつつある。これらの機器については、GPS受信機は搭載しても、広域無線通信用インタフェースを備えるまでには至ってない。このようなGPS受信機を搭載する機器では、広域無線通信用のインタフェースを備えていないため、ネットワーク側からのGPS測位アシストデータを取得することができない。したがって、装置内蔵のGPS受信機のみにより自律的に測位する必要があり、初期測位までに長い時間を要するという問題があった。
【0005】
近距離無線通信を利用してアシストデータを端末に送信する技術が、特許文献1に提案されている。
【0006】
また、広域無線通信用インタフェースを備える移動機がネットワーク側からアシストデータを取得し、これを移動機と近距離無線通信等で接続しうるGPS受信機内蔵機器に転送することにより、このGPS受信機内蔵機器の測位時間の短縮を図る技術が特許文献2に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−125436号公報
【特許文献2】特表2008−541027号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】NTT DoCoMo テクニカル・ジャーナル Vol.13 No.4 2006年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に提案されている技術では、アシストデータを送信するのは、位置情報が既知の固定局経由であることを特徴としており、移動機への適用については言及されてない。したがって、アシストデータを利用できる位置が限定的であるという問題があった。
【0010】
また、特許文献2に提案されている技術では、GPS受信機内蔵機器が測位に利用するアシストデータを必要とする都度、ネットワーク側のアシストデータ要求/配信トラヒックが発生する。これにより、通信費の増大や、ネットワーク側のトラヒック負荷が増大するという問題があった。
【0011】
本発明の課題は、通信トラヒック負荷の増大や、それに伴う通信費用の増大や、消費電力の増大を抑えながら、測位に用いる補助情報を利用できる測位装置、通信端末装置、測位システム、測位方法、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0013】
(1)本発明は、人工衛星(500)から衛星信号を受信する受信手段(111b)と、少なくとも前記人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する補助情報記憶手段(113)と、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているか否かを確認する補助情報管理手段(118)と、前記補助情報管理手段による確認の結果、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているときに、前記受信手段が受信する前記衛星信号と前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報とを用いて測位演算処理を行う信号処理手段(111a)とを備える測位装置(110)を提案している。
【0014】
この発明によれば、受信手段は、人工衛星から衛星信号を受信する。補助情報記憶手段は、少なくとも人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する。補助情報管理手段は、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されているか否かを確認する。信号処理手段は、補助情報管理手段による確認の結果、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されているときに、受信手段が受信する衛星信号と補助情報記憶手段に記憶されている補助情報とを用いて測位演算処理を行う。したがって、測位装置は、補助情報を利用する度に通信を行う必要が無く、効率よく補助情報を利用でき、通信トラヒック負荷の増大や、それに伴う通信費用の増大及び消費電力の増大を抑えることができる。
【0015】
(2)本発明は、(1)に記載の測位装置において、少なくともひとつの外部機器(210)と通信を行う第1の通信手段(115a)を備え、前記補助情報管理手段(118)は、前記補助情報記憶手段(113)に有効期間内の前記補助情報が記憶されていないときに、前記第1の通信手段により通信可能な前記外部機器に対して、前記補助情報を要求することを特徴とする測位装置(110)を提案している。
【0016】
この発明によれば、第1の通信手段は、少なくともひとつの外部機器と通信を行う。補助情報管理手段は、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されていないときに、第1の通信手段により通信可能な外部機器に対して、補助情報を要求する。したがって、測位装置は、自らが有効な補助情報を記憶していない場合にも、外部機器が有する補助情報を利用できる。
【0017】
(3)本発明は、(2)に記載の測位装置において、前記補助情報管理手段(118)は、複数の前記外部機器から複数の前記補助情報を得たときには、予め定めた選択基準にしたがって1つの前記補助情報を選択し、信号処理手段(111a)は、前記補助情報管理手段が選択した前記補助情報を用いて測位演算処理を行うことを特徴とする測位装置(110)を提案している。
【0018】
この発明によれば、補助情報管理手段は、複数の外部機器から複数の補助情報を得たときには、予め定めた選択基準にしたがって1つの補助情報を選択する。信号処理手段は、補助情報管理手段が選択した補助情報を用いて測位演算処理を行う。したがって、測位装置は、最も信頼性の高い補助情報を利用して測位演算処理を行える。
【0019】
(4)本発明は、(2)に記載の測位装置において、前記第1の通信手段(115a)は、通信可能な前記外部機器として、前記第1の通信手段による通信方式とは異なる広域通信を利用可能な第2の通信手段(217a)を備えた通信端末装置(210)と通信可能であって、前記補助情報管理手段(118)は、前記外部機器に対して前記補助情報を要求した結果、有効な前記補助情報を取得できなかったときには、前記通信端末装置に対して、前記第2の通信手段を用いてサーバ(400)から前記補助情報を取得して当該測位装置への前記補助情報の転送を要求することを特徴とする測位装置(110)を提案している。
【0020】
この発明によれば、第1の通信手段は、通信可能な外部機器として、第1の通信手段による通信方式とは異なる広域通信を利用可能な第2の通信手段を備えた通信端末装置と通信可能である。補助情報管理手段は、外部機器に対して補助情報を要求した結果、有効な補助情報を取得できなかったときには、通信端末装置に対して、第2の通信手段を用いてサーバから補助情報を取得して当該測位装置への補助情報の転送を要求する。したがって、測位装置は、広域通信の利用を最小限に抑えることができる。また、測位装置は、広域通信の機能を備えていなくとも、サーバから補助情報を取得して利用できる。
【0021】
(5)本発明は、(2)に記載の測位装置において、前記第1の通信手段(215a)による通信方式とは異なる広域通信を利用可能な第2の通信手段(217a)を備え、前記補助情報管理手段(218)は、前記外部機器に対して前記補助情報を要求した結果、有効な前記補助情報を取得できなかったときには、前記第2の通信手段を用いてサーバ(400)から前記補助情報を取得することを特徴とする測位装置(210)を提案している。
【0022】
この発明によれば、第2の通信手段は、第1の通信手段による通信方式とは異なる広域通信を利用可能である。補助情報管理手段は、外部機器に対して補助情報を要求した結果、有効な補助情報を取得できなかったときには、第2の通信手段を用いてサーバから補助情報を取得する。したがって、測位装置は、広域通信の利用を最小限に抑えることができる。なお、この発明は、通信端末装置が測位装置として測位を行うときに特に有効である。
【0023】
(6)本発明は、(2)から(5)までのいずれか1項に記載の測位装置において、前記補助情報管理手段(118)は、取得した前記補助情報を前記第1の通信手段(115a)により前記外部機器へ再送信することを特徴とする測位装置(110)を提案している。
【0024】
この発明によれば、補助情報管理手段は、取得した補助情報を第1の通信手段により外部機器へ再送信する。したがって、測位装置は、最良の補助情報をローカルネットワーク内で共有させることができ、外部機器が測位を行うときに最良の補助情報を有効に利用させることができる。
【0025】
(7)本発明は、(2)から(6)までのいずれか1項に記載の測位装置において、前記補助情報管理手段(118)は、前記第1の通信手段(115a)を介して前記外部機器から前記補助情報を要求された場合であって、前記補助情報記憶手段(113)に有効期間内の前記補助情報が記憶されているときには、前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報を前記第1の通信手段を介して前記外部機器へ送ることを特徴とする測位装置(110)を提案している。
【0026】
この発明によれば、補助情報管理手段は、第1の通信手段を介して外部機器から補助情報を要求された場合であって、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されているときには、補助情報記憶手段に記憶されている補助情報を第1の通信手段を介して外部機器へ送る。したがって、測位装置は、補助情報記憶手段に記憶されている補助情報を外部機器によって利用させることができる。
【0027】
(8)本発明は、(1)から(7)までのいずれか1項に記載の測位装置において、前記補助情報管理手段(118)は、前記補助情報記憶手段(113)に記憶されている前記補助情報が有効期間を超過したときに、前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報を削除することを特徴とする測位装置(110)を提案している。
【0028】
この発明によれば、補助情報管理手段は、補助情報記憶手段に記憶されている補助情報が有効期間を超過したときに、補助情報記憶手段に記憶されている補助情報を削除する。したがって、測位装置は、利用価値のない補助情報を保持し続けることを防止でき、再利用される補助情報を常に有効期間内の新しい情報とすることができる。
【0029】
(9)本発明は、少なくともひとつの外部機器と通信を行う第1の通信手段(215a)と、前記第1の通信手段による通信方式とは異なる広域通信を利用可能な第2の通信手段(217a)と、少なくとも人工衛星(500)の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する補助情報記憶手段(213)と、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているか否かを確認する補助情報管理手段(218)とを備える通信端末装置(210)を提案している。
【0030】
この発明によれば、第1の通信手段は、少なくともひとつの外部機器と通信を行う。第2の通信手段は、第1の通信手段による通信方式とは異なる広域通信を利用可能である。補助情報記憶手段は、少なくとも人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する。補助情報管理手段は、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されているか否かを確認する。したがって、通信端末装置、補助情報を利用する度に通信を行う必要が無く、効率よく補助情報を利用でき、通信トラヒック負荷の増大や、それに伴う通信費用の増大及び消費電力の増大を抑えることができる。
【0031】
(10)本発明は、(9)に記載の通信端末装置において、前記補助情報管理手段(218)は、前記第1の通信手段(115a)を介して前記外部機器から前記補助情報を要求された場合であって、前記補助情報記憶手段(213)に有効期間内の前記補助情報が記憶されているときには、前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報を前記第1の通信手段を介して前記外部機器へ送ることを特徴とする通信端末装置(210)を提案している。
【0032】
この発明によれば、補助情報管理手段は、第1の通信手段を介して外部機器から補助情報を要求された場合であって、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されているときには、補助情報記憶手段に記憶されている補助情報を第1の通信手段を介して外部機器へ送る。したがって、通信端末装置は、補助情報記憶手段に記憶されている補助情報を外部機器によって利用させることができる。
【0033】
(11)本発明は、(9)又は(10)に記載の通信端末装置において、前記補助情報管理手段(218)は、前記補助情報をサーバ(400)から取得して前記外部機器へ転送することを前記第1の通信手段(215a)を介して前記外部機器から要求されたときには、前記第2の通信手段(217a)を介して前記補助情報をサーバから取得して前記外部機器へ前記第1の通信手段を介して転送することを特徴とする通信端末装置(210)を提案している。
【0034】
この発明によれば、補助情報管理手段は、補助情報をサーバから取得して外部機器へ転送することを第1の通信手段を介して外部機器から要求されたときには、第2の通信手段を介して補助情報をサーバから取得して外部機器へ第1の通信手段を介して転送する。したがって、通信端末装置は、測位を行う外部装置が広域通信の機能を備えていなくとも、サーバ取得した補助情報を外部装置に利用させることができる。
【0035】
(12)本発明は、(9)又は(10)に記載の通信端末装置において、前記補助情報管理手段(218)は、前記補助情報記憶手段(213)に記憶されている前記補助情報の有効期間を過ぎたときには、前記外部機器からの要求の有無に関わらず、前記第2の通信手段(217a)を介して前記補助情報をサーバ(400)から取得して前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報を更新することを特徴とする通信端末装置(210)を提案している。
【0036】
この発明によれば、補助情報管理手段は、補助情報記憶手段に記憶されている補助情報の有効期間を過ぎたときには、外部機器からの要求の有無に関わらず、第2の通信手段を介して補助情報をサーバから取得して補助情報記憶手段に記憶されている補助情報を更新する。したがって、通信端末装置が広域通信を行うことができない場所に移動した後に外部機器から補助情報を要求されたときであっても、その要求に対処できる確率を向上できる。
【0037】
(13)本発明は、少なくとも1つの測位装置(110)と、少なくとも1つの通信端末装置(210)と、サーバ(400)とを備えた測位システムであって、前記測位装置は、人工衛星(500)から衛星信号を受信する受信手段(111b)と、少なくとも前記人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する補助情報記憶手段(113)と、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているか否かを確認する補助情報管理手段(118)と、前記補助情報管理手段による確認の結果、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているときに、前記受信手段が受信する前記衛星信号と前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報とを用いて測位演算処理を行う信号処理手段(111a)と、当該測位装置とは異なる他の測位装置と通信端末装置とのうちの少なくともひとつの外部機器と通信を行う第1の通信手段(115a)とを備え、前記補助情報管理手段は、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されていないときに、前記第1の通信手段により通信可能な前記外部機器に対して、前記補助情報を要求し、前記補助情報管理手段から前記補助情報を要求された前記外部機器としての前記他の測位装置及び/又は前記通信端末装置は、有効な前記補助情報を有しているときには、前記補助情報を前記測位装置へ送ることを特徴とする測位システムを提案している。
【0038】
この発明によれば、受信手段は、人工衛星から衛星信号を受信する。補助情報記憶手段は、少なくとも人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する。補助情報管理手段は、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されているか否かを確認する。信号処理手段は、補助情報管理手段による確認の結果、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されているときに、受信手段が受信する衛星信号と補助情報記憶手段に記憶されている補助情報とを用いて測位演算処理を行う。第1の通信手段は、当該測位装置とは異なる他の測位装置と通信端末装置とのうちの少なくともひとつの外部機器と通信を行う。補助情報管理手段は、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されていないときに、第1の通信手段により通信可能な外部機器に対して、補助情報を要求する。補助情報管理手段から補助情報を要求された外部機器としての他の測位装置及び/又は通信端末装置は、有効な補助情報を有しているときには、補助情報を測位装置へ送る。したがって、測位システムは、補助情報を利用する度に通信を行う必要が無く、効率よく補助情報を利用でき、通信トラヒック負荷の増大や、それに伴う通信費用の増大及び消費電力の増大を抑えることができる。
【0039】
(14)本発明は、少なくとも1つの測位装置(110)と、少なくとも1つの通信端末装置(210)と、サーバ(400)とを備えた測位システムにおける測位方法であって、前記測位装置は、人工衛星(500)から衛星信号を受信し、少なくとも前記人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶し、記憶した前記補助情報が有効期間内であるか否かを確認し、有効期間内の前記補助情報が記憶されているときに、前記衛星信号と前記補助情報とを用いて測位演算処理を行い、有効期間内の前記補助情報が記憶されていないときに、通信可能な外部機器に対して、前記補助情報を要求し、前記補助情報を要求された前記外部機器としての他の測位装置及び/又は前記通信端末装置は、有効な前記補助情報を有しているときには、前記補助情報を前記測位装置へ送ることを特徴とする測位システムの測位方法を提案している。
【0040】
この発明によれば、測位システムにおける測位方法は、人工衛星から衛星信号を受信し、少なくとも人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶し、記憶した補助情報が有効期間内であるか否かを確認し、有効期間内の補助情報が記憶されているときに、衛星信号と補助情報とを用いて測位演算処理を行い、有効期間内の補助情報が記憶されていないときに、通信可能な外部機器に対して、補助情報を要求し、補助情報を要求された外部機器としての他の測位装置及び/又は通信端末装置は、有効な補助情報を有しているときには、補助情報を測位装置へ送る。したがって、測位システムは、補助情報を利用する度に通信を行う必要が無く、効率よく補助情報を利用でき、通信トラヒック負荷の増大や、それに伴う通信費用の増大及び消費電力の増大を抑えることができる。
【0041】
(15)本発明は、測位装置のコンピュータを、人工衛星(500)から衛星信号を受信する受信手段(111b)と、少なくとも前記人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する補助情報記憶手段(113)と、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているか否かを確認する補助情報管理手段(118)と、前記補助情報管理手段による確認の結果、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているときに、前記受信手段が受信する前記衛星信号と前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報とを用いて測位演算処理を行う信号処理手段(111a)と、当該測位装置とは異なる他の測位装置と通信端末装置とのうちの少なくともひとつの外部機器と通信を行う第1の通信手段(115a)として機能させ、さらに、前記補助情報管理手段を、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されていないときに、前記第1の通信手段により通信可能な前記外部機器に対して、前記補助情報を要求するように機能させるための測位装置のプログラムを提案している。
【0042】
この発明によれば、受信手段は、人工衛星から衛星信号を受信する。補助情報記憶手段は、少なくとも人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する。補助情報管理手段は、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されているか否かを確認する。信号処理手段は、補助情報管理手段による確認の結果、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されているときに、受信手段が受信する衛星信号と補助情報記憶手段に記憶されている補助情報とを用いて測位演算処理を行う。第1の通信手段は、当該測位装置とは異なる他の測位装置と通信端末装置とのうちの少なくともひとつの外部機器と通信を行う。さらに、補助情報管理手段は、補助情報記憶手段に有効期間内の補助情報が記憶されていないときに、第1の通信手段により通信可能な外部機器に対して、補助情報を要求する。したがって、測位装置のプログラムは、測位装置を、補助情報を利用する度に通信を行う必要が無く、効率よく補助情報を利用でき、通信トラヒック負荷の増大や、それに伴う通信費用の増大及び消費電力の増大を抑えるように機能させることができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、補助情報の取得において、自機と近距離無線通信で接続可能な測位装置又は通信端末装置が記憶する補助情報の取得を優先するため、以下の効果を有する。
(1)補助情報のネットワークへの要求回数及びネットワークからのダウンロード回数の抑制により広域通信に要する通信費を低減できる。
(2)ネットワーク側での補助情報に関わるトラヒック負荷を抑制できる。
(3)補助情報を利用することにより自機の初期測位を高速化できる。
(4)通信に要する電力を抑制でき、自機のバッテリ消費を低減できる。
(5)他の機器より取得した最良の補助情報をそれ以外の機器に再配信することにより、他の機器が測位を行うときにおいても上記効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による測位システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】第1実施形態における測位装置110の内部機能ブロック図である。
【図3】第1実施形態におけるGPS受信機を内蔵する無線通信端末装置210の内部機能ブロック図である。
【図4】測位を開始する測位装置110の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態における無線通信端末装置210によるアシストデータ転送動作を示すフローチャートである。
【図6】測位装置群100に含まれる測位装置、及び、無線通信端末装置群200に含まれる無線通信端末装置におけるアシストデータ管理の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態における測位装置1110の内部機能ブロック図である。
【図8】第2実施形態におけるGPS受信機を内蔵する無線通信端末装置1210の内部機能ブロック図である。
【図9】第3実施形態における無線通信端末装置210でのアシストデータの管理動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明による測位システムの第4実施形態を示す図である。
【図11】第4実施形態における通信端末装置2210の内部機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0046】
(第1実施形態)
図1は、本発明による測位システムの第1実施形態を示す図である。
本実施形態の測位システムは、測位装置群100と、無線通信端末装置群200と、基地局300と、アシストサーバ400と、GPS(Global Positioning System)衛星500とを備えている。
【0047】
測位装置群100は、1又は複数の測位装置の集合である。本実施形態では、少なくとも1つの測位装置を含むものとして説明する。この測位装置群100の中のある測位装置110が測位を開始する測位装置であるとして以下の説明を行う。なお、測位装置群100に含まれる各測位装置(測位装置110も含む)は、それぞれが全く同一の形態の装置であってもよいし、異なる形態をした装置であってもよい。
測位装置群100に含まれる各測位装置(測位装置110も含む)は、GPS衛星500からの衛星信号を受信して測位を行う機能を内蔵している。測位装置群100に含まれる各測位装置は、近距離無線通信機能を内蔵しており、同通信の接続エリア内に存在する他の測位装置及び無線通信端末装置と通信可能である。測位装置群100に含まれる各測位装置としては、GPS受信機能付デジタルカメラ等が一例として挙げることができる。
【0048】
無線通信端末装置群200は、1又は複数の無線通信端末装置の集合である。本実施形態では、少なくとも1つの無線通信端末装置を含むものとして説明する。なお、無線通信端末装置群200に含まれる各無線通信端末装置は、それぞれが全く同一の形態の装置であってもよいし、異なる形態をした装置であってもよい。
無線通信端末装置群200に含まれる各無線通信端末装置は、無線により通信を行う通信端末装置である。各無線通信端末装置は、近距離無線通信を介して測位装置群100に含まれる各測位装置と接続可能である。また、各無線通信端末装置は、広域通信を行うインタフェースとしての広域無線通信インタフェースをも備え、基地局300を通してネットワーク側通信機器と接続可能である。
なお、各無線通信端末装置は、GPS受信機能を備えていてもよいし、GPS受信機能を備えていなくてもよい。
【0049】
測位装置群100及び無線通信端末装置群200に含まれる各装置は、測位を開始する測位装置110のユーザ自身が所有するものであるか、又は、同ユーザとローカルなネットワークをセキュアに共有しうる他ユーザが所有する装置である。これらの装置は、予め接続するためのセキュリティキー等を共有し、近距離無線通信によるローカルネットワークを構成している。
【0050】
基地局300は、広域無線通信網に含まれる固定された基地局であり、無線通信端末装置群200に含まれる各無線通信端末装置と無線接続される。
【0051】
アシストサーバ400は、基地局300と接続されたネットワーク側に設けられており、固定局としてのGPS受信機(不図示)を備え、そのGPS受信機からの情報をもとにアシストデータを生成する。ここで、アシストデータとは、GPS衛星500の航法メッセージの一部に含まれているGPS衛星500の軌道に関する情報を少なくとも含み、測位演算処理に用いられる補助情報である。具体的には、例えば、Almanac情報(利用可能な全衛星の概略の軌道周回情報)、Ephemeris情報(現在位置を担当する観測衛星の詳細な軌道周回情報)、概略位置、電離層補正値、DGPS補正値のいずれか、又はこれらいずれかの組み合わせを含むものを用いることができる。なお、アシストデータとして用いることができるものは、これらに限定されるものではない。アシストサーバ400は、各無線通信端末装置からの要求に応じてアシストデータを同機器に送信する。
GPS衛星500は、全地球測位システムで利用する人工衛星である。
【0052】
図2は、第1実施形態における測位装置110の内部機能ブロック図である。なお、測位装置110を代表として示しているが、測位装置群100に含まれる他の測位装置も同様な形態をしている。
測位装置110は、GPS信号処理部111aと、GPS受信アンテナ111bと、測位要求部112と、アシストデータキャッシュ部113と、無線通信端末装置接続リスト114と、近距離無線通信部115aと、近距離無線通信送受信アンテナ115bと、CPU116と、アシストデータ管理部118とを備えている。
【0053】
GPS信号処理部111aは、衛星信号を用いて、又は、衛星信号とアシストデータとを用いて測位演算処理を行う信号処理手段である。すなわち、GPS信号処理部111aは、GPS受信アンテナ111bで受信されるGPS衛星からの衛星信号を復調、復号する。GPS信号処理部111aは、GPS衛星500が出力する航法メッセージを機器自身で取得して測位演算処理を行う自律測位方法、及び、航法メッセージ相当のアシストデータをネットワーク上にあるアシストサーバから取得して測位演算処理を行うネットワークアシスト方法に対応している。GPS信号処理部111aは、ネットワークアシスト方法に基づいて測位する場合には、アシストデータキャッシュ部113に保持されるアシストデータを用いてGPS衛星500から受信した衛星信号を復号し測位演算処理を行う。
【0054】
GPS受信アンテナ111bは、GPS衛星500からの衛星信号を受信する受信手段である。GPS受信アンテナ111bは、複数のGPS衛星500からの衛星信号を受信可能である。
【0055】
測位要求部112は、GPS測位を開始するトリガを生成する。測位要求部112は、例えば、測位装置110の操作に連動してGPS測位を開始するトリガを生成する。本実施形態の測位装置110は、デジタルカメラであるので、例えば、撮影時にGPS測位を開始することにより、撮影データに位置情報を付加することができる。
【0056】
アシストデータキャッシュ部113は、複数の機器より受信したアシストデータを一時保持する。また、アシストデータキャッシュ部113は、保持している複数のアシストデータの中から測位に使用するために選択された最良のアシストデータをその有効期間に応じて保持する。
【0057】
無線通信端末装置接続リスト114は、近距離無線通信によるローカルネットワークの形成時に接続可能な無線通信端末装置群のリスト及び接続優先順を設定した情報を保持する。
【0058】
近距離無線通信部115aは、近距離無線通信送受信アンテナ115bを介して少なくともひとつの外部機器と通信を行う第1の通信手段である。なお、本明細書及び特許請求の範囲の記載において、外部機器とは、自機を基準として自機以外の機器を指すものである。例えば、上記近距離無線通信部115aの説明で外部機器と記載するときには、外部機器は、測位装置110が通信可能な外部にある機器であり、測位装置群100に含まれる測位装置のうちで測位装置110を除く他の測位装置と、無線通信端末装置群200に含まれる無線通信端末装置とが該当する。
近距離無線通信部115aは、外部機器、すなわち、他の測位装置と無線通信端末装置に対して有効期間内のアシストデータ有無の問合せを行う。また、外部機器が有効期間内のアシストデータを有している場合には、近距離無線通信部115aは、外部機器から同データを受信する。さらに、近距離無線通信部115aは、外部機器に対して最良のアシストデータを再配信する。
近距離無線通信部115aは、外部機器との通信に近距離無線通信を利用する。ここで、近距離無線通信のインタフェースは、例えば、無線LANやBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)等を用いることができる。
【0059】
近距離無線通信送受信アンテナ115bは、近距離無線通信部115aが近距離無線通信を行うときに用いられるアンテナである。
CPU116は、測位装置110の動作を統括的に制御する制御部である。
【0060】
アシストデータ管理部118は、アシストデータに関する動作全般を管理する補助情報管理手段である。
アシストデータ管理部118は、自機における測位要求発生時に、有効期間内のアシストデータがアシストデータキャッシュ部113に記憶されているか否かを確認する。そして、アシストデータ管理部118は、有効期間内のアシストデータがアシストデータキャッシュ部113に記憶されているときには、そのアシストデータをGPS信号処理部111aへ送る。
【0061】
一方、アシストデータ管理部118は、有効期間内のアシストデータがアシストデータキャッシュ部113に記憶されていないときには、近距離無線通信部115aを用いて、ローカルネットワーク内の外部機器に対してアシストデータ有無の問合せと、アシストデータが存在する場合には同データを送信するように外部機器に要求して同データを受信する。
【0062】
また、アシストデータ管理部118は、自機内のアシストデータキャッシュ部113に保持するアシストデータとその有効期間を管理し、有効期間内であれば継続して保持し、有効期間を超過した場合には、当該データを削除する。
【0063】
さらに、アシストデータ管理部118は、複数の外部機器より有効期間内のアシストデータを受信した場合に、測位に使用する最良のアシストデータを選択する。例えば、アシストデータ管理部118は、最新のタイムスタンプのアシストデータを最良のアシストデータとして選択する。
【0064】
さらにまた、アシストデータ管理部118は、外部機器に有効期間内のアシストデータが無い場合には、近距離無線通信部115aを用いて特定の無線通信端末装置(ここでは、無線通信端末装置210とする)に対して、ネットワーク側のアシストサーバ400からアシストデータのダウンロードを要求する。ここで、先に説明したように、無線通信端末装置接続リスト114が近距離無線通信によるローカルネットワークの形成時に接続可能な無線通信端末装置群のリスト及び接続優先順を設定した情報を保持している。アシストデータ管理部118は、この無線通信端末装置接続リスト114保持している設定情報に基づいてアシストデータのダウンロードを要求する無線通信端末装置を選択する。
【0065】
なお、測位装置110は、上述した他に、デジタルカメラとして必要な構成等を備えている。
【0066】
図3は、第1実施形態におけるGPS受信機を内蔵する無線通信端末装置210の内部機能ブロック図である。なお、無線通信端末装置210を代表として示しているが、無線通信端末装置群200に含まれる他の無線通信端末装置のうちで、GPS受信機を内蔵する無線通信端末装置も同様な形態をしている。
無線通信端末装置210は、GPS信号処理部211aと、GPS受信アンテナ211bと、測位要求部212と、アシストデータキャッシュ部213と、近距離無線通信部215aと、近距離無線通信送受信アンテナ215bと、CPU216と、アシストデータ管理部218と、広域無線通信部217aと、広域無線通信送受信アンテナ217bとを備えている。
【0067】
GPS信号処理部211aは、衛星信号を用いて、又は、衛星信号とアシストデータとを用いて測位演算処理を行う信号処理手段である。すなわち、GPS信号処理部211aは、GPS受信アンテナ211bで受信されるGPS衛星からの衛星信号を復調、復号する。GPS信号処理部211aは、GPS衛星500が出力する航法メッセージを機器自身で取得して測位演算処理を行う自律測位方法、及び、航法メッセージ相当のアシストデータをネットワーク上にあるアシストサーバから取得して測位演算処理を行うネットワークアシスト方法に対応している。GPS信号処理部211aは、ネットワークアシスト方法に基づいて測位する場合には、アシストデータキャッシュ部213に保持されるアシストデータを用いてGPS衛星500から受信した衛星信号を復号し測位演算処理を行う。
【0068】
GPS受信アンテナ211bは、GPS衛星500からの衛星信号を受信する受信手段である。GPS受信アンテナ211bは、複数のGPS衛星500からの衛星信号を受信可能である。
【0069】
測位要求部212は、GPS測位を開始するトリガを生成する。測位要求部212は、例えば、無線通信端末装置210の操作に連動してGPS測位を開始するトリガを生成する。例えば、測位要求部212は、地図ナビゲーションの実行時にGPS測位を開始するトリガを生成する。
【0070】
アシストデータキャッシュ部213は、複数の機器より受信したアシストデータを一時保持する。また、アシストデータキャッシュ部213は、保持している複数のアシストデータの中から測位に使用するために選択された最良のアシストデータをその有効期間に応じて保持する。
【0071】
近距離無線通信部215aは、近距離無線通信送受信アンテナ215bを介して少なくともひとつの外部機器と通信を行う第1の通信手段である。なお、先にも説明したように、本明細書及び特許請求の範囲の記載において、外部機器とは、自機を基準として自機以外の機器を指すものである。よって、上記近距離無線通信部215aの説明で外部機器と記載するときには、無線通信端末装置210が通信可能な外部にある機器であり、無線通信端末装置群200に含まれる無線通信端末装置のうちで無線通信端末装置210を除く他の無線通信端末装置と、測位装置群100に含まれる測位装置とが該当する。
近距離無線通信部215aは、外部機器、すなわち、他の無線通信端末装置と測位装置に対して有効期間内のアシストデータ有無の問合せを行う。また、外部機器が有効期間内のアシストデータを有している場合には、近距離無線通信部215aは、外部機器から同データを受信する。さらに、近距離無線通信部215aは、外部機器に対して最良のアシストデータを再配信する。
近距離無線通信部215aは、外部機器との通信に近距離無線通信を利用する。ここで、近距離無線通信のインタフェースは、例えば、無線LANやBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)等を用いることができる。
【0072】
近距離無線通信送受信アンテナ215bは、近距離無線通信部215aが近距離無線通信を行うときに用いられるアンテナである。
CPU216は、無線通信端末装置210の動作を統括的に制御する制御部である。
【0073】
広域無線通信部217aは、近距離無線通信部215aによる通信方式とは異なる広域無線通信を利用可能な第2の通信手段である。広域無線通信インタフェースとしては、例えばcdma2000やW−CDMA等の携帯電話システム用のアクセス方式を備えるインタフェースを用いることができる。
【0074】
広域無線通信送受信アンテナ217bは、広域無線通信部217aが広域無線通信を行うときに用いるアンテナである。
【0075】
アシストデータ管理部218は、アシストデータに関する動作全般を管理する補助情報管理手段である。
アシストデータ管理部218は、自機における測位要求発生時に、有効期間内のアシストデータがアシストデータキャッシュ部213に記憶されているか否かを確認する。そして、アシストデータ管理部218は、有効期間内のアシストデータがアシストデータキャッシュ部213に記憶されているときには、そのアシストデータをGPS信号処理部211aへ送る。
【0076】
一方、アシストデータ管理部218は、有効期間内のアシストデータがアシストデータキャッシュ部213に記憶されていないときには、近距離無線通信部215aを用いて、ローカルネットワーク内の外部機器に対してアシストデータ有無の問合せと、アシストデータが存在する場合には同データを送信するように外部機器に要求して同データを受信する。
【0077】
また、アシストデータ管理部218は、自機内のアシストデータキャッシュ部213に保持するアシストデータとその有効期間を管理し、有効期間内であれば継続して保持し、有効期間を超過した場合には、当該データを削除する。
【0078】
さらに、アシストデータ管理部218は、複数の外部機器より有効期間内のアシストデータを受信した場合に、測位に使用する最良のアシストデータを選択する。例えば、アシストデータ管理部218は、最新のタイムスタンプのアシストデータを最良のアシストデータとして選択する。
【0079】
さらにまた、アシストデータ管理部218は、外部機器に有効期間内のアシストデータが無い場合には、広域無線通信部217aを用いてネットワーク側のアシストサーバ400に対してアシストデータを要求する。そして、アシストデータ管理部218は、アシストサーバ400からアシストデータをダウンロードする。
ここで、アシストデータ管理部218は、広域無線通信部217aによる通信が行えない等の場合には、近距離無線通信部215aを用いて他の無線通信端末装置に対して、ネットワーク側のアシストサーバ400からアシストデータのダウンロードを要求してもよい。
【0080】
一方、自機が測位を開始するのではなく、測位開始する外部機器からアシストデータ取得の要求を受けた場合には、アシストデータ管理部218は、ネットワーク側へアシストデータを要求し、同データを取得する。そして、アシストデータ管理部218は、近距離無線通信部215aを介して当該外部機器へアシストデータを転送する。
【0081】
なお、無線通信端末装置210は、GPS受信機を内蔵するタイプの無線通信端末装置であることから、GPS信号処理部211aと、GPS受信アンテナ211bと、測位要求部212とを備えている。しかし、無線通信端末装置群200に含まれる他の無線通信端末装置には、GPS信号処理部211aと、GPS受信アンテナ211bと、測位要求部212とに相当する構成を備えないタイプ、すなわち、GPS受信機を内蔵していないタイプの無線通信端末装置を含めてもよい。この場合、GPS受信機を内蔵していないタイプの無線通信端末装置が測位を自ら行うことはないが、アシストデータの保持や、外部機器(測位装置や他の無線通信端末装置)からの要求に応じてアシストデータをアシストサーバ400から代理取得することは可能である。
【0082】
図4は、測位を開始する測位装置110の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、測位を開始するのが測位装置110であるものとして説明を行うが、例えば、無線通信端末装置210が測位を開始する場合にも一部を除き同様な動作を行うので、適宜その場合の動作を追加して説明を行う。
ステップ(以下、S)10では、測位を開始する測位装置110は、電源投入時等に、予め近距離無線通信で接続しうる測位装置群100及び無線通信端末装置群200とローカルなネットワークを構築する。ここで、ネットワーク側からアシストデータを無線通信端末装置経由で取得する場合に備え、近距離無線通信経由で接続可能な無線通信端末装置群200の中から、接続順位を設定し、無線通信端末装置接続リスト114に保持する。
【0083】
S20では、測位装置110内部において測位要求が発生し、測位要求部112がGPS測位を開始するトリガを生成する。
【0084】
S30では、アシストデータ管理部118は、自機内のアシストデータキャッシュ部113を参照し、有効期間内のアシストデータが存在するかを検査する。有効期間内のアシストデータが存在する場合には、S90へ進む。一方、自機内に有効なアシストデータが存在しない場合には、S40へ進む。
【0085】
S40では、アシストデータ管理部118は、近距離無線通信を用いて先に構築したローカルネットワーク内の外部機器に対して有効なアシストデータの有無を問い合わせる。
【0086】
S50では、アシストデータ管理部118は、外部機器に有効なアシストデータが有るか否かを確認する。この確認は、外部機器からの応答を受信することにより行われる。外部機器に有効なアシストデータが有る場合には、S70へ進み、外部機器に有効なアシストデータがない場合には、S60へ進む。
【0087】
S60では、アシストデータ管理部118は、先に設定した無線通信端末装置接続リスト114を参照し、予め設定した無線通信端末装置210に対してアシストデータの代理取得と自機への転送を要求する。
なお、無線通信端末装置210が測位を開始する場合には、S60では、自らの広域無線通信部217aを用いて、アシストサーバ400からアシストデータのダウンロードを行う。
S60によりアシストデータを取得した後、S90へ進む。
【0088】
S70では、アシストデータ管理部118は、近距離無線通信を用いて外部機器からアシストデータを受信する。
【0089】
S80では、複数の外部機器が有効なアシストデータを保有し、それらよりアシストデータを受信した場合、アシストデータ管理部118は、これらをアシストデータキャッシュ部113に保存し、さらにそれらの中から最良のアシストデータを選択する。ここで、アシストデータキャッシュ部113に保存される複数のアシストデータとしては、例えば、測位を開始する装置が測位装置110の場合は、無線通信端末装置経由で取得したデータあるいは他の測位装置より取得したデータであり、測位を開始する装置が無線通信端末装置210の場合は、自身がネットワーク側よりダウンロードしたデータあるいは外部機器より取得したデータである。アシストデータを選択する基準としては、例えば、アシストデータ生成時刻の最も新しいものとするとよい。測位装置110は、選択した最良のアシストデータをアシストデータキャッシュ部113に最良データとして保持する。
【0090】
S90では、取得したアシストデータを用いてGPS受信信号を解読し、GPS測位する。このステップで測位に用いるアシストデータは、S80で最良のアシストデータとして選択した場合に限らず、単一のアシストデータしか得られなかった場合であっても、そのアシストデータがその時点における最良のアシストデータとみなすことができる。
【0091】
S100では、S90で測位演算処理に用いた最良のアシストデータを同データ送信元以外の外部機器に対して再配信する。ローカルなネットワーク内で最良のアシストデータを共有することにより、他の機器が測位開始する際のアシストデータの問合せの通信処理及びそれに伴う電波出力による電力消費を抑制することが可能となる。
【0092】
図5は、本実施形態における無線通信端末装置210によるアシストデータ転送動作を示すフローチャートである。
【0093】
S210では、無線通信端末装置210は、予め近距離無線通信で接続しうる測位装置群100及び無線通信端末装置群200とローカルなネットワークを構築する。
【0094】
S220では、無線通信端末装置210は、測位装置110からアシストデータの要求を受信する。
【0095】
S230では、アシストデータ管理部218は、アシストデータキャッシュ部213を検査する。アシストデータキャッシュ部213に有効期間内のアシストデータが存在すれば、S260へ進み、有効期間内のアシストデータが存在しなければ、S240へ進む。
【0096】
S240では、アシストデータ管理部218は、ネットワーク側へアシストデータを要求し、アシストサーバ400からアシストデータをダウンロードする。
【0097】
S250では、アシストデータ管理部218は、S240でダウンロードしたアシストデータをアシストデータキャッシュ部213に保管することによりデータの更新を行う。
【0098】
S260では、アシストデータ管理部218は、有効期間内のアシストデータを要求元の測位装置110へ送信する。
【0099】
図6は、測位装置群100に含まれる測位装置、及び、無線通信端末装置群200に含まれる無線通信端末装置におけるアシストデータ管理の動作を示すフローチャートである。測位装置、及び、無線通信端末装置におけるアシストデータ管理の動作は、いずれも同様であるので、図6を用いて両者の動作を説明する。
【0100】
S310では、アシストデータ管理部(118又は218)は、アシストデータキャッシュ部(113又は213)内のアシストデータを更新する。
【0101】
S320では、アシストデータ管理部(118又は218)は、アシストデータの有効期限が超過したか否かを判断する。有効期限が超過した場合には、S330へ進み、有効期限内である場合には、S320の判断を繰り返す。
【0102】
S330では、アシストデータ管理部(118又は218)は、アシストデータキャッシュ部(113又は213)内のアシストデータを削除する。
【0103】
以上説明したように、第1実施形態によれば、広域無線通信用インタフェースを備えないGPS受信機内蔵機器がアシストデータを取得する過程において、近距離無線通信の接続エリア内の外部機器が保有するアシストデータの利用可否の判断を行う。これにより、ネットワーク側へのアシストデータ要求とダウンロードに関わる通信トラヒック負荷の増大や、それに伴う通信費用の増大等の問題点を軽減しながら、アシストデータを用いて測位演算処理の速度を向上できる。
【0104】
また、本実施形態は、広域無線通信用インタフェースを備えるGPS受信機内蔵無線通信端末装置により測位を行うときにも有効である。すなわち、無線通信端末装置210がGPS測位する際にアシストデータの入手が必要と判断される場合に、以下のように作用する。まず、ネットワーク側へアシストデータの要求やダウンロードをする前に、無線通信端末装置210は、近距離無線通信を用いて接続エリア内の外部機器に対して有効なアシストデータの有無の問い合わせを行う。そして、無線通信端末装置210は、アシストデータの受信を行い、複数のアシストデータを受信した場合は、それらの中から最良データを選択して測位に利用できる。これにより、ネットワーク側への通信トラヒック及びそれに伴う通信費用の発生を回避可能である。
【0105】
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態における第1の通信手段として用いる近距離無線通信を有線接続による有線通信に置き換えた形態である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図7は、第2実施形態における測位装置1110の内部機能ブロック図である。
図8は、第2実施形態におけるGPS受信機を内蔵する無線通信端末装置1210の内部機能ブロック図である。
例えば、外部機器が複数存在せず、広域無線通信インタフェースを備える無線通信端末装置1210が1台しか存在しない場合には、測位装置1110と1対1で接続することもできる。この有線通信を行うために、測位装置1110は、有線通信部1119を第1の通信手段として備え、無線通信端末装置1210は、有線通信部1219を第1の通信手段として備えている。
【0106】
第2実施形態によれば、測位装置1110と無線通信端末装置1210との間の通信を有線により行うので、近距離無線通信に関する構成を省略できる。よって、より簡易な構成で第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0107】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態における無線通信端末装置210でのアシストデータの管理動作を示すフローチャートである。なお、第3実施形態は、無線通信端末装置210におけるアシストデータ管理部218の動作の一部が異なる他は、第1実施形態と同様の形態である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0108】
S410では、アシストデータ管理部218は、アシストデータキャッシュ部213内のアシストデータを更新する。
【0109】
S420では、アシストデータ管理部218は、アシストデータの有効期限が超過したか否かを判断する。有効期限が超過した場合には、S430へ進み、有効期限内である場合には、S420の判断を繰り返す。
【0110】
S430では、その時点で近距離無線通信エリア内に接続可能な外部機器が存在する(すなわち、接続中である)か否かの判断を行う。接続可能な外部機器が存在する場合は、S440へ進み、接続可能な外部機器が存在しない場合は、S450へ進む。
【0111】
S440では、アシストデータ管理部218は、ネットワーク側へアシストデータの要求及びダウンロードを行う。これは、以後の測位装置からのアシストデータ転送要求に備えるための動作である。このステップを修了後は、S410へ戻り、アシストデータキャッシュ部213内のアシストデータをダウンロードした新しいアシストデータに更新する。
【0112】
S450では、アシストデータ管理部218は、アシストデータキャッシュ部213内のアシストデータを削除する。
【0113】
第3実施形態によれば、無線通信端末装置210は、測位装置110からのアシストデータ要求の前に予め定期的にアシストデータを更新する。したがって、無線通信端末装置210が広域無線通信網の圏外に移動した後の測位装置110からのアシストデータ要求にも対処できる確率を向上できる。
【0114】
(第4実施形態)
図10は、本発明による測位システムの第4実施形態を示す図である。
本実施形態の測位システムは、第1実施形態の測位システムの構成に、通信端末装置2210をさらに備えた他は、第1実施形態と同様の形態である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0115】
通信端末装置2210は、近距離無線通信を介して測位装置群100に含まれる各測位装置と接続可能である。また、通信端末装置2210は、無線又は有線により広域通信の1つであるインターネットに接続可能であり、このインターネットを介してアシストサーバ400との間で通信を行うことができる。なお、図10では、通信端末装置2210をデジタルカメラのような図柄で示しているが、通信端末装置2210は、デジタルカメラのような装置であってもよいし、携帯電話端末のような装置であってもよい。
【0116】
図11は、第4実施形態における通信端末装置2210の内部機能ブロック図である。
通信端末装置2210は、インターネット接続用通信部2220を第2の通信手段として備える他は、無線通信端末装置群200に含まれる無線通信端末装置と同様な構成をしている。
インターネット接続用通信部2220は、例えば宅内LAN、公衆無線LAN等の無線通信、又は、有線通信によりインターネットに接続して広域通信を行う第2の通信手段である。
【0117】
通信端末装置2210のアシストデータ管理部218は、インターネット接続用通信部2220を用いてインターネットを経由してアシストサーバとの通信を確立し、予めサーバからアシストデータをダウンロードしておく。
その後、ユーザが保有するその他の測位装置群100や、無線通信端末装置群200と共に携行され移動する。これらの機器は、近距離無線通信機能により互いに接続可能である。これらのうち任意の測位装置又は無線通信端末装置が測位を開始する場合に、その測位を開始する機器内にアシストデータを保有していない場合には、先の図4に示した動作と同様な動作により近距離無線通信を用いて同通信エリア内の機器に対して有効なアシストデータの有無を問い合わせて取得する。先に取得したアシストデータがこの時点で有効期間内であれば、要求元の機器はこれを取得する。
【0118】
なお、通信端末装置2210は、GPS受信機能を備えており、自らが測位を開始することができる形態を示したが、これに限らず、GPS受信機能を備えていなくともよい。また、通信端末装置2210は、インターネット接続用通信部2220の他に、第1実施形態の無線通信端末装置210の広域無線通信部217aと同様な通信手段をさらに有していてもよい。
【0119】
第4実施形態によれば、通信端末装置2210は、インターネットを介してアシストデータを取得できる。よって、本実施形態の測位システムは、より多くの通信経路を利用してアシストデータを利用できる。
【0120】
なお、測位装置及び/又は通信端末装置の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを測位装置及び/又は通信端末装置に読み込ませ、実行することによって本発明の測位装置、通信端末装置、測位システム、測位方法を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0121】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0122】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0123】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0124】
(変形形態)
(1)各実施形態において、測位装置は、デジタルカメラである例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、携帯型ゲーム機や、小型情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ等、他の種類の機器であってもよい。また、無線通信端末装置は、携帯電話端末に限らず、広域無線通信機能を有したノート型パーソナルコンピュータ等、他の種類の機器であってもよい。
【0125】
(2)各実施形態において、アシストデータとして、具体例を挙げて説明したが、これに限らず、測位演算処理に有益な他の情報をアシストデータとして、又は、アシストデータに加えて取り扱うようにしてもよい。
【0126】
(3)各実施形態において、GPS受信機能を備えた無線通信端末装置は、請求項における測位装置として機能することもできる。
【0127】
なお、第1実施形態〜第4実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0128】
100 測位装置群
110 測位装置
111a GPS信号処理部
111b GPS受信アンテナ
112 測位要求部
113 アシストデータキャッシュ部
114 無線通信端末装置接続リスト
115a 近距離無線通信部
115b 近距離無線通信送受信アンテナ
116 CPU
118 アシストデータ管理部
200 無線通信端末装置群
210 無線通信端末装置
211a GPS信号処理部
211b GPS受信アンテナ
212 測位要求部
213 アシストデータキャッシュ部
215a 近距離無線通信部
215b 近距離無線通信送受信アンテナ
216 CPU
217a 広域無線通信部
217b 広域無線通信送受信アンテナ
218 アシストデータ管理部
300 基地局
400 アシストサーバ
500 GPS衛星
1110 測位装置
1119 有線通信部
1210 無線通信端末装置
1219 有線通信部
2210 通信端末装置
2220 インターネット接続用通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工衛星から衛星信号を受信する受信手段と、
少なくとも前記人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する補助情報記憶手段と、
前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているか否かを確認する補助情報管理手段と、
前記補助情報管理手段による確認の結果、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているときに、前記受信手段が受信する前記衛星信号と前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報とを用いて測位演算処理を行う信号処理手段と、
を備える測位装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測位装置において、
少なくともひとつの外部機器と通信を行う第1の通信手段を備え、
前記補助情報管理手段は、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されていないときに、前記第1の通信手段により通信可能な前記外部機器に対して、前記補助情報を要求すること、
を特徴とする測位装置。
【請求項3】
請求項2に記載の測位装置において、
前記補助情報管理手段は、複数の前記外部機器から複数の前記補助情報を得たときには、予め定めた選択基準にしたがって1つの前記補助情報を選択し、
信号処理手段は、前記補助情報管理手段が選択した前記補助情報を用いて測位演算処理を行うこと、
を特徴とする測位装置。
【請求項4】
請求項2に記載の測位装置において、
前記第1の通信手段は、通信可能な前記外部機器として、前記第1の通信手段による通信方式とは異なる広域通信を利用可能な第2の通信手段を備えた通信端末装置と通信可能であって、
前記補助情報管理手段は、前記外部機器に対して前記補助情報を要求した結果、有効な前記補助情報を取得できなかったときには、前記通信端末装置に対して、前記第2の通信手段を用いてサーバから前記補助情報を取得して当該測位装置への前記補助情報の転送を要求すること、
を特徴とする測位装置。
【請求項5】
請求項2に記載の測位装置において、
前記第1の通信手段による通信方式とは異なる広域通信を利用可能な第2の通信手段を備え、
前記補助情報管理手段は、前記外部機器に対して前記補助情報を要求した結果、有効な前記補助情報を取得できなかったときには、前記第2の通信手段を用いてサーバから前記補助情報を取得すること、
を特徴とする測位装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の測位装置において、
前記補助情報管理手段は、取得した前記補助情報を前記第1の通信手段により前記外部機器へ再送信すること、
を特徴とする測位装置。
【請求項7】
請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の測位装置において、
前記補助情報管理手段は、前記第1の通信手段を介して前記外部機器から前記補助情報を要求された場合であって、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているときには、前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報を前記第1の通信手段を介して前記外部機器へ送ること、
を特徴とする測位装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の測位装置において、
前記補助情報管理手段は、前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報が有効期間を超過したときに、前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報を削除すること、
を特徴とする測位装置。
【請求項9】
少なくともひとつの外部機器と通信を行う第1の通信手段と、
前記第1の通信手段による通信方式とは異なる広域通信を利用可能な第2の通信手段と、
少なくとも人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する補助情報記憶手段と、
前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているか否かを確認する補助情報管理手段と、
を備える通信端末装置。
【請求項10】
請求項9に記載の通信端末装置において、
前記補助情報管理手段は、前記第1の通信手段を介して前記外部機器から前記補助情報を要求された場合であって、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているときには、前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報を前記第1の通信手段を介して前記外部機器へ送ること、
を特徴とする通信端末装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の通信端末装置において、
前記補助情報管理手段は、前記補助情報をサーバから取得して前記外部機器へ転送することを前記第1の通信手段を介して前記外部機器から要求されたときには、前記第2の通信手段を介して前記補助情報をサーバから取得して前記外部機器へ前記第1の通信手段を介して転送すること、
を特徴とする通信端末装置。
【請求項12】
請求項9又は請求項10に記載の通信端末装置において、
前記補助情報管理手段は、前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報の有効期間を過ぎたときには、前記外部機器からの要求の有無に関わらず、前記第2の通信手段を介して前記補助情報をサーバから取得して前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報を更新すること、
を特徴とする通信端末装置。
【請求項13】
少なくとも1つの測位装置と、少なくとも1つの通信端末装置と、サーバとを備えた測位システムであって、
前記測位装置は、
人工衛星から衛星信号を受信する受信手段と、
少なくとも前記人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する補助情報記憶手段と、
前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているか否かを確認する補助情報管理手段と、
前記補助情報管理手段による確認の結果、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているときに、前記受信手段が受信する前記衛星信号と前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報とを用いて測位演算処理を行う信号処理手段と、
当該測位装置とは異なる他の測位装置と通信端末装置とのうちの少なくともひとつの外部機器と通信を行う第1の通信手段と、
を備え、
前記補助情報管理手段は、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されていないときに、前記第1の通信手段により通信可能な前記外部機器に対して、前記補助情報を要求し、
前記補助情報管理手段から前記補助情報を要求された前記外部機器としての前記他の測位装置及び/又は前記通信端末装置は、有効な前記補助情報を有しているときには、前記補助情報を前記測位装置へ送ること、
を特徴とする測位システム。
【請求項14】
少なくとも1つの測位装置と、少なくとも1つの通信端末装置と、サーバとを備えた測位システムにおける測位方法であって、
前記測位装置は、
人工衛星から衛星信号を受信し、
少なくとも前記人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶し、
記憶した前記補助情報が有効期間内であるか否かを確認し、
有効期間内の前記補助情報が記憶されているときに、前記衛星信号と前記補助情報とを用いて測位演算処理を行い、
有効期間内の前記補助情報が記憶されていないときに、通信可能な外部機器に対して、前記補助情報を要求し、
前記補助情報を要求された前記外部機器としての他の測位装置及び/又は前記通信端末装置は、有効な前記補助情報を有しているときには、前記補助情報を前記測位装置へ送ること、
を特徴とする測位システムの測位方法。
【請求項15】
測位装置のコンピュータを、
人工衛星から衛星信号を受信する受信手段と、
少なくとも前記人工衛星の軌道に関する情報を含み、測位演算処理に用いられる補助情報を記憶する補助情報記憶手段と、
前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているか否かを確認する補助情報管理手段と、
前記補助情報管理手段による確認の結果、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されているときに、前記受信手段が受信する前記衛星信号と前記補助情報記憶手段に記憶されている前記補助情報とを用いて測位演算処理を行う信号処理手段と、
当該測位装置とは異なる他の測位装置と通信端末装置とのうちの少なくともひとつの外部機器と通信を行う第1の通信手段、
として機能させ、
さらに、前記補助情報管理手段を、前記補助情報記憶手段に有効期間内の前記補助情報が記憶されていないときに、前記第1の通信手段により通信可能な前記外部機器に対して、前記補助情報を要求するように機能させるための測位装置のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−80900(P2011−80900A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234279(P2009−234279)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】